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カブス第1戦の先発は苦労人ボイド 会見では涙を見せる場面も

 29日(日本時間30日)、パドレスとのワイルドカードシリーズを前にカブスのクレイグ・カウンセル監督は第1戦の先発をマシュー・ボイドと発表。メジャー11年目の34歳は大役への任命に感極まった。

 同日の会見でボイドはシャツで涙を拭いながら、カウンセル監督から先発に任命された瞬間を振り返った。「自分のキャリアについて考えてみると、これ(第1戦の先発)は素晴らしい。色々な理由でね。(人生は)いつチャンスが巡ってくるかわからないから素晴らしいんだ」今季からカブスに加入するまでの10年間では通算182登板で防御率4.85。くすぶった若手時代、度重なる負傷に悩まされた時期を乗り越え、34歳にして最盛期を迎えている。

 ただ、ボイドもスケジュールとチーム状況から第1戦の先発を任される可能性を承知しており、任命自体に驚きはなかった。カブスは先日、後半戦防御率1.03(メジャートップ)を記録していた新人ケイド・ホートンが負傷者リスト入りし、ワイルドカードシリーズ欠場が決定。ホートンは今永昇太ら他の先発投手が調子を崩す中、先発ローテを牽引する活躍を見せていた。

 ボイドは今季、大役を任されるに足る好成績を残しており、ホートン不在の状況で第1戦の先発を任されることは不思議ではない。今季最初の20登板では防御率2.20を記録し、オールスターにも初選出。最終的には31先発(179回2/3)を投げて14勝8敗、防御率3.21と堂々たる成績でシーズンを締めくくった。

 カブスとボイドにとって、今季の「嬉しい誤算」は労働量だった。過去4シーズンでは様々な怪我の影響で平均50イニング程度にとどまった。カブスはボイドの耐久性に配慮したスケジュールを組み、ボイドもチームの方針に従ったことが奏功したのかもしれない。もっとも終盤は苦戦(最後の11登板で防御率5.16)したが、カウンセル監督はそれが疲労によるものではないと考えている。「マットはいい投球をしていたよ。2、3試合前を振り返ると、彼はカウントを悪くする場面が多かったね」

 そして肝心のパドレス打線との相性も良い。ボイドは今季4月にパドレスと2度対戦し、11回1/3で計2失点と好投。ワイルドカードシリーズの舞台となる本拠地リグレーでも6回無失点と快投した。

 「マットがいるのは幸運だ。彼がいるからこそ、我々はここまで来られた。彼は常に先発としてボールを奪いに来てくれる。彼のような選手にボールを託せるのは、本当に嬉しいことだ」とはカウンセル監督。ボイドを象徴する瞬間を問われると、カウンセル監督はあえて昨季の登板を挙げた。

 「私にとって、クリーブランド時代の我々との対戦での先発出場が印象的だった。マシュー・ボイドについて私が特に印象に残ったのは、まさにそこなんだ」昨季の8月13日、当時トミー・ジョン手術から復帰直後だったボイドは、ガーディアンズの投手としてカブス戦に先発。メジャーでの414日ぶりの登板で、カブス打線を5回1/3を投げ切り、チームに勝利をもたらした。

 そこからボイドは救世主の役割を演じた。シーズン終盤の8試合に先発し、防御率2.67と快投。昨季のガーディアンズは先発投手不足に悩まされていたが、その穴を埋めて躍進を支えた。さらにポストシーズンでは3先発で防御率0.77と圧倒し、チームをリーグ優勝決定シリーズまで導いた。

 その鮮烈なインパクトのおかげで、ボイドはレギュラーシーズンでわずか8先発しか投げていないにもかかわらず、2年2900万ドルの契約を得た。「祖父はシカゴで育ったから、カブスファンとして育った。2016年(カブスが108年ぶりの世界一に輝いた)は祖父にとって人生で最も幸せな日の一つだったと思う。私も今、カブスの選手になれて嬉しい。本当に嬉しいよ」

 ボイドはカブスに入団して以来、亡き祖父ジョン・ボイドのことを何度も口にしてきた。それが、この投手がカブスについて語る際に感傷的な雰囲気を醸し出す理由の一つだ。祖父は、ボイドがリグレーフィールドで通算16試合に出場し、12勝1敗、防御率2.59という成績を残していることをきっと喜ぶだろう。

 そしてボイドはリグレーフィールドでこれまで以上に重要な先発を迎える。「夢のような出来事だ。リグレーフィールドで、そしてカブスのためにそれを成し遂げることができて、本当に光栄だ。心から感謝している」

2025.9.30 16:03 Tuesday

パドレス第2戦はシース、第3戦はダルビッシュ キングはブルペン

 29日(日本時間30日)、カブスとのワイルドカードシリーズを前にパドレスのマイク・シルト監督が先発投手を発表。第1戦は既に発表されているようにニック・ピベッタ、第2戦はディラン・シース、そして第3戦(1勝1敗でもつれた場合)はダルビッシュ有が先発する。

 パドレスはピベッタ以降の先発投手を、シース、ダルビッシュ、キングという実力あるベテラン3人、そして好調のバスケスの中から選ぶことができた。シースとダルビッシュが選ばれたのは、終盤の復調と経験の豊富さを頼りにしているからだろう。

 シースを2戦目に任命した理由について「ディランは調子がいい。最近は安定して投げている。ここ(リグレーフィールド)でも良い投球をしてくれたし、カブス相手にも良い投球をしてくれた。そして彼はディラン・シースだ。彼は剛腕だ。第2戦に最も適した選手だと思う」と明かした。

