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財政難パドレス 守護神の放出に前向きか シースは残留の可能性

2025.2.9 10:53 Sunday

 日本時間8日にコナー・ジョー、ジェイソン・ヘイワードの両外野手を獲得し、ついに補強に重い腰を上げたパドレス。しかし、今オフの補強は慎ましいものにもかかわらず、既に総年俸は膨れ上がっている。サンディエゴ地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」のケビン・エイシー記者は、「ほぼ間違いなく、パドレスは高額選手の売却を続ける」と開幕前までのトレードの可能性を示唆している。

 昨季は王者ドジャースをあと一歩まで追い詰めたパドレスだが、今オフでドジャースとは大きな差が付いてしまった。ドジャースが度肝を抜く大補強を展開する一方、パドレスは多くの主力がFAで退団。代わりに獲得したのはジョー、ヘイワード、そしてエリアス・ディアスといった安価なベテランのみだった。パドレスは財政難を抱える上、昨季から主力選手の年俸が高騰し、大きな補強に動けるだけの余裕がなかった。

 パドレスは目下、補強と年俸削減を両方しなければならないというジレンマに直面している。パドレスのロスターは複数のベテランを獲得してもなお、まだ穴がある状態だ。しかし、これ以上の補強を続けたくても、財政的に贅沢税ラインの超過は許されず、ここからむしろ総年俸を削減する必要がある。そのため、長期契約を結んでいない先発右腕ディラン・シース、首位打者ルイス・アライズといった選手を放出し、即戦力の対価を狙うのではという噂が今オフは流れていた。

 ただ、エイシー記者によれば、シース、二塁手ジェイク・クロネンワース、先発右腕マイケル・キングのトレードの可能性は低いという。今季限りでFAとなり、再契約の可能性もごく低いシースはトレード必至と考えられていたが、エイシー記者の情報筋によれば残留の可能性が高まっているという。また、キングも球団の財政難を汲んだ変則的な契約で調停を回避しており、もはや放出の理由が薄くなっている。そして、7年8000万ドルの長期契約下にあるクロネンワースについても、球団が彼を高く評価していることから、放出の可能性は低いと指摘されている。

 一方、パドレスは守護神ロバート・スアレスと遊撃手ザンダー・ボガーツの放出に前向きだ、とエイシー記者は報じた。特にスアレス放出は「最も可能性が高い動き」だとされている。パドレスはスアレス抜きでも、ジェイソン・アダムやジェレマイア・エストラーダなどの優秀なブルペン陣を維持できる見込みだ。戦力の大幅ダウンに繋がらないスアレスの放出で、残り3年2600万ドルの契約を削減した上で、さらにそれなりの見返りを得られるだろう。加えて、2023年に11年2億8000万ドルの契約を結んだボガーツの放出にも前向きだ。ただ、パドレスはボガーツの残り契約の相当部分を負担する用意があるというが、ここ数年は数字を落としているボガーツでその負担に見合う対価を得られるか、引き取り相手が現れるかは疑問も残る。

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