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ブルワーズがNLCSのロースター発表 2年目右腕マイヤーズを登録

 ブルワーズはナショナル・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)開幕に向けて、救援右腕ニック・ミアーズをロースターから外し、2年目右腕のトバイアス・マイヤーズを新たに登録した。NLCSは13日(日本時間14日)、ブルワーズの本拠地アメリカンファミリーフィールドで開幕。マイヤーズはロングリリーフで起用される見込みだ。

 強打のドジャース打線を相手に投手力が試されるNLCSを前に、ブルワーズがロースターを1人しか入れ替えなかったのは、ある意味驚きだった。また、カブスとのナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)で3試合に登板し、無失点に抑えていたミアーズがロースターから外されたことも驚きだった。ミアーズはNLDS第2戦でオープナーのアーロン・アシュビーのあとを受けて2番手として登板。二回2死一、二塁のピンチを切り抜け、「火消し役」としての役割を果たした。

 ブルワーズはNLCS第1戦でもオープナーにアシュビーを起用する。よって、NLDSでミアーズが担っていた役割(ピンチになったときの火消し役)をカバーする投手が必要となる可能性もある。

 ロースターが発表された時点では、ミアーズがロースターを外れた理由が編成上の都合によるものなのか、負傷によるものなのか、ハッキリしなかった。ミアーズは9月上旬に背中の張りで負傷者リスト入りしたことがあったからだ。

 これについて尋ねられたマット・アーノルドGMは「(イニングの)長さの問題だ」と答えた。

 パット・マーフィー監督は「ミアーズは今季、チームにとって素晴らしい働きを見せてくれた。まさに『ピンチを切り抜ける男』だ。しかし、彼が本領を発揮するのは、短いイニングで起用したときだ。これから7試合制のシリーズを戦うが、投げられる先発投手は1人半、せいぜい2人くらいしかいない。そのため、長いイニングを投げられる投手を探す必要があった。たいていの場合、野手を1人外して投手を入れる。しかし、我々はある事情により、その方法を取らなかった」と説明した。

 そうした状況の中、複数のイニングを投げられる投手をマイヤーズしか登録しなかったのも驚きだった。NLDSでは5試合制のシリーズであることや、第1戦と第2戦の間にオフがあったことなどにより、ブルペンをリセットすることができた。今回は7試合制のシリーズであり、オフは第2戦の翌日と第5戦の翌日しかない。ロングリリーフ候補としては、マイヤーズのほかにローガン・ヘンダーソン、DL・ホール、エリック・フェディらもいたが、マーフィー監督はこれらの投手よりもロバート・ガッサーのほうがより多くの球数を投げられると判断したようだ。

 なお、シリーズの途中でロースターを変更できるのは負傷者が発生した場合のみ。シリーズの途中で離脱した選手は、次のラウンドに出場することができなくなるため、NLCSの途中でロースターを外れた場合、その時点でシーズン終了となる(ワールドシリーズに出場できないため)。

 予想されていた通り、右腕ブランドン・ウッドラフと一塁手リース・ホスキンスはロースターを外れた。ウッドラフは9月後半に右広背筋を痛め、まだ投球を再開できていない。ホスキンスはアンドリュー・ボーンとジェイク・バウアーズに押し出されてNLDSの登録メンバーから外れた。ボーンとバウアーズがNLDSでそれぞれ本塁打を放つ活躍を見せ、ホスキンスはNLCSでも引き続きメンバー外となった。

 ロースターの内訳は投手12人、野手14人で変更なし。マーフィー監督によると、投手を上限の13人まで増やさなかったのは、ドジャースの投手陣に対して可能な限りプラトーン起用(右腕に左打者、左腕に右打者をぶつける起用法)をするためだという。また、右ハムストリングの不安を抱えているジャクソン・チューリオがプレーできなくなる場合に備え、外野手を厚くしておきたいという狙いもあるはずだ。

 ブルワーズのロースター26人は以下の通り。

内野手(6人):ジェイク・バウアーズ、ケイレブ・ダービン、アンドリュー・モナステリオ、ジョーイ・オーティズ、ブライス・トゥラング、アンドリュー・ボーン

外野手(6人):ジャクソン・チューリオ、アイザック・コリンズ、サル・フリーリック、ブランドン・ロックリッジ、ブレイク・パーキンス、クリスチャン・イェリッチ

捕手(2人):ウィリアム・コントレラス、ダニー・ジャンセン

投手(12人):グラント・アンダーソン、アーロン・アシュビー、ロバート・ガッサー、ジャレッド・ケイニッグ、トレバー・メギル、ジェイコブ・ミジオロウスキー、トバイアス・マイヤーズ、チャド・パトリック、フレディ・ペラルタ、クイン・プリースター、ホセ・キンタナ、アブナー・ウリーベ

