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アストロズ・ハビアーが復帰戦で白星 吉田は代打でタイムリー二塁打

【アストロズ7-6レッドソックス】ヒューストン/ダイキンパーク、8月11日(日本時間12日)

 レッドソックスの吉田正尚は敵地でのアストロズ戦、七回に代打で起用され、ライトへのタイムリー二塁打を放つ活躍。しかし、レッドソックスの反撃はあと一歩及ばず、アストロズが7-6で勝利を収めた。

 アストロズのカルロス・コレアが古巣復帰後初めてダイキンパークで出場し、レッドソックスのアレックス・ブレグマンは移籍後初めてヒューストンに戻ってくるなど、何かと話題の多い試合だったが、アストロズの選手たちが歓迎したのはクリスチャン・ハビアーの復帰だ。

 トミー・ジョン手術で長期離脱していたハビアーがメジャーのマウンドに立つのは昨年5月21日以来。5回85球を投げて3安打2失点、5三振、2四球という好投を見せ、チームの勝利に貢献した。また、チャス・マコーミックに約1年ぶりの本塁打が飛び出したのも、アストロズにとって明るい材料だった。

 ハビアーは初回先頭のロマン・アンソニーにヒットを許し、続くブレグマンに15号先制2ランを浴びたものの、それ以降の被安打は1本だけ。ブレグマンの初打席では3万9330人の観衆から盛大な歓声が送られたが、ハビアーは初回を2失点だけで切り抜けると、二回以降は自分のペースを取り戻した。

 レッドソックスの好投手ギャレット・クローシェと対峙したアストロズ打線は、三回にコレアのタイムリーで1点差とし、クリスチャン・ウォーカーの2点タイムリー二塁打で逆転に成功。四回にはマコーミックが昨年8月28日以来の本塁打となる1号2ランを放ち、5-2とリードを広げた。

 五回にはレッドソックス2番手のジョーダン・ヒックスからラモン・ウリアスが9号2ランを放ち、5点リードに。ウリアスはアストロズ移籍後初のホームゲームで地元ファンに挨拶代わりの一発をプレゼントした。

 試合はその後、レッドソックスが七回に4点を返したものの、アストロズが1点差で逃げ切り。ハビアーはトミー・ジョン手術からの復帰戦を白星で飾った。

 長期離脱していたハビアーは、マイナーでのリハビリで5試合に登板。合計14イニングを投げて防御率5.14、15三振、15四球と不安の残る内容だったが、メジャー復帰戦でしっかり結果を残した。

 2022年に自己最多の11勝を挙げた実力者であり、この年は148回2/3を投げて防御率2.54、194三振と飛躍のシーズンに。25回1/3無失点のままレギュラーシーズンを終え、ワールドシリーズ第4戦ではフィリーズを相手に6イニングを無安打に抑える快投を見せ、継投ノーヒッター達成の立役者となった。

 2023年は2年連続の2ケタ勝利をマークし、自身初の規定投球回をクリアしたものの、防御率4.56とやや後退のシーズンに。翌2024年は7試合に先発して3勝1敗、防御率3.89を記録していたが、トミー・ジョン手術を受けてシーズン終了となった。

 アストロズはスペンサー・アリゲッティに続いてハビアーが復帰し、コマ不足の状況が続いていた先発陣にようやく光明が見え始めてきた。トミー・ジョン手術で2023年途中から長期離脱しているルイス・ガルシアも戦列復帰が近づいており、コマが揃いつつある先発陣はさらにアップグレードされる可能性を秘めている。

2025.8.12 12:55 Tuesday

ロイヤルズ逆転勝ち ナショナルズ・小笠原は2/3回を無失点に抑える

【ロイヤルズ7-4ナショナルズ】カンザスシティ/カウフマンスタジアム、8月11日(日本時間12日)

