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2025ウィンターミーティングの見どころを紹介
ストーブリーグの一大イベント・ウィンターミーティングの時期がやってきた。球界の視線はフロリダ州オーランドへと集まる。7日(日本時間8日)からウィンターミーティングが開催されるからだ。
ウィンターミーティングは代理人、全球団の編成陣らが一堂に集結し、大きな契約・トレードが決まることも珍しくない。さらに2026年ドラフトの1巡目指名順を決めるドラフトロッタリー、最終日に予定されるルール5ドラフトなど、球界の未来に関わる注目イベントも行われる。ここでは、ウィンターミーティングの見どころを一挙に紹介する。
トレード
昨年はフアン・ソト、マックス・フリードの大型契約が決まった後に、トレード市場が活性化。レッドソックスが多数の有望株が絡む大型トレードで、ホワイトソックスからエース左腕ギャレット・クローシェを獲得した。
今オフのトレード市場で注目を集めるのは、タイガースのエース左腕で、2年連続でサイ・ヤング賞を受賞したタリック・スクーバル。フリーエージェント(FA)まで残り1年となったエース投手をタイガースがトレードするのではないかと噂されている。さらにナショナルズのエース左腕マッケンジー・ゴア、ツインズのバイロン・バクストン、フィリーズのニック・カステヤノスといったビッグネームにもトレードの噂がある。
有望株事情に詳しいジム・キャリスとジョナサン・メヨが「MLBパイプライン・ポッドキャスト」で議論したように、今オフ大型トレードに動く可能性があるのはドジャース、メッツ、マリナーズ、レッズなど。既にオリオールズとエンゼルスがグレイソン・ロドリゲスとテイラー・ウォードを、レンジャーズとメッツがマーカス・セミエンとブランドン・ニモを1対1でトレードするなど、トレード市場は活況だ。
さらにウィンターミーティング直前にもトレード市場は動き、6日(同7日)にはマリナーズが有望株ハリー・フォードを放出して、ナショナルズから救援左腕ホセ・A・フェラーを獲得。そして4日(同5日)には、パイレーツが先発右腕ヨハン・オビエドらを放出して、レッドソックスから球界85位有望株のジョスティンソン・ガルシアらを獲得した。
ドラフトロッタリー
第4回ドラフトロッタリーは、現地9日午後5時30分(日本時間10日午前7時30分)から開催される。ドラフトロッタリーの様子はMLBネットワークで放送され、MLB.comで配信される。ロッタリーでは2026年ドラフトの上位6位の指名順が決定され、対象となる15チームすべてに大きな影響を与える。
ロッタリー制度はまだ導入されてから数年しか経っていないものの、その恩恵は既に現れている。2022年のウィンターミーティングで行われた第1回ドラフトロッタリーでは、パイレーツが全体1位指名権を獲得し、2023年ドラフトでポール・スキーンズを指名した。第2回ドラフトロッタリーでは、全体1位指名権を得る確率がわずか2.0%だったガーディアンズが全体1位を引き当て、トラビス・バザーナを指名した。
今年のドラフトロッタリーでは、ホワイトソックスが対象球団中で最も高い27.73%の全体1位の確率を割り当てられている。その後、ツインズ、パイレーツ、オリオールズ、アスレチックス、ブレーブスの順で全体1位の確率が高い。ポストシーズンを逃したものの、ロッキーズ、エンゼルス、ナショナルズは今年のドラフトロッタリー対象外であり、全体10位以内での指名はできない。
ルール5ドラフト
今年のルール5ドラフトは現地10日午後2時(日本時間11日午前4時)から開催され、MLB.comで中継が配信される。
ルール5ドラフトの指名対象は40人枠外の有望株。その中でも18歳以下で契約しながら5年が経過した選手、19歳以上で契約しながら4年が経過した選手が対象となる。