2025.10.14 07:34 Tuesday

ドジャースがNLCSのロースター発表 ラッシングを外してカスパリアスを登録

 ドジャースは13日(日本時間14日)のブルワーズとのナショナル・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第1戦に向けて、控え捕手のドルトン・ラッシングを外し、右腕ベン・カスパリアスを新たに登録して26人のロースターを確定させた。フィリーズとのナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)第3戦でリリーフ登板して苦戦したクレイトン・カーショウも引き続きロースターに登録されている。

 短いシリーズだったこともあり、ドジャースは最初の2ラウンドでは投手を11人しか登録していなかった(二刀流登録の大谷翔平は除く)。NLCSでも上限の13人まで増やすことはしなかったが、カスパリアスを登録することでフレッシュな投手を増やし、左腕偏重だったブルペンにバランスをもたらした。

 今季のカスパリアスは9月にマイナー3Aのオクラホマシティに降格するまで、メジャーのロースターの一員としてプレーした。シーズン最初の39イニングでは防御率2.54と好投し、6月には一時的に先発ローテーションにも抜擢されたが、それ以降は失速。ドジャースがカスパリアスをマイナーに降格させたのは、好調時のピッチングを取り戻してもらうという狙いがあった。

 一方、NLDSの期間中にウィル・スミスがスタメン復帰を果たしたため、ドジャースはロースターに捕手3人を登録しておく必要がなくなった。ラッシングはベン・ロートベットとの争いに敗れ、ロースターから外れることに。ラッシングは自身初のポストシーズンで1打席のみの出場にとどまり、その打席では三振を喫した。

 ドジャースのロースター26人は以下の通り。

捕手(2人):ベン・ロートベット、ウィル・スミス

一塁手(1人):フレディ・フリーマン

二塁手(1人):ミゲル・ロハス

遊撃手(1人):ムーキー・ベッツ

三塁手(1人):マックス・マンシー

外野手(4人):アレックス・コール、ジャスティン・ディーン、テオスカー・ヘルナンデス、アンディ・パヘス

ユーティリティ(3人):トミー・エドマン、キケ・ヘルナンデス、キム・ヘソン

二刀流選手(1人):大谷翔平

先発投手(3人):タイラー・グラスナウ、ブレイク・スネル、山本由伸

救援投手(9人):アンソニー・バンダ、ベン・カスパリアス、ジャック・ドライヤー、クレイトン・カーショウ、佐々木朗希、エメット・シーアン、ブレイク・トライネン、アレックス・ベシア、ジャスティン・ロブレスキー

2025.10.14 06:41 Tuesday

朗希とミジオロウスキー 逆境を味わった若き剛腕がNLCSで激突

 わずか1ヵ月前、佐々木朗希(23)は3Aのオクラホマシティで投げていた。いや、正確に言うならば、苦戦していた。5試合のリハビリ登板で防御率は6.75。ナ・リーグ新人王の大本命候補というイメージはとうの昔に薄れていた。ドジャースにとってポストシーズンの切り札として佐々木を起用するという考えは、せいぜい楽観的なものに過ぎなかった。

 わずか2週間前、ジェイコブ・ミジオロウスキーも不振に陥り、ブルワーズはポストシーズンの構想から若き剛腕を完全に外す可能性も十分に考えられていた。8月から9月にかけて防御率6.06を記録したミジオロウスキーは、少なくとも地区シリーズでは先発ローテーションから外れ、佐々木に代わって新人王を獲得する可能性もほぼ消滅した。ましてやミジオロウスキーをポストシーズンの切り札として起用するという考えもまた、楽観的なものに過ぎなかった。

 10月を迎え、この2人の新人右腕をめぐる状況は一変した。佐々木はワイルドカードシリーズ、地区シリーズで5回1/3をほぼ完ぺきに抑え、2セーブを挙げた。ミジオロウスキーは地区シリーズで2戦合計7回1失点の好投で、チームをシリーズ突破に導いた。

 今や2人は互いのチームにとって不可欠な存在になった。どちらも新人王を獲得することはないだろうが、それ以上の栄誉に手が届くところまできている。

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はミジオロウスキーとブルワーズのブルペン陣について「やるべきことは山積みだ」と語った。

 一方、ブルワーズのパット・マーフィー監督も「最終回に100マイルとスプリットを投げる投手?そんなの不公平だ。リーグに嘆願して、何かの理由で出場停止処分を受けさせられるかどうか検討するつもりだ」と、佐々木について冗談を飛ばした。リーグ優勝に向けて避けては通れない佐々木との対戦を前に、ユーモアで先制攻撃を試みた。

