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ネイラー引き留め成功のマリナーズ 次の優先事項はポランコとの再契約か
5年9250万ドル(約138億7500万円)の大型契約でジョシュ・ネイラーの引き留めに成功し、来季以降の正一塁手を確保したマリナーズ。地元紙「シアトル・タイムズ」の報道によると、次の「優先事項」はホルヘ・ポランコとの再契約のようだ。
32歳のポランコは今季マリナーズで復活を遂げ、2001年以来24年ぶりとなる地区優勝に貢献。昨年1月にツインズからトレードで加入し、移籍2年目の今季は138試合に出場して打率.265、26本塁打、78打点、OPS.821と自慢の打撃力を取り戻した。メジャー12年間で通算1088試合に出場し、1063安打、154本塁打、OPS.772を記録している。
守備力は平均を下回るものの、ポランコが残している打撃成績を考えれば、守備力も許容できるレベル。また、近年はハムストリングや膝のケガに悩まされ続けてきたため、今季は指名打者としての出場も多かった。主に二遊間を守ってきたが、三塁手としての出場経験もあり、マリナーズとしては二塁に若手のコール・ヤングらが台頭してきた場合、ポランコを有望株コルト・エマーソンがメジャーに昇格してくるまでの「つなぎの三塁手」として起用することも可能だろう。
「シアトル・タイムズ」の報道によると、マリナーズは強打の三塁手エウヘニオ・スアレスと再契約を結ぶ可能性も排除していないという。今季はワールドシリーズ初出場まであと1勝に迫り、球団史上最高のシーズンの1つとなったが、今季の主力選手をそのままキープし、来季再び悲願のワールドシリーズ出場に挑戦したいと考えているようだ。
2025.11.21 12:14 Friday
ウォード放出のエンゼルス FAのベリンジャーの動向をチェックか
コディ・ベリンジャーがロサンゼルスに戻ってくるかもしれない。ただし、ドジャースではなく、別のチームになる可能性もある。
かつてのMVP選手は、メジャー最初の6シーズンをドジャースで過ごし、ワールドシリーズ連覇の王者はベリンジャーとの「再会」に関心を示しているという。しかし、エンゼルスもベリンジャー獲得に興味を持っているようだ。MLBネットワークのジョン・ヘイマンは、エンゼルスがフリーエージェント(FA)市場において、ベリンジャーの動向をチェックしていることを報じている。
エンゼルスは18日(日本時間19日)に今季36本塁打を放ったテイラー・ウォードをトレードでオリオールズへ放出し、外野の一角と打線の中軸に大きな穴が開いている。ウォードは今季、左翼手として153試合に出場。ベリンジャーは外野の全3ポジション(と一塁)を守れる選手だが、ヤンキースでプレーした今季は左翼手としての出場が最も多かった。ウォードが抜けた穴にぴったりフィットする存在と言えるだろう。
また、エンゼルス打線は右打者が非常に多く、左打者のベリンジャーはその点でもエンゼルスにフィットする。現有戦力でラインナップを組んだ場合、エンゼルスのレギュラー陣で左打者は一塁のノーラン・シャニュエルだけ。ウォードの穴を埋めるだけでなく、打線の左右のバランスを改善するためにも、エンゼルスにとって、ベリンジャーは理想的な補強ターゲットとなりそうだ。
2025.11.21 11:14 Friday
「MVPを受賞していない最高の選手」がホセ・ラミレスである理由
ホセ・ラミレス(ガーディアンズ)は球界で最高の選手の1人だ。これまでのキャリアを見れば、疑いの余地はないだろう。オールスターに7度選出され、シルバースラッガー賞も6度受賞している。
しかし、1つだけ欠けているトロフィーがある。それはMVPだ。
はっきりさせておきたいのは、それがラミレス自身のせいではないということだ。ラミレスはキャリアを通して、スーパースターがひしめく時代のアメリカン・リーグでプレーしてきた。MVPを受賞していないからといって、ラミレスの輝かしい実績が否定されるわけではない。むしろ、この時代のア・リーグで毎年のようにMVP争いをしてきたという事実は、ラミレスがいかに素晴らしい選手であるかを強調している。
