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フィリーズ50勝到達 ウィーラーが8回10K無失点の好投で8勝目

【フィリーズ4-0パドレス】@フィラデルフィア/シチズンズバンク・パーク、6月30日(日本時間7月1日)

 フィリーズは本拠地で行われたパドレス3連戦の初戦に4-0で勝利。タイガース、ドジャース、アストロズに次いで4チーム目、ナショナル・リーグでは2チーム目となる今季50勝に到達した。敗れたパドレスは、松井裕樹の登板はなかった。

 フィリーズに勢いをつけたのは、ブライソン・ストットの走塁だった。二回のチャンスで内野ゴロを放ち、先制点を叩き出していたストットは、四回1死から四球を選んで出塁。二塁への盗塁を決めると、ブランドン・マーシュが放った一塁への内野安打の間に、相手守備陣の隙をついて一気に生還した。

 マーシュの打球を捕球したパドレスの一塁ルイス・アライズは、投手のマット・ウォルドロンへトス。打者走者のマーシュとの競争になったが、マーシュのスピードが勝った。この間にストットは三塁を蹴り、ホームへ突入。振り返ったウォルドロンが慌ててホームへ送球したものの、頭から滑り込んだストットの手が先にホームに触れ、ストットはチームに2-0のリードをもたらした。

 これは2006年8月9日、敵地ターナー・フィールドで名二塁手チェイス・アトリーが見せた好走塁を彷彿とさせるものだった。

 タイムリー内野安打を放ったマーシュは、二塁への盗塁を決めたあと、ウォルドロンの暴投で三塁へ。そして、トレイ・ターナーのタイムリー内野安打で3点目のホームを踏んだ。

 初回にマックス・ケプラーが放った本塁打性の大飛球を中堅ジャクソン・メリルに好捕され、先制の3ラン本塁打を阻止されていたフィリーズだが、スピードを絡めて3点をリードすることに成功。ここ最近、得点力不足に苦しんでいたフィリーズにとって、大きな3点となった。

 その後、フィリーズは五回にニック・カステヤノスが10号ソロを放ち、4点リードに。カステヤノスは2014年から12年連続の2ケタ本塁打となった。

 そして、フィリーズのエース右腕、ザック・ウィーラーにとっては十分すぎる援護だった。ウィーラーは8回107球を投げて6安打、10三振、無四球、無失点という素晴らしいピッチングを披露。今季、2ケタ奪三振&無四球の先発登板は3度目であり、ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、タリック・スクーバル(タイガース)、スペンサー・シュウェレンバック(ブレーブス)と並んでメジャートップになった。

 ウィーラーは月間防御率0.58で6月を終え、今季通算の成績も8勝3敗、防御率2.27と見事な数字に。自身が育った街であるアトランタで開催されるオールスター・ゲームの先発投手にウェブとポール・スキーンズ(パイレーツ)を推しているウィーラーだが、今季ここまでの活躍を考えれば、自身初となるオールスター先発登板のチャンスもありそうだ。

 また、念願のサイ・ヤング賞に手が届く可能性も十分にある。フィリーズに加入した2020年以降、毎年安定してエース級の成績を残しているウィーラーだが、2021年と2024年の2位が最高で、まだ投手最高のアワードには手が届いていない。

2025.7.1 10:51 Tuesday

フューチャーズ・ゲームのロースターが発表 各球団の有望株ズラリ

 6月30日(日本時間7月1日)、各球団のプロスペクト(若手有望株)が集まるオールスター・フューチャーズ・ゲームのロースターが発表された。ロースター50人のうち31人は「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキング全体トップ100にランクイン。なお、今年のフューチャーズ・ゲームは7月12日(同13日)にアトランタのトゥルイスト・パークで開催される。

 各球団のプロスペクトが集まることで知られるフューチャーズ・ゲームだが、今年も豪華なメンバーが揃った。パドレスのレオ・デブリーズ(全体3位)、フィリーズのアンドリュー・ペインター(同5位)、タイガースのマックス・クラーク(同7位)、レンジャーズのセバスチャン・ウォルコット(同9位)、ホワイトソックスのノア・シュルツ(同13位)、カージナルスのJJ・ウェザーホルト(同16位)、ブリュワーズのヘスス・メイド(同18位)、タイガースのケビン・マゴニグル(同21位)、ロッキーズのチャーリー・コンドン(同22位)と「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングの上位22人のうち9人がロースターに名を連ねている。

