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マリナーズが有望株フォードを放出 救援左腕フェラーを獲得

 マリナーズはナショナルズから救援左腕ホセ・A・フェラーを獲得し、見返りとして有望株の捕手ハリー・フォードと右腕アイザック・ライオンを放出した。

 課題だった「左のリリーフ」を確保したマリナーズだが、有望株捕手フォードの放出により、控え捕手を確保する必要が生じた。

◆トレードの詳細 マリナーズ獲得:左腕ホセ・A・フェラー ナショナルズ獲得:捕手ハリー・フォード(球団4位)、右腕アイザック・ライオン(ランク外)

 25歳のフェラーは今季ナショナルズで72試合に登板し、防御率4.48、11セーブを記録。防御率こそ平凡だが、制球良くゴロを打たせるスタイルで、投球内容は防御率以上に優れている。今季の四球率4.9%はリーグ上位5%、ゴロ率64.3%は上位1%に入った。

 また、FAになるまで4年の保有期間を残している点も、マリナーズにとっては魅力的だったはずだ。シンカーの平均球速は97.7マイル(157キロ)、決め球チェンジアップの空振り率は47.0%と今後の伸びしろに期待できるデータも残っている。

 対価の目玉となったのは、22歳の捕手フォード。フォードは今季3Aで97試合に出場し、16本塁打、出塁率.408、OPS.868と活躍し、メジャー初昇格を果たした。球界屈指の高評価を受ける有望株で、MLBパイプラインの有望株ランキングでは球団4位、球界42位にランク付けされている。

 一見すると、フォード放出は不可解に映る。フォードは長い間、球団の将来を担うと考えられてきた選手だった。さらにマリナーズはベテラン控え捕手ミッチ・ガーバーがフリーエージェント(FA)で退団し、現在40人枠には主砲カル・ローリー以外の捕手がいなくなってしまった。

 しかし、フォードの放出は、マリナーズがどれほどフェラーのような救援左腕を欲していたかを示している。マリナーズは強力なブルペンを誇る一方、頼れる左腕はゲーブ・スパイアーしかいなかった。今季はシーズン途中にケイレブ・ファーガソンを補強したが、結局ポストシーズンではスパイアーへの依存が顕著だった。フェラーの補強により、マリナーズのブルペンは質・量ともに一層強化されたと言える。

 そして、このトレードはフォードの価値を最大化する手段でもある。フォードはチームが再建から脱却しつつあった2021年のドラフト1巡目で入団し、球団のみならず球界の有望株へと羽ばたいた。しかし、フォードの入団当時は一介の若手捕手に過ぎなかったカル・ローリーが、今やマリナーズの絶対的中心に成長した。

 ローリーが絶対的正捕手となった今、フォードは出場機会を得るのが難しくなっていた。今季もメジャー初昇格を果たしたとはいえ、第3捕手としてわずか8試合の出場にとどまった。ポストシーズンのロースター(出場選手登録)にも抜擢されたが、レギュラーシーズンと合わせてわずか9打席に立っただけだった。

 打力を生かして外野に転向する道も考えられるが、それならば価値が高い内にトレードに出し、チームの弱点を埋める方が良いというチームの判断だろう。ワールドシリーズまであと1勝に迫ったマリナーズは、ジョシュ・ネイラーを大型契約を引き止めるなど、積極補強を敢行している。

 フォードは単にチームの期待の星としてだけでなく、それ以上に、野球以外の分野でのリーダーシップ、親しみやすさ、そして慈善活動でファンの共感を呼んだ。新天地ナショナルズでは、メジャー定着の大きなチャンスが開いているだろう。

 また、控え捕手の穴が生じたマリナーズは、ガーバーの呼び戻しに前向きだとシアトル・タイムズのアダム・ジュード記者が報じた。34歳のガーバーは今季87試合でOPS.639を記録。対左腕では平均以上の打撃成績を残すなど、控え捕手として存在感を発揮していた。

2025.12.7 11:19 Sunday

カブスがブレグマン獲得に興味を示す 古巣レッドソックスはビシェットにも関心?

