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ヤンキースが5点差をひっくり返す逆転勝利 ボルピーがマルチ本塁打
【ブレーブス9-12ヤンキース】アトランタ/トゥルーイストパーク、7月19日(日本時間20日)
ア・リーグ東地区2位のヤンキースは、最大5点のビハインドをひっくり返し、ナ・リーグ東地区4位のブレーブスに逆転勝利。不振に苦しんでいたアンソニー・ボルピーにマルチ本塁打が飛び出し、同点の九回にはトレント・グリシャムがグランドスラムを放ち、勝負を決めた。
ヤンキースは先発のウィル・ウォーレンが5失点と打ち込まれ、五回終了時で2-7と劣勢に立たされた。しかし、3安打に四球、敵失を絡めて4点を返す。七回にコディ・ベリンジャー、八回にはボルピーがその日2本目となるソロを放ち、ついに8-8の同点に追いついた。そして九回、2死満塁のチャンスでグリシャムが17号グランドスラムを放ち、12-8と一気に勝ち越し。結局、ブレーブスを12-9で下し、鮮やかな逆転勝利を見せた。
勝利の立役者となったのは、五回に追い上げの11号2ラン、八回に同点12号ソロを放ったボルピー。名門球団の正遊撃手として3年目を迎える24歳は、6月15日以降の99打数でわずか9安打(打率.121)と不振に喘いでいた。この日、ボルピーが試合前に集まったファンに対してサイン会を行っていると、ファンからは「元気を出せ。いいことが起こるぞ」が励ましの声がかかった。そしてその言葉は現実のものとなり、ボルピーは劣勢を変える2ラン、そして同点ソロを放ち、チームを逆転勝利に導いた。
ヤンキースは後半戦の初勝利を挙げ、今季の戦績を54勝44敗とした。地区首位のブルージェイズは後半戦の出だしを連勝で飾っており、ヤンキースは差を3ゲームから縮められていない。ブレーブスとの3連戦が終われば、次は21日(日本時間22日)からは敵地トロントに乗り込み、ブルージェイズとの3連戦が始まる。5点差をひっくり返す逆転勝利で、ヤンキースは天王山に向けて勢いを作れるだろうか。
2025.7.20 13:25 Sunday
スアレスのマルチ本塁打でDバックスが大勝 スアレスはリーグ二冠に
【ダイヤモンドバックス10-1カージナルス】アリゾナ/チェイスフィールド、7月19日(日本時間20日)
ダイヤモンドバックスはエウヘニオ・スアレスの今季5度目のマルチ本塁打により、カージナルスに10-1で大勝。後半戦最初の2試合に勝利して借金完済にリーチをかけ、プレーオフ圏内まで4.5ゲーム差に迫っている。トレードデッドラインまで2週間を切ったが、ナ・リーグ西地区4位のダイヤモンドバックスが買い手に回るのか、売り手に回るのかは不透明なままだ。
ダイヤモンドバックスは初回からカージナルス先発のソニー・グレイを打ち込んだ。ヘラルド・ペルドモのタイムリーで1点を先制すると、5番スアレスが2死一塁から逆方向へ32号2ランを放ち、3点を先行。二回にも2本のタイムリーで2点を加え、三回には再びスアレスが33号ソロを放って6点目を入れた。
投げても、先発のライン・ネルソンが6回1失点の好投を見せ、6勝目をマーク。打線はその後も攻勢の手を緩めず、カージナルス投手陣から2桁得点を奪った。スアレスが3打数2安打(2本塁打)3打点の大爆発で強力打線を牽引し、ナ・リーグ本塁打ランキングで大谷翔平(ドジャース)と並ぶ1位タイに、打点ランキングでも鈴木誠也(カブス)を上回る81打点目で1位に立った。
ダイヤモンドバックスはシーズンを諦めて売り手に回るのか、それともポストシーズン進出の可能性を信じて買い手に回るのか。そのジレンマはチームが息を吹き返したことで、より深刻になっている。
マイク・ヘイゼンGMは「前にも言ったけど、もう一度言う。もっと良いプレーをする必要がある。トレードデッドラインが迫る今、チャンスは減っている。でも、もっと良いプレーをする必要がある」と語り、チームの再浮上を決して諦めたわけではないようだ。しかし、ここから急激に調子を上げない限り、ダイヤモンドバックスは売り手に回る可能性が高いかもしれない。