 ナショナルズの小笠原慎之介は敵地カウフマンスタジアムで行われたロイヤルズ戦に八回途中から5番手として登板。先頭打者に四球を与えてピンチを広げ、マイク・ヤストレムスキーにレフトへの犠牲フライを許したが、ボビー・ウィットJr.から空振り三振を奪い、2/3回を無失点に抑えた。試合はサルバドール・ペレスとカイル・イズベルの一発で逆転したロイヤルズが7-4で勝利を収めている。

 エネルギーを必要としている球場にエネルギーを注入し、チームを勢いに乗せるための最も簡単な方法は何だろうか。それはホームランを打つことだ。

 ロイヤルズには効果的なホームランが2本飛び出した。六回、ペレスの21号2ランで同点に追いつき、2死一塁からイズベルが4号勝ち越し2ラン。逆転でのワイルドカード獲得を狙うロイヤルズは、11日間で10試合を戦うホームスタンドがスタートし、最初の2カードは低迷するナショナルズとホワイトソックス、最後のカードではワイルドカード争いのライバルであるレンジャーズと対戦する。チームに勢いをつける、理想的な勝ち方だったと言えるだろう。

 ロイヤルズの選手たちが言うように、逆転でのワイルドカード獲得を実現するためには毎試合を大切に戦っていくしかない。しかし、試合前半はナショナルズに主導権を握られ、理想的な展開ではなかった。先発のベイリー・フォルターは初回に2点を失い、その後もハードヒットを浴び続けるなど、苦しいピッチングに。4回3安打2失点、5三振、3四球という内容で降板した。

 二回に1度は同点に追いついたロイヤルズだったが、2番手のダニエル・リンチ4世が五回にポール・デヨングに4号2ランを浴び、再び2点を追う展開に。しかし、六回にようやくナショナルズ先発のケイド・カバリをとらえ、ペレスの21号2ランで4-4の同点に追いついた。

 ナショナルズは2番手のジャクソン・ラトレッジを投入したが、ロイヤルズは2死後、ニック・ロフティンがヒットで出塁し、続くイズベルが4号2ランを放って勝ち越し。八回にダメ押しの7点目を奪い、7-4でナショナルズ3連戦の初戦を制した。

2025.8.12 12:12 Tuesday

快進撃のブルワーズが今季2度目の10連勝 貯金30の大台に到達

【ブルワーズ7-1パイレーツ】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド、8月11日(日本時間12日)

 ブルワーズは本拠地アメリカンファミリーフィールドで行われたパイレーツ3連戦の初戦に7-1で快勝。ブライス・トゥラングが自身初の先頭打者アーチを放ち、背番号22のクリスチャン・イェリッチは22号勝ち越しソロでチームを勝利に導き、打撃好調のアンドリュー・ボーンが驚きのスクイズを決めた場面もあった。これにより今季2度目の10連勝を達成。地区制が導入された1969年以降、シーズン2度の10連勝を記録するのは10チーム目の快挙となった。

 このように、試合の細部を振り返るのもいい。しかし、パイレーツと戦っている今、ブルワーズの今季の戦いを振り返ってみるのもいいだろう。

 現在のブルワーズの快進撃は、5月25日に敵地PNCパークで行われたパイレーツ戦から始まった。ブルワーズはその時点で25勝28敗と振るわず、2度のチーム全体ミーティングが開かれていた。パット・マーフィー監督は「チームの強さがどこで失われてしまったのか」と嘆き、決して好ましい状況ではなかった。

 その日のパイレーツ戦も残り4アウトで敗戦を喫するところだったが、八回に新人ケイレブ・ダービンがファウルで5球粘った末、カウント0-2から同点に追いつく2点タイムリー二塁打を放った。続くトゥラングは24打数1安打の大不振だったが、勝ち越しのタイムリー二塁打を放ち、チームを6-5の逆転勝利に導いた。

