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パドレス前監督のマイク・シルト 育成担当としてオリオールズへ

 2025年シーズン終了後、マイク・シルトは引退を表明し、パドレスの監督を退任することを発表した。57歳の指揮官はパドレスで成功を収めていたため、このニュースは驚きとともに伝えられた。

 しかし、シルトが球界から長く離れることはなかった。

 26日(日本時間27日)にMLB.comが関係者から得た情報によると、オリオールズは上級レベルの育成担当コーディネーターとしてシルトを採用することを決めたようだ。また、関係者の情報によると、サミュエル・ベガが内部昇格し、下級レベルの育成担当コーディネーターに就任するという。

 これらの動きはまだ、球団からは正式に発表されていない。

 シルトは2年間パドレスの監督を務め、183勝141敗を記録。2年連続でポストシーズンに進出したが、昨年は地区シリーズでドジャースに敗れ、今年はカブスと対戦したワイルドカードシリーズで敗退した。

 パドレスとの契約は2027年シーズンまで残っていたが、退任を表明する文書の中で「野球シーズンの過酷な日々が精神的にも肉体的にも感情的にも深刻な負担を強いている」と述べ、引退を決断。その後、パドレスの新監督には元投手のクレイグ・スタメンが就任した。

 2018~21年にはカージナルスの監督を務め、252勝199敗を記録。チームをポストシーズンに3度導き、2019年には最優秀監督賞を受賞した。その年、カージナルスは91勝71敗で地区優勝。ただし、リーグ優勝決定シリーズでナショナルズに敗れた。

 ノースカロライナ州シャーロット出身のシルトは、2004年からカージナルスに在籍し、地域スカウトやマイナーの監督も含め、様々な役職を歴任した。オリオールズのマイク・エライアス編成本部長も2007~11年にカージナルス在籍経験があり、スカウト部門で働いていた。

 ベガは2021年11月からオリオールズのラテンアメリカ・フィールドコーディネーターを務めてきた。現在29歳で、2017~18年にはノーザンイリノイ大学で内野手としてプレーした。

 2024年にはオリオールズの「カル・リプケンSr.選手育成賞」を受賞。主にラテンアメリカ系の有望株たちを指導し、ドミニカ共和国にある球団の選手育成施設に勤務することもあった。

 シルトとベガが新しい役割でどのような責任を負うのかはまだ明らかになっていない。しかし、シルトはマイナー3Aノーフォークと2Aチェサピーク、ベガはハイAフレデリックと1Aデルマーバを担当することになると思われる。

2025.11.27 10:32 Thursday

グレイ放出のカージナルス 次はアレナドら野手陣のトレードを目指す

 カージナルスは新しく編成トップに就任したハイム・ブルーム編成本部長のもと、チーム再建を進めている。25日(日本時間26日)にはその第一歩として、右腕ソニー・グレイのレッドソックスへのトレードが発表された。今後も主力選手の放出が続くと予想されているが、次は誰が動くのだろうか。

 米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、カージナルスは現在、三塁手ノーラン・アレナドと「左打者のうち少なくとも1人」をトレードで放出することに注力しているという。放出が検討されている左打者の中にはブレンダン・ドノバンとアレック・バーレソンも含まれる。今季オールスター初選出を果たしたドノバンは汎用性も高いため、トレード市場で特に大きな関心を集めており、シルバースラッガー賞に輝いたバーレソンも優れた打者だ。しかし、ドノバンはあと2年、バーレソンはあと3年保有できるため、この両選手の放出をカージナルスに決断させるためには、他球団は「圧倒的なトレードオファーを提示する必要がある」との見方が強い。

 カージナルスはさらに、ラーズ・ヌートバーとノーラン・ゴーマン(ともに左打者)のトレードを検討する可能性もある。保有期間はヌートバーがあと2年、ゴーマンがあと3年だ。ただし、ヌートバーは両かかとの手術を受け、来季の開幕に間に合うかどうかは不透明。ゴーマンは通算三振率34.0%と穴の多い打撃が改善されておらず、トレードしたとしても大きな対価が得られる可能性は低い。

 MLB.comでカージナルスを担当するジョン・デントンは25日(同26日)、カージナルスが一塁手ウィルソン・コントレラスのトレードを希望していることを伝えた。ただし、コントレラスはアレナド同様に全球団に対するトレード拒否権を持っており、コントレラス自身が「若手の力になりたい」と残留を希望しているため、実際にトレードが実現するかどうかは未知数だ。

