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カブスがブルペン補強 右腕フィル・メイトンとの2年契約を正式発表

 カブスは今オフ、試合終盤を担うリリーフ投手を複数人獲得する必要がある。ポストシーズン進出に貢献したリリーフ投手の多くがチームを去っており、その穴を埋める必要があるのだ。カブスのフロントオフィスにとって、ロースターを再構築するための重要な補強ポイントである。

 21日(日本時間22日)、カブスは2028年の球団オプションが付属した2年契約で右腕フィル・メイトンと合意し、ブルペン補強のプロセスを開始した。25日(同26日)には2年契約が正式に発表され、MLB.comが関係者から得た情報によると、メイトンには1450万ドル(約21億7500万円)が保証されるという。なお、球団は契約総額を公表していない。

 カブスのジェッド・ホイヤー編成本部長はブルペンの再編に取り組んでいる最中だが、メイトンは間違いなく重要な戦力となるだろう。

 ホイヤー編成本部長は、ラスベガスで行われたゼネラルマネージャー(GM)会議の場において、ブルペン補強について「たくさんの機会があると思う。ある意味、挑戦でもある。多くの選手を獲得することが必要だ。昨オフは多くの選手を補強したが、今年も同じことをするだろう。小規模なトレードを行う可能性もあるし、小規模なフリーエージェント(FA)契約を結ぶ可能性もある。もちろん、FA市場で大型契約を結ぶ可能性もある」と語っていた。

 今季終盤に試合終盤の勝ちパターンを担った投手のうち、現在もチームに残っているのは速球派右腕のダニエル・パレンシアだけだ。

 右腕ブラッド・ケラーは、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツの左腕コンビとともにFAとなった。夏場のトレードで加入した右腕アンドリュー・キットリッジは再トレードでオリオールズに復帰。このほか、ライアン・ブレイジャー、アーロン・シバーリ、イーライ・モーガン、テイラー・ロジャース、マイケル・ソロカといった投手たちもFAとなっている。

 カブスが獲得した32歳のメイトンは、今季カージナルスとレンジャーズでプレーし、以前よりもさらに成長を遂げた。メジャー9年間で7チームを渡り歩き、通算478試合に登板して防御率3.98をマーク。今季は63試合で防御率2.79と自己最高の成績を残した。

 スタットキャストによると、今季のメイトンはハードヒット率(30.7%)と平均打球速度(84.8マイル=約136キロ)でメジャー全体の上位1%にランクイン。つまり、強い打球をほとんど打たせなかったということだ。さらに、バレル率(3.6%)と空振り率(36.2%)は上位2%、三振率(32.5%)と期待被打率(.195)でも上位5%にランクイン。要するに、トップクラスの中継ぎ投手の1人だった。

 投球割合ではカーブ(38.2%)とカットボール(36.0%)が多く、この2球種は2023年以降、変わらず上位2球種を占めてきた。スイーパーとシンカーも投げるが、キャリア前半に多く投げていたフォーシームは2023年以降、使用しなくなっている。特にカーブは今季、被打率.136、空振り率41.6%と素晴らしい成績を残した。

 カットボールの平均球速は2024年の88.7マイル(約143キロ)から90.6マイル(約146キロ)に上昇。これが61回1/3を投げて81三振、23四球という好成績を残す手助けとなり、特に右打者には被打率.174、被OPS.536と圧倒的な強さを見せた。また、今季は左打者も被打率.226、被OPS.653としっかり抑えていた(キャリア通算では左打者に対して被打率.246、被OPS.752)。

 経験豊富なメイトンの加入はカブスにとって非常に大きい。しかし、まだまだ補強ポイントが残っており、特に投手陣の補強は急務となっている。

 ホイヤー編成本部長は「今後もたくさんの投手を補強する必要がある。ブルペンはほぼ白紙の状態のため、補強がやりやすいのはありがたいね」と語り、ブルペンの現状をポジティブにとらえていた。メイトン獲得はブルペン補強の第一歩に過ぎず、今後さらなる補強を目指して動いていくことになりそうだ。

2025.11.26 11:34 Wednesday

グレイのトレード成立後、レッドソックスとカージナルスの次の動きは?

