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カブス50勝到達 鈴木誠也は23号ソロを放ち打点リーグ単独トップに
【カブス5-2ガーディアンズ】@シカゴ/リグレー・フィールド、7月1日(日本時間2日)
カブスは7月の初戦を制し、今季50勝に到達。鈴木誠也は六回に高々と打ち上げる23号ソロを放ち、貴重な追加点を叩き出した。この一打で今季70打点となり、エウヘニオ・スアレス(ダイヤモンドバックス)に1差をつけてナショナル・リーグの単独トップに浮上。キャリアハイ(2023年の74打点)の更新も目前だ。
カブスの勝利の立役者となったのは、7回5安打2失点の好投を見せた先発のマシュー・ボイド。昨季復活のチャンスをくれた古巣ガーディアンズ相手の登板だったが、安定したピッチングでキャリアハイにあと1と迫る今季8勝目を挙げた。
ボイドは昨季終了後にガーディアンズからFAとなり、カブスとの2年契約を選択。ガーディアンズのスティーブン・ボート監督は「ボイドの人柄をよく表している出来事は、カブスと契約したときに、私に謝罪の電話をくれたということだ」と語っている。
34歳のベテラン左腕は今季17度目の先発登板で12度目のクオリティスタートを記録。故障者の発生などに苦しむ先発陣において、ここまで8勝3敗、防御率2.65という素晴らしい活躍を見せ、ローテーションを牽引する存在となっている。
カブスは二回にマイケル・ブッシュのタイムリーとカーソン・ケリーの2点タイムリー二塁打で合計3点を先制。四回にノーラン・ジョーンズのタイムリーとアンヘル・マルティネスの犠飛で1点差に迫られたが、ボイドの失点はこの2点だけだった。
その後、カブスは六回に鈴木の23号ソロで貴重な追加点を挙げると、八回にはケリーの犠飛で5点目を奪ってダメ押し。5-2で3連戦の初戦を制し、今季50勝に到達した。
2025.7.2 12:01 Wednesday
ドジャース・大谷翔平とカブス・鈴木誠也の6月の活躍を振り返る
MLBの2025年レギュラーシーズンは6月の戦いを終え、7月に突入した。ここでは6月にMLBの舞台でプレーした日本人野手2人、大谷翔平(ドジャース)と鈴木誠也(カブス)の活躍を振り返ろう。
大谷翔平(ドジャース)
6月は27試合に出場して打率.265、7本塁打、17打点、出塁率.372、長打率.559、OPS.931を記録。投手としての調整を進めるなかで盗塁の数は減少しており、6月は1つも盗塁がなかった。これは月別で見ると、エンゼルス時代の2022年9~10月(30試合出場で0盗塁)以来のことである。
しかし、打撃では何度も見せ場を作った。14日(日本時間15日)のジャイアンツ戦では今季3度目の1試合2本塁打。特に2本目のアーチ、今季25号ソロはメジャー通算250号という節目の一発になった。22日(同23日)と24日(同25日)にはカードを跨いで2試合連続アーチを放ち、日米通算300本塁打を達成。松井秀喜、福留孝介に次ぐ3人目の快挙となった。
その後、26日(同27日)と27日(同28日)にもカードを跨いで2試合連続アーチを放ち、今季29本塁打はナショナル・リーグ最多。月間成績だけを見れば、突出した数字はなかったものの、シーズントータルの成績では得点(82)、塁打(207)、本塁打(29)、長打率(.633)、OPS(1.021)など多くの部門でリーグトップに立っている。
また、オールスター・ゲームのファン投票ではフェイズ1でリーグ最多得票を獲得し、5年連続5度目となるオールスター・ゲーム出場が決定。投手としても着実に状態を上げており、7月以降は投打二刀流での大活躍に期待がかかる。
鈴木誠也(カブス)
6月は26試合に出場して打率.226、8本塁打、17打点、出塁率.265、長打率.481、OPS.746を記録。5月までと比較すると、やや低調な1カ月となったが、それでもコンスタントに本塁打を放ち、打点も着実に積み上げていった。
