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ヤンキース・ジャッジが3度目のMVP受賞 ローリーとの接戦制す

 判決は下された。13日(日本時間14日)、アーロン・ジャッジがア・リーグのMVPに選出された。ジャッジは通算3度目のMVP受賞。ヤンキースのキャプテンがカル・ローリー(マリナーズ)との歴史的接戦を制し、栄冠に輝いた。

 ジャッジは3回以上MVPに選ばれた史上13人目の選手となった。このリストにはヤンキースのレジェンドであるジョー・ディマジオ、ヨギ・ベラ、ミッキー・マントルも含まれている。

 「ワイルドだね」と大接戦だったMVP投票についてジャッジは語った。 「シーズン中はなるべく考えないようにしている。162試合を通してとにかく集中して、きょうの試合でチームの勝利に貢献するためにできることを全力でやろうと思っている。全力を尽くして、次の日も起きてまた同じことを繰り返すんだ」

 ジャッジは355ポイント、1位票30票中17票を獲得。ローリーは残りの1位票13票をと335ポイントを獲得した。ガーディアンズのホセ・ラミレスが224ポイントで3位に入った。

 ヤンキースにとっては、ジャッジのMVP受賞はシーズンを通して予想していた結果だった。試合前にクラブハウスのテレビを見上げれば、ローリーの歴史的な本塁打量産はジャッジからMVPを奪うのに十分だと論じるコメンテーターたちの声が耳に入ってくる。

 しかし、ジャッジは決して平静を崩さなかった。チームメートたちはローリーのパフォーマンスを称賛していたものの、MVPレースではジャッジが勝つと信じていた。

「彼の功績の一貫性と偉大さに、決して鈍感になりたくはない。彼の素晴らしさを言葉で表現するのは、ますます難しくなっている。彼はただ高いレベルでプレーしているだけで、それはもう長い間続いている」と、アーロン・ブーン監督は語った。

 ブライアン・キャッシュマンGMは「(ジャッジは)キャリアの大半を稀有な空気の中で過ごしてきた。世代に一人しかいない選手であり、このスポーツの良さを体現している。アーロンは今夜再び称賛されている。当然のことだ。彼はスポーツ界最高のスーパースターへと成長したのだから」と語る。

 ローリーは60本塁打を放った打撃と捕手としての守備力でMVPレースを接戦に持ち込んだが、ジャッジも投票者にとって無視できないほど多くの記録を作った。打率.331で首位打者を獲得し、6フィート7インチ(201センチ)の史上最長身の首位打者となった。

 そして首位打者と50本塁打を同年に成し遂げたのは、ミッキー・マントル(1956年)とジミー・フォックス(1938年)に続いて史上3度目。ジャッジが今季放った53本塁打は、首位打者では史上最多だ。

「彼は目的のないスイングはしない。毎日プレーを見ていると、その仕事ぶり、そして試合に向けて日々のあらゆる準備における細心の注意に驚かされる。あの体格と肉体で毎晩試合に臨むためにどれほどのものが必要か、みんな気づいていないと思う。彼は素晴らしい選手で、この先どれだけ彼のような選手が出てくるか分からない」と、ジェームズ・ローソン打撃コーチは語っている。

 ジャッジは、出塁率(.457)、長打率(.688)、OPS(1.145)、出塁数(310)、申告敬遠(36)、そして走攻守の貢献度を示すfWAR(10.1)でMLBトップの成績を収めた。また、ア・リーグでは、得点(137)、四球(124)、長打(85)、塁打数(372)でトップの成績を収めた。

 今季のジャッジはかつてのバリー・ボンズのような扱いを受け、ヤンキースを除く29球団よりも多い36度の申告敬遠を一人で受けた。そして、シーズン中は右屈筋のケガを負いながら、これらすべての偉業を成し遂げた。

「私を復帰させ、健康を取り戻させてくれたトレーニングスタッフ全員に脱帽だ。復帰後、思ったほどライトを守れず、指名打者をかなり多く務めなければならなかった。肘の調子が悪いので、バットをしっかりと握り、難しい球をしっかりフォロースルーしようとしていたことが一番大きかったと思う。大変なチャレンジだったけど、一年を通して誰だっていろいろある。カルにも同じことを聞けばわかると思う。彼の体はきっと色々なところで傷ついていただろう。とにかく我慢して、フィールドに出てプレーするしかない」と、ジャッジは言う。

