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シュワーバーがレッズに? エンゼルスが日本人獲得? ベテラン記者が質問に答える

 7日(日本時間8日)から始まるウィンターミーティングを前に、MLB.comのマーク・フェインサンド記者がRedditのAMAでファンからの質問に答えた。

Q. レッズにシュワーバーを獲得できるチャンスは本当にあるのか?

 レッズにはシュワーバーと契約するチャンスはあるが、決して最有力候補だとは言わない。シンシナティは打線の中軸を担う強打者を求めており、もしシュワーバーが地元(オハイオ州ミドルタウン近郊の出身)でのプレーに興味があるなら、レッズだけが彼にそれをオファーできる唯一のチームだ。ほとんどのフリーエージェント(FA)と同様に、最終的には金銭面の問題になるだろうがが、GABP(レッズの本拠地グレートアメリカンボールパーク)は打者にとって有利な球場なので、シュワーバーのような強打者にとっては魅力的なはずだ。シンシナティが最高額を提示する可能性は低いが、オファーが競争力のあるものであれば、不可能ではないと思う。私がこれまでに話した限りでは、レッズが最高額を提示する可能性は約15%で、これは1ヶ月前に私が言っていたよりも(少し)高い数字だ。

Q. エンゼルスは村上宗隆や岡本和真といった選手を獲得して国際市場で大きな話題を呼ぶだろうか?それともザック・ギャレン、マイケル・キング、タイラー・マーリーといった選手で先発陣を強化するだろうか?あるいは、その両方を少しずつ取り入れるのだろうか?

 エンゼルスが両方の市場に手を出すとしても驚かない。グレイソン・ロドリゲスを獲得したとはいえ、ロサンゼルスは依然として第一線の先発投手を必要としており、今オフシーズンにはギャレンの名前が何度か挙がっている。また、コーナー内野の補強も必要なので、村上か岡本を獲得する可能性もある。

Q. トロント・ブルージェイズは先発投手陣の補強を終えましたが、今後どれくらいで新たな動きがあると思うか?もしあるとしたら、次は誰をターゲットにするのだろうか?また、彼らはボー・ビシェット、カイル・タッカー、それとも両方と契約するだろうか?それともどちらも契約しないのか?

 ブルージェイズと契約する可能性が高いのはビシェットだろう。タッカーは多くのビッグマーケットの関心を集めており、タッカーよりもビシェットは競争相手が少ないからだ。とはいえ、タッカーの可能性も全く否定しない。両選手と契約する可能性はあるのだろうか?オーナー側がそう望むなら、トロントには十分な資金力がある。とはいえ、昨年ブラディミール・ゲレーロJr.と巨額の契約延長を結んだことを考えれば、かなり大きな決断になるだろう。いずれにせよ、ア・リーグ王者には少なくとももう一つ大きな動きがあるはずだ。

Q. これまでに聞いた最もクレイジーな噂は?

 本当に噂と言えるかどうかは分からないが、ポール・スキーンズがトレードされるという噂、それもヤンキースへのトレードという噂は、全くのデタラメだ。パイレーツは今オフシーズンにスキーンズをトレードするつもりはなく(それ以上は保証できない)、FA市場で多額の資金を投じるという噂が絶えない。スキーンズがヤンキースにトレードされるという噂は、少なくとも今冬は無視すべきだ。

Q. ウィンターミーティングが近づいており、かなり早い段階で契約が見込まれる選手について多くの噂が飛び交っている。フリーエージェント期間が長引いて、契約がかなり遅れそうな選手は誰か?

 最も注目すべき選手は、クオリファイング・オファーを拒否した選手だ。ドラフト指名権の補償は、フリーエージェント市場の活性化を遅らせることが多いからだ。クオリファイング・オファーを拒否した9選手のうち、問題を抱える可能性があるのはザック・ギャレン。しかし、リーグ全体で投手需要が高いことを考えると、いずれにしても堅実な契約を結ぶことになるだろう。昨年、契約獲得に長い時間を要した選手、例えばピート・アロンソやアレックス・ブレグマンなどは、今回はそのような問題に直面することはないはずだ。