ルール5ドラフトでは、選手を指名した球団は10万ドルを前所属の球団に支払う必要がある。さらに指名された選手は基本的にシーズンを通して26人ロースターに残らなければならない。そして指名された選手をロースター(出場選手登録)から外す場合、その選手はウエーバーで他球団に移籍するか、前所属の球団に5万ドルで返却される。
ルール5ドラフトは常に予測不可能だ。昨年は2004年以来最多となる83人の選手が指名された。
ルール5ドラフトからはスター選手も生まれており、殿堂入り外野手のロベルト・クレメントらが指名を機に羽ばたいた。近年は右腕シェーン・スミス(ホワイトソックス)、右腕ライアン・プレスリー(元アストロズなど)、外野手アンソニー・サンタンデール(現ブルージェイズ)らが成功例として挙げられる。
フリーエージェント(FA)市場
フリーエージェントとの契約は、新旧の所属球団のドラフト順位に影響を及ぼす可能性がある。
仮にクオリファイング・オファーを拒否してFAとなった選手と他球団が契約した場合、前所属の球団は補償のドラフト指名権を得られる。前所属の球団が収益分配の対象ではなく、なおかつぜいたく税を超過していなければ、得られる指名権は戦力均衡ラウンドB終了後の補償指名権だ。また、前所属がぜいたく税を超過していた場合、補償指名権は4巡目終了後。そして、前所属が収益分配対象で、その選手が5000万ドル(約77億円)以上の契約を結んだ場合、補償指名権は1巡目終了後(戦力均衡ラウンドAの前)に与えられる。5000万ドル未満の場合は、戦力均衡ラウンドBの終了後となる。
今オフ、クオリファイング・オファーを提示された13選手の内、今永昇太(カブス)ら4選手がそれを受諾。これは過去最多だった。一方で、カイル・シュワーバー、カイル・タッカー、レンジャー・スアレス、フランバー・バルデス、ボー・ビシェット、エドウィン・ディアス、ザック・ギャレン、マイケル・キング、ディラン・シースはクオリファイング・オファーを拒否してFAを選んだ。
既にシースはブルージェイズと7年契約を結んだため、パドレスは補償指名権を得ることが確定。ぜいたく税を超過しているパドレスに与えられる補償指名権は4巡目終了後だ。クオリファイング・オファーを提示しながら拒否されたメッツ、フィリーズ、アストロズ、ブルージェイズ(以上はぜいたく税超過)、カブス、ダイヤモンドバックスは、選手が移籍した場合、補償指名権を手に入れる可能性がある。
2025.12.7 13:11 Sunday

ジャリエル・ロドリゲスがブルージェイズの40人枠を外れる この動きを解説
ブルージェイズは救援右腕ジャリエル・ロドリゲスを40人枠から外した(アウトライト)。ウィンターミーティングを直前に控えた中、驚きの動きを見せた。
この動きはブルージェイズがロドリゲスをアウトライト・ウエーバーにかけ、他のどの球団も獲得の意志を見せず(クレームせず)、ロドリゲスがウエーバーをクリアしたことを意味する。アウトライト・ウエーバーをクリアして40人枠を外れ、マイナーへ降格する場合、メジャーリーグで5年以上のサービスタイム(出場登録日数)を経た選手はマイナー降格を拒否できる。そして、3年以上のサービスタイムを経た選手、もしくは以前にアウトライトされた選手はアウトライトを拒否してフリーエージェント(FA)となることができる。しかし、ロドリゲスはサービスタイムが2年しかなく、アウトライトを受けた経験もないため、マイナーへ降格することとなる。
ロドリゲスは中日ドラゴンズでプレーした後、2024年にブルージェイズと5年3200万ドル(約49億円)の契約を結んだ。契約は3年2130万ドル(約33億円)残るが、この年俸は保証される。また、ロドリゲスは他のマイナーリーグの選手と同様、いつでもトレードされる可能性がある。トレードされなければ、来季のスプリングトレーニングはマイナーの選手として参加することになる。
28歳のロドリゲスはメジャー2年目の今季、リリーフに専念して66登板で2セーブ、14ホールド、防御率3.08をマーク。前半戦は防御率2.47と好調だったが、後半戦は息切れし、ワールドシリーズでもロースター(出場選手登録)を外れた。