 ブルワーズが複数の点差から逆転勝利を収めたのは、その日のパイレーツ戦が今季初めてだったのだ。

 試合後、マーフィー監督は「これなんだ。これこそが、われわれがプレーすべき方法だ」と語っていたが、その言葉通り、そこからブルワーズの快進撃が始まった。

 敵地PNCパークでの逆転勝利を皮切りに、ブルワーズは65試合で49勝を挙げる快進撃を見せ、メジャー最高勝率に浮上した。特に直近29試合では25勝4敗(勝率.862)と驚異的なペースで勝利を重ねており、この中には今季最長の11連勝と現在継続中の10連勝が含まれている。

 貯金は30の大台に到達し、球団史上初のシーズン100勝も狙えるペース。スモールマーケット球団の快進撃は、まだまだ続いていきそうだ。

2025.8.12 11:41 Tuesday

ツインズに強いヤンキースは健在 ウォーレンが七回途中2失点の好投

【ヤンキース6-2ツインズ】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、8月11日(日本時間12日)

 ヤンキースにとって「戦いたい相手」があるとすれば、それはツインズだろう。ヤンキースは20年以上にわたりツインズを圧倒してきた。現在のヤンキースは思うような戦いができていないが、それでもツインズに対する強さは健在だった。

 先発のウィル・ウォーレンは球威のあるファストボールを武器に、七回途中まで3安打2失点に抑える好投を披露。打線は4本のソロアーチを放つ一発攻勢を見せ、本拠地ヤンキースタジアムでのツインズ3連戦の初戦に6-2で勝利した。

 ウォーレンは6回2/3を投げ、打たれたヒットは3本だけ。バイロン・バクストンとトレバー・ラーナックのソロ本塁打による2失点のみに抑えた。ヤンキースの先発投手が6イニングを投げたのは、7月30日(同31日)のレイズ戦でウォーレンが6回6安打1失点の好投を見せたとき以来。26歳の新人右腕は四球を1つも出さず、7つの三振を奪うなど、安定したピッチングでチームの勝利に大きく貢献した。

 打線も序盤からウォーレンを援護し、ツインズ先発のゼビー・マシューズから初回にコディ・ベリンジャーが21号ソロを放って先制。三回にはジャンカルロ・スタントンとベン・ライスの連続アーチでリードを広げた。スタントンは通算440本塁打となり、ジェイソン・ジアンビと並んで歴代44位タイに浮上している。

 1点差に詰め寄られた直後の七回にはトレント・グリシャムとアーロン・ジャッジが連続タイムリーを放ち、八回にはジャズ・チザムJr.がダメ押しの20号ソロ。直近6カードのうち5カードで負け越すなど、苦しい戦いが続いているヤンキースにとって、6-2の快勝は明るい材料となった。2002年以降、ヤンキースはポストシーズンも含め、124勝44敗(勝率.738)とツインズを圧倒し続けている。

 試合前、アーロン・ブーン監督は選手とコーチを集め、「小さいことをしっかりやっていこう」とメッセージを送った。

「とにかくシンプルに、やるべきことをしっかりやろうと伝えたんだ」とブーン監督。「しっかり投げよう。いい打席を送ろう。(守備では)ボールを大切にしよう。(試合に勝つためには)それがすべてだ。それができれば、選手たちも落ち着き始める。そこからいい流れが生まれるんだ」と基礎を徹底することの重要性を説いた。

2025.8.12 11:07 Tuesday

フィリーズが八回一挙4得点で逆転勝ち 先発ウォーカーは6回1失点

【レッズ1-4フィリーズ】シンシナティ/グレートアメリカンボールパーク、8月11日(日本時間12日)

 わずか1年でこんなにも変わるものなのか。

 去年の今頃、フィリーズはタイワン・ウォーカーが先発した試合で9連敗を喫していた。その間、ウォーカーの防御率は7.36。8月末には先発ローテーションを外され、9月以降はロングリリーフに回ることになった。

 昨季の大不振から一転、今季のウォーカーは先発するたびにフィリーズに勝利のチャンスを与えているように見える。敵地グレートアメリカンボールパークでのレッズ3連戦の初戦でも6回6安打1失点の力投。フィリーズは八回に一挙4点を奪い、4-1で逆転勝利を収めた。