 フリーエージェント(FA)市場の大物内野手アレックス・ブレグマン、ボー・ビシェットの去就について、新たな噂が飛び出した。共にそれぞれの古巣であるレッドソックス、ブルージェイズとの再契約が濃厚視されていた両内野手だが、獲得に興味を示す新たな球団が報じられている。

 ジ・アスレチック(有料記事)によれば、カブスがブレグマンに改めて関心を寄せているという。カブスは昨オフもFAだったブレグマンに対し、4年契約をオファーしたと報じられている。ブレグマンを取り逃がしたカブスは新人マット・ショウを三塁で起用し、ショウは後半戦の63試合で11本塁打、OPS.839と開花の兆しを見せた。しかし、主砲カイル・タッカーの流出が危惧される今オフ、カブスは主軸を担える強打者の獲得を検討するかもしれない。

 ブレグマンは今季、レッドソックスで114試合に出場して18本塁打、OPS.821、そして守備も優秀で総合指標fWARでは3.5をマークした。高いリーダーシップも兼ね備えるブレグマンとの再契約は、レッドソックスの優先事項の一つと目されていたが、レッドソックスは新たな選択肢も見据えているかもしれない。

 レッドソックスはブレグマンとの再契約の「魅力的な代替案」として、ビシェット獲得を検討しているという。ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者とウィル・サモン記者が報じている。

 ビシェットは今季、ブルージェイズで139試合に出場して18本塁打、OPS.840、総合指標fWARでは3.8をマーク。負傷離脱もありながらリーグ2位の181安打、打率.311を記録し、ワールドシリーズでも活躍した。

 ビシェットとブレグマンは共に高い打力を持つ内野手だ。今季の打撃成績ではビシェットに軍配が上がるが、過去4年間の通算OPSではブレグマンが上回るなど、ブレグマンは安定感に優れる。また、通算打率.294とアベレージヒッターのビシェットに対し、ブレグマンは通算四球率11.8%(三振率は13.4%)とアプローチに優れており、打者としてのタイプも異なる。

 2人の異なる点は守備と年齢だ。ブレグマンはゴールドグラブ受賞歴もある好守の三塁手で、今季も守備指標OAAでは+3をマーク。一方のビシェットは遊撃守備の評価は低いが、コンバート先の二塁か三塁では平均以上のディフェンダーとなるかもしれない。

 そしてビシェットがブレグマンに勝る大きなポイントは、年齢の若さだ。ビシェットはブレグマンの4歳年下で、来季の開幕時点で28歳。一方のブレグマンは32歳と、今後の衰えも懸念される。

 レッドソックスがブレグマンとビシェットの二択を検討する一方で、ブルージェイズの動向も注目される。ブルージェイズは球団一筋のビシェットとの再契約が有力視される一方、市場最大の大物である外野手タッカーの獲得を目指していると報じられている。タッカー争奪戦には同地区のオリオールズ、ヤンキースも絡むと見られており、大物FAをめぐってア・リーグ東地区の球団がしのぎを削ることになりそうだ。

2025.12.6 11:35 Saturday

パイレーツが元有望株のルチアーノをウエーバーで獲得

 パイレーツがジャイアンツの元トッププロスペクトであるマルコ・ルチアーノをウエーバーで獲得した。

 24歳のルチアーノは、2018年に国際フリーエージェント(FA)としてジャイアンツと260万ドルの巨額の契約金で契約。マイナーでは非凡な打力を発揮し、球界有数の有望株として頭角を現した。

 2022年の開幕前はMLBパイプラインの有望株ランキングで球界13位に入ったが、その後は伸び悩んだ。2023年にMLBデビューを果たしたが、2024年にかけての2シーズンで41試合、126打席で打率.217、OPS.590と低迷。2025年は3Aで23本塁打を記録したが、打率.214、OPS.749と粗さが抜けず、平凡な成績に終わった。

