注目の二塁手市場 ドノバン、ホーナーのトレードはどうなる?
2026.1.15 11:44 Thursday
二塁手のトレード市場はジャイアンツを中心に熱気を帯び始めている。ジャイアンツは二塁手の補強を目指し、ブレンダン・ドノバン(カージナルス)とニコ・ホーナー(カブス)について、トレード交渉を進めていることが報じられている。
ドノバンは今オフのトレード候補に挙げられており、ジャイアンツは移籍先として有力視されてきた。マリナーズもドノバン獲得に強い関心を示していることが明らかになっている。一方、アレックス・ブレグマンの加入でカブスの内野手に余裕が生まれたため、ホーナーがトレードされる可能性は以前よりも高まっているようだ。
ダイヤモンドバックスは最近、ケテル・マルテのトレード交渉を打ち切ることを決定した。これにより、ドノバンとホーナーに注目が集まっている。
様々な噂が飛び交う中、MLB.comでは二塁手のトレード市場に関係するチームの状況について、5人の記者に意見を聞いた。
マーク・フェインサンド記者(全国担当)
ドノバンはほぼ確実にトレードされると思われるが、複数のチームが獲得を狙っているため、カージナルスは適切なオファーが届くまで動くのを待つつもりだ。ジャイアンツとマリナーズのほか、ボー・ビシェットを獲得しないことが前提ではあるものの、レッドソックスも二塁手を必要としているチームの1つだ。
ホーナーはトレード候補として興味深い存在だ。チーム再建に突入するカージナルスとは異なり、カブスは必ずしもホーナーをトレードする必要がない。今季は引き続きホーナーを正二塁手として起用し、若手のマット・ショウにはスーパーユーティリティの役割を担わせ、1年後にホーナーがFAになったあと、ショウに正二塁手を任せることも可能だ。よって、ジャイアンツがトレードによる二塁手補強を行うのであれば、ドノバンが最有力候補になるだろう。
マリア・グアルダード記者(ジャイアンツ担当)
ジャイアンツは現時点ではケーシー・シュミットが正二塁手に予定されているが、左手首の手術明けであることに加え、1年間レギュラーとして活躍できる保証もない。ドノバンとホーナーはともにゴールドグラブ賞の受賞経験があり、コンタクト能力の高さにも定評がある。昨季、二塁手のOPSがメジャー27位の.616に終わったジャイアンツにとって、この2選手は理想的な補強ターゲットと言えるだろう。
FAまでの保有権があと2年残っていることに加え、ジャイアンツのもう1つの補強ポイントである外野も守れるため、ホーナーよりもドノバンのほうが魅力的だ。とはいえ、ホーナーがベイエリア出身で、オークランドの高校に通い、スタンフォード大学でプレーした経歴を持っていることは注目に値する。ジャイアンツがホーナー獲得に成功した場合、ホーナーはFAになる前にジャイアンツと長期契約を結ぶことを前向きに検討するかもしれない。
ジョン・デントン(カージナルス担当)
カージナルスは今オフ、すでにプロスペクト(若手有望株)とのトレードでソニー・グレイ、ウィルソン・コントレラス、ノーラン・アレナドを放出し、30年以上ぶりの本格的なチーム再建に向けて、第一歩を踏み出している。昨季チームから唯一オールスターに選出されたドノバンを放出することは、ペイロール(年俸総額)削減と若手の出場機会確保という目標に合致するだろう。
カージナルスはドノバンの後釜となる二塁手をすでに確保しており、スプリングトレーニングの活躍次第では、球団ナンバーワン有望株のJJ・ウェザーホルトが開幕ロースター入りする可能性があるとみられている。
それでも、ドノバン(今季の年俸は580万ドル=約8億7000万円)を失うことはチームにとって痛手となる。フィールドの内外でリーダーとしてチームを牽引していた選手の1人であり、昨季も118試合に出場して打率.287(自己ベスト)、10本塁打、32二塁打、50打点と堅実な活躍を見せていたからだ。まもなく29歳の誕生日を迎えるドノバンは、ボールをバットの芯でとらえるのが非常に上手く、空振りも極めて少ない。三振率はわずか13%で、これはメジャーの上位8%に入る好成績だ。
内野3ポジションと外野の両翼を守ることができ、2022年にはカージナルスの新人では史上初となるゴールドグラブ賞を受賞。2024年にもユーティリティ部門でファイナリストに選出された。
ジョーダン・バスティアン記者(カブス担当)
フェインサンド記者に同意する。ホーナーは確かにトレード候補ではあるものの、フィールドの内外でリーダーシップを発揮する二塁手を放出するためには、断れないようなオファーが届くことが必要だろう。カブスがホーナーを放出する動機があるとすれば、ぜいたく税の第1基準額となる2億4400万ドル(約366億円)まで余裕を作るということが考えられる。
とはいえ、ホーナーはカブスのロースターにおいて重要な存在であり、ブレグマンの加入によって、1年後にFAでホーナーが退団した場合にも対応できるようになった(ショウを二塁に回す)。短期的な視点で見れば、ケガ人の発生に備えて選手層を厚くすることが重要であり、ショウを複数のポジションで起用するスーパーユーティリティにすることで、クレイグ・カウンセル監督はDHのスポットも活用しながら主力選手をフレッシュな状態に保つことができる。
つまり、ホーナーを放出する可能性はゼロではないものの、ホーナーをキープしたほうが今季のカブスは強くなる。カブスが現在も先発投手の補強を目指しているのであれば、ホーナーを放出して投手を獲得するのは理にかなった選択肢だった。しかし、カブスのフロントオフィスはすでにマーリンズとのトレードでエドワード・カブレラを獲得している。先発補強のニーズが満たされ、2026年のカブスの戦力はほぼ整った。ペイロール削減やファーム組織の充実という目的がない限り、わざわざホーナーを放出する明確な必要性は見当たらない。
ダニエル・クレーマー記者(マリナーズ担当)
ジェリー・ディポート編成本部長はウィンターミーティングでインパクトのある打者をあと1人探しており、できれば内野手を獲得したいと考えていることを明かした。しかし、それから1カ月が経過したものの、マリナーズは少なくとも公の場では沈黙を貫いている。
マリナーズの内野手補強の必要性は、昨年のポストシーズンのヒーローであるホルヘ・ポランコがウィンターミーティング直後にメッツと2年契約を結んだことで、より切迫したものとなった。それ以降、目立った動きがないとはいえ、ディポート編成本部長とジャスティン・ホランダーGMが水面下で全く動いていなかったわけではない。
マリナーズはオフシーズン序盤、ドノバンのトレードについてカージナルスと交渉を行っていた。しかし、関係者によると、カージナルスはその時点ではドノバンよりも年俸が高いベテランの放出を優先していたという。そして、13日(日本時間14日)にようやくアレナドのトレードが成立。ここから本格的にドノバンのトレード交渉が加速していくかもしれない。
また、ブレグマンの移籍が決まったあと、ディポート編成本部長とホランダーGMがホーナー獲得について、実際にどの程度カブスと交渉したかは不明だが、マリナーズは昨オフからホーナー獲得に強い関心を示しており、カブスがカイル・タッカーを獲得するトレードを成立させるまで、真剣に交渉を行っていた。カブスはタッカー獲得のためにイサーク・パレイデスを放出したため、2025年シーズンのホーナーの必要性が高まり、マリナーズとのトレードは実現しなかった。
