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ブルージェイズの積極的なオフシーズンの青写真とは

 ブルージェイズの眼前には大きなチャンスが広がっている。ワールドシリーズ第7戦まで勝ち進み、強豪としての地位を再確立したブルージェイズは、オフシーズンに入っても絶好調だ。球団の顔であるスター選手を擁し、ベテランスター選手の大半はチームに残る、そして堅固なファームシステムと潤沢な資金を持つ。今オフは大胆な戦略を練る必要がある。

 ブルージェイズは既に獲得し得るすべての大物と交渉中だが、11月中旬の時点では「最有力候補」はおらず、明確なターゲットを探っている。1チームだけが獲得に成功し、他の29チームは獲得できず、あらゆる交渉は水の泡となるだろう。しかし、オフシーズンのこの時期は、ブルージェイズがこれまで以上に必要としている、戦略と積極的な戦略を策定する上で有益だ。

カイル・タッカーとボー・ビシェット

 タッカーの契約は3億ドルを超える可能性があり、高額ではあるものの、タッカーは「ブルージェイズ野球」のあらゆる要素を最大限まで引き出した存在と言えるだろう。確かに、その要素はどれも「10」まで引き上げられておらず、真のエリート選手としての能力は持ち合わせていないが、タッカーは堅実な打者であり、この市場のトップに君臨するだけの理由がある。 ブルージェイズは2025シーズンの総年俸を上回るだけの柔軟性を持っている。オーナー陣がポストシーズンでの快進撃を味わってしまった今、以前のやり方に戻るのは難しい。今のところ、タッカーはブルージェイズが関心を持つ選手の一人だが、予算を上回ることがあれば、ブルージェイズがタッカーを追い続けることはないだろう。 一方、FAとなったビシェットには感傷的な部分もある。フロントはそういった感情を表に出さないようにしているが、ファンにとってはこれは1年前のブラディミール・ゲレーロJr.の契約延長交渉を巡る議論のダイエット版のようなもので、長年フランチャイズの礎を築いてきたビシェットが退団してしまうのではないかと懸念している。 「素晴らしい選手だ。ボーは、今日の我々の好調に大きく貢献してくれた。我々が5シーズンの安定した成績と、本当に素晴らしい1年を終えることができたのは、彼のおかげだ。彼の貢献は計り知れない。彼は市場にとって魅力的な選手になるだろうし、我々も彼の市場にいるだろう」と、ロス・アトキンスGMは言った。 ビシェットの市場は、上限と下限の幅が大きいだろう。ブルージェイズはビシェットが強く希望すればショートとして起用する用意があると明言しているが、ビシェットを二塁、アンドレス・ヒメネスをショートに据えた方が、ブルージェイズの守備力は高くなる。ブルージェイズは状況が進展するにつれ、ビシェットの市場に留まることが予想されるが、それには時間がかかるかもしれない。

2027シーズン以降:お金の問題

 オフシーズンに積極的に取り組む理由がまさにここにある。 ジョージ・スプリンガー、ケビン・ゴースマン、ドールトン・バーショ、シェーン・ビーバー、そしてイミ・ガルシアは2026年以降フリーエージェントとなる。ホセ・ベリオスにもオプトアウトの権利がある。ブルージェイズは外野と先発ローテーションの整備が明らかに必要であり、これらの準備は事前に行う必要があるだろう。 もしブルージェイズが今オフに、昨年のヒメネスのような驚くべきトレード・契約を果たすとしたら、それは外野手になるだろう。ヒメネスがニーズが生まれる1年前に遊撃手としてチームを守ったように、ブルージェイズは外野手でもそれを再現する必要がある。 先発ローテーションも同様で、ゴースマンと交わしたような契約、あるいはベリオスのようなトレード+契約延長のような動きが必要となる。タリック・スクーバルを筆頭とする来年のフリーエージェント層は、それほど強力ではないため、ブルージェイズにとって今オフは長期的な解決策を先取りする絶好の機会となる。