 ルチアーノは既にマイナーオプション(ウエーバーを介さずに選手を直接マイナーへ降格させられる回数)が切れており、がけっぷちに立たされている。移籍先のパイレーツでは開幕ロースターの座を勝ち取るか、DFAかどちらかの運命が待つことになる。ルチアーノは本職は内野手だが、今季から外野にも挑戦しており、まずはユーティリティとして生き残りを賭ける。

 パイレーツは一方で外野手のウィル・ロバートソンがウエーバーでオリオールズへと流出し、40人枠は現在39人。8日(日本時間9日)から始まるウィンターミーティングに、1枠の空きを残して迎えることとなった。

 今オフはカイル・シュワーバー、岡本和真といったFAの強打者の獲得に興味を示していると報じられ、積極手に打線補強を目論むパイレーツ。ウインターミーティング最終日に控えるルール5ドラフトも含め、その空き枠をどう活用するかは注目だ。

2025.12.6 10:51 Saturday

タイガースが右腕アンダーソンと1年契約 韓国球界からの逆輸入

 タイガースが先発右腕ドリュー・アンダーソンと1年契約(2027年は球団側に選択権のある1年契約付き)に合意したと、ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者が報じた。アンダーソンは2022年から2シーズンを広島カープで、2024年から2シーズンをKBOのSSGランダーズでプレーしていた。具体的な年俸額は明らかになっておらず、球団はこの契約をまだ正式発表していない。

 現在31歳のアンダーソンは2017年から2021年までMLB3球団(フィリーズ、ホワイトソックス、レンジャーズ)でプレーし、通算19登板で防御率6.50をマーク。その後、アジア球界でプレーし、広島では2シーズンで通算34登板(19先発)で防御率3.05と好投した。

 2024年から挑戦したKBOではさらにパフォーマンスを上げ、1年目は24登板(23先発)で11勝3敗、防御率3.89をマーク。続く2025年は30先発で12勝7敗、防御率2.25とさらにエース級の好成績だった。

 今オフはKBOからの“逆輸入”契約が目立っている。KBOで圧倒的な成績を残していたコディ・ポンセは3年3000万ドル(約46億円)の好条件でブルージェイズに移籍。そして、ライアン・ワイスはアストロズと1年260万ドル(約4億円)で契約した。

 アンダーソンもポンセに匹敵する好成績をKBOで記録しており、三振率35.3%(ポンセは36.2%)、四球率7.3%(ポンセは5.9%)と、MLBからの注目を集める上で十分なパフォーマンスを披露した。

 タイガースは2024年1月にアンダーソンとマイナー契約を結んだ(アンダーソンはMLB昇格を果たせず、4月末に退団してKBOへ移籍)こともあるなど、アンダーソンを追い続けてきた球団だ。ジ・アスレチックのタイガース番記者コディ・スティーブンヘイゲンによれば、タイガースはアンダーソンを先発として起用予定だという。

 アンダーソンの加入で、タイガースの先発陣はタリック・スクーバル、ケーシー・マイズ、ジャック・フラハティ、リース・オルソン、アンダーソン、トロイ・メルトンといった顔ぶれになった。頭数は揃っているものの、タイガースはFA市場のトップ投手たち(レンジャー・スアレス、マイケル・キング、ザック・ギャレン)にも関心を示していると報じられている。絶対的エースのスクーバルのトレードの噂も取り沙汰されており、今後の動きが注目される。

2025.12.6 10:33 Saturday

ツインズは主力3選手を放出しない意向か 2026年も勝負へ

 今夏のトレードデッドラインでは10人の選手を放出し、今オフもさらなる解体を予想されていたツインズ。先発右腕ジョー・ライアン、パブロ・ロペス、そして生え抜きスター外野手のバイロン・バクストンは有力なトレード候補と取り沙汰されていたが、放出の可能性は低いかもしれない。

 ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者によれば、ツインズはバクストン、ライアン、ロペスの3選手を今冬にトレードする予定はないという。むしろ、2026年に向け、これらの主力選手を中心にチームを構築したいと考えているようだ。