輝かしいキャリアを誇るラミレスは、MVP投票の歴史において、異例のポジションにいる。これまでの投票結果に基づくと、全米野球記者協会(BBWAA)によるMVP投票が始まった1931年以降にデビューし、MVPを1度も受賞していない選手の中で、ラミレスは最高の選手であるという主張をすることもできる。なお、この記事で紹介する記録や成績はすべて、MVP投票が開始された1931年以降のものである。
それでは、MLBの公式記録を扱うエライアス・スポーツ・ビューロー社の助けを借りて、いろいろ調べていこう。
【1】MVPを受賞していない最高の選手
ラミレスは今季のMVP投票でアーロン・ジャッジ(ヤンキース)とカル・ローリー(マリナーズ)に次ぐ3位だった。MVP投票で5位以内にランクインするのは6度目、3位以内は4度目。多すぎるように聞こえるだろう。実際、かなり多いのだ。
5位以内が6度というのは、MVP受賞経験がない選手の中では、エディ・マレーと並んで最多回数だ。また、現役選手の中ではマイク・トラウト(エンゼルス)の9度に続いて2番目に多い。ただし、トラウトは9度のうち3度、MVPを受賞している。
また、3位以内が4度というのは、MVP受賞経験がない選手の中では、単独トップの回数となっている。実は、MVP投票が開始された1931年以降、これほど受賞に近づきながら1度も受賞できなかった選手はほかにいないのだ。
この事実を数値化するもう1つの方法は「MVPシェア」を見ることだ。「MVPシェア」とは、1年ごとにMVP投票で獲得できる最大ポイントに対して、どれだけの割合でポイントを獲得したかを算出し、それを積み上げていったものである。たとえば、満票なら100%となり、「MVPシェア」は1とカウントされる。満票の半分のポイントを獲得したなら50%で、「MVPシェア」は0.5となる。
ラミレスの通算の「MVPシェア」は3.61。これはMVPを1度も受賞していない選手の中で最高の数値だ。つまり、ラミレスは「MVPを受賞していない最高の選手」、言い換えれば、「MVPを1度も受賞していない中で最も得票した選手」なのだ。通算3.61は、1931年以降にデビューした選手の中でトップ25に入っている。
【2】なぜこんなことが起こり続けているのか
これまで述べてきた通り、ラミレスは傑出した選手だ。今季はキャリア2度目となる30本塁打&40盗塁を達成。複数回達成したのは、ほかにボビー・ボンズ(4度)、バリー・ボンズ、アルフォンゾ・ソリアーノの3人だけである。2年連続の達成は、ボビー・ボンズとラミレスだけだ。
これはラミレスの凄さの一例に過ぎない。ベースボール・リファレンス版のWARでは、2017年以降に6度も5.5以上を記録しており、これはメジャー全体で2番目。ラミレスより多いのはジャッジ(7度)だけである。そして、ジャッジはMVPを3度受賞している。ラミレスがなぜMVPを受賞できないのか、という答えにつながっていくだろう。
ラミレスは2017年、18年、20年、22年、24年、25年にMVP投票で5位以内に入っている。では、これらのシーズンにおける、ア・リーグのMVP投票を振り返ってみよう。
2017年はWAR8.1を記録したホセ・アルトゥーベ(受賞)とジャッジに次ぐ3位に終わった。2018年はムーキー・ベッツがWAR10.7を記録して受賞。これは野手では2002年のバリー・ボンズ(11.7)以来の高水準であり、ラミレスはベッツ、トラウトに次ぐ3位どまりだった。
短縮シーズンの2020年、ラミレスはリーグトップの長打率とメジャー最多の打点を記録したホセ・アブレイユに次ぐ2位に終わった。
2022年はジャッジがシーズン本塁打のア・リーグ記録を更新し、WAR10.8をマークして受賞。大谷翔平も投打にわたる活躍を見せ、2位にランクインした。この年、ラミレスは4位だった。