ブルージェイズはブルペン補強を模索しているが、前半戦はブルペンの重要な一員だったロドリゲスをなぜ40人枠から外したのか。
ブルージェイズの目的は、チームの戦力として維持しながら、40人枠の余剰を生み出すことにあったと考えられる。
前述の通り、現在のロドリゲスはアウトライトされ、マイナー降格の措置を拒否することができない。過去にアウトライトされた経験もなく、サービスタイムが3年に満たないためだ。
そして、アウトライト・ウエーバーにかければ、他球団から獲得されるリスクもあるが、それも低かった。ロドリゲスは3年2130万ドルの契約と、その成績からすれば割高な契約を残している。仮に他球団がロドリゲス獲得に手を挙げた(クレームした)場合、獲得した球団は残り契約のすべてを負担しなければならなかった。
ブルージェイズはロドリゲスが投手陣に必要になった場合、いつでも40人枠に再び加え、メジャーに昇格させることができる。ロドリゲスを戦力層の一部としてキープしながら、40人枠から外して空き枠を作れるタイミングとして、今オフは最適だった。あるいは、年俸を一部負担した上で他球団にトレードする選択肢もあるだろう。いずれにせよ、ロドリゲスをこのまま40人枠に留める場合よりも、ブルージェイズはロースターの柔軟性を手に入れたことになる。
今回のロドリゲスと似た措置は、ブルージェイズの控え外野手マイルズ・ストローの身にも起こったことがある。ストローは2022年に古巣ガーディアンズと5年2500万ドルの延長契約を結んだが、その後成績が低迷。2024年の開幕前にストローはアウトライトされ、マイナーに降格した。その後、2024年のシーズン中に40人枠に登録(セレクト)され、7試合に出場。シーズン後に再びアウトライトされたものの、ストローはそれを拒否してFAで退団せず、2025年1月にブルージェイズへトレードされた。そしてブルージェイズでは40人枠を勝ち取り、今季は控え外野手として貢献した。
ブルージェイズは今オフ、大型補強を敢行。既にエース級のディラン・シース、韓国球界で大活躍したコディ・ポンセを先発ローテーションに加え、内野手ボー・ビシェットとの再契約、スター外野手カイル・タッカーとの契約も噂されている。ブルペン陣の補強も検討されており、40人枠のスポットを遅かれ早かれ捻出する必要があったはずだ。ロドリゲスのアウトライトにより、ブルージェイズの40人枠は現在38人に減った。
2025.12.7 12:14 Sunday
マリナーズが有望株フォードを放出 救援左腕フェラーを獲得
マリナーズはナショナルズから救援左腕ホセ・A・フェラーを獲得し、見返りとして有望株の捕手ハリー・フォードと右腕アイザック・ライオンを放出した。
課題だった「左のリリーフ」を確保したマリナーズだが、有望株捕手フォードの放出により、控え捕手を確保する必要が生じた。
◆トレードの詳細 マリナーズ獲得:左腕ホセ・A・フェラー ナショナルズ獲得:捕手ハリー・フォード(球団4位)、右腕アイザック・ライオン(ランク外)
25歳のフェラーは今季ナショナルズで72試合に登板し、防御率4.48、11セーブを記録。防御率こそ平凡だが、制球良くゴロを打たせるスタイルで、投球内容は防御率以上に優れている。今季の四球率4.9%はリーグ上位5%、ゴロ率64.3%は上位1%に入った。
また、FAになるまで4年の保有期間を残している点も、マリナーズにとっては魅力的だったはずだ。シンカーの平均球速は97.7マイル(157キロ)、決め球チェンジアップの空振り率は47.0%と今後の伸びしろに期待できるデータも残っている。
対価の目玉となったのは、22歳の捕手フォード。フォードは今季3Aで97試合に出場し、16本塁打、出塁率.408、OPS.868と活躍し、メジャー初昇格を果たした。球界屈指の高評価を受ける有望株で、MLBパイプラインの有望株ランキングでは球団4位、球界42位にランク付けされている。