 佐々木とミジオロウスキーは多くの共通点を持っている。2人ともまだ23歳で、100マイルを超す剛速球を投げ込む。そして今季はともに不振の期間があった。

 ドジャースの開幕ローテ入りした佐々木は、最初の5先発では防御率3.20を記録したが、その後は打たれ始めた。5月中旬には右肩のインピンジメントで負傷者リスト入りし、9月下旬まで戦線を離脱していた。復帰後はリリーフとして起用されているが、ロバーツ監督によればこの配置転換には「少しの思い切り」が必要だったという。

 もうそうではない。復帰後、佐々木はレギュラーシーズンとポストシーズンを合わせて7試合連続無失点を記録。今やドジャースの事実上のクローザーとなった。

 「今年は(レギュラーシーズンでは)全然貢献できなかった分、 今年残されたシーズンで自分のできることをチームに貢献したいと思っていた。そういった意味では今は少しですけど貢献できて良かったなと思います」と、フィリーズとの地区シリーズを制したあとに佐々木は語った。

 ミジオロウスキーにも佐々木の気持ちが分かるだろう。ミジオロウスキーは佐々木ほどではないものの有望株として期待され、鮮烈デビューを飾った。最初の5登板で4勝、33三振を奪い、ナ・リーグのオールスターにも選出。一躍脚光を浴びた。

 しかし、後半戦は苦戦。9月下旬には先発ローテーションから外れ、ポストシーズンまでは一度リリーフ登板しただけだった。そのため、ミジオロウスキーを地区シリーズのロースターに入れるのは、大胆な決断だったと言える。

 ミジオロウスキーはその懸念を覆し、シーズン前半のような好投で火消し役を担った。

 「ようやくすべてが上手くまとまりつつある。こんなに早く実現するなんて、ちょっと信じられないくらいだ」と、ミジオロウスキーは語る。

 「ポストシーズンの環境がそういう結果をもたらすのは面白いことだね」と、ブルワーズのクリス・フック投手コーチも語る。

 佐々木はドジャースの守護神として、リードしている試合の9回(ないし終盤)に登場することだろう。強力な先発陣(スネル、山本、大谷、グラスナウ)の後を受けるブルペン陣は不安も残るが、佐々木が最も重要な場面で登場し、ピンチの芽を摘むことに期待がかかる。

 一方のミジオロウスキーは、ブルワーズがブルペンデーに出るときに多くのイニングを任されるはずだ。あるいは、先発登板も視野に入るだろう。ミジオロウスキーは今、主砲クリスチャン・イェリッチが「はみ出しもののおもちゃのコレクション」と名付けた投手陣の鍵を握る存在だ。この投手陣は逆境を経験し、過小評価され、今に至る。

 ブルワーズは先発予定についてまだ明らかにしていない。マーフィー監督は「全員で準備を進めている。彼ら(投手陣)は何でもやる準備ができている」と語る。

2025.10.13 15:35 Monday

ドジャースはブルワーズの機動力を止められるか? NLCSの鍵に

 あす13日(日本時間14日)からナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)が開幕。第1戦に先発するドジャースのブレイク・スネルは、対戦する第1シード・ブルワーズへの対処法を心得ている。 「塁に出させないのが目標だ」

 もちろん機動力を武器とするブルワーズ相手であれば、それはどの投手にとっても同じことだ。しかし、仮にブルワーズ打線に出塁を許しても、スネルは次善の策を用意している。 「どの走者が塁に出たかによる。ブルワーズのことを研究した。誰が走れるのか、誰が走れないのか、どのカウントで走るのか、すべてだ。どんなシチュエーションも十分に理解できているし、準備万端だ」

 ただ、ブルワーズにとっては誰が走者かどうかはほとんど関係ない。

 レギュラーシーズン中にリーグトップの164盗塁をマークしたブルワーズは、全員が走れる。チーム盗塁王のブライス・トゥラングは24盗塁に過ぎないが、14盗塁以上を記録した選手が7人も揃う。1920年以降、14盗塁以上を記録した選手が今季のブルワーズより多かったのは史上6チームしかいない。

 「打線全体にスピードがあれば、内野ゴロを内野安打にできるし、1つ先の塁を奪う走塁もできるし、盗塁もできる。すべて重要だ。それらが長いシーズンでももちろん重要だが、最後まで接戦で1点が勝負をわけることもあるポストシーズンでは非常に重要になってくる」 そう語るのはブルワーズの一塁コーチを務めるフリオ・ボーボンだ。

