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オリオールズ移籍のテイラー・ウォード 「予想外の出来事だった」
テイラー・ウォードをめぐり、数年前からトレードの噂が飛び交っていた。31歳の外野手は、いつかトレードされる可能性があることを以前から知っていた。
それでも、18日(日本時間19日)にエンゼルスのペリー・ミナシアンGMから電話があり、右腕グレイソン・ロドリゲスと1対1のトレードでオリオールズへの移籍が決まったことを知らされたのは驚きだった。
23日(同24日)、オンライン会見を行ったウォードは「全く知らなかった。まさに予想外の出来事だった。オリオールズが僕に興味を持っているとは知らなかったけれど、この機会に感謝しているし、オリオールズでプレーできることを楽しみにしている」と語った。
ウォードはオリオールズからの関心を知らなかったようだが、オリオールズはかなり前からこのスラッガーの獲得を狙っていた。
オリオールズのマイク・エライアス編成本部長は「テイラー・ウォードにはたくさんの魅力がある。実は、彼の右打席からのパワーに惹かれて、少なくとも2~3年前から獲得を狙っていたんだ」とコメント。「外野陣に大きな安定感をもたらしてくれると思う。彼の加入により、打線のほかの打者の成績も向上することを願っている」とウォード加入のプラス効果に期待を寄せた。
今季75勝87敗と期待を裏切る成績に終わったオリオールズは、2026年シーズンの巻き返しに向けて、積極的なオフシーズンを過ごそうとしている。ウォードの加入は、4年間で3度目となるポストシーズン進出を目指すオリオールズにとって、非常に大きい。
ウォードはオリオールズのことをそれほど詳しく知っているわけではないが、過去4シーズン、対戦相手のダグアウトから見たオリオールズのプレーには感銘を受けている。
「若い選手が多く、堅実なチームという印象だ。そのラインナップに貢献できることにワクワクしているよ」とウォード。「このチームは間違いなく、ポストシーズンを勝ち進むことができる力を持っている。その一員になれるのが楽しみだ」と語った。
ウォードはオリオールズの正左翼手として起用される可能性が高く、打線の中軸を担う強打者として期待される。今季は二塁打(31)、本塁打(36)、打点(103)、四球(75)の各部門でキャリアハイの成績を残した。
しかし、メジャー9年目のシーズンを迎えるウォードの実績はそれだけではない。2022年にブレイクしてレギュラー定着を果たし、過去4シーズンで合計545試合に出場して打率.251、98本塁打、OPS.783、WAR10.2(ベースボール・リファレンス版)を記録している。
ウォードは選球眼の良い打者として知られており、カウントを巧みに操り、ボール球に手を出すことも少ない。また、今季は長打力が一段と増し、これまでのキャリアハイを11本も更新する36本塁打を放った。
「僕はメカニクスを強く信じているんだ。メカニクスが上手く機能していれば、すべてが上手くいくと考えている。本当に小さなことがメカニクスには大きな影響を与えるけれど、今シーズンはおそらく、これまでで最も安定していたと思う」とウォードは語る。
「まだまだ、もっとできると思う。特に、打率を上げていきたいし、三振は減らしたい。そういう部分でまだ成長できるはずだ。オフシーズンはそこに集中して、メカニクス面や安定性の部分を磨き続けていくつもりだよ」と今後の目標にも言及した。
ウォードは移籍が決まるとすぐに、オリオールズのスタッフ陣とのコミュニケーションを開始している。トレードが決まった日の夜、クレイグ・アルバーナス監督と電話で話し、ダスティン・リンド打撃コーチとも何度も会話を交わしたという。両者とも2026年からオリオールズに加わる新顔で、ウォードは両者を「熱い男たち」と表現した。
エンゼルスとオリオールズのトレードで注目すべき点は、両選手の契約状況だ。ロドリゲスは球団の保有権があと4年残っているが、ウォードは年俸調停期間の最終年を迎えており、2026年シーズン終了後にフリーエージェント(FA)となる。
もしウォードが大活躍すれば、クオリファイングオファーの候補となり、2027年のドラフト補償指名権をオリオールズにもたらす可能性がある。もしそうならなかったとしても、ウォードは好成績を残すことで、FA市場での契約交渉を有利に進めることができる。
しかし、ウォードはそのようなことは考えていない。新天地オリオールズで、攻守両面で実力を発揮し、チームの勝利に貢献することだけに集中している。
「自分がやるべきことは何も変わらないと思う」とウォード。「僕はシンプルな人間だし、考え方もシンプルだ。物事をシンプルに考えて、考えすぎないように心がけている。もちろん、これまでたくさん野球をプレーしてきたけど、大事なのは細かい部分を改善して、良い球を打つことに集中して、メカニクスを維持すること。そうすれば、あとは自然と上手くいくはずだ」と新天地でも自然体でプレーするつもりだ。
2025.11.25 11:03 Tuesday
レンジャーズ移籍のニモ 元同僚に相談してトレード受け入れを決断
ブランドン・ニモは「生涯メッツ」でキャリアを終えられた可能性があることを理解している。