 シースは今季防御率4.55と苦しんだが、9月は5先発で防御率3.12と復調。ダルビッシュも負傷の影響で出遅れ、15先発で防御率5.38と苦しんだが、9月の5先発は全て自責点3以下でまとめた。

 注目は昨季エース級の活躍だったマイケル・キングをブルペンに回した決断だ。シルト監督によれば、レギュラーシーズン最後の登板からの間隔の兼ね合いで第1戦の登板は避けたいと考えているようだが、キングは全試合で登板可能とのこと。リリーフ経験も豊富なキングを切り札として活用する。

 キングはレギュラーシーズン最後の登板の後に、どんな役割にもオープンであると示した。「どんな役割を与えられても、とても満足している。もちろん、先発の方が好きだけど、(ブルペンから投げるのは)自転車に乗るのと同じだよ」

 キングの夏の不調が、パドレスが彼をローテーションから外す決断に影響を与えたことはほぼ間違いない。彼は二度の怪我で3ヵ月半近く欠場し、復帰後もわずか4試合しか先発せず、70球以上投げたことは一度もなかった。

 キングがブルペンに加わった今、パドレスのワイルドカードシリーズの勝ち筋はより明確になった。第1戦のピベッタが好投し、第2戦以降では鉄壁のブルペン陣で逃げ切りを図ることだ。

 今季31先発で防御率2.87を記録し、エースとして君臨したピベッタは好投を期待されている。「スタートダッシュは常に重要だ。でも大げさに言う必要はない。自分の才能と今季やってきたことを信じて、自分のゲームプランを実行に移すだけだ」

 そして第2戦以降は、先発投手を早めに交代させてでもブルペン陣に頼る展開になるかもしれない。例えば、シースは1巡目の対戦時ではOPS.606に抑え込んでいるが、2巡目では.802、3巡目では.790と目が慣れるほど顕著に打たれやすくなっている。対戦成績が悪化する2巡目以降は、いつでも継投がありえるだろう。

 ロングリリーフも可能なキングが加わったことで、パドレスはスアレス、ミラー、モレホン、エストラーダといったショートリリーバーの投入をためらう必要がなくなるはずだ。シルト監督は語る。「もう一つの武器だ。繰り返しになるが、我々にはここまで我々を導いてくれた信頼できるブルペン陣がいる。そしてマイケルは、経験豊富でその役割で実績のある選手たちと比べて、適切に起用されるだろう。マイケルが活躍できる場は、おそらくこのシリーズで訪れるだろう」

2025.9.30 16:02 Tuesday

剛腕スクーバル、敵地での宿敵ガーディアンズとの対戦を心待ちに

 今季、タリック・スクーバルは2年連続でサイ・ヤング賞を獲得するのに十分な活躍を見せたが、その最後の登板は悔しい結果に終わった。9月開始時点では11ゲーム差をつけていたガーディアンズに猛追され、迎えた最後の直接対決3連戦。スクーバルは五回までいつも通りの快投だったが、六回に3点を失って降板。突如崩れた六回は自身の送球エラー、ワイルドピッチ、これまでのキャリアで一度しか犯していなかったボークとらしからにミスを連発し、極めつけにデービッド・フライには99マイルの直球で顔面に死球を当て、動揺を隠せないまま降板。頼みの綱のスクーバルで落としたタイガースはその3連戦に負け越し、ガーディアンズにメジャーリーグ史上最大の逆転劇を許し、地区優勝を逃した。

 悔やまれるのは、スクーバルはその日、シーズン最高の投球だったと言っても過言ではなかったことだ。「平均球速は1.5マイル(約2.4キロ)上がったと思う。だから、結果で語ってもらうしかない。自分で調子が良いと言っても意味がないから、パフォーマンスで語ってもらうことにするよ」

 スクーバルの球速は実際上がっていた。その日、平均球速は99マイル(約159.3キロ)。シーズン平均の97.6マイルを上回り、最も遅い直球ですら97.2マイルを計時していた。それまで今季最も高い平均球速を記録していたのはその前の18日(日本時間19日)のガーディアンズ戦だったが、それを上回って今季最速を記録した。

 疲労がかさむシーズン終盤、他の多くの投手はコンディションの維持に腐心する中、スクーバルはピークを迎えた。そして、昨季の地区シリーズで敗れ、今季は大逆転を食らって苦汁をなめた天敵ガーディアンズと、ワイルドカードシリーズで再戦を迎える。

 「これが試合をする理由だ。そのために準備するんだ。オフシーズンにあれだけ努力するのは、このためだ。この7ヵ月間、毎日自分のケアに励み、ルーティンを大きく変えず、努力を続け、毎日成長しようと努力してきたのも、このためだ。そして、フィールドに出て、パフォーマンスを発揮し、すべてを出し切る。結局のところ、私が本当にコントロールできるのは、試合に勝つために全力を尽くすことだけだ。まさに、これが私がこのように準備する理由だ」スクーバルは準備万端だ。

 スクーバルは昨季の地区シリーズでの経験を糧に、準備を進めてきた。昨季の地区シリーズの第2戦では、敵地クリーブランドのファンとトラッシュトークを交わす余裕を見せながら、7回無失点の快投。その後、主砲カーペンターがガーディアンズの守護神クラセから決勝3ランを放ち、タイガースは昨季のポストシーズンのハイライトを飾る劇的勝利を挙げた。しかし、ガーディアンズの粘りによってシリーズが第5戦にもつれると、スクーバルはレーン・トーマスの満塁弾によってついに力尽き、タイガースは敗退した。