 ただ、ブルワーズはカブスとの地区シリーズ(NLDS)の最初の4戦では、盗塁を1つも決めていない(第5戦では2盗塁したが、得点には結びつかなかった)。

 それは、カブスが盗塁阻止においてリーグで最も優れたチームだったことも関係している。カブスがレギュラーシーズン中に許した盗塁は、リーグで3番目に少ない80個だった。

 ドジャースと戦うNLCSではどうだろうか。ドジャースの正捕手ウィル・スミスは、健康であれば、盗塁阻止にかけては屈指の実力者だ。スミスは今季リーグ平均の23.2%を上回る盗塁阻止率27.2%を記録。昨季はリーグトップの33.3%を記録した。

 しかし、スミスは9月3日に利き手の右手を骨折し、未だ回復途上にある。レギュラーシーズン最後の3週間を欠場し、ワイルドカードシリーズ(WCS)ではロースター(出場選手登録)漏れ。フィリーズとのNLDSでは最初の2戦はベンチスタートだった。

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はブルワーズの走塁を警戒している。 「ブルワーズが塁上で積極的に攻めてくることには、間違いなく気を配っている。われわれはわれわれの捕手陣の盗塁阻止力に自信を持っている。しかし、投手陣も様々なアプローチで走者を抑え、注意を払わなければならない。承知していることだが、ブルワーズが塁上で機敏に攻めてくるのは間違いない」

 ブルワーズを塁上で勢いに乗せるのは非常に危険だ。レギュラーシーズンにおいて、ブルワーズは1盗塁でも決めた試合で66勝30敗(その条件でMLB2位の勝率)。一方で、盗塁を決めていない試合では、31勝35敗にとどまった。

 ブルワーズのパット・マーフィー監督は盗塁の重要性を誰よりも知っている。 「盗塁の脅威は他の何より重要だと、私はずっと言ってきた。盗塁の脅威が引き起こす混乱は計り知れない。投手が投球を急かされて、制球が甘くなるように仕向けることもできる。それは(数字では)測れないだろう?」

 鍵を握るのは、スミスの右手がブルワーズの走塁を抑えられるほど回復しているかどうかだ。

 フィリーズとのNLDSでは、スミスが捕手だったときにフィリーズは5回中4回盗塁に成功。しかし、その1回の盗塁失敗もスネルの牽制によるものだった。それ以外では韋駄天のトレイ・ターナーが2/2、ブライソン・ストットとマックス・ケプラーが1/1で盗塁を決めた。

 ブルワーズはスミスをシリーズ序盤で試すだろうか。そう問われたトゥラングは「自分たちらしくプレーできたことが、われわれがここにいる大きな理由だと思う。ミーティングなどでそのことについては話し合うつもりだが、結局のところ、われわれは自分たちが得意とするプレーをするだけだ」と語った。

 ボーボン一塁コーチはこう付け加えた。 「スミスがどれだけ優れた捕手であり、どれだけ優れた送球をするかは分かっている。そして当然のことながら、そういった点については、フィールド上でできる限りのことをしたいので、より深く観察することになる。だから、注意深く見守ることになる」

2025.10.13 14:59 Monday

マリナーズがALCS第1戦に勝利 悲願のWS進出へ気負いはなし

【ブルージェイズ1-3マリナーズ】トロント/ロジャースセンター、10月12日(日本時間13日)

 タイガースとの地区シリーズ(ALDS)第5戦で延長15回の死闘を戦ってからわずか2日、マリナーズはまたしても終盤に粘りを見せた。カル・ローリーの同点弾とホルへ・ポランコの2本のタイムリーで起こした逆転劇、そして先発ブライス・ミラーの好投によって、マリナーズはア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)の第1戦に理想的な勝利を挙げ、激戦のALDSと国をまたぐ長時間のフライトの疲れを癒した。

 「皆んなリラックスして、ただ一緒に楽しんでいた。きょうは手一杯だったのは分かっていた。プレーオフの野球はそういうものだ」、と主砲のローリー。疲労が溜まる中、値千金の勝利を挙げた。

 2022年のワイルドカードシリーズで鮮やかな逆転勝利を挙げたのと同じ球場で、再びブルージェイズを破り、マリナーズの史上初のワールドシリーズ進出はより現実的になった。

 大一番で今季最高の投球を見せたミラーは、「最高の気分だ。今年は個人的には思ったようにいかなかったし、期待していたとおりにもいかなかったけど、ALCSに出られた。先発してチームの雰囲気をもってくることができた。これ以上望むことはない」と手応えを語った。

 当初、ダン・ウィルソン監督はミラーに4回を投げ抜いてほしいと述べていた。「これまでのキャリアで最大の先発」と意気込みを語っていたミラーはこのプランを知らされていなかったが、期待を上回るパフォーマンスを発揮した。