7日(同8日)のタイガース戦では今季3度目の1試合2本塁打をマークし、チームの勝利に貢献。先制の15号ソロ、ダメ押しの16号ソロと2本とも効果的な一発だった。17日(同18日)のブリュワーズ戦では1点ビハインドの五回に18号逆転3ラン。ファーストストライクから積極的に振りにいく姿勢が奏功し、チームを勝利に導いた。
22日(同23日)のマリナーズ戦では再び1試合2本塁打を記録。チームは敗れたものの、3年連続3度目となるシーズン20本塁打を達成した。その後、24日(同25日)と28日(同29日)にも一発を放ち、シーズン22本塁打で早くもキャリアハイを更新。69打点もエウヘニオ・スアレス(ダイヤモンドバックス)と並んでリーグトップとなっており、今後は両部門でどこまで数字を伸ばしていくか注目される。
2025.7.2 10:54 Wednesday
ブレーブス・セールが60日間のILへ移行 復帰は最短でも8月後半に
2日(日本時間3日)、ブレーブスは左肋骨の骨折で15日間の負傷者リスト入りしている左腕クリス・セールを60日間の負傷者リストへ移行したことを発表した。これによりセールは前半戦の残りを欠場し、最短でも8月下旬まで復帰できないことが確定した。
セールが6月18日(同19日)のメッツ戦の九回に左肋骨を骨折したとき、復帰までには6~8週間が必要とみられていた。しかし、今回の措置により、昨季のサイ・ヤング賞投手であるセールは8月19日(同20日)まで復帰できないことになった。
今季少なくとも2カ月以上を欠場するブレーブスの先発投手はセールが3人目だ。右腕レイナルド・ロペスは1試合だけ先発したあと、右肩の手術を受けて離脱。今季中に復帰できるとしても、登板はリリーフに限られる可能性がある。一方、若手右腕AJ・スミス=ショウバーは6月にトミー・ジョン手術を受け、今季の残りだけでなく、来季も欠場する可能性がある。
セールが故障したのはメッツ戦の守備時。フアン・ソトが放った一塁方向へのゴロをダイビングキャッチし、一塁でアウトにするところまではよかったが、このプレーで左肋骨を骨折した。セールは次打者ピート・アロンソを空振り三振に仕留めたあと、ブランドン・ニモに内野安打を許したところで球数が116球となったため降板。完封にはあと1アウト足りなかった。
昨季、自身初のサイ・ヤング賞に輝いたセールは今季最初の5先発で防御率6.17と不安定なスタートになったが、直近10先発では防御率1.23と素晴らしいパフォーマンスを披露。故障なく好投を続けていけば、2年連続サイ・ヤング賞の可能性もあったはずだ。
故障者が続出するなか、ブレーブスは先発ローテーションの編成に苦戦しており、現在は20歳の新人右腕ディディアー・フエンテスをローテの一角として起用している。2005年生まれのフエンテスはマイナーAA級で5試合、AAA級で1試合投げただけでメジャー昇格が決定。ここまで2先発で0勝2敗、防御率10.80と打ち込まれているが、3度目の先発登板のチャンスも与えられる予定だ。
なお、セールが60日間の負傷者リストに移ったことでロースターの40人枠に空きが生まれたため、ブレーブスはパイレーツとのトレードで右腕ハンター・ストラットンを獲得している。ストラットンは今季パイレーツで3試合に登板して防御率23.63、被打率.588と散々な成績。6月下旬にDFAとなり、そこをブレーブスが獲得に動いた。
投手陣の柱であるセールを欠くブレーブス。逆転でのポストシーズン進出のためには、7月以降の巻き返しが必要だが、先発投手不足の状況が続いており、苦戦は避けられないだろう。
2025.7.2 09:16 Wednesday
ブルージェイズがヤンキース撃破 スプリンガーが7打点の大暴れ
【ブルージェイズ12-5ヤンキース】@トロント/ロジャース・センター、7月1日(日本時間2日)
ブルージェイズは「カナダの日」に行われたヤンキースとの一戦に12-5で大勝。ジョージ・スプリンガーが2本塁打を含む4打数3安打7打点の大暴れを見せるなど、確実に好機を生かして逆転勝利を収め、アメリカン・リーグ東地区の3位ながら首位ヤンキースまで1ゲーム差に迫った。