ヘイゼンGMはまた「リーグ内での私たちの立ち位置、そしてブルペンの負傷者数、そしてそこから立ち直るための現実的な可能性について(オーナーと)話し合ってきた」ともコメント。ダイヤモンドバックスは強力打線こそ相変わらずだが、投手陣に負傷者が続出している。特にリリーフ投手陣の深刻な駒不足は変わっておらず、それが買い手に回ることを断念させるかもしれない。
ヘイゼンは、チームの様々な選手に興味を持つチームがいくつかあると見当はついているものの、見返りがどれほどになるかは詳しく話し合っていないという。ダイヤモンドバックスにはナ・リーグの二冠王であるスアレスをはじめ、一塁手のジョシュ・ネイラー、先発投手のザック・ギャレンやメリル・ケリーなど、トレード市場に出れば引く手数多の選手が揃っている。ダイヤモンドバックスのここ数試合の勝敗には、球界の注目が集まるだろう。
2025.7.20 12:51 Sunday
マリナーズが首位攻防3連戦の初戦を制す 好調のアロザレーナが先制弾
【マリナーズ6-1アストロズ】シアトル/T-モバイル・パーク、7月18日(日本時間19日)
アメリカン・リーグ西地区で2位につけているマリナーズは、後半戦最初のカードで首位アストロズと直接対決。その初戦に6-1で勝利し、アストロズとのゲーム差を4に縮めることに成功した。
マリナーズ先発のルイス・カスティーヨは三回、先頭からの連打で無死一、二塁のピンチを背負ったが、後続3人を抑えて無失点。すると、マリナーズは四回に打撃好調のランディ・アロザレーナが18号ソロを放ち、先制点を叩き出した。アロザレーナは直近14試合で10本塁打。今季「14戦10発」を記録したのは、メジャー全体でアロザレーナのほかにカル・ローリー(マリナーズ)だけである。
援護をもらったカスティーヨは、七回に2死一、二塁のピンチを招いて降板したものの、6回2/3を3安打、7三振、2四球、無失点に抑える好投。2番手のゲーブ・スパイアーはマウリシオ・デュボンをライトフライに打ち取り、1点のリードを守った。
追加点がほしいマリナーズは、七回にミッチ・ガーバーが6号ソロを放ち、待望の2点目。八回にイサーク・パレイデスのタイムリー二塁打で1点差に詰め寄られたが、その直後にJ・P・クロフォードとローリーのタイムリーなどで一挙4点を追加し、勝利を決定づけた。
オールスター・ブレイク前にはアストロズに最大7ゲーム差をつけられたマリナーズだが、首位攻防3連戦の初戦を制し、4ゲーム差に接近。2001年以来24年ぶりの地区優勝を成し遂げるチャンスはまだまだありそうだ。
2025.7.19 13:58 Saturday
パドレスが九回一挙5得点で勝利 マチャド今季チーム初の満塁アーチ
【ナショナルズ2-7パドレス】ワシントンD.C./ナショナルズ・パーク、7月18日(日本時間19日)
パドレスは後半戦の初戦でナショナルズと対戦。2点リードの八回に追いつかれたものの、九回にマニー・マチャドが今季チーム初の満塁本塁打を放つなど一挙5点を勝ち越し、7-2で勝利した。なお、パドレスの松井裕樹には登板機会がなかった。
開幕97試合目にして、ついにパドレスに今季初のグランドスラムが飛び出した。八回にCJ・エイブラムスの13号2ランで追いつかれた直後、九回無死一、三塁からエリアス・ディアスの2打席連続となるスクイズで勝ち越しに成功したパドレスは、さらに1死満塁のチャンスに。ここでマチャドが高めに浮いたフォーシームを仕留め、レフトに18号グランドスラムを叩き込んだ。
パドレス先発のディラン・シースは六回途中まで94球を投げ、4安打、10三振、無四球、無失点の好投を披露。2ケタ三振を奪ったのは今季3度目、2ケタ三振&無四球のピッチングはキャリア通算で5度目だった。
パドレスは二回にジェイク・クロネンワースの犠飛で先制し、シースを援護。その後、なかなか追加点を奪えなかったが、七回1死一、三塁のチャンスでディアスが見事にスクイズを成功させた。
八回に登板した4番手のジェイソン・アダムが同点弾を浴び、リードを守れなかったものの、九回に一挙5点を勝ち越し。マチャドのキャリア通算13本目となる満塁弾がチームの勝利を決定づけた。
