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今永昇太がFAのカブス 先発ローテの問題にどう対処していくのか

 カブスがナショナル・リーグの地区シリーズの進出した時点で、クレイグ・カウンセル監督が持つ先発ローテーションの選択肢は限られていた。新人ケイド・ホートンは負傷離脱し、今永昇太は不振。ほかの先発候補数人もブルペンにおり、マシュー・ボイドとジェイムソン・タイオンの両ベテランが重責を担うことになった。

 今永が一連の契約オプションの選択を経て、フリーエージェント(FA)になるという決断を下す前から、カブスの課題は明確だった。2026年にポストシーズンを勝ち進んでいくためには、先発ローテーションのさらなる強化が必要ということだ。

 ジェッド・ホイヤー編成本部長はシーズン終了後の記者会見で「(先発投手の補強が必要であることがハッキリしたのは)私にとって最大の収穫だ。シーズンの長い戦いの中で、私たちは本当にいいチームで、いいポジションにいると思っていた。しかし、最終的には負傷者が出てしまった。短期決戦の性質を考えると、使える投手がもっと多ければよかったと思う」と反省を口にした。

 今永がFAになったことを踏まえ、カブスの先発投手陣の状況には「3つのクエスチョンマーク」がある。

【1】今永を引き留める可能性は?

 カブスは今永を2028年シーズンまでチームに残すという選択をせず、3年5775万ドル(約86億円)の球団オプションを破棄した。その後、今永も1年1525万ドル(約23億円)の選手オプションを破棄。その結果、今永はFA市場に出ていくことになった。

 今永が選手オプションを破棄したのは当然の選択だった。なぜなら、カブスに残留する場合に年俸が上昇する可能性があるからだ。32歳の今永はカブスから1年2202万5000ドル(約33億円)のクオリファイングオファーを受ける資格がある。もしカブスがクオリファイングオファーを提示し、今永がそれを受諾した場合、今永は選手オプションを行使する場合よりも高い年俸でカブスに残留することができるのだ。今永がクオリファイングオファーを拒否し、他球団と契約した場合、カブスは来年のドラフトで補償指名権を得ることができる。

 クオリファイングオファーの制度がスタートした2012年以降、クオリファイングオファーを提示された144人のうち14人しか受諾していない。今永もカブスから提示されたクオリファイングオファーを蹴る可能性があるが、だからといってカブス残留の可能性が消滅するわけではない。1人のFA選手として、カブスと新たな契約を結ぶこともできる。なお、今永は2026年だけでなく、2027年にも年俸1525万ドル(約23億円)の選手オプションがあったため、実質的には2年3050万ドル(約46億円)の契約を破棄したことになる。つまり、FA市場ではこれを上回る契約を目指すことになるだろう。

【2】今永不在のローテーションの現状は?

 ボイドとタイオンの両ベテランは来季まで契約が残っている。同じくベテランのコリン・レイは今季チーム2位の投球イニング数(159回1/3)を記録。カブスが年俸600万ドル(約9億円)の球団オプションを行使することを決断すれば、レイも来季の先発ローテーションに加わることになる。

 負傷で長期離脱を強いられたジャスティン・スティールもいる。2023年に飛躍を遂げてオールスターに選出され、サイ・ヤング賞候補にも挙がったスティールは昨季の開幕投手を務めた。今季は左肘の手術を受けることになり、わずか4登板でシーズン終了。10月には投球プログラムを再開しており、来季の早い段階での復帰を目指している。

 それ以外にも、ナ・リーグ新人王のファイナリストに選出されたホートン、若手トリオのハビアー・アサッド、ベン・ブラウン、ジョーダン・ウィックスがいる。マイナーに目を向けると、メジャー全体67位の有望株であるジャクソン・ウィギンスもおり、早ければ来季のどこかでメジャーデビューを果たす可能性もありそうだ。

【3】球団外部からの補強候補は?