4万人以上の大観衆が詰めかけたロジャース・センターが大きく沸いたのは七回だ。守備のミスで同点に追いつかれた直後に1死満塁のチャンスを迎えると、アーニー・クレメントのタイムリーで勝ち越しに成功。さらにスプリンガーがヤンキースのルーク・ウィーバーの4球目、カウント2-1からど真ん中に入ってきた直球をとらえ、左中間に13号グランドスラムを叩き込んだ。
今季2度目の1試合2本塁打で通算本塁打数を274に伸ばしたスプリンガーにとって、このグランドスラムはブルージェイズ移籍後100本目のアーチという節目の一発。球場全体が歓喜に沸くなか、スプリンガーは軽快にベースを一周し、タイラー・ハイネマンと思い切りハイタッチを交わした。
四回に12号ソロを放っていたスプリンガーは、八回にも2点タイムリーを放ち、キャリアハイとなる1試合7打点の大暴れ。昨季は145試合に出場して自己ワーストのOPS.674に終わったが、今季はここまで打率.270、13本塁打、47打点、OPS.853と強打を取り戻している。
「カナダの日」に輝いたのはスプリンガーだけではなかった。好守のアンドレス・ヒメネスは四回に5号同点3ラン。今季は開幕5試合で3本塁打を量産したあと、2カ月以上にわたって本塁打がなく、6月10日(同11日)にようやく敵地ブッシュ・スタジアムで4号アーチを放ったが、本拠地ロジャース・センターでの本塁打は3月31日(同4月1日)以来だった。
先発のケビン・ゴーズマンは立ち上がりに制球が定まらず、2四球などで2死満塁のピンチを招き、ジェイソン・ドミンゲスの2点タイムリーで先制を許したが、二回以降は立ち直って5回6安打2失点。守備のミスもあってリリーフ陣が同点に追いつかれたため、今季7勝目を挙げることはできなかったが、先発として最低限の役割を果たした。
しかし、やはり「カナダの日」のヒーローはスプリンガーだった。ブルージェイズはヤンキース4連戦の初戦から連勝。ヤンキースとのゲーム差を1に縮め、いよいよ地区首位の座が見えてきた。
2025.7.2 08:28 Wednesday
ジャイアンツがボブ・メルビン監督の来季契約オプションを行使
2日(日本時間3日)、ジャイアンツはボブ・メルビン監督の2026年シーズンの契約オプションを行使したことを発表した。
バスター・ポージー編成本部長は「ボブと毎日一緒に仕事をする機会に恵まれ、このような経験豊かなリーダー、そして球界で最も尊敬される監督の一人を得られたことは、我々にとって本当に幸運です」とコメント。「彼のリーダーシップや準備、そして選手たちとのつながりは計り知れないほど貴重であり、彼が我々のチームを前進させるのに相応しい人物であると確信しています」と指揮官の手腕をたたえた。
メルビン監督は「このチームの指揮を続ける機会を得られたことに感謝しています。ここで築き上げてきたものを信じていますし、ジャイアンツのオーナーグループやグレッグ(・ジョンソン会長)、バスター(・ポージー編成本部長)、ラリー(・ベアー球団社長)、ザック(・ミナシアンGM)、その他のジャイアンツ球団組織内のみなさんが私とコーチングスタッフを信頼してくれていることに感謝します。今年はまだまだ仕事が残っていますし、今後の仕事が楽しみです」と語った。
63歳のメルビン監督はジャイアンツの監督として2年目、メジャー球団の監督として22年目のシーズンを迎えている。その22年間でチームを8度のポストシーズン進出に導き、ダイヤモンドバックス時代の2007年とパドレス時代の2022年にはリーグ優勝決定シリーズに進出した。また、2001年にダイヤモンドバックスがワールドシリーズ制覇を成し遂げたときには、ボブ・ブレンリー監督のもとでベンチコーチを務めていた。
メジャーリーグの監督として、メルビン監督は3度の最優秀監督賞に輝いている(ダイヤモンドバックス時代の2007年、アスレチックス時代の2012年と2018年)。レギュラーシーズンでは通算1642勝1547敗(勝率.515)を記録。1642勝は現役監督のなかでレンジャーズのブルース・ボウチー(2212勝)とレッズのテリー・フランコーナ(1994勝)に次ぐ3位、歴代でも21位にランクインしている。