2025.7.19 11:50 Saturday
エンゼルスが両軍合計6本塁打の空中戦を制す ウォード22号決勝弾
【フィリーズ5-6エンゼルス】フィラデルフィア/シチズンズバンク・パーク、7月18日(日本時間19日)
エンゼルスは後半戦の初戦をブルペンゲームで戦い、「先発投手を5人しか起用しない」という記録が96試合でストップ。しかし、打線が3本のアーチなどで投手陣を援護し、後半戦の初戦を勝利で飾った。
オープナーを務めたライアン・ゼファージャンを含め、7人のリリーバーを起用したエンゼルスは、ホルヘ・ソレアとジョー・アデルが本塁打を放ち、五回にはマイク・トラウトのタイムリーで同点に。そして、七回に飛び出したテイラー・ウォードの22号2ランが決勝打となり、強豪フィリーズを6-5で破った。トレード・デッドラインが迫る中、今季48勝49敗で5割復帰にリーチをかけている。
エンゼルスが放った3本塁打の中で最も大きかったのは、やはり七回のウォードの一発だ。同点の場面で打席に入ったウォードは、フィリーズの左腕タナー・バンクスが投じたスイーパーを捉え、左中間スタンドに勝ち越しの22号2ランを叩き込んだ。今季22本塁打はチーム最多、アメリカン・リーグ全体でも5位にランクインする好成績である。
エンゼルスは初回にカイル・シュワーバーの31号ソロで先制されたあと、二回にソレアの11号ソロで追いついたが、三回にブライス・ハーパーの11号3ランで勝ち越された。しかし、四回にアデルの20号2ランで1点差とし、五回にはトラウトが同点タイムリー。トラウトはこの一打で通算996打点とし、マイルストーン達成にまた一歩前進した。
七回にウォードの一発で勝ち越したあと、八回にハーパーの12号ソロで1点差に詰め寄られたが、最後は守護神ケンリー・ジャンセンが締めくくり、6-5で試合終了。ジャック・コハノウィッツがマイナー降格となり、開幕ローテの5人以外の投手が今季初めて先発した試合だったが、合計7人の投手が粘り強く投げ、後半戦は白星スタートとなった。
なお、フィリーズ3連戦の2戦目には菊池雄星が先発予定。チームを5割復帰に導く好投が期待される。
2025.7.19 11:04 Saturday
Dバックスのケテル・マルテが制限リスト入り 自宅が空き巣の被害に
ダイヤモンドバックスの後半戦はカージナルス、アストロズとのホーム6連戦からスタート。ここで好成績を収め、トレード・デッドラインでは売り手でなく買い手になることを目指すが、18日(日本時間19日)にケテル・マルテの制限リスト入りが発表され、オールスター二塁手を欠いた状態での戦いを強いられることになった。
マルテはオールスター・ブレイクの期間中にアリゾナ州フェニックス地区にある自宅が空き巣の被害に遭った。トーリ・ロブロ監督は、それがマルテが「数日間の休暇」を求めてきた理由であることを示唆した。
ロブロ監督は「彼は少し休みを取り、チームから離れ、落ち着きを取り戻してからチームに復帰し、力を発揮したいと言ってきた。だから、数日間の休暇を与えることにしたんだ。彼とはあまり連絡を取っていないよ」と語っている。
前半戦で負傷者が続出したダイヤモンドバックスは現在、ナショナル・リーグのワイルドカード争いにおいて、3位のパドレスに5.5ゲーム差をつけられている。ワイルドカード圏内に入るためには、パドレス、ジャイアンツ、カージナルス、レッズの4チームを追い抜かなければならない。
そうした状況の中、マイク・ヘイゼンGMはまだトレード・デッドラインで買い手に回るか売り手に回るかを明言していない。今後1週間ほどの戦いがヘイゼンGMの決断を大きく左右する可能性もあるだろう。
マルテが制限リスト入りしたのは、マルテがアクティブ・ロースターに入ったまま離脱すると内野手が不足する可能性があり、新たな内野手を追加するためにロースターの枠が必要だったからだ。ダイヤモンドバックスはセルジオ・アルカンタラとメジャー契約を結び、彼をアクティブ・ロースターに加えている。