 ブリュワーズのメイドは今回最年少の18歳。ほかにも、昨年のアリゾナ秋季リーグで史上初の三冠王に輝いたホスエ・ブリセーニョ(タイガース)、両投げピッチャーのジュランジェロ・サインチェ(マリナーズ)ら注目のプロスペクトが勢揃い。タイガースとマリナーズからは最多の3人が選出された。

 フューチャーズ・ゲームは以前、全米選抜と世界選抜に分かれて試合が行われていたが、2019年からアメリカン・リーグ対ナショナル・リーグのフォーマットに変更。ナ・リーグが3勝1敗1分けとリードしている。今年はアトランタ開催のため、ブレーブスのOBであるチッパー・ジョーンズがナ・リーグ、マーキス・グリッソムがア・リーグの監督を務める。ほかにも、アンドリュー・ジョーンズ、ティム・ハドソン、ニック・マーケイキス、フレッド・マグリフ、デール・マーフィー、ライアン・クレスコら豪華な面々がコーチとして参戦する。

 フューチャーズ・ゲームに参加するプロスペクトの一覧は以下の通り。ポジションの後ろの順位は「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングにおける順位を示している。

オリオールズ エンリケ・ブラッドフィールドJr.(外野手/球団2位) キーガン・ギリーズ(右腕/球団トップ30圏外)

レッドソックス ジョスティンソン・ガルシア(外野手/球団5位)

ヤンキース ジョージ・ロンバードJr.(遊撃手/球団1位・全体37位)

レイズ ブロディ・ホプキンス(右腕/球団7位)

ブルージェイズ トレイ・イェサベージ(右腕/球団2位・全体63位)

ホワイトソックス ノア・シュルツ(左腕/球団1位・全体13位) ブレイデン・モンゴメリー(外野手/球団4位・全体32位)

ガーディアンズ C・J・ケイフス(一塁手・外野手/球団5位・全体93位) パーカー・メシック(左腕/球団12位)

タイガース マックス・クラーク(外野手/球団1位・全体7位) ケビン・マゴニグル(遊撃手・二塁手/球団2位・全体21位) ホスエ・ブリセーニョ(捕手・一塁手/球団4位・全体73位)

ロイヤルズ カーター・ジェンセン(捕手/球団3位・全体80位) フランク・モジカート(左腕/球団12位)

ツインズ ケイレン・カルペッパー(遊撃手/球団4位)

アスレチックス ゲージ・ジャンプ(左腕/球団1位・全体96位) トミー・ホワイト(三塁手/球団6位)

アストロズ ブライス・マシューズ(二塁手・遊撃手/球団1位) アリンバー・サンタ(右腕/球団30位)

エンゼルス ジョージ・クラッセン(右腕/球団3位)

マリナーズ ラザロ・モンテス(外野手/球団2位・全体30位) ハリー・フォード(捕手/球団5位・全体59位) ジュランジェロ・サインチェ(両投げ投手/球団8位・全体84位)

レンジャーズ セバスチャン・ウォルコット(遊撃手・三塁手/球団1位・全体9位)

ブレーブス JR・リッチー(右腕/球団6位) ヘイデン・ハリス(左腕/球団29位)

マーリンズ トーマス・ホワイト(左腕/球団1位・全体29位) ジョー・マック(捕手/球団5位・全体94位)

メッツ カーソン・ベンジー(外野手/球団3位・全体81位) ジョナ・トング(右腕/球団4位・全体92位)

フィリーズ アンドリュー・ペインター(右腕/球団1位・全体5位) エデュアルド・タイト(捕手/球団4位・全体69位)

ナショナルズ トラビス・シコラ(右腕/球団1位・全体54位) マーキス・グリッソムJr.(右腕/球団21位)

カブス オーウェン・ケイシー(外野手/球団1位・全体42位) ジャクソン・ウィギンス(右腕/球団8位)

レッズ サル・スチュワート(三塁手/球団3位・全体62位) アルフレッド・デューノ(捕手/球団7位)