Q. 今シーズンのウィンターミーティングはどれくらい活発になると思う?カイル・タッカー(多くの人が外野手市場を「停滞させる」と予想していると思う)が契約すると思うか?日本人選手が契約すると思うか?

 実は、ウィンターミーティングはかなり活発になるだろうと予想している。まだ12月3日ですが、既に注目のFA選手(ディラン・シース、ジョシュ・ネイラー、ライアン・ヘルスリー、デビン・ウィリアムズ、コディ・ポンセ)の契約に加え、ブランドン・ニモとマーカス・セミエンのトレード、ソニー・グレイのボストン移籍、テイラー・ウォードとグレイソンなど3件のトレードが成立している。来週どの選手が契約するかは予測が難しいが、マイケル・キングやレンジャー・スアレスといった先発投手が動き始めると予想している。ヘルスリーとウィリアムズが既に契約を結んでいるため、リリーフ投手市場も活発になる可能性がある。タッカーが来週契約するかどうかは分からないが、タッカーに影響されるのは、多くのチームが獲得を狙っているコディ・ベリンジャーだけだろう。ポスティングされた3人の日本人選手(村上、今井(達也)、岡本)に関しては、12月に入ってポスティング期限に近づくまで争奪戦が続くと思うが、チームが強く歩み寄れば、ミーティング中に彼らのうちの誰かが契約することになるかもしれない。

Q. マーリンズは今夏のトレードデッドラインでサンディ・アルカンタラとエドワード・カブレラにいくら要求していたのか?二人とも移籍しなかった。もし要求額がそれほど高かったとしたら、オフシーズン中にマーリンズの要求額が下がった可能性はあるか?ヤンキースが有望株を放出せずにアルカンタラを獲得しようとした可能性はある?

 アルカンタラの投球が振るわなかった当時でさえ、彼への要求価格は高額だった。その価格は今も下がっていないため、ヤンキース(あるいは他の球団)が有望株を手放さずに彼を獲得できるとは思えない。もちろん、これはアルカンタラがトレードされるという前提だが、確実なことは言えない。関係者によると、マーリンズは今冬アルカンタラとカブレラを両選手に引き留め、7月までに再評価する可能性があるようだ。

Q. 現在タイガースがフリーエージェントに興味を持っているという話はある?

 タイガースは引き続きアレックス・ブレグマン獲得に関心を示しているものの、タイガースにとっては投手陣(先発ローテーションとブルペンの両方)の確保がより大きな優先事項となっているようだ。マイケル・キングとレンジャー・スアレスの両先発に興味を示している。ピート・フェアバンクスもタイガースが注目するリリーフ投手の一人だが、タイガースに移籍する可能性のあるリリーフ投手は8~10人ほどいるだろう。

Q. ヤンキースが今井達也選手と契約する可能性はどれくらいあると思う? また、彼はウィンターミーティング中に契約すると思う?

 今井がドジャースに移籍する可能性は低いため、ヤンキースにチャンスが開かれている。しかし、今井に興味を持つヤンキースや他のチームにとって、ジャイアンツが最大の脅威となる可能性がある。ジャイアンツにとって最大の懸念は、先発投手に6桁の金額を支払う意思があるかどうかだ。今井を獲得するには、それくらいの金額が必要になると思われるからだ。ヤンキースは10年以上前の田中将大、松井秀喜など、日本人スターに大金を投じた前例がある。

Q. ヤンキースがベリンジャー獲得に失敗した場合、タッカー獲得を真剣に検討すると思うか? 両方失敗してしまったらどうなるか?

 今ヤンキースはベリンジャーと契約しない場合、タッカー獲得に動くだろうと思うが、ベリンジャーがタッカーより先に契約するかどうかは懐疑的だ。タッカーが契約すれば、ベリンジャーの影響力はヤンキースだけでなく、タッカー獲得に動いている他のチームにとっても大幅に高まる。ヤンキースが二人とも獲得できなかった場合のプランBは、ヤンキースがジェイソン・ドミンゲスとスペンサー・ジョーンズ、あるいはその両方がレギュラーとして起用できると確信していない限り、おそらく別の外野手(この二人と同レベルではない)と契約することになるでしょう。

Q. バイロン・バクストン、そしておそらくパブロ・ロペス/ジョー・ライアンを獲得することはブレーブスにとって現実的だと思う?

 今オフシーズンに私が交わした会話に基づくと、ツインズはバクストン、ライアン、ロペスの3人を全員、あるいは一部をトレードするよりも、彼らを保持して利益を増やそうとする可能性が高いようだ。シーズン前半戦がうまくいかなければ、ツインズは来夏に彼ら全員、あるいは一部の選手を放出する可能性もあるが、今の私の推測では、春季トレーニングが始まる頃には全員がツインズのユニフォームを着ているだろう。

Q. パイレーツは強打者のフリーエージェント獲得に真剣に取り組んでいると思うか?シュワーバーのような選手に、彼が希望する年俸で1年の契約を付け加えれば、実際に検討するより大きなオファーになるのではないだろうか。

 パイレーツは今冬の移籍市場で資金を投入することに真剣に取り組んでいると思うが、シュワーバーのような選手の争奪戦に加わるかは分からない。より現実的な選択肢は、エウヘニオ・スアレスのような選手だろう。彼は圧倒的なパワーを持ち、パイレーツ打線に即座にインパクトを与えるはずだ。