 ブルーム編成本部長のもと、ファーム組織の立て直しを図るカージナルスだが、今後実際にどれくらいの主力選手がトレードされるかはまだ分からない。しかし、ハッキリしているのは、エース右腕グレイの放出がチーム再建の第一歩に過ぎないということだ。カージナルスの主力選手をめぐるトレード報道は、今オフの移籍市場を賑わせていくことになりそうだ。

2025.11.27 09:43 Thursday

FA市場の注目株ディラン・シースが7年契約でブルージェイズと合意

 26日(日本時間27日)、フリーエージェント(FA)市場の注目株である先発右腕ディラン・シースが7年2億1000万ドル(約315億円)の大型契約でブルージェイズと合意したことが明らかになった。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から情報を得た。ただし、まだ球団からの正式発表は行われていない。

 シースは球界有数の奪三振マシンとして知られている。2021年から5年連続で200個以上の三振を奪っているのはメジャー唯一。直近5年間で200三振を4度達成した投手すらほかに1人もいない。

 直近5年間で平均221三振を記録し、5年間の合計1106三振はメジャー最多。ほかに1000三振を超えているのは、フィリーズのザック・ウィーラー(1041)とブルージェイズのケビン・ゴーズマン(1020)だけだ。

 三振奪取能力の高さに加え、来月で30歳という若さもあり、今オフのFA市場における最高の先発投手として注目されていた。空振り率も非常に高く、90マイル台後半のフォーシームには伸びがあり、80マイル台後半のスライダーは4年連続で100個以上の三振を記録。また、縦に割れる80マイル台前半のカーブも効果的な球種だ。

 さらに、球界有数の耐久性を誇る先発投手でもあり、5年連続で30試合以上に先発して160イニング以上を投げている。直近5年間の先発登板数はメジャー最多。シースより多いイニングを記録した投手もローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、ゴーズマン、ホゼ・ベリオス(ブルージェイズ)、ウィーラー、フランバー・バルデス(アストロズからFA)、ルイス・カスティーヨ(マリナーズ)と数えられるほどしかいない。

 サイ・ヤング賞の投票ではこれまでに2度、トップ5入りを果たしている。ホワイトソックス時代の2022年は自己最高の2位、パドレス移籍後の2024年は4位にランクイン。この2シーズンはMVP投票でもポイントを獲得した。

 一方、パフォーマンスの不安定さが目立つ投手でもあり、サイ・ヤング賞投票2位の2022年は防御率2.20、227三振を記録したものの、翌2023年は防御率4.58、214三振と成績が悪化。パドレスに加入した2024年は防御率3.47、224三振をマークしたが、今季は防御率4.55、215三振と安定感を欠いた。

 しかし、ホワイトソックスとパドレスでプレーした7年間をトータルで見ると、非常に優秀な投手だったと言える。メジャー通算では1015回1/3を投げ、65勝58敗、防御率3.88、1231三振を記録。9イニングあたり10.91個の三振を奪っている計算だ。

 2019年にメジャーデビューし、最初の5年間はホワイトソックスでプレー。2024年シーズンの開幕直前、パドレスへの電撃トレードが成立した。パドレス移籍1年目の2024年には球団史上2度目となるノーヒッターを達成している。

 パドレス移籍後、2年連続でポストシーズン進出に貢献。ホワイトソックス時代の2020年と2021年にもポストシーズン出場の経験がある。ポストシーズンは通算5登板(うち4先発)で防御率8.74と結果を残せていないが、今年のワイルドカードシリーズではカブスを相手に3回2/3を無失点に抑え、5三振を奪う力投を見せた。

 ブルージェイズはシース、ゴーズマン、シェーン・ビーバー、トレイ・イェサベージ、ベリオスという強力な先発ローテーションが完成。ゴーズマンとビーバーが1年後にFAとなり、ベリオスも1年後にオプトアウト(契約破棄)の可能性があるため、中長期的な視野で見た場合にもシースの獲得は非常に大きい。今季のア・リーグ王者が大きな戦力を手に入れた。

