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ナショナルズ・ウッドが自身初のサヨナラアーチを含む1試合2本塁打
【ロッキーズ3-4xナショナルズ】@ワシントンD.C./ナショナルズ・パーク
首都ワシントンD.C.の暑さと湿気は、今季MLBワーストタイとなる11連敗中のナショナルズに余計なプレッシャーを与えていた。しかし、今季売り出し中の若きスター外野手、ジェームス・ウッドがひと振りで嫌な空気を一掃してみせた。
ウッドは1点ビハインドで迎えた十一回裏に自身初のサヨナラ本塁打となる20号逆転2ランを放ち、チームを4-3の勝利に導いた。泥沼の11連敗中だったナショナルズだが、ウッドの劇的な一打により、ようやく大型連敗に終止符を打っている。
ウッドは「ボールが(フェンスの向こう側で)バウンドしたのを見たあとは、ほとんど何も覚えていないんだ」と自身初のサヨナラ弾を振り返った。
ナショナルズのデーブ・マルティネス監督は「おそらく、これから何本も打つうちの一本になるだろう。どの選手であれ、最初の一本を見られるのは嬉しいけれど、もっともっとこういうプレーを見たいね。彼は強心臓なんだ。ああいう状況で本当に頼りになる選手の一人だし、今日はそれを証明してくれたね」と22歳の若きスター外野手の活躍を称賛。今後のさらなる活躍にも期待を寄せた。
今日の試合で打点を記録した選手はウッドだけ。2本の2ラン本塁打を放ち、一人でチームを勝利に導いた形だ。今日の勝利により、ナショナルズは2009年8月18~20日以来となるロッキーズ3連戦のスイープ負けを回避。また、ワシントンD.C.移転後の最長連敗(2008年8月8~20日の12連敗)に並ぶことも回避できた。
ウッドは「ホッと一息つくことができたくらいのこと」と語りつつも「僕たちは一生懸命プレーしていたのに、なかなか上手くいかなかった。だから、少しだけでも状況が好転したのは良かったと思う。勝てたのは嬉しい」と久々の勝利を喜んだ。
もちろん、今日の勝利はチーム全体の努力によるものでもあった。ナショナルズの投手陣は十回までロッキーズ打線を2得点に抑え、ロッキーズ打線に10個の残塁を記録させた。マルティネス監督は六回表のピンチで先発のトレバー・ウィリアムスをリリーフしたコール・ヘンリーの働きを称賛。ヘンリーは捕手キーバート・ルイーズの好リードにも助けられながら二者連続三振で見事にピンチを切り抜けた。
しかし、ウッドの2本塁打がなければ、投手陣の頑張りも無意味なものとなっていたはずだ。
マルティネス監督は「我々は試合中ずっと言い続けてきた。『誰かがこの試合に勝つ。とにかく、最高の瞬間を掴まなきゃ』とね。そして、まさに最高の瞬間が訪れた。あの若手(ウッド)が打席に入り、チームを救ってくれたんだ。最高だったよ。選手たちは決して諦めないんだ」と大興奮。今季開幕から素晴らしい活躍を見せているウッドがまさにチームの救世主となった一戦だった。
ウッドが四回裏に放った先制の19号2ランは打球速度110マイル、飛距離403フィート(約122.8メートル)を計測。ウッドにとって打球速度110マイル以上の本塁打は今季10本目となり、球団記録(2021年カイル・シュワーバーの11本)まであと1本に迫った。そして、十一回裏のサヨナラ弾も打球速度110.2マイルを計測し、ウッドはシュワーバーが持つ球団記録に並ぶことになった。
また、110マイル以上の本塁打11本は、今季のMLBにおいて大谷翔平(ドジャース)と並んで最多の数字となっている。
さらに、22歳275日で「サヨナラ本塁打を含む1試合2本塁打」を放ったのはナショナルズの球団最年少記録である(前身のエクスポズも含む)。
常に打つ気満々のウッドは、十一回裏2死三塁の場面でロッキーズが勝負してきたことに驚きはなかった。しかし、マルティネス監督は驚いただけでなく、安心もしていたという。
「いろんな球種を混ぜて攻めてくると思っていた。でも彼は落ち着いていたね。甘く入ったスプリッターを仕留めた。いつもの彼らしく、強心臓ぶりを見せてくれた。打つべきボールをしっかりセンター方向に打ち返したんだ」とマルティネス監督はウッドを称えた。
先発のウィリアムスも「彼がメジャーリーグの舞台で大活躍する姿を見るのが楽しみだよ。フルシーズン1年目でこれだけの成績を残すなんて信じられない。本当に素晴らしい。今季が終わるまでに彼がMLBの顔の一人になっていたとしても、僕は驚かないよ」と今季のウッドの活躍ぶりを称賛。ウッドは今季75試合に出場し、打率.284、20本塁打、56打点、9盗塁、OPS.944と素晴らしい活躍を続けている。
2025.6.20 12:12 Friday
アレナドが史上7人目の快挙達成 通算350本塁打&ゴールドグラブ賞10度
【カージナルス8-6ホワイトソックス】@シカゴ/レイト・フィールド
日本時間6月20日に敵地レイト・フィールドで行われたホワイトソックスとのダブルヘッダー第1試合、ノーラン・アレナド(カージナルス)は初回にレフトへ飛距離358フィート(約109.1メートル)のフライを放った。もしこの試合がヒューストンのダイキン・パークで行われていたら、この一打が記念すべき本塁打になっていただろう。