2024年はジャッジが再びWAR10.8を記録し、満票で受賞。ラミレスは5位に終わった。2017年以降、10以上のWARがメジャーで3度記録されたが、それらはいずれもア・リーグで、なおかつラミレスがMVP投票の5位以内にランクインしたシーズンだった。
そして、今季はジャッジとローリーによる激しい争いが繰り広げられ、ジャッジが3度目の受賞を果たした。
ラミレスはMVP投票の5位以内に入った6シーズンで以下のような成績を残している。
・長打431本は、ほかのどの選手より21本以上多い ・1733塁打はジャッジ(1769)に次いで2位 ・563打点はジャッジ(592)に次いで2位 ・166盗塁はトレイ・ターナー(183)に次いで2位 ・430三振は110本塁打以上の37選手の中で最少(ラミレスは183本塁打) ・OPS.906は2500打席以上で6位(トップ5はジャッジ、トラウト、大谷、フアン・ソト、フレディ・フリーマン)
各シーズンのMVP受賞者たちも素晴らしい活躍を見せたが、ラミレスも継続的にトップクラスの成績を残していたのだ。
【3】ラミレスの今後は?
これまでに紹介してきた数字について、ラミレスはMVPを受賞した瞬間に対象外となる。「MVPを受賞していない最高の選手」という肩書も消滅する。そして、2026年シーズンもラミレスは、ジャッジを除外すれば、ア・リーグMVPの最有力候補の1人だ。
もしラミレスが将来MVPを受賞すれば、初受賞までの「5位以内の回数」と「3位以内の回数」は歴代最多を更新することになる。現在の初受賞前の5位以内の最多回数はミゲル・カブレラとルー・ゲーリッグの5度で、ラミレスはすでに6度だ。また、初受賞前の3位以内の最多回数はポール・ゴールドシュミット、アルバート・プホルス、アレックス・ロドリゲス、ウィリー・スタージェルの3度で、ラミレスはすでに4度である。
ラミレスにいつか歓喜の瞬間が訪れることを期待したい。
2025.11.21 10:48 Friday
ロイヤルズのボビー・ウィットJr.が2年連続でハート&ハッスル賞を受賞
ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)はまだ25歳だが、すでに2度のオールスターに選出され、ゴールドグラブ賞を2度、シルバースラッガー賞も2度、さらにプラチナグラブ賞を1度受賞している。
しかし、ウィットJr.が最も気に入っているアワードの1つはハート&ハッスル賞だ。しかも、2度目の受賞となった。
20日(日本時間21日)、ウィットJr.が2年連続でハート&ハッスル賞を受賞したことが発表された。この賞は2005年、MLB選手同窓会によって創設され、MLBのOB選手と現役選手の投票によって受賞者が決定。毎年、「野球への情熱を示し、野球の価値や精神、伝統を最もよく体現している現役選手」を表彰している。
MLBネットワークの番組「ホットストーブ」に出演したウィットJr.は「本当に光栄です。選手の投票で決まるので、僕にとっては最高の栄誉の1つです。いつも全力でプレーしたいと思っています。これは父に教えられたことです。だから、本当に光栄ですし、感謝しています。これからも毎日全力でプレーできるように頑張ります」と喜びを語った。
ウィットJr.はメジャーデビューから4年連続でロイヤルズの代表としてハート&ハッスル賞にノミネートした。この賞を2度受賞するのは史上2人目。2006年と2007年に連続受賞したクレイグ・ビジオ(殿堂入り選手)に次ぐ快挙となった。
ア・リーグのMVP投票で2位となった翌年、今季のウィットJr.はMVP投票で4位にランクインした。184安打を放ち、2年連続でメジャートップに立ったほか、47二塁打もメジャー最多。さらに、23本塁打&38盗塁を記録し、メジャーデビューから4年連続で20本塁打&30盗塁をクリアした史上初の選手となった。ファングラフス版のWAR(8.0)は野手メジャー3位の好成績。OAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+24は全ポジションの全野手で1位タイの数字だった。