高いレベルの活躍を続けていれば、本拠地シティフィールドにデービッド・ライトの背番号と並んで自分の背番号が掲げられた可能性があることも知っている。家はメッツのキャンプ地、フロリダ州セントルーシーにある。これまでに1度もメッツ以外のチームでプレーしたことはない。
◆トレードの詳細 レンジャーズ獲得:外野手ブランドン・ニモ(プラス金銭) メッツ獲得:二塁手マーカス・セミエン
だから、デービッド・スターンズ編成本部長から連絡を受け、トレード拒否権を行使せずレンジャーズ移籍を受け入れるかどうかを尋ねられたとき、ニモは考えなければならないことがあると分かっていた。
スターンズ編成本部長がニモにトレードの可能性を伝えたのは20日(日本時間21日)。その時点でトレード成立への唯一の障害は、ニモが持つトレード拒否権だった。23日(同24日)までにニモは拒否権を行使しないことを決め、レンジャーズの一員となった。
「本当にショックだった」とニモは語る。「僕たちは最後までメッツでプレーするという思いで人生を築いてきた。(トレード拒否権を放棄する前に)レンジャーズがワールドシリーズ制覇のために全力を注いでいると知る必要があったんだ。自分が入団するのは再建チームではないと確認したかった。ワールドシリーズ制覇を狙えるチームであること、毎年優勝の可能性があるチームだということを本当に知りたかった。(レンジャーズのクリス・ヤング編成本部長は)それをハッキリと示してくれた」と移籍を決断した。
ニモはトレード拒否権を行使しないことを決断する前に、元同僚であるレンジャーズのエース、ジェイコブ・デグロムに連絡を取った。デグロムはヤング編成本部長がニモに伝えたことをすべて肯定した。レンジャーズは間違いなく、優勝を狙っているのだと。
「(デグロムは)レンジャーズについて素晴らしいことしか言わなかった」とニモ。「彼は両方の立場を経験し、この環境でしっかり実力を発揮してきた。彼はレンジャーズがワールドシリーズを制覇できると考えている。再建モードではない。全力で優勝を目指す。来シーズンはレンジャーズにとって、非常にエキサイティングなものになるだろう。もしこのチームでワールドシリーズ制覇を狙えると信じていなかったら、僕がトレード拒否権を放棄することはなかったと思う」と語った。
今回のトレードにより、2023年のワールドシリーズ優勝メンバーがまた1人、レンジャーズを去った。レンジャーズは21日(同22日)の「ノンテンダーデッドライン」でアドリス・ガルシア、ジョナ・ハイム、ジョシュ・スボーツを放出。ガルシアの退団により、新しい外野手(ニモ)を獲得する必要性が明確になった。
ヤング編成本部長は、ニモに伝えたように、チームの人気選手を放出したあとも変わらず優勝を目指し続けると強調した。
「この2年間は期待に応えられず、非常に厳しい期間だった。期待に応えられなかったときは難しい決断を迫られる。それが現実だ。今回のトレードは、私たちに必要な決断だったと思う。今後、素晴らしい成果を達成できるように、ブランドンが私たちを手助けしてくれることを楽しみにしている」とニモへの期待を口にした。
レンジャーズが今回のトレードに動いたのは、ポストシーズンに返り咲くために、ニモ獲得がベストの選択肢だと考えたからだろう。しかし重要なのは、これは始まりに過ぎないということ。今季のレンジャーズ打線はwRC+(92)がメジャー25位、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と低迷し、今オフは立て直しが急務となっている。
今季と全く同じメンバー、あるいはそれに近いメンバーで来季を迎えることは選択肢になかった。ニモは世界的なスーパースターではない。しかし、間違いなくインパクトのある打者であり、レンジャーズの上位打線に定着し、コリー・シーガーやワイアット・ラングフォードといったスラッガーたちに打点のチャンスをもたらすだろう。
今季のニモは打率.262、出塁率.324、長打率.436を記録し、wRC+は114だった。レンジャーズでこれを上回ったのは、シーガーとラングフォードの2人しかいない。
ヤング編成本部長は「プラトーン起用の必要がない選手を獲得できたのは非常に大きいと思う」とコメント。「それによって、汎用性の高い選手をロースターに入れる余裕が生まれるし、選手起用の柔軟性も増す。ラインナップに安定性と一貫性をもたらすという意味において、私たちにとって本当に大きな動きだった。今回のトレードによって、チームはさらに強化されたと思う。ほかの選手の起用法次第では、より強力なチームを作ることも可能になったはずだ」とニモ獲得の意義を強調した。
2025.11.25 09:59 Tuesday
ブランドン・ニモ放出のメッツ 次に目指すのはクローザーの確保か
メッツとレンジャーズが大型トレードを成立させ、二塁手のマーカス・セミエンがメッツ、外野手のブランドン・ニモがレンジャーズへ移籍することになった。
このトレードにより、メッツの外野は1つポジションが空いたが、現有戦力で埋めることも可能であり、メッツの資金力があれば、カイル・タッカーやコディ・ベリンジャーを獲得することもできるはずだ。MLB.comでメッツを担当するアンソニー・ディコモが関係者から得た情報によると、メッツはこれらすべての選択肢を検討中だという。
メッツは最古参選手のニモを放出した一方、主砲ピート・アロンソ、守護神エドウィン・ディアスとの再契約に興味を示している。しかし、米メディア「ジ・アスレチック」のウィル・サモンによると、ディアスとの再契約に向けて、契約年数の長さが大きなハードルとなっているようだ。