 ジャッジは、エクスパンション時代(1961年以降)で打率、出塁率、長打率でMLBのトップに立った5人目の選手となり、2013年のミゲル・カブレラ以来の快挙を成し遂げた。打率が時代遅れのスタッツとして軽視されがちな時代にあって、打率はジャッジにとって非常に重要だ。 「偉大な選手たちのプレーを見て育った。アルバート・プホルスやミゲル・カブレラは常に打率.300以上を誇っていた。それにパワーも当然ついてきた。打率.300以上を出すことが、ずっと私の目標だった」 そしてさらに上を目指している。 「常に完ぺきな打者を目指している。マイナーリーグ、そしてメジャーリーグでキャリアを積んできた頃は、どちらかと言うとパワー重視の選手だった。自分のプレーをもっと完璧なものにしたいと思っていた」

 2022年と2024年にMVPを受賞したジャッジは、MVPを2年連続で受賞した15人目の選手となった。ジャッジと3年連続の受賞を成し遂げた大谷翔平(ドジャース)は、2012-13年のカブレラ以来となる快挙を成し遂げた。そしてヤンキースの選手としてはMLB最多の史上23度目の受賞。ディマジオ(1939年、1941年、1947年)、ベラ(1951年、1954年、1955年)、マントル(1956年、1957年、1962年)に続き、ヤンキース史上4人目の3度のMVP受賞者となった。

 ヤンキースは常にMVPはジャッジのものだと信じていたが、ついに公式に認められた。3度目のMVPを受賞したジャッジにとって、残る疑問はあと何度受賞できるかということだけだ。

2025.11.14 11:29 Friday

11月12日のMLBトレード・FA情報

 MLB.comでは注目のFAやトレードの情報を随時更新している。今回は、11月12日(日本時間13日)のもの。

 過去に最優秀救援投手賞に2度輝きながら、2025シーズンは苦戦したウィリアムズに対し、約12チームが関心を寄せている。ジ・アスレチック(有料記事)によれば、その12チームにはドジャース、レッドソックス、レッズなどが含まれる。 ウィリアムズは今季、ヤンキースで波乱のシーズンを過ごした。62イニングで防御率4.79を記録し、クローザーの座を失陥。しかし、期待値系の指標は表面上の成績より優れており、実力が衰えたと見るのは時期尚早だ。xERA3.09、FIP2.68は、実際の防御率よりも大幅に低く、ボール球スイング率、空振り率、三振率では上位3%以内に入った。 ウィリアムズはレギュラーシーズン最後の19試合で防御率2.50、FIP0.36、9イニングあたりの三振17個という好成績を残し、シーズンを力強く終えた。2020年から2024年にかけてブルワーズで残した圧倒的な成績(防御率1.70、9イニングあたりの三振14.6個)に近い成績を残し、復活を予感させた。

 ポール・スキーンズはデビューからわずか2シーズンで鮮烈な印象を残し、この日はサイ・ヤング賞を初受賞した。デビュー2年目ながら絶えず浮かび上がる疑問が、いつまでパイレーツの選手でいるかということだ。 パイレーツに再建脱出の兆しが見えないため、スキーンズのトレードの噂は絶えない。しかし、ラスベガスでのGM会議にて、パイレーツのベン・チェリントンGMは、スキーンズに対する他球団からの問い合わせが続いていることを認めながらも「2026年はパイレーツに所属する」と、一貫して放出を否定する姿勢を見せた。

 レッズのニック・クロール球団編成部長は、エースのハンター・グリーンのトレードを検討していないことを明らかにした。2020年以来のポストシーズンに進出したレッズは、エースのグリーンをトレードし、その見返りで補強を行う可能性も取り沙汰されていた。 クロール球団編成部長は「チームにとって最善の策を講じる。可能性を排除するつもりはない」としながらも、「しかし、『ポストシーズンに向けてエース級の先発投手になる可能性を秘めた選手をトレードする』と、実際に断言するのは難しいことだ。だから、どうすればチームを強化できるかを模索していると言えるだろう。しかし、現時点では、それ(グリーン放出)は検討対象ではない」とした。