2025.11.27 09:00 Thursday

カブスがブルペン補強 右腕フィル・メイトンとの2年契約を正式発表

 カブスは今オフ、試合終盤を担うリリーフ投手を複数人獲得する必要がある。ポストシーズン進出に貢献したリリーフ投手の多くがチームを去っており、その穴を埋める必要があるのだ。カブスのフロントオフィスにとって、ロースターを再構築するための重要な補強ポイントである。

 21日(日本時間22日)、カブスは2028年の球団オプションが付属した2年契約で右腕フィル・メイトンと合意し、ブルペン補強のプロセスを開始した。25日(同26日)には2年契約が正式に発表され、MLB.comが関係者から得た情報によると、メイトンには1450万ドル(約21億7500万円)が保証されるという。なお、球団は契約総額を公表していない。

 カブスのジェッド・ホイヤー編成本部長はブルペンの再編に取り組んでいる最中だが、メイトンは間違いなく重要な戦力となるだろう。

 ホイヤー編成本部長は、ラスベガスで行われたゼネラルマネージャー(GM)会議の場において、ブルペン補強について「たくさんの機会があると思う。ある意味、挑戦でもある。多くの選手を獲得することが必要だ。昨オフは多くの選手を補強したが、今年も同じことをするだろう。小規模なトレードを行う可能性もあるし、小規模なフリーエージェント(FA)契約を結ぶ可能性もある。もちろん、FA市場で大型契約を結ぶ可能性もある」と語っていた。

 今季終盤に試合終盤の勝ちパターンを担った投手のうち、現在もチームに残っているのは速球派右腕のダニエル・パレンシアだけだ。

 右腕ブラッド・ケラーは、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツの左腕コンビとともにFAとなった。夏場のトレードで加入した右腕アンドリュー・キットリッジは再トレードでオリオールズに復帰。このほか、ライアン・ブレイジャー、アーロン・シバーリ、イーライ・モーガン、テイラー・ロジャース、マイケル・ソロカといった投手たちもFAとなっている。

 カブスが獲得した32歳のメイトンは、今季カージナルスとレンジャーズでプレーし、以前よりもさらに成長を遂げた。メジャー9年間で7チームを渡り歩き、通算478試合に登板して防御率3.98をマーク。今季は63試合で防御率2.79と自己最高の成績を残した。

 スタットキャストによると、今季のメイトンはハードヒット率(30.7%)と平均打球速度(84.8マイル=約136キロ)でメジャー全体の上位1%にランクイン。つまり、強い打球をほとんど打たせなかったということだ。さらに、バレル率(3.6%)と空振り率(36.2%)は上位2%、三振率(32.5%)と期待被打率(.195)でも上位5%にランクイン。要するに、トップクラスの中継ぎ投手の1人だった。

 投球割合ではカーブ(38.2%)とカットボール(36.0%)が多く、この2球種は2023年以降、変わらず上位2球種を占めてきた。スイーパーとシンカーも投げるが、キャリア前半に多く投げていたフォーシームは2023年以降、使用しなくなっている。特にカーブは今季、被打率.136、空振り率41.6%と素晴らしい成績を残した。

 カットボールの平均球速は2024年の88.7マイル(約143キロ)から90.6マイル(約146キロ)に上昇。これが61回1/3を投げて81三振、23四球という好成績を残す手助けとなり、特に右打者には被打率.174、被OPS.536と圧倒的な強さを見せた。また、今季は左打者も被打率.226、被OPS.653としっかり抑えていた(キャリア通算では左打者に対して被打率.246、被OPS.752)。

 経験豊富なメイトンの加入はカブスにとって非常に大きい。しかし、まだまだ補強ポイントが残っており、特に投手陣の補強は急務となっている。

 ホイヤー編成本部長は「今後もたくさんの投手を補強する必要がある。ブルペンはほぼ白紙の状態のため、補強がやりやすいのはありがたいね」と語り、ブルペンの現状をポジティブにとらえていた。メイトン獲得はブルペン補強の第一歩に過ぎず、今後さらなる補強を目指して動いていくことになりそうだ。

2025.11.26 11:34 Wednesday

グレイのトレード成立後、レッドソックスとカージナルスの次の動きは?