アルカンタラは今季ジャイアンツで1試合に出場(4打数ノーヒット)。ジャイアンツ傘下3Aのサクラメントでは68試合に出場して打率.206、14打点、OPS.571を記録している。
ロブロ監督はマルテの自宅に侵入した犯人が捕まることを望み、「彼がどんな状況に直面しているかは、チームのみんなが知っている。本当に不運だった。彼は動揺し、チームから離れたがっているが、私はそれを尊重し、時間を与えるつもりだ」とコメント。打率.290、19本塁打、40打点、OPS.961の好成績を残しているマルテの離脱は間違いなくチームにとって痛手だが、指揮官はマルテの意思を尊重した。
「彼は素晴らしい野球選手であり、打線に入れば様々な方法で試合に影響を与えることができる。しかし、今は彼の状況を尊重したい。彼がここにいてくれたら最高だが、今はそうではない。チームとしてこの状況に対処していくしかない」とロブロ監督。トレード・デッドラインで売り手に回ることを避けるためにも、ダイヤモンドバックスはマルテ不在の期間をチーム一丸となって戦い抜く。
2025.7.19 10:27 Saturday
レッドソックスの連勝が10でストップ 吉田正尚は代打で空振り三振
【カブス4-1レッドソックス】シカゴ/リグレー・フィールド、7月18日(日本時間19日)
破竹の10連勝で前半戦を終えたレッドソックスだが、その勢いを後半戦の初戦に持ち越すことはできなかった。10連勝以上の大型連勝のままオールスター・ブレイクに突入したのは1935年タイガース、1975年レッズ、2022年マリナーズに次いで今年のレッドソックスが4チーム目。過去3チームはいずれも後半戦の初戦に敗れたが、レッドソックスも1-4でカブス3連戦の初戦を落とした。
先発のルーカス・ジオリトは前半戦の最終6先発でいずれもクオリティスタートを達成し、5勝0敗、防御率0.70の好成績をマーク。ところが、後半戦の初戦は立ち上がりに制球を乱し、1番マイケル・ブッシュと2番カイル・タッカーをいずれも四球で歩かせると、鈴木誠也には高めのフォーシームを捉えられ、左中間への26号先制3ランを浴びた。
「シリーズ、そして後半戦の始まり方としては最悪だった」と自身のピッチングを振り返ったジオリト。オールスター・ブレイクを挟み、中8日と登板間隔が空いたことについては「言い訳はできない。いつでも投げられる準備を整えておくのが自分の仕事だから」と語った。
レッドソックス打線は三回2死からチャンスを作り、ロマン・アンソニーのタイムリー二塁打で反撃。しかし、それ以降は走者を出しながらも得点を奪えず、八回に代打で登場した吉田正尚も空振り三振に倒れた。
アレックス・コーラ監督は「チャンスはあったと思うが、走塁ミスが痛かった」と試合を振り返った。しかし、前日の夜にリグレー・フィールドで行われた任意参加の練習会にはほぼ全員が出席するなど、チームの雰囲気は決して悪くない。カブス3連戦の2戦目は今永昇太との対戦になるが、相手のエース左腕を打ち崩し、再び勢いに乗っていけるか注目だ。
2025.7.19 09:27 Saturday
カブス・鈴木が後半戦初打席で26号3ラン 打点リーグトップに浮上
【カブス4-1レッドソックス】シカゴ/リグレー・フィールド、7月18日(日本時間19日)
鈴木誠也(カブス)は前半戦終了時点でリーグ2位タイの77打点、同4位の25本塁打、同11位のwRC+を記録。オールスター・ゲームに選出されてもおかしくないだけの成績を残していた。
結局、自身初となるオールスター選出を果たすことはできなかったが、後半戦の初戦は初回の第1打席で先制の26号3ランを放つ好スタート。今季80打点に到達し、ナショナル・リーグの打点王争いで再びトップに浮上した。
初回のカブスの攻撃は、先頭のマイケル・ブッシュと2番カイル・タッカーが連続四球でチャンスメイク。「3番・DH」の鈴木はレッドソックス先発のルーカス・ジオリトが投じた初球、93.5マイル(約150.5キロ)の高めの4シームを叩き、左中間に26号先制3ランを放り込んだ。
カブス投手陣は先発のコリン・レイが5回4安打1失点と好投し、5人のリリーバーも無失点。鈴木の先制アーチで奪ったリードを守り、10連勝中だったレッドソックスを4-1で破った。