 ダイヤモンドバックスの最大の弱点は投手不足だ。その弱点を埋めるため、スター二塁手ケテル・マルテを放出する可能性はあるだろうか。 ジ・アスレチック(有料記事)の報道によると、アリゾナは「これまで以上にマルテのトレードに前向き」で、トレードによってチームの穴を埋められると同時に、ロースター(出場選手登録)に柔軟性を持たせ、更なる補強が可能になると考えているという。ダイヤモンドバックスが検討する可能性のあるもう一つの要因は、マルテが4月に「10&5権利(MLBに10年所属かつ同じ球団に5年所属)」を取得し、完全なトレード拒否権を得ることだ。32歳のマルテは今年初め、球団と7年総額1億1650万ドルの契約延長を結んでいる。 GM会議では、ダイヤモンドバックスのマイク・ヘイゼンGMは、複数の球団からマルテ獲得の打診があったことを認めたものの、トレードの可能性は低いと述べた。

 今夏のトレードデッドラインにおいて、バイロン・バクストンは大解体に動いたツインズに残留したいと強い意志を見せた。 しかし、ジ・アスレチック(有料記事)は、ツインズが引き続き選手を売却し続ければ、バクストンは自身の立場を再考する可能性があると報じている。先発投手のジョー・ライアンとパブロ・ロペスが次に放出される可能性がある。 バクストンとツインズの7年総額1億ドルの契約は2028年までで、来季までは全球団に対するトレード拒否条項が含まれているため、球団はバクストンの承認なしにトレードすることはできない(2027-28シーズンは部分的なトレード拒否条項となる)。 12月に32歳になるバクストンは、怪我に悩まされながらも自身のキャリアで最高のシーズンを終えた。126試合に出場し、35本塁打、24盗塁、OPS.878を記録。打撃成績のみならず、持ち前の快足と抜群のセンター守備でも貢献した。

 多くの噂が飛び交ったものの、ナショナルズは今夏のトレードデッドラインでエースのマッケンジー・ゴアを放出しなかった。しかし、球団の編成陣が刷新され、ポール・トボニ球団編成部長が就任したことで、ゴア放出論が再燃している。 ここ数日、複数のMLB記者がゴアのトレードの可能性について報じている。USAトゥデイのボブ・ナイテンゲール記者はナショナルズは「ゴアをトレードの餌として…新時代をスタートさせる」と報じた。 ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者とウィル・サモン記者(有料記事)も同様に「ゴアは移籍の有力候補だ」と評した。 ゴアは2025年の防御率は4.17と低調だったが、シーズンの大部分ではそれよりもはるかに良い成績を残した。年間74失点のうち、23失点は7月20日から8月10日までの短期間に記録された。 ゴアは他の26度の先発で防御率3.19を記録し、9イニングあたりの三振10.4個と高い支配力を発揮した。

 ブレーブスのアレックス・アンソポロス編成部長はオフシーズンのチームの優先事項について語った。「現在最も多くの時間を費やしているのは先発投手とショート」と語り、負傷者に苦しめられた今季からのリベンジのため、大型補強に動く可能性を示唆した。

 2021年以来のポストシーズン進出を果たしたレッドソックスは、積極補強で今季の勢いを継続させようとしている。 レッドソックスのクレイグ・ブレスロー編成本部長はオフシーズンのターゲットについて「プレーオフレベルの先発投手、中軸を担える得点力のある選手」と語った

2025.11.13 16:05 Thursday

パイレーツの怪物スキーンズがサイ・ヤング賞を初受賞

 12日(日本時間13日)、パイレーツのポール・スキーンズがナ・リーグサイ・ヤング賞を初受賞した。スキーンズは1位票30票をすべて獲得。次点も満場一致でクリストファー・サンチェス(フィリーズ)が選ばれ、3位には山本由伸(ドジャース)が入っている。

 スキーンズはバーン・ロウ(1960年)とダグ・ドレイベック(1990年)に続き、パイレーツ史上3人目のサイ・ヤング賞受賞者となった。満票での受賞はパイレーツ史上初である。

 スキーンズは防御率1.97、WHIP0.95、FIP2.36、ERA+217と、ナ・リーグで圧倒的な成績を残した。32先発で187回2/3を投げ、10勝10敗、リーグ2位の216三振を記録した。また、被打率は2割未満に抑えながら防御率タイトルを獲得した史上8人目の投手になった。

 今季のスキーンズは、近代以降のパイレーツにおける史上最高のパフォーマンスを発揮。防御率1.97、bWAR7.7は1900年以降のパイレーツの先発投手の中で最高記録であり、216三振は右腕として球団新記録を樹立した。9イニングあたりの三振10.4個は球団史上2位、K/BB5.1は同1位だった。

 もちろんデータは一部分に過ぎない。スキーンズは瞬く間に球団のみならず、球界の顔になった。7月には2年連続でオールスターゲームの先発を務め、デビューから2年連続で先発投手となった初めての選手となった。