伸びしろ

 ブルージェイズは今オフもファームシステムへの自信を深めている。トレイ・イェサベージ、ブレイドン・フィッシャー、アディソン・バージャー、アーニー・クレメントといった選手の育成は、それぞれ数百万ドルから数千万ドルの節約につながる。来季はリッキー・ティードマン、ゲージ・スタニファー、ヨーヘンドリック・ピナンゴ、RJ・シュレックなど、他にも多くの選手が活躍するかもしれない。 ええ、ブルージェイズはリリーフ投手、さらにはクローザーの補強を模索するだろう。これはブルージェイズにとって、いわば「贅沢」と言えるかもしれない。ベテラン選手の獲得でロースターを寄せ集める必要がないからだ。また、タッカーとビシェットのどちらかを選ぶといったように、大型補強に適応できる若手選手を起用することで、費用対効果の高い補強を追求できる可能性も秘めている。

2025.11.16 10:06 Sunday

フロント関係者に聞いた「FAの先発投手トップ5」 今井は3位

 オフシーズン中に球団を強化するには、質の高い先発投手と契約するより良い方法はおそらくないだろう。 球界は、ワールドシリーズの第6戦と第7戦における山本由伸の英雄的な活躍によって、そのことを改めて思い知らされた。 イニング数は減少傾向にあるものの、先発投手は依然として野球の主役であり、勝敗を左右する上で大きな役割を果たす。そしてポストシーズンでは、エース級投手がより多くのイニング数を占めるため、先発投手の重要性はさらに高まる。 「プレーオフのローテーション編成には、エリート投手が鍵だと考えている。ペナント優勝チームで、一流の実力派投手がいないことは稀だ。自分が育てた7巡目指名選手ばかりでは、タイトルは取れない。レギュラーシーズンを勝ち抜くことはできても、タイトルには届かない」と、あるベテランのスカウトは語る。

 FA市場には全盛期を迎え、将来殿堂入りするような選手はいないかもしれないが、トップ層には優れた選手が揃う。しかし、トップ層の選手の間に明確な序列はなく、獲得を目指す球団は賢明な選択をしなければならない。 この先発投手のトップ層をどうランク付けするのか。5人の球団幹部に聞けば、5通りの順位が出てくるかもしれない。複数のフロント関係者へのアンケート調査、データを掘り下げ、総合的にランク付けを行った。

1位:ディラン・シース、右腕、30歳(年齢は2026シーズン時)

 フロント関係者の間で第1位をめぐる意見は一致しなかったが、シースは多くの支持を得た。 シースは実力と安定感、そして耐久性を兼ね備える。そして、同じく第1位候補のフランバー・バルデスより2歳若く、来季もまだ30歳だ。 「シースとフランバーは信じられないほどタフで、強力な武器を持っている。年間33回も先発するとなると、自分が投げるイニングだけでなく、8番手と9番手の先発投手が投げなくて済むイニングも重要になる」と、あるGMは語った。 シースは2021年以降、4.5、4.4、3.6、4.7、3.4のfWAR(代替可能な選手と比べ、上積みした勝利数を示す総合指標)を連続で記録しており、これらのシーズンではいず​​れも少なくとも165イニングを投げている。そしてその5シーズン連続で200三振以上をクリアする。 他にもこのような記録を持つ現役投手はいるだろうか。 クレイトン・カーショウ:2010~2015年(6シーズン) クリス・セール:2013~2019年(7シーズン) マックス・シャーザー:2012~2019年(8シーズン) ジャスティン・バーランダー:2009~2013年(5シーズン) そして、シースは2025年に自己最高の平均球速(97.1マイル)を記録しており、衰える兆候は全く見られない。 四球率を、トップクラスの三振率(昨シーズンは29.8%、通算では28.6%)と同等まで改善できれば、さらに高いレベルに到達できるだろう。もちろん、これはほとんどの関係者が改善の余地があると感じる欠点だ。シースの通算四球率は10%だ。 さあに3つ目の球種を開発できれば、さらに良い投手になるだろう。 あるスカウトは、近年の球種設計の進歩により、多くの投手がスプリットやスプリットチェンジアップを追加しており、シースがその候補になる可能性があると指摘している。 「たとえシースが(オフスピードの球を)習得できなかったとしても、私は高校3年生の頃から彼を見ていて、彼の人間性を信じている」とスカウトは語った。 スプリッターであろうとなかろうと、シースは素晴らしい。