 今月行われたゼネラルマネージャー(GM)会議の場において、レッドソックスは今オフの最優先事項を明らかにした。チーフ・ベースボール・オフィサーを務めるクレイグ・ブレスローによると、「2つの大きな目標」があるという。1つ目は、ポストシーズンの戦いでエース左腕のギャレット・クローシェの次を任せられる「先発2番手」を確保すること。2つ目は、オプトアウト(契約破棄)の権利を行使して退団したアレックス・ブレグマンの穴を埋める「強打者」を獲得することだ。

 25日(日本時間26日)、レッドソックスはカージナルスとのトレードを成立させてベテラン先発右腕のソニー・グレイを獲得し、1つ目の目標を達成。よって、次はブレグマンの穴を埋める強打者の獲得を目指すことになるだろう。

 米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、レッドソックスの第1希望はあくまでもブレグマンとの再契約。しかし、ブレグマンの引き留めに失敗した場合に備え、ピート・アロンソ、ボー・ビシェット、カイル・シュワーバーといったFA市場のほかの強打者たちにも関心を示しているようだ。

 さらに、「ジ・アスレチック」はレッドソックスが捕手のJ・T・リアルミュートにも興味を示していることを報じている。ただし、ブレグマンの穴を埋める強打者として獲得を狙っているわけではなく、戦力アップのためのピースとして位置づけているとみられる。

 一方、カージナルスにとって、グレイの放出は今オフ予想されている「チーム解体」の第一歩に過ぎない。今後も主力選手(特にベテラン)の放出に動く可能性が高く、三塁手のノーラン・アレナドや一塁手のウィルソン・コントレラスがトレード候補に挙がっている。ブレンダン・ドノバン、ラーズ・ヌートバー、ジョジョ・ロメロらにも放出の噂があり、長期にわたってコンテンダー(優勝候補)の地位をキープしてきた名門がいよいよ本格的なチーム再建に突入することになりそうだ。

2025.11.26 10:12 Wednesday

積極補強を目論むマーリンズ パドレスFAの右腕キングと契約交渉か

 今オフのマーリンズについて、多くの人々は今夏のトレード期限と同じように、サンディ・アルカンタラとエドワード・カブレラの放出を目指すと予想している。しかし、両右腕の放出が噂される一方で、マーリンズは先発投手の補強も検討しているようだ。米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、マーリンズは今オフのフリーエージェント(FA)市場におけるトップクラスの先発投手の1人であるマイケル・キングとの契約交渉を実施したという。

 今季のマーリンズは、ピーター・ベンディックス編成本部長が推し進めるチーム再建の中で、予想以上の健闘を見せた。ベンディックス政権下で獲得したカイル・スタワーズ、ジェイコブ・マーシー、オットー・ロペス、アグスティン・ラミレス、ロニー・ヘンリケスといった選手たちがチームの主力として台頭し始めたのだ。就任1年目のクレイトン・マカラー新監督の下、25勝41敗とシーズン前半は苦戦したものの、それ以降は54勝42敗の快進撃。シーズン終盤までワイルドカード争いに食らいついた。

 大健闘のシーズンを終え、マーリンズはこれまで以上にFA市場での資金投入に積極的な姿勢を見せている。「ジ・アスレチック」によると、マーリンズはクローザーの獲得を目指しているほか、コーナーの内野手(一塁手と三塁手)のアップグレードも検討しているという。さらに、キング以外のFA市場の先発投手にも目を向けているようだ。

 こうした状況の中、マーリンズが依然としてチーム最高年俸選手のアルカンタラと今季チーム最高の先発投手だったカブレラの放出に興味を持っているかどうかは定かではない。

 アルカンタラは来季の年俸が1730万ドル(約25億9500万円)で、2027年の契約は年俸2100万ドル(約31億5000万円)の球団オプションとなっている。2022年のサイ・ヤング賞投手だが、トミー・ジョン手術から復帰した今季は最初の23先発で防御率6.55と大苦戦。これで評価が下がり、トレード期限での移籍が成立しなかった。しかし、最終8先発では防御率2.68と復調し、来季への期待を持たせている。一方のカブレラは、今オフから年俸調停権を取得。今季は137回2/3を投げて防御率3.53、150三振を記録し、FAまでの保有期間はあと3年残っている。

 マーリンズがこの2人を残留させ、キングのような大物FA投手の獲得に成功した場合、元トップ・プロスペクトのエウリー・ペレスとマックス・マイヤーも含め、リーグ有数の強力ローテーションが形成される。今季以上に楽しみなチームとなる可能性も十分にありそうだ。