 今月行われたゼネラルマネージャー(GM)会議の場において、レッドソックスは今オフの最優先事項を明らかにした。チーフ・ベースボール・オフィサーを務めるクレイグ・ブレスローによると、「2つの大きな目標」があるという。1つ目は、ポストシーズンの戦いでエース左腕のギャレット・クローシェの次を任せられる「先発2番手」を確保すること。2つ目は、オプトアウト(契約破棄)の権利を行使して退団したアレックス・ブレグマンの穴を埋める「強打者」を獲得することだ。

 25日(日本時間26日)、レッドソックスはカージナルスとのトレードを成立させてベテラン先発右腕のソニー・グレイを獲得し、1つ目の目標を達成。よって、次はブレグマンの穴を埋める強打者の獲得を目指すことになるだろう。

 米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、レッドソックスの第1希望はあくまでもブレグマンとの再契約。しかし、ブレグマンの引き留めに失敗した場合に備え、ピート・アロンソ、ボー・ビシェット、カイル・シュワーバーといったFA市場のほかの強打者たちにも関心を示しているようだ。

 さらに、「ジ・アスレチック」はレッドソックスが捕手のJ・T・リアルミュートにも興味を示していることを報じている。ただし、ブレグマンの穴を埋める強打者として獲得を狙っているわけではなく、戦力アップのためのピースとして位置づけているとみられる。

 一方、カージナルスにとって、グレイの放出は今オフ予想されている「チーム解体」の第一歩に過ぎない。今後も主力選手(特にベテラン)の放出に動く可能性が高く、三塁手のノーラン・アレナドや一塁手のウィルソン・コントレラスがトレード候補に挙がっている。ブレンダン・ドノバン、ラーズ・ヌートバー、ジョジョ・ロメロらにも放出の噂があり、長期にわたってコンテンダー(優勝候補)の地位をキープしてきた名門がいよいよ本格的なチーム再建に突入することになりそうだ。

2025.11.26 10:12 Wednesday

積極補強を目論むマーリンズ パドレスFAの右腕キングと契約交渉か

 今オフのマーリンズについて、多くの人々は今夏のトレード期限と同じように、サンディ・アルカンタラとエドワード・カブレラの放出を目指すと予想している。しかし、両右腕の放出が噂される一方で、マーリンズは先発投手の補強も検討しているようだ。米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、マーリンズは今オフのフリーエージェント(FA)市場におけるトップクラスの先発投手の1人であるマイケル・キングとの契約交渉を実施したという。

 今季のマーリンズは、ピーター・ベンディックス編成本部長が推し進めるチーム再建の中で、予想以上の健闘を見せた。ベンディックス政権下で獲得したカイル・スタワーズ、ジェイコブ・マーシー、オットー・ロペス、アグスティン・ラミレス、ロニー・ヘンリケスといった選手たちがチームの主力として台頭し始めたのだ。就任1年目のクレイトン・マカラー新監督の下、25勝41敗とシーズン前半は苦戦したものの、それ以降は54勝42敗の快進撃。シーズン終盤までワイルドカード争いに食らいついた。

 大健闘のシーズンを終え、マーリンズはこれまで以上にFA市場での資金投入に積極的な姿勢を見せている。「ジ・アスレチック」によると、マーリンズはクローザーの獲得を目指しているほか、コーナーの内野手(一塁手と三塁手)のアップグレードも検討しているという。さらに、キング以外のFA市場の先発投手にも目を向けているようだ。

 こうした状況の中、マーリンズが依然としてチーム最高年俸選手のアルカンタラと今季チーム最高の先発投手だったカブレラの放出に興味を持っているかどうかは定かではない。

 アルカンタラは来季の年俸が1730万ドル(約25億9500万円)で、2027年の契約は年俸2100万ドル(約31億5000万円)の球団オプションとなっている。2022年のサイ・ヤング賞投手だが、トミー・ジョン手術から復帰した今季は最初の23先発で防御率6.55と大苦戦。これで評価が下がり、トレード期限での移籍が成立しなかった。しかし、最終8先発では防御率2.68と復調し、来季への期待を持たせている。一方のカブレラは、今オフから年俸調停権を取得。今季は137回2/3を投げて防御率3.53、150三振を記録し、FAまでの保有期間はあと3年残っている。

 マーリンズがこの2人を残留させ、キングのような大物FA投手の獲得に成功した場合、元トップ・プロスペクトのエウリー・ペレスとマックス・マイヤーも含め、リーグ有数の強力ローテーションが形成される。今季以上に楽しみなチームとなる可能性も十分にありそうだ。

2025.11.26 09:30 Wednesday

同地区ライバルが補強を続ける中、フィリーズはどのように動くのか

 ここ数週間、フィリーズは同地区ライバルのメッツやブレーブスがロースターの再編を進めるのを見守ってきた。

 メッツはブランドン・ニモと金銭500万ドル(約7億5000万円)とのトレードでレンジャーズからマーカス・セミエンを獲得。これにより、ニモのメッツ一筋10年間のキャリアに終止符が打たれた。ブレーブスは守護神ライセル・イグレシアスと1年1600万ドル(約24億円)で再契約を結び、さらにトレードでアストロズからマウリシオ・デュボンを獲得。こうした動きのうち、特にニモのトレードはチームの最古参選手を放出したことになったため、ニューヨーカーたちを驚かせた。しかし、チームが期待に応えられなかったとき、変化が求められることはよくある。メッツの場合、2024年は驚異的な快進撃でリーグ優勝決定シリーズ進出を果たしたものの、今季はシーズン終盤に大きく失速し、ポストシーズン進出を逃した。

