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レンジャーズ・ダニングとブレーブス・ルイーズ 右腕同士のトレード成立

 17日(日本時間18日)、ブレーブスはレンジャーズとのトレードで右腕デーン・ダニングを獲得したことを発表した。トレードの対価として右腕ホセ・ルイーズ(プラス金銭)をレンジャーズへ放出。また、ロースターの枠を空けるためにベテラン右腕ジェシー・チャベスのDFAが発表されている。

 ダニングは30歳の右腕。2023年には自己最多の12勝を挙げ、レンジャーズのワールドシリーズ制覇に貢献したが、昨季は26試合(うち15先発)で防御率5.31と成績を落とし、今季はここまでわずか5試合の登板にとどまっていた。新天地ブレーブスでは主にロングリリーフを担うことになるとみられるが、先発を務める機会も出てくるだろう。まだマイナー・オプションも残っているため、ブレーブスとしては柔軟に起用することができる。

 ルイーズは30歳の右腕。メジャー9年間で通算282試合に登板しており、2022年はホワイトソックスで自己最多の63試合、昨季もフィリーズで52試合に登板した。しかし、今季は開幕からの16登板で防御率8.16と精彩を欠き、6月上旬にフィリーズからDFAに。その後、ウエーバー経由でブレーブスに移ったが、2度目の登板で1回3失点と打ち込まれ、ロースターの40人枠を外されていた。

 ブレーブスからDFAとなったチャベスは41歳の大ベテラン。昨季はブレーブスで46試合に登板して防御率3.13と堅実な働きを見せたが、今季はわずか4登板で防御率9.00に終わっていた。主にロングリリーフを担ってきたチャベスだが、その役割はダニングに取って代わられることになりそうだ。

2025.7.18 12:51 Friday

MLBの「リプレー・レビュー・ルーム」では何が行われているのか

 よく親戚や友人との集まりで、野球に関する様々な質問をされることがあるが、妻のいとこの義父からの質問には完全に面食らった。

 どういうわけか、そのときの話題はMLBの「リプレー・レビュー・ルーム」についてだった。

「そこには何人の審判がいるのか?」

 わからない。

「審判は15試合すべてを同時に見ているのか?」

 わからない。

「同時に2つのリプレーが起きたらどうなるのか?」.

 わからない。

 わからないのも無理はない。というのも、MLB本部の「Zoom Replay Operations Center」には何度も足を運んだことがあるが、試合が行われている最中に立ち会ったことは1度もなかったからだ。私が知っている限りでは、試合中にそこに足を踏み入れた記者は1人もいないはずである。

 よって、このトピックは検証する価値がある。というわけで、実際の試合中の様子を確かめるべく、5月19日の月曜日、「MLBネットワーク」の撮影班とともにリプレー・ルームに入り、クルーチーフのジェームス・ホイ審判員に密着することに成功した。

 その密着で得た学びを通して、今回の記事では10個の質問に答えていく。次回の家族の集まりが楽しみだ。

【1】リプレーを担当する審判員のシフトはどうなっているのか?

 MLBの全審判員はシーズン中に1週間のリプレー・ルーム勤務を2~3回担当し、合計すると年間でおおよそ14〜21日となる。基本的には月曜から日曜までのシフトだが、月曜や木曜など試合数が少ない日には休みになることもある。

 審判員のシフトは同時に進行する2試合を担当する形になっている。リプレー・ルームには常時2組の4人編成で審判団が配置され、15試合のスケジュールを網羅できる体制が整えられている。

 取材当日の夜、ホイ審判員はレッズ対パイレーツと、カブス対マーリンズの2試合を担当。どちらもアメリカ東部時間で18時40分に開始された。各審判員の持ち場の前には大型モニターがあり、2試合を同時に視聴できるようになっている。

 精神的な疲労を避けるため、たとえばアメリカ東部時間19時開始の試合と同22時開始の試合を続けて担当することはない。担当の試合が終了した時点でその審判員のシフトは完了する。

 審判員たちはこのシフトを現場での過酷な職務から一息つける機会として歓迎している。

「私が所属するクルーは、直前に25日間で1日しか休みがなかった。だから、ここに来るのを楽しみにしていた。フィールドを離れてリフレッシュできるし、身体的にも精神的にも回復できるからね」とホイ審判員は語った。

【2】ポストシーズンはどうなるのか?