2025.11.26 09:30 Wednesday

同地区ライバルが補強を続ける中、フィリーズはどのように動くのか

 ここ数週間、フィリーズは同地区ライバルのメッツやブレーブスがロースターの再編を進めるのを見守ってきた。

 メッツはブランドン・ニモと金銭500万ドル(約7億5000万円)とのトレードでレンジャーズからマーカス・セミエンを獲得。これにより、ニモのメッツ一筋10年間のキャリアに終止符が打たれた。ブレーブスは守護神ライセル・イグレシアスと1年1600万ドル(約24億円)で再契約を結び、さらにトレードでアストロズからマウリシオ・デュボンを獲得。こうした動きのうち、特にニモのトレードはチームの最古参選手を放出したことになったため、ニューヨーカーたちを驚かせた。しかし、チームが期待に応えられなかったとき、変化が求められることはよくある。メッツの場合、2024年は驚異的な快進撃でリーグ優勝決定シリーズ進出を果たしたものの、今季はシーズン終盤に大きく失速し、ポストシーズン進出を逃した。

 メッツのデービッド・スターンズ編成本部長は24日(日本時間25日)、報道陣に対して「今シーズンの我々の取り組みは十分ではなかったという認識だ。全く同じメンバーで来季を迎えるのは正しいことではないと思っていた」と語った。

 フィリーズはナ・リーグ東地区のライバルたちに比べると、ここまで比較的静かなオフシーズンを過ごしている。当然、どのチームのどの幹部も「ライバルチームが動いたからといって、無理に何か動くことはできない」と言うだろう。

 フィリーズが最優先事項としているのは、フリーエージェント(FA)になったカイル・シュワーバーとJ・T・リアルミュートとの再契約だ。関係者によると、球団とシュワーバーはまだ合意に近づいていないようだが、オフシーズンのこの時期としては珍しいことではない。ドジャースのスーパースター、大谷翔平に次いでMVP投票2位にランクインした今季の活躍を受け、シュワーバーの代理人はより好条件の契約を引き出そうとしている。契約を急ぐ理由はどこにもない。

 しかし、進展がないことに苛立ちを感じ、フィリーズがいつまで待てるのかを疑問視する人もいる。

 シュワーバーはフィリーズに残るだろうというのが大方の見方だ。これは2020年オフ、リアルミュートがFAになったときと少し似ている。リアルミュートの代理人は一時、総額2億ドル(約300億円)以上の契約を要求し、フィリーズの球団内に一定の悲観論を巻き起こした。

 ところが、最終的にリアルミュートは2021年1月、5年1億1550万ドル(約173億2500万円)の契約でフィリーズに残留した。

 シュワーバーに興味を示していることが報じられているパイレーツが、シュワーバーを納得させるようなオファーを提示するとしたら驚きだろう。フィリーズを去ることを決断させるようなオファーが提示されるとは考えにくい。また、シュワーバーがレッズファンとして育ったため、移籍先候補としてレッズの名前が挙がり続けているが、レッズがフィリーズを圧倒するようなオファーを提示することも考えにくい。

 フィリーズはカイル・タッカー、ボー・ビシェット、ピート・アロンソといったほかの大物FA選手の移籍先候補にも挙がっている。これはフィリーズが常に大型補強を行うチームであるため、ある意味当然だ。しかし、フィリーズがシュワーバーとリアルミュートの両方と再契約を結んだ場合、ほかの部分で資金を捻出できなければ、こうした大物FA選手の獲得を真剣に検討する可能性は低いとみられている。

 そうした状況の中、フィリーズはアレック・ボームのトレードを画策している。1年後にFAとなるボームは、今季の年俸が770万ドル(約11億5500万円)だったが、来季はさらなる昇給が予想される。また、メジャーレベルの即戦力を求めているチームにとって、ブライソン・ストットやブランドン・マーシュは魅力的な存在だろう。マット・ストラームのような中継ぎ投手もトレードの可能性がある。ストラームは直近3年間、フィリーズのブルペンで最も信頼できる左腕として活躍し、来季の年俸は750万ドル(約11億2500万円)だ。

