マリナーズが内野手補強 三角トレードでカージナルス・ドノバンを獲得へ
2026.2.3 10:32 Tuesday
マリナーズが2026年のラインナップ完成に向けて、待望の内野手補強に成功した。
2日(日本時間3日)、MLB.comが複数の関係者から得た情報によると、マリナーズはレイズを含む三角トレードでカージナルスからブレンダン・ドノバンを獲得したようだ。なお、身体検査の結果待ちのため、球団からの正式発表はまだ行われていない。
トレードの詳細
マリナーズ獲得:二塁手ブレンダン・ドノバン
カージナルス獲得:右腕ジュランジェロ・サインチェ(マリナーズ7位・全体90位の有望株)、外野手タイ・ピート(マリナーズ11位の有望株)、外野手コルトン・レッドベター(レイズ24位の有望株)、ドラフト指名権2つ(マリナーズから全体68位、レイズから全体72位)
レイズ獲得:三塁手ベン・ウィリアムソン
マリナーズにとって、ドノバンの獲得は今オフの最優先事項だったが、交換要員について合意できない状況が長く続いていた。三角トレードが成立し、マリナーズとカージナルスのトレード交渉はようやく終わりを迎えた。
カージナルスは今オフ、新たに編成本部長となったハイム・ブルームの下で本格的なチーム再建に突入し、すでにノーラン・アレナド、ウィルソン・コントレラス、ソニー・グレイを放出。ドノバンは移籍が噂されていたカージナルスの選手の中で最もトレード価値の高い選手であり、今回の三角トレードで大きな対価を得ることに成功した。
29歳のドノバンは、新天地マリナーズで上位打線に起用されることが予想されている。内外野の多くのポジションを守れるドノバンの加入により、ダン・ウィルソン監督の選手起用の幅は一気に広がるはずだ。
昨年初めてオールスターに選出されたドノバンは、メジャー最初の4年間、主に二塁手として活躍し、225試合で二塁の守備に就いた。しかし、ほかにも一塁(30試合)、三塁(46試合)、遊撃(14試合)、左翼(163試合)、右翼(30試合)での出場経験がある。2022年にはユーティリティ部門でゴールドグラブ賞に輝き、ルーキーが同賞を受賞するのは球団史上初の快挙だった。
守備での汎用性も光るドノバンだが、マリナーズが獲得に興味を示した最大の理由は堅実な打撃力だ。カージナルスで過ごした4年間で打率.282、40本塁打、97二塁打、5三塁打、202打点、出塁率.361、OPS.772を記録。総合指標WARは10.1(ファングラフス版)、得点創出能力を示すwRC+は119(平均は100)をマークした。コンタクト能力が高く、三振が非常に少ないため、打者に不利と言われる本拠地T-モバイルパークにおいて、理想的な選手と言えるだろう。
ドノバンは先月、カージナルスとの年俸調停を回避し、580万ドル(約8億7000万円)で合意している。FAまでの保有期間は2年残っており、今季だけでなく来季もマリナーズの上位打線の一角として期待できる。
マリナーズは傘下に多くの有望な内野手が控えており、ドノバンの「2年」というのは若手内野手が台頭するまでのつなぎとして理想的だ。また、今回の三角トレードでウィリアムソンが放出されたため、メジャー全体9位の有望株であるコルト・エマーソンには開幕ロースター入りのチャンスが出てきた。
マリナーズのジャスティン・ホランダーGMは、エマーソン、ウィリアムソン、二塁手のコール・ヤングといった若手内野手への信頼を繰り返し表明してきた。しかし、その一方で、昨年10月に「あと8アウト」まで迫った球団史上初のリーグ優勝を成し遂げるためには、少なくともあと1人は実績のある打者が必要であるという現実もあった。
マリナーズは今オフ、一塁手のジョシュ・ネイラーと5年9250万ドル(約138億7500万円)で再契約を結んだが、ホルヘ・ポランコ(メッツと2年契約)とエウヘニオ・スアレス(レッズと1年契約)が流出したため、内野手が手薄になっていた。
ドノバンの加入により、マリナーズの上位打線にはネイラー、フリオ・ロドリゲス、カル・ローリー、ランディ・アロザレーナと合わせて、直近2年間でオールスターに選ばれた選手が5人も揃うことになる。
マリナーズのドノバン獲得への道筋が大きく開けたのは、獲得競争におけるライバルだったジャイアンツが方針を転換し、首位打者3度のルイス・アライズと1年契約で合意したからだ(ジャイアンツはアライズを二塁手として起用する予定)。しかし、最大のライバルだったジャイアンツのほかにも、ドノバンには多くのチームが興味を示していた。
ドノバンがこれほど人気を集めたのは、年俸が手頃であることと、攻守両面での汎用性が大きな理由だ。カージナルスから放出されたほかの選手(アレナド、コントレラス、グレイ)はいずれも大型契約を結び、トレード拒否権を与えられていたが、ドノバンにはなかった。さらに、ドノバンは実績組の3人よりも若い。
ドノバンは平均以上の打力を持ちつつ、高い汎用性を誇る選手であり、エマーソンやヤングにも出場機会を与えたいマリナーズにとって、ポジションの制約があるポランコやスアレスよりも理想的な戦力と言える。エマーソンを三塁に置きたいときはドノバンを二塁に、ヤングを二塁に置きたいときはドノバンを三塁や外野に回すことも可能だからだ。
また、マリナーズとレイズはトレードの取引相手として関係が深い。ジェリー・ディポート編成本部長が2015年オフにマリナーズの編成トップに就任して以降、マリナーズとレイズの間で成立したトレードは今回が16件目となる。
マリナーズが放出した選手たち
サインチェは2024年ドラフト1巡目(全体15位)指名で入団した両投げ投手。ただし、マリナーズは先日、2026年シーズンに向けて、サインチェを右投げに専念させることを発表していた。
ホランダーGMは長期的な視野において、先発投手の層の厚みを確保していくことの必要性を訴えているが、マリナーズにはケイド・アンダーソン(全体21位の有望株)とライアン・スローン(全体33位の有望株)がおり、サインチェのポテンシャルはこの2人ほど高くないとみられていた。アンダーソンは昨年のドラフト全体3位指名でプロ入り。早ければ今年中にメジャー昇格の可能性がある。
ピートは2023年ドラフト全体30位指名で入団(全体23位指名のエマーソンとドラフト同期)。マイナー通算264試合でOPS.724を記録し、昨年はハイAでプレーした。元々は内野手だったが、昨年から外野手に転向し、中堅手としてプレーできる身体能力の高さを発揮していた。