 フィリーズはレッズ先発のアンドリュー・アボットにほぼ完璧に抑えられ、四回まで走者を1人も出すことができなかった。五回、六回、七回と3イニング連続で先頭打者が出塁したものの、いずれも無得点。八回のマウンドには引き続きアボットが立っていた。フィリーズはハリソン・ベイダーとオットー・ケンプが2者連続で空振り三振に倒れ、このまま完封負けを喫するかに思われた。

 しかし、1点ビハインドの八回2死走者なしの状況から、突如としてフィリーズ打線が目覚めた。エドムンド・ソーサが反撃の口火を切るライト前ヒットを放ち、続くウエストン・ウィルソンが同点のタイムリー二塁打。さらにトレイ・ターナーが勝ち越しタイムリーで続き、アボットをノックアウト。2番手のトニー・サンティヤンからカイル・シュワーバーが42号2ランを放ち、勝利を大きく手繰り寄せた。

 この鮮やかな逆転劇は、ウォーカーがフィリーズに勝利のチャンスを残したことで実現したものだ。ウォーカーは6回6安打1失点の力投を見せ、シーズン通算の防御率は3.39に向上。今季14度の先発登板では防御率3.31を記録しており、その14試合でフィリーズは8勝6敗と勝ち越している。

2025.8.12 09:59 Tuesday

ツインズ・キーシャルとブルワーズ・コリンズ 両新人が週間MVPを初受賞

 11日(日本時間12日)、2025年レギュラーシーズン20週目の週間MVPが発表され、アメリカン・リーグはツインズの新人ルーク・キーシャル、ナショナル・リーグはブルワーズの新人アイザック・コリンズが選出された。ともにキャリア初受賞となる。

 ツインズからの選出は4月のタイ・フランス(現ブルージェイズ)に続いて今季2人目。ツインズの新人が受賞するのは2014年8月のダニー・サンタナ以来11年ぶりである。

 一方、ブルワーズからの選出は4月のウィリアム・コントレラス、6月のクリスチャン・イェリッチに続いて今季3人目。ブルワーズの新人が受賞するのは2019年7月のケストン・ヒウラ以来6年ぶりだ。

 なお、両リーグで新人が受賞するのは昨年9月のカイダー・モンテロ(タイガース)とマイケル・ブッシュ(カブス)以来となった。

 22歳のキーシャルは5試合に出場して打率.455(22打数10安打)、2本塁打、10打点、出塁率.455、長打率.864、OPS1.319の大活躍。両リーグ最多タイの打点を叩き出し、打率もリーグ3位にランクインした。

 2023年ドラフト2巡目指名で入団したキーシャルは、今年4月にメジャーデビューしたものの、右前腕の骨折で長期離脱。8月5日(同6日)に戦列復帰を果たし、5試合で10安打&10打点と打ちまくった。この中には10日(同11日)のロイヤルズ戦、延長11回に放ったサヨナラ本塁打も含まれている。

 28歳のコリンズは6試合に出場して打率.476(21打数10安打)、2本塁打、8打点、出塁率.577、長打率.952、OPS1.529の好成績をマーク。打率とOPSはメジャートップの数字で、出塁率と長打率も同2位にランクインした。

 7月のナ・リーグ月間最優秀新人に選ばれたコリンズは、8月も好調をキープしており、10日(同11日)のメッツ戦で放ったサヨナラ弾は本拠地アメリカンファミリーフィールドでの自身初アーチでもあった。2019年ドラフト9巡目指名でロッキーズに入団し、ルール5ドラフトを経て27歳でメジャーの舞台に辿り着いた苦労人は、予想以上の活躍でブルワーズの快進撃を支えている。

2025.8.12 09:07 Tuesday

今永が七回途中9三振の力投も及ばず カブスが痛恨のシリーズ負け越し

【カージナルス3-2カブス】セントルイス/ブッシュスタジアム、8月10日(日本時間11日)