一見すると、フォード放出は不可解に映る。フォードは長い間、球団の将来を担うと考えられてきた選手だった。さらにマリナーズはベテラン控え捕手ミッチ・ガーバーがフリーエージェント(FA)で退団し、現在40人枠には主砲カル・ローリー以外の捕手がいなくなってしまった。
しかし、フォードの放出は、マリナーズがどれほどフェラーのような救援左腕を欲していたかを示している。マリナーズは強力なブルペンを誇る一方、頼れる左腕はゲーブ・スパイアーしかいなかった。今季はシーズン途中にケイレブ・ファーガソンを補強したが、結局ポストシーズンではスパイアーへの依存が顕著だった。フェラーの補強により、マリナーズのブルペンは質・量ともに一層強化されたと言える。
そして、このトレードはフォードの価値を最大化する手段でもある。フォードはチームが再建から脱却しつつあった2021年のドラフト1巡目で入団し、球団のみならず球界の有望株へと羽ばたいた。しかし、フォードの入団当時は一介の若手捕手に過ぎなかったカル・ローリーが、今やマリナーズの絶対的中心に成長した。
ローリーが絶対的正捕手となった今、フォードは出場機会を得るのが難しくなっていた。今季もメジャー初昇格を果たしたとはいえ、第3捕手としてわずか8試合の出場にとどまった。ポストシーズンのロースター(出場選手登録)にも抜擢されたが、レギュラーシーズンと合わせてわずか9打席に立っただけだった。
打力を生かして外野に転向する道も考えられるが、それならば価値が高い内にトレードに出し、チームの弱点を埋める方が良いというチームの判断だろう。ワールドシリーズまであと1勝に迫ったマリナーズは、ジョシュ・ネイラーを大型契約を引き止めるなど、積極補強を敢行している。
フォードは単にチームの期待の星としてだけでなく、それ以上に、野球以外の分野でのリーダーシップ、親しみやすさ、そして慈善活動でファンの共感を呼んだ。新天地ナショナルズでは、メジャー定着の大きなチャンスが開いているだろう。
また、控え捕手の穴が生じたマリナーズは、ガーバーの呼び戻しに前向きだとシアトル・タイムズのアダム・ジュード記者が報じた。34歳のガーバーは今季87試合でOPS.639を記録。対左腕では平均以上の打撃成績を残すなど、控え捕手として存在感を発揮していた。
2025.12.7 11:19 Sunday
カブスがブレグマン獲得に興味を示す 古巣レッドソックスはビシェットにも関心?
フリーエージェント(FA)市場の大物内野手アレックス・ブレグマン、ボー・ビシェットの去就について、新たな噂が飛び出した。共にそれぞれの古巣であるレッドソックス、ブルージェイズとの再契約が濃厚視されていた両内野手だが、獲得に興味を示す新たな球団が報じられている。
ジ・アスレチック(有料記事)によれば、カブスがブレグマンに改めて関心を寄せているという。カブスは昨オフもFAだったブレグマンに対し、4年契約をオファーしたと報じられている。ブレグマンを取り逃がしたカブスは新人マット・ショウを三塁で起用し、ショウは後半戦の63試合で11本塁打、OPS.839と開花の兆しを見せた。しかし、主砲カイル・タッカーの流出が危惧される今オフ、カブスは主軸を担える強打者の獲得を検討するかもしれない。
ブレグマンは今季、レッドソックスで114試合に出場して18本塁打、OPS.821、そして守備も優秀で総合指標fWARでは3.5をマークした。高いリーダーシップも兼ね備えるブレグマンとの再契約は、レッドソックスの優先事項の一つと目されていたが、レッドソックスは新たな選択肢も見据えているかもしれない。
レッドソックスはブレグマンとの再契約の「魅力的な代替案」として、ビシェット獲得を検討しているという。ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者とウィル・サモン記者が報じている。