 初回、1番スプリンガーに先頭打者本塁打を浴び、さらに2番ルークスには12球粘られ、27球を要した。しかし、そこから立ち直り、ブルージェイズ先発のエース右腕・ゴーズマンとわたり合う投手戦を繰り広げた。

 27歳右腕の踏ん張りに打線が応えた。六回、ついにゴーズマンをとらえ、ローリーが同点弾。 「硬くなって、あまり力が入らなかった。とにかくバットに当てて、インプレーにしようと思っていた。良いところに当たったね。ゴーズマンは本当に難しいピッチャーなんだ」と、追い込まれてから決め球のスプリットに食らいついた。

 打たれたゴーズマンは両手を頭に当てて、悲鳴を上げた。「本当に1球で仕留められた。ローリーは本当に良い打者。前の打席ではスプリットで打ち取っていた。あの場面は、良いボール過ぎたのだと思う。ワンバウンドになるような球を投げようとしていたから」と、絶対的な自信を持つ決め球のコントロールミスを嘆いた。

 ローリーが同点弾の後、マリナーズはポランコのタイムリーで勝ち越し。さらにポランコは八回にもタイムリーを放って貴重な追加点をもたらした。ALDS第5戦ではサヨナラヒットで勝負を決めたポランコは「とにかくシンプルにしたい。今は大げさに考えすぎないようにしたい」と、チャンスで結果を残す心構えについて語った。

 打線が鮮やかな逆転劇を演じ、投手陣は完ぺきな継投リレーで強力ブルージェイズ打線を抑え込んだ。ミラーが初めて6回1失点(76球)でブルペン陣にバトンをわたすと、スパイアー、ブラッシュ、ムニョスのトリオは合計わずか24球で無失点リレー。わずか100球で、ここまでのプレーオフで1試合平均8.5得点を挙げてきたブルージェイズ打線を料理した。

 「ミラーは自分が何者かを知っている。本当にリラックスして、自信を持っているときに最高のパフォーマンスを発揮するんだ」と、第2戦の先発ローガン・ギルバートはミラーを称賛。

 ウィルソン監督も「第1戦を制したのは、われわれにとって流れを変える大きな出来事だ。ブライス・ミラーの投球は驚異的だった。短い登板間隔(中3日)で登板し、初回に先制され、ルークス(2番打者)に粘られた。それ以降、ギアを上げ、球種を全て駆使して、打者を上回った。特に直球は素晴らしかった」と、賛辞を惜しまなかった。

 史上初のワールドシリーズ進出という大きな期待を背負っているが、気負いはない。「この時期はどの投球も重要だと分かっている。プレーオフでは、ここだけでなく、他のどの試合でも、皆んな少しだけ特別なエネルギーを蓄えていると思う。それだけ試合が楽しくなるんだ」と、ローリーは語る。歴史を変えるリーグ優勝まで、あと3勝に迫った。

2025.10.13 14:58 Monday

マリナーズがALCS第1戦に逆転勝利 先発ミラーが6回1失点と好投

【ブルージェイズ1-3マリナーズ】トロント/ロジャースセンター、10月12日(日本時間13日)

 第1シード・ブルージェイズと第2シード・マリナーズによるア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)が開幕。第1戦は先発ブライス・ミラーの好投に助けられ、マリナーズが逆転勝利を挙げた。

 初回、ブルージェイズは1番ジョージ・スプリンガーの先頭打者本塁打で先制。スプリンガーはポストシーズン通算21本目のアーチでデレク・ジーターを抜き、ポストシーズン通算本塁打ランキングで歴代5位に躍り出た。

 マリナーズ先発のミラーは先制弾を浴びた後も2四球でピンチを招いたが、後続を抑えて1失点にとどめた。二回以降は立ち直り、1安打1四球しか許さない好投。地区シリーズ(ALDS)第5戦で延長15回を戦い、疲弊した投手陣を救うパフォーマンスを見せた。

 一方のブルージェイズ先発ケビン・ゴーズマンも五回までわずか2安打と好投。六回も2死までこぎ着けたが、カル・ローリーに決め球スプリットをとらえられ、同点弾を浴びた。

 ローリーの同点弾でマリナーズは勢いづき、続くフリオ・ロドリゲスが四球を選び、ここでゴーズマンを降板させる。暴投で2死二塁のチャンスを作ると、続くホルヘ・ポランコが2番手リトルからタイムリーを放って勝ち越しに成功した。

 2-1とリードしたマリナーズは、六回までミラーが投げ抜き、継投に以降。ALDSでも4登板をこなしたゲーブ・スパイアー、マット・ブラッシュ、アンドレス・ムニョスが無失点リレーでつなぎ、ブルージェイズを振り切った。