 カブスは夏のトレード市場でインパクトのある先発投手の補強を目指したが、対価の要求が高く、断念せざるを得なかった。ホートンや新人三塁手のマット・ショウについて問い合わせてきた球団もあったようだが、両者とも今季のカブスのポストシーズン進出に不可欠な存在だった。

 今オフ、カブスのフロントオフィスと放出候補の先発投手を抱えるチームの間でトレード交渉が再開される可能性がある。マーリンズにはサンディ・アルカンタラ、エドワード・カブレラという魅力的なトレード候補がいる。ツインズのジョー・ライアンやナショナルズのマッケンジー・ゴアもターゲットになるだろう。

 FA市場ではディラン・シースとフランバー・バルデスがトップクラスの先発投手だ。マイケル・キングもFAとなり、ほかにはレンジャー・スアレス、ザック・ギャレン、メリル・ケリーといった好投手もいる。カブスのマイナー組織で育ったシースは興味深い存在と言えるだろう(2017年7月にホセ・キンタナとのトレードで放出)。

2025.11.6 11:44 Thursday

エンゼルスがジョー・アデルとテイラー・ウォードの放出を検討か

 エンゼルスは11年間ポストシーズンから遠ざかっており、トンネルの出口はまだ見えない。そのため、長期的な視野に立ってロースターを編成していく必要がある。そうした状況の中、エンゼルスは今季の本塁打数チーム1位・2位のスラッガーを放出する可能性があるという。MLBネットワークのジョン・ポール・モロシによると、エンゼルスはジョー・アデルとテイラー・ウォードに対するトレードのオファーを検討する方針だ。

 ウォードは今季36本塁打、103打点、OPS.792を記録。アデルより5歳年上で、フリーエージェント(FA)まで残り1年になっていることを考えると、アデルよりもトレードされる可能性が高いと言える。31歳のウォードは2026年シーズン終了後、FAになる予定だ。

 一方のアデルは、FAまであと2年保有可能な選手だ。元有望株のアデルは2020~24年にOPS.649と苦戦していたものの、今季は急成長を遂げ、37本塁打、98打点、OPS.778を記録。しかし、センターの守備では精彩を欠き、守備指標OAA(Outs Above Average=平均よりどれだけ多くアウトを奪ったか)では同ポジションでワーストの-8に終わった。センターよりも両翼向きの選手であり、エンゼルスはウォードを放出することでアデルのためのポジションを空けることができる。

 モロシが外野手補強を目指すチームとして挙げるのがフィリーズだ。左翼のレギュラーとしてOPS.691を記録したマックス・ケプラーはFAとなり、右翼のレギュラーを務めたニック・カステヤノスもOPS.694にとどまった。カステヤノスは5年契約があと1年残っているが、首脳陣との関係性が悪化していることもあり、今オフ中にトレードされるか、リリース(解雇)される可能性が高いとみられる。外野の両翼が空いているフィリーズにとって、ウォード(またはアデル)はチームにフィットする存在と言えるだろう。

 今オフ、外野手の移籍マーケットが活性化することが予想されている。ウォードとアデルのほか、スティーブン・クワン(ガーディアンズ)、ランディ・アロザレーナ(マリナーズ)、ジャレン・デュラン(レッドソックス)、アドリス・ガルシア(レンジャーズ)らにもトレードの可能性があり、FA市場にはカイル・タッカー、コディ・ベリンジャーといった大物選手もいるからだ。

2025.11.6 10:28 Thursday

ポストシーズンのヒーロー、ホルヘ・ポランコがオプション破棄でFAに

 予想されていた通り、ホルヘ・ポランコは来季の選手オプション(年俸600万ドル=約9億円)を破棄してフリーエージェント(FA)となる。5日(日本時間6日)、マリナーズが発表した。

 しかし、2025年シーズンに華々しい復活を遂げた32歳の二塁手(兼指名打者)について、マリナーズは再契約に興味を示しているようだ。

 また、マリナーズはレイズと小規模なトレードを成立させ、金銭トレードで右腕コール・ウィルコックスを獲得。さらに、60日間の負傷者リストに登録されていたライアン・ブリス、グレゴリー・サントス、トレント・ソーントンを復帰させるなど、ロースターの微調整を行った。

 ポランコは昨年10月に左膝の手術を受け、今年1月にマリナーズと1年700万ドル(約10億5000万円)で再契約した際、「2025年シーズンに450打席以上出場すれば、2026年シーズンの選手オプションを獲得する」という条項を盛り込んでいた。このオプションには75万ドル(約1億1250万円)のバイアウト(契約解除金)も設定されており、ポランコはこの75万ドルを受け取ってFA市場に出ていくことになる。