Q. 現実的に見て、フィリーズのチャンスはあとどれくらい続くのか?2026年以降、フィリーズの内野陣はどうなるだろうか?デーブ・ドンブロウスキー(編成トップ)率いるチームでは、チャンスはすぐに閉ざされ、有望株の棚がほとんど空っぽのまま、そのまま弱くなる傾向にある。

 フィリーズのチャンスは今後2、3年は生きていると思うが、それは今冬の動き次第だ。シュワーバーは復帰するのか?JT・リアルミュートはどうか?ローテーションではレンジャー・スアレスに代わって、No.1有望株のアンドリュー・ペインターが入ると予想するが、フィリーズはブルペンを強化する必要がある。また、リーグ内では、フィリーズが三塁手(おそらくブレグマン?)の獲得に動いているとの見方が出ており、そうなるとアレック・ボームとのトレードが必要になるだろう。ブライス・ハーパー(一塁手)とトレイ・ターナー(遊撃手)はロックされており、ブライソン・ストット(二塁手)は契約期間があと2年残っている。No.2有望株であるエイダン・ミラーは、メジャーリーグで活躍できるとフィリーズが判断すれば、いずれ二塁手か三塁手に昇格する可能性がある。

2025.12.4 14:16 Thursday

ロッキーズ新GMにバーンズ氏 ドジャースで選手育成を担当したベテラン

 3日(日本時間4日)、ロッキーズの新GMにジョシュ・バーンズ氏が任命された。編成トップにポール・デポデスタ氏を迎えたロッキーズは、暫定監督だったウォーレン・シェーファー氏を慰留し、今度はバーンズ氏を新GMに任命するなど、組織人事を続々と確定させている。

 55歳のバーンズ氏は、編成トップのデポデスタ氏と同時期に球界に入り、フロントの要職を歴任。1990年代後半にクリーブランドでデポデスタ氏と共に働き、1999年から2002年までロッキーズのGM補佐を務め、当時29歳でナ・リーグ最年少のGM補佐となった(ア・リーグ最年少はアスレチックスでGM補佐だったデポデスタ氏)。

 そして2003年から2005年でレッドソックスのGM補佐として、2004年の世界一を経験。そして2005年10月から2010年7月までダイヤモンドバックスで、パドレスでも2011年10月から2014年6月までGMを歴任した。その後はドジャースに移り、10年以上にわたって選手育成事業を監督した。

 デポデスタ編成部長は、常勝軍団ドジャースを支える育成システムを作り上げたバーンズ氏の手腕が、ロッキーズの再建に不可欠だと考えている。 「ドジャースは過去10年間、様々な分野で素晴らしい仕事をしてきたのは明らかだが、見落とされがちなのは、ドラフトで大きなチャンスに恵まれなかったことだ。彼らは非常に好調で、ドラフトの最終盤で指名されることが多いのだが、ファームシステムを見てみると、一流であることが分かる。これは偶然に生まれるものではない。スカウティングと選手育成の両面で、膨大な労力を要する。そして、その両部門がうまく機能し合うことが不可欠だ。ジョシュはそれを実現する上で大きな役割を果たしてきた」

 バーンズ氏も「球団の将来にとって非常にエキサイティングなこの時期に、ロッキーズに復帰できることを大変嬉しく思う。ポールと共に再び仕事ができることは素晴らしい機会だ。彼とチームメイトと共に、ロッキーズにチャンピオンシップレベルの野球をもたらすべく尽力できることを心待ちにしている」とコメント。

 バーンズ氏はデポデスタ編成部長とは旧知の間柄だ。クリーブランドで共に働く以前も、高校時代に対戦したこともあるという。 「ジョシュとはもう30年以上の付き合いになる。前にも言ったことがあるが、きっとまた言うことになるだろう。彼と話すたびに、自分が賢くなっていくような気がする。クリーブランドに来た最初の日がそうでしたし、今日までずっとそう感じている」

 「彼の知性と、細部へのこだわりの深さに、私はいつも本当に感銘を受けてきた。彼は、私たちのほとんどが気づかない、あるいは注意を払わないような、ゲームの中の物事を捉えている。それがいつも私を魅了してきた」

 バーンズ氏をGMに抜擢した決め手は、ドジャースで3度のワールドシリーズ制覇を果たしたことだ。ドラフトに関するアマチュアスカウティングと国際プログラム、育成、コーチング、高度な情報の融合は、ファームシステムを利用して役割を担う選手や重要なトレードを行いながら、自国で育ったスター選手を抱えるドジャースならでは。ドラフトでの成功に加え、ドジャースはトレードを通じてファームシステムの補充にも気を配ってきた。過去10年間、シーズン中2度更新されるMLBパイプラインのファームシステムランキングでは、ドジャースは20回中17回でトップ10入りを果たしていた。