今季は157試合に出場。そのうち153試合は遊撃手としてスタメン出場した。
毎日プレーすることについて尋ねられたウィットJr.は「それが究極の目標です。どんなことがあっても、毎日チームを助けたいですし、100%の力を出し切りたいと思っています。80%の力しか出せない日もあるかもしれませんが、そういう日には、その80%の力を100%出し切るように努力します。とにかく、どんなことがあっても、毎日プレーしてチームを助けたいんです」と語った。
ウィットJr.は今季も素晴らしいシーズンを過ごし、様々なアワードを受賞している。2年連続でゴールドグラブ賞に輝き、リーグで最高の守備力を持つ選手を表彰するプラチナグラブ賞も受賞。また、シルバースラッガー賞も2年連続で受賞し、オールMLBのファーストチームに遊撃手部門で選出されるのも2年連続となった。さらに、ロイヤルズの球団MVPに4年連続で選出されている。
しかし、今季チームはポストシーズンに進むことができず、ウィットJr.のモチベーションは受賞した様々なアワードではなく、チームを再び10月の舞台に導くことにある。今年のポストシーズンを観戦したことで、その思いはさらに強くなったようだ。
「ほとんど全部見ていましたが、つらい気持ちでした。ポストシーズンの試合をただ見ているのはつらかったです。自分たちはそこにいるべきだったと思いますし、いられる可能性もありましたから。でも、それがモチベーションになっているのは間違いありません」とウィットJr.は語る。
「現時点で3週間ほどトレーニングを継続しています。(来季に向けて)頑張っているところです。これがオフシーズンの楽しみでもあります。162試合のための準備になるんですから」と早くも来季を見据えていた。
2025.11.21 09:31 Friday
ブレーブスがゴールドグラブ賞2度のデュボンをトレードで獲得
19日(日本時間20日)、ブレーブスは好守の内野手ニック・アレンとのトレードでアストロズからユーティリティ・プレーヤーのマウリシオ・デュボンを獲得したことを発表した。
31歳のデュボンは、今季アストロズで133試合に出場し、打率.241、長打28本、出塁率.289、長打率.355、OPS.644をマーク。総合指標WAR(ベースボール・リファレンス版)は1.7を記録し、キャリア2度目となるゴールドグラブ賞を受賞した。2023年にも受賞しており、いずれもユーティリティ部門での選出である。アストロズでは4年間プレーし、485試合に出場して打率.256、出塁率.292、長打率.367。2022年にはワールドシリーズ制覇を経験した。
ホンジュラス出身のデュボンは、7年間のメジャー生活の中で、内外野の7つのポジションで出場した。二遊間や外野を守る機会が多く、二塁手として214試合、中堅手として198試合、左翼手として133試合、遊撃手として107試合に出場。投手と捕手を除く7つのポジションで少なくとも21試合以上プレーしている。これまでブルワーズ(2019年)、ジャイアンツ(2019~22年)、アストロズ(2022~25年)の3球団に在籍し、通算664試合に出場して打率.257、出塁率.295、長打率.374、OPS.668を記録している。
27歳のアレンは、昨オフにブレーブスへ移籍し、今季は135試合に出場して打率.221、出塁率.284、長打率.251を記録。打撃面に大きな課題を抱えているものの、遊撃の守備は安定しており、ゴールドグラブ賞のファイナリストに選出された。
デュボンは1年後にフリーエージェント(FA)で、アレンがFAになるまでの保有期間はあと4年。来季の予想年俸も当然デュボンのほうが高く、ブレーブスはあと4年キープできる好守のアレンを放出してデュボンを獲得することで内野のアップグレードを図った。
2025.11.20 11:36 Thursday
ライセル・イグレシアスがブレーブス残留 1年1600万ドルで再契約
19日(日本時間20日)、ブレーブスはクローザーのライセル・イグレシアスと1年1600万ドル(約24億円)で再契約を結んだことを発表した。