2位:フランバー・バルデス、左腕、32歳(年齢は2026シーズン時)

 確実なことは何もないが、バルデスはチームにとって確実な選択肢だ。 2022年以降、バルデスは4.4、4.4、3.7、4.0というfWARを記録している。また、これらのシーズンではいず​​れも少なくとも176イニングを投げている。 2021年以降、この左投手はメジャーリーグで400イニングに到達した投手の中で、投球イニング数(902 1/3)で5位、fWAR(18.3)で9位、防御率(3.20)で18位にランクされている。 オールスターに2回出場し、サイ・ヤング賞の投票でトップ10に3回入り、ワールドシリーズリングも持っている。 32歳のシーズンを迎えているが、衰える気配は全く見られない。 2025シーズンのK-BB%(三振率から四球率を引き算した指標)は14.8で、はキャリア平均(14.8)とほぼ同水準だった。昨シーズンのStuff+(100を平均として、球種の質を示す)108は、フルシーズンではキャリア最高記録だった。 ナ・リーグのスカウト陣は、ランキング1位のバルデスについて「スプレッドシート・スカウティング(数字だけを見るスカウティング)の方がシースを気に入るだろう。しかし、もう一方(バルデス)はチャンピオンリングを持っている」と語った。 ア・リーグのベテランスカウトはこう語った。「プレーオフでの実績、耐久性、投球の質から、バルデスをトップスターターとみなしている」 シースと同様に、バルデスも耐久性と生産性に優れています。2026年のSteamer(成績予測システム)の予測も同様だ。 バルデス:防御率3.47、WAR3.7、188イニング シース:防御率3.61、WAR3.7、185イニング ただ、両者のピッチングスタイルは異なる。 バルデスは四球やフライをほとんど許さない。ゴロを多く打たせる投手であり、2021年以降のゴロ率62%は、規定に到達した投手の中で4位にランクインしている。また、2021年以降、併殺打率ではMLBトップに立っている。 バルデスにとって、単に異なる環境に移るだけでもメリットがあるかもしれない。 前所属アストロズの本拠地ダイキンパークのクロフォードボックスは、左腕にとって必ずしも有利とは言えない。バルデスの通算HR/FB(フライ打球に占める本塁打率)は14.9%で、MLB平均の12%を上回る。さらに、アストロズの守備力は近年中堅レベルに後退しており、2023年以降、守備防御率は合計33点減少している。 あるア・リーグのGMはこう語った。 「カブスの守備陣のようなチームにバルデスを置けば、もう1点も失点を許すことはないかもしれない」

3位:今井達也、右腕、28歳(年齢は2026シーズン時)

 今井はFA市場トップの海外選手だ。山本由伸レベルの才能はないかもしれないが、一部の関係者にとってはシースやバルデスと同等ランクに位置する。 「(トップ層以後の)次のグループは大きく格が落ちてしまう。残りの選手には、上位3人に匹敵するだけの実力も耐久力もない」と、ア・リーグの球団幹部は言う。 今井は西武ライオンズで163回2/3を投げ、防御率1.92、178奪三振を記録したシーズンを終えたばかりだ。NPBでは投高打低が顕著になる中でも、この成績は依然として印象的だった。 スライダー、チェンジアップ、スプリッターなど、多彩な球種を操る。速球は99マイル(160キロ)に達する。スプリッターはさらに進化する可能性があるとの声もある。 2022年に左足首を負傷した以外は健康状態は良好で、3シーズン連続で少なくとも158イニングを投げている。

4位:レンジャー・スアレス、左腕、30歳(年齢は2026シーズン時)