 トーマスの満塁弾はクリーブランドのスポーツ史に刻まれる名場面となった。スクーバルは今季のモチベーションとしてこの満塁弾に触れることはなかったが、これが原動力となったのは間違いない。「シーズンが終わったらすぐにウェイトルームに戻ってトレーニングを再開したんだ。優勝以外には満足しない。個人の賞や自分の調子はあまり気にしない。チームの勝利に貢献すること、そこに価値を置いている。自分の状態をしっかり管理して、試合に臨む時に万全の状態で臨むようにしているだけさ」

 スクーバルは今季、ガーディアンズ戦で圧巻の投球を披露。5月26日の一戦では13三振を奪い、わずか2安打で完封、さらに“マダックス”(100球以内で完封勝利)のおまけつきだった。そしてスクーバルはこの13三振完封を、タイガースの投手として史上最速の102.6マイル(約165.1キロ)の直球で締めくくった。

 タイガースのエース投手は、伝統的にこのクリーブランドの宿敵とライバル関係にある。ジャスティン・バーランダーもタイガース時代に打ち込まれて通算25敗を喫しており、投球時の“クセ”が盗まれていることを心配するほどだった。

 ただ、スクーバルはたとえ敗れたときであっても、素晴らしい投球をし続けているのも、今回のライバル関係の特徴だ。

 スクーバル自身が語ったように、チームスタイル、そして本拠とする都市が似通っていることからも、ガーディアンズとタイガースのライバル関係には互いにリスペクトがある。「ここ(クリーブランド)で投げるのは楽しい。環境が最高なんだ。ポストシーズンの野球といえば、あの騒々しさとかカオスとか、歓声の大きさとか、そういう話はよく聞くよね。この場所はそういうものを全部体現しているような気がする。だから、ここでプレーするのが楽しいんだ」ワイルドカードシリーズの第1戦では、前回登板でスクーバルに投げ勝ったギャビン・ウィリアムズと再びマッチアップする。クリーブランドとタイガースのライバル関係に、タイガースのエースとして新章を刻めるか。

2025.9.30 16:02 Tuesday

万能スターのホセ・ラミレス 次なる目標は流暢な英語の習得

 本塁打、盗塁、スムーズな三塁守備、そしてベースを回るたびにヘルメットが頭から吹き飛ぶハッスルプレー。ホセ・ラミレスは今季も真骨頂を発揮し、低予算球団ガーディアンズをポストシーズンへ導いた。

 しかし、最近までスペイン語を話さない人々が本人の口から直接聞いたことといえば、ガーディアンズの現場リポーターであるアンドレ・ノットに本塁打にした球種を尋ねられたときくらいだった。「ほら兄弟。あれはホームランボールさ」

 ドミニカ共和国出身のラミレスは、そのキャリアを通じて通訳を介してインタビューを受けてきた。しかし9月、ガーディアンズがメジャーリーグ史上最大の逆転劇を演じる最中、ラミレスはその言語の隔たりを埋めようとしてきた。今、ワイルドカードシリーズで宿敵タイガースとの再戦に臨む中、チームの心臓であるラミレスは英語を上達させ、多くのファンとコミュニケーションを取るという自身の目標を達成しつつある。

 9月10日、ラミレスはノットとのインタビューで、リーダーシップや父親としての姿について英語で語った。「もっと経験を詰めば、もっとリラックスして自分にプレッシャーをかけないようにインタビューできると思う」と、ラミレスは語った。

 そしてシーズン161試合目、ガーディアンズがポストシーズン進出を決めた際、ラミレスは全国放送のインタビューに英語で応じた。15.5ゲーム差をひっくり返しての逆転優勝という新記録を樹立したチームについて「僕たちは決して諦めない。それが僕たちのプレースタイルなんだ」と語った。

 誤解のないように言っておくと、2013年にメジャーデビューを飾ったラミレスは、長年にわたりチームメートや球団スタッフと英語で話、自分の意見や知識を伝えてきた。

 しかし、恵まれない生い立ちや小柄な体格を克服し、クーパーズタウンにふさわしい選手としてキャリアを確立してきたラミレスにとって、第二言語を流暢に話せるようになることは新たな目標だ。

 ラミレスは今週、通訳のアグスティン・リベロ氏と同席して取材に応じた際、英語を習得することの重要性について問われ、興味深い返答を残した。「だって将来は分からない。僕はGMや監督、あるいは打撃コーチになれるかもしれないんだから」

 ラミレスが現役引退後もスポーツ界に留まる意向を公に表明したのはこれが初めてであり、その考えが本気なのかと問われた。「分からないよ!家にいたくないからね!」と英語で返した。ラミレスはそう答えて両手を合わせて顔の横に当て、首を横に振った。常にエネルギッシュなラミレスにとって、引退後の隠居生活はまるで興味のないもののようだ。

 もしラミレスがGMになったら、どんなチームを作るだろうか?どんな野球の価値観を大切にするだろうか?どんな選手を好むだろうか?「今はその話はできない。他のGMに真似されちゃうかもしれないからね」と、ラミレスはここでも茶目っ気たっぷりの答えを返した。