来年1月に36歳の誕生日を迎えるイグレシアスは、依然として球界トップクラスのクローザーだ。今季はメジャー9位タイの29セーブを挙げ、試合完了数はリーグ最多の57。67回1/3を投げ、防御率3.21、73三振を記録した。しかし、イグレシアスの2025年シーズンは2つのパートに分かれていた。
最初の28登板では防御率6.00と苦戦した。かつての強みだったスライダーのコマンド(制球力)を失い、不安定な登板が続き、4つのセーブ失敗と5つの黒星を喫した。2024年、スライダーを打たれた被本塁打は1本だけだったが、今季は最初の28登板で5本打たれた。
しかし、6月18日以降は本来の姿を取り戻し、シーズン最後の3カ月間で21セーブ、防御率1.34を記録。8月はわずか1失点で月間最優秀救援投手に選出された。実際、シーズン終盤の活躍は素晴らしく、最終27登板ではわずか1失点しか許さず、防御率0.34と驚異的な活躍を見せた。
イグレシアスの継続的な成功は、ハードヒットを防ぎ、ストライクゾーン外のボール球を振らせる能力の高さと密接に結びついている。シンカーは今季、平均球速がわずかに95マイル(約153キロ)を下回ったが、チェンジアップやスライダーと組み合わせることで依然として効果的。チェンジアップとスライダーも強力な決め球となっており、チェンジアップの空振り率は41%、スライダーも34%を記録した。こうした投球の結果、被ハードヒット率は34.9%と優秀で、被打率.206をマーク。特に6月17日以降の被打率はわずか.139だった。チェイス率(ボール球を振らせる割合)もメジャー全体の上位10%にランクインしている。
9月16日のナショナルズ戦では通算250セーブを達成。セーブが公式記録となった1969年以降、40人目の快挙だった。
2025.11.20 10:31 Thursday
今永昇太ら4選手がQO受諾 この決断がFA市場に与える影響は?
昨オフまでにクオリファイングオファー(QO)の提示を受けた144人のうち、受諾したのはわずか14人だけだった。ところが、今オフは提示を受けた13人のうち、トレント・グリシャム(ヤンキース)、ブランドン・ウッドラフ(ブルワーズ)、今永昇太(カブス)、グレイバー・トーレス(タイガース)の4人がQOを受諾して残留を選択。この状況に至った理由、そしてフリーエージェント(FA)市場に与える影響について考察していく。
【1】これほど多くの選手がQOを受諾したのはなぜか?
4人の選手はそれぞれ異なる理由でQOを受諾した。
トーレスは今季タイガースでオールスターに選出されたが、後半戦は苦戦し、シーズン最後の3カ月では打率.229、7本塁打に終わった。QOの対象者としてFA市場に出た場合、価値が下落してしまう(獲得したチームはドラフト指名権を失うため)。来オフはQOの対象外としてFA市場に出ることができる。
グリシャムは今季ヤンキースで自己最高のシーズンを過ごし、本塁打(34)、打点(74)、OPS(.812)などの各部門でキャリアハイを更新した。しかし、実績が不足しており、他球団がドラフト指名権を犠牲にしてまで獲得に動くほどの魅力はなかったかもしれない。
今永の契約状況は、今オフで最も興味深い事項の1つだった。カブスは3年5700万ドル(約85億5000万円)の球団オプションを破棄し、今永も1年1500万ドル(約22億5000万ドル)の選手オプションを行使せず、FAに。QOを受諾することで、より高額な年俸を受け取ることができ、ドラフト指名権の犠牲を伴う契約を強制されることもない。最終12先発で防御率5.17と結果を残せなかったことも、今回の決断に影響を与えた可能性がある。
ウッドラフは唯一在籍経験のあるチームに残留する。今季、戦列復帰後は12先発で7勝2敗、防御率3.20の好成績をマークしたが、9月に広背筋を痛めてシーズン終了。近年はケガが増えており、FA市場で複数年契約を得られるかどうかは不透明だった。
【2】QOを受諾した4人のうち、最大のサプライズは誰か?