もしメッツがディアスと合意できなかった場合、素早くデビン・ウィリアムスやロベルト・スアレスといった別の選択肢にシフトすることが考えられる。サモンは、メッツがすでにウィリアムス、スアレスの代理人とそれぞれ複数回にわたって交渉を行ったことを伝えている。
ウィリアムスは今季、同じニューヨークを本拠地とするヤンキースでプレーした。サモンによると、12チーム前後がウィリアムスに興味を示しており、その中にはメッツのほか、ドジャース、レッドソックス、タイガース、ジャイアンツ、レッズ、そして再契約を目指すヤンキースなどが含まれているという。
今季惜しくもポストシーズン進出を逃したメッツ。10月の舞台に返り咲くために、今オフは積極的に動くことが予想されるが、高額ペイロールのわりにロースターの選手層は薄く、来季に向けて課題が山積している。
2025.11.25 08:44 Tuesday
ブランドン・ニモとマーカス・セミエンのトレードを多角的に分析
23日(日本時間24日)、2026年以降に向けたロースターの再編を目指すメッツとレンジャーズは、それぞれ長期契約を結んでいるブランドン・ニモとマーカス・セミエンの1対1のトレードという大きな動きに出た。外野手のニモはレンジャーズ、二塁手のセミエンはメッツへ移籍することになる(球団からの正式発表はまだ行われていない)。
32歳のニモは、2022年12月に8年1億6200万ドル(約243億円)でメッツと再契約を結び、その契約にはトレード拒否権が含まれていたが、今回のトレードにあたり、拒否権を行使しないことで合意。一方、35歳のセミエンは、2021年12月に7年1億7500万ドル(約262億5000万円)でレンジャーズと契約していた。
◆トレードの詳細 メッツ獲得:マーカス・セミエン(二塁手) レンジャーズ獲得:ブランドン・ニモ(外野手)
ここではMLB.comのエキスパートたちによる、多角的な分析を紹介していく。
【1】メッツにとって今回のトレードが理にかなっている理由 (メッツ担当記者:アンソニー・ディコモ)
ニモはメッツ一筋で10年間プレーし、その大半は生産的なシーズンだった。8年契約を結んだことにより、ニモはメッツ一筋のままキャリアを終えるはずだったが、今回のトレードにより、ニモの「メッツ時代」は突如として幕を閉じることになった。ニモはレンジャーズでメッツ時代の同僚であるジェイコブ・デグロムと合流し、メッツはセミエン獲得により、ロースターの柔軟性を高めることになる。
球界有数の守備力を持つ二塁手のセミエンは、攻撃力の高い内野手としても知られており、2023年には29本塁打、100打点、14盗塁、OPS.826、WAR7.7の好成績を残してア・リーグMVP投票3位となった。しかし、35歳となったセミエンは、過去2シーズンは2023年ほどの活躍を見せていない。ただし、今季ゴールドグラブ賞を受賞するなど、依然としてチームに貢献できる選手であり続けている。
セミエンの存在は何よりも、メッツの柔軟性を大幅に高めるとともに、デービッド・スターンズ編成本部長が今オフの目標として掲げている「守備力アップ」の達成にも貢献する。来季開幕時点で33歳のニモは、キャリアワーストレベルの守備成績を残したばかりだ。メッツはジェフ・マクニールや有望株カーソン・ベンジを左翼手で起用する、あるいはカイル・タッカーやコディ・ベリンジャーといった大物FA外野手を獲得することで、ニモの穴を埋めることができる。関係者によると、メッツはこれら全ての選択肢を検討しているようだ。
【2】レンジャーズにとって今回のトレードが理にかなっている理由 (レンジャーズ担当記者:ケネディ・ランドリー)
セミエンと遊撃手コリー・シーガーは、ともに2022年シーズンからレンジャーズに加入し、2023年には球団史上初のワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。しかし、それ以降は思うような成果を得ることができていない。35歳のセミエンは、127試合に出場して打率.230、OPS.669という期待外れのシーズンを終えたばかりだ。15本塁打は、短縮シーズンを除くと、2018年以降で最少だった。
一方、32歳のニモは本塁打(25)、打点(92)、ハードヒット率(50.2%)の各部門で自己最高の数字をマーク。wRC+(92)がメジャー25位、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と低迷したレンジャーズ打線の巻き返しに貢献するはずだ。
レンジャーズは、二塁の穴を埋める選択肢として、ユーティリティプレーヤーのジョシュ・スミス、エゼキエル・デュラン、サム・ハガーティらがいる。スミスは2024年にユーティリティ部門でシルバースラッガー賞に輝いた選手だ。外野はワイアット・ラングフォードとエバン・カーターという若手スター候補がいるものの、それ以外は層が薄かった。
【3】さらに深掘り (アナリスト:マイク・ペトリエロ)
知名度の観点から言えば、今回の取引はビッグトレードだ。MVP投票のトップ3に3度ランクインしたことがあるセミエンがメッツ、メッツの球団組織で14シーズンを過ごし、球界で最も過小評価されてきた選手の1人であるニモがレンジャーズへ移籍することになった。