 スアレスの豊富な投球スキル(5球種をまんべんなく2桁の投球率で投げる)と優れたコントロール(2025年の与四球率5.8%)は球団の興味をそそる。 「レンジャーは、そのストライク率率の高さと非常に多様な武器のおかげで、おそらくこのグループの中で一番のお気に入りだ」と、ある球団のアナリストは語った。 別の人はこう言った。 「スアレスがナンバーワンだと考えるのはおかしなことか?」 Steamer(成績予測システム)も、上位の選手たちよりもスアレスを高く評価しており、防御率 3.55、fWAR 3.3、169 イニングを予想している。 ただ、耐久性という懸念点もある。 「スアレスは素晴らしいコントロールと打者を騙すスキルを持っている。彼が負傷者リスト入りした回数(6回)が心配だ。だからこそ、彼をトップ3の後ろに位置づけているのだ」と、あるGMは語った。

5位:マイケル・キング、右腕、31歳(年齢は2026シーズン時)

 キングは一部の人にとってはトップ3に入る可能性もある投手だ。しかし、2025年シーズンは肩の負傷に苦しみ、FA選手としてはリスクもある。 あるGMは「キングがランキングの他の投手のように投球することはないだろうが、彼はユニークで、調子が良ければ他の投手のように投球できる」と語った。 9月の復帰後は不安定なパフォーマンスだったが、球速は安定していた。2023年以降、キングはシースと並んでMLB21位に入る19.3のK-BB%を記録している。 あるアナリストは「健康状態は心配だが、そのおかげで(安く抑えられる)契約のコストパフォーマンスが一番良くなるかもしれない」と分析。 別のスカウトは「キングを3位に挙げたのは、彼の能力、打者を騙す能力、そして肉体的な強さがピークに達していたからだ。また、彼のタフさ、そして打者を軽蔑する姿勢も理由だ」と語る。 ザック・ギャレン、今永昇太、ザック・エフリンなど、他にも多くの選手が支持を集めた。これはFA上位層の才能と、その層の厚さを物語っており、オフシーズンが魅力的なものになることは間違いない。

2025.11.16 09:25 Sunday

ロイヤルズのオールスター左腕ブービッチに複数の球団が関心を示す

 今オフ、トレードで獲得可能なエース候補が不足することはないだろう。フレディ・ペラルタ(ブルワーズ)、ジョー・ライアン(ツインズ)、タリック・スクーバル(タイガース)といった好投手たちのトレードの噂がすでに飛び交っている。しかし、トレードによるエース獲得は巨額の投資を必要としない一方、若手有望株を含む大きな出血が必要となる可能性が高い。

 若手有望株を放出したくない、あるいは他球団が欲しがりそうな若手有望株がいないチームには、別の選択肢があるかもしれない。米メディア「ジ・アスレチック」のウィル・サモンによると、ロイヤルズの左腕クリス・ブービッチが今オフ中にトレードで放出される可能性があり、すでに複数の球団が関心を示しているという。

 28歳のブービッチはメジャー6年目の今季、20試合に先発して116回1/3を投げ、8勝7敗、防御率2.55、116三振という自己最高の成績をマーク。前半戦の活躍が認められ、オールスター初選出を果たした。ところが、7月下旬に左回旋筋腱板を痛め、早々にシーズン終了。トミー・ジョン手術で2023年と2024年の大部分を欠場した左腕は、今季もシーズンを完走することができなかった。しかし、ケガの懸念があるとはいえ、華々しい復活劇で他球団の幹部からの関心を集めるようになり、高い潜在能力を持つエース候補として、複数の球団から関心を寄せられているようだ。

 もちろん、ロイヤルズがブービッチの放出に応じるという保証はない。2024年以来のポストシーズン復帰を目指すロイヤルズは、先発投手をトレードで放出することによって何を得られるか、トレードのメリットとデメリットを慎重に検討することになるだろう。なお、サモンによると、ロイヤルズのほかの先発投手(コール・レイガンズ、マイケル・ワカ、セス・ルーゴ)がトレードされる可能性はブービッチ放出の可能性よりも低いという。

 打線強化(特に外野手)が長年の課題となっているロイヤルズ。フリーエージェント(FA)まで残り1年となったブービッチをトレードの駒として、打線のアップグレードに動く可能性はありそうだ。