ウッドラフだ。この右腕は2024年に受けた手術後、肩の状態が良好であることを証明した。しかし、今オフのFA市場は先発投手の層が厚いため、1年2202万5000ドル(約33億円)のQOを受け入れることにしたのだろう(ウッドラフは選手オプションを行使しなかった際のバイアウト1000万ドルも含め、2026年は3202万5000ドル=約48億円が保証される)。今季の成績は良く、三振率と四球率は上位10%にランクインしていたが、その一方で球速が低下。速球の平均は、手術前の96マイル(約154キロ)から今季は93マイル(約150キロ)まで落ちていた。
【3】QOを受諾した4人のうち、最も予想通りだったのは誰か?
グリシャムだ。今季の成績は良かったが、キャリア全体と比較すると、異例の成績だった。34本塁打はキャリアハイ(2022年の17本塁打)の2倍となり、OPS(.812)とOPS+(125)は短縮シーズンの2020年以降では最高。162試合制のシーズンでは圧倒的な自己ベストだった。皮肉なことに、グリシャムは打者有利と言われるヤンキースタジアムで苦戦(70試合で打率.195、13本塁打)していた(敵地では73試合で打率.269、21本塁打)が、来季もヤンキースに残り、FA市場に出ていく前に、今季の再現をする必要がある。
業界全体の印象としては、グリシャムがQOの金額(2202万5000ドル=約33億円)に近い契約を得られる可能性はあったが、ドラフト指名権を犠牲にしなければならないことを考えると、それに近い年俸で複数年契約を結ぶのは難しいとみられていた。
【4】4人が残留したことで、最も恩恵を受けるFA選手は誰か?
トップクラスの先発投手(ディラン・シース、今井達也、マイケル・キング、フランバー・バルデス、レンジャー・スアレス、ザック・ギャレン)はQOの動向にかかわらず、大型契約を得られる見込みだったが、ウッドラフと今永が残留を選択したことにより、ほかの先発投手の価値も上がる可能性がある。たとえば、メリル・ケリー、クリス・バシット、タイラー・マーリー、ザック・リテルといった「Bランク」の先発投手は、新たな契約を結ぶうえで競争相手が2人減ることになる。
また、グリシャムがQOを受諾したことで、FA市場でトップの中堅手(コディ・ベリンジャーを中堅手としてカウントするなら、2番目の中堅手)が市場から消えたことになる。これにより、ハリソン・ベイダーやセドリック・マリンズといったFA選手も恩恵を受けるだろう。
【5】選手がQOを受諾した4チームのうち、最も満足しているチームは?