では、短期的な価値を見ると、どうだろうか。両選手の知名度から想像されるほど、大きなトレードではないかもしれない。35歳のセミエンは、自己ワーストに近い出塁率.305に終わり、長打率.364は自己ワーストで、規定打席到達者の中ではワースト10人に入る数字だった。3月に33歳となるニモは、25本塁打、92打点と見た目の数字は優秀だが、その裏では懸念すべき衰えの兆候が見え始めている。四球率が大幅に低下しただけでなく、長年にわたって高いレベルを維持してきた走塁や守備の指標も平均をわずかに下回る水準まで落ち込んだ。
重要なのは、期待外れのシーズンを過ごした両チームの打線に、新たな風を吹き込むことだろう。メッツは守備力アップを目指している。セミエンはかつてのようなスーパースター級の守備力はないものの、今季はOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+7を記録し、依然として優秀な二塁手だ。一方、レンジャーズは得点力アップを目指している。ニモはセミエンより打撃力があり、年齢も若い。また、メッツにとっては、タッカーやベリンジャーのために外野のポジションを空けるというメリットもあるかもしれない。二塁が固定されたため、今度はマクニール、ブレット・ベイティ、ロニー・マウリシオらのトレードが検討される可能性もある。
より高度な指標も見ると、ニモとセミエンは見た目の数字以上に、近い成績を残している打者だった。ニモはより多くの打点を記録したが、ランナーがいる状況での打席が44回も多く、これが打点増加の一因となっている。実際、ランナーがいる状況では、ニモよりもセミエンのほうが優れた打者だった。また、レンジャーズは左打者のパワーを改善したいという望みを叶えることもできた。今季レンジャーズより数字が悪かったのは3チームだけ。ニモはこの課題克服に貢献するはずだ。特にアドリス・ガルシアが不振の2シーズンを過ごしたあと、ノンテンダーFAとなったため、外野手の補強が急務だった。
結局のところ、トレードの成否は両選手が新しいチームにフィットできるかどうかだ。両チームとも今季の戦力を来季にそのまま持ち越すことはできないし、両選手とも以前のようなスター級の働きはできていない。つまり、今回のトレードは似たような状況にある大物選手同士、似たような状況の大型契約同士を交換したものである。ニモはセミエンより2歳若いものの、契約も2年長く残っている。要するに、メッツにとって、セミエンの3年を取るか、ニモの5年を取るかという選択だったのだ。ニモは契約が終わることには指名打者になっているかもしれない。しかし、メッツにはすでにフアン・ソトがおり、ピート・アロンソと再契約を結ぶ可能性もある。そうした状況の中、ニモに指名打者のポジションを与えることはできない。もちろん、ニモを獲得したレンジャーズのほうが得をする可能性もある。ニモ不在で戦力不足となった2029年と2030年のメッツに対し、レンジャーズが高みの見物をしている可能性もあるだろう。
【4】知っておくべきデータ (MLB.comリサーチチーム)
セミエンは今季、期待されたほどの打撃成績を残すことができなかったものの、守備は依然として優秀だった。OAAは+7、フィールディングランバリュー(守備での得点貢献度)も+6を記録し、キャリア2度目のゴールドグラブ賞に輝いた。
フィールディングランバリューは、スタットキャストが測定・算出する様々な守備指標を全て統合し、選手個人の守備パフォーマンスを評価する指標である。運用が開始された2023年以降、セミエンは+32を記録しており、全内野手の中でロイヤルズの遊撃手ボビー・ウィットJr.(+41)、ブルージェイズの二塁手アンドレス・ヒメネス(+39)、レッズの三塁手キブライアン・ヘイズ(+37)に次ぐ4位にランクインしている。
対照的に、メッツの内野陣は今季-7に終わり、これはメジャー全体で10番目に悪い数字だった。セミエンの加入は、内野の守備力向上に大きく寄与するはずだ。
2025.11.24 12:00 Monday
通算208本塁打のジョーイ・ギャロ 投手転向へのチャレンジを継続中
ジョーイ・ギャロが投手としてメジャーでのキャリアを続ける意向を示してから約8カ月、元スラッガーがマウンドに立つ姿が久しぶりに公開された。試合のマウンドに立ったわけではなく、ギャロ自身のソーシャルメディア上でその様子が公開されている。
32歳になったばかりのギャロは、自身のX(旧Twitter)アカウントに3球を投げる15秒の動画を投稿した。この動画では、捕手の姿は確認できないが、ギャロの投球をミットで受ける音がハッキリと聞こえる。
ギャロは2度のシーズン40本塁打を記録するなど、メジャー通算208本塁打を誇るスラッガー。しかし、2024年にナショナルズでプレーしたのを最後に、メジャーの舞台から遠ざかっており、2024年は223打数で打率.161に終わった。2022年から2024年にかけて、ヤンキース、ドジャース、ツインズ、ナショナルズを渡り歩いたが、打率.166、出塁率.286、長打率.379、三振率40.6%とかつての強打を見せることはできなかった。
近年は低迷が続いているものの、レンジャーズ時代は主力選手として活躍し、2度のオールスター選出のほか、ゴールドグラブ賞も2度受賞。メジャーを代表する長距離砲として名を馳せた。