 ポランコはマリナーズ移籍1年目の昨季、膝の不調に悩まされ続け、膝をかばいながらプレーした結果、ハムストリングの負傷にもつながった。しかし、今季は華麗な復活を遂げ、チームに大きく貢献した。

 スプリングトレーニングから4月にかけての期間は、膝の回復に充て、常時出場することはできなかった。その後、右脇腹を痛め、右打席に立てない時期や守備に就けない時期があったものの、指名打者としての地位を確立し、今季の負傷者リスト入りは1度もなかった。

 レギュラーシーズンでは26本塁打を放ち、これは2021年に自己最多の33本塁打をマークして以来の数字。ポストシーズンでは4本塁打を放つなど、打線を牽引する活躍を見せ、チームをリーグ優勝決定シリーズ進出に導いた。最終的に、レギュラーシーズンでは138試合に出場して524打席に立ち、打率.265、出塁率.326、長打率.495、OPS.821、30二塁打、78打点を記録。三振率は昨季の29.2%から15.6%とほぼ半減した。

 こうした活躍により、ポランコはシルバースラッガー賞の二塁手部門のファイナリストに選ばれている。

 マリナーズは今オフ、ポランコのほか、野手ではジョシュ・ネイラー、エウヘニオ・スアレス、ミッチ・ガーバー、投手ではケイレブ・ファーガソンやルーク・ジャクソンがFAとなっている。ポランコは2024年1月に4選手とのトレードでツインズから加入。2024年シーズン終了後、年俸1200万ドル(約18億円)の球団オプションを破棄されてFAとなったが、2カ月後に再契約を結び、今季開幕当初は三塁手としてプレーした。

 ネイラー(一塁)、ポランコ(二塁)、スアレス(三塁)がFAになったため、少なくとも現時点では、マリナーズの内野はJ・P・クロフォード(遊撃)以外のレギュラーが固まっていない状況だ。クロフォードは2022年のシーズン開幕日に結んだ5年契約の最終シーズンを迎えようとしている。

 とはいえ、マリナーズには内野の穴を埋められる可能性のある有望株がいる。

 二塁手のコール・ヤングは5月31日(同6月1日)にメジャーデビューしたあと、輝かしい活躍を見せたシーンもあったが、シーズン終盤は苦戦。その結果、マリナーズはポランコを指名打者から二塁に戻すという決断をした。ブリスは4月に左上腕二頭筋を断裂し、リハビリ中の9月には右膝半月板断裂でシーズン終了となったが、来春までには回復する見込みだ。ヤングとブリスはスプリングトレーニングで正二塁手争いに加わることが予想されるが、こうした有望株がメジャーに定着するまでの「つなぎ役」としてポランコと再契約を結ぶことは、間違いなくチームにとってプラスとなるだろう。

 内野のほかのポジションに目を移すと、三塁手のベン・ウィリアムソンは85試合に出場し、チームトップクラスの守備力を発揮。トレード期限にスアレスが加入するまで、三塁のレギュラー格としてプレーした。OPS.604と低調だったものの、マリナーズはほかのポジションの攻撃力でカバー。ウィリアムソンは安定した守備力でチームに貢献し続けた。

 球団1位・メジャー全体9位の有望株である20歳のコルト・エマーソンは、今季マイナーの3階級でプレー。来季はどこかのタイミングで三塁のレギュラー争いに加わる可能性がある。しかし、来季の開幕時点でメジャーのロースターに名を連ねることは考えにくい。

 最大のクエスチョンマークは一塁だが、このポジションには明確な答えがある。それはネイラーと再契約を結ぶことだ。しかし、ネイラーは年平均2000万ドル(約30億円)前後の4~5年契約を結ぶと予想されており、FA市場での人気も高いため、マリナーズが引き留められるかどうかは不透明だ。

 マリナーズは今オフ、3000万ドルから3500万ドル(45億円から52億5000万円)くらいの補強資金があるとみられる(シーズン終了後の記者会見でジェリー・ディポート編成本部長が示唆)。しかし、マリナーズはネイラーとの再契約を最優先事項としているため、ポランコの引き留めに必要な資金を確保できるかどうかは微妙な情勢となりつつある。