 ラミレスはその偉大なキャリアのために、今更英語を必要とするわけではない。もはや当然のように毎年記録する30本塁打、30二塁打、30盗塁を記録するのに、少しも英語を話す必要はない。また、クリーブランドの地元コミュニティに影響を与えるのにも、英語を話す必要はない。ラミレスはヒスパニック系住民が住む地域にあるクラークフィールドに、天然芝の「ホセ・ラミレスフィールド」を建てることに貢献した。

 そして、ラミレスは既に地元クリーブランドから非常に愛されている。9月には「ホセ・ラミレス通り」という名前を冠した通りも生まれたほどだ。

 しかし、最近のインタビューではこの偉大な選手が新たな挑戦に臨む姿が見られる。ラミレスはさらに大きな目標を念頭に置いている。

 「僕にできることはたくさんある」フィールド上では万能で、すべてをこなせるラミレス。どうやらフィールド外でもラミレスにできないことはないようだ。

2025.9.30 16:02 Tuesday

識者がワイルドカードシリーズの勝敗を予想! 下剋上は望み薄か

 2025年のポストシーズンがあす30日(日本時間10月1日)から始まる。第1ラウンドは第3シード以下の両リーグ8チームが登場するワイルドカードシリーズだ。ア・リーグは第3シード・ガーディアンズが第6シード・タイガースを迎え撃ち、第4シード・ヤンキースと第5シード・レッドソックスによる因縁のライバル対決も実現。ナ・リーグではディフェンディングチャンピオンの第3シード・ドジャースが第6シード・レッズを本拠地に迎え、ともに日本人選手を擁する第4シード・カブスと第5シード・パドレスが対戦する。白熱必至の戦いを前に、MLB.comの識者がワイルドカードシリーズの勝敗を予想した。

ガーディアンズ対タイガース 予想:ガーディアンズ

 昨季、ガーディアンズが地区シリーズでタイガースをフルセットで下した後、ワイルドカードシリーズで再戦するこの両球団のライバル関係はさらに白熱している。今季、ガーディアンズは前半戦メジャー最高勝率で独走していたタイガースを猛追し、最大15.5ゲームをひっくり返すメジャーリーグ史上最大の逆転劇で地区連覇。ワイルドカードシリーズのホームフィールドアドバンテージを獲得し、本拠地プログレッシブフィールドでタイガースを迎え撃つ。

 このシリーズの予想は大きく分かれた。絶好調のガーディアンズが勝ち進むと予想する識者がわずかに多かったものの、絶対的エースであるタリック・スクーバルに賭けてタイガースの突破を予想する声もあった。

◆ガーディアンズ派 「ガーディアンズはシーズン最後の2週間の直接対決で5勝1敗と好調で、勢いに乗っている」(ジェイコブ・ガービス) 「2024年のメッツがそうだったように、勢いは重要だ」(ダグ・ガウセポール) 「ガーディアンズは運命づけられたチームなのか?9月のローテーションが劇的に改善したことで、まさにそう思える」(アリソン・ワックスマン)

◆タイガース派 「直近69試合のうち41試合に負けたことで勢いはついていないが、タイガースは勝ち進むための完璧な布陣を誇る。初戦をリーグ最高の投手(スクーバル)で取り、残り2試合を1勝1敗で乗り切れば良い」(トム・ヴォーシス)

ヤンキース対レッドソックス 予想:ヤンキース

 MLB屈指のライバル関係がポストシーズンで再燃。ヤンキースとレッドソックスが過去5年で2度目のポストシーズンにおける直接対決を行う。両球団は1999年にポストシーズンで初対戦して以来、12勝12敗と互角の成績を収めている。直近の対決では2021年のワイルドカードゲームでレッドソックスが勝利した。

 レッドソックスは今度は下位シードとして、敵地ヤンキースタジアムに乗り込むが、その再現を期待できる理由はある。今季ヤンキースとの直接対決では9勝4敗と大きく勝ち越し、ヤンキースタジアムでも5勝2敗を記録している。

 しかし、投票は約3分の2がヤンキースに流れた。絶対的主砲アーロン・ジャッジを筆頭に、ジャンカルロ・スタントン、コディ・ベリンジャーらを擁する強力打線はもちろん、そしてマックス・フリードとカルロス・ロドンのベテラン左腕コンビは重いワンツーパンチだ。フリードがレッドソックスのサイ・ヤング賞候補ギャレット・クローシェと相見える初戦は注目のカードとなるだろう。

◆ヤンキース派 「レッドソックスはレギュラーシーズンではヤンキースタジアムで善戦したが、今季のチーム状況でポストシーズンのヤンキースタジアムで2勝するのは至難の業だと思う」(デービッド・ヴェン) 「ヤンキースはとにかく攻撃力が強すぎる。ジャッジはポストシーズンで必ず結果を出すはずだ」(レット・ボリンジャー) 「ローマン・アンソニー(レッドソックス)が健康であれば、答えは違っていただろう」(マット・マイヤーズ)

◆レッドソックス派 「レッドソックスは1番手(クローシェ)が優れている。トレードデッドライン後はリーグ6位のブルペン陣も擁している。一方でヤンキースのブルペン陣は同期間で26位だ」(アンソニー・ディコモ)

ドジャース対レッズ 予想:ドジャース

 ドジャースは過去13シーズンで12度目の地区優勝を果たしたが、今季は2021年以来のワイルドカードラウンドからの登場となる。昨季の世界一チームは、第6シードに滑り込んだレッズに対して圧倒的に優位な立場にある。