 ナ・リーグ中地区2位・カブスの今永昇太(31)がカージナルス戦に先発し、七回途中3失点、今季最多の9三振を奪う力投を見せた。しかし、七回に許した勝ち越し点が仇となり、カブスは追い上げ及ばず2-3で敗戦。同地区ライバルのカージナルスに痛恨のシリーズ負け越しを喫し、大型連勝中の首位ブルワーズとの差は6ゲームに広がった。また、カブスの鈴木誠也は3打数1安打1四球を記録し、チャンスを演出したが、得点につながらなかった。

 今永は初回から2つのポップフライを記録して三者凡退、二回には3者連続三振を奪うなど、立ち上がりから持ち味を発揮。

 しかし三回、先頭に安打を許すと、続く8番パヘスに先制2ランを浴びた。続く四回は立ち直り、直球で2三振、3死目はサードのマット・ショウの好プレーで奪い、三者凡退に。五回、六回も三人で抑え、今永はリズムを取り戻した。

 エースの好投に応えるべく、カブス打線も奮起した。五回、9番のショウが9号2ランを放って同点に。23歳のショウは球宴後、リーグ3位の7本塁打を量産。新人ながら開幕スタメンに抜擢された前半戦は打率.198、OPS.556と適応に苦しんだが、後半戦は打率.328、OPS1.119と調子を上げてきた。カブスは今夏のトレードデッドラインでは弱点とされた三塁を補強しなかったが、ショウの覚醒によってその判断は正解に転じている。

 2-2と同点にしてもらった今永は七回も続投し、あっさりと2死までこぎつける。しかし、2死から安打そして盗塁を許すと、続くゴーマンに勝ち越しタイムリーを浴びた。

 1点のビハインドを背負ったカブスは八回、2死から鈴木が四球で出塁し、2死一、三塁のチャンスを作る。しかし、カージナルスの3番手としてここで投入されたジョジョ・ロメロがショートゴロで窮地を脱出。九回も4アウトセーブを狙うロメロに対して3人の走者を出したが、あと1点が遠く、2-3で接戦を落とした。

 今季17度目の先発で、今永は6回2/3、3失点、4安打、今季最多の9三振、無四球と好投。しかし、七回に手痛い勝ち越しタイムリーを浴び、5敗目(8勝)を喫した。今季の防御率は3.19となっている。

 鈴木は「2番・DH」でスタメン出場し、3打数1安打1四球を記録。2度の出塁でチャンスメークしたが、得点にはつながらなかった。今季の打撃成績は打率.251、OPS.829となっている。

 トレードデッドラインでは売り手に回り、今季に白旗を上げたはずのカージナルスに対し、カブスは1勝2敗で痛恨のシリーズ負け越し。地区首位ブルワーズの連勝は9に達し、1日(同2日)時点で1ゲームだった差は今や6ゲームに広がった。この差を覆すには、18日(同19日)から本拠地で予定される直接対決5連戦(18日にダブルヘッダー)で勝ち越すほかない。

 今永の次回登板は16日のパイレーツ戦となる可能性が高い。ブルワーズとの天王山に登板するためには中4日で臨む必要があるが、今季は中4日の登板では防御率4.37と苦戦している(中5日では3.15、中6日では2.03)。ただ、近頃の打線の不調で停滞するチームを救うためには、エースの奮起は欠かせないだろう。

2025.8.11 13:31 Monday

イチロー氏の教えを体現したマリナーズが7連勝 ローリー45号

【マリナーズ6-3レイズ】シアトル/T-モバイルパーク、8月10日(日本時間11日)

 ア・リーグ西地区2位のマリナーズはレイズとの3連戦の最終戦に勝利し、7連勝を飾った。カル・ローリーが45号2ランを放って先制点を挙げると、先発のブライアン・ウーも6回3失点9三振とゲームメーク。6-3でレイズに対してスイープ(3連勝)を決め、地区首位のアストロズについに0.5ゲーム差に迫った。