今年はホワイトソックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに参加していたが、投手転向の意向を示したため、ホワイトソックスは3月中旬にギャロを解雇した。
身長196センチのギャロは、全盛期にはメジャー有数の強肩外野手として知られていた。2021年には送球の平均球速が93.9マイル(約151キロ)を計測し、これはメジャー全体5位の数字(送球50回以上の外野手に限る)。ほぼ一塁に専念する前の最後のシーズンとなった2023年の平均球速は89.8マイル(約145キロ)だった。
2025.11.24 10:09 Monday
剛腕クローザーのヘルズリー 複数球団が先発投手として興味を示す
ライアン・ヘルズリーは2019年にマイナー3Aメンフィスで先発したのを最後に先発登板がない。この剛球右腕はメジャー昇格後、すべての試合にリリーフで登板しており、トップクラスのクローザーまで上り詰めた。しかし、初のフリーエージェント(FA)となった今オフ、役割の変更を求められることになるかもしれない。
米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、31歳の右腕に対し、タイガースを含む複数球団が先発投手として興味を示しているという。
ビジネスの観点から見ると、ヘルズリーが先発転向を検討するのは理にかなっている。第一に、防御率4.50(7月のトレードでメッツに移籍したあとは防御率7.20)と安定感を欠いた2025年シーズンを経て、ヘルズリーに対する評価は下落している。2024年は49セーブ、防御率2.04という素晴らしい活躍を見せ、2度目のオールスター選出を果たしただけでなく、ナ・リーグの最優秀救援投手に与えられるトレバー・ホフマン賞を受賞したが、今季は大きく成績を落とした。
第二に、今オフのクローザー市場は非常に層が厚く、エドウィン・ディアス、デビン・ウィリアムス、ロベルト・スアレス、ピート・フェアバンクス、ケンリー・ジャンセンらが市場に出ている。ほかの選択肢が豊富な状況の中、ヘルズリーが注目を集めることは難しい。
対照的に、エース級の先発投手は供給不足となっている。よって、もしヘルズリーに先発転向を受け入れる意思があれば、FA市場でより多くのオファーを得られる可能性がある。なお、先発転向を検討しているのはヘルズリーだけではない。元先発投手のブラッド・ケラーも同様に、先発転向の可能性が噂されており、ルーク・ウィーバーも再び先発に挑戦する意向を示している。
リリーフ投手の先発転向は前例がないわけではない。セス・ルーゴ、マイケル・キング、レイナルド・ロペス、クレイ・ホームズといった投手たちが近年、リリーフから先発への転向を成功させた。
ただし、ヘルズリーがこうした投手たちのあとを継ぐためには、球種のレパートリーを増やす必要があるだろう。今季、スライダーとフォーシームが全投球の92.9%を占め、ほかの球種はカーブ(5.8%)とカットボール(1.3%)だけだった。さらに、今季はフォーシームに威力がなく、平均99.3マイル(約160キロ)を計測したにもかかわらず、被打率.422、被長打率.667と打ち込まれ、球種別のランバリューは-15だった。フォーシームの威力を取り戻すことも、来季に向けた大きな課題となる。
2025.11.24 09:21 Monday
メッツ・ニモとレンジャーズ・セミエンの大型トレードが成立へ
23日(日本時間24日)、MLB.comでレンジャーズを担当するケネディ・ランドリーが関係者から得た情報によると、メッツとレンジャーズは外野手ブランドン・ニモと二塁手マーカス・セミエンの1対1のトレードに向けて交渉を進めているようだ。まだ両球団からの正式な発表は行われていない。
関係者によると、ニモはトレード拒否権を行使しないことに合意しているという。32歳のニモは、2022年12月に8年1億6200万ドル(約243億円)でメッツと再契約。一方、セミエンは2021年12月に7年1億7500万ドル(約262億5000万円)でレンジャーズと契約したが、トレード拒否権を持っていない。
35歳のセミエンは、オールスター選出3度の実績を持ち、2023年にはレンジャーズの一員としてワールドシリーズ制覇を経験。しかし、今季は打撃成績を悪化させ、127試合で打率.230、OPS.669に終わった。ただし、安定した守備力は健在で、OAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+7を記録。これはメジャー全体の上位8%に入る好成績であり、キャリア2度目のゴールドグラブ賞を受賞した。メッツのデービッド・スターンズ編成本部長はシーズン終了後、今オフも目標の1つとして「守備力向上」を掲げており、まさに有言実行の大型トレードとなる。
ニモは2011年ドラフト全体13位指名でメッツに入団し、10年間のメジャー生活をメッツ一筋で過ごしてきた。今季は本塁打(25)、打点(92)、ハードヒット率(50.2%)の各部門で自己ベストを記録。レンジャーズは今季、wRC+(92)がメジャー24位タイ、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と打撃不振に苦しんだため、得点力アップが今オフの課題の1つとなっていた。
2025.11.24 08:39 Monday
スイーパーの流行から2年後、新たなトレンドとは?