ブリュワーズ ヘスス・メイド(遊撃手・三塁手/球団1位・全体18位)

パイレーツ コナー・グリフィン(遊撃手・外野手/球団2位・全体31位) エスマーリン・バルデス(外野手・一塁手/球団トップ30圏外)

カージナルス JJ・ウェザーホルト(遊撃手・二塁手/球団1位・全体16位)

ダイヤモンドバックス スレイド・コールドウェル(外野手/球団2位・全体90位) ルジェームス・グルーバー(三塁手/球団10位)

ロッキーズ チャーリー・コンドン(一塁手・外野手/球団1位・全体22位)

ドジャース ホスエ・デポーラ(外野手/球団1位・全体28位) ザイアー・ホープ(外野手/球団2位・全体38位)

パドレス レオ・デブリーズ(遊撃手/球団1位・全体3位)

ジャイアンツ カーソン・ウィゼンハント(左腕/球団2位)

2025.7.1 09:55 Tuesday

タイガース・スクーバルとレッズ・スティアーが週間MVPに選出

 6月30日(日本時間7月1日)、2025年レギュラーシーズン14週目の週間MVPが決定し、アメリカン・リーグはタリック・スクーバル(タイガース)、ナショナル・リーグはスペンサー・スティアー(レッズ)が選出された。

 スクーバルは自身初の受賞で、タイガースからの選出はライリー・グリーンに次いで今季2人目。投手が週間MVPを受賞するのは今季初めてであり、昨年9月に同じタイガースのカイダー・モンテロが受賞して以来となった。一方、スティアーは自身2度目の受賞。レッズからの選出はウィル・ベンソンに次いで今季2人目となった。

 28歳のスクーバルは2試合に先発して13イニングを投げ、2勝0敗、防御率2.77、7安打、2四球、21三振、WHIP0.69、被打率.152、奪三振率14.54を記録。三振数はメジャー1位、勝利数は同1位タイ、投球イニング数は同3位タイだった。

 29日(同30日)に行われたツインズ戦では自己最多の13三振を奪い、7イニングを1安打無失点に抑える圧巻のピッチング。6月は5度の先発登板で5勝0敗、防御率1.89をマークし、現在は15先発連続黒星なし(期間中10勝0敗)を継続している。

 27歳のスティアーは6試合に出場して打率.522(23打数12安打)、3本塁打、7打点、1二塁打、1四球、5得点、1盗塁、出塁率.520、長打率.957、OPS1.477と打撃好調。打率、長打率、OPS、安打、塁打(22)はすべてメジャー1位、出塁率は同3位だった。

 25日(同26日)のパドレス戦では今季メジャー8度目となる1試合3本塁打を達成。レッズでは2021年のジェシー・ウィンカー以来、球団史上34人目(40度目)の快挙となった。直近8試合連続でヒットを放ち、うち5試合でマルチ安打、そのうち2試合で3安打を放つなど、好調をキープしている。

2025.7.1 08:34 Tuesday

タイガース・スクーバルが七回13Kの1安打ピッチングで今季10勝目

【タイガース3-0ツインズ】@デトロイト/コメリカ・パーク、6月29日(日本時間30日)

 コメリカ・パークで8年ぶりに行われたサンデーナイトの一戦で、タリック・スクーバル(タイガース)がその支配力を見せつけた。昨季のサイ・ヤング賞投手である左腕は自己最多タイの13三振を奪い、七回1安打無失点という圧巻のピッチング。チームをツインズ3連戦の勝ち越しに導き、スクーバル自身は今季10勝目を手にした。

 スクーバルがサンデーナイトのマウンドに上がるのは、昨年8月にペンシルベニア州ウィリアムスポートで行われた「MLBリトルリーグ・クラシック」の試合に続いて2度目。特に序盤3イニングはツインズ打線を圧倒し、打者9人をパーフェクトに抑えただけでなく、7者連続を含む8個の三振を奪った。すべて空振り三振であり、8個中7個はチェンジアップで奪ったもの。ツインズ打線は試合を通して、スクーバルのチェンジアップをとらえることができなかった。