 ポストシーズンの試合では、各試合に2人のリプレー審判員が割り当てられる。1人は「リード」というメインの担当で、もう1人が補助(アシスト)である。

【3】審判員はどれくらいの数のリプレー映像を確認できるのか?

 リプレー・センターでは、MLBが提供するスタジアムの高所からのホームカメラ1台と、バッターカメラ2台が使われている。それに加えて、ホームとビジターの中継映像から得られる最大4台のスーパー・スローモーションカメラと、17台の独立カメラ(特定の選手専用のカメラ)の映像が活用される。

 高所のホームカメラは、判定の変更が必要な際に走者の位置を間違えないために主に用いられるが、それ以外の大半の映像は放送局のクルーから提供されるものである。「ニューヨークにはこちらにない角度の映像がある」と中継などでよく耳にすることがあるが、それはMLB独自の映像ではなく、ほかの放送局から提供された映像を指している。

【4】審判員以外にその部屋には誰がいるのか?

 この部屋には、明確に定義された役割を持つ多くの人員が配置されている。主な内訳は以下の通りである:

• 審判員 • オペレーター(審判員ではないが、同じ試合を見て共同作業を行う) • 監督審判員 (すべての検証が適切に進んでいるかを確認する) • 技術ディレクター(チャレンジが発生すると、審判員や監督審判員と並び、必要なすべての映像を技術チームから受け取る) • 技術スタッフ • キャプテン(ヘッドセットで技術スタッフと連携し、利用可能なすべての映像を把握してオペレーターに伝達する)

 さらに、レビュー時間、プレーの種類、適用されたルール、使用した決定的映像など、100項目近いデータを記録・収集する管理部門も存在する。これらの情報はメディアやSNSなどに提供され、透明性を確保する役割を担っている。

 また、部屋の奥には技術的な不具合が発生した際に即対応できるよう、エンジニアや技術担当者のオフィスがある。

 よって、部屋にいる人数が30人を超えることも珍しくない。

 リプレー・オペレーション・センターには16人の常勤スタッフと約50人の短期スタッフが所属しており、MLB球団の多くが、ここで経験を積んだ人材を球団のリプレー担当者として採用している。

【5】チャレンジが発生した際、部屋では何が起こるのか?

 チームが正式にチャレンジを申請する前から、リプレー・ルームではすでに動きが始まっている。

 際どいプレーが発生すると、オペレーターが部屋全体に男性の自動音声によるアラートを送る。この時点で監督審判員、技術ディレクター、そしてほかの審判員(自身の試合でリプレー検証中でない者)がその場所に集まり、オペレーターは放送映像を巻き戻して、再検証できるよう準備する。

 取材時に観察した限りでは、こうした際どいプレーの多くは実際にはチャレンジされない。実際、ホイ審判員は自身の経験にもとづき、プレーがチャレンジされないことを察して、監督審判員やほかの審判員が到着する前に手振りで撤退を指示した場面も複数あった。

 だが、実際にチャレンジが発生した場合、オペレーターによって、今度は女性の自動音声で通知が届けられる。これにより部屋全体がチャレンジが行われたことを理解し、左右の壁に設置されたタイマーでレビュー時間の計測が開始される。

 現場の審判団から連絡が入るまでに、検証担当の審判員がすでにプレーを何度も見直して、判定の方向性をほぼ固めていることも少なくない。たとえば、ホイ審判員が担当したパイレーツのキブライアン・ヘイズが一塁でセーフと判定されたプレーでは、現場のクルーチーフからヘッドセット越しに連絡がきた時点で、ホイ審判員はすでに映像を複数回確認しており、投手のニック・ロドロが一塁手のスペンサー・スティアーからの送球を受け、打者走者のヘイズより先にベースを踏んでいたことは明らかだった。

 ホイ審判員は判定をわずか5秒で覆した。

【6】チャレンジはどれくらいの頻度で起こり、どれくらいの時間がかかるのか?