 メッツのデービッド・スターンズ編成本部長は24日(日本時間25日)、報道陣に対して「今シーズンの我々の取り組みは十分ではなかったという認識だ。全く同じメンバーで来季を迎えるのは正しいことではないと思っていた」と語った。

 フィリーズはナ・リーグ東地区のライバルたちに比べると、ここまで比較的静かなオフシーズンを過ごしている。当然、どのチームのどの幹部も「ライバルチームが動いたからといって、無理に何か動くことはできない」と言うだろう。

 フィリーズが最優先事項としているのは、フリーエージェント(FA)になったカイル・シュワーバーとJ・T・リアルミュートとの再契約だ。関係者によると、球団とシュワーバーはまだ合意に近づいていないようだが、オフシーズンのこの時期としては珍しいことではない。ドジャースのスーパースター、大谷翔平に次いでMVP投票2位にランクインした今季の活躍を受け、シュワーバーの代理人はより好条件の契約を引き出そうとしている。契約を急ぐ理由はどこにもない。

 しかし、進展がないことに苛立ちを感じ、フィリーズがいつまで待てるのかを疑問視する人もいる。

 シュワーバーはフィリーズに残るだろうというのが大方の見方だ。これは2020年オフ、リアルミュートがFAになったときと少し似ている。リアルミュートの代理人は一時、総額2億ドル(約300億円)以上の契約を要求し、フィリーズの球団内に一定の悲観論を巻き起こした。

 ところが、最終的にリアルミュートは2021年1月、5年1億1550万ドル(約173億2500万円)の契約でフィリーズに残留した。

 シュワーバーに興味を示していることが報じられているパイレーツが、シュワーバーを納得させるようなオファーを提示するとしたら驚きだろう。フィリーズを去ることを決断させるようなオファーが提示されるとは考えにくい。また、シュワーバーがレッズファンとして育ったため、移籍先候補としてレッズの名前が挙がり続けているが、レッズがフィリーズを圧倒するようなオファーを提示することも考えにくい。

 フィリーズはカイル・タッカー、ボー・ビシェット、ピート・アロンソといったほかの大物FA選手の移籍先候補にも挙がっている。これはフィリーズが常に大型補強を行うチームであるため、ある意味当然だ。しかし、フィリーズがシュワーバーとリアルミュートの両方と再契約を結んだ場合、ほかの部分で資金を捻出できなければ、こうした大物FA選手の獲得を真剣に検討する可能性は低いとみられている。

 そうした状況の中、フィリーズはアレック・ボームのトレードを画策している。1年後にFAとなるボームは、今季の年俸が770万ドル(約11億5500万円)だったが、来季はさらなる昇給が予想される。また、メジャーレベルの即戦力を求めているチームにとって、ブライソン・ストットやブランドン・マーシュは魅力的な存在だろう。マット・ストラームのような中継ぎ投手もトレードの可能性がある。ストラームは直近3年間、フィリーズのブルペンで最も信頼できる左腕として活躍し、来季の年俸は750万ドル(約11億2500万円)だ。

 ニック・カステヤノスは来季の年俸が2000万ドル(約30億円)となっているが、来春にフィリーズのユニフォームを着ているとすれば驚きだ。フィリーズはカステヤノスをトレードで放出するために、年俸の大部分を負担しなければならないだろう。トレードが成立しなかった場合、単純にリリース(解雇)の可能性もある。

 カステヤノスはロイヤルズやマーリンズなど、打てる外野手を求めているチームにはフィットする可能性がある。ただし、これらのチームが実際にカステヤノスに対して興味を持っているかどうかは不透明だ。

 ここまで目立った動きがないフィリーズだが、今後数週間で動き始めると思われる。2週間後にはフロリダ州オーランドでウィンターミーティングが開催されるからだ。今後の動きに注目したい。

2025.11.26 08:55 Wednesday

カージナルスがノンテンダーFAの捕手ジョエル・ポゾと再契約

 ノンテンダーFAからわずか3日後、人気者の控え捕手で、勝負強い代打の切り札でもあるジョエル・ポゾがカージナルスに戻ってきた。24日(日本時間25日)、カージナルスは1年契約を結んだことを発表した。