2023年のワールドベースボールクラシック(WBC)決勝の最終打席、今でも語り草となっている大谷翔平とマイク・トラウトの名勝負は、大谷の鋭く曲がるスイーパーにトラウトのバットが空を切り、空振り三振で決着した。その名勝負が大きな契機となり、スイーパーはトレンドの球種として持て囃されるようになった。
しかし、それから2年後、早くもスイーパーは「トレンドの球種」ではもはやなくなっている。スイーパーに代わる新たな投打のトレンドとは何だろうか。
2022年の黄金期からわずか数年で衰退
大谷がスイーパーでWBC優勝を決める前年の2022年は、まさにスイーパーにとって黄金期だった。スイーパーに分類される大きなスライダーは前年から倍増して28360球を投じられ、被打率はわずか.194。さらに、1球単位で失点をどれだけ増減させたかを示すピッチャー・ラン・バリュー(状況ごとの重み付けなし)という指標では、スイーパーは全体の4.0%の割合でしか投げられていなかったにもかかわらず、+104を叩き出し、さらに100球あたりのラン・バリューでも0.366(ともに主要球種中2位)を記録した。
しかし、2022年を境にスイーパーは打者に適応されていった。翌2023年はスイーパーの存在がより一般的になり、投球数が42001球に達したが、ラン・バリューはむしろ減って+57(100球あたりでも.136)。2024年も投球数は48020球が投じられたが、ラン・バリューは+42(100球あたりでは.088)に低迷した。
そして2025年は投球数の増加が49534球と頭打ちになり、ラン・バリューは+7、100球あたりでも.014と一気に落ち込んだ。
わずか3年前には球界を席巻していたはずのこの球種に一体何があったのだろうか?
「引っ張りフライボール革命」が打者側の新たなトレンドに
スイーパーが投手側のトレンドとして大流行した一方、打者側では「“引っ張り”フライボール革命」とでも言うべき、新たなトレンドが生まれていた。
「フライボール革命」といえば、2010年代半ばのMLBを席巻したことで聞き覚えのある人も多いだろう。簡潔に表現するならば、フライを打ち上げる方が効率的に得点を生み出せるという考え方のことで、これを大いに取り入れたアストロズなどが大成功を収めたことで、一躍脚光を浴びた。スイーパーの台頭も、「フライボール革命」をも含む大きなトレンドの変遷の一部と言っても良く、「フライボール革命」の考え方は現代野球の基本にもなっている。
そして今、「“引っ張り”フライボール革命」とでも言うべき潮流がMLBでは見られている。従来、引っ張り一辺倒になるのは良しとされておらず、広角にフィールド全体を使い、センター返し・流し打ちできる技術を持つ打者こそ良い打者であるという価値観が主流だった。
しかし、今は違う。他のどの打球分類よりも「引っ張り方向」の「フライ打球」が良い結果に結びつくということがデータで示され、広角に打ち分けずとも正確無比に「引っ張り方向のフライ」を打ち続ける打者も評価されるようになってきた。
「引っ張りフライ」は、打球全体のうち17.5%の割合でしか発生していないものの、ホームラン全体の66%を占めていた。バックスクリーンへの一発がパワーの証、逆方向へのホームランが技術とパワーの結晶と特別に扱われることが多々ある通り、基本的に引っ張ったホームランが多いという事実は頷ける。
従来の野球観において、引っ張り一辺倒の打撃やプルヒッターが批判されていたのは、それによって大振りになってしまい、確実性が下がってしまうからという理由が大方を占めるだろう。
しかし、データによると、「引っ張りフライ」は確実性も上げてくれる。同じく2022-24年の期間において「引っ張ったフライ」は打率.547、長打率1.227、wOBA(攻撃力を測る指標で、出塁率と同じスケールで見ることができる)では.733と、驚異的な打撃結果を残していた。一方で、「引っ張りフライ」以外の打球分類では、打率.319、長打率.527、wOBA.353と格段に数字は落ちる。
「引っ張りフライ」の有効性は今や広く知れ渡っている。MLBでは2015年から「引っ張りフライ率(プル・エア%)」が上昇し続けており、2025年はスタットキャスト導入後では史上最高の18.2%に達した。
なぜ「引っ張りフライ」がより良い打球結果に結びつくのだろうか。
打球を引っ張るためには、ボールを前でさばかなければならない。そして、このボールを前でさばくことは、それ自体にメリットが詰まっている。
ボールを前でさばくことのメリットは、より速いスイングスピードが速い状態でバットがボールをとらえられることだ。当然ながら、よりスイングスピードが速い状態の方がパワーが生まれやすい。事実、打球を引っ張ったときのスイングスピードは、流し打ちしたときに比べておよそ4マイル(5キロ)も速いという。
実際、すべてのホームランの内、8割以上が前でさばいた結果、生み出されている。マイク・ペトリエロによれば、2024年のホームランの82%が、打者のスタンスの重心から25-45インチ(64-114センチ)前でバットとボールが当たっていた。大谷翔平(ドジャース)やアーロン・ジャッジ(ヤンキース)のように引き付けて逆方向にホームランを打てるパワーの持ち主は稀有であり、多くの打者がボールを前でさばくことでパワーを最大化しようとしている。
大激戦となった今年のワールドシリーズ第7戦でも、スイングスピードが平均以下のミゲル・ロハスとウィル・スミスが、お手本のような前でのさばきを見せ、戦局を変えるホームランを放ったのは記憶に新しい。
スイーパーは「引っ張りフライボール革命」の格好の餌食か?