 28歳の剛腕はタイラー・アレクサンダーとダグ・フィスターが持つ9者連続三振の球団記録に並ぶことはできなかったものの、四回にライアン・ジェファーズから空振り三振を奪ったことで、早くもスタメン全員三振を達成。五回1死からタイ・フランスにヒットを浴びてパーフェクト投球が終了したが、ハリソン・ベイダーとブルックス・リーから10個目・11個目の三振を奪い、今季5度目・通算12度目となる2ケタ三振をマークした。

 六回には四球で走者を出したものの、後続を打ち取って無失点。七回にも2三振を奪い、自己最多の13三振に並んだ。相手打者のフランスがチェンジアップに狙いを定めるなか、スクーバルは99.7マイルの4シームを投げ込み、13個目の三振が初めての見逃し三振に。93球で7イニングを投げ抜いた。ちなみに、1安打以下で13個以上の三振を奪うのは球団史上初めての快挙だった。

 タイガースは初回にケリー・カーペンターが16号ソロを放ち、序盤からスクーバルを援護。四回にライリー・グリーンの19号ソロでリードを広げると、五回にはカーペンターがタイムリー三塁打を放ち、追加点を奪った。カーペンターは直近5試合で3本目のアーチ。その期間中は13打数6安打、打率.462と打撃好調だ。

 サンデーナイトの一戦を制したタイガースは今季53勝32敗。ドジャースと並び、メジャー最高勝率タイの座をキープしている。

2025.6.30 10:58 Monday

カージナルスがガーディアンズ3連戦をスイープ 幼馴染コンビが躍動

【ガーディアンズ0-7カージナルス】@クリーブランド/プログレッシブ・フィールド、6月29日(日本時間30日)

 カージナルスは先発のマシュー・リベラトーアが七回途中まで無失点に抑える好投を見せると、ノーラン・ゴーマンは初回に6月6本目の一発となる7号先制3ランを放って援護。幼馴染コンビの活躍により7-0で快勝し、敵地でのガーディアンズ3連戦をスイープした。

 リベラトーアとゴーマンはアリゾナのリトルリーグ時代からの友人という幼馴染。先制弾を放った左の大砲は、好投を見せた左腕について「彼がマウンドに立ち、僕が試合に出場しているとき、彼の支配的なピッチングを見たいと思うし、彼を援護してあげたいと思うんだ。本当に長いあいだ、彼のプレーを見てきたけれど、こうやって最高レベルの試合で彼のピッチングを見られるのは本当に素晴らしいことだよ」と語った。

 カージナルスは七回にビクター・スコット2世の4号2ランでリードを広げると、八回にはペドロ・パヘスの犠飛とギャレット・ハンプソンのタイムリーで2点を追加してダメ押し。ノーラン・アレナドは今季13本目の二塁打を含む2安打を放ち、通算1900安打と400二塁打を達成した。

 直近13試合で10勝3敗と勢いに乗っており、貯金9は今季最多。今季5度目のスイープを達成し、ガーディアンズ相手のスイープは球団史上初となった。また、首位カブスとのゲーム差は2.5に縮まり、ワイルドカード争いでもパドレスに1ゲーム差をつけて3位となっている。

 そんなチームの現状に、選手たちも手応えを感じており、アレナドは「今の僕たちのプレーは信じられないくらいに素晴らしい」とコメント。通算1900安打はポール・ゴールドシュミット(ヤンキース)、フレディ・フリーマン(ドジャース)、ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)、アンドリュー・マカッチェン(パイレーツ)、マニー・マチャド(パドレス)に次ぐ現役6人目の快挙となったが、「守備のいいチームであることはわかっていたし、投手陣もある程度やってくれると思っていた。でも攻撃面は予想以上に健闘しているし、その一員でいられるのは楽しい。負ける気がしないんだ。最高の気分だよ」とチームの現状について語った。

 5歳のときからの知り合いであるゴーマンとリベラトーアもチームに欠かせない戦力となっている。幼少期は同じチームでプレーし、高校ではライバル関係になった二人。2018年のドラフトでは、リベラトーアがレイズから全体16位、ゴーマンはカージナルスから全体19位で指名を受けた。その後、リベラトーアがトレードされ、二人は再び同僚に。2022年5月には同時にメジャー昇格が決まり、1日違いでメジャーデビューを果たした。