 「ライアン、バクストン、ロペスに興味を持つライバルチームは、常にハイレベルな選手を獲得しようとするため、彼らの獲得に引き続き圧力をかけることはほぼ確実だ」とローゼンタール記者。さらに「ツインズはそのような立場にあるクラブとして当然の義務として、彼らのオファーに耳を傾けるだろう。しかし、3人のうち誰かがトレードされるには、おそらく圧倒的なオファーが必要になるだろう」と記している。

 混戦が予想されるア・リーグ中地区において、ツインズはもしその3選手をキープできれば、プレーオフ候補になれる実力を持っている。ライアン、ロペスの2本柱が残留すれば、先発ローテは地区やリーグでも屈指の陣容となる可能性を秘める。そしてバクストンを中心に据える野手陣も、有望株ルーク・キーシャルや、大砲マット・ウォールナーなど成長に期待できる選手も多い。

 2026年の勝負を見据えるならば、補強ポイントはブルペン陣、一塁手、そして若手がレギュラーとして起用予定の内野の層を底上げできるベテランになるだろう。

2025.12.6 09:40 Saturday

ナショナルズのエース左腕・ゴアは「数日以内にトレード」か

 ESPNのバスター・オルニー記者によれば、ナショナルズのエース、マッケンジー・ゴアは今後数日以内にトレードされるといくつかのチームが予想している。

 また、ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者とウィル・サモン記者によれば、リーグの少なくとも半数以上がゴアの動向を注視しているという。ナショナルズはゴアのオファーに耳を傾けているが、ESPNのジェフ・パッサン記者とカイリー・マクダニエル記者によれば、26歳の若きエースに対するナショナルズの要求額は「当然ながら高額」だという。

 26歳のゴアは4年目の今季、30先発で5勝15敗、防御率4.17をマークし、オールスターに初選出。勝ち星や防御率は伸び悩んだが、キャリアハイの185三振、奪三振率27.2%を記録するなど、その支配力は球界有数と評価される。

 ゴアをはじめ、外野手ジェームズ・ウッドや遊撃手CJ・エイブラムスなど若い才能が集うナショナルズだが、まだ再建は道半ば。ゴアの契約期間である2027年までの残り2年間で勝負モードに戻れる公算は小さく、ゴアを放出し、再建の予定に合う有望株を獲得する可能性がある。

 ナショナルズの新しい編成トップであるポール・トボニ編成部長は3日(日本時間4日)、「彼は本当に優秀なので、他球団がコンタクトを取ってくるのは驚きではない。先日マッケンジーと話して、『ねえ、実際にこの話を始める前に言っておくけど、これは話題になるよ。君は本当に優秀なので、球団が君について問い合わせてくるだろう。私に課せられているのは、そしてここにいるチームに課せられているのは、高いハードルを維持することだけど、同時に、私たちの仕事の一部だから、彼らの意見に耳を傾けることだ』と言ったんだ。まさにそれをマッケンジーに言ったんだ」と、ESPNのポッドキャスト「ベースボール・トゥナイト」で語った。

 さらに「彼の今後の成長の見通しにも、本当に期待している。来年ナショナルズのユニフォームを着ると仮定すれば、マッケンジーのキャリアで最高の姿が見られると思う」と、ゴアに期待を寄せた。

2025.12.6 09:12 Saturday

名中堅手アンドリュー・ジョーンズが殿堂入りすべき理由とは

 アンドリュー・ジョーンズはジョージア州アトランタのバックヘッドにある同じ寿司屋で過去8回のアメリカ野球殿堂入り投票結果発表番組を視聴してきた。そして、ここ数回は、より楽観的な気持ちで店を出ることができた。

 実際、ジョーンズは9回目の挑戦となる今回の殿堂入り投票で球界最高の栄誉を手にする可能性がある。しかし、元ブレーブスの名選手は、過剰に興奮するのではなく、1996年、19歳のときにワールドシリーズの最初の2打席でいずれも本塁打を放った当時のような落ち着きを保とうとするだろう。

