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【This is MLB ⑩】両チームの選手として試合に出場!? MLB史上初の珍事

2024.8.29 23:23 Thursday

 6月26日(日本時間27日)のブルージェイズ対レッドソックスの一戦は、2回途中に雨天のためサスペンデッドゲームに。8月26日(同27日)に再開され、夏のトレードでブルージェイズからレッドソックスに移籍したダニー・ジャンセンによってMLB史上初の珍記録が生まれた。

 NPBでは雨天の場合、5回の表裏の攻撃終了でゲームは成立。それより前に雨天コールドになると、ノーゲームとなり、シーズン終盤の予備日に再試合が行われる。しかし、MLBはノーゲームとはならず、サスペンデッド(一時中断)で、後日継続試合が行われる。

 レッドソックスのホームで行われた6月26日、2回表のブルージェイズの攻撃。一死1塁で打席にはダニー・ジャンセン。カウント0-1となった場面で雨が強くなり、19時31分から1時間48分間中断し、21時19分にサスペンデッドが決まった。再開は2ヶ月後の8月26日(同27日)、フェンウェイ・パークでのダブルヘッダー第1試合となった。

 2回表、一死1塁で再開された試合は、移籍したジャンセンに代わり、代打ドールトン・バーショが打席に。その打席、ホームベースの後ろではジャンセンがマスクをかぶっていた。6月の試合に出場していたレッドソックスの捕手、リース・マグワイアは40人枠から外れており、7月に加入したジャンセンが代わって捕手に就いたのだ。

 自身の打席で代打が送られ、その打席で対戦相手としてマスクをかぶる。なんともややこしい状況だが、「両チームの選手として同じ試合に出場」というMLB史上初の珍記録はこうして生まれた。

 その後、ジャンセンは4打席に立って1安打。ブルージェイズでは0打席だったが、もしも2ストライクで再開され、代打が三振となった場合はジャンセンの記録となり、「捕手ジャンセンがリードし、打者ジャンセンを三振に抑える」ことになった可能性もあった。

 また、8月25日(同26日)に通算200号本塁打を達成したレッドソックスのラファエル・デバースがこの日に本塁打を放てば、6月26日(27日)の成績として反映されるため、8月17日(同18日)に放った199本目が通算200号になる可能性もあった(結果は4打数無安打)。吉田正尚は「6番・DH」で出場し、9回の第4打席でグリーンモンスター直撃の二塁打を放ったことで、6月の月間打率は.200から.204に変更された。

 試合はブルージェイズのリードで進み、9回裏二死で二塁に吉田を置き、打席に立ったジャンセンだったが、空振り三振に倒れて最後の打者にもなった。ジャンセンは試合後、「奇妙なことだ。自分自身が歴史を作るなんて状況を想像さえもしたことがなかった」とコメント。珍記録を演出したレッドソックスのアレックス・コーラ監督は「みんなが楽しんでくれてよかった」と敗戦したにもかかわらず満足げだった。

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