 今季、リベラトーアは先発ローテーションの一角に定着し、すでに自己最多となる6勝をマーク。ゴーマンも6月に入ってから調子を上げており、月間打率.267、6本塁打、OPS.900をマークしている。そうした状況について、リベラトーアは「最高レベルの舞台でこれだけの結果が出ているのは本当に信じられない」と語った。

 苦戦が予想された今季だが、予想以上の大健闘でポストシーズン進出だけでなく、地区優勝も狙える位置につけているカージナルス。25歳の幼馴染コンビが活躍すればするほど、3年ぶりのポストシーズン進出&地区優勝の可能性は高まっていくはずだ。

2025.6.30 10:14 Monday

カブス5安打完封負け 先発タイオンはアストロズ打線の粘りに苦しむ

【アストロズ2-0カブス】@ヒューストン/ダイキン・パーク、6月29日(日本時間30日)

 強豪アストロズとの3連戦の最終戦を落とし、1勝2敗の負け越しとなったカブス。先発のジェイムソン・タイオンは四回までアストロズ打線を3安打無失点に抑えるなど、まずまずのピッチングを見せていたが、相手打線の粘りに苦しんだ。

 五回、タイオンはホセ・アルトゥーベにレフト方向への大飛球を打たれると、少し待ってから打球の方向に目をやった。「もうダメだってわかっていたよ。僕は子供のころ、何度もここで試合を観戦した。クロフォード・ボックス(=ダイキン・パークの左翼席)に打球が飛び込むのを何度も見てきたからね」とタイオン。しかし、決勝弾を打たれたアルトゥーベ以上に、タイオンはイサーク・パレイデスに苦しめられた。

 パレイデスと3度対戦したタイオンだが、合計31球を投じなければならなかった。第1打席は12球目をライト前に運ばれ、第2打席はファーストフライに打ち取るために9球を要した。第3打席は10球目をライトフライ。3打席合計でファウルが17球もあり、パレイデスの粘りはタイオンが五回途中までに107球を投げて早期降板する最大の原因となった。

 アストロズのジョー・エスパーダ監督は「彼は(パレイデスに対して)球数の3分の1を必要とした。(あれだけ粘られると)ピッチャーは相当なエネルギーを消費する」と語った。

 直近2登板は合計8イニングで13失点と打ち込まれていたタイオンだが、今日の試合に向けたブルペンでの投球練習で復調の手応えをつかみ、よりコンパクトな投球フォームからまずまずのピッチングを見せていた。右打者が多いアストロズ打線に対してカッターの使用割合を増やし、チェンジアップを減らすなど、準備したプランも機能した。

「5イニングを投げ切れなかったから、あまり喜ぶことはできないけれど、今季最高クラスの球威とコマンドだったと思う」とタイオン。しかし、パレイデスの粘りに苦しみ、アルトゥーベへの1球に泣くことになった。

 クレイグ・カウンセル監督は「ジャモ(=タイオンの愛称)はいいピッチングをしていた。でも残念ながらスライダーが外角高めに浮いてしまい、アルトゥーベに左翼席へ運ばれてしまった」とコメント。タイオンのピッチングに一定の評価を与えつつも、決勝弾となった失投を悔やんだ。

 反撃したいカブス打線だったが、フランバー・バルデス、ブライアン・アブレイユ、ジョシュ・ヘイダーというアストロズの好投手リレーの前に沈黙。何度かチャンスを作ったものの、最後まで得点を奪えず、5安打完封負けを喫した。

 カブスの鈴木誠也は「3番・DH」でスタメン出場したが、4打数ノーヒット2三振。3試合ぶりのノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.258、22本塁打、69打点、出塁率.313、OPS.853となっている。

2025.6.30 09:24 Monday

ドジャース逆転勝ち ロブレスキーが6回3安打無失点の好リリーフ

【ロイヤルズ1-5ドジャース】@カンザスシティ/カウフマン・スタジアム、6月29日(日本時間30日)