ビシェットは今季、ブルージェイズで139試合に出場して18本塁打、OPS.840、総合指標fWARでは3.8をマーク。負傷離脱もありながらリーグ2位の181安打、打率.311を記録し、ワールドシリーズでも活躍した。
ビシェットとブレグマンは共に高い打力を持つ内野手だ。今季の打撃成績ではビシェットに軍配が上がるが、過去4年間の通算OPSではブレグマンが上回るなど、ブレグマンは安定感に優れる。また、通算打率.294とアベレージヒッターのビシェットに対し、ブレグマンは通算四球率11.8%(三振率は13.4%)とアプローチに優れており、打者としてのタイプも異なる。
2人の異なる点は守備と年齢だ。ブレグマンはゴールドグラブ受賞歴もある好守の三塁手で、今季も守備指標OAAでは+3をマーク。一方のビシェットは遊撃守備の評価は低いが、コンバート先の二塁か三塁では平均以上のディフェンダーとなるかもしれない。
そしてビシェットがブレグマンに勝る大きなポイントは、年齢の若さだ。ビシェットはブレグマンの4歳年下で、来季の開幕時点で28歳。一方のブレグマンは32歳と、今後の衰えも懸念される。
レッドソックスがブレグマンとビシェットの二択を検討する一方で、ブルージェイズの動向も注目される。ブルージェイズは球団一筋のビシェットとの再契約が有力視される一方、市場最大の大物である外野手タッカーの獲得を目指していると報じられている。タッカー争奪戦には同地区のオリオールズ、ヤンキースも絡むと見られており、大物FAをめぐってア・リーグ東地区の球団がしのぎを削ることになりそうだ。
2025.12.6 11:35 Saturday
パイレーツが元有望株のルチアーノをウエーバーで獲得
パイレーツがジャイアンツの元トッププロスペクトであるマルコ・ルチアーノをウエーバーで獲得した。
24歳のルチアーノは、2018年に国際フリーエージェント(FA)としてジャイアンツと260万ドルの巨額の契約金で契約。マイナーでは非凡な打力を発揮し、球界有数の有望株として頭角を現した。
2022年の開幕前はMLBパイプラインの有望株ランキングで球界13位に入ったが、その後は伸び悩んだ。2023年にMLBデビューを果たしたが、2024年にかけての2シーズンで41試合、126打席で打率.217、OPS.590と低迷。2025年は3Aで23本塁打を記録したが、打率.214、OPS.749と粗さが抜けず、平凡な成績に終わった。
ルチアーノは既にマイナーオプション(ウエーバーを介さずに選手を直接マイナーへ降格させられる回数)が切れており、がけっぷちに立たされている。移籍先のパイレーツでは開幕ロースターの座を勝ち取るか、DFAかどちらかの運命が待つことになる。ルチアーノは本職は内野手だが、今季から外野にも挑戦しており、まずはユーティリティとして生き残りを賭ける。
パイレーツは一方で外野手のウィル・ロバートソンがウエーバーでオリオールズへと流出し、40人枠は現在39人。8日(日本時間9日)から始まるウィンターミーティングに、1枠の空きを残して迎えることとなった。
今オフはカイル・シュワーバー、岡本和真といったFAの強打者の獲得に興味を示していると報じられ、積極手に打線補強を目論むパイレーツ。ウインターミーティング最終日に控えるルール5ドラフトも含め、その空き枠をどう活用するかは注目だ。
2025.12.6 10:51 Saturday
タイガースが右腕アンダーソンと1年契約 韓国球界からの逆輸入
タイガースが先発右腕ドリュー・アンダーソンと1年契約(2027年は球団側に選択権のある1年契約付き)に合意したと、ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者が報じた。アンダーソンは2022年から2シーズンを広島カープで、2024年から2シーズンをKBOのSSGランダーズでプレーしていた。具体的な年俸額は明らかになっておらず、球団はこの契約をまだ正式発表していない。