 昨季は新人王を獲得しながら、サイ・ヤング賞投票では3位に終わったが、今季はナ・リーグ新人王に選ばれた翌年にサイ・ヤング賞を受賞した2人目の投手となった(1984-85年にメッツのドワイト・グッデンが達成、新人王とサイ・ヤング賞のダブル受賞は1981年にフェルナンド・バレンズエラが達成)。

2025.11.13 11:42 Thursday

タイガースのスクーバルがサイ・ヤング賞 ア・リーグで2年連続

 12日(日本時間13日)、タイガースのタリック・スクーバルが2年連続でア・リーグサイ・ヤング賞に選ばれた。ア・リーグの投手がサイ・ヤング賞を連続で受賞するのは四半世紀ぶり。ギャレット・クローシェ(レッドソックス)、ハンター・ブラウン(アストロズ)を抑え、2年連続の栄冠に輝いた。

 サイ・ヤング賞の連続受賞は、ア・リーグでは1999年と2000年のペドロ・マルティネス以来。タイガースではデニー・マクレーンに続き、2人目の複数回のサイ・ヤング賞受賞者となった。スクーバルと同様、マクレーンも1968年と69年に連続受賞している。また、サイ・ヤング賞創設前では、殿堂入り投手のハル・ニューハウザーが1944年と45年にア・リーグMVPを連続受賞している。

 スクーバルは今年は満票ではなかったものの、1位票を全30票中26票集めた(残り4票はクローシェが獲得)。

 投手三冠を獲得して満票受賞を果たした昨季とは異なり、今季は投手三冠を逃したが、むしろ成績は向上した。bWAR6.5は昨季(6.4)を上回り、ファイナリストのクローシェ(6.3)とブラウン(6.1)も上回った。防御率2.21とFIP2.45は、ともに2位のブラウン(2.43、2.89)を大きく上回った。K/BBは7.3で、クローシェ(5.54)を2ポイント近く上回っていた。そしてERA+187は、2022年のジャスティン・バーランダー以来、ア・リーグでは最高の数字だった。

 スクーバルは今季、目の覚めるような快投を何度も披露。今季完封を達成したア・リーグにおける5人の投手の1人だったスクーバルは、5月25日にガーディアンズ相手に2安打、13三振、無四球で完封を成し遂げた。この日最後の投球となった94球目は時速102.6マイル(165キロ)でキャリアハイを更新した。

「今、この椅子に座って、球界最高のピッチャーにボールを渡すというのは、最も簡単で、そして最もエキサイティングなことの一つだ。スクーバルは明らかに、チームに激しさとハイレベルなピッチングをもたらし、結果をもたらすと、クラブハウスで深く信頼されている人物だ。私たちは一緒に勝ち、一緒に負けるが、彼は私たちを導いてくれる」と、あJ・ヒンチ監督はマリナーズとの地区シリーズ第5戦を前に、スクーバルへの信頼を語っていた。

 スクーバルはレギュラーシーズンの31先発の内、7イニング以上無失点を9度記録。5月25日から6月12日までの4度の先発では、30回2/3で1失点に抑え、6月下旬から7月にかけても19イニングを無失点に抑えた。

 純粋な球の質でも、スクーバルはトップに君臨した。決め球チェンジアップのランバリューは+25でMLBの全球種中最高。空振り率は46.8%に上り、被打率は.154を記録した。フォーシームのランバリューもリーグ10位の+10で、全体のランバリューはMLBトップの+51をマーク。これは山本由伸やナ・リーグサイ・ヤング賞投手のポール・スキーンズの+42を上回り、圧倒的な数字だった。

 「スクーバルはシーズンを通して全力を尽くした。彼はそういう投手だ。彼は素晴らしい。今シーズン、そして彼が成し遂げたことは、きっと一生忘れないだろう。去年のことは忘れないが、今年は彼を捕手として直接体験できた。本当に素晴らしかった」と、地区シリーズ第5戦に敗北後、相棒を務めた捕手ディロン・ディングラーは語っている。

2025.11.13 11:15 Thursday

山本由伸がサイ・ヤング賞投票で3位 初のファイナリスト入り

 12日(日本時間13日)、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票でドジャースの山本由伸(27)が3位に入った。ナ・リーグではポール・スキーンズ(パイレーツ)が満場一致で選出され、クリストファー・サンチェス(フィリーズ)が次点となっている。

