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ア・リーグ西地区は史上稀に見る混戦か 三つ巴でオッズ拮抗

2025.2.11 15:34 Tuesday

 いよいよ2025シーズンの開幕が迫り、各データサイトはこぞって選手・球団の予測成績を算出している。その中で、今季史上稀に見る大激戦となりそうなのがア・リーグ西地区だ。前年王者のアストロズ、2023年世界一のレンジャーズ、強力投手陣を擁するマリナーズの優勝確率はほぼ横一線。これはここ10年でほとんど見られなかった事態だという。MLB公式サイトのマイク・ペトリエロがまとめている。

 今季のMLBで圧倒的地区優勝候補と呼べるのは、ナ・リーグ西地区のドジャースくらいで、その他の地区では混戦が予想されている。米データサイト「ファングラフス」の予測では、前年の地区優勝チームで今季も地区優勝オッズが最も高いのは、ドジャースとヤンキースのみ。それ以外はどのチームも前年優勝していない、あるいはプレーオフにも出られなかったチームの優勝が予想されている。

 その一つがア・リーグ西地区だ。ア・リーグ西地区はここ8年で7回の地区優勝を果たしているアストロズという絶対王者がいる。しかし、アストロズの実力はかげっており、今オフは主軸カイル・タッカーを放出し、正三塁手のアレックス・ブレグマンのFA流出も濃厚。その分補強もしたとはいえ、今季もアストロズが優勝するとは断言できないだろう。打倒アストロズに近いのが、2023年に世界一になったレンジャーズと強力投手陣擁するマリナーズだ。レンジャーズはコリー・シーガー、ジェイコブ・デグロムが怪我なく出場できれば、プレーオフを逃した昨季の二の舞いは避けられそうだ。マリナーズも貧打は依然問題だが、ローガン・ギルバートとジョージ・カービー擁する先発ローテはMLBトップ。彼らがいる限り、今季も優勝争いを演じるだろう。

 そして、「ファングラフス」の優勝確率はこのようになっている。

◆ア・リーグ西地区 優勝確率
33% レンジャーズ
31% マリナーズ
30% アストロズ
4% アスレチックス
3% エンゼルス

 レンジャーズ、マリナーズ、アストロズの優勝確率はそれぞれ30%弱と見込まれ、拮抗している。ペトリエロ記者は過去9シーズン分の予測をリサーチしたが、今季のア・リーグ西地区のように地区優勝確率が三つ巴で拮抗した例は今までなかったという。同記者によれば、どの地区優勝予測に挙げられたチームも、今季のレンジャーズの33%より優勝確率は高かったそうだ。

 今季のア・リーグ西地区ほどの本命不在の地区優勝レースは、過去9シーズンでわずか4例しかない。37%の地区優勝確率で臨んだブリュワーズが制した2021年のナ・リーグ中地区、ツインズ(39%)とガーディアンズ(34%)が有力とされ、結局ガーディアンズに軍配が上がった2023年のア・リーグ中地区、ブリュワーズが18%の低確率から独走した2024年のナ・リーグ中地区、そしてヤンキース(36%)が優勝した2024年のア・リーグ東地区がそれだ。

 ただ、ここで挙がったいずれの例も、3チームが30%以上の優勝確率で拮抗する今季のア・リーグ西地区ほどではない。レンジャーズ、マリナーズ、アストロズの3チームは、2023年にもシーズン162試合目までもつれ、タイブレーカーで決着する地区優勝争いを演じたことがある。今季もその再現がなされるのか。あるいは、下位に予想されながら、精力的に補強したアスレチックスとエンゼルスの番狂わせもあり得るのか。ア・リーグ西地区は今季大きく盛り上がるかもしれない。

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