現在31歳のアンダーソンは2017年から2021年までMLB3球団(フィリーズ、ホワイトソックス、レンジャーズ)でプレーし、通算19登板で防御率6.50をマーク。その後、アジア球界でプレーし、広島では2シーズンで通算34登板(19先発)で防御率3.05と好投した。
2024年から挑戦したKBOではさらにパフォーマンスを上げ、1年目は24登板(23先発)で11勝3敗、防御率3.89をマーク。続く2025年は30先発で12勝7敗、防御率2.25とさらにエース級の好成績だった。
今オフはKBOからの“逆輸入”契約が目立っている。KBOで圧倒的な成績を残していたコディ・ポンセは3年3000万ドル(約46億円)の好条件でブルージェイズに移籍。そして、ライアン・ワイスはアストロズと1年260万ドル(約4億円)で契約した。
アンダーソンもポンセに匹敵する好成績をKBOで記録しており、三振率35.3%(ポンセは36.2%)、四球率7.3%(ポンセは5.9%)と、MLBからの注目を集める上で十分なパフォーマンスを披露した。
タイガースは2024年1月にアンダーソンとマイナー契約を結んだ(アンダーソンはMLB昇格を果たせず、4月末に退団してKBOへ移籍)こともあるなど、アンダーソンを追い続けてきた球団だ。ジ・アスレチックのタイガース番記者コディ・スティーブンヘイゲンによれば、タイガースはアンダーソンを先発として起用予定だという。
アンダーソンの加入で、タイガースの先発陣はタリック・スクーバル、ケーシー・マイズ、ジャック・フラハティ、リース・オルソン、アンダーソン、トロイ・メルトンといった顔ぶれになった。頭数は揃っているものの、タイガースはFA市場のトップ投手たち(レンジャー・スアレス、マイケル・キング、ザック・ギャレン)にも関心を示していると報じられている。絶対的エースのスクーバルのトレードの噂も取り沙汰されており、今後の動きが注目される。
2025.12.6 10:33 Saturday
ツインズは主力3選手を放出しない意向か 2026年も勝負へ
今夏のトレードデッドラインでは10人の選手を放出し、今オフもさらなる解体を予想されていたツインズ。先発右腕ジョー・ライアン、パブロ・ロペス、そして生え抜きスター外野手のバイロン・バクストンは有力なトレード候補と取り沙汰されていたが、放出の可能性は低いかもしれない。
ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者によれば、ツインズはバクストン、ライアン、ロペスの3選手を今冬にトレードする予定はないという。むしろ、2026年に向け、これらの主力選手を中心にチームを構築したいと考えているようだ。
「ライアン、バクストン、ロペスに興味を持つライバルチームは、常にハイレベルな選手を獲得しようとするため、彼らの獲得に引き続き圧力をかけることはほぼ確実だ」とローゼンタール記者。さらに「ツインズはそのような立場にあるクラブとして当然の義務として、彼らのオファーに耳を傾けるだろう。しかし、3人のうち誰かがトレードされるには、おそらく圧倒的なオファーが必要になるだろう」と記している。
混戦が予想されるア・リーグ中地区において、ツインズはもしその3選手をキープできれば、プレーオフ候補になれる実力を持っている。ライアン、ロペスの2本柱が残留すれば、先発ローテは地区やリーグでも屈指の陣容となる可能性を秘める。そしてバクストンを中心に据える野手陣も、有望株ルーク・キーシャルや、大砲マット・ウォールナーなど成長に期待できる選手も多い。
2026年の勝負を見据えるならば、補強ポイントはブルペン陣、一塁手、そして若手がレギュラーとして起用予定の内野の層を底上げできるベテランになるだろう。
2025.12.6 09:40 Saturday
ナショナルズのエース左腕・ゴアは「数日以内にトレード」か
ESPNのバスター・オルニー記者によれば、ナショナルズのエース、マッケンジー・ゴアは今後数日以内にトレードされるといくつかのチームが予想している。