2025.11.15 11:24 Saturday

ホフマン賞を受賞したディアス メッツ残留の可能性は「五分五分」と発言

 エドウィン・ディアスが前回フリーエージェント(FA)となったのは2022年シーズン終了後で、そのときはメッツがすぐに再契約に動いた。ワールドシリーズ終了のわずか4日後、メッツはディアスと救援投手史上最高額となる5年1億200万ドル(約153億円)の大型契約を締結。しかし、今回は両者が合意に向けて急いでいるようには見えない。

 ディアスは今月上旬、オプトアウトの権利を行使してメッツとの契約(残り2年)を破棄し、FAとなった。13日(日本時間14日)にはラスベガスで行われた「MLBアワード」に出席し、代理人がメッツとの新しい契約に向けて交渉を行っていることを明言。しかし、メッツと再契約を結ぶ可能性については「五分五分」と語り、慎重な姿勢を崩さなかった。

 ディアスをめぐる市場はすでに形成されつつある。米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールによると、ディアスの代理人はゼネラルマネージャー(GM)会議でブルージェイズと面談を行ったようだ。

 ブルージェイズは今季新加入のジェフ・ホフマンが不安定なパフォーマンスに終始したため、クローザーのアップグレードを狙っている可能性がある。3年3300万ドル(約49億5000万円)で加入したホフマンは移籍1年目の今季68イニングで15本塁打を浴び、防御率4.37に終わった。ポストシーズンでは本来の姿を取り戻したが、ワールドシリーズ第7戦では優勝まであと2アウトに迫った場面でミゲル・ロハスに同点アーチを被弾。痛恨のセーブ失敗を喫し、ブルージェイズは延長戦の末に敗れた。

 今オフのFA市場には有力なクローザーが多数おり、ロベルト・スアレス、デビン・ウィリアムス、ライセル・イグレシアス、ライアン・ヘルズリー、ピート・フェアバンクス、ケンリー・ジャンセンらも市場に出ている。しかし、その中で一番の大物がディアスであることは間違いない。

 13日(同14日)、ディアスはナショナル・リーグの最優秀救援投手に与えられるトレバー・ホフマン賞を受賞(3年ぶり2度目、ほかにアメリカン・リーグのマリアーノ・リベラ賞を1度受賞)。今季は66回1/3を投げて98三振を奪い、28セーブ、防御率1.63の好成績をマークした。

2025.11.15 10:19 Saturday

トレード市場で注目の野手は? オリオールズ・ラッチマンらが関心を集める

 MLBはオフシーズンに突入し、各球団が獲得を希望する選手に対してトレードの問い合わせを行っている。米メディア「ジ・アスレチック」のジム・ボーデンによると、トレード市場では複数の野手が注目を集めており、その中にはオリオールズのオールスター捕手、アドリー・ラッチマンも含まれているという。

 ラッチマンは2023年と2024年にオールスター選出を果たしたスター捕手。しかし、2024年シーズンの後半戦から成績が急激に落ち込み、今季は両脇腹のケガに悩まされるなど、365打席で自己ワーストのOPS.673に終わった。オリオールズにとってラッチマンは不動の正捕手だったが、8月に有望株捕手のサミュエル・バサヨがメジャー昇格を果たし、8年契約を結んだため、ラッチマンのトレードの可能性がさかんに取り沙汰されるようになった。

 しかし、オリオールズのマイク・エライアス編成本部長は9月29日(日本時間30日)に行ったシーズン終了後の記者会見において、フリーエージェント(FA)までの保有期間があと2年残っているラッチマンをトレードで放出する可能性を明確に否定した。

 ボーデンによると、ラッチマンのほかには、ジャレン・デュラン(レッドソックス)、スティーブン・クワン(ガーディアンズ)、ノーラン・アレナド、ソニー・グレイ、ウィルソン・コントレラス(いずれもカージナルス)らがトレード交渉の対象になっているという。カージナルスの3選手はいずれもトレード拒否権を持っているが、状況次第ではトレードに応じる可能性がある。また、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシは11日(同12日)、カージナルスがアレナド、グレイ、ブレンダン・ドノバン、アレック・バーレソンのトレードを前向きに検討していることを報じた。