 かつてホームレス生活を経験し、2025年シーズンでも屈指の心温まるストーリーの主人公となった28歳のポゾは、今季メジャー2位タイとなる7つの代打打点を記録。人当たりの良いルックスや明るい性格に加え、プレッシャーの中でも冷静沈着なプレーにより、カージナルスのチームメイトやコーチ陣から絶大な人気を誇っている。今季終了後、ダリル・カイル賞の受賞者にも選ばれた。

 さらに、カージナルスは右腕セム・ロバースとマイナー契約を結んだことを発表。ロバースもポゾ同様にノンテンダーFAとなっていたが、わずか3日後の再契約となった。また、右腕スコット・ブルエットとのマイナー契約も発表され、ブルエットは招待選手として来春のスプリングトレーニングに参加することが決まっている。

 ポゾは今年1月にマイナー契約でカージナルスに加入。イバン・ヘレーラが4月に左膝炎症で負傷者リスト入りしたため、メジャー昇格を果たした。2021年にレンジャーズでメジャーデビューしたポゾは、素早く新天地に適応し、カージナルスの選手としてプレーした初戦で本塁打を放った。

 ポゾは昇格後すぐ、代打の切り札としての地位を確立。今季は代打で6安打、2二塁打を記録し、7月5日の敵地カブス戦では決勝アーチも放った。シーズントータルでは67試合に出場し、打率.231、8二塁打、5本塁打、19打点をマークした。

 ロバースはオランダ出身の24歳で、今季はマイナー3Aメンフィスで4試合に先発したあと、トミー・ジョン手術を受けることになった。まだメジャー経験はなく、2024年は1Aパームビーチと3Aメンフィスで合計90回1/3を投げ、5勝5敗、防御率4.38、80三振を記録した。

 28歳のブルエットは、メジャー通算43登板の実績を持つ。今季はツインズ、ブレーブス、オリオールズの3球団でプレーし、合計26試合に登板して3勝0敗、防御率5.48という成績だった。

2025.11.25 12:43 Tuesday

オリオールズ移籍のテイラー・ウォード 「予想外の出来事だった」

 テイラー・ウォードをめぐり、数年前からトレードの噂が飛び交っていた。31歳の外野手は、いつかトレードされる可能性があることを以前から知っていた。

 それでも、18日(日本時間19日)にエンゼルスのペリー・ミナシアンGMから電話があり、右腕グレイソン・ロドリゲスと1対1のトレードでオリオールズへの移籍が決まったことを知らされたのは驚きだった。

 23日(同24日)、オンライン会見を行ったウォードは「全く知らなかった。まさに予想外の出来事だった。オリオールズが僕に興味を持っているとは知らなかったけれど、この機会に感謝しているし、オリオールズでプレーできることを楽しみにしている」と語った。

 ウォードはオリオールズからの関心を知らなかったようだが、オリオールズはかなり前からこのスラッガーの獲得を狙っていた。

 オリオールズのマイク・エライアス編成本部長は「テイラー・ウォードにはたくさんの魅力がある。実は、彼の右打席からのパワーに惹かれて、少なくとも2~3年前から獲得を狙っていたんだ」とコメント。「外野陣に大きな安定感をもたらしてくれると思う。彼の加入により、打線のほかの打者の成績も向上することを願っている」とウォード加入のプラス効果に期待を寄せた。

 今季75勝87敗と期待を裏切る成績に終わったオリオールズは、2026年シーズンの巻き返しに向けて、積極的なオフシーズンを過ごそうとしている。ウォードの加入は、4年間で3度目となるポストシーズン進出を目指すオリオールズにとって、非常に大きい。

 ウォードはオリオールズのことをそれほど詳しく知っているわけではないが、過去4シーズン、対戦相手のダグアウトから見たオリオールズのプレーには感銘を受けている。

「若い選手が多く、堅実なチームという印象だ。そのラインナップに貢献できることにワクワクしているよ」とウォード。「このチームは間違いなく、ポストシーズンを勝ち進むことができる力を持っている。その一員になれるのが楽しみだ」と語った。

 ウォードはオリオールズの正左翼手として起用される可能性が高く、打線の中軸を担う強打者として期待される。今季は二塁打(31)、本塁打(36)、打点(103)、四球(75)の各部門でキャリアハイの成績を残した。

 しかし、メジャー9年目のシーズンを迎えるウォードの実績はそれだけではない。2022年にブレイクしてレギュラー定着を果たし、過去4シーズンで合計545試合に出場して打率.251、98本塁打、OPS.783、WAR10.2(ベースボール・リファレンス版)を記録している。

 ウォードは選球眼の良い打者として知られており、カウントを巧みに操り、ボール球に手を出すことも少ない。また、今季は長打力が一段と増し、これまでのキャリアハイを11本も更新する36本塁打を放った。