また、ジ・アスレチック(有料記事)のケン・ローゼンタール記者とウィル・サモン記者によれば、リーグの少なくとも半数以上がゴアの動向を注視しているという。ナショナルズはゴアのオファーに耳を傾けているが、ESPNのジェフ・パッサン記者とカイリー・マクダニエル記者によれば、26歳の若きエースに対するナショナルズの要求額は「当然ながら高額」だという。
26歳のゴアは4年目の今季、30先発で5勝15敗、防御率4.17をマークし、オールスターに初選出。勝ち星や防御率は伸び悩んだが、キャリアハイの185三振、奪三振率27.2%を記録するなど、その支配力は球界有数と評価される。
ゴアをはじめ、外野手ジェームズ・ウッドや遊撃手CJ・エイブラムスなど若い才能が集うナショナルズだが、まだ再建は道半ば。ゴアの契約期間である2027年までの残り2年間で勝負モードに戻れる公算は小さく、ゴアを放出し、再建の予定に合う有望株を獲得する可能性がある。
ナショナルズの新しい編成トップであるポール・トボニ編成部長は3日(日本時間4日)、「彼は本当に優秀なので、他球団がコンタクトを取ってくるのは驚きではない。先日マッケンジーと話して、『ねえ、実際にこの話を始める前に言っておくけど、これは話題になるよ。君は本当に優秀なので、球団が君について問い合わせてくるだろう。私に課せられているのは、そしてここにいるチームに課せられているのは、高いハードルを維持することだけど、同時に、私たちの仕事の一部だから、彼らの意見に耳を傾けることだ』と言ったんだ。まさにそれをマッケンジーに言ったんだ」と、ESPNのポッドキャスト「ベースボール・トゥナイト」で語った。
さらに「彼の今後の成長の見通しにも、本当に期待している。来年ナショナルズのユニフォームを着ると仮定すれば、マッケンジーのキャリアで最高の姿が見られると思う」と、ゴアに期待を寄せた。
2025.12.6 09:12 Saturday
名中堅手アンドリュー・ジョーンズが殿堂入りすべき理由とは
アンドリュー・ジョーンズはジョージア州アトランタのバックヘッドにある同じ寿司屋で過去8回のアメリカ野球殿堂入り投票結果発表番組を視聴してきた。そして、ここ数回は、より楽観的な気持ちで店を出ることができた。
実際、ジョーンズは9回目の挑戦となる今回の殿堂入り投票で球界最高の栄誉を手にする可能性がある。しかし、元ブレーブスの名選手は、過剰に興奮するのではなく、1996年、19歳のときにワールドシリーズの最初の2打席でいずれも本塁打を放った当時のような落ち着きを保とうとするだろう。
ジョーンズは「投票結果がどうなるか、何が起こるかは全く予想できない。(投票対象になってからの)最初の数年間は(殿堂入りできるかどうかを)全く意識していなかった。結果を見て、殿堂入りした選手をお祝いするくらいだった。でも、殿堂入りの可能性が見えてくると、友人や家族から『今年こそ殿堂入りできると思う?』とか、いろいろ聞かれるんだ」と語った。
2026年度の殿堂入り投票の結果は、1月20日(日本時間21日)にMLBネットワークの番組内で発表される。名中堅手として鳴らしたジョーンズにとって9回目の挑戦だ。殿堂入り投票の対象となるのは最長10年。10回目までに得票率75%をクリアできなかった場合、記者投票による殿堂入りの資格を失うことになる。
「発表を楽しみにしているよ。毎年楽しみなんだ。でも、実際に結果が出るまで、あまり期待しすぎないようにしている」とジョーンズは言う。
近年は、投票対象となってからの数年間はあまり得票率が高くなかった選手が徐々に支持を伸ばし、最終的に殿堂入りを果たすというケースが増えており、ジョーンズはその傾向が継続することを願っている。たとえば、2025年度の投票で殿堂入りを果たしたビリー・ワグナーは、ラストチャンスとなる10回目の挑戦で選出された。1回目の得票率は10.5%に過ぎず、最初の4回はいずれも20%未満。しかし、徐々に得票率を伸ばしていき、最後の3回で大きくジャンプアップ(2023年度68.1%/2024年度73.8%/2025年度82.5%)して殿堂入りを決めた。