 ジョーンズは「投票結果がどうなるか、何が起こるかは全く予想できない。(投票対象になってからの)最初の数年間は(殿堂入りできるかどうかを)全く意識していなかった。結果を見て、殿堂入りした選手をお祝いするくらいだった。でも、殿堂入りの可能性が見えてくると、友人や家族から『今年こそ殿堂入りできると思う?』とか、いろいろ聞かれるんだ」と語った。

 2026年度の殿堂入り投票の結果は、1月20日(日本時間21日)にMLBネットワークの番組内で発表される。名中堅手として鳴らしたジョーンズにとって9回目の挑戦だ。殿堂入り投票の対象となるのは最長10年。10回目までに得票率75%をクリアできなかった場合、記者投票による殿堂入りの資格を失うことになる。

「発表を楽しみにしているよ。毎年楽しみなんだ。でも、実際に結果が出るまで、あまり期待しすぎないようにしている」とジョーンズは言う。

 近年は、投票対象となってからの数年間はあまり得票率が高くなかった選手が徐々に支持を伸ばし、最終的に殿堂入りを果たすというケースが増えており、ジョーンズはその傾向が継続することを願っている。たとえば、2025年度の投票で殿堂入りを果たしたビリー・ワグナーは、ラストチャンスとなる10回目の挑戦で選出された。1回目の得票率は10.5%に過ぎず、最初の4回はいずれも20%未満。しかし、徐々に得票率を伸ばしていき、最後の3回で大きくジャンプアップ(2023年度68.1%/2024年度73.8%/2025年度82.5%)して殿堂入りを決めた。

 ジョーンズの過去3回の得票率は58.1%(2023年度)、61.6%(2024年度)、66.2%(2025年度)と着実に伸びている。最初の2回は8%未満だったが、8年間で大幅に上昇した。

 スコット・ローレンは2023年度の投票で殿堂入りを果たすまで、ジョーンズと同じような軌跡をたどり、2018年度に10.2%だった得票率は、その後17.2%(2019年度)、35.3%(2020年度)、52.9%(2021年度)、63.2%(2022年度)、76.3%(2023年度)と右肩上がりで伸びていった。

 今回から新しく投票対象になる選手の筆頭はコール・ハメルズとライアン・ブラウンだが、ジョーンズに比べると、殿堂入りの有力候補とは言えない。そのため、ジョーンズが得票率を10%近く伸ばし、ブレーブス時代の同僚であるチッパー・ジョーンズ、グレッグ・マダックス、トム・グラビン、ジョン・スモルツらの仲間入りを果たす可能性は十分にある。また、当時の監督であるボビー・コックスと当時のゼネラルマネージャー(GM)であるジョン・シャーホルツも殿堂入りを果たしている。

 ジョーンズが殿堂入りを果たすまでにこれほど長く待たなければならなかったのは、どんなにクレイジーなことだろうか。

 元同僚のチッパー・ジョーンズは「本当にクレイジーだ。10年間のスパンで、彼は10度のゴールドグラブ賞に輝き、平均30本以上のホームランを打ったんだ。打点も1000近く稼いだと思う(正確には10年間で1034打点)。あれだけの成績と実績を持つ選手は誰だって殿堂入りすべきだよ。各ポジションで最高の守備力を持っていた選手は殿堂入りしないといけない。アンドリューは、私個人の意見では、歴代でもトップ2~3に入るほどの守備力を持つセンターだ」と力説する。

 外野手としてゴールドグラブ賞を10度以上受賞したのはメジャー史上6人だけ。ジョーンズ以外の5人(イチロー、ウィリー・メイズ、ロベルト・クレメンテ、アル・ケーライン、ケン・グリフィーJr.)はいずれも殿堂入りを果たしている。