2025.7.2 07:26 Wednesday
球宴ファン投票フェイズ2中間発表 フリーマン、スミスらが選出圏内
7月1日(日本時間2日)、オールスター・ゲームのファン投票フェイズ2の中間発表が行われた。フェイズ1で各リーグの最多得票だったアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(ドジャース)はすでにオールスター・ゲームのスタメン出場が決定。フェイズ2では、それ以外のポジションのファイナリストたちがスタメン出場の座を争っている。投票は2日正午(同3日午前1時)に締め切られ、同日午後7時(同3日午前8時)からESPNにて結果発表が行われる。
フェイズ2に進出したのは各ポジション2名(外野手は6名)。ただし、アメリカン・リーグはフェイズ1で外野手のジャッジが選出されたため、フェイズ2では外野手4名が争っている。また、ナショナル・リーグはすでに大谷の出場が決まり、指名打者はフェイズ2の対象外となっている。
フェイズ1の得票数はフェイズ2に持ち越されないが、ア・リーグはフェイズ1の最終結果から順位の変動がなかった。捕手はカル・ローリー(マリナーズ)、一塁手はブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)、二塁手はグレイバー・トーレス(タイガース)、三塁手はホセ・ラミレス(ガーディアンズ)、遊撃手はジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス)が1位。外野手はライリー・グリーン(タイガース)が1位、ハビアー・バイエズ(タイガース)が2位でスタメン出場圏内となっている。
ナ・リーグは外野手部門に順位の変動があった。フェイズ1では1位ピート・クロウ=アームストロング(カブス)、2位テオスカー・ヘルナンデス(ドジャース)、3位ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、4位カイル・タッカー(カブス)、5位アンディ・パヘス(ドジャース)、6位フアン・ソト(メッツ)の順だったが、本拠地トゥルイスト・パークでのオールスター・ゲーム開催となるアクーニャJr.がトップに浮上。クロウ=アームストロングとタッカーのカブス勢が2位と3位に入り、4位以下はヘルナンデス、ソト、パヘスの順となった。
それ以外のポジションに順位の変動はなく、捕手はウィル・スミス(ドジャース)、一塁手はフレディ・フリーマン(ドジャース)、二塁手はケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)、三塁手はマニー・マチャド(パドレス)、遊撃手はフランシスコ・リンドーア(メッツ)がスタメン出場圏内となっている。
2025.7.2 06:13 Wednesday
マリナーズ・ローリーが33号アーチ アロザレーナは通算100本塁打達成
【マリナーズ6-2ロイヤルズ】@シアトル/T-モバイル・パーク、6月30日(日本時間7月1日)
ロイヤルズ4連戦の初戦に6-2で勝利したマリナーズ。1試合2本塁打をマークし、その過程で通算100本塁打のマイルストーンに到達したランディ・アロザレーナの活躍も光ったが、注目を集めたのは、やはりカル・ローリーだった。
ローリーは2位のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)との差を3本に広げる33号ソロを放ち、チームの勝利に貢献。マリナーズは3本のホームランとローリーの犠飛で合計6点を奪い、ロイヤルズを破った。
マリナーズは現在17連戦の真っ最中で、前半のロード10試合は6勝4敗。後半の7試合は本拠地T-モバイル・パークで行われるが、いい形でスタートを切ることができた。
オールスター・ゲームのファン投票でファイナリストに残り、すでにホームラン・ダービーへの出場も決まっているローリーだが、ホームに戻ってきた一戦で、大舞台に相応しい存在であることを見事に証明した。