 デポデスタ編成部長によれば、バーンズ氏とメジャーレベルのトランザクションに協力して取り組むとのこと。「ジョシュと私は、振る舞い方だけでなく、一緒にいたい環境についても、多くの点で価値観を共有している。どちらも、すべての答えを持っているとは思っていない。もちろん、決して。実際、そうではないことは分かっている。でも、私たちは本当に好奇心旺盛な人たちに囲まれているのが好きだ。なぜなら、私たちは皆、答えを見つけようとすることに興味を持っているからだ」と、デポデスタ。旧友との二人三脚で再建を目指す。

2025.12.4 13:38 Thursday

ブルージェイズがカイル・タッカーと面会 フロリダ州の球団施設に招待

 3日(日本時間4日)、フリーエージェント(FA)の外野手カイル・タッカーがフロリダ州ダニーデンにあるブルージェイズの選手育成施設を訪れたと、関係者がMLB.comに明かした。

 2025年のワールドシリーズでドジャースと第7戦の延長戦に及ぶ熱戦を繰り広げたブルージェイズは、その思い出にただ満足しているわけではない。

 今オフは先発右腕シェーン・ビーバーが驚きのプレイヤーオプション行使で残留すると、FA市場のトップ先発であるディラン・シースと7年の大型契約を結び、さらに韓国球界から逆輸入で右腕コディ・ポンセと3年契約を結んだ。一連の補強で先発ローテは球界屈指の陣容に生まれ変わり、打線も依然として強い。しかし、ブルージェイズはまだ強打者の補強に動いている。

 タッカーはタンパ近郊に住んでいるため、訪問は容易だったが、それでもブルージェイズが28歳のタッカー獲得に関心を持っていることを物語っている。タッカーの契約金は3億ドル(約467億円)を超える可能性がある。ブルージェイズは内野手ボー・ビシェットとの再会にも関心を示しているが、ビシェットは既に10年近く球団に在籍しているため、ガイド付きツアーは不要だろう。

 これは、2年前にブルージェイズが大谷翔平獲得を目指した時の状況と酷似している。その時もブルージェイズは大谷にダニーデンの施設を紹介した。今回の獲得には、GMロス・アトキンスが実際にどこにいるのか明かすことを拒否したあの有名なZoom通話のようなドラマは伴わないだろうが、それでも賭け金は極めて高い。

 タッカーがブルージェイズにフィットしていることは明らかだ。タッカーのような才能はどんな球団にも合うが、彼は「ブルージェイズ野球」を特徴づける要素をすべて備えている。これは2025年チームが打ち出した新しい概念だが、今後も定着するだろう。タッカーは三振せずにボールをインプレーにし、出塁し、その全てを力強いアプローチでこなす。過去5年間は毎シーズンOPS.865、20~30本塁打を記録している。そして、ブルージェイズにはジョージ・スプリンガーやマイルズ・ストローといったアストロズ時代のチームメイトたちが揃っており、環境への適応も問題ない。

 そして、タッカーはブルージェイズのポジションの問題も埋める。正センターのドールトン・バーショと外野手兼DHのスプリンガーは、来季終了後にFAとなる。2選手が退団すれば、両翼のアンソニー・サンタンデールがDHにずれることは確実で、その場合は外野のポジションは空きが出る。ネイサン・ルークス、アディソン・バージャー、デービス・シュナイダーといった優秀な選手はいるが、ブルージェイズが自前でオールスター級の外野手を育てた前例はあまりない。オールスター常連のタッカーはまさに必要な存在だ。

 もちろん、お金は重要だ。タッカーの契約額は、フアン・ソトや大谷が結んだ大型契約には遠く及ばない。大谷の7億ドルの半分にさえも到達するのは難しいだろう。しかし、どんな契約になるにせよ、シーズンあたり3000万ドル以上になる可能性が高い。ブルージェイズはすでにブラディミール・ゲレーロJr.とシースに高額の契約金を支払い始めているが、財務状況は今後数年間良好な見込みだ。オーナーグループのロジャース・コミュニケーションズが断固たる決意を固めている限り、ブルージェイズは、負担となる契約を残さず、財政難を引き起こすようなシーズンを迎えることなく、この支出を維持できる体制が整っている。

 ブルージェイズがタッカーに興味を持っていることは以前から明らかだった。今や、タッカーの側にもブルージェイズと契約に関心を抱いていることが明らかになった。ダニーデンにある改装された選手育成施設はブルージェイズにとって大事なセールスポイントだ。大物釣りはもはやブルージェイズにとって慣れないことではない。ブルージェイズは大物を釣り上げる喜びを熟知し、30年以上ぶりに球団史上最高のシーズンを終えたばかりだ。カナダ全土のファンに野球への愛を再び呼び起こし、ブルージェイズはさらなる高みを目指す。