 1勝1敗で迎えたロイヤルズ3連戦の最終戦。ドジャースを勝利に導いたのは24歳の若手左腕、ジャスティン・ロブレスキーだった。

 オープナーのルー・トリビーノのあとを受けて2番手としてマウンドに上がったロブレスキーは自己最長タイの6イニングを投げ、3安打、6三振、1四球、無失点という好リリーフ。4回1/3よりも長いイニングを無失点に抑えたのは初めてだった。6月6日(同7日)に今季3度目のメジャー昇格を果たし、6月は5試合に登板して防御率2.73と安定したパフォーマンス。長いイニングを投げるリリーバーとして、メジャーの舞台で結果を残し始めている。

 ロブレスキーは今季リリーフで登板した5試合すべてで4イニング以上を投げている。6月6日(同7日)のカージナルス戦では先発し、6イニングを6安打4失点で負け投手になったが、それ以降は4度のリリーフ登板で20回1/3を投げ、わずか自責点4と安定感が光る。その期間中に、シーズン通算の防御率は7.20から4.08まで向上した。

 好リリーフを見せた左腕は最速99マイルの4シームを効果的に使い、空振り8球のうち6球が4シームだった。トータル83球(うちストライク58球)で18個のアウトを奪い、3登板連続となる白星を手にした。

 ドジャースは3試合連続となる1試合5得点でロブレスキーを援護。二回にキケ・ヘルナンデスの8号2ランで逆転すると、六回にはウィル・スミスが直近9試合で4本目のアーチとなる10号ソロを放ち、3-1とリードを広げた。七回にはマックス・マンシーとミゲル・ロハスのタイムリーで2点を追加。5-1でロイヤルズを破り、3連戦を2勝1敗の勝ち越しで終えた。

 ドジャースは今季53勝32敗でメジャー最高勝率をキープ。ロッキーズ、ロイヤルズと対戦したロード6連戦を5勝1敗で終え、6月上旬のカージナルス3連戦に負け越したあと、6カード連続の勝ち越しとなった。あす30日(同7月1日)は試合がなく、6月の戦いを終了。27試合で17勝10敗と7つの貯金を作った。

 なお、ドジャースの大谷翔平は「1番・DH」でスタメン出場して4打数ノーヒット1三振。2試合連続のノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.287、29本塁打、54打点、出塁率.388、OPS1.021となっている。

2025.6.30 08:34 Monday

トラウトの同点弾からエンゼルスが逆転勝利 勝率を5割に戻す

【エンゼルス8-2ナショナルズ】@アナハイム/エンゼル・スタジアム、6月28日(日本時間29日)

 左膝の骨挫傷の手術を受けて1か月間欠場して以来、エンゼルスのスーパースターであるマイク・トラウトは打率を残し、四球を選びこそすれ、故障前のようなパワーを発揮できていなかった。

 しかし、きょうのナショナルズ戦では、まさにファンが待ち望んだ瞬間を現実にした。トラウトは七回に値千金の同点弾を放ち、その後のビッグイニング、そして逆転勝利を演出。エンゼルスは8-2で勝利して、ナショナルズ3連戦の戦績を1勝1敗のタイに戻すとともに、シーズン戦績を41勝41敗とし、勝率5割に復帰した。

 エンゼルスがカイル・ヘンドリックス、ナショナルズがマイク・ソロカの両先発で始まったこの試合はロースコアゲームに。ヘンドリックスが5回1失点、ソロカが6回1失点の好投を見せ、試合は1-1の同点のまま七回に突入した。すると、ナショナルズはライリー・アダムスのタイムリーで1点の勝ち越しに成功。そのまま逃げ切りを図ったが、2番手ザック・ブリクシーがトラウトに同点弾を浴びてしまう。その後もエンゼルスは攻勢を続け、クリスチャン・ムーアのタイムリー、ケビン・ニューマンの3ラン本塁打、押し出し四球で一挙6得点。ビッグイニングで試合をひっくり返し、そして決定付け、ナショナルズを8-2で破った。

 「いい気分だった」とは同点弾を放ったトラウトの談。それもそのはずで、きょうの13号ソロは、トラウトにとっては待ち焦がれたクラッチヒットだった。打った瞬間それとわかる特大の同点弾は、トラウトにとっては、2024年4月15日以来となる7回以降での同点または勝ち越し本塁打。今季のトラウトは試合終盤や接戦の状況(7回以降、同点、1点リード、または同点ランナーが塁上にいる)では36打数4安打とやや苦しんでおり、長打を打てていなかった。

