【戦評】アレナード サイクル決めるサヨナラ弾!
2017.6.19 12:50 Monday

やはりこの男はスーパースターだ。2年連続二冠王&4年連続ゴールドグラブ賞のノーラン・アレナード(ロッキーズ)がサヨナラ本塁打でサイクルヒットを達成するという離れ業をやってのけた。
「ここ(クアーズ・フィールド)はどんどん賑やかになっている。今までで一番賑やかかもね」とアレナードは、快進撃を続けるチームに対する声援が日々大きくなっていることを実感している。「ファンやその他の人々は僕たちの快進撃がホンモノなんだということを感じ始めていると思うよ」とチームを5連勝に導いた立役者は誇らしげに語った。
1回裏の第1打席で三塁打、4回裏の第2打席でシングルヒットを放ったアレナードは、6回裏の第3打席に放った勝ち越しタイムリーツーベースでサイクル達成に王手をかけた。7回裏の第4打席こそ空振り三振に倒れたものの、1点差に迫った9回裏一死一、三塁の場面で回ってきた第5打席。球場中からのサヨナラ勝ちへの期待に、アレナードは最高の形で応えてみせた。ジャイアンツの守護神、マーク・マランソンの初球を振り抜いた打球はそのままレフトスタンドへ。本拠地クアーズ・フィールドは割れんばかりの大歓声に包まれた。
サイクルヒットはウィル・マイヤーズ(パドレス)、トレイ・ターナー(ナショナルズ)、カルロス・ゴメス(レンジャーズ)に次いで今季メジャー4人目。早くも昨季の3人を上回り、2010年以降では最多タイとなった。また、マイヤーズ、ターナー、アレナードの3人はクアーズ・フィールドでサイクルヒットを達成。これでクアーズ・フィールド(1995年開場)でのサイクル達成は通算17度目となり、現行の球場ではフェンウェイ・パーク(1912年開場)と並ぶ最多タイ記録となった。さらに、サヨナラ本塁打でサイクルヒットを決めたのは2010年7月31日のカルロス・ゴンザレス(ロッキーズ)以来7年ぶり、史上5人目の快挙となっている。
ロッキーズはこれで5連勝。7連勝中のダイヤモンドバックス、3連勝中のドジャースがともに直近10試合で9勝1敗と好調をキープしている中、ナ・リーグ西部地区の首位をキープしている。自慢の三塁守備でも今季ここまで僅か1失策と素晴らしい成績を残しているアレナード。このまま攻守両面でチームを牽引し、球団史上初の地区優勝に導けば、クアーズ・フィールドにこだまする「MVP」コールは現実のものとなるに違いない。