それから11イニングが経過し、アレナドはダブルヘッダー第2試合でほぼ同じ場所に打球を放った。しかし、今回はより力強くボールを打ち返し、打球はフェンスオーバー。アレナドは第1試合で惜しくも逃した快挙を成し遂げることになった。
アレナドはダブルヘッダー第2試合の三回表に放ったこの一発で、輝かしいキャリアにおける通算350本塁打を達成。クーパーズタウンの殿堂入りを果たした選手、あるいは殿堂入りに向けた道のりを歩んでいる選手たちがズラリと名を連ねるリストの仲間入りを果たした。また、アレナドは十回表に勝ち越しタイムリーを放ち、チームのダブルヘッダー連勝に貢献している。
通算350本塁打を達成したのはジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)、マイク・トラウト(エンゼルス)、ポール・ゴールドシュミット(ヤンキース)、マニー・マチャド(パドレス)、フレディ・フリーマン(ドジャース)に次いでアレナドが現役6人目。しかし、アレナドの守備での実績を含めると、MLBの歴史に残る快挙となる。
今日の試合が始まる前の時点で、通算350本以上の本塁打を放ち、10度以上のゴールドグラブ賞に輝いた選手はMLBの長い歴史上でもわずか6人しかいなかった。ジョニー・ベンチ、マイク・シュミット、ウィリー・メイズ、ケン・グリフィーJr.、アンドリュー・ジョーンズ、アル・ケーラインという顔ぶれであり、ジョーンズ以外の5人は殿堂入りを果たしている。
通算350本塁打を達成したアレナドはMLBデビューした2013年から2022年まで10年連続でゴールドグラブ賞に輝いており、上記の6人に続く史上7人目の快挙を達成。このエリート集団とともに、いつかアレナドもクーパーズタウンの野球殿堂に自身の記念碑が飾られることになるかもしれない。
2025.6.20 10:58 Friday
PCAが球団史上最年少で「20-20」を達成 鈴木は5打数ノーヒット
【ブリュワーズ8-7カブス】@シカゴ/リグレー・フィールド
日本時間6月18日の試合でピート・クロウ=アームストロング(カブス)は攻守にわたる活躍を見せ、本拠地リグレー・フィールドの観客たちは「MVP!」と大合唱した。しかし、翌日の試合は雨天延期となり、ファンはクロウ=アームストロングの活躍を見る機会を失っていた。
カブスは日本時間6月20日、ブリュワーズに7-8で敗れたものの、クロウ=アームストロングは再び観客を魅了した。初回にライトへ20号逆転2ランを放ち、 この若き中堅手は球団史上最速でシーズン20本塁打&20盗塁を達成したのだ。
「これを達成することができて本当に光栄だ」とクロウ=アームストロングは語った。
ブリュワーズの右腕フレディ・ペラルタが投じた高めの96.3マイルの速球をとらえた打球は今季20号アーチとなり、クロウ=アームストロングは今季73試合で20本塁打&23盗塁を記録。カブスでは1994年にサミー・ソーサが96試合目で20本塁打&20盗塁を達成していたが、クロウ=アームストロングはそのチーム記録を塗り替えた。
MLB.comのサラ・ラングスによると、73試合目での20本塁打&20盗塁達成はMLB史上4位タイのスピード記録である。
カブスのクレイグ・カウンセル監督は「これを続けよう。彼は素晴らしいシーズンを過ごしている」と若きスター外野手の活躍を称えた。
MLB最速記録は、1987年にエリック・デービス(レッズ)がマークした46試合。1998年のホセ・カンセコ(ブルージェイズ)が68試合、2021年のフェルナンド・タティスJr.(パドレス)が71試合で続き、クロウ=アームストロングの73試合は1922年のケン・ウィリアムス(セントルイス・ブラウンズ=現オリオールズ)と並ぶものである。
ちなみに、上記の選手たちは全員が30本塁打&30盗塁に近い数字を残したが、40本塁打&40盗塁に到達した者はいなかった。デービスは37本塁打&50盗塁、カンセコは46本塁打&29盗塁、タティスJr.は42本塁打&25盗塁、そしてウィリアムスは39本塁打&37盗塁でシーズンを終えた。
また、23歳のクロウ=アームストロングはカブス史上最年少で20本塁打&20盗塁を達成した選手となった。クロウ=アームストロングは今季MLBで20本塁打以上を記録している6人のうちの1人であり、その一方で盗塁数ではMLB全体3位にランクインしている。
同僚のダンズビー・スワンソンは、クロウ=アームストロングについて「彼は特別な才能の持ち主だ。特別な才能を持っていることと、実際にそれを発揮することは別物(だが、彼はその両方ができる)。あらゆる意味において、あんなにエネルギッシュな彼と一緒にプレーできるのは本当に素晴らしいことだよ」と語っている。
カブスは四回裏にスワンソンが14号ソロ、七回裏にはイアン・ハップが8号2ランを放って追い上げたが、最後はブリュワーズのクローザー、トレバー・メギルの前に鈴木誠也がサードゴロ併殺打に倒れて試合終了。クロウ=アームストロングまで打順を回すことができなかった。
スワンソンは今日の試合を振り返り、「こういう試合展開になる日もある。相手チームに27個のアウトを取らせてしまった」と語った。
カブスの鈴木は「3番・DH」でスタメン出場したが、5打数ノーヒット2三振。2試合ぶりの無安打に終わり、今季の打撃成績は打率.256、出塁率.312、OPS.839となっている。
2025.6.20 09:14 Friday