4点リードの七回、ローリーは左腕ダニエル・リンチ4世がカウント2-1から投じた4球目、外角低めへのナックルカーブに反応し、センター右への33号ソロ。この一打は飛距離393フィート(約119.8メートル)を計測し、アロザレーナの2本塁打と同じような位置に着弾した。
ローリーはメジャーデビューした2021年から年々本塁打数を増やしており、昨季はキャリアハイの34本塁打。早くもあと1本に迫った。また、6月末までにローリーを上回る本塁打数を記録したのは、過去に2001年のバリー・ボンズ(39本塁打)と1998年のマーク・マグワイア(37本塁打)しかいない。この年のマグワイアはシーズン70本塁打でメジャー記録を更新し、ボンズは73本塁打でマグワイアの記録をさらに塗り替えた。
1998年は、ケン・グリフィーJr.とサミー・ソーサも6月末の時点で33本塁打を放っていた。メジャーリーグの歴史上、6月末までに33本塁打を放ったのはローリーを含めた5人だけである。ボンズ、マグワイア、ソーサ、グリフィーJr.と肩を並べたローリーは、今後どこまで数字を伸ばしていくのだろうか。
2025.7.1 13:39 Tuesday
パドレス・マチャドは通算3000安打&500本塁打の大台に到達できるのか
今週、マニー・マチャド(パドレス)が誕生日を迎える。マチャドは7月6日(日本時間7月7日)に33歳になる。ひょっとすると、彼は自身の誕生日を節目の記録で祝うことになるかもしれない。
パドレスの主砲として活躍し、マックス・マンシー(ドジャース)とオールスター・ゲームのファン投票で競っているマチャドは、通算2000安打のマイルストーンまであと6安打に迫っている。今季すでに通算350本塁打を達成しており、32歳のシーズンまでに通算2000安打と350本塁打の両方を達成すると、史上12人目の快挙となる。
その11人のうち8人はアメリカ野球殿堂入りを果たしており、ハンク・アーロン、ジミー・フォックス、ルー・ゲーリッグ、ミッキー・マントル、ウィリー・メイズ、メル・オット、フランク・ロビンソン、ケン・グリフィーJr.という豪華な顔ぶれ。残りの3人はアルバート・プホルス、ミゲル・カブレラ、そしてアレックス・ロドリゲスだ。
つまり、マチャドは将来の殿堂入りに向けて、順調に歩みを進めているということになる。
パドレスのマイク・シルト監督は「最終的には一貫性が勝利を呼ぶ。ある選手があのようなキャリアを築くには、一貫性が不可欠だ。一貫性があれば、どんな才能も発揮できる。マニーは、一貫性という点において、これまでのキャリアで素晴らしい成績を残してきた」と毎年安定した成績を残すマチャドの一貫性を高く評価する。
この一貫性を今後も維持していけば、マチャドが達成できるマイルストーンはほかにもたくさんある。マチャドは今季が終了したあとも、まだパドレスとの契約を8シーズンも残している。ここでは、マチャドが狙える記録を紹介しよう。
【1】通算3000安打
パドレス在籍中に通算3000安打を達成した選手は2人いる。1999年に達成したトニー・グウィンと2001年に達成したリッキー・ヘンダーソンだ。マチャドは3人目になる可能性がある。
もちろん、確実に達成できるというわけではない。しかし、マチャドは昨季までに通算1900安打を記録。今季を含めた9シーズンであと1100安打、つまり1年あたり122安打を積み上げていけば、通算3000安打に届く計算となる。
現在の彼のパフォーマンスを見れば、達成できる可能性が高いと考えるのは当然だろう。マチャドは今季、打率と安打数に関して言えば、自己ベストに近いシーズンを過ごしている。打率3割を記録したのは短縮シーズンの2020年だけだが、今季はここまで打率.293を記録。初の3割を達成するチャンスは十分にある。安打数は181本ペースであり、2019年以降では最多となる。
【2】通算500本塁打