カブスは今季の成績を58勝39敗とし、少なくともあと1日はナ・リーグ中部地区の単独首位の座をキープすることが確定。トレード・デッドラインでは買い手に回ることが確実視されており、ジェッド・ホイヤー編成本部長もそのスタンスを隠していない。この試合が終了した時点で2位ブルワーズとは1.5ゲーム差となったが、5年ぶりの地区優勝とポストシーズン進出を成し遂げるためにも、1勝をコツコツと積み重ねていくことが大切になる。
トレード・デッドラインまで2週間を切ったが、カブスはトレード市場の情勢がより明確になるまで、やや様子見の姿勢を取っている。現在は勝利を積み重ねていくことに集中しており、鈴木の一発により、後半戦は幸先の良いスタートを切ることができた。
なお、鈴木は三回の第2打席でもヒットを放ち、4打数2安打3打点の活躍。今季の打撃成績は打率.265、OPS.876となっている。
2025.7.19 08:53 Saturday
レンジャーズ・ダニングとブレーブス・ルイーズ 右腕同士のトレード成立
17日(日本時間18日)、ブレーブスはレンジャーズとのトレードで右腕デーン・ダニングを獲得したことを発表した。トレードの対価として右腕ホセ・ルイーズ(プラス金銭)をレンジャーズへ放出。また、ロースターの枠を空けるためにベテラン右腕ジェシー・チャベスのDFAが発表されている。
ダニングは30歳の右腕。2023年には自己最多の12勝を挙げ、レンジャーズのワールドシリーズ制覇に貢献したが、昨季は26試合(うち15先発)で防御率5.31と成績を落とし、今季はここまでわずか5試合の登板にとどまっていた。新天地ブレーブスでは主にロングリリーフを担うことになるとみられるが、先発を務める機会も出てくるだろう。まだマイナー・オプションも残っているため、ブレーブスとしては柔軟に起用することができる。
ルイーズは30歳の右腕。メジャー9年間で通算282試合に登板しており、2022年はホワイトソックスで自己最多の63試合、昨季もフィリーズで52試合に登板した。しかし、今季は開幕からの16登板で防御率8.16と精彩を欠き、6月上旬にフィリーズからDFAに。その後、ウエーバー経由でブレーブスに移ったが、2度目の登板で1回3失点と打ち込まれ、ロースターの40人枠を外されていた。
ブレーブスからDFAとなったチャベスは41歳の大ベテラン。昨季はブレーブスで46試合に登板して防御率3.13と堅実な働きを見せたが、今季はわずか4登板で防御率9.00に終わっていた。主にロングリリーフを担ってきたチャベスだが、その役割はダニングに取って代わられることになりそうだ。
2025.7.18 12:51 Friday
MLBの「リプレー・レビュー・ルーム」では何が行われているのか
よく親戚や友人との集まりで、野球に関する様々な質問をされることがあるが、妻のいとこの義父からの質問には完全に面食らった。
どういうわけか、そのときの話題はMLBの「リプレー・レビュー・ルーム」についてだった。
「そこには何人の審判がいるのか?」
わからない。
「審判は15試合すべてを同時に見ているのか?」
わからない。
「同時に2つのリプレーが起きたらどうなるのか?」
わからない。
わからないのも無理はない。というのも、MLB本部の「Zoom Replay Operations Center」には何度も足を運んだことがあるが、試合が行われている最中に立ち会ったことは1度もなかったからだ。私が知っている限りでは、試合中にそこに足を踏み入れた記者は1人もいないはずである。
よって、このトピックは検証する価値がある。というわけで、実際の試合中の様子を確かめるべく、5月19日の月曜日、「MLBネットワーク」の撮影班とともにリプレー・ルームに入り、クルーチーフのジェームス・ホイ審判員に密着することに成功した。
その密着で得た学びを通して、今回の記事では10個の質問に答えていく。次回の家族の集まりが楽しみだ。
【1】リプレーを担当する審判員のシフトはどうなっているのか?