ここまで、近年のMLBで見られる「引っ張りフライボール革命」について説明した。「引っ張りフライボール革命」の信奉者の打者が狙っているのは、投球を前でさばいて引っ張り方向にフライを打つこと。そして、「引っ張りフライボール革命」の少し前に台頭したスイーパーは、その格好の餌食となり得る性質を持つ。
スイーパーの「被引っ張りフライ率」は全球種中最多の25.7%。今季は2位のスライダーに3ポイントの差をつけ、最も危険とされる「引っ張りフライ」を浴びた球種となった。
とはいえ、スイーパーの「被引っ張りフライ率」は、本格的にスイーパーが投じられるようになった2021年から毎年主要球種の中でワーストを記録している。つまり、被引っ張りフライ率が高いせいでスイーパーが打たれるようになったと言えるわけではない。
実際にスイーパーが打たれるようになった理由は、打者の目が慣れ、適応してきたという点が大きいだろう。また、流行に乗ってスイーパーを投げる投手が増え、質の低いスイーパーが増えた可能性もある。打者はスイーパーを見極められるようになり、スイーパーに対するボール球スイング率は2021年の32.4%から年々低下し、今季はついに3割を割って29.9%になった。さらにスイーパーに対するスイングスピードは計測が始まった2023年から毎年上昇し、スイングスピードが75マイル(120キロ)を超えた割合を示すファスト・スイング率は2023年から約4ポイント増の23.0%へ。それらが要因となってか、冒頭で挙げたラン・バリューの低下に顕著なように、スイーパーは以前より打たれるようになった。
打者がスイーパーに適応してきた以上、スイーパーを多投するのは危険かもしれない。ましてやスイーパーは危険な引っ張りフライを浴びやすい性質を持っている。
投手は新たなトレンドを模索
一大トレンドとなったスイーパーに衰退の兆しが見えたとはいえ、それでMLBの投手たちが黙っているわけではない。投手たちは既に新たなトレンドを確立しつつある。
これまではスイーパーやそれ以前の高めのフォーシーム、フライボール革命で淘汰されたはずのシンカーの復権など、特定の球種がトレンドになってきた。
しかし、特定の球種がトレンドとなり、多くの投手がその球種を投げるようになれば、打者は目が慣れてすぐに適応してしまう。スイーパーに限らず、多くの変化球が年々攻略されている傾向にある。日本人投手の代名詞として絶大な威力を誇ったスプリットも、今季は2015年以降で最多の23596球が投じられたが、100球あたりのピッチャー・ラン・バリューは2016年以来の低水準となる.071と低迷。2022年には.476と絶大な有効性を示していたにもかかわらず、わずか数年で急降下した。
そこで生まれた新たなトレンドは「多くの球種を投げ分ける」というものだ。デービッド・アドラーによれば、スタットキャストが導入された2015年以降で、今季は「5球種以上投げた投手」あるいは「6球種以上投げた投手」の割合が過去最多だった。さらに注目すべきは、ただ多くの球種を持っているというだけではなく、多くの球種を均等に使い分けて打者を攻めている点だ。
多くの変化球を使い分けることで知られるダルビッシュ有は、このトレンドについて「自然な流れだと思う。今の打者は10年前よりも多くの球種を見ているからね。投球フォームを全て再現できるトラジェクト・アークのようなピッチングマシンも増えている。だから、私にとっては自然な進化だと思う。(球種の組み合わせを)打者に合わせて調整できる。小さなスライダーは打てるけど、大きなスイーパーは苦手という打者もいます。だから、全ての球種を揃えておけば、どんな打者にも対応できる」という旨のコメントを残している。
データ分析の進歩によって、日進月歩で戦略が進化するMLB。激しい力と力のぶつかり合いの裏には、投手と打者による終わりなきいたちごっこのような頭脳戦が隠されている。
2025.11.23 18:39 Sunday
注目のノンテンダーFA12選 元レンジャーズのガルシア、ハイムら
21日(日本時間22日)にテンダーデッドラインが過ぎ、66人の選手が「ノンテンダー」となり、フリーエージェント(FA)となった。テンダーデッドライン後にFA市場に加わった興味深い12選手を紹介する。
アドリス・ガルシア(外野手、レンジャーズ)
ガルシアは2023年のレンジャーズの史上初のワールドシリーズ制覇において、特別な役割を果たした。2023年ポストシーズンでは8本塁打、22打点(ポストシーズン記録)そしてOPS1.108を記録する大暴れ。また2023年はレギュラーシーズンでも39本塁打、107打点、OPS.836を記録し、ゴールドグラブにも輝いた。しかし、それ以降はガルシアは停滞し、2024年にはOPS.684、2025年にはOPS.665と打力が失われた。
MJ・メレンデス(外野手、ロイヤルズ)
メレンデスはかつて高い評価を受ける捕手有望株だったが、大黒柱サルバドール・ペレスの存在、そしてメレンデスの守備面での苦戦によって、外野へ完全転向となった。ポジションを変えてもなおメレンデスの拙守は続き、さらに売りだったはずの打撃も低迷。デビューから3年連続で16本塁打、21二塁打以上を記録してきたが、通算では打率.215、出塁率.297、長打率.388、そしてOPS+は平均以下の90に過ぎない。2025シーズンは大半を3Aで過ごした。
エバン・フィリップス(救援投手、ドジャース)