「僕はメカニクスを強く信じているんだ。メカニクスが上手く機能していれば、すべてが上手くいくと考えている。本当に小さなことがメカニクスには大きな影響を与えるけれど、今シーズンはおそらく、これまでで最も安定していたと思う」とウォードは語る。

「まだまだ、もっとできると思う。特に、打率を上げていきたいし、三振は減らしたい。そういう部分でまだ成長できるはずだ。オフシーズンはそこに集中して、メカニクス面や安定性の部分を磨き続けていくつもりだよ」と今後の目標にも言及した。

 ウォードは移籍が決まるとすぐに、オリオールズのスタッフ陣とのコミュニケーションを開始している。トレードが決まった日の夜、クレイグ・アルバーナス監督と電話で話し、ダスティン・リンド打撃コーチとも何度も会話を交わしたという。両者とも2026年からオリオールズに加わる新顔で、ウォードは両者を「熱い男たち」と表現した。

 エンゼルスとオリオールズのトレードで注目すべき点は、両選手の契約状況だ。ロドリゲスは球団の保有権があと4年残っているが、ウォードは年俸調停期間の最終年を迎えており、2026年シーズン終了後にフリーエージェント(FA)となる。

 もしウォードが大活躍すれば、クオリファイングオファーの候補となり、2027年のドラフト補償指名権をオリオールズにもたらす可能性がある。もしそうならなかったとしても、ウォードは好成績を残すことで、FA市場での契約交渉を有利に進めることができる。

 しかし、ウォードはそのようなことは考えていない。新天地オリオールズで、攻守両面で実力を発揮し、チームの勝利に貢献することだけに集中している。

「自分がやるべきことは何も変わらないと思う」とウォード。「僕はシンプルな人間だし、考え方もシンプルだ。物事をシンプルに考えて、考えすぎないように心がけている。もちろん、これまでたくさん野球をプレーしてきたけど、大事なのは細かい部分を改善して、良い球を打つことに集中して、メカニクスを維持すること。そうすれば、あとは自然と上手くいくはずだ」と新天地でも自然体でプレーするつもりだ。

2025.11.25 11:03 Tuesday

レンジャーズ移籍のニモ 元同僚に相談してトレード受け入れを決断

 ブランドン・ニモは「生涯メッツ」でキャリアを終えられた可能性があることを理解している。

 高いレベルの活躍を続けていれば、本拠地シティフィールドにデービッド・ライトの背番号と並んで自分の背番号が掲げられた可能性があることも知っている。家はメッツのキャンプ地、フロリダ州セントルーシーにある。これまでに1度もメッツ以外のチームでプレーしたことはない。

◆トレードの詳細 レンジャーズ獲得:外野手ブランドン・ニモ(プラス金銭) メッツ獲得:二塁手マーカス・セミエン

 だから、デービッド・スターンズ編成本部長から連絡を受け、トレード拒否権を行使せずレンジャーズ移籍を受け入れるかどうかを尋ねられたとき、ニモは考えなければならないことがあると分かっていた。

 スターンズ編成本部長がニモにトレードの可能性を伝えたのは20日(日本時間21日)。その時点でトレード成立への唯一の障害は、ニモが持つトレード拒否権だった。23日(同24日)までにニモは拒否権を行使しないことを決め、レンジャーズの一員となった。

「本当にショックだった」とニモは語る。「僕たちは最後までメッツでプレーするという思いで人生を築いてきた。(トレード拒否権を放棄する前に)レンジャーズがワールドシリーズ制覇のために全力を注いでいると知る必要があったんだ。自分が入団するのは再建チームではないと確認したかった。ワールドシリーズ制覇を狙えるチームであること、毎年優勝の可能性があるチームだということを本当に知りたかった。(レンジャーズのクリス・ヤング編成本部長は)それをハッキリと示してくれた」と移籍を決断した。

 ニモはトレード拒否権を行使しないことを決断する前に、元同僚であるレンジャーズのエース、ジェイコブ・デグロムに連絡を取った。デグロムはヤング編成本部長がニモに伝えたことをすべて肯定した。レンジャーズは間違いなく、優勝を狙っているのだと。

「(デグロムは)レンジャーズについて素晴らしいことしか言わなかった」とニモ。「彼は両方の立場を経験し、この環境でしっかり実力を発揮してきた。彼はレンジャーズがワールドシリーズを制覇できると考えている。再建モードではない。全力で優勝を目指す。来シーズンはレンジャーズにとって、非常にエキサイティングなものになるだろう。もしこのチームでワールドシリーズ制覇を狙えると信じていなかったら、僕がトレード拒否権を放棄することはなかったと思う」と語った。