 山本は全30票中29票を得票。初めてサイ・ヤング賞のファイナリスト入りを果たし、3位票を16票、4位票を11票、5位票を2票獲得した。

 全米野球記者協会は、レギュラーシーズン終了後、ポストシーズン前に投票を行う。チームの連覇に貢献し、ワールドシリーズMVPに輝いたプレーオフでの山本の素晴らしい活躍は、サイ・ヤング賞投票の審査対象には含まれていなかった。

 山本は25歳でMLBに挑戦。日本プロ野球のサイ・ヤング賞とも言える沢村賞を3度受賞した経歴を持つ山本は、MLBで一球も投げたことがないにもかかわらず、ドジャースから投手史上最高額となる12年契約3億2500万ドルという巨額の契約を得た。

 その実績を考えると、今回の結果が予想外だったと言うのは不公平だろう。2024年のポストシーズンでブレイクを果たした山本は、2025年も勢いを維持し、173回2/3を投げて12勝8敗、防御率2.49、201三振、59四球を記録し、被打率をMLB最低の.183に抑えた。

 26歳にしての山本のシーズンは目覚ましい活躍だったが、歴史的なシーズンを送ったスキーンズに勝つことはできなかった。サンチェスとは防御率2.50とほぼ同等の成績を残したが、投球回数はサンチェスが30イニング近く多く、これが2位に終わった要因の一つと言えるだろう。

 統計データだけでは、ドジャースにとって山本がどれだけ価値ある投手だったかを十分に示すことができない。開幕早々、先発陣が相次ぐ負傷者に見舞われた中、先発陣の中で唯一先発を離脱しなかった山本は、エースとして頭角を現し、ポストシーズンではまさにその役割を体現した。

 山本は2014年のクレイトン・カーショウ以来となるドジャースの選手としてサイ・ヤング賞受賞には至らなかったものの、受賞候補に挙がるに値する好投だった。そして、山本がまだ間もないメジャーリーグでのキャリアで成し遂げてきた成果を今後も積み重ねていけば、今後も長年にわたりその座を維持するだろう。

2025.11.13 10:45 Thursday

オリオールズが大型補強に動く可能性 エース級の先発投手獲得を狙う

 近年のオリオールズは、チーム再建を進める中で、若い選手をチームの中心に据え、ドラフト指名した選手を育成してレギュラーとして起用するなど、大きな成功を収めてきた。

 そして今オフ、ついに「オールイン」(全力を尽くす)することになるかもしれない。

 業界関係者の話によると、今季75勝87敗でアメリカン・リーグ東地区の最下位に終わったオリオールズは、巻き返しを図るべく、フリーエージェント(FA)市場で積極的な補強を展開するつもりだという。

 ある関係者は「彼らはこのチャンスを生かす必要があることを理解している。ガナー・ヘンダーソンはまだ年俸調停期間の1年目だし、ジャクソン・ホリデイ、コルトン・カウザー、ジョーダン・ウエストバーグらは年俸調停権すら取得していない。いずれ彼らの年俸は高額になっていくが、彼らの年俸が安い今がチャンスなんだ」と語る。

 オリオールズは2024年シーズンを迎えるにあたり、ブルワーズとのトレードで元サイ・ヤング賞投手のコービン・バーンズを獲得するという大きな動きに出た。しかし、バーンズはオリオールズで1年間プレーしたあと、FAとなり、大型契約でダイヤモンドバックスへ移籍。オリオールズはバーンズに代わるエース格の先発投手を補強せず、今季はそれがチームに悪影響を及ぼした。

 オリオールズの今季の先発防御率はリーグ13位の4.65。115イニング以上投げた投手は2人(ディーン・クレーマーが171回2/3、菅野智之が157イニング)しかおらず、エースに成長することが期待されたグレイソン・ロドリゲスは肘と広背筋のケガで長期離脱を強いられ、最終的には8月に肘の手術を受けてシーズン全休となった。

 現状では、カイル・ブラディッシュとトレバー・ロジャースが先発ローテーションのツートップを務め、ロドリゲス、クレーマー、タイラー・ウェルズが残り3枠に入ることになる。今季の先発陣から菅野とザック・エフリンがFAで抜けており、今オフのオリオールズにとって、エース級の先発投手の獲得が最優先事項となるだろう。

 FA市場では、ディラン・シース、レンジャー・スアレス、マイケル・キング、フランバー・バルデスといった好投手が獲得可能だ。ただし、マイク・エライアスGMが編成トップに就任してからの7年間で、オリオールズが複数年契約を結んだFA選手はただ1人。昨オフ、3年4950万ドル(約74億2500万円)で加入した外野手のタイラー・オニールだけだ。