カブスかブルワーズだ。両チームとも先発投手の補強に動くと予想されていた。カブスは今永復帰後も、マシュー・ボイド、ケイド・ホートン、ジェイムソン・タイオン、コリン・レイらが形成する先発投手陣をさらに強化する可能性がある。ブルワーズはウッドラフ、フレディ・ペラルタ、ジェイコブ・ミジオロウスキーが三本柱となり、クイン・プリースター、チャド・パトリック、トバイアス・マイヤーズ、ロバート・ガッサー、ローガン・ヘンダーソンらが残り2枠を争う状況だ。ウッドラフの残留により、ペラルタがトレードされる可能性も出てきたが、ペラルタの来季年俸はわずか800万ドル(約12億円)。球界でトップレベルに手頃な価格のエース投手となっている。
2025.11.20 10:05 Thursday
テイラー・ウォード獲得のオリオールズ 次に狙うのはエース獲得か
18日(日本時間19日)、今オフ初めての大型トレードが成立した。オリオールズは右腕グレイソン・ロドリゲスを放出し、エンゼルスから強打の外野手テイラー・ウォードを獲得。かつてのトップ・プロスペクト(有望株)を1年後にフリーエージェント(FA)となる打者と交換するという決断は驚くべき展開であり、今後の補強プランについて様々な疑問が浮上している。
MLB.comでオリオールズを担当するジェイク・リルが指摘しているように、ロドリゲスの放出はオリオールズの最大の課題である「投手陣の不足」を深刻化させる結果となった。確かに、26歳のロドリゲスはケガの影響により、2024年7月を最後にメジャーのマウンドから遠ざかっているが、それでも以前から大きな期待をかけられている投手であり、今年8月の右肘手術を経て、健康な状態で来季を迎えられると予想されていた。
オリオールズは昨オフ、エースのコービン・バーンズがFAで退団したあと、チャーリー・モートンと菅野智之を獲得したが、今オフはトップクラスの先発投手の獲得に積極的に取り組むとみられている。モートンと菅野は合計53試合で防御率4.95に終わり、ロドリゲスがケガの影響で全休したため、今季のオリオールズはメジャーワースト7位の先発防御率4.65と苦しんだ。
MLB.comのマーク・フェインサンドは19日(同20日)、MLBネットワークに出演し、オリオールズが狙う可能性があるFA選手について言及した。
「オリオールズには少なくとも1人、エース級の先発投手が必要だ。ディラン・シース、フランバー・バルデス、マイケル・キングといった選手が市場におり、オリオールズはこのうち1人を獲得するだろう。その必要があるからだ。今季の成績を見てみると、大きな期待を寄せられていたにもかかわらず、コービン・バーンズの代わりとなるエースを獲得しなかったことで、その代償を払わされた。私は(オリオールズの編成本部長である)マイク・エライアスがトップクラスの投手の1人に大金を投じると予想している。今井達也もその候補に挙がるだろう」
もしFA市場で思うような補強ができなかった場合、先発投手を獲得するために、トレード市場に目を向ける可能性もある。ツインズのジョー・ライアンとパブロ・ロペス、ナショナルズのマッケンジー・ゴア、ブルワーズのフレディ・ペラルタといった好投手たちがトレード候補に浮上している。
一方、オリオールズは今オフ、レオディ・タベラスとメジャー契約を結び、トレードでウォードを獲得したため、外野手が人員余剰気味になっている。外野手の整理を目的として、新たなトレードが行われる可能性もありそうだ。
2025.11.20 08:53 Thursday
ドジャースの左腕コップがロースター40人枠入り ルール5ドラフト対策
ドジャースは、来月行われるルール5ドラフトからプロスペクト(若手有望株)を守るために、米東部時間18日午後6時(日本時間19日午前8時)の期限までに、左腕ロナン・コップをロースターの40人枠に追加した。
新たにロースターの40人枠に追加されたのはコップだけで、プロテクトされなかったほかの選手はルール5ドラフトで流出する可能性があるが、ドジャースはプロテクトが必要な有力選手がほとんどいなかった。MLBパイプラインの有望株ランキング全体トップ100にランクインしている7人の有望株はいずれもルール5ドラフトの対象外。球団のトップ30有望株に目を向けても、ルール5ドラフトの対象になるのは、23位の右腕ピーター・ヒューベックと25位の遊撃手ノア・ミラーだけだった。