通算500本塁打を達成した選手のうち、ウィリー・マッコビーとゲーリー・シェフィールドはパドレス在籍経験がある。しかし、パドレス在籍中に通算500本塁打を達成した選手は過去に1人もいない。
マチャドは今季ここまで13本塁打を放ち、通算本塁打数を355本まで伸ばしている。昨季までに342本塁打を放ち、今季を含めた9シーズンで平均18本塁打を打てば、通算500本塁打に届く計算だ。ここ数年のマチャドは安定して30本前後の本塁打を記録しており、徐々にパワーが衰えていったとしても、500本塁打の大台には十分に届くペースだろう。
気になるのは、3000安打と500本塁打のどちらを先に達成するかということだ。これまでのキャリアでは、安打よりも本塁打のマイルストーンを先に達成することが多かった。しかし、近年のマチャドは安定したペースでヒットを放っており、3000安打を先に達成することになるかもしれない。もちろん、500本目のホームランが3000本目のヒットになれば最高だが。
【3】パドレスの通算打点記録
パドレスの通算打撃成績は、一部を除くほぼすべての部門でグウィンが記録保持者となっている。マチャドはキャリア前半をオリオールズでプレーしたため、パドレス一筋でプレーしたグウィンの記録を抜くのは難しい。ただし、マチャドは昨季、ネイト・コルバートを抜き、パドレスの通算最多本塁打記録を樹立。現在はさらに記録を伸ばし、180本塁打としている。
マチャドがグウィンの記録を塗り替えることができるとすれば、それは通算打点記録だろう。グウィンは20年間で通算1138打点を記録。2位のデーブ・ウィンフィールドに500以上の大差をつけている。マチャドは583打点で現在3位。ようやくグウィンの半分を超えたところだ。そして、パドレスとの契約期間はまだ十分に残っている。
もちろん、打点はトリッキーな記録であり、前を打つ打者の成績に左右される部分も大きい。しかし、マチャドはフェルナンド・タティスJr.やジャクソン・メリルの後ろを打つ機会が多くなると予想されるため、走者を置いた状態で打席に入るケースは今後も多くなるだろう。
マチャドは昨季終了時点で、パドレスの選手として通算536打点を記録。グウィンの記録を抜くためには、今季を含めた9シーズンで平均67打点を積み上げていけばいい計算だ。
【4】球団史上初のワールドシリーズ制覇
最大の目標は、やはりワールドシリーズ制覇だ。
マチャドの獲得は、パドレスにとって、間違いなく大きな転機となった。球団最初の50年間、その大半で下位に沈んていたパドレスだが、マチャド加入以降は常勝チームへと変貌を遂げた。
マチャドはパドレスの選手としてポストシーズンに3度出場。7本塁打はすでに球団史上最多記録である。しかし、まだワールドシリーズ制覇の経験はない。
パドレスはマチャドを核として、近い将来にワールドシリーズ制覇を狙えるだけの戦力が揃っていると信じている。「ミスター・パドレ」と呼ばれるグウィンからその座を奪うことは不可能かもしれないが、もしサンディエゴに待望の初優勝をもたらすことができれば、マチャドはグウィンに次ぐサンディエゴの英雄として、永遠に語られることになるだろう。
2025.7.1 12:55 Tuesday
パイレーツが球団100年ぶりの快挙達成 4試合連続7点差以上で勝利
【パイレーツ7-0カージナルス】@ピッツバーグ/PNCパーク、6月30日(日本時間7月1日)
パイレーツの勢いが止まらない。同地区カージナルスとの3連戦の初戦、パイレーツはここ最近不振に苦しんでいた左腕アンドリュー・ヒーニーが六回途中まで無安打に抑える好投を見せると、打線も先発全員安打で援護。7-0で完封勝利を挙げ、4連勝となった。
パイレーツは直前のメッツ3連戦を9-1、9-2、12-1でスイープ。これで4試合連続7点差以上で勝利したことになり、球団では1925年8月29日~9月1日以来、実に100年ぶりの快挙となった。
2登板連続で7失点を喫していたヒーニーは、初回先頭打者に四球を与えたものの、次打者を併殺打に仕留めて立ち直り、速球を効果的に使いながら六回途中まで無安打に抑える好投。カージナルス打線はヒーニーを攻略できず、ハードヒットの打球はわずか4本だけだった。