 アンダードッグのレッズの頼みの綱は、強力投手陣。剛腕ハンター・グリーン、アンドリュー・アボットとニック・ロドロの左腕コンビが先発する予定だ。さらに怪物エリー・デラクルーズはシーズン最後の9試合で3本塁打と復調しており、その好調を維持できれば番狂わせもありえる。

 しかし、デラクルーズと先発投手陣がどれほど優秀であろうと、ドジャースのロースターの完成度は脅威だ。ドジャースの先発投手陣も強力で、第1戦はブレイク・スネル、第2戦は山本由伸、第3戦には大谷翔平が控える。打線も大谷、フレディー・フリーマンらに牽引され、高いクオリティを誇る。不安定なブルペン陣こそネックだが、ドジャースは今季のポストシーズンの本命と言える。投票者の大多数がドジャースの突破を予想した。

◆ドジャース派 「ダビデを軽視すべきではないが、ここでは間違いなくゴリアテが勝つだろう」(ジョナサン・メヨ) 「理論上はミスマッチだが、エメット・シーアン、タイラー・グラスナウ、佐々木朗希が加わったドジャースのブルペンをさほど心配していない」(アラン・リトナー) 「ドジャースのスーパースターたちと優れた先発ローテは、面白い陣容であるレッズでも番狂わせを起こすには強すぎる」(ブライアン・マグラス)

◆レッズ派 「ドジャースが圧倒的優勢だと考えがちだが、レッズの先発投手陣を考えれば、3戦勝負のシリーズでは分からない」(アンドリュー・サイモン)

カブス対パドレス 予想:パドレス

 昨季のナ・リーグ地区シリーズでドジャースに惜しくも敗れたパドレスは、今季もポストシーズンに駒を進めた。2020年以来初のポストシーズン進出を飾ったカブスと戦うワイルドカードシリーズでは、突破した方が第1シードのブルワーズとの地区シリーズに駒を進める。

 パドレスは今季、宿敵ドジャースに苦戦し、3ゲーム差の2位でフィニッシュ。ただ、トレードデッドラインでは剛腕メイソン・ミラーらを獲得し、打線とブルペン陣を強化した。

 打線もフェルナンド・タティスJr.とマニー・マチャドらを擁し、ブルペン陣は鉄壁。パドレスは多くの投票者にとって、今季のポストシーズンにおける人気馬となっている。しかし、メジャー屈指の野手陣を誇り、マシュー・ボイドと今永昇太の左腕コンビを擁するカブスも見逃せない実力を持つ。とはいえ、後半戦防御率1.03を記録していた新人ケイド・ホートンが土壇場で欠場が決定した穴は大きい。仮にホートンが健康であれば、カブスを推す声も多かったかもしれない。

◆パドレス派 「違いを生むのはサンディエゴのブルペンだ。試合は常に早く決着する上、シリーズ全体すら早く決着するかもしれない」(アンディ・ワーレ) 「カブスは終盤に打線の勢いが失われ、先発投手陣も安定感も失った。それがパドレスに有利に働くかもしれない」(ケニー・ヴァン・ドーレン) 「パドレスのスター選手たちがポストシーズン経験も豊富。ドジャースとの再戦に臨む運命にある」(マイク・シアノ)

◆カブス派 「カブスの最も重要な打者2人、鈴木誠也とピート・クロウ=アームストロングが絶好のタイミングで調子を上げてきた。それが勝敗を分ける鍵となる」(ケイシー・ドロッター)

2025.9.30 15:58 Tuesday

ガーディアンズ大逆転劇の秘密 先発6人ローテの導入が鍵に

 昨季、ガーディアンズを地区優勝に導いたのはブルペン陣の歴史的活躍だった。そして今季、歴史に残る大逆転劇で地区連覇を成し遂げた原動力は、6人の先発ローテーションだ。ただ、面白いことにガーディアンズは精緻な計画や狙いを持って6人ローテを導入したわけではなかったという。

 「一度だけトライしてみて、ブルペンにどんな効果があり、どう進むのかを見てみようと考えた。非常にうまくいったので、そのまま進めていった」と、14年間にわたってクリーブランドで投手コーチを務めてきたカール・ウィリスは語った。

 ガーディアンズの史上最大の逆転優勝は、先発投手陣の躍進なくしては語れない。ガーディアンズが19試合で17勝と快進撃を繰り広げた9月5日から24日までの期間では、先発投手陣が120回で防御率1.35(ともにメジャートップ)、19試合連続で2失点以下を記録した。先発投手が19試合連続で2失点以下の快挙は、メジャー記録にあと1試合及ばなかっただけ。そのメジャー記録も極めて投手有利とされた「デッドボール時代」の真っ只中にあった1917年のホワイトソックスが記録したものだ(当時はチームの平均年間本塁打数が21本、今季は187本)。

 8月下旬、29日から始まる24連戦を控えていたガーディアンズは、若い投手の多い先発ローテの投球回数と負担の増加に対処する方法を思案していた。ウィリス投手コーチ、スティーブン・ボート監督、そしてクリス・アントネッティ球団社長は6人ローテ構想を協議していた。

 その時の先発ローテには、タナー・バイビー、ギャビン・ウィリアムズ、スレイド・セッコーニ、ローガン・アレン、そして8月20日にデビューしたばかりのパーカー・メシックがいた。