18歳以下で初めてメジャー球団と契約を結んだ選手は5シーズン以内、19歳以上でプロ入りした場合は4シーズン以内に40人枠入りしなければルール5ドラフトの対象となる。なお、今年のルール5ドラフトは、12月7~10日(同8~11日)にフロリダ州オーランドで開催されるウィンターミーティングの期間中に行われる。
ドジャースのロースター40人枠には現在、コップも含めて39人の選手が登録されている。6日(同7日)に40人枠入りした左腕ロビンソン・オルティスを16日(同17日)に右腕タイラー・ガフとのトレードでマリナーズへ放出したため、枠が1つだけ空いている状態だ。
23歳のコップは2021年ドラフト12巡目指名で入団。今季はマイナー2Aタルサで開幕を迎え、シーズン途中で3Aオクラホマシティに昇格した。合計49試合に登板して57回2/3を投げ、2勝4敗2セーブ、2ホールド、防御率3.43を記録。投球イニングを大きく上回る91個の三振を奪い、42四球を与えた。
9イニングあたり14.20個の三振を奪った計算になり、これは2Aと3Aで50イニング以上を投げた投手の中で4番目の数字だった。
18日(同19日)にプロテクトされた有望株はコップだけだったが、ドジャースは6日(同7日)の時点でもう1人、有望なマイナー選手をロースターの40人枠に加えている。今季マイナー3Aのパシフィックコースト・リーグでMVPに輝いた外野手のライアン・ウォードだ。
ウォードは昨年のルール5ドラフトの際にプロテクトされなかったが、獲得に動く球団はなかった。2019年ドラフト8巡目指名で入団し、2023年には3Aに昇格。3Aで3年目のシーズンとなった今季、飛躍を遂げた。
今季は143試合に出場し、打率.290、36本塁打、122打点、16盗塁、OPS.937の好成績をマーク。昨季より123打席多かったにもかかわらず、三振を20個減らした。ドジャースの外野陣(特に左翼手)が打撃不振に苦しむ中、マイナーでのウォードの活躍は注目を集めていたが、結局2025年シーズン中にメジャー昇格を果たすことはなかった。
しかし、28歳となる来季は状況が変わるかもしれない。先週行われたゼネラルマネージャー(GM)会議において、ブランドン・ゴームスGMはウォードにメジャーでの出場機会を与えるつもりであることを明言。自慢の打撃力を活かし、外野手不足をカバーする手助けになることを期待しているようだ。
2025.11.19 12:14 Wednesday
パイレーツ・スキーンズがトレードの噂を否定 「事実ではない」
満票でナショナル・リーグのサイ・ヤング賞を受賞してから1週間も経たないうちに、ポール・スキーンズ(パイレーツ)は『ダン・パトリック・ショー』に出演。最近浮上したトレードの噂について言及した。
先週、NJアドバンスメディアのランディ・ミラーは、匿名のパイレーツのチームメイトの発言を引用し、「スキーンズが2029年シーズン終了後にフリーエージェント(FA)になるより前にヤンキースでプレーしたいと話しているのを聞いた」と報じた。しかし、スキーンズはただちにこの報道を否定。パトリックとのトークの中で、改めて否定した。
「数時間イライラしていたけど、気持ちを切り替えて(報道が出た)その日の夜遅くにメディアに話をした。仕方がないことだ。良いことも悪いことも、いずれ明らかになる。これは明らかに事実ではない」とスキーンズは語った。
スキーンズはメジャー最初の2シーズンで55試合に先発し、防御率1.97、WHIP0.95を記録。2年連続でオールスターに選出され、昨季は新人王、今季はサイ・ヤング賞に輝いた。今季は187回2/3を投げ、防御率1.97をマーク。30人の投票者全員から1位票を獲得し、球団史上4人目となるサイ・ヤング賞に満票で選出された。
スキーンズは間違いなくナ・リーグ最高の先発投手、そしてタイガースのタリック・スクーバルと並び、おそらくメジャー最高の先発投手として2026年シーズンを迎える。パイレーツはスキーンズがFAになるまで、あと4年保有することができ、スキーンズが年俸調停の権利を取得するのは来季終了後。パイレーツがスキーンズの放出を急ぐ理由は全くない。
2025.11.19 11:27 Wednesday