 デュランはFAまでの保有期間があと3年残っているが、レッドソックスには質の高い外野手が揃っているため、トレードの噂が絶えない。ボーデンはレッドソックスについて「適切な一塁手、三塁手、または先発投手とのトレードであれば、デュラン放出に応じる可能性がある」と伝えている。また、ボーデンによると、ガーディアンズはクワン放出の対価として「クワンよりも長打力があり、センターを守ることができる選手」を求めているという。クワンはメジャーデビューから4年連続でゴールドグラブ賞を受賞。FAまでの保有期間はあと2年となっている。

2025.11.15 09:32 Saturday

注目のタッカー争奪戦 ア・リーグ王者ブルージェイズが有力候補か

 ラスベガスで行われたゼネラルマネージャー(GM)会議は13日(日本時間14日)に終了した。大型移籍は成立しなかったが、MLB.comのマーク・フェインサンドによると、カブスからフリーエージェント(FA)となったカイル・タッカーの獲得に最も強い関心を示しているチームとして、今季のアメリカン・リーグ王者、ブルージェイズの名前が何度も挙がっていたという。

 フェインサンドは13日(同14日)、MLBネットワークの番組「MLBトゥナイト」に出演した際、以下のように語った。

「今週はずっと同じチームの名前が挙がっていた。ヤンキース、フィリーズ、そしてドジャース。しかし、タッカーに関連して、ほかのどのチームよりも多く名前を聞いたのはブルージェイズだった。ブルージェイズは今季ワールドシリーズ進出を果たし、とても勢いに乗っているチームだ。タッカー争奪戦において、ブルージェイズが有力候補の1つであることは間違いないと思う」

 MLBネットワークのジョン・ヘイマンもフェインサンドの見解に同意。今オフのFA市場の目玉であるタッカーの争奪戦に「ブルージェイズは間違いなく参戦するだろう」と語った。一方、タッカー獲得を狙うチームにとって、大きな脅威とならない可能性が高いチームが1つある。それはタッカーが今季在籍したカブスだ。フェインサンドはタッカーがカブスと再契約を結ぶ可能性について「おそらくないだろう」としている。

 28歳のタッカーはカブスに移籍した今季、136試合に出場して打率.266、22本塁打、73打点、25盗塁、出塁率.377、OPS.841をマークし、2年ぶり2度目のシルバースラッガー賞を受賞。2022年から4年連続でオールスターに選出されているほか、2022年にはゴールドグラブ賞の受賞経験もあり、2023年には自己最多の112打点をマークして打点王のタイトルを獲得した。走攻守すべてハイレベルなスター外野手として、FA市場で大きな注目を集めている。

2025.11.15 08:53 Saturday

パドレスからFAとなった右腕キング ヤンキース復帰の可能性も

 米メディア「ジ・アスレチック」のジム・ボーデンが報じたところによると、パドレスからフリーエージェント(FA)となった先発右腕マイケル・キングのヤンキース復帰は「現実的な可能性がある」という。しかし、ヤンキースはキング獲得をめぐり、他球団との競争に直面することになるだろう。同メディアのサハデブ・シャルマとパトリック・ムーニーは、カブスがキングに「注目している」ことを報じている。

 キングは2019年にメジャーデビューし、主にリリーフを務めながら5シーズンをヤンキースで過ごした。2022~23年には合計83試合(うち9先発)に登板し、防御率2.60と安定した成績をマーク。2023年12月にフアン・ソトを含む大型トレードでパドレスへ移籍し、フルタイムの先発投手に転向した。移籍1年目の活躍は素晴らしく、173回2/3を投げて防御率2.95、201三振の好成績。ナショナル・リーグのサイ・ヤング賞投票で7位にランクインした。

 今季は右肩や左膝のケガがあり、前年の半分以下となる73回1/3しか投げられなかった。しかし、30歳の右腕は今オフのFA市場において、トップクラスの先発投手の1人として高く評価されている。パドレスはキングに対してクオリファイングオファー(年俸2202万5000ドル=約33億円の1年契約)を提示しているが、キングは18日(日本時間19日)の返答期限までにクオリファイングオファーを拒否する可能性が高いとみられており、その後はヤンキースやカブスも含めた争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。