 前日に行われた永久欠番セレモニーのスピーチで、イチロー氏はマリナーズの選手たちにこう投げかけた。「今年のチームには大きなチャンスがある。皆さんは強く、才能に溢れている。どうか才能を軽視しないでほしい。素晴らしいチームと、目の前に広がる大きなチャンス。勝利へのプレッシャーがあることは理解していますが、勝利は常に困難であり、プレッシャーなしには得られない。プレッシャーを受け入れ、そのプレッシャーの中で最高のパフォーマンスを発揮する方法を見つけてほしい」。

 続けてイチロー氏は「もう打撃やレーザービームのような投球で君たちを助けることはできないが、私の意志と願いは常に君たちのためにある。私が毎日フィールドに来るのは、君たちがその瞬間に備えられるように助けたいからだ。君たちがその瞬間を掴めると確信している」と語った。

 イチロー氏がともに51番を背負ったランディ・ジョンソン氏をキャッチャー役に始球式を行ったこの日、マリナーズの選手たちはこの言葉を体現する試合を見せた。

 初回、主砲のローリーがライトへ45号2ランを放ち、幸先よく4点を先制。まだ8月にもかかわらず、ローリーはキャッチャーとしての1シーズンの最多本塁打記録を更新する勢いで本塁打を量産している。この本塁打で歴代2位の伝説的名捕手ジョニー・ベンチ(レッズ・1970年)に並び、残すは2021年にサルバドール・ペレスが放った48本塁打を超えるだけだ。

 今季エースに台頭した先発のウーは、3点を失いながら粘りのピッチング。再三ピンチを背負いながら、要所を三振で締め、終わってみれば6回3失点9三振の好投を見せた。その後、マリナーズは新加入のジョシュ・ネイラーの15号ソロなどで追加点を奪い、持ち前の強力ブルペン陣が無失点リレーでつなぎ、6-3でレイズを振り切った。

 本塁打王レースを快走するローリーは「彼が私たちのことを特に取り上げて、希望を与えてくれたのは本当に素晴らしかった」とコメント。好投で勝利に導いたウーも「スピーチの合間を縫って、とても明確で前向きでありながら、同時にやる気を起こさせるような言葉で私たちに語りかけてくれたのは、本当に素晴らしいことだと思う。ダグアウトにいた全員がそう感じたはずだ」と、イチロー氏の激励に感謝を述べた。

 そして、2安打1得点の活躍を見せたフリオ・ロドリゲスは「本当に胸に突き刺さった。目指す場所にたどり着くためには、多くの瞬間を逃してはならないからだ。本当に心に響いた。彼の言葉がどれほど重みを持つかは、選手なら誰もが分かっていると思いう。彼は毎日それを実行しているから。彼は今もここにいて、毎日私たちのために練習に現れる。本当に心に響いたし、多くの選手が同じように感じていると思う」と、前日の同氏の激励について語った。

 特にロドリゲスはマイナー時代からイチロー氏に師事し、チームで最も親密な関係を築いている“イチローの愛弟子”だ。過去と現在、そして未来をつなぐ架け橋としての彼らの姿は、いつ見ても色褪せない魅力を放っている。ロドリゲスは重ねてこう語った。

 「一番大事なのは、イチローが決して諦めなかったことだ。多くの人が彼を疑って『彼はここでプレーできないかもしれない、馴染めないかもしれない』と言っていたと語っていた。でも、彼は馴染む必要さえなかった。周りの人に馴染むことや、周りの人に似せようと心配している人が多すぎるように感じる。とにかく前進し続け、自分を信じ続け、それを貫き通さなければならない。彼は誰よりもそれをやり遂げたんだ。その言葉を本当に心に留めているよ。彼は周囲に合わせようとしなかったんだ。いつもと同じポーズをし続けました。マシンを使った同じルーティンを繰り返し、それが彼をどこに導いたか見てほしい。私が彼から学んだのは、周囲に合わせようとせず、自分らしく、小さなことを着実に続け、それがどうなるかを見極めるということだ」。