 エース級の先発投手を手に入れるためには、エライアスGMは自身が快適と思える契約規模のゾーンを抜け出さなければならないだろう。しかし、トレード市場にも好投手はいる。ジョー・ライアン(ツインズ)、サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)、パブロ・ロペス(ツインズ)はいずれもあと2年保有可能であり、ミッチ・ケラー(パイレーツ)に至っては契約があと3年残っている。オリオールズが若手有望株の放出を決断すれば、こうした好投手たちをトレードで獲得することも不可能ではないかもしれない。

 また、来季は攻撃力の向上も必要となる。今季の677得点とOPS.699はともにリーグ11位。ロースターに名を連ねるほぼ全選手の成績向上が求められるが、カイル・タッカー、コディ・ベリンジャー、ピート・アロンソといった大物FA選手の獲得に動くのではないかと予想する関係者もいる。

 ある関係者は「ア・リーグ東地区は球界最大の激戦区だ。ヤンキースとレッドソックスは相変わらずの強さを見せつけており、現在のブルージェイズは地区内で最強のチームかもしれない。資金力の乏しいレイズは常に競争力を発揮する方法を見つけ出している。もしオリオールズがこの地区で上位に進出したいなら、今オフ中にいくつかの大きな補強をする必要があるだろう」と語った。

2025.11.12 12:16 Wednesday

ガーディアンズ・ボート監督が2年連続で最優秀監督賞を受賞

 11日(日本時間12日)、アメリカン・リーグの最優秀監督賞にスティーブン・ボート監督(ガーディアンズ)が選出された。ボート監督は30名の投票者のうち17名から1位票、8名から2位票、4名から3位票を獲得し、合計113ポイント。ジョン・シュナイダー監督(ブルージェイズ)が91ポイントで2位、ダン・ウィルソン監督(マリナーズ)が50ポイントで3位、アレックス・コーラ監督(レッドソックス)が7ポイントで4位、A・J・ヒンチ監督(タイガース)が6ポイントで5位と続いた。

 ガーディアンズが昨年、ア・リーグ優勝決定シリーズまで進出したことを考えると、期待を上回る成績を残したチームの監督に与えられる傾向があるこの賞をボート監督が2年連続で受賞するのは難しそうに見えた。しかし、今季のガーディアンズはレギュラーシーズンの大部分で苦戦していた。ところが、歴史的な追い上げを見せ、ボート監督は就任から2年連続で最優秀監督賞を受賞するという偉業を成し遂げた。

 監督1年目の昨季、ボート監督は成功を収めるのが簡単であるかのように思わせる見事な手腕を発揮し、ア・リーグ最優秀監督賞の投票で圧勝。2年目の今季は苦戦を強いられたものの、ガーディアンズを地区優勝に導いた。7月の時点で15.5ゲーム差をつけられていたにもかかわらず、見事な逆転劇でア・リーグ中地区を制覇。地区制が導入された1969年以降だけでなく、1969年以前を含めても史上最大の逆転優勝劇だった。さらに驚くべきは、9月5日の時点で11ゲーム差をつけられていたということ。ガーディアンズはそれ以降、19勝4敗の快進撃を見せ、ライバルのタイガースから地区首位の座を奪取した。

 こうしたゲーム差に加え、ガーディアンズのチーム打率は球団史上ワーストの.226。さらに、スポーツ賭博に関連する問題で守護神エマニュエル・クラセ、先発右腕ルイス・L・オルティスという2人の主力投手を失うという問題にも直面した。さらに、夏場のトレードではトミー・ジョン手術からの復帰を目指していた元サイ・ヤング賞投手のシェーン・ビーバーをブルージェイズへ放出。しかし、これらの困難を乗り越え、シーズン終盤には安定感抜群の先発投手陣がチームの強みとなっていた。

 現役時代にオールスター出場経験がある41歳のボートは、引退からまだ3年しか経過していないにもかかわらず、見事なリーダーシップを発揮。あらゆる困難を乗り越え、クラブハウスでは平静を保ち、自らの姿勢や態度でチームを牽引した。

 最優秀監督賞を受賞したクリーブランドの監督は、エリック・ウェッジ(2007年)、テリー・フランコーナ(2013年、2016年、2022年)、ボートの3人だけ。ボートは監督就任から2年連続の受賞となったが、これは同じく就任1年目から2年連続受賞となったパット・マーフィー監督(ブルワーズ)と並び、メジャー史上初の快挙である。