 7月初旬までの時点で、1試合あたり平均0.59件のリプレー・レビューが行われている。つまり、リプレー担当の審判員はシフト中に平均して1~2件のチャレンジに対応していることになる(われわれが観察したシフトでは、ホイ審判員は2件のチャレンジを担当し、いずれも判定が覆った)。

 今季のリプレー・レビューの平均所要時間は1分26秒である。

 参考までに、今季のチャレンジおよびクルーチーフによるレビューのうち、49.5%が「confirmed」(判定が正しいことが確認された)もしくは「stands」(判定を覆すに十分な映像証拠がなかった)となり、50.2%はフィールド上の判定が覆された。なお、残りの0.3%はルールの確認や記録のチェックなど、判定と無関係なものである。

【7】プレーを確認している審判員はほかの審判員と協議できるのか?

 答えは「YES」で、頻繁に行われている。ほかの審判員たちはチャレンジされたプレーを担当する審判員の持ち場の近くに集まり、必要に応じてアドバイスを送る。

 たとえば、リプレー担当の審判員に対して、監督審判員が「今見ているものを説明してくれ」と言う。すると、その審判員は「ランナーの足が塁に触れる前にタッチされたように見える」といった説明をし、ほかの審判員たちとその認識が一致しているか確認したうえで、最終的な判定を現場のクルーチーフに伝える。

【8】同時に2つのチャレンジが発生した場合は?

 別々のステーションで2件のチャレンジが発生した場合は、それぞれ別のチームが対応するため、比較的スムーズに処理される。監督審判員や技術ディレクターも、一方のステーションからもう一方へ移動する時間的余裕がある(しばしば、一方の判定のほうが簡単なケースもある)。

 1人の審判員が担当している2試合のうち1試合でリプレーが発生した場合、もう一方の試合は一時的に別の審判員が引き継ぐ。そのため、その審判員は一時的に3試合を担当することになる。もし、1人の審判員が担当する2試合の両方でほぼ同時にチャレンジが発生した場合は、もう1人の審判員がどちらか一方のチャレンジを処理することになる。

【9】フィールド上の審判団がリプレー判定に口出しすることはあるのか?

 いいえ。フィールド上のクルーチーフがチャレンジ内容をリプレー担当の審判員に伝えたあと、リプレー担当の審判員はプレーを分析する間、ヘッドセットをミュートにしており、最終判断を下すまで再びオンにすることはない。

【10】「同時」の場合はランナーが優先されるのか?

 実際に「同時」は存在する。ただし、それを確認し、フィールド上の判定を維持するか覆すかを判断するのはリプレー担当の審判員の役割である。レビューによって間違いなく「同時」であると判断された場合、その判定(セーフであれアウトであれ)はフィールド上の審判員による当初の判定のまま維持される。

2025.7.18 12:03 Friday

ビッグマーケットのコンテンダー3球団がパイレーツ・ケラーに興味

 ポストシーズン進出が期待されるビッグマーケットのコンテンダー3球団、ヤンキース、メッツ、カブスはいずれもミッチ・ケラー(パイレーツ)の獲得に興味を示しているようだ。ピッツバーグ地元紙「ピッツバーグ・ポスト=ガゼット」のノア・ハイルズ記者が報じている。

 ハイルズ記者によると、現時点ではメッツがフロントランナーとみられているという。メッツは前半戦終了間際に千賀滉大とショーン・マナイアが戦列復帰。後半戦は千賀、マナイア、クレイ・ホームズ、デービッド・ピーターソン、フランキー・モンタスとベストメンバーに近い先発ローテを組むことが可能になったが、先発陣をより強化するために、パイレーツで昨季まで2年連続2ケタ勝利、今季も20先発で防御率3.48と安定した働きを見せているケラーを狙っているようだ。

 クラーク・シュミットの離脱で先発陣が駒不足に陥っているヤンキースもケラー獲得に興味を示している。現在はマックス・フリード、カルロス・ロドン、マーカス・ストローマンの3人に、ウィル・ウォーレンとキャム・シュリットラーの新人コンビを加えてローテを形成しているが、後半戦の戦いに向けて不安が残る。ケラーはパイレーツと5年7700万ドルの契約を結んでおり、来季以降3年5