2025.11.15 08:25 Saturday

ゲレーロJr.がエンターテイナー賞 クラークがプレーオブザイヤーを獲得

 2025のMLBシーズンについて言えることが一つある。それは最初から最後まで、最高に楽しかったということだ。

 そして、球界最大のエンターテイナーの2人、一塁手ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)と外野手デンゼル・クラーク(アスレチックス)が、13日(日本時間14日)のMLBアワードで表彰された。

 ブルージェイズと14年の延長契約を結び、チームを世界一まであと1勝の快進撃に導くと同時に、フィールド内外の振る舞いでスポーツファンを魅了したゲレーロJr.は、エンターテイナー賞を初受賞。

 一方、クラークは6月のエンゼルス戦で外野フェンスをよじ登り、見事に本塁打を奪い取ったプレーが、プレー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

 ゲレーロJr.の後見人であり親友のペドロ・マルティネスが、ゲレーロJr.に代わって賞を受け取り、ステージでは「ヤンキースの負け!(DAAAA YANKEES LOSE)」とゲレーロJr.がポストシーズンで放った決めぜりふで締めくくった。

 一方のクラークは授賞式に現れ、あのスーパーキャッチを振り返った。クラークは片足をフェンスにかけて飛び越え、グラブをフェンスから1メートル以上離れたところまで伸ばしてキャッチした。

「時々、振り返って『これって自分?!』って思う。またある時は『あれはちょっとエグかったな』って思うし、時には『いつも通りのプレーだな』って思うこともあるよ」と、25歳の外野手は言う。

 クラークは授賞式でもその個性的な性格を存分に発揮した。授賞式に出席したメンバーの中で、他に誰があのキャッチをできると思うかを問われると、ピート・クロウ=アームストロング(カブス)とコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)の名を挙げた。かつての名外野手デクスター・ファウラーでもできるかと聞かれると、ファウラーには「タイムマシンが必要だ」とジョークを飛ばした。

 クラークはアスレチックスで念願のメジャーデビューを果たし、得意の守備で大活躍。さらに打撃でもOPS.646を記録した。

 ルーキーシーズンの締めくくりがMLBアワードの授賞式だったことについて、クラークは「特別な気持ちだ」だと語った。そして今季を振り返り、「まず、夢を叶えてデビューできたことが最高だった。でも、それからはただただプレーできただけで…シーズン終盤に怪我をしてしまったけれど、プレーしていた時はチームに貢献できた。本当に特別な経験だった。来年が本当に楽しみだよ」と語った。

 クラークがこの調子でいけば、いつかエンターテイナー賞を獲得する日が来るかもしれない。今のところ、その賞はゲレーロのものだ。彼は、数少ない有力候補(授賞式の司会者ムーキー・ベッツを含む)の中で、ひときわ目立った存在だった。

 ゲレーロJr.は2025年シーズン開幕前、去就問題に揺れていた。スプリングトレーニングでは契約延長が成立しなかったが、4月に14年契約で合意。去就問題がなくなると打ちまくり、打率.292、OPS.848の打棒でブルージェイズを10年ぶりの地区優勝へ導いた。

 そして、ポストシーズンではさらに大活躍。打率.397、OPS1.289、わずか73打数で8本塁打を記録する一方で、その間も持ち前の遊び心と奥深い人柄の両方を見せつけた。地区シリーズで同地区ライバルのヤンキースを破った後、「ヤンキースの負け!(DAAAA YANKEES LOSE)」と言い放った場面は、ポストシーズンの名場面の一つに。しかし、続くラウンドでブルージェイズが1993年以来のリーグ優勝を果たしたときには、感極まる姿も見せた。

 ゲレーロJr.に代わり、マルティネスは次のように述べた。 「彼はただプレーするだけでなく、多くのことをしています。父を敬い、家族を敬い、そしてドミニカ共和国の人々とラテンアメリカを愛しています。ブラディに代わってこの賞を受け取ることができ、大変誇りに思います」