 今回のトレードにより、2023年のワールドシリーズ優勝メンバーがまた1人、レンジャーズを去った。レンジャーズは21日(同22日)の「ノンテンダーデッドライン」でアドリス・ガルシア、ジョナ・ハイム、ジョシュ・スボーツを放出。ガルシアの退団により、新しい外野手(ニモ)を獲得する必要性が明確になった。

 ヤング編成本部長は、ニモに伝えたように、チームの人気選手を放出したあとも変わらず優勝を目指し続けると強調した。

「この2年間は期待に応えられず、非常に厳しい期間だった。期待に応えられなかったときは難しい決断を迫られる。それが現実だ。今回のトレードは、私たちに必要な決断だったと思う。今後、素晴らしい成果を達成できるように、ブランドンが私たちを手助けしてくれることを楽しみにしている」とニモへの期待を口にした。

 レンジャーズが今回のトレードに動いたのは、ポストシーズンに返り咲くために、ニモ獲得がベストの選択肢だと考えたからだろう。しかし重要なのは、これは始まりに過ぎないということ。今季のレンジャーズ打線はwRC+(92)がメジャー25位、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と低迷し、今オフは立て直しが急務となっている。

 今季と全く同じメンバー、あるいはそれに近いメンバーで来季を迎えることは選択肢になかった。ニモは世界的なスーパースターではない。しかし、間違いなくインパクトのある打者であり、レンジャーズの上位打線に定着し、コリー・シーガーやワイアット・ラングフォードといったスラッガーたちに打点のチャンスをもたらすだろう。

 今季のニモは打率.262、出塁率.324、長打率.436を記録し、wRC+は114だった。レンジャーズでこれを上回ったのは、シーガーとラングフォードの2人しかいない。

 ヤング編成本部長は「プラトーン起用の必要がない選手を獲得できたのは非常に大きいと思う」とコメント。「それによって、汎用性の高い選手をロースターに入れる余裕が生まれるし、選手起用の柔軟性も増す。ラインナップに安定性と一貫性をもたらすという意味において、私たちにとって本当に大きな動きだった。今回のトレードによって、チームはさらに強化されたと思う。ほかの選手の起用法次第では、より強力なチームを作ることも可能になったはずだ」とニモ獲得の意義を強調した。

2025.11.25 09:59 Tuesday

ブランドン・ニモ放出のメッツ 次に目指すのはクローザーの確保か

 メッツとレンジャーズが大型トレードを成立させ、二塁手のマーカス・セミエンがメッツ、外野手のブランドン・ニモがレンジャーズへ移籍することになった。

 このトレードにより、メッツの外野は1つポジションが空いたが、現有戦力で埋めることも可能であり、メッツの資金力があれば、カイル・タッカーやコディ・ベリンジャーを獲得することもできるはずだ。MLB.comでメッツを担当するアンソニー・ディコモが関係者から得た情報によると、メッツはこれらすべての選択肢を検討中だという。

 メッツは最古参選手のニモを放出した一方、主砲ピート・アロンソ、守護神エドウィン・ディアスとの再契約に興味を示している。しかし、米メディア「ジ・アスレチック」のウィル・サモンによると、ディアスとの再契約に向けて、契約年数の長さが大きなハードルとなっているようだ。

 もしメッツがディアスと合意できなかった場合、素早くデビン・ウィリアムスやロベルト・スアレスといった別の選択肢にシフトすることが考えられる。サモンは、メッツがすでにウィリアムス、スアレスの代理人とそれぞれ複数回にわたって交渉を行ったことを伝えている。

 ウィリアムスは今季、同じニューヨークを本拠地とするヤンキースでプレーした。サモンによると、12チーム前後がウィリアムスに興味を示しており、その中にはメッツのほか、ドジャース、レッドソックス、タイガース、ジャイアンツ、レッズ、そして再契約を目指すヤンキースなどが含まれているという。

 今季惜しくもポストシーズン進出を逃したメッツ。10月の舞台に返り咲くために、今オフは積極的に動くことが予想されるが、高額ペイロールのわりにロースターの選手層は薄く、来季に向けて課題が山積している。

2025.11.25 08:44 Tuesday

ブランドン・ニモとマーカス・セミエンのトレードを多角的に分析

 23日(日本時間24日)、2026年以降に向けたロースターの再編を目指すメッツとレンジャーズは、それぞれ長期契約を結んでいるブランドン・ニモとマーカス・セミエンの1対1のトレードという大きな動きに出た。外野手のニモはレンジャーズ、二塁手のセミエンはメッツへ移籍することになる(球団からの正式発表はまだ行われていない)。