2025.11.6 09:58 Thursday

ブレーブスが左腕セールのオプションを行使へ 来季年俸1800万ドル

 驚くべき動きではないが、MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報によると、ブレーブスは左腕クリス・セールの球団オプション(年俸1800万ドル=約27億円)を行使する方針を固めたようだ。まだ球団からの公式発表は行われていない。

 ブレーブスは2023年12月にレッドソックスとのトレードでセールを獲得したあと、2年3800万ドル(約57億円)で契約を延長。その2年契約に2026年の契約オプションが含まれていた。

 セールはブレーブス移籍1年目の2024年にキャリア初のサイ・ヤング賞を受賞。177回2/3を投げて18勝3敗、防御率2.38、225奪三振と素晴らしい成績を残し、投手三冠に輝いた。

 今季は左胸郭骨折の影響で2カ月以上を欠場。ブレーブスはセールのほかにも負傷者が続出し、2018年以降では初めてポストシーズンに進むことができなかった。しかし、健康時のセールは好調なパフォーマンスを見せ、125回2/3を投げて7勝5敗、防御率2.58、165奪三振を記録。現在36歳のセールは、2018年以降、負傷に苦しむシーズンが続いており、30試合以上に先発したのはレッドソックス時代の2017年が最後である。

 ウォルト・ワイス新監督の就任が決まったブレーブスは、米東部時間6日午後5時(日本時間7日午前7時)までにセールの来季オプションを正式に行使する必要がある。アレックス・アンソポロス編成本部長は、出演したラジオ番組の中で、オジー・オルビーズの球団オプション(年俸700万ドル=約10億5000万円)も行使する方針であることを明かしている。ほかにはタイラー・キンリー、ピアース・ジョンソン、デービッド・フレッチャーも来季の球団オプションを有している。なお、キム・ハソンはすでに来季の選手オプション(年俸1600万ドル=約24億円)を破棄し、フリーエージェント(FA)になることが決まった。

2025.11.6 08:41 Thursday

ロイヤルズが攻守の要・ペレスと2027年シーズンまで2年間の契約延長

 4日(日本時間5日)、ロイヤルズは正捕手サルバドール・ペレスと2027年シーズンまで2年間の契約延長に合意したことを発表した。契約総額は2500万ドル(約37億5000万円)と報じられている。

 J・J・ピコーロGMは「サルビー(=ペレスの愛称)はロイヤルズのレジェンドであり、この球団史上、最も重要な選手の1人です。単年の契約オプションがありましたが、彼のレガシーをそれ以上に長く残したいと誰もが望んでいました。サルビーのロイヤルズへの献身に感謝し、契約延長が成立したことをファンの皆様と同様に喜んでおります」と語った。

 35歳のペレスはオールスター選出9度、ゴールドグラブ賞5度、シルバースラッガー賞5度という輝かしい実績を誇る名捕手。2015年のワールドシリーズではMVPに輝き、2024年にはロベルト・クレメンテ賞を受賞した。また、2023年には球団史上4人目のキャプテンに就任している。

 メジャーリーグの歴史上、シルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞をそれぞれ5度以上受賞した捕手は、ペレスのほかに1人しかいない。殿堂入りの名捕手イバン・ロドリゲスだ。

 ロイヤルズ一筋14年目のシーズンとなった今季、ペレスは155試合に出場して30本塁打、100打点を記録。シーズン30本塁打は、球団タイ記録の48本塁打を放って本塁打王に輝いた2021年に次ぎ、キャリアで2番目に多かった。また、シーズン100打点を達成するのは2年連続3度目だった。

 出場試合の50%以上で捕手としてプレーした選手が、35歳以上でシーズン100打点を記録するのはメジャー史上2人目。1985年に37歳で107打点をマークした殿堂入り捕手カールトン・フィスク以来の快挙となった。

 また、ペレスは今季、通算300本塁打と1000打点のマイルストーンに到達。主に捕手としてプレーした選手では、300本塁打が史上8人目、1000打点は史上15人目の快挙だった。

 ロイヤルズの歴史上、通算303本塁打は球団2位、1016打点も同2位、長打634本は同3位、1712安打は同6位、1707試合出場は同7位にランクイン。殿堂入り選手のジョージ・ブレットが持つ球団最多本塁打記録(317本)まであと14本に迫っている。