2025.11.14 14:32 Friday

ディアスとチャップマンが最優秀救援投手賞に輝く 世代を代表する守護神

 13日(日本時間14日)、オールMLBアワードショーで2025シーズンの最優秀救援投手賞が発表され、ア・リーグはアロルディス・チャップマン(レッドソックス)、ナ・リーグはエドウィン・ディアス(メッツ)がそれぞれ選出された。

 チャップマンは、2019年にヤンキースで受賞しており、通算2度目のマリアノ・リベラ賞(ア・リーグ最優秀救援投手賞)を受賞。一方、ディアスは、2018年にマリナーズでマリアノ・リベラ賞を受賞し、2022年にもメッツでトレバー・ホフマン賞(ナ・リーグ最優秀救援投手賞)を受賞しており、これが3度目の最優秀救援投手賞となった。

 チャップマンは37歳で迎えた今季、全盛期の姿を取り戻し、8度目のオールスターに選出。61回1/3を投げ、防御率1.17、WHIP0.70と、MLBの救援投手の中でトップの成績を収めた。

 被打率はわずか.132で、これも救援投手の中で最も優秀な記録だった。一時は50打者連続アウトを記録するなど、2ヶ月以上にわたって圧倒していた時期もあった。メジャー16年目の大ベテランながら代名詞の剛速球は未だ衰えず、平均球速は上位2%にあたる99.8マイル(160キロ)を維持した。

 最優秀救援投手賞の常連であるディアスは、2014年の同賞創設以来、ジョシュ・ヘイダーに次いで2人目の通算3度の受賞者となった。

 66回1/3を投げ、自身のキャリアでも2番目に低く、リーグの救援投手でトップの防御率1.63を記録。3度目のオールスター選出を果たした今季は、被打率.164と相手打者を圧倒した。

 ディアスはなおも現役最高の「ストライクアウト・アーティスト」だ。今季は98三振、9イニングあたりの三振数は13.3個とハイペースで三振を量産。直球とスライダーのコンビネーションで上位1%に入る空振り率41.5%をマークした。

 ディアスは今オフ、メッツとの残り2年3800万ドル(58億円)の契約をオプトアウト(契約破棄条項を行使)し、フリーエージェントとなった。一躍、今オフの市場で最も注目される投手となり、その去就も注目される。

2025.11.14 14:07 Friday

デグロムとアクーニャJr.がカムバック賞選出 ケガから復活のスター選手

 13日(日本時間14日)、オールMLBアワードショーで2025シーズンのカムバック賞が発表され、ア・リーグは右腕ジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)、ナ・リーグは外野手ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)がそれぞれ選出された。

 2024年に左膝前十字靭帯(ACL)を完全断裂したアクーニャだが、復帰した今季はすぐに現役最強選手の1人であることを印象付けた。

 5月23日(日本時間24日)の復帰戦ではいきなり467フィート(142メートル)の特大弾を放ち、復活の兆しをアピール。その後は95試合で打率.290、出塁率.417、長打率.518、21本塁打を記録し、キャリア4度目のオールスターゲームに先発出場した。今シーズン400打席以上を記録した215選手のうち、アクーニャのOPS.935を上回ったのはわずか5人だった。

 一方、デグロムも2年近くもの間欠場していた(2023年4月以来登板がなく、2024年9月に復帰)が、ブランクを感じさせない圧巻の好投。12勝8敗、防御率2.97、WHIP0.92(タリック・スクーバルに次いでMLB2位)の成績を残した。デグロムはキャリア5度目のオールスターに選出され、アメリカンリーグのサイ・ヤング賞投票では8位に入った。

 さらに今季のデグロムは、長年のアキレス腱だった耐久性の課題もクリア。2019年以来初めてシーズン30試合に先発し、172回2/3を投げた。

 カムバック賞は「シーズン中にフィールドで復活した」各リーグ1人の選手に贈られる賞で、MLB.comの全球団の番記者の投票で決められる。アクーニャは同賞を受賞した球団史上5人目の選手となり、前年に受賞したクリス・セールに続いた。さらにデグロムは2015年のプリンス・フィルダー以来、球団史上2人目の獲得となった。

2025.11.14 13:50 Friday

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