2025.12.4 12:59 Thursday

レッズが守護神パガーンと再契約か 2年2000万ドル(約31億円)で合意報道

 3日(日本時間4日)、レッズが救援右腕エミリオ・パガーンと再契約に合意したことを関係者がMLB.comに明かした。契約は2年2000万ドルで、1年目終了後にオプトアウト(契約破棄条項)が含まれている。球団はこの契約を正式発表していない。

 現在34歳のパガーンは、それまでレイズ、パドレス、ツインズなど各球団をリリーフとして渡り歩き、2024年から2年契約でレッズに加入。2024年は負傷離脱もあり、38登板で防御率4.50と振るわなかったが、加入2年目となった2025年では復活のシーズンを送った。キャリアハイの70試合に登板し、シーズン途中からクローザーに就任して32セーブをマーク(ナ・リーグ2位)。防御率は2019年以来の低水準となる2.88、奪三振率も30.0%を記録した。さらにシーズン最後の10登板では10イニング連続無失点に抑えて6セーブを挙げ、レッズのワイルドカード獲得に大きな役割を果たした。

 レッズはパガーンの他にもスコット・バーロウ、ブレント・スーター、ニック・マルティネスらブルペン陣のベテラン投手がフリーエージェント(FA)となった。ニック・クロール編成部長にとっては試合を締めくくれる投手の獲得は最優先事項の一つだった。そこで真っ先に、今季実力を証明しただけではなく、クラブハウスでリーダー役を務めていたパガーンに白羽の矢を立てた。

 パガーンも再契約を熱望。「シンシナティの人々、コーチングスタッフ、フロントオフィス、そしてチームのおかげで、決断は容易だったこの2年間は本当に楽しかった。今の自分のキャリアを考えると、本当に大切なことがいくつかあるが、シンシナティはそれら全てを満たしている。戻ってこられて嬉しい」と語った。

 FA市場では貴重なクローザーとして人気を博していたが、レッズへの思いは揺るがなかった。 「いくつかのチームから連絡があり、魅力的なオファーをもらった。それが交渉のスピードを速めてくれた。自分がどこに行きたいのか分かっていたので、シンシナティに連絡を取り、彼らの考えや希望を聞くつもりだった。ありがたいことに、そして関係者全員にとって、この契約が実現したことはすごく喜ばしいことだ」

 レッズはワイルドカードとして出場したプレーオフではドジャースに2連敗で敗退。後味の悪い結末となったが、パガーンはシーズン終了後すぐに再契約への意志を示していた。 「私と家族にとって何よりも重要なのは、自分たちが大切にされていると感じ、心地よく、勝利して特別なことを成し遂げるチャンスがある場所にいるということだ。昨年、私たちはプレーオフに出場できるチームであることを証明した。あとはプレーオフでどれだけ勝ち進むか?そして、最後に残っているチームになれるか?このクラブハウスには、勝ち進むための才能が備わっていると心から信じている」

 勢いづくレッズにとって、パガーンとの再契約は序の口に過ぎないだろう。ブルペン陣ともう一つの改善点である打線の強化のために、強打者カイル・シュワーバーの争奪戦に加わっていると報じられている。「今、そういったこと(シュワーバー獲得)が起これば、われわれはたちまち本当に危険なチームになってしまう」と、パガーン。有望な若手がひしめくチームに補強が加われば、ナ・リーグ中地区で危険なチームになるだろう。

2025.12.4 12:33 Thursday

トレード市場ではツインズに注目 主力3選手に放出の可能性あり

 もし大規模なチーム再建に突入する道を選択した場合、ツインズはトレード市場で大きな注目を集めるチームとなるだろう。生え抜きのスター外野手と主力先発投手2人がトレード要員となる可能性があるからだ。

 ESPNのカイリー・マクダニエルとジェフ・パッサンは「今オフ中にトレードされる可能性がある選手」としてトップ25を選出。そのランキングのトップ10にはバイロン・バクストン(5位)、ジョー・ライアン(6位)、パブロ・ロペス(8位)とツインズの選手が3人ランクインした。

 バクストンは2028年シーズンまで7年1億ドル(約150億円)の長期契約を結んでおり、2026年シーズンまでは全球団に対するトレード拒否権が付属している。しかし、トレード拒否権を破棄する姿勢を見せており、ツインズが放出に動けば、移籍に応じる可能性は高い。今季は8年ぶりに規定打席をクリアし、打率.264、35本塁打、83打点、24盗塁(失敗0)、OPS.878の好成績をマーク。カイル・タッカーやコディ・ベリンジャーといったフリーエージェント(FA)市場の大物外野手を逃したチームが獲得に興味を示しそうだ。