 3年目の27歳ミラーの好投が光った。マリナーズはタイガースとのALDS第5戦で延長15回を戦い、ALCS第1戦の先発候補だったローガン・ギルバートとルイス・カスティーヨの両右腕もリリーフとして登板した。ブルペン陣も疲弊する中、レギュラーシーズンでは5番手のミラーがALDS第4戦から中3日で先発を任された。

 中3日での先発はレギュラーシーズンを通してキャリア初めてだったが、ミラーは疲労を感じさせるどころか、この大一番でギアを上げた。直球の平均球速はレギュラーシーズンの平均より1.4マイル速い96.2マイル(約154.8キロ)で、今季最速をマーク。地区シリーズで出場チーム中ダントツの攻撃力(チームOPS.974)を記録したブルージェイズ打線を沈黙させた。

 打ってはALDS第5戦でサヨナラヒットを放ったポランコが再び勝負強い活躍。六回の決勝点を生むタイムリーに加え、八回にもタイムリーで貴重な追加点をもたらした。

 ブルージェイズのエース右腕・ゴーズマンと5番手ミラーの不利なマッチアップを制し、マリナーズは第1戦に勝利。

2025.10.13 11:55 Monday

マリナーズのエース右腕・ウーがALCSから復帰 26人ロースター発表

 ブライアン・ウーが戻って来る。マリナーズは12日(日本時間13日)に行われるア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)を前に26人のロースター(出場選手登録)を発表。レギュラーシーズンではエースとして活躍しながら、胸筋の負傷で地区シリーズ(ALDS)のロースターから外れたウーが新たに登録された。

 しかし、まだウーは万全ではない。情報筋によれば、まだ胸筋の炎症からの回復に努めており、シリーズ序盤は投球できない見込みだ。ただ、シリーズ後半から大きな力になれるかもしれない。

 ダン・ウィルソン監督はウーが13日(同14日)にライブBP(実践形式の打撃練習)にウーが登板すると明かした。「かなり調子が良くなってきている。このシリーズが進むにつれて、ウーが登板の機会を得られることに期待している」

 また、ウィルソン監督は第2戦の先発投手を発表せず、第1戦の投手起用によって決断すると述べた。タイガースと戦ったALDSの第5戦では延長15回の死闘を繰り広げ、先発投手のローガン・ギルバートとルイス・カスティーヨもリリーフ登板した。さらにブルペン陣も10回以上投げたとなると尚更だ。

 第1戦に先発するブライス・ミラー(そしてALDS第5戦に先発したジョージ・カービー)を除けば、ギルバートとカスティーヨはALCS第1、2戦先発の筆頭候補だった。ギルバートはALDS第5戦で3回途中33球を投じた一方、カスティーヨは1回1/3と比較的負担が軽く、第2戦の先発もありえる。

 「あの試合(ALDS第5戦)で投げた数人の選手にも、その言い分は当てはまるだろう。だからこそ、きょうは明日に向けて何をするかを具体的に考える日なのだ」と、ウィルソン監督は語った。

 疲弊する投手陣でALCSを突破するには、やはりウーの投球が欠かせない。ただ、ウーは10日(同11日)にもブルペンに入ったが、最後まで投球の強度を上げているようには見られなかった。ただ、ウィルソン監督は「ウーは着実に進歩し、私たちが期待していたいくつかのマイルストーンを達成した。前回のブルペンでは調子も良く、球速も期待通りだった」と、ウーの回復状態に満足していることをアピールした。

 ウーを登録するため、マリナーズは野手を減らすことを決断。投手13人、野手13人のロースターでALCSに臨む。

 好守の三塁手ベン・ウィリアムソン、左打ちの一塁手/外野手ルーク・レイリーの2人が外れた。ウーとともにALCSから新たにユーティリティのマイルズ・マストロボーニが登録された。マストロボーニは8月上旬以降、MLBでは1試合しか出場していないが、複数ポジションを守る汎用性と走塁力を売りとする。試合終盤に向けたベンチピースとしてうってつけの選手だ。

 また、新人キャッチャーのハリー・フォードは引き続きロースターに登録された。正捕手カル・ローリーと控えのミッチ・ガーバーが負傷した際の保険になることはもちろん、試合終盤でガーバーを代打で使いやすいメリットもある。

2025.10.13 10:38 Monday

強打者ビシェットがALCSのロースターから外れる ベテラン右腕2人が登録

 ブルージェイズのスター遊撃手ボー・ビシェットが、ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)のロースター(出場選手登録)から外れた。ビシェットは左膝の捻挫のケガを負い、5週間以上にわたり欠場。ランニングを再開したことで楽観的な見方も広がっていたが、11日(日本時間12日)にベースランニングを試みた際に不快感をあらわにしていた。