 この同点弾に結びついたのは、トラウトが試合中に行った細かい修正だった。トラウトは初回、先発ソロカの内角低め付近の直球に対し、バットが空を切って三振に打ち取られた。トラウトはこの際、スイングが長くなっていると感じ、打撃コーチとビデオを見て修正に取り組んだ。「肩が閉じて回転すると、スイングが伸びてしまう。最初の打席でそれが分かったから、修正しようとした。」と語ったトラウトは、七回の第3打席ではより厳しいコースに決まった内角低めの直球をコンパクトなスイングで捉えた。

 たとえ今引退しても殿堂入りは確実と言われ、既に名選手としての立ち位置を確立したトラウト。しかし、まだまだ選手として進化し続けている。特に故障前と故障明けでは、選球眼が改善されたと語る。故障者リストに入る前は出塁率は.279とやや落ち込んでいたが、復帰後の出塁率は4割を超え、直近15試合では出塁率.441。シーズントータルでも出塁率は.345に上げてきた。

 レイ・モンゴメリー暫定監督は「驚くことではない。彼は努力を続けてきたし、彼の存在感は攻撃面での貢献はもちろんのこと、ダッグアウトやチームメイトたちとのやり取りでも非常に大きい」と、向上心を持ち続けるスーパースターの存在感を絶賛した。

 トラウトは先日のオールスター投票で、ア・リーグ外野手部門5位に入り、フェーズ2の投票へと駒を進めた。もしオールスター投票で選出されれば、ファン投票で通算11回選出された史上12人目の選手となる。本調子にはまだ遠いトラウトだが、ここから巻き返してオールスターでその姿を見せてくれるだろうか。

2025.6.29 15:25 Sunday

25歳シュウェレンバックがまた好投 初のオールスター選出に前進

【ブレーブス6-1フィリーズ】@アトランタ/トゥルーイスト・パーク、6月28日(日本時間29日)

 ブレーブスとフィリーズによる同地区ライバル3連戦の2戦目は、投手陣の素晴らしいパフォーマンスによってブレーブスに軍配が上がった。ブレーブスはこれでシリーズ戦績を1勝1敗のタイに戻し、プレーオフ圏内まで7ゲーム差に漸進。この試合で光ったのは、本拠地開催となる今季のオールスターへの選出が期待されるスペンサー・シュウェレンバックの圧巻の好投だった。

 ブレーブスの先発マウンドを託されたシュウェレンバックは、7回を投げ抜いて自己最多の12三振を奪い、強力フィリーズ打線を1失点に抑え込んだ。そして、ブレーブス打線も好投に応え、オースティン・ライリーとニック・アレンのタイムリーでリードを奪い、さらに七回にはショーン・マーフィーの満塁弾でダメ押し。6対1で地区首位のフィリーズに完勝した。

 25歳のシュウェレンバックは、今季素晴らしいパフォーマンスでブレーブスを支えている。シュウェレンバックは防御率3.09でナ・リーグ11位、WHIP0.97で同3位につけており、ポール・スキーンズ(0.91)とザック・ウィーラー(0.92)に次ぐ成績だ。シーズン途中からローテの椅子を掴んだ昨季とは異なり、今季は開幕からローテを支え、17先発で7勝を挙げている。

 そして、特に際立つスタッツが、シュウェレンバック本人も意識しているという「イニングと四球」だ。

 きょうも7回を投げ抜いたシュウェレンバックは、110回2/3でイニング数MLB1位に立った。シュウェレンバックは過去10回の先発登板で、いずれも6回以上を投げている。これはMLBではブライアン・ウー(マリナーズ)に次いで2番目に長い記録だ。現代では、先発投手が早めに降板するのがもはや当たり前になり、特に若手投手は故障リスクへの懸念からイニング数を制限されることも多い。その中で弱冠25歳でワークホースとして君臨するシュウェレンバックは、異色の存在とも言える。