 一方、ライアンとロペスの両右腕は、比較的安価な先発補強を目指すチームにとって魅力的な選択肢となるだろう。ディラン・シースが7年2億1000万ドル(約315億円)でブルージェイズと契約したように、先発投手の価格高騰は続いている。メジャーで実績十分の両右腕には、FA市場に大金を投じることができないチームから問い合わせが殺到しそうだ。

 ライアンは今季171イニングを投げて13勝10敗、防御率3.42、194三振を記録。メジャー5年目でオールスターに初選出された。FAになるのは2027年シーズン終了後で、あと2年保有できるため、ツインズが放出を決断した場合には大きな対価を得られるはずだ。

 ロペスは2027年シーズンまで4年7350万ドル(約110億2500万円)の契約を結んでおり、こちらも保有期間はあと2年。今季は3度の負傷者リスト入りがあり、わずか14試合しか先発できなかったが、75回2/3を投げて5勝4敗、防御率2.74、73三振とパフォーマンス自体は安定していた。ちなみに、ESPNの記事では両右腕ともトレードの可能性は「50%」と予想されている。

2025.12.3 11:36 Wednesday

伏兵レッズがシュワーバーにとって魅力的な選択肢となる理由とは?

 オフシーズン当初、レッズが強打者カイル・シュワーバーを獲得する可能性は低いとみられていた。しかし、争奪戦においてレッズの存在を無視することはできない。

 MLB.comが複数の関係者から得た情報によると、レッズは依然としてシュワーバー争奪戦に加わっており、今オフのフリーエージェント(FA)市場の大物選手を獲得しようとしているという。

 シュワーバーはあらゆる点において、レッズに完璧にフィットする選手だ。左打ちの指名打者であるシュワーバーはオハイオ州ミドルタウン出身の「ご当地選手」で、子供のころはグレートアメリカンボールパークに通っていた。クラブハウスで絶大な存在感を発揮するリーダーとして知られており、若手が多いレッズに欠かせない存在となるだろう。

 レッズは今季、本塁打数がメジャー21位、OPSも同19位に終わり、攻撃力アップが課題となっている。延長戦など、特に試合終盤の状況に応じた打撃に課題を抱えていた。オールスター遊撃手のエリー・デラクルーズの援護砲としてシュワーバーが加入することにより、デラクルーズのさらなる成長を促進する効果も期待できる。

 デラクルーズは今季チーム最多の22本塁打を記録。しかし、後半戦は変化球攻めに遭い、わずか4本塁打にとどまった。

 来年3月に33歳となるシュワーバーは、今季フィリーズでリーグ最多の56本塁打を放ち、メジャー最多の132打点、同5位のOPS.928を記録。打率は.240と低いが、球界有数の打撃力を誇る選手だ。また、デラクルーズと同様に、今季は全162試合に出場した。

 フィリーズで過ごした4年間は、平均で46.8本塁打、108.5打点、OPS.856を記録。獲得に成功すれば、レッズにとって極めて大きな戦力となることは間違いない。

 シュワーバーがレッズにフィットしない理由を挙げるとすれば、それは金額面だ。レッズの来季のペイロール(年俸総額)は、今季と同レベルになることが予想されている(今季開幕時点で1億1200万ドル=約168億円)。ブルペン、特にクローザーなど、ほかにも補強ポイントがあるが、シュワーバー獲得のためには補強予算の大部分を投じる必要があるだろう。

 どのようなオファーが提示されているかは不明だが、レッズは金額面では大都市の裕福な球団に太刀打ちできない。シュワーバーを獲得するためには創意工夫を凝らしたオファーが必要になる。

 シュワーバー争奪戦には、再契約を目指すフィリーズのほか、レッドソックスやメッツが加わっていることが報じられている。しかし、レッズにはほかの球団がオファーできない魅力がある。それは「地元でプレーできる」ということだ。シュワーバーが地元球団への移籍を望むのであれば、レッズにも獲得のチャンスが出てくるだろう。

2025.12.3 10:49 Wednesday

アストロズが今季韓国で16勝を挙げた右腕ワイスとメジャー契約で合意

 アストロズが先発ローテ候補の投手を獲得した。2日(日本時間3日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、右腕ライアン・ワイスとメジャー契約を結ぶことで合意。なお、身体検査の結果を待っている状態で、まだ球団からの正式発表は行われていない。

 28歳のワイスは過去2年間、韓国プロ野球でプレー。ハンファ・イーグルスで合計270回1/3を投げ、防御率3.16、305三振、WHIP1.07をマークした。身長193センチの右腕は、2018年ドラフト4巡目指名でダイヤモンドバックスに入団し、ダイヤモンドバックスとロイヤルズのマイナーで合計132試合(うち47先発)に登板。2021~23年にはマイナー最上位の3Aでプレーしたが、メジャー昇格は果たせなかった。2023年は台湾プロ野球でもプレーしている。