 全員がプロ入り後のキャリアハイの投球回数を記録するペースであることを鑑み、ガーディアンズは9月3日に先発左腕ジョーイ・キャンティロを3Aから昇格させた。

 6人体制に切り替わったガーディアンズの先発ローテは、そのローテーションの1周目で38回2/3を投げ、防御率1.86を記録した(ともにメジャートップ)。

 「回復期間が1日増えたことは、フィジカル面で本当にプラスになったと思う。1日増えたおかげで、ブルペンで、必要なトレーニングをある程度の強度でこなすことができた。その前後に1日ずつ回復のための余裕があるという安心感があるからね」と、ウィリスは好成績の要因について語る。

 ガーディアンズの先発投手たちは、登板間の余裕が生じたおかげで、中日を疲労回復だけでなく、パフォーマンス向上のためのトレーニングに充てることができるようになった。その好例が今季キャリアハイの投球回数を記録しているセッコーニだ。ダイヤモンドバックスからオフに加入したセッコーニは、今季マイナーも含めてキャリアハイの132回を投げ、7勝7敗、防御率4.30を記録した。

 セッコーニは疲労が重くのしかかるシーズン終盤ながら、9月に球速が上昇。7月は93.8マイル(約150.9キロ)、8月は94.3マイル(約151.7キロ)だったのが、9月は94.6マイル(約152.2キロ)と右肩上がりに球速が増した。

 セッコーニはこの球速アップの要因を6人ローテのおかげと考えており、「9月に1日でも余裕が持てるなら、それは悪いことではない。このレベルの仕事量で、9月まで先発として投げるのは初めてだ」と語る。

 初めて6人ローテを導入したボート監督は、日程とロースターの観点から理に適っているのであれば、素晴らしいアイデアになり得ると実感したようだ。ガーディアンズが6人ローテを導入した9月は、ロースターが2人増えて28人に拡大される。通常、9月のロースター拡大(セプテンバー・コールアップ)では、負担がかさむブルペン陣を増員することが多い。しかし、先発ローテを6人に増やした効果で、先発が長い投球回数を投げられるようになり、ブルペン陣の負担が制限された。事実、9月3日から26日までガーディアンズのブルペン陣が投じた66回はMLBで2番目に少ない。

 問題はガーディアンズがポストシーズンでどのような戦略を採るか。ワイルドカードシリーズでは最大でも3人、それ以降も先発投手は基本的に4人で事足りる。

 仮にポストシーズンでも6人ローテで挑むならば、短い中日で先発を起用する必要がなくなる一方で、信頼の置ける先発投手(ウィリアムズとバイビー)にできるだけ多くの先発を託すことができなくなる。

 百戦錬磨のウィリス投手コーチもそれは承知だ。「10月は試合の激しさや、一つ一つのアウトの重要性など、全く別物だ。ブルペンをどう構築するのか?先発投手をどう選び、スケジュールや休養日をどう考えるのか?」

 「スケジュールの組み方からして、ポストシーズンで6人ローテにする理由はないと思う」

 そうは言っても、調子の良い6人の先発投手がいるという事実は、ガーディアンズに大きな自信を与えている。「これまで通りのやり方で戦える能力のある選手が6人いるというのは、確かに安心できる」とウィリスは語った。

2025.9.29 10:00 Monday

スター軍団メッツがポストシーズン進出逃す マーリンズに完封負け

【マーリンズ4-0メッツ】マイアミ/ローンデポパーク、9月28日(日本時間29日)

 メッツはマーリンズに完封で敗れ、ポストシーズン進出を逃した。ポストシーズン進出のためには勝利に加え、同率で並ぶレッズの敗北が必要だったが、打線が度重なる得点機で沈黙。8投手を注ぎ込んだ継投リレーも4点を失い、完敗を喫した。シーズン序盤は絶好調で首位を快走していたが、7月から始まった不調を止められなかった。

 メッツは前日にカルロス・メンドーサ監督が示唆していたように、総力戦の継投で挑んだ。先発マナイアを1回2/3で見切ると、三回2死一塁の局面では前日に七回を投げたセットアッパーのレイリーを投入。慎重な継投でそのピンチをしのいだが、四回1死で単打を浴びたレイリーを、4番手スタネックに交代させた判断が裏目に出た。

 スタネックは6番ワガマンに先制のタイムリー二塁打、さらに8番ナバレトに2点目のタイムリー二塁打を献上。2死二塁となり、前日に八回を投げた切り札ロジャースを投入したが、頼みの綱のロジャースも連続タイムリーを打たれた。メッツは四回に一挙4点を失い、試合の主導権を失った。

 メッツ打線はマーリンズ先発のカブレラの制球難に漬け込み、二回から五回まで全ての回で得点圏を作った。しかし、チャンスの場面でいずれも沈黙。最大のチャンスとなった五回2死満塁の場面では、3番アロンソが打球初速115.9マイル(約186.5キロ)の鋭いライナーを放ったが、レフトのサノーハの頭上を超えることはなかった。アロンソが放ったレフトライナーは、今季のメッツの打者が記録した中で最速の打球。しかし、あえなく捕球され、絶好のチャンスを逸してしまった。

 メッツは五回から守護神ディアスを投入する決死の継投を続け、追加点をゼロに抑えた。しかし、打線もマーリンズのブルペン陣を捉えることができず、散発5安打で完封負け。シーズン途中に崩壊した今季を象徴するようなフラストレーションの溜まる敗北だった。

 6月12日時点で、メッツは21の貯金を作り、球団史上最高ペースで勝利を重ねていた。ナ・リーグ東地区の首位を快走し、2位に5.5ゲーム差、ポストシーズン圏外まで8.5ゲーム差のリードを保っていた。