2025.8.11 13:17 Monday

「まるで魔法」ブルワーズがまた逆転勝利 サヨナラで9連勝飾る

【ブルワーズ7×-6メッツ】ミルウォーキー/アメリカンファミリー・フィールド、8月10日(日本時間11日)

 ブルワーズは最大5点のビハインドをひっくり返し、7-6でメッツに逆転サヨナラ勝利。ウィリアム・コントレラスのマルチ本塁打、ジョーイ・オーティズの3打点で同点に追いつくと、最終回に新人アイザック・コリンズがサヨナラ本塁打を放って試合を決めた。破竹の快進撃は止まらず、連勝は9に伸びている。

 前夜からミルウォーキーは記録的な大雨と突発的な洪水に晒されたが、それすらも今のブルワーズの勢いは止められなかった。球団によれば、本拠地アメリカンファミリー・フィールドへの主要アクセス道路のうち2本が冠水し、駐車場の1万3000台以上の駐車スペースの約半数も冠水したという。しかし、球場は良好な状態と見て、開催を強行。ブルワーズの選手たちは冠水を避けた通勤ルートをテキストメッセージで共有し、球場に辿り着いた。

 そしてこの厳しい環境の中、33700人のファンも球場に集まった。キャリア初のサヨナラ本塁打を放ったコリンズは「正直、ファンが来てくれるかどうか分からなかったけど、本当に来てくれた。このチームとこの街のためにプレーできることが本当に嬉しい」と、ファンに感謝を述べた。

 ブルワーズは今季の破竹の快進撃によってファンの心を掴んでいる。オフにはウィリー・アダメスとデビン・ウィリアムズという2人のスター選手を失ったが、コリンズのような無名の選手が続々と開花。低予算でも強豪と渡り合う不屈のチームカラーは試合にも現れ、直近の9連勝では6試合が、そしてスイープ(3連勝)したメッツとの3連戦では全ての試合が逆転勝利だ。

 この日、ブルワーズは先発のクイン・プリースターが6失点と崩れ、四回には一時0-5の劣勢に立たされた。しかし四回、コントレラスの11号ソロとオーティズの2点タイムリー反撃の狼煙を上げると、五回にもコントレラスが12号2ラン。2番手DL・ホールが3回2/3を無失点の好救援で僅差を保ったのも奏功し、ついにメッツの背中を捉えた。八回、剛腕ライアン・ヘルスリーから再びオーティズが同点タイムリーを放ち、6-6の同点となる。

 そして九回、先頭のコリンズがライトへサヨナラ本塁打。メッツの守護神エドウィン・ディアスに2-2と追い込まれたにもかかわらず、決め球のスライダーを完ぺきに捉えた。今季8本目の本塁打はキャリア初のサヨナラヒットであり、野球人生においても初のサヨナラ本塁打となった。

 コリンズは「言葉で説明するのは難しい」と感慨深げに語った。この28歳のオールドルーキーは、まさに今季のブルワーズを象徴するシンデレラストーリーを演じている。前所属はロッキーズで、2022年にはダブルAですら打率.221、OPS.684と平凡な成績に終わっていた。しかし、その年のオフにルール5ドラフト(選手の出場機会を増やすための現役ドラフト)のマイナー選手ラウンドでブルワーズに指名されたのが転機に。2023-24年はマイナーで好成績を残し、今季はメジャーで外野のレギュラーに定着。リーグ屈指の好守、そして好打でナ・リーグの新人王候補にも挙がっている。

 「まるで魔法がかかっているみたいだ。野球ってそういうものなんだ。とにかく楽しい。すごく楽しんでいるよ」とコリンズは語る。ブルワーズの魔法のような快進撃はまだ終わらない。