 ニック・カステヤノスは来季の年俸が2000万ドル(約30億円)となっているが、来春にフィリーズのユニフォームを着ているとすれば驚きだ。フィリーズはカステヤノスをトレードで放出するために、年俸の大部分を負担しなければならないだろう。トレードが成立しなかった場合、単純にリリース(解雇)の可能性もある。

 カステヤノスはロイヤルズやマーリンズなど、打てる外野手を求めているチームにはフィットする可能性がある。ただし、これらのチームが実際にカステヤノスに対して興味を持っているかどうかは不透明だ。

 ここまで目立った動きがないフィリーズだが、今後数週間で動き始めると思われる。2週間後にはフロリダ州オーランドでウィンターミーティングが開催されるからだ。今後の動きに注目したい。

2025.11.26 08:55 Wednesday

カージナルスがノンテンダーFAの捕手ジョエル・ポゾと再契約

 ノンテンダーFAからわずか3日後、人気者の控え捕手で、勝負強い代打の切り札でもあるジョエル・ポゾがカージナルスに戻ってきた。24日(日本時間25日)、カージナルスは1年契約を結んだことを発表した。

 かつてホームレス生活を経験し、2025年シーズンでも屈指の心温まるストーリーの主人公となった28歳のポゾは、今季メジャー2位タイとなる7つの代打打点を記録。人当たりの良いルックスや明るい性格に加え、プレッシャーの中でも冷静沈着なプレーにより、カージナルスのチームメイトやコーチ陣から絶大な人気を誇っている。今季終了後、ダリル・カイル賞の受賞者にも選ばれた。

 さらに、カージナルスは右腕セム・ロバースとマイナー契約を結んだことを発表。ロバースもポゾ同様にノンテンダーFAとなっていたが、わずか3日後の再契約となった。また、右腕スコット・ブルエットとのマイナー契約も発表され、ブルエットは招待選手として来春のスプリングトレーニングに参加することが決まっている。

 ポゾは今年1月にマイナー契約でカージナルスに加入。イバン・ヘレーラが4月に左膝炎症で負傷者リスト入りしたため、メジャー昇格を果たした。2021年にレンジャーズでメジャーデビューしたポゾは、素早く新天地に適応し、カージナルスの選手としてプレーした初戦で本塁打を放った。

 ポゾは昇格後すぐ、代打の切り札としての地位を確立。今季は代打で6安打、2二塁打を記録し、7月5日の敵地カブス戦では決勝アーチも放った。シーズントータルでは67試合に出場し、打率.231、8二塁打、5本塁打、19打点をマークした。

 ロバースはオランダ出身の24歳で、今季はマイナー3Aメンフィスで4試合に先発したあと、トミー・ジョン手術を受けることになった。まだメジャー経験はなく、2024年は1Aパームビーチと3Aメンフィスで合計90回1/3を投げ、5勝5敗、防御率4.38、80三振を記録した。

 28歳のブルエットは、メジャー通算43登板の実績を持つ。今季はツインズ、ブレーブス、オリオールズの3球団でプレーし、合計26試合に登板して3勝0敗、防御率5.48という成績だった。

2025.11.25 12:43 Tuesday

オリオールズ移籍のテイラー・ウォード 「予想外の出来事だった」

 テイラー・ウォードをめぐり、数年前からトレードの噂が飛び交っていた。31歳の外野手は、いつかトレードされる可能性があることを以前から知っていた。

 それでも、18日(日本時間19日)にエンゼルスのペリー・ミナシアンGMから電話があり、右腕グレイソン・ロドリゲスと1対1のトレードでオリオールズへの移籍が決まったことを知らされたのは驚きだった。

 23日(同24日)、オンライン会見を行ったウォードは「全く知らなかった。まさに予想外の出来事だった。オリオールズが僕に興味を持っているとは知らなかったけれど、この機会に感謝しているし、オリオールズでプレーできることを楽しみにしている」と語った。

 ウォードはオリオールズからの関心を知らなかったようだが、オリオールズはかなり前からこのスラッガーの獲得を狙っていた。

 オリオールズのマイク・エライアス編成本部長は「テイラー・ウォードにはたくさんの魅力がある。実は、彼の右打席からのパワーに惹かれて、少なくとも2~3年前から獲得を狙っていたんだ」とコメント。「外野陣に大きな安定感をもたらしてくれると思う。彼の加入により、打線のほかの打者の成績も向上することを願っている」とウォード加入のプラス効果に期待を寄せた。