 しかし、メッツはそこから転落し、ついにはポストシーズン進出を逃した。しかし、そこから転落し、ついにはポストシーズン進出を逃した。直近93試合では38勝55敗。同時期でメッツより勝率が低いのは、地区最下位に沈むホワイトソックス、ナショナルズ、ツインズ、ロッキーズの4チームしかいないほどの不振に陥った。「エライアス・スポーツ・ビューロー」によると、21以上の貯金を記録した後に今季のメッツより低い勝率を記録したのは、1905年のインディアンスと1977年のカブスの2チームだけである。

 問題はメッツが今後どこへ向かうかだ。オールスター選出のアロンソとディアスは、今オフにオプトアウト権(契約破棄条項)を行使し、フリーエージェントになる可能性がある(アロンソは試合後にオプトアウト権の行使を表明)。打線の中心選手であるソト、リンドーア、ニモは5年以上の契約を残す一方、チーム崩壊の遠因となった投手陣は不安が残る。シーズン終盤にデビューしてインパクトを残した3人の新人(マクリーン、トン、スプロート)に期待が集まる一方、大型契約下にあるマナイアと千賀滉大(32)は不振。投手陣の軸となるエースを確立することが、オフの課題となるだろう。

2025.9.29 09:01 Monday

ガーディアンズが史上最大の逆転劇演じる ア中地区を連覇

【ガーディアンズ9×-8レンジャーズ】クリーブランド/プログレッシブフィールド、9月27日(日本時間28日)

 史上最大15.5ゲームの差を逆転し、ガーディアンズがア・リーグ中地区優勝に輝いた。マジック1で162試合目を迎えたガーディアンズは、試合中に同率首位のタイガースが敗れたため、地区優勝が決定。その後、レンジャーズを逆転サヨナラで下し、地区優勝を勝利で飾った。

 7月4日、ガーディアンズは8連敗(その後連敗は10に伸びる)を喫し、プログレッシブフィールドのダグアウトで勝利を祝うタイガースの選手たちを眺めていた。ガーディアンズのシーズンは谷底に達していたが、先発右腕スレイド・セッコーニは、この厳しい時期を素晴らしい結果に転換することを宣言していた。

 セッコーニはその8連敗の後、取材に対してこう語った。「シーズンが終わって、この8連敗を振り返って『ああ、覚えてる? どれだけ辛かったか覚えてる?』って言える日が本当に待ち遠しい。『どうやって乗り越えたか覚えてる? どうやってお互いを信頼し合ったか覚えてる? 毎日同じようにプレーして、ただひたすら努力を続けたか覚えてる?』ってね」。「きっと報われる。シーズン終盤には、素晴らしい位置につけているはずだ。そう確信している」

 そしてシーズン最終戦を迎えたこの日、同率首位で並び、タイブレーカー(同率で並んだ場合、直接対決で勝ち越したチームを上位とする権利)を保持していたタイガースがレッドソックスに敗れたため、ガーディアンズの地区優勝が確定。30日(日本時間10月1日)から始まるワイルドカードシリーズでは、第3シードとして第6シードとなったタイガースを本拠地で迎え撃つ。

 7月9日の朝まで、ガーディアンズは首位タイガースに15.5ゲーム差をつけられていた。「エライアス・スポーツ・ビューロー」によると、これは史上最大のゲーム差を逆転しての優勝だという。以前は1914年のブレーブス(15ゲーム差)がこの記録を保持していた。

 ガーディアンズは9月5日の朝、デトロイトに最大11ゲーム差をつけられていた。これは9月に逆転して優勝した史上最大のゲーム差であり、1964年のカーディナルスの8.5ゲーム差を上回った。また、ガーディアンズはシーズン中に10連敗を喫しながらポストシーズン進出を果たした史上4度目のチームとなった。

 9月5日からの19試合に17勝を挙げる快進撃で大逆転を成し遂げたガーディアンズは、既に地区優勝が決まっていたこの試合でも本領を発揮。3-5とリードされていたが、2点を追いついて試合を延長に持ち込んだ。延長十回には3点を失ったが、5番ネイラーの二塁打で1点を返し、さらに7番ロキオが5号3ラン。4点を奪い返して逆転サヨナラ勝利を挙げ、史上最大の逆転劇を飾った。

 セッコーニは162試合目を前にして再び語った。「今年、我々が目指していた方向性を見失った人は誰もいなかったと思う。シーズンで最も暗い時期でさえも。だからこそ、あの時に私が言った言葉は正しかったんだ。こうして大団円を迎えたのは本当に素晴らしいことだよ」

2025.9.29 07:43 Monday

ブルージェイズが2015年以来の地区優勝 カークが2本塁打

【ブルージェイズ13-4レイズ】トロント/ロジャースセンター、9月28日(日本時間29日)

 マジック1でシーズン最終戦を迎えたブルージェイズがレイズを下し、2015年以来7度目のア・リーグ東地区優勝。アレハンドロ・カークが初回に14号先制グランドスラム、追い上げられた五回にダメ押しの15号2ランを放ち、勝利に導いた。

 初回に1点を先制されたブルージェイズは、直後の攻撃を2者連続四球から始め、3番ゲレーロJr.のタイムリーで同点。さらに満塁とし、6番カークのグランドスラムで一気に5-1とリードを得た。

 しかし、三回に先発ゴーズマンが乱調。満塁のピンチを招いて、初回に引き続き3番アランダにタイムリーを浴びると、5番マンガムにも続かれて3点を失った。

 それでも、5-4と1点差に追い上げられても、打力で突き放すのが今季のブルージェイズ。四回に犠牲フライで1点を加えると、五回にはカークがこの日2本目の2ランで突き放した。そして7番バージャーと1番スプリンガーの本塁打で5点を加え、大量リードを得た。