 1998年から2007年にかけて、ブレーブスの正中堅手として10年連続ゴールドグラブ賞を受賞した期間中、ジョーンズはメジャーの全野手で3番目のWAR57.6(ベースボール・リファレンス版)を記録。これを上回るのはアレックス・ロドリゲス(80.0)とバリー・ボンズ(71.0)だけだ。ジョーンズの57.6という数字は、チッパー・ジョーンズ、トッド・ヘルトン、アルバート・プホルスの54.9を上回っている。

 シーズン30本塁打以上を7度記録し、2005年にはメジャー最多の51本塁打を放って本塁打・打点の二冠を獲得。しかし、最も際立っていたのはセンターで見せた抜群の守備力であり、現在でも多くの人々が「史上最高の守備力を持つセンター」であると考えている。

 1998~2007年の10年間で、ジョーンズが記録した守備WARは24.2。これは同期間では断トツの数字であり、2位のローレン(15.1)や7位のイバン・ロドリゲス(13.5)といった殿堂入り選手にも大差をつけている。

 確かに、ジョーンズはキャリア後半に急激な衰えを見せた。ドジャース、レンジャーズ、ホワイトソックス、ヤンキースでプレーしたメジャー最後の5年間(2008~12年)、OPS+の数値は95。つまり、30代前半の時点でジョーンズの打撃力はメジャー平均(100)を下回っていたということだ。

 しかし、19歳でメジャーデビューして大きな注目を集めたジョーンズは、1998年からの10年間、一流選手として実力を発揮し続けた。23歳でデビューし、30代中盤で衰え始める選手に対して寛容な姿勢が求められるのであれば、19歳でデビューし、10年間にわたって攻撃面でも守備面でもトップクラスであり続けたジョーンズも許されるべきだろう。9回目の挑戦、ジョーンズに歓喜の瞬間は訪れるだろうか。

2025.12.5 11:42 Friday

レッドソックスがさらなる先発補強 トレードで右腕オビエドを獲得

 レッドソックスがさらなる先発補強に動いた。4日(日本時間5日)、MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報によると、パイレーツとの間で5選手が絡むトレードを成立させ、右腕ヨハン・オビエドの獲得に成功した。

 レッドソックスは外野手ジョスティンソン・ガルシア(メジャー全体85位の有望株)と右腕ヘスス・トラビエソをパイレーツに放出し、オビエドのほかに2人の若手選手(左腕タイラー・サマニエゴと捕手アドニス・グーズマン)を獲得する。

 カージナルスとのトレードでベテラン右腕ソニー・グレイを獲得したばかりのレッドソックスにとって、今オフの先発補強第2弾となる。なお、まだ両球団から正式発表は行われていない。

◆トレードの詳細 レッドソックス獲得:右腕ヨハン・オビエド、左腕タイラー・サマニエゴ、捕手アドニス・グーズマン パイレーツ獲得:外野手ジョスティンソン・ガルシア、右腕ヘスス・トラビエソ

 27歳のオビエドはメジャー4年目の2023年にパイレーツの先発ローテーションに定着。32試合に先発して177回2/3を投げ、1完封を含む9勝14敗、防御率4.31、158三振をマークした。

 しかし、トミー・ジョン手術の影響で2024年シーズンを全休。今季は右広背筋を痛めて開幕から長期離脱したため、わずか9試合の先発に終わったが、40回1/3を投げて2勝1敗、防御率3.57、42三振と復帰後のパフォーマンスはまずまずだった。

 メジャーでの5シーズンで通算81試合(うち67先発)に登板して361イニングを投げ、15勝26敗、防御率4.24、321三振を記録。新天地レッドソックスでは先発ローテーション候補の1人として、スプリングトレーニングで開幕ローテーションの座を争うことになりそうだ。なお、フリーエージェント(FA)になるのは2027年シーズン終了後のため、レッドソックスは少なくともあと2年保有できる。

2025.12.5 10:15 Friday

カブス、ヤンキース、フィリーズなどが今井達也の獲得を狙う

 埼玉西武ライオンズからポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指す今井達也に関して、ジャイアンツは常に移籍先の有力候補に挙げられてきた。ところが、ジャイアンツは先発投手に9ケタの契約(総額1億ドル以上=約150億円以上)を与えるつもりがないことが報じられており、今井争奪戦からの撤退が有力視されている。