2025.11.12 10:13 Wednesday

ブルワーズのパット・マーフィー監督が2年連続で最優秀監督賞を受賞

 11日(日本時間12日)、ナショナル・リーグの最優秀監督賞にパット・マーフィー監督(ブルワーズ)が選出された。マーフィー監督は30名の投票者のうち27名から1位票、2名から2位票を獲得し、合計141ポイント。テリー・フランコーナ監督(レッズ)が49ポイントで2位、ロブ・トムソン監督(フィリーズ)が32ポイントで3位、クレイグ・カウンセル監督(カブス)が24ポイントで4位、クレイトン・マカラー監督(マーリンズ)が22ポイントで5位と続いた。

 名将カウンセルが2023年シーズン終了後に同地区ライバルのカブスへ移籍し、ブルワーズは過渡期を迎えるかと思われた。しかし、ノートルダム大学時代にカウンセルを指導し、ブルワーズでもベンチコーチとしてカウンセルを支えたマーフィーが2年連続でチームを地区優勝に導き、2年連続でナ・リーグの最優秀監督賞を受賞した。

 最優秀監督賞を2年連続で受賞するのは非常に珍しく、過去にボビー・コックスとケビン・キャッシュの2人だけ。監督就任から2年連続受賞は史上初の快挙だ。しかし、これは2024年と2025年のブルワーズの前評判が低かったことを意味している。どちらのシーズンもオフに主力が退団し、ブルワーズは苦戦すると思われていた。ところが、マーフィー監督が率いるブルワーズは戦前の予想を覆し、低予算のロースターを最大限に活用して快進撃を続けた。

 今季は主力打者のウィリー・アダメスがフリーエージェント(FA)で退団し、守護神デビン・ウィリアムスもトレードで移籍したため、戦力ダウンが懸念されていた。実際、開幕4連敗を喫し、その4試合で大量47失点。1954年カージナルスのワースト記録に並んでしまった。投手陣に負傷者が続出し、5月下旬まで勝率5割を下回る戦いが続いていたため、ポストシーズン進出は難しいと思われた。

 しかし、マーフィー監督が率いるブルワーズは強さを取り戻しただけでなく、歴史的な快進撃を見せた。5月25日から8月16日までの期間に8連勝、11連勝、そして球団記録の14連勝をマーク。ナ・リーグ中地区の脇役からメジャーの主役に躍り出て、97勝65敗でメジャー最高勝率を記録した。これは球団史上最高成績でもあり、直近8年間で7度目のポストシーズン進出を達成。なお、最優秀監督賞の投票はポストシーズン開幕前に行われているため、地区シリーズでカブスに勝利したあと、ドジャースにスイープ負けを喫した10月の戦いは考慮されていない。

 66歳のマーフィー監督の誠実さ、厳しさを伴う愛情、野球に対する姿勢、そしてポケットパンケーキに代表されるユーモアは、予想以上の実力を発揮するチームの財産とみなされている。ブルワーズの歴史上、最優秀監督賞に輝いたのはマーフィー監督だけ。しかも2年連続の受賞となった。

2025.11.12 09:48 Wednesday

カージナルスがチーム解体か アレナド、グレイら主力放出に前向き

 ラスベガスで行われるゼネラルマネージャー(GM)会議の期間中、トレード交渉を最も活発に行うのはどのチームだろうか。MLBネットワークのジョン・ポール・モロシはカージナルスだと考えているようだ。

 11日(日本時間12日)、モロシは「カージナルスはビジネスに前向きだと思う。数人のベテラン選手をトレードで放出する可能性がある」と報じた。

 モロシがトレード候補として挙げたカージナルスの選手は、ノーラン・アレナド、ブレンダン・ドノバン、アレック・バーレソン、ソニー・グレイといった顔ぶれだ。

 モロシによると、アレナドはカージナルスの選手として「最後の試合を終えた可能性が高い」という。8度のオールスター出場を誇るアレナドは昨オフ、アストロズへのトレードが成立寸前だったが、アレナド自身が拒否権を行使し、トレードは実現しなかった。34歳のアレナドは今季、436打席に立ってOPS.666と自己ワーストの成績。2年総額3100万ドル(約46億5000万円)分の契約が残っている。