 32歳のニモは、2022年12月に8年1億6200万ドル(約243億円)でメッツと再契約を結び、その契約にはトレード拒否権が含まれていたが、今回のトレードにあたり、拒否権を行使しないことで合意。一方、35歳のセミエンは、2021年12月に7年1億7500万ドル(約262億5000万円)でレンジャーズと契約していた。

◆トレードの詳細 メッツ獲得:マーカス・セミエン(二塁手) レンジャーズ獲得:ブランドン・ニモ(外野手)

 ここではMLB.comのエキスパートたちによる、多角的な分析を紹介していく。

【1】メッツにとって今回のトレードが理にかなっている理由 (メッツ担当記者:アンソニー・ディコモ)

 ニモはメッツ一筋で10年間プレーし、その大半は生産的なシーズンだった。8年契約を結んだことにより、ニモはメッツ一筋のままキャリアを終えるはずだったが、今回のトレードにより、ニモの「メッツ時代」は突如として幕を閉じることになった。ニモはレンジャーズでメッツ時代の同僚であるジェイコブ・デグロムと合流し、メッツはセミエン獲得により、ロースターの柔軟性を高めることになる。

 球界有数の守備力を持つ二塁手のセミエンは、攻撃力の高い内野手としても知られており、2023年には29本塁打、100打点、14盗塁、OPS.826、WAR7.7の好成績を残してア・リーグMVP投票3位となった。しかし、35歳となったセミエンは、過去2シーズンは2023年ほどの活躍を見せていない。ただし、今季ゴールドグラブ賞を受賞するなど、依然としてチームに貢献できる選手であり続けている。

 セミエンの存在は何よりも、メッツの柔軟性を大幅に高めるとともに、デービッド・スターンズ編成本部長が今オフの目標として掲げている「守備力アップ」の達成にも貢献する。来季開幕時点で33歳のニモは、キャリアワーストレベルの守備成績を残したばかりだ。メッツはジェフ・マクニールや有望株カーソン・ベンジを左翼手で起用する、あるいはカイル・タッカーやコディ・ベリンジャーといった大物FA外野手を獲得することで、ニモの穴を埋めることができる。関係者によると、メッツはこれら全ての選択肢を検討しているようだ。

【2】レンジャーズにとって今回のトレードが理にかなっている理由 (レンジャーズ担当記者:ケネディ・ランドリー)

 セミエンと遊撃手コリー・シーガーは、ともに2022年シーズンからレンジャーズに加入し、2023年には球団史上初のワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。しかし、それ以降は思うような成果を得ることができていない。35歳のセミエンは、127試合に出場して打率.230、OPS.669という期待外れのシーズンを終えたばかりだ。15本塁打は、短縮シーズンを除くと、2018年以降で最少だった。

 一方、32歳のニモは本塁打(25)、打点(92)、ハードヒット率(50.2%)の各部門で自己最高の数字をマーク。wRC+(92)がメジャー25位、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と低迷したレンジャーズ打線の巻き返しに貢献するはずだ。

 レンジャーズは、二塁の穴を埋める選択肢として、ユーティリティプレーヤーのジョシュ・スミス、エゼキエル・デュラン、サム・ハガーティらがいる。スミスは2024年にユーティリティ部門でシルバースラッガー賞に輝いた選手だ。外野はワイアット・ラングフォードとエバン・カーターという若手スター候補がいるものの、それ以外は層が薄かった。

【3】さらに深掘り (アナリスト:マイク・ペトリエロ)

 知名度の観点から言えば、今回の取引はビッグトレードだ。MVP投票のトップ3に3度ランクインしたことがあるセミエンがメッツ、メッツの球団組織で14シーズンを過ごし、球界で最も過小評価されてきた選手の1人であるニモがレンジャーズへ移籍することになった。

 では、短期的な価値を見ると、どうだろうか。両選手の知名度から想像されるほど、大きなトレードではないかもしれない。35歳のセミエンは、自己ワーストに近い出塁率.305に終わり、長打率.364は自己ワーストで、規定打席到達者の中ではワースト10人に入る数字だった。3月に33歳となるニモは、25本塁打、92打点と見た目の数字は優秀だが、その裏では懸念すべき衰えの兆候が見え始めている。四球率が大幅に低下しただけでなく、長年にわたって高いレベルを維持してきた走塁や守備の指標も平均をわずかに下回る水準まで落ち込んだ。

 重要なのは、期待外れのシーズンを過ごした両チームの打線に、新たな風を吹き込むことだろう。メッツは守備力アップを目指している。セミエンはかつてのようなスーパースター級の守備力はないものの、今季はOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+7を記録し、依然として優秀な二塁手だ。一方、レンジャーズは得点力アップを目指している。ニモはセミエンより打撃力があり、年齢も若い。また、メッツにとっては、タッカーやベリンジャーのために外野のポジションを空けるというメリットもあるかもしれない。二塁が固定されたため、今度はマクニール、ブレット・ベイティ、ロニー・マウリシオらのトレードが検討される可能性もある。