 今季75勝87敗と期待を裏切る成績に終わったオリオールズは、2026年シーズンの巻き返しに向けて、積極的なオフシーズンを過ごそうとしている。ウォードの加入は、4年間で3度目となるポストシーズン進出を目指すオリオールズにとって、非常に大きい。

 ウォードはオリオールズのことをそれほど詳しく知っているわけではないが、過去4シーズン、対戦相手のダグアウトから見たオリオールズのプレーには感銘を受けている。

「若い選手が多く、堅実なチームという印象だ。そのラインナップに貢献できることにワクワクしているよ」とウォード。「このチームは間違いなく、ポストシーズンを勝ち進むことができる力を持っている。その一員になれるのが楽しみだ」と語った。

 ウォードはオリオールズの正左翼手として起用される可能性が高く、打線の中軸を担う強打者として期待される。今季は二塁打(31)、本塁打(36)、打点(103)、四球(75)の各部門でキャリアハイの成績を残した。

 しかし、メジャー9年目のシーズンを迎えるウォードの実績はそれだけではない。2022年にブレイクしてレギュラー定着を果たし、過去4シーズンで合計545試合に出場して打率.251、98本塁打、OPS.783、WAR10.2(ベースボール・リファレンス版)を記録している。

 ウォードは選球眼の良い打者として知られており、カウントを巧みに操り、ボール球に手を出すことも少ない。また、今季は長打力が一段と増し、これまでのキャリアハイを11本も更新する36本塁打を放った。

「僕はメカニクスを強く信じているんだ。メカニクスが上手く機能していれば、すべてが上手くいくと考えている。本当に小さなことがメカニクスには大きな影響を与えるけれど、今シーズンはおそらく、これまでで最も安定していたと思う」とウォードは語る。

「まだまだ、もっとできると思う。特に、打率を上げていきたいし、三振は減らしたい。そういう部分でまだ成長できるはずだ。オフシーズンはそこに集中して、メカニクス面や安定性の部分を磨き続けていくつもりだよ」と今後の目標にも言及した。

 ウォードは移籍が決まるとすぐに、オリオールズのスタッフ陣とのコミュニケーションを開始している。トレードが決まった日の夜、クレイグ・アルバーナス監督と電話で話し、ダスティン・リンド打撃コーチとも何度も会話を交わしたという。両者とも2026年からオリオールズに加わる新顔で、ウォードは両者を「熱い男たち」と表現した。

 エンゼルスとオリオールズのトレードで注目すべき点は、両選手の契約状況だ。ロドリゲスは球団の保有権があと4年残っているが、ウォードは年俸調停期間の最終年を迎えており、2026年シーズン終了後にフリーエージェント(FA)となる。

 もしウォードが大活躍すれば、クオリファイングオファーの候補となり、2027年のドラフト補償指名権をオリオールズにもたらす可能性がある。もしそうならなかったとしても、ウォードは好成績を残すことで、FA市場での契約交渉を有利に進めることができる。

 しかし、ウォードはそのようなことは考えていない。新天地オリオールズで、攻守両面で実力を発揮し、チームの勝利に貢献することだけに集中している。

「自分がやるべきことは何も変わらないと思う」とウォード。「僕はシンプルな人間だし、考え方もシンプルだ。物事をシンプルに考えて、考えすぎないように心がけている。もちろん、これまでたくさん野球をプレーしてきたけど、大事なのは細かい部分を改善して、良い球を打つことに集中して、メカニクスを維持すること。そうすれば、あとは自然と上手くいくはずだ」と新天地でも自然体でプレーするつもりだ。

2025.11.25 11:03 Tuesday

レンジャーズ移籍のニモ 元同僚に相談してトレード受け入れを決断

 ブランドン・ニモは「生涯メッツ」でキャリアを終えられた可能性があることを理解している。

 高いレベルの活躍を続けていれば、本拠地シティフィールドにデービッド・ライトの背番号と並んで自分の背番号が掲げられた可能性があることも知っている。家はメッツのキャンプ地、フロリダ州セントルーシーにある。これまでに1度もメッツ以外のチームでプレーしたことはない。