 しかし、今オフの移籍市場におけるトップクラスの先発投手の1人である今井には、ジャイアンツ以外にも多くのチームが関心を示しており、シカゴのラジオ局「670・ザ・スコア」のブルース・レバインによると、カブスは今井争奪戦に本格参戦する可能性が高いという。ブルージェイズ移籍が決まったディラン・シースの争奪戦にも加わっていたため、シース獲得に失敗したことで、ターゲットを今井に切り替えたようだ。

 また、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマンは、フィリーズとヤンキースが今井獲得を狙っていることを報じている。来週にはウィンターミーティングが行われるため、今井獲得に興味を持つ各チームと今井陣営の面談が実施される可能性が高い。一部では「ウィンターミーティング期間中に契約が決まるのではないか」との予想も出ているが、代理人のスコット・ボラス氏は交渉期限(日本時間1月3日午前7時)まで待ち、最大限のオファーを引き出すという戦略をとる可能性もある。

 ほかにはメッツやレッドソックスも今井獲得を狙っているとみられるが、その一方で、日本人スター選手の獲得に強い関心を示していたブルージェイズはすでにシースとコディ・ポンセを獲得して先発補強の優先度が下がっており、ジャイアンツとともに今井争奪戦からは撤退となりそうだ。日本人選手の獲得レースにおいて常に有力候補に挙がるドジャースも、今井自身が「ドジャースを倒したい」と発言しているため、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希との豪華ローテーションが形成される可能性は限りなく低いとみられる。

 以上を踏まえると、今井争奪戦はカブスを除けば、東海岸のチームを中心に展開されることになりそうだ。最大で2億ドル(約300億円)を超える可能性もあると言われる今井争奪戦だが、激しい競争が繰り広げられた末に、どんな結末を迎えるのだろうか。

2025.12.5 09:33 Friday

ドジャースがテオスカー・ヘルナンデスのトレード放出を検討か

「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールとパトリック・ムーニーによると、ドジャースが他球団とのトレード交渉を行う中でテオスカー・ヘルナンデスの名前が浮上しているようだ。ただし、今季は期待通りの活躍ができたとは言えず、ドジャースは「トレード成立の可能性は低い」と考えているという。

 33歳のヘルナンデスは今季134試合に出場して打率.247、25本塁打、89打点、OPS.738を記録。ポストシーズンでも5本塁打を放ち、ドジャースのワールドシリーズ連覇に貢献した。

 ポストシーズンの戦いで打撃力を証明したが、守備力が依然として大きな弱点となっており、今季のOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)は右翼手36人中33位となる-9。今オフの移籍市場では打撃力のある右打ちの外野手の数が限られているため、「守備を犠牲にしてでも攻撃を強化したい」というチームから声がかかる可能性はあるものの、攻守トータルの貢献度は高くないため、ドジャースが大きな対価を得るのは難しいだろう。

 ドジャースとヘルナンデスが結んでいる契約は非常に複雑だ。年俸は2026年が1200万ドル(約18億円)、2027年が1450万ドル(約21億7500万円)だが、このうち各年800万ドル(約12億円)分が後払いとなる。また、2028年は年俸1500万ドル(約22億5000万円)の球団オプションで、このオプションが行使されない場合、バイアウト(契約解除料)として650万ドル(約9億7500万円)が支払われる。さらに、契約期間中にヘルナンデスが手術を受けるか、負傷者リストに75日以上登録された場合、2028年の年俸1500万ドルの契約が確定し、新たに2029年の年俸1500万ドルの球団オプションが発生する。

 なお、「ジ・アスレチック」は「この契約の複雑さがトレードを妨げることはないだろう」と指摘。しかし、テオスカーはバットスピードが年々低下するなど、年齢による衰えの兆候を見せ始めており、守備力の低さも含め、ドジャースがトレードを成立させるのは難しいと思われる。

2025.12.5 08:58 Friday

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