 より高度な指標も見ると、ニモとセミエンは見た目の数字以上に、近い成績を残している打者だった。ニモはより多くの打点を記録したが、ランナーがいる状況での打席が44回も多く、これが打点増加の一因となっている。実際、ランナーがいる状況では、ニモよりもセミエンのほうが優れた打者だった。また、レンジャーズは左打者のパワーを改善したいという望みを叶えることもできた。今季レンジャーズより数字が悪かったのは3チームだけ。ニモはこの課題克服に貢献するはずだ。特にアドリス・ガルシアが不振の2シーズンを過ごしたあと、ノンテンダーFAとなったため、外野手の補強が急務だった。

 結局のところ、トレードの成否は両選手が新しいチームにフィットできるかどうかだ。両チームとも今季の戦力を来季にそのまま持ち越すことはできないし、両選手とも以前のようなスター級の働きはできていない。つまり、今回のトレードは似たような状況にある大物選手同士、似たような状況の大型契約同士を交換したものである。ニモはセミエンより2歳若いものの、契約も2年長く残っている。要するに、メッツにとって、セミエンの3年を取るか、ニモの5年を取るかという選択だったのだ。ニモは契約が終わることには指名打者になっているかもしれない。しかし、メッツにはすでにフアン・ソトがおり、ピート・アロンソと再契約を結ぶ可能性もある。そうした状況の中、ニモに指名打者のポジションを与えることはできない。もちろん、ニモを獲得したレンジャーズのほうが得をする可能性もある。ニモ不在で戦力不足となった2029年と2030年のメッツに対し、レンジャーズが高みの見物をしている可能性もあるだろう。

【4】知っておくべきデータ (MLB.comリサーチチーム)

 セミエンは今季、期待されたほどの打撃成績を残すことができなかったものの、守備は依然として優秀だった。OAAは+7、フィールディングランバリュー(守備での得点貢献度)も+6を記録し、キャリア2度目のゴールドグラブ賞に輝いた。

 フィールディングランバリューは、スタットキャストが測定・算出する様々な守備指標を全て統合し、選手個人の守備パフォーマンスを評価する指標である。運用が開始された2023年以降、セミエンは+32を記録しており、全内野手の中でロイヤルズの遊撃手ボビー・ウィットJr.(+41)、ブルージェイズの二塁手アンドレス・ヒメネス(+39)、レッズの三塁手キブライアン・ヘイズ(+37)に次ぐ4位にランクインしている。

 対照的に、メッツの内野陣は今季-7に終わり、これはメジャー全体で10番目に悪い数字だった。セミエンの加入は、内野の守備力向上に大きく寄与するはずだ。

2025.11.24 12:00 Monday

通算208本塁打のジョーイ・ギャロ 投手転向へのチャレンジを継続中

 ジョーイ・ギャロが投手としてメジャーでのキャリアを続ける意向を示してから約8カ月、元スラッガーがマウンドに立つ姿が久しぶりに公開された。試合のマウンドに立ったわけではなく、ギャロ自身のソーシャルメディア上でその様子が公開されている。

 32歳になったばかりのギャロは、自身のX(旧Twitter)アカウントに3球を投げる15秒の動画を投稿した。この動画では、捕手の姿は確認できないが、ギャロの投球をミットで受ける音がハッキリと聞こえる。

 ギャロは2度のシーズン40本塁打を記録するなど、メジャー通算208本塁打を誇るスラッガー。しかし、2024年にナショナルズでプレーしたのを最後に、メジャーの舞台から遠ざかっており、2024年は223打数で打率.161に終わった。2022年から2024年にかけて、ヤンキース、ドジャース、ツインズ、ナショナルズを渡り歩いたが、打率.166、出塁率.286、長打率.379、三振率40.6%とかつての強打を見せることはできなかった。

 近年は低迷が続いているものの、レンジャーズ時代は主力選手として活躍し、2度のオールスター選出のほか、ゴールドグラブ賞も2度受賞。メジャーを代表する長距離砲として名を馳せた。

 今年はホワイトソックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに参加していたが、投手転向の意向を示したため、ホワイトソックスは3月中旬にギャロを解雇した。

 身長196センチのギャロは、全盛期にはメジャー有数の強肩外野手として知られていた。2021年には送球の平均球速が93.9マイル(約151キロ)を計測し、これはメジャー全体5位の数字(送球50回以上の外野手に限る)。ほぼ一塁に専念する前の最後のシーズンとなった2023年の平均球速は89.8マイル(約145キロ)だった。

2025.11.24 10:09 Monday

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