2025.11.5 11:26 Wednesday

ホワイトソックスがロバートJr.の年俸2000万ドルのオプションを行使

 ホワイトソックスはルイス・ロバートJr.の2026年シーズンの契約オプション(年俸2000万ドル=約30億円)を行使した。これは今年のトレード期限において、クリス・ゲッツGMがロバートJr.を放出しなかった時点で事実上確定していた動きだ。トレードされずホワイトソックスに残ったロバートJr.は8月26日に左ハムストリングを痛め、残りの試合を欠場した。

 一方、ベテラン左腕のマーティン・ペレスは年俸1000万ドル(約15億円)の相互オプションを破棄。バイアウト(契約解除金)として150万ドル(約2億2500万円)を受け取り、フリーエージェント(FA)になることが決まった。

 28歳のロバートJr.は、今季110試合に出場して打率.223、14本塁打、53打点、52得点、出塁率.297、長打率.364、自己最多の33盗塁を記録。後半戦の31試合では打率.298、出塁率.352、長打率.456とまずまずの数字を残していたが、左ハムストリングを痛めて今季2度目の負傷者リスト入りとなり、そのままシーズンを終えた。

 ひとまずホワイトソックス残留が決まったロバートJr.だが、ホワイトソックスは今オフ、再びロバートJr.のトレードを模索する可能性がある。元オールスター外野手のロバートJr.は、2024年のトレード期限あたりからトレードの噂が絶えない選手の1人だ。ちなみに、ロバートJr.はミニー・ミノーソ、レイ・ダーラム、アレクセイ・ラミレスに続き、ホワイトソックスの選手として100本塁打&100盗塁を達成している。

 ロバートJr.はメジャー6年間で通算577試合に出場し、102本塁打、102盗塁、115二塁打、298打点、318得点を記録。センターでは安定した守備を見せ、スター選手になるポテンシャルを秘めている。2023年に自己最多の38本塁打を放ち、才能を開花させたと思われたが、2024年は100試合、今季も110試合しか出場できず、シーズンを通して健康を維持することが大きな課題となっている。

 34歳のペレスは今季11試合(うち10先発)に登板して56イニングを投げ、1勝6敗、防御率3.54、44奪三振を記録。今年1月に2026年シーズンの相互オプションが付属した1年500万ドル(約7億5000万円)の契約で加入したが、左肘の炎症で約4カ月を欠場した。今季最終登板は9月17日のオリオールズ戦。この登板で左肩を痛めて負傷者リスト入りし、そのままシーズン終了となった。

2025.11.5 10:33 Wednesday

ブルワーズが3選手のオプションを破棄 コントレラスは年俸調停へ

 4日(日本時間5日)、ブルワーズは一塁手リース・ホスキンスと左腕ホセ・キンタナの契約オプションを破棄し、両選手がフリーエージェント(FA)になることを発表した。正捕手ウィリアム・コントレラスの契約オプションも破棄したが、コントレラスに関しては、まだFA前の保有期間が残っており、ブルワーズはオールスター捕手をキープする方針だ。

 コントレラスのオプション破棄は、ブルワーズにとってビジネス上の動きだ。ミットを持つ左手中指の骨折を抱えながらも捕手として128試合に出場した27歳のコントレラスのタフネスと耐久性は高評価に値する。しかし、ブルワーズとコントレラスは今年1月に年俸調停を回避し、年俸600万ドル(約9億円)+球団オプション1年で契約合意。オプションが行使されれば、コントレラスの来季の年俸は1200万ドル(約18億円)となるはずだったが、この契約が結ばれた時点で、球団と選手の双方がオプション破棄の可能性があることを認識していた。

 ブルワーズがオプションを行使すれば、コントレラスとの年俸調停を回避することができた。しかし、ブルワーズは年俸調停のプロセスの中でコントレラスの年俸が1200万ドル未満になることに賭け、オプションを破棄するという選択をしたのだ。今季のコントレラスは打率.260、17本塁打、76打点、出塁率.355、長打率.399を記録し、オールスターゲームでスタメン出場を果たしたものの、指の痛みを抱えていた影響もあり、前年より成績が悪化。ブルワーズとしては、もし年俸調停が行われたとしても、コントレラスの来季の年俸が1200万ドル以上になることはないと判断したのだろう。