◆トレードの詳細 レンジャーズ獲得:外野手ブランドン・ニモ(プラス金銭) メッツ獲得:二塁手マーカス・セミエン

 だから、デービッド・スターンズ編成本部長から連絡を受け、トレード拒否権を行使せずレンジャーズ移籍を受け入れるかどうかを尋ねられたとき、ニモは考えなければならないことがあると分かっていた。

 スターンズ編成本部長がニモにトレードの可能性を伝えたのは20日(日本時間21日)。その時点でトレード成立への唯一の障害は、ニモが持つトレード拒否権だった。23日(同24日)までにニモは拒否権を行使しないことを決め、レンジャーズの一員となった。

「本当にショックだった」とニモは語る。「僕たちは最後までメッツでプレーするという思いで人生を築いてきた。(トレード拒否権を放棄する前に)レンジャーズがワールドシリーズ制覇のために全力を注いでいると知る必要があったんだ。自分が入団するのは再建チームではないと確認したかった。ワールドシリーズ制覇を狙えるチームであること、毎年優勝の可能性があるチームだということを本当に知りたかった。(レンジャーズのクリス・ヤング編成本部長は)それをハッキリと示してくれた」と移籍を決断した。

 ニモはトレード拒否権を行使しないことを決断する前に、元同僚であるレンジャーズのエース、ジェイコブ・デグロムに連絡を取った。デグロムはヤング編成本部長がニモに伝えたことをすべて肯定した。レンジャーズは間違いなく、優勝を狙っているのだと。

「(デグロムは)レンジャーズについて素晴らしいことしか言わなかった」とニモ。「彼は両方の立場を経験し、この環境でしっかり実力を発揮してきた。彼はレンジャーズがワールドシリーズを制覇できると考えている。再建モードではない。全力で優勝を目指す。来シーズンはレンジャーズにとって、非常にエキサイティングなものになるだろう。もしこのチームでワールドシリーズ制覇を狙えると信じていなかったら、僕がトレード拒否権を放棄することはなかったと思う」と語った。

 今回のトレードにより、2023年のワールドシリーズ優勝メンバーがまた1人、レンジャーズを去った。レンジャーズは21日(同22日)の「ノンテンダーデッドライン」でアドリス・ガルシア、ジョナ・ハイム、ジョシュ・スボーツを放出。ガルシアの退団により、新しい外野手(ニモ)を獲得する必要性が明確になった。

 ヤング編成本部長は、ニモに伝えたように、チームの人気選手を放出したあとも変わらず優勝を目指し続けると強調した。

「この2年間は期待に応えられず、非常に厳しい期間だった。期待に応えられなかったときは難しい決断を迫られる。それが現実だ。今回のトレードは、私たちに必要な決断だったと思う。今後、素晴らしい成果を達成できるように、ブランドンが私たちを手助けしてくれることを楽しみにしている」とニモへの期待を口にした。

 レンジャーズが今回のトレードに動いたのは、ポストシーズンに返り咲くために、ニモ獲得がベストの選択肢だと考えたからだろう。しかし重要なのは、これは始まりに過ぎないということ。今季のレンジャーズ打線はwRC+(92)がメジャー25位、長打率(.381)が同26位、得点(684)が同22位と低迷し、今オフは立て直しが急務となっている。

 今季と全く同じメンバー、あるいはそれに近いメンバーで来季を迎えることは選択肢になかった。ニモは世界的なスーパースターではない。しかし、間違いなくインパクトのある打者であり、レンジャーズの上位打線に定着し、コリー・シーガーやワイアット・ラングフォードといったスラッガーたちに打点のチャンスをもたらすだろう。

 今季のニモは打率.262、出塁率.324、長打率.436を記録し、wRC+は114だった。レンジャーズでこれを上回ったのは、シーガーとラングフォードの2人しかいない。

 ヤング編成本部長は「プラトーン起用の必要がない選手を獲得できたのは非常に大きいと思う」とコメント。「それによって、汎用性の高い選手をロースターに入れる余裕が生まれるし、選手起用の柔軟性も増す。ラインナップに安定性と一貫性をもたらすという意味において、私たちにとって本当に大きな動きだった。今回のトレードによって、チームはさらに強化されたと思う。ほかの選手の起用法次第では、より強力なチームを作ることも可能になったはずだ」とニモ獲得の意義を強調した。

2025.11.25 09:59 Tuesday

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