MLBの全審判員はシーズン中に1週間のリプレー・ルーム勤務を2~3回担当し、合計すると年間でおおよそ14〜21日となる。基本的には月曜から日曜までのシフトだが、月曜や木曜など試合数が少ない日には休みになることもある。
審判員のシフトは同時に進行する2試合を担当する形になっている。リプレー・ルームには常時2組の4人編成で審判団が配置され、15試合のスケジュールを網羅できる体制が整えられている。
取材当日の夜、ホイ審判員はレッズ対パイレーツと、カブス対マーリンズの2試合を担当。どちらもアメリカ東部時間で18時40分に開始された。各審判員の持ち場の前には大型モニターがあり、2試合を同時に視聴できるようになっている。
精神的な疲労を避けるため、たとえばアメリカ東部時間19時開始の試合と同22時開始の試合を続けて担当することはない。担当の試合が終了した時点でその審判員のシフトは完了する。
審判員たちはこのシフトを現場での過酷な職務から一息つける機会として歓迎している。
「私が所属するクルーは、直前に25日間で1日しか休みがなかった。だから、ここに来るのを楽しみにしていた。フィールドを離れてリフレッシュできるし、身体的にも精神的にも回復できるからね」とホイ審判員は語った。
【2】ポストシーズンはどうなるのか?
ポストシーズンの試合では、各試合に2人のリプレー審判員が割り当てられる。1人は「リード」というメインの担当で、もう1人が補助(アシスト)である。
【3】審判員はどれくらいの数のリプレー映像を確認できるのか?
リプレー・センターでは、MLBが提供するスタジアムの高所からのホームカメラ1台と、バッターカメラ2台が使われている。それに加えて、ホームとビジターの中継映像から得られる最大4台のスーパー・スローモーションカメラと、17台の独立カメラ(特定の選手専用のカメラ)の映像が活用される。
高所のホームカメラは、判定の変更が必要な際に走者の位置を間違えないために主に用いられるが、それ以外の大半の映像は放送局のクルーから提供されるものである。「ニューヨークにはこちらにない角度の映像がある」と中継などでよく耳にすることがあるが、それはMLB独自の映像ではなく、ほかの放送局から提供された映像を指している。
【4】審判員以外にその部屋には誰がいるのか?
この部屋には、明確に定義された役割を持つ多くの人員が配置されている。主な内訳は以下の通りである:
• 審判員 • オペレーター(審判員ではないが、同じ試合を見て共同作業を行う) • 監督審判員 (すべての検証が適切に進んでいるかを確認する) • 技術ディレクター(チャレンジが発生すると、審判員や監督審判員と並び、必要なすべての映像を技術チームから受け取る) • 技術スタッフ • キャプテン(ヘッドセットで技術スタッフと連携し、利用可能なすべての映像を把握してオペレーターに伝達する)
さらに、レビュー時間、プレーの種類、適用されたルール、使用した決定的映像など、100項目近いデータを記録・収集する管理部門も存在する。これらの情報はメディアやSNSなどに提供され、透明性を確保する役割を担っている。
また、部屋の奥には技術的な不具合が発生した際に即対応できるよう、エンジニアや技術担当者のオフィスがある。
よって、部屋にいる人数が30人を超えることも珍しくない。
リプレー・オペレーション・センターには16人の常勤スタッフと約50人の短期スタッフが所属しており、MLB球団の多くが、ここで経験を積んだ人材を球団のリプレー担当者として採用している。
【5】チャレンジが発生した際、部屋では何が起こるのか?