 「少しグレーゾーンに差し掛かっていたんだ。本当にビシェットをチームに入れたかった。できるのか?ビシェットにとって正しい選択なのか?ビシェットを軸に据えたチームにとって正しい選択なのか?結局は昨日の調子次第だった。調子が良くなかったのは残念だが、ビシェットは決して状態を後退はさせなかった」と、ジョン・シュナイダー監督は決断の裏側を語った。

 ビシェットは直線を楽々と走れたものの、一塁から二塁に回ろうと全速力に近いスピードで走ったとき、明らかに左膝をかばい、少しよろめいたあとに立ち上がって首を振った。

 ビシェットは強力ブルージェイズ打線で最も頼れる打者の一人だ。さらに、これまで一筋で10年近く在籍してきたブルージェイズとの契約最終年に差し掛かっている。2016年ドラフト2巡目で入団し、そこからオールスター選手へ駆け上がった。

 親友のブラディミール・ゲレーロJr.とはともに2世選手として若手時代から注目を浴び、チームを牽引してきた。しかし、3回にわたる過去のポストシーズンでは1勝もあげられず、ALCSに進出した今季のような快進撃はまさに長年夢見てきたものだった。オフに退団の可能性もあるビシェットにとっては、ブルージェイズの選手として世界一を掴むラストチャンスが今季かもしれない。ブルージェイズはビシェットをポストシーズンの舞台に立たせるためには、ワールドシリーズ進出を決める必要がある。

 ビシェットを外した決断は、今後数日間の大きな話題となるだろう。なぜなら、たとえビシェットがシリーズ序盤に間に合わなかったとしても、シリーズ後半から出場できる可能性は指摘されていたからだ。ロースターにはユーティリティのアイゼイア・カイナー=ファレファが登録されたが、出場機会はほぼないと見込まれている。シリーズ後半で復帰する可能性に賭けて、ビシェットをカイナー=ファレファの代わりに登録する可能性もありえた。

 しかし、ビシェットの今の状態ではシリーズ後半に復帰できる望みもなかったのかもしれない。また、11日の走塁練習の様子を考えれば、24日(同25日)から始まるワールドシリーズから復帰できる可能性も不透明だ。

 一方、投手陣の方も変更が見られた。ベテランの先発投手マックス・シャーザーとクリス・バシットが新たにALCSから登録された。地区シリーズ(ALDS)では2人の代わりにリリーフ投手のトミー・ナンスとジャスティン・ブルールが入っていたが、最大7戦の長期戦に備えて先発投手を増やした。ブルージェイズはALDSでも登録されていたケビン・ゴーズマン(第1戦)、トレイ・イェサベージ(第2戦)、シェーン・ビーバーの3人の先発投手に加え、シャーザーとバシットも加えた先発5人体制で挑む。

 ALDSのロースターから外れたシャーザーとバシットはそれぞれ模擬試合で調整を積んだ。シャーザーは5イニング、95球を、バシットは3イニング、45球を投じた。4人目の先発投手が必要になる第4戦までは、この2人がブルペンから登場する可能性もあるだろう。

2025.10.13 10:15 Monday

識者がALCSの勝敗を予想! ブルージェイズ優勢か 強力打線に注目

 ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)があす12日(日本時間13日)から開幕する。延長15回の死闘を制した第2シード・マリナーズが、猛打でヤンキースを下した第1シード・ブルージェイズの本拠地トロントに乗り込み、ワールドシリーズ進出をかけた最大7戦のシリーズを戦う。MLB.comの有識者がALCSの予想を行った。

マリナーズ(第2シード) vs. ブルージェイズ(第1シード)

予想:ブルージェイズ(29票中18票)

 ブルージェイズは地区シリーズ(ALDS)でヤンキースを圧倒。ブラディミール・ゲレーロJr.のような主力打者のみならず、打線全体の層の厚さを見せつけた。ALDSの4試合で50安打を放ち、コンタクトとパワーを巧みに融合。新打撃コーチであるデービッド・ポプキンスによって刷新された打撃アプローチを象徴するパフォーマンスだった。

 1993年以来の世界一を目指す上で、打線の活躍は欠かせない。ALDSでOPS1.609を記録したゲレーロJr.を筆頭に、ジョージ・スプリンガー、アレハンドロ・カーク、そして負傷から復帰するボー・ビシェットら、打撃タイトルを獲得した経験を持つ強打者がずらりと並ぶ。