2024年シーズンのプレーオフでは無失点の好投を続けながら、ローテーターカフの負傷でワールドシリーズ出場を逃したフィリップスは、今季もケガで棒に振った。5月にはトミージョン手術を受け、2026年も出遅れが確定している。しかし、2022-24年にかけてドジャースで防御率2.21、9イニングあたりの奪三振数10.4個、9イニングあたりの与四球数2.3個、44セーブとその活躍ぶりは忘れがたく、オファーを出す球団は少なくないだろう。
ジョナ・ハイム(捕手、レンジャーズ)
2023年のレンジャーズの優勝チームにおいて、ハイムは不可欠な存在だった。堅実な打撃(18本塁打、OPS+107)とエリート級の守備を両立し、レギュラーシーズンでfWAR4.0を記録した。しかし、その後の2シーズンではfWARは-0.6に落ち込み、攻守両面で低迷している。
ナサニエル・ロウ(一塁手、レッドソックス)
2022年にゴールドグラブ、2023年にシルバースラッガーを受賞した実力者。8月にナショナルズからリリース(解雇)され、レッドソックスに加入したロウは新天地で復調し、打率.280、OPS.790を記録した。しかし、シーズンを通してみればOPS.689の不振でノンテンダーFAとなった。
アレック・マノア(先発投手、ブレーブス)
マノアはブルージェイズに所属していた2年目に、196回2/3を投げて180三振、防御率2.24を記録してア・リーグサイ・ヤング賞投票3位に入った。しかし、2023年には不振でマイナー落ち、2024年5月には右肘内側側副靱帯を負傷するなどキャリアは暗転。2025年は終盤にかけてリハビリ登板を何度か行ったものの、DFAとなり、ブレーブスにクレームされていた。
クリストファー・モレル(外野手、レイズ)
モレルはカブスでの最初の2年間は優秀な選手だった。特に2023年は107試合で26本塁打、OPS.821を記録した。しかし、直近2年間では打率.204、OPS.651、三振率29.3%と低迷しており、守備力の低さ故に定位置がないディフェンス面も足を引っ張っている。
JJ・ブレデイ(外野手、アスレチックス)
2019年ドラフト全体4位の元有望株は、2025年は打率.212、OPS.698と不振。2024年はOPS.762、20本塁打と堅実な活躍だったが、センターとしては守備力が低く、今季打撃不振に陥ったことでアスレチックスからテンダーされなかった。
ラモン・ウリアス(内野手、アストロズ)
アストロズは今季のトレードデッドラインでウリアスをオリオールズから獲得した。しかし、便利屋のウリアスは加入後も打率.223、OPS.640と振るわなかった。2022年には16本塁打、OPS.720、さらに三塁でゴールドグラブを受賞するなど全盛期を迎えていたウリアスは、今季もbWAR2.2を記録するなど依然として好選手だ。
マイク・トークマン(外野手、ホワイトソックス)
昨季カブスにノンテンダーされ、同じシカゴのホワイトソックスに加入したトークマンは、2019年以来の打撃好調なシーズンを送った。打率.263、9本塁打、OPS.756、四球率11.7%を記録した。
マイク・ライターJr.(救援投手、ヤンキース)
ライターJr.はカブスでの3年間で防御率3.85を記録し、セットアッパーの一人として活躍。しかし、2024年途中にヤンキースに加入後は防御率4.89と低迷した。
ジェイク・フレイリー(外野手、レイズ)
11月上旬にクレームされたレイズからノンテンダーFAとなったが、2025年はレッズとブレーブスでプレーした。通算打率.248、OPS.735と一定の攻撃力を持つものの、2022年から7度の負傷者リスト入りを経験するなど、ケガが多い。
2025.11.23 12:33 Sunday
カブスと救援右腕メイトンが契約合意か ブルペン再構築に大きな一歩
21日(日本時間22日)、カブスが救援右腕フィル・メイトンと2年契約(2028年に球団オプション)に合意したと関係者が報じた。この契約は身体検査後に正式発表される見込みだ。
32歳のメイトンは2021年から5年連続で60試合以上に登板してきたリリーフ右腕。今季は63登板で防御率2.79の好成績を残し、シーズン途中にカージナルスからレンジャーズへと移籍していた。今季は三振が増えたことでキャリアハイを記録し、奪三振率(32.5%)でMLB上位5%、平均打球速度(84.8マイル)でMLB上位1%、空振り率(36.2%)とバレル率(3.6%)でMLB上位2%に入っていた。
直球系の平均球速は89.6マイル(144キロ)と平凡だが、カーブを38.2%、カットボールを36.0%の割合で使用するなど、変化球主体の投球が持ち味。カーブは空振り率41.6%、被打率.136と抜群の切れ味を誇る。カットボールは昨季から平均球速がおよそ2マイル向上し、空振り率32.9%、被打率.215と昨季に比べて空振りを増やした。
カブスは今季のブルペンを支えたブラッド・ケラー、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツがFAとなり、ブルペンの再構築がオフの課題となっていた。「ある意味、挑戦でもある。多くの選手が必要だ。昨年は多くの選手を獲得したので、おそらく同じことを考えるだろう。小規模なトレードや契約、フリーエージェントなども検討するだろう」とGMミーティングで語っていたジェド・ホイヤーGMは、すぐさま今オフ屈指の救援投手だったメイトンの獲得に成功。守護神ダニエル・パレンシアへの橋渡し役を確保した。
メイトンに加え、先日は今永昇太がクオリファイング・オファーを受諾して残留したとはいえ、カブスにはまだ投手補強が必要になる。今井達也らトップ層の先発投手の動向にも大きく絡みそうだ。
2025.11.23 11:23 Sunday