 そして、制球力も抜群。9回あたりに与えた四球の数は1.46個に過ぎず、きょうも12三振に対して四球はわずか1だった。ブレーブスの先発投手が10試合連続で四球を2個以下に抑えるのは、13年ぶりの快挙。そして、三振と四球の比率を示すK/BBでは、タリック・スクーバル(タイガース)に次ぐ6.00を記録している。

 スター選手を多く揃えるブレーブスは、今季本拠地で開催されるオールスター・ゲームに多くの選手を送り込むことを期待されていた。ただ、チーム全体の不調もあり、ブレーブス勢がオールスターを席巻するということはもはやなさそうだ。

 それでも、シュウェレンバックは球宴への切符をほぼ手中に収めている。「たとえ日曜日(オールスターのロースター発表日)に知らされていなくても、彼が最終的にそのチームに入るかどうかはさまざまな要素によって決まる」とブライアン・スニッカー監督とコメント。仮に当初のロースターに選出されずとも、投手は登板間隔や故障の関係で辞退者が出るのが恒例であり、シュウェレンバックはオールスターに名を連ねることになりそうだ。

2025.6.29 14:21 Sunday

レイズが大勝で首位に0.5G差 オールスター候補のアランダが特大弾

【オリオールズ3-11レイズ】@ボルティモア/オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ、6月28日(日本時間29日)

 6月28日(日本時間29日)、レイズはオリオールズの11対3で快勝を挙げた。前日は22失点して大敗を喫したレイズは、その鬱憤を晴らすように打線が爆発。中でも飛距離約142メートルの特大弾を放ったジョナサン・アランダのオールスターゲーム選出を望む声が、レイズのチーム内では高まっているようだ。

 アランダは初回、オリオールズ先発のザック・エフリンの直球を捉え、ライトスタンドへ特大の10号2ラン。この本塁打はライトスタンドを超え、その奥のユートー・ストリートまで届く特大弾に。2015年のスタットキャスト導入後では球団史上、そして球場史上3位の飛距離を記録した。

 このアランダの一発でレイズはリードを3対0に拡大し、その後も打線が爆発。4回にはヤンディ・ディアスにも14号3ランが飛び出し、オリオールズ投手陣から11得点を挙げた。投げても先発のザック・リッテルが7回1失点の省エネ投球を見せ、7勝目をマーク。オリオールズとの3連戦を1勝1敗のタイに戻した。

 「彼をアトランタ(今季のオールスターゲームの開催地)に連れていってくれないか?お願いだ」とレイズ外野手のジェイク・マンガムは試合後に言った。先発のリッテルも「彼は間違いなくオールスターに値する選手だ」と、称賛した。彼とはもちろん特大弾を放ったアランダのことだ。

 アランダは今季レギュラーに定着し、打率.330、OPS.915と大ブレイクしている27歳。打率.330はアーロン・ジャッジとジェイコブ・ウィルソンに次ぐMLB3位、OPS.915は同8位と、MLB屈指の打撃成績を収めている。

 しかし、オールスターのファン投票では惜しくも当選を逃した。ブラディミール・ゲレーロJr.、ポール・ゴールドシュミットの後塵を拝む3位に終わり、決選投票となる第2フェーズには進めず。ゲレーロJr.、ゴールドシュミットは共に打率、OPSではアランダより低かったが、MLB屈指のスター選手を相手にするのは売出し中の27歳には荷が重かった。「システムを理解しています。他の二人もスター選手だと知っています。自分がコントロールできることに集中する。それだけです」と、アランダは淡々と結果を受け止めている。ただ、選手間投票とコミッショナー事務局の指名でオールスターのメンバーに名を連ねる可能性は高いはずだ。

 そして、きょうの勝利によってレイズは、再びア・リーグ東地区首位のヤンキースに0.5ゲーム差に迫った。ワイルドカードも1位を維持しており、2位へのリードを4.5ゲーム差に広げている。今のMLBで最も勢いがあるチームと言って良い。

 この快進撃の原動力となっているのは、開幕前はウィークポイントと懸念された打線の奮起だろう。アランダなどに牽引され、チーム打率は.260でMLB2位、チームOPS.736はMLB8位だ。そして伝統的に強い投手力も健在。今のレイズはただ勢いに乗っているだけではなく、MLB屈指の隙がないチームとして完成されつつある。

2025.6.29 11:38 Sunday

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