 また、モロシはドノバンに他球団からの関心が集まっていることを報じている。ドノバンはメジャーデビューした2022年にユーティリティ部門でゴールドグラブ賞を受賞。今季はオールスターに初選出された。フリーエージェント(FA)になるまでの保有期間はあと2年残っている。

 さらに、ユーティリティ部門でシルバースラッガー賞を受賞したばかりのバーレソンにも関心が寄せられているようだ。バーレソンがFAになるのは2028年シーズン終了後。保有期間はあと3年残っている。

 そして、キャリアで3度のトレードを経験しているグレイにも再びトレードの可能性が浮上している。36歳の誕生日を迎えたばかりのグレイは今季、180回2/3を投げて201三振を奪った。防御率4.28は2019年以降で最も悪い数字だったが、打球の質から想定される防御率(xERA)は3.90、守備の影響を除外して算出される疑似防御率(FIP)は3.39であり、実際の投球内容は防御率ほど悪くなかった。グレイは全球団に対するトレード拒否権を持ち、来季の年俸は3500万ドル(約52億5000万円)、2027年の契約は年俸3000万ドル(約45億円)の球団オプションとなっている。なお、この球団オプションが行使された場合、グレイはオプトアウトの権利を行使してFAになることもできる。

 昨オフは主力のトレード交渉が不調に終わったカージナルスだが、今オフこそトレードを成立させ、ハイム・ブルーム編成本部長のもとで新たなスタートを切ることができるだろうか。

2025.11.12 08:48 Wednesday

技巧派右腕カイル・ヘンドリックスが現役引退へ 2016年カブスでWS制覇

 長年カブスの先発投手として活躍し、108年ぶりのワールドシリーズ制覇にも貢献したカイル・ヘンドリックスが現役引退を決めたようだ。ヘンドリックスはメジャー12年目の今季、地元カリフォルニアのエンゼルスでプレーした。

 10日(日本時間11日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、メジャー12年目のシーズンを終え、来月36歳の誕生日を迎えるヘンドリックスは近日中に現役引退を表明する予定だという。

 ダートマス大学出身で、現在より球速が速かった時期にチェンジアップとシンカーを駆使して精密な投球を見せ、「プロフェッサー」(教授)の愛称で親しまれたヘンドリックスは、メジャー通算307試合(うち301先発)に登板して防御率3.79を記録。最初の11シーズンはカブスでプレーし、球団の黄金期に主力選手として活躍した。

 カブスでプレーした11年間で276試合(うち270先発)に登板し、防御率3.68を記録。270先発はヒッポ・ボーンと並んで球団歴代9位タイにランクインしており、1259奪三振は同7位の数字だ。

 カブスがヘンドリックスを獲得したのは2012年のトレード・デッドライン。先発右腕ライアン・デンプスターとのトレードで、レンジャーズからの移籍だった。2年後の7月10日にメジャーデビューを果たすと、ヘンドリックスは着実な成長を遂げ、先発ローテーションに定着した。

 デビューイヤーの2014年は13先発で防御率2.46を記録し、ナショナル・リーグの新人王投票で7位にランクイン。2016年には31試合(うち30先発)に登板して防御率2.13をマークし、最優秀防御率のタイトルを獲得しただけでなく、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で3位にランクインした。

 好成績を残した2016年だが、レギュラーシーズンの活躍は「前座」に過ぎなかった。ヘンドリックスはポストシーズンの戦いで印象的な活躍を披露。リーグ優勝決定シリーズ第6戦ではクレイトン・カーショウ(ドジャース)との投げ合いの中で7回1/3を無失点に抑える快投を見せ、カブスを1945年以来となるリーグ優勝に導いた。

 3勝3敗で迎えたワールドシリーズ第7戦に先発すると、4回2/3を2失点(自責点1)に抑える力投。カブスは第7戦に勝利し、1908年以来108年ぶりとなるワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

 カブスでの最終シーズンとなった2024年は浮き沈みの激しい1年だったが、カブスの選手としての最終登板では見事なピッチングを披露。レッズを相手に7回1/3を無失点に抑えた。

 ヘンドリックスは2024年シーズン終了後にキャリアで初めてフリーエージェント(FA)となったが、その時点でカブスの最古参選手であり、2016年の優勝メンバーでカブスに残っていた最後の選手だった。

 その後、ヘンドリックスはエンゼルスと1年契約を結び、今季は1年間ローテーションを守って31試合に先発。164回2/3を投げ、8勝10敗、防御率4.76を記録した。

2025.11.11 12:08 Tuesday

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