 マリナーズは強力投手陣が売りだが、それでもブルージェイズ打線を止めるのは至難の業だろう。ただ、ALCSからオールスター投手のブライアン・ウーが復帰するのは心強い。ALDSでもマックス・フリードやカルロス・ロドンといったオールスター投手を打ち砕いてきたブルージェイズ打線を止められるだろうか。

ブルージェイズが勝つ理由

・「熱狂的なファン層を持ち、長年この瞬間に向けて準備を進めてきた2チームから選ばなければならないのは、ある意味拷問だ。しかし、休養を取ったブルージェイズが投手陣を揃えられること(そしてブラディミール・ゲレーロJr.が10月の王者のようなスイングを見せること)は、ブルージェイズを勝利に導く大きな力となるだろう」(アンソニー・カストロビンス、記者) ・「ブルージェイズは今年のア・リーグ最強チームだ。ALDSの大半でヤンキースを圧倒し、マリナーズのように第5戦で15回まで戦う必要もなく、ホームアドバンテージも確保している。また、ブラディミール・ゲレーロJr.は今、完全に調子を上げているように見える」(ブライアン・マクグラス、コンテンツオペレーション担当・監修編集者)

マリナーズが勝つ理由

・「シアトルでは何か特別なことが起こっている。それはコーヒーではない」(ジョナサン・メヨ、記者) ・「何事にも初めてはある」(トーマス・ハーディング、記者) ・「シアトルは打線もローテーションもより厚みを増し、ブルペンの最後尾にはより信頼できるトリオを擁している。ついにワールドシリーズ進出の時が来た」(マーク・ファインサンド、記者)

シリーズ予想

ブルージェイズ(6試合):13票 マリナーズ(7試合):8票 ブルージェイズ(7試合):5票 マリナーズ(6試合):2票

シリーズMVP予想

ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ):13票 ジョージ・スプリンガー(ブルージェイズ)、カル・ローリー(マリナーズ)、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ):3票 ジョシュ・ネイラー(マリナーズ):2票 アレハンドロ・カーク(ブルージェイズ):1票 トレイ・イェサベージ(ブルージェイズ):1票 ホルヘ・ポランコ(マリナーズ):1票 アンドレス・ムニョス(マリナーズ):1票

 多くの識者がゲレーロJr.のMVP獲得を予想した。過去3度のポストシーズンでは苦戦を強いられたゲレーロJr.だが、今や正真正銘のスーパースターとしてチームを牽引。ALDSでは打率.529、3本塁打(第2戦では勝負を決める満塁弾)と無双した。5億ドルの契約を結んだフランチャイズプレイヤーにふさわしい活躍だった。

 「レギュラーシーズンがあらゆる意味でカル・ローリーに支配されていたように、ポストシーズンはブラディの支配下にあった。ブルージェイズを30年以上ぶりのワールドシリーズ復帰に導くために、これからも活躍を続けるだろう」と、記者のマニー・ランダワは予想する。

 マリナーズ側の予想では、ローリーとフリオがそれぞれ3票を獲得。マリナーズの現在と未来を背負う2人のスターの活躍は、マリナーズのアップセットの必須条件になる。

2025.10.12 13:13 Sunday

剛速球を封印 裏をかく配球で怪物ミジオロウスキーが好投

【ブルワーズ3-1カブス】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド、10月11日(日本時間12日)

 ジェイコブ・ミジオロウスキーは100マイルを超える剛速球でルーキーながら大注目を浴びた。カブスとの地区シリーズ(NLDS)第2戦でも、その剛速球を武器に好投。チームに勝利をもたらした。

 しかし、「勝てばシリーズ突破、負ければシーズン終了」のNLDs第5戦では、ミジオロウスキーは変化球主体の投球でカブス打線を手玉に取った。レギュラーシーズンを通しても最も多く変化球を投じ、4回1失点。投手戦を制してナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めたチームの原動力となった。

 ブルワーズは第5戦にブルペンデーで挑み、先発にはなんと守護神のトレバー・メギルを送り込んだ。初回を無失点に抑えたメギルの後を受けたのが、ミジオロウスキーだった。ミジオロウスキーは2回に鈴木誠也(31)に101.4マイル(約163.1キロ)の直球を弾き返され、同点弾を被弾。しかし、その後は変化球主体に切り替えた。

 代名詞の剛速球は17球に制限した一方で、スライダーは23球、カーブは14球を投げ込んだ。レギュラーシーズンでは46.2%の割合で直球に頼ったが、この試合ではわずか31.5%。ただ、直球を封印したわけではなく、この日奪った9度の空振りのうち5度、3三振のうち2三振を直球で奪った。17球のうち、10球が100マイルを超えるなど球速も健在。カブス打線の裏をかく配球が見事にハマった。

2025.10.12 12:41 Sunday

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