【戦評】ダルビッシュを攻略しマリナーズ快勝
2017.6.19 12:19 Monday

ダルビッシュ有(レンジャーズ)の立ち上がりを攻め、初回に4点を先制したマリナーズが7-3で快勝したこの試合。何より輝いたのは、ここ最近湿りがちだったカイル・シーガーのバットだった。
昨季は6ヶ月連続で5本塁打を放ち、自己最多の30本塁打。デビュー以来、3→20→22→25→26→30と毎年本塁打を増やし、チームの主力選手として順調に成長してきた男が、今季は開幕からなかなか調子が上がらず、苦しいシーズンを送っている。しかし、今季は出場したほぼ全ての試合で4番または5番打者として起用されるなど、スコット・サービス監督からの信頼は揺るがない。
「シーガーは大活躍だったね」とサービス監督は試合後、シーガーの活躍を絶賛した。1回表、ダルビッシュから無死一、二塁のチャンスを作ったマリナーズ打線だったが、3番ロビンソン・カノーと4番ネルソン・クルーズが連続三振。嫌なムードが立ち込めていた。しかし、シーガーがそのムードを払拭する。カウント3-0からの甘い速球を逃さず捉え、フェンス直撃の先制タイムリーツーベース。これでカウント3-0からの通算成績は20打数8安打(打率.400、5二塁打、3本塁打)となった。「カウント3-0というのは投手を追い詰められる数少ないチャンスなんだ。ファウルにならずヒットにできたのはラッキーだったね」とシーガーは自身の先制打を振り返った。シーガーの先制打の後、マリナーズはパスボールと6番ダニー・バレンシアの7号ツーランで3点を追加し、一挙4点を先制。好投手ダルビッシュを相手に大きな4点を手に入れた。
シーガーはさらに3回表にダルビッシュから一塁線を破るタイムリーツーベース、8回表にも3番手ダリオ・アルバレスからレフトへのタイムリーツーベースを放ち、3安打3打点の大活躍。「昨日までの2日間もしっかりスイングできていたけど、運がなかった。今日は幸運なことに、野手がいないところに打球が飛んでくれたんだ」と謙虚に話したが、今日の2安打を含めてダルビッシュとの通算対戦成績は32打数12安打(打率.375)。これは20打席以上対戦がある選手の中では3番目に高い数字となっている。
「最初の2試合で点を取りすぎて今日は疲れていた」(エルビス・アンドルース遊撃手)というレンジャーズに快勝し、なんとかスイープを回避したマリナーズ。開幕前の目標だった地区優勝はほぼ絶望的なものになっているが、ワイルドカード圏内まで2.5ゲーム差とポストシーズン進出の可能性はまだ十分に残っている。カノー、クルーズとともに中軸を形成するシーガーが本格的に復調すれば、チームにとってこの上なく頼もしい戦力になることは間違いないだろう。