ジョーンズの過去3回の得票率は58.1%(2023年度)、61.6%(2024年度)、66.2%(2025年度)と着実に伸びている。最初の2回は8%未満だったが、8年間で大幅に上昇した。
スコット・ローレンは2023年度の投票で殿堂入りを果たすまで、ジョーンズと同じような軌跡をたどり、2018年度に10.2%だった得票率は、その後17.2%(2019年度)、35.3%(2020年度)、52.9%(2021年度)、63.2%(2022年度)、76.3%(2023年度)と右肩上がりで伸びていった。
今回から新しく投票対象になる選手の筆頭はコール・ハメルズとライアン・ブラウンだが、ジョーンズに比べると、殿堂入りの有力候補とは言えない。そのため、ジョーンズが得票率を10%近く伸ばし、ブレーブス時代の同僚であるチッパー・ジョーンズ、グレッグ・マダックス、トム・グラビン、ジョン・スモルツらの仲間入りを果たす可能性は十分にある。また、当時の監督であるボビー・コックスと当時のゼネラルマネージャー(GM)であるジョン・シャーホルツも殿堂入りを果たしている。
ジョーンズが殿堂入りを果たすまでにこれほど長く待たなければならなかったのは、どんなにクレイジーなことだろうか。
元同僚のチッパー・ジョーンズは「本当にクレイジーだ。10年間のスパンで、彼は10度のゴールドグラブ賞に輝き、平均30本以上のホームランを打ったんだ。打点も1000近く稼いだと思う(正確には10年間で1034打点)。あれだけの成績と実績を持つ選手は誰だって殿堂入りすべきだよ。各ポジションで最高の守備力を持っていた選手は殿堂入りしないといけない。アンドリューは、私個人の意見では、歴代でもトップ2~3に入るほどの守備力を持つセンターだ」と力説する。
外野手としてゴールドグラブ賞を10度以上受賞したのはメジャー史上6人だけ。ジョーンズ以外の5人(イチロー、ウィリー・メイズ、ロベルト・クレメンテ、アル・ケーライン、ケン・グリフィーJr.)はいずれも殿堂入りを果たしている。
1998年から2007年にかけて、ブレーブスの正中堅手として10年連続ゴールドグラブ賞を受賞した期間中、ジョーンズはメジャーの全野手で3番目のWAR57.6(ベースボール・リファレンス版)を記録。これを上回るのはアレックス・ロドリゲス(80.0)とバリー・ボンズ(71.0)だけだ。ジョーンズの57.6という数字は、チッパー・ジョーンズ、トッド・ヘルトン、アルバート・プホルスの54.9を上回っている。
シーズン30本塁打以上を7度記録し、2005年にはメジャー最多の51本塁打を放って本塁打・打点の二冠を獲得。しかし、最も際立っていたのはセンターで見せた抜群の守備力であり、現在でも多くの人々が「史上最高の守備力を持つセンター」であると考えている。
1998~2007年の10年間で、ジョーンズが記録した守備WARは24.2。これは同期間では断トツの数字であり、2位のローレン(15.1)や7位のイバン・ロドリゲス(13.5)といった殿堂入り選手にも大差をつけている。
確かに、ジョーンズはキャリア後半に急激な衰えを見せた。ドジャース、レンジャーズ、ホワイトソックス、ヤンキースでプレーしたメジャー最後の5年間(2008~12年)、OPS+の数値は95。つまり、30代前半の時点でジョーンズの打撃力はメジャー平均(100)を下回っていたということだ。
しかし、19歳でメジャーデビューして大きな注目を集めたジョーンズは、1998年からの10年間、一流選手として実力を発揮し続けた。23歳でデビューし、30代中盤で衰え始める選手に対して寛容な姿勢が求められるのであれば、19歳でデビューし、10年間にわたって攻撃面でも守備面でもトップクラスであり続けたジョーンズも許されるべきだろう。9回目の挑戦、ジョーンズに歓喜の瞬間は訪れるだろうか。
2025.12.5 11:42 Friday