2025.8.11 11:24 Monday

史上初の両投げ野手が誕生 左でライトを、右で三塁を守備固め

【オリオールズ2-3アスレチックス】ボルティモア/オリオールパーク、8月10日(日本時間11日)

 アスレチックスはオリオールズとの3連戦の最終戦に3-2で逆転勝利。直近16試合で11勝と調子を上げ、オリオールズ3連戦にも勝ち越した。この日はロースターの野手全13人を注ぎ込む全員野球で終盤の逆転劇を演出。九回には内野手が不足したことから、両投げ野手のカルロス・コルテスが左利き用の外野手グラブを右利き用の内野手グラブに持ち替え、プロキャリアで初の三塁手を守った。

 アスレチックスはこの日「MLBパイプライン」の有望株ランキングで球団3位に入るルイス・モラレスがキャリア初先発を飾った。4三振を奪って無失点に抑えたものの、5四球を与えるなど制球に苦しんだ。有望株のモラレスには球数制限が課せられており、2回2/3限りでマウンドを降りた。

 五回、3番手ベン・ボウデンがオリオールズのジョーダン・ウエストバーグにソロ本塁打を浴び、ついに試合の均衡が崩れた。アスレチックスも六回に新人コルビー・トーマスのタイムリーですぐさま同点に追いついたが、七回にコビー・メヨにタイムリーを浴び、1-2と勝ち越しを許した。

 しかしアスレチックスは諦めず、九回にチャンスを作る。1死一、二塁で8番ウィリー・マカイバーがレフト線に二塁打を放ち、代走で一塁走者に入っていたローレンス・バトラーが激走で逆転のホームを踏んだ。

 アスレチックスは3-2とリードを奪い、あとは最終回を抑えるだけだったが、内野手が一人足りなかった。逆転のホームを踏んだバトラーは三塁手ジオ・ウルシェラの代走として試合に入っていたため、三塁手が不在だった上、控え内野手も既に使い切っていた。

 そこで八回からライトに守備固めで入っていたコルテスが三塁手として起用された。生まれつき左利きのコルテスは8歳のとき、複数のポジションを守れるようにと父から右投げを学んだ。2018年にコルテスは二塁手としてドラフト指名を受けたが、翌年には外野手に転向。2019年を最後に二塁を守ったことはなかった。

 グラブを右から左に持ち替え、6年ぶりに内野を守っただけではなく、コルテスは未経験の三塁にぶっつけ本番で挑んだ。これは左打者との対戦が多いことを見込んだ上での配置で、「それで良かった。でも緊張したよ」と胸をなでおろした。

 奇策を披露したマーク・コッツェイ監督は「これは昔ながらのチーム一丸の勝利だった。全員が貢献した。両利きの選手が内野に回って守備をしたんだ。これは自らを慣れない立場に置く覚悟があってチームのために犠牲を払った物語っている」とチームを称賛。印象的なコルテスの守備固めのみならず、控え捕手のマカイバーが打っては決勝タイムリー、守備でも再三の好プレーを見せるなど、本来は脇役の選手たちが奮闘した。

 そしてコルテスはこの日、MLBの歴史に名を刻んだ。両投げの投手としては過去にパット・ベンディッティ(奇しくも同じアスレチックスでデビュー)がメジャーでプレーした記録が残っているものの、野手が同じ試合でグラブを持ち替えて両投げを行った記録は存在しない。

 MLBのデータベースの両投げとして登録された野手は、歴史上でコルテスのほかにブルワーズのアンソニー・シーグラーしかいない。今季デビューしたばかりのシーグラーはまだ捕手と三塁手でしか出場経験がなく、左投げで守ったことがない。コルテスはシーグラーに先んじて唯一無二の偉業を達成した。

 この日、コルテスは既に交代済みの同僚マックス・シューマンから右利き用のグラブを借りた。しかし、今後は右利き用のグラブも持参するつもりだ。「これからは自分のグラブを持ってこないとね。念の為」とコルテスは笑いながらコメントした。

2025.8.11 09:55 Monday

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