 ブルワーズは昨年、守護神デビン・ウィリアムスに関して同様の決断を迫られた。ブルワーズは年俸1050万ドル(約15億7500万円)のオプションを破棄し、ウィリアムスをトレードでヤンキースへ放出。その後、ヤンキースはウィリアムスとの年俸調停を回避し、1年860万ドル(約12億9000万円)で契約を結んだ。

 ただし、ウィリアムスとコントレラスには明確な違いが2点ある。1つ目は、ウィリアムスが背中のケガで2024年シーズンの最初の3カ月を欠場し、シーズンの約半分しかプレーできなかったこと。2つ目は、ウィリアムスがFA前のラストイヤーを迎えていたこと。クリスマスイブに28歳の誕生日を迎えるコントレラスは、FAまでの保有期間があと2年残っている。

 コントレラスのケースと比較すると、ブルワーズが下したほかの決断は、はるかに単純なものだった。

 ホスキンスの契約には2026年シーズンの年俸1800万ドル(約27億円)の相互オプションが含まれていた。ブルワーズはこれを破棄し、バイアウト(契約解除金)として400万ドル(約6億円)を支払う。ホスキンスはブルワーズでプレーした2年間で38本塁打を記録。これはジャクソン・チューリオ(42本)、コントレラス(40本)、クリスチャン・イェリッチ(40本)に次ぐチーム4位の数字だ。しかし、左手親指のケガで後半戦の大部分を欠場。ポストシーズンではロースターを外れていた。

 キンタナの契約には2026年シーズンの年俸1500万ドル(約22億5000万円)の相互オプションが含まれていた。ホスキンス同様、ブルワーズはこれを破棄し、バイアウトとして200万ドル(約3億円)を支払う。キンタナは今季131回2/3を投げ、11勝7敗、防御率3.96を記録。左ふくらはぎのケガでレギュラーシーズンの最後の2週間を欠場したにもかかわらず、投球イニング数はフレディ・ペラルタ(176回2/3)、クイン・プリースター(157回1/3)に次ぐチーム3位だった。

 4日(同5日)に行われた決断により、ブルワーズの契約オプション6つはすべて解決。年俸800万ドル(約12億円)のオプションが行使されたペラルタとコントレラスは来季もチームに残り、ホスキンス、キンタナ、ブランドン・ウッドラフ、ダニー・ジャンセンの4選手がFAとなる。

2025.11.5 09:44 Wednesday

先発右腕フラハティが選手オプションを行使 タイガース残留が決定

 ジャック・フラハティの残留が決まった。

 タイガースの右腕は、今年2月に結んだ契約に2026年の契約オプションが盛り込まれており、そのオプションを行使して残留することを決断。4日(日本時間5日)、球団が発表した。これにより、2年連続のポストシーズン進出を果たしたタイガースは、先発ローテーションにある程度の変化がもたらされるオフシーズンに向けて、多少の確実性を得ることになった。

 このオプションは、フラハティが2月に結んだ2年契約の重要な部分を占めており、厳密に言えば「2026年の選手オプションが付属した1年契約」だった。このオプションは当初、年俸1000万ドル(約15億円)だったが、今季フラハティが「15試合以上に先発する」という条件をクリアしたことによって倍増し、フラハティの来季の年俸は2000万ドル(約30億円)となる。

 来季の年俸が1000万ドルであれば、フラハティは迷わずオプションを破棄しただろう。しかし、倍増したことにより、今季8勝15敗、防御率4.64と苦しいシーズンを過ごしたフラハティは、決断を迫られることになった。今季のフラハティは、ほとんどの主要項目で前年を下回ったものの、FIP(守備の影響を除外して算出する疑似防御率)は3.85を記録しており、これは投球内容が見た目の数字よりも良かったことを示唆している。好調時には素晴らしい投球を見せており、7月27日にはリーグ王者のブルージェイズを相手に6回無失点、7三振の快投。8月18日のアストロズ戦でも7回無失点、9三振と好投した。しかし、8月24日のロイヤルズ戦での黒星を含め、8失点を喫した登板も2度あった。