 マイナーでは合計313回1/3を投げ、防御率4.88、294三振、WHIP1.42と目立った数字は残せていない。

 アストロズはエース左腕のフランバー・バルデスがフリーエージェント(FA)となり、ハンター・ブラウンとクリスチャン・ハビアーの両右腕が先発の軸。スペンサー・アリゲッティが健康を取り戻せばローテの一角に入り、それ以外はランス・マカラーズJr.やコルトン・ゴードン、ジェイソン・アレクサンダー、J・P・フランス、球団16位有望株のAJ・ブルーバーらの競争が予想される。ワイスもスプリングトレーニングでこの競争に加わることになるが、計算できる投手が少ないため、アストロズは引き続き先発投手の補強を目指している。

 10月にはブルージェイズのかつてのドラフト1巡目指名選手である右腕ネイト・ピアソンと1年契約を結んだが、ピアソンはブルペンの一員としての起用が有力視されている。29歳のピアソンは今季、カブスでメジャーと3Aを往復し、9月21日に解雇。新天地でポテンシャルを開花させることができるか注目される。

2025.12.3 10:10 Wednesday

ブルージェイズがさらなる先発補強 右腕ポンセと3年契約で合意

 忙しいオフシーズンを過ごしているブルージェイズは2日(日本時間3日)、さらなる先発補強に動いた。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報によると、右腕コディ・ポンセと3年契約で合意。総額は3000万ドル(約45億円)と見込まれている。まだ球団からの正式発表は行われていないが、7年2億1000万ドル(約315億円)で獲得したディラン・シースに続く先発補強となった。

 海外で4シーズンを過ごしたあと、31歳(来年4月で32歳)でメジャーに戻ってくるポンセは、2020~21年にパイレーツでプレーした当時とは全く異なる投手のように見える。しかし、大きな変化が本格的に現れたのは今季だった。

 2022~24年は日本プロ野球の北海道日本ハムファイターズと東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーしたが、目立った成績は残せなかった。しかし今季、韓国プロ野球のハンファ・イーグルスに移籍すると、全く別人となった。29試合に先発して180回2/3を投げ、17勝1敗という驚異的な成績をマーク。防御率1.89と252三振はともにリーグトップで、1位タイの17勝と合わせて投手三冠に輝いた。

 5月17日の試合では1試合18三振の新記録を樹立し、シーズン252三振も韓国プロ野球の新記録に。リーグの最優秀先発投手を表彰するチェ・ドンウォン賞を受賞しただけでなく、リーグMVPにも選出された。

 投球分析家のランス・ブロズドウスキーによると、ポンセのフォーシームは平均95.5マイル(約154キロ)を計測し、最速では90マイル台後半に達する。「キックチェンジ」と呼ばれるチェンジアップを武器としており、空振り率46%を記録した(ストライクゾーン内の空振り率も39%を記録)。さらに、高速スライダーのようなカットボールも投げ、必要に応じてシンカーを使うこともある。

 こうした球質の向上により、以前よりもメジャーで活躍できる可能性が高いと期待されている。パイレーツ時代はフォーシームの平均球速が93.2マイル(約150キロ)で、チェンジアップは「第5の球種」に過ぎなかった。効果的なチェンジアップを持っていなかったため、左打者に苦戦するケースが目立ち、101打数で9本塁打、長打率.703と打ち込まれた。

 身長198センチ、体重115キロというパワーピッチャーらしい体格を持っているカリフォルニア州ポモナ出身のポンセは、地元の大学から2015年ドラフト2巡目指名でブルワーズに入団。マイナー2Aまで昇格したあと、2019年の夏にジョーダン・ライルズとのトレードでパイレーツへ移籍した。

 短縮シーズンの2020年にメジャーデビューを果たすと、2年間で5度の先発を含む20試合に登板。55回1/3を投げて13本のアーチを浴び、1勝7敗、防御率5.86に終わった。2021年シーズン終了後、パイレーツを解雇され、2022年から今季までアジアでプレーしていた。

 近年は韓国プロ野球で好成績を収めたあと、メジャーに復帰する投手が増えている。エリック・フェディは2023年にポンセと同様の大活躍を見せ、ホワイトソックスとの契約を勝ち取った。復帰1年目の2024年、シーズン途中でカージナルスへトレードされたが、2球団合計で31試合に先発して防御率3.30をマークした。メリル・ケリーは韓国プロ野球で4年間プレーしたあと、2018年12月にダイヤモンドバックスと契約。それから7年間メジャーで活躍しており、来季が8年目のシーズンとなる。