 投げては、先発ゴーズマンが3回2/3で降板したものの、ブルペン陣が奮起。四回2死満塁のピンチを切り抜けた2番手フルハティに白星が付いた。

 この日ヒーローとなったカークは、6年目の26歳。23歳で迎えた2022シーズンにオールスター選出とシルバースラッガーの栄誉に輝き、続く2023-24シーズンは捕手として守備力に磨きをかけた。5年の延長契約を結んで迎えた今季は、キャリアハイの15本塁打を放って見事にその期待に応え、地区優勝がかかった大一番でもチームを牽引した。

 ブルージェイズにとってこの地区優勝が持つ意味合いは大きい。ア・リーグの第1シード、そして地区シリーズまでの休養も確定。レギュラーショートのビシェットは左膝の負傷から地区シリーズ以降での復帰を期待して、回復期間が確保できる。この日先発したエースのゴーズマンを第1戦に先発させることも可能になる。2020、2022、2023年のポストシーズンでは全て2連敗で敗退し、2ポストシーズンの勝利は2016年から遠ざかっている。ブルージェイズにとっては、ワイルドカード・シリーズはシードされ、地区シリーズまで休養と調整期間を得られる日程は、追い風となるだろう。

2025.9.29 07:07 Monday

カブスに痛手 後半戦絶好調のホートンが負傷者リスト入り PS初戦を欠場

 27日(日本時間28日)、カブスは先発右腕ケイド・ホートンを右肋骨の骨折で15日間の負傷者リストに登録したことを発表。後半戦の快投で一躍新人王の大本命に躍り出たホートンは、31日(同10月1日)から予定されるパドレスとのワイルドカードシリーズに先発することが予想されていたが、負傷によって欠場が決まった。

 カブスの球団編成部長のジェド・ホイヤーは「本当に投げたがっていた。投げられると感じていたようだ。タフな選手だからね。ただ、違和感なく投げられないことが明らかになったなら、そのリスクを取ることはできない」とコメント。

 ホートンは23日(同24日)のメッツ戦の先発登板で、背中の中央と右胸郭周辺の張りのため、3回29球限りで降板した。クレイグ・カウンセル監督は、長引く咳を含む最近の病気が、深呼吸が困難になるなど、ホートンの不調の原因である可能性が高いと指摘。ホートンが画像検査を受けた後、カウンセル監督は「懸念事項」があり、別の医師によるセカンドオピニオンを求める必要があると述べた。26日(同27日)、カウンセル監督は二次検査で肋骨の損傷が確認されたと発表し、「順調に回復しつつあるので、今後とも前進していくつもりだ」と付け加えていた。

 ホイヤー編成部長は球団がホートンの肋骨負傷について24日(同25日)には知っていたが、ホートンが怪我を抱えながら投げられるか見たがっていたことを明かした。ただ、26日(同27日)にキャッチボールを行った際、わずかに懸念されるべき事態が見られ、27日(同28日)にも改善はなかったという。ホートンは依然として脇腹に違和感があり、投球動作で完全に体を伸ばす動作に苦労していると訴えた。

 「彼は本当に挑戦したがっていた。そして私たちも挑戦する価値があると思ったんだ。もちろん、あまり進展はなかった。まあ、仕方ないね。彼には投げられないだけの違和感があったから、あまり進展できなかった。それが残念なところだ」と、カウンセル監督は述べた。

 ホートンの故障者リスト入りは25日(同26日)まで遡及するため、早くても10月10日までは出場資格を得られない。ナ・リーグの地区シリーズは第5戦が10月11日に行われる予定だ。ポストシーズンのロースターは各ラウンドの前に決定され、ロースター漏れした選手はラウンドの途中で負傷者補充としてのみ追加できる。

 ホートンの欠場が確定しているワイルドカードシリーズでは、マシュー・ボイドと今永昇太の両左腕の先発が予想されている。ホートンの穴を埋めると予想されるのはジェイムソン・タイオン、ハビエル・アサッド、コリン・レイの3人の右腕だ。

 「(ホートンは)素晴らしい選手だ。偉大な選手になりたいと思っている。負傷者リスト入りして(ポストシーズンの)ファーストラウンドに参加できないことがどれほど辛いことか、分かっている。ただチームの一員でありたい、チームに貢献したいと願っていると思う。チームにとって素晴らしい存在だ。今年は私がしばらく調子を落としたとき、昇太がしばらく調子を落としたとき、我々を支えてくれた。だから今度は私たちが穴を埋める番だ」とタイオンは語り、チームメートのリベンジを誓った。

 ホートンを失うのはカブスにとって計り知れない痛手だ。ホートンは23試合(先発22試合)に登板し、11勝4敗、防御率2.67の成績を残していた。さらに後半戦は大きく調子を上げ、防御率1.03はポール・スキーンズ(1.89)を上回ってMLBトップだった。 「彼は競争が好きなんだ。ルーキーイヤーで、ポストシーズン初登板が叶わなかったのは、後半戦には球界屈指の投手になっていたかもしれないのに、本当に残念だ。でも、彼はできることはすべてやったんだ。彼のエージェントと何度も話し合った。彼自身とも何度も話し合った」とホイヤー編成部長は悔しさを滲ませた。

2025.9.29 06:12 Monday

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