 フラハティは9月10日にヤンキースタジアムで5回無失点、7三振と好投し、チームに重要な勝利をもたらした。次の3登板はいずれもガーディアンズ戦となり、レギュラーシーズンを連敗で終えたあと、ワイルドカードシリーズ第3戦では4回2/3を1失点に抑える力投を見せた。マリナーズとの地区シリーズ第3戦で負け投手となったが、第5戦では中2日でリリーフ登板し、2イニングを無失点に抑えた。

 フラハティがオプトアウト(契約破棄)した場合、タイガースは年俸2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイングオファーを提示してフラハティを引き留めることもできた。クオリファイングオファーが提示された場合、返答期限は16日(同17日)。フラハティがクオリファイングオファーを拒否し、他球団と契約した場合、タイガースは来年のドラフトで補償指名権を獲得できたが、フラハティが残留を選択したことで、こうした仮定の話は不要になった。

 フラハティは契約のゴタゴタを回避することを選び、タイガースも先発ローテーションに大きな穴が開く事態を免れた。リース・オルソンが右肩を痛めてシーズンを終え、ジャクソン・ジョーブはトミー・ジョン手術後のリハビリ中のため、来季のタイガースの先発ローテーションはタリック・スクーバル、フラハティ、ケーシー・マイズ、トロイ・メルトンが中心となる。ブルペンで好投したカイダー・モンテロを先発に戻すか、ホセ・ウルキディの契約オプションを行使すれば、先発の頭数は揃うものの、1年後にスクーバルとマイズがフリーエージェント(FA)になることに備え、先発陣の層を厚くするためにベテラン投手の補強に動く可能性もありそうだ。

2025.11.5 08:58 Wednesday

ブレグマン、ベリンジャー、アロンソら大物選手がオプトアウト権を行使

 2026年の契約に関するオプションやオプトアウトの行使期限は6日(日本時間7日)となっており、選手と球団は今後数日以内に決断を下さなければならない。ただし、期限ギリギリまで待つ必要もなく、3日(同4日)にもオプションやオプトアウトをめぐって様々な動きがあった。

 ピート・アロンソ(メッツ)、コディ・ベリンジャー(ヤンキース)、アレックス・ブレグマン(レッドソックス)、エドウィン・ディアス(メッツ)、ロベルト・スアレス(パドレス)といった大物選手が次々にオプトアウト権の行使を表明。アロンソとベリンジャーは現行の契約が残り1年となっていたため、当初からオプトアウト権の行使が確実視されていた。ブレグマンは今季から3年契約でレッドソックスに加入したばかりだが、さらなる大型契約を求めて残り2年の契約を破棄。また、ディアスとスアレスはそれぞれ5年契約の残り2年を破棄してフリーエージェント(FA)市場に出ていくことを決めた。

 ほかには、今季から2年契約でレイズに加入し、シーズン途中でブレーブスに移籍したキム・ハソンもオプトアウトの権利を行使。今季はシーズンを通して負傷に悩まされ、わずか48試合しか出場できなかったが、FA市場で複数年契約を得られると判断したのだろう。ブレーブスは遊撃手が最大の補強ポイントとなっており、キムの引き留めに動く可能性もある。

 一方、ルルデス・グリエルJr.(ダイヤモンドバックス)、A・J・ミンター(メッツ)、タイラー・オニール(オリオールズ)、ワンディ・ペラルタ(パドレス)らは現行の契約を破棄せず、来季も現在の所属チームにとどまることを選択した。

 球団側に選択権のある契約オプションでは、ブルワーズがエース右腕のフレディ・ペラルタのオプションを行使。年俸800万ドル(約12億3000万円)と比較的リーズナブルな金額のため、当初からオプション行使が確実視されていた。一方、ホルヘ・マテオ(オリオールズ)、トム・マーフィー(ジャイアンツ)は球団がオプションを行使せず、FAになることが決まった。

 球団と選手の両方に選択権がある相互オプションは、両者がオプションを行使しなければ有効とならないため、ほぼ100%に近い確率でオプション破棄となる。今オフも相互オプションはことごとく破棄されており、タイロ・エストラーダ(ロッキーズ)、ミッチ・ガーバー(マリナーズ)、ルーカス・ジオリト(レッドソックス)、ランドール・グリチック(ロイヤルズ)、ダニー・ジャンセン(ブルワーズ)、マイケル・キング(パドレス)、マイケル・ロレンゼン(ロイヤルズ)、ブランドン・ウッドラフ(ブルワーズ)らのオプション破棄が決まっている。