2025.12.3 09:38 Wednesday

メッツがブルペン補強 デビン・ウィリアムスと3年契約で合意

 1日(日本時間2日)、MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報によると、メッツはフリーエージェント(FA)の救援右腕デビン・ウィリアムスと3年契約を結ぶことで合意に至ったようだ。まだ球団からの正式発表は行われていない。関係者によると、今回の契約にはオプションやオプトアウト権は盛り込まれていないという。

 ウィリアムスは今季ヤンキースでプレーしたため、同じニューヨークを本拠地とするライバルチームに移籍することになる。なお、MLB.comでメッツを担当するアンソニー・ディコモが関係者から得た情報によると、メッツは引き続き守護神エドウィン・ディアスとの再契約を目指す方針。ウィリアムスは今季ヤンキースで経験したように、セットアッパーの役割にも前向きな姿勢を示しているようだ。

 今季のウィリアムスは自己最悪のシーズンを過ごした。ブルワーズからヤンキースへ移籍し、自己最多の67試合に登板したものの、防御率4.79と大不振。ブルワーズで過ごした6年間の通算防御率が1.83だったことを考えれば、信じられない数字だった。

 しかし、ツキに恵まれない部分があったことも忘れてはならない。FIP(守備の影響を除外して算出する疑似防御率)は2.68と実際の防御率より2点以上も良く、期待防御率(打球の質などから算出する疑似防御率)も3.04と良かった。被ハードヒット率は自己ワーストの35.7%だったが、決して悪い数字ではない。

「エアベンダー」の異名で知られる代名詞のチェンジアップは、以前ほど有効ではなかったとはいえ、今季も十分な威力を発揮。被打率.194、空振り率37.3%を記録した。

 基本的には90マイル台中盤のフォーシームとチェンジアップだけで勝負する投手であり、2024年はフォーシームとチェンジアップの投球割合が逆転したものの、今季はキャリアの大部分と同様に、チェンジアップ(52.4%)のほうがフォーシーム(47.4%)よりも投球割合が多かった。

 レギュラーシーズン終盤は好投を続け、最終9登板では9イニングを投げて無失点、12三振、2四球に抑えた。2度のオールスター選出を誇る右腕は、ポストシーズンでも4試合に登板し、4イニングを無失点に抑えている。

 7年間のメジャー生活を振り返ると、背中の疲労骨折で長期離脱した2024年を除けば、毎年のように比較的健康なシーズンを過ごしてきた。2024年は初登板が7月下旬までずれ込み、登板できたのはわずか22試合だけ。ただし、限られた登板機会の中で防御率1.25、三振率43.2%としっかり結果を残した。

 これまでの実績を考えれば、ウィリアムスが31歳で迎える2026年シーズンに復活を遂げる可能性は十分にある。メッツにとって大きな戦力となるのは間違いないだろう。

2025.12.2 12:07 Tuesday

ブルージェイズなど複数球団が救援右腕フェアバンクスに興味

 今オフのフリーエージェント(FA)市場はクローザーの層が厚いのが特徴だ。エドウィン・ディアス、ロベルト・スアレス、デビン・ウィリアムスといった「大物」はまだ動いていないが、彼らに次ぐクラスのクローザーが契約を結び始めている。ライセル・イグレシアスはブレーブスと再契約し、ライアン・ヘルズリーはオリオールズと2年契約。そして、次に動くのはピート・フェアバンクスかもしれない。

「ジ・アスレチック」の報道によると、ブルージェイズとマーリンズを含む複数球団がフェアバンクスに興味を示しているようだ。レイズの主力リリーフ投手として活躍し、2023年から3年連続で20セーブ以上を挙げたフェアバンクスだが、シーズン終了後に年俸1100万ドル(約16億5000万円)の球団オプションを破棄され、バイアウト100万ドル(約1億5000万円)を受け取ってFAとなった。

 今季のフェアバンクスは負傷者リスト入りすることなく1年を過ごし、自己最多の61試合に登板。投球イニング(60回1/3)とセーブ(27)もキャリアハイを更新し、防御率2.83、被打率.201、WHIP1.04と安定した成績を残したが、奪三振率は8.80にとどまった(通算では11.26)。2022~23年に99マイル(約159キロ)前後だった平均球速もここ2年は97.3マイル(約157キロ)まで低下しており、かつての支配的な投球が影を潜めつつあったのも事実。レイズがオプション行使を見送ったのは、年俸だけでなく、こうした事情が影響している可能性もある。

 とはいえ、手頃な価格で実績のあるクローザーを手に入れたい球団にとって、魅力的な補強ターゲットであることは間違いない。まもなく32歳の誕生日を迎えるが、年齢を考えてもあと数年は第一線で活躍できるはずだ。ディアス、スアレス、ウィリアムスほどの「大物」を必要としていない球団が争奪戦を繰り広げることになりそうだ。

2025.12.2 10:27 Tuesday

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