ヒーニーは六回2死からビクター・スコット2世にヒットを許すまで無安打ピッチングを継続。結局、6回2/3を投げて3安打、7三振、1四球、無失点という素晴らしいパフォーマンスを見せた。残りの2回1/3は2番手のチェイス・シュガートが無失点に抑え、ブルペンの大半を休ませることができたのも大きかった。
パイレーツ打線は、初回にスペンサー・ホーウィッツが自身初の先頭打者アーチとなる2号ソロを放ち、先制に成功。五回には打線がつながり、ホーウィッツの2点タイムリー二塁打、ニック・ゴンザレスのタイムリー二塁打、キブライアン・ヘイズとトミー・ファムの連続タイムリーで一挙6点のビッグイニングを作り、一気に試合を決めた。
2025.7.1 11:37 Tuesday
フィリーズ50勝到達 ウィーラーが8回10K無失点の好投で8勝目
【フィリーズ4-0パドレス】@フィラデルフィア/シチズンズバンク・パーク、6月30日(日本時間7月1日)
フィリーズは本拠地で行われたパドレス3連戦の初戦に4-0で勝利。タイガース、ドジャース、アストロズに次いで4チーム目、ナショナル・リーグでは2チーム目となる今季50勝に到達した。敗れたパドレスは、松井裕樹の登板はなかった。
フィリーズに勢いをつけたのは、ブライソン・ストットの走塁だった。二回のチャンスで内野ゴロを放ち、先制点を叩き出していたストットは、四回1死から四球を選んで出塁。二塁への盗塁を決めると、ブランドン・マーシュが放った一塁への内野安打の間に、相手守備陣の隙をついて一気に生還した。
マーシュの打球を捕球したパドレスの一塁ルイス・アライズは、投手のマット・ウォルドロンへトス。打者走者のマーシュとの競争になったが、マーシュのスピードが勝った。この間にストットは三塁を蹴り、ホームへ突入。振り返ったウォルドロンが慌ててホームへ送球したものの、頭から滑り込んだストットの手が先にホームに触れ、ストットはチームに2-0のリードをもたらした。
これは2006年8月9日、敵地ターナー・フィールドで名二塁手チェイス・アトリーが見せた好走塁を彷彿とさせるものだった。
タイムリー内野安打を放ったマーシュは、二塁への盗塁を決めたあと、ウォルドロンの暴投で三塁へ。そして、トレイ・ターナーのタイムリー内野安打で3点目のホームを踏んだ。
初回にマックス・ケプラーが放った本塁打性の大飛球を中堅ジャクソン・メリルに好捕され、先制の3ラン本塁打を阻止されていたフィリーズだが、スピードを絡めて3点をリードすることに成功。ここ最近、得点力不足に苦しんでいたフィリーズにとって、大きな3点となった。
その後、フィリーズは五回にニック・カステヤノスが10号ソロを放ち、4点リードに。カステヤノスは2014年から12年連続の2ケタ本塁打となった。
そして、フィリーズのエース右腕、ザック・ウィーラーにとっては十分すぎる援護だった。ウィーラーは8回107球を投げて6安打、10三振、無四球、無失点という素晴らしいピッチングを披露。今季、2ケタ奪三振&無四球の先発登板は3度目であり、ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、タリック・スクーバル(タイガース)、スペンサー・シュウェレンバック(ブレーブス)と並んでメジャートップになった。
ウィーラーは月間防御率0.58で6月を終え、今季通算の成績も8勝3敗、防御率2.27と見事な数字に。自身が育った街であるアトランタで開催されるオールスター・ゲームの先発投手にウェブとポール・スキーンズ(パイレーツ)を推しているウィーラーだが、今季ここまでの活躍を考えれば、自身初となるオールスター先発登板のチャンスもありそうだ。
また、念願のサイ・ヤング賞に手が届く可能性も十分にある。フィリーズに加入した2020年以降、毎年安定してエース級の成績を残しているウィーラーだが、2021年と2024年の2位が最高で、まだ投手最高のアワードには手が届いていない。
2025.7.1 10:51 Tuesday