 今永昇太(カブス)を含め、オプションやオプトアウトの決断を残している選手はまだ多く控えており、今後数日間でFA選手の人数はさらに増えていく。6日(同7日)の行使期限をもって、ようやく今オフのFA市場が本格的に動き始める。

2025.11.4 12:00 Tuesday

ゲーブ・キャプラーがマーリンズの6代目GMに就任 球団発表

 3日(日本時間4日)、マーリンズはフロントオフィスの人事異動を発表。ゲーブ・キャプラーをゼネラルマネージャー(GM)、フランキー・ピリアーをアマチュア予想および選手評価イニシアティブ担当の副社長、ビネッシュ・キャンサンを野球運営担当のシニアディレクターに任命した。

 ピーター・ベンディックス編成本部長は、発表した声明文の中で「この3人のリーダーはチームに加わって以来、それぞれがチームに意味のある影響を与えてきました。すなわち、チームのあらゆる分野で革新を推進し、前向きな姿勢でチームを率い、素晴らしいチームメイトとして周囲の人々を高めていく、という我々の文化を定義する価値観を体現してきたのです。彼らの昇進は、組織内における才能と人材の資質の証であると同時に、協力と卓越性を重んじる文化を築き続けるという継続的なコミットメントの証でもあります」と述べた。

 キャプラーは2024年1月にGM補佐としてマーリンズに加入して以来、選手・コーチ・スタッフの育成に尽力。その実績が評価され、球団史上6人目のGMに就任することが決まった。

 今季、マーリンズは傘下のマイナー4球団がポストシーズン進出を果たすという球団史上初の快挙を達成。その中には3Aジャクソンビルの優勝も含まれている。キャプラーはマーリンズ加入前、フィリーズ(2018~19年)とジャイアンツ(2020~23年)で監督を務め、2021年には最優秀監督賞を受賞。ドジャース時代の2015~17年には選手育成ディレクターを務めた経験もあり、クレイトン・マカラー監督とはドジャース時代から旧知の仲だ。また、現役時代はメジャーで12年間プレーし、レッドソックス時代の2004年にはワールドシリーズ制覇も経験している。

 キャプラーは、発表した声明文の中で「マーリンズの組織の一員として素晴らしい時間を過ごせることを大変うれしく思っています。ピーターや野球運営担当のスタッフ全員とともに、ここで成し遂げてきた素晴らしい仕事を継続していく準備ができています。我々が築き上げてきた成長と勢いは、明確なビジョン、強力なカルチャー、そして共通のゴールに向かってともに働く素晴らしいチームワークを反映しています。この進歩を継続し、球団の未来に貢献できることを誇りに思います」と述べた。

 ピリアーは2024年1月にアマチュアスカウト担当のディレクターに就任して以来、球団内のアマチュアスカウトを統括し、ドラフト戦略を主導してきた。マーリンズの球団トップ30有望株のうち9人は、ピリアーが主導した直近2年間のドラフトで獲得した選手だ。マーリンズに加入する前は、マリナーズに6年間在籍し、うち3年間はアマチュアスカウト担当のディレクター補佐を務めた。また、ガーディアンズとレンジャーズで働いた経験もある。さらに、FanGraphsやD1Baseball.comといったサイトで寄稿ライターやアナリストとして活動した経験も持っている。

 キャンサンは2024年1月に野球運営担当のディレクターとしてマーリンズに加入する前、レンジャーズで5シーズンを過ごし、最後の2年間は野球運営担当のディレクター補佐を務めた。レンジャーズ時代はロースター管理、事務管理、契約業務など、球団運営のあらゆる側面に携わり、スポーツサイエンスやパフォーマンスの分野でも存在感を発揮。MLBでのキャリアは2016年にスタートしており、地元球団のフィリーズでチケットサービスを担当したあと、2017~18年にはベンディックス編成本部長とともにレイズのフロントオフィスで球団運営に携わっていた。

2025.11.4 10:50 Tuesday

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