チームが正式にチャレンジを申請する前から、リプレー・ルームではすでに動きが始まっている。
際どいプレーが発生すると、オペレーターが部屋全体に男性の自動音声によるアラートを送る。この時点で監督審判員、技術ディレクター、そしてほかの審判員(自身の試合でリプレー検証中でない者)がその場所に集まり、オペレーターは放送映像を巻き戻して、再検証できるよう準備する。
取材時に観察した限りでは、こうした際どいプレーの多くは実際にはチャレンジされない。実際、ホイ審判員は自身の経験にもとづき、プレーがチャレンジされないことを察して、監督審判員やほかの審判員が到着する前に手振りで撤退を指示した場面も複数あった。
だが、実際にチャレンジが発生した場合、オペレーターによって、今度は女性の自動音声で通知が届けられる。これにより部屋全体がチャレンジが行われたことを理解し、左右の壁に設置されたタイマーでレビュー時間の計測が開始される。
現場の審判団から連絡が入るまでに、検証担当の審判員がすでにプレーを何度も見直して、判定の方向性をほぼ固めていることも少なくない。たとえば、ホイ審判員が担当したパイレーツのキブライアン・ヘイズが一塁でセーフと判定されたプレーでは、現場のクルーチーフからヘッドセット越しに連絡がきた時点で、ホイ審判員はすでに映像を複数回確認しており、投手のニック・ロドロが一塁手のスペンサー・スティアーからの送球を受け、打者走者のヘイズより先にベースを踏んでいたことは明らかだった。
ホイ審判員は判定をわずか5秒で覆した。
【6】チャレンジはどれくらいの頻度で起こり、どれくらいの時間がかかるのか?
7月初旬までの時点で、1試合あたり平均0.59件のリプレー・レビューが行われている。つまり、リプレー担当の審判員はシフト中に平均して1~2件のチャレンジに対応していることになる(われわれが観察したシフトでは、ホイ審判員は2件のチャレンジを担当し、いずれも判定が覆った)。
今季のリプレー・レビューの平均所要時間は1分26秒である。
参考までに、今季のチャレンジおよびクルーチーフによるレビューのうち、49.5%が「confirmed」(判定が正しいことが確認された)もしくは「stands」(判定を覆すに十分な映像証拠がなかった)となり、50.2%はフィールド上の判定が覆された。なお、残りの0.3%はルールの確認や記録のチェックなど、判定と無関係なものである。
【7】プレーを確認している審判員はほかの審判員と協議できるのか?
答えは「YES」で、頻繁に行われている。ほかの審判員たちはチャレンジされたプレーを担当する審判員の持ち場の近くに集まり、必要に応じてアドバイスを送る。
たとえば、リプレー担当の審判員に対して、監督審判員が「今見ているものを説明してくれ」と言う。すると、その審判員は「ランナーの足が塁に触れる前にタッチされたように見える」といった説明をし、ほかの審判員たちとその認識が一致しているか確認したうえで、最終的な判定を現場のクルーチーフに伝える。
【8】同時に2つのチャレンジが発生した場合は?
別々のステーションで2件のチャレンジが発生した場合は、それぞれ別のチームが対応するため、比較的スムーズに処理される。監督審判員や技術ディレクターも、一方のステーションからもう一方へ移動する時間的余裕がある(しばしば、一方の判定のほうが簡単なケースもある)。
1人の審判員が担当している2試合のうち1試合でリプレーが発生した場合、もう一方の試合は一時的に別の審判員が引き継ぐ。そのため、その審判員は一時的に3試合を担当することになる。もし、1人の審判員が担当する2試合の両方でほぼ同時にチャレンジが発生した場合は、もう1人の審判員がどちらか一方のチャレンジを処理することになる。
【9】フィールド上の審判団がリプレー判定に口出しすることはあるのか?
いいえ。フィールド上のクルーチーフがチャレンジ内容をリプレー担当の審判員に伝えたあと、リプレー担当の審判員はプレーを分析する間、ヘッドセットをミュートにしており、最終判断を下すまで再びオンにすることはない。
【10】「同時」の場合はランナーが優先されるのか?
実際に「同時」は存在する。ただし、それを確認し、フィールド上の判定を維持するか覆すかを判断するのはリプレー担当の審判員の役割である。レビューによって間違いなく「同時」であると判断された場合、その判定(セーフであれアウトであれ)はフィールド上の審判員による当初の判定のまま維持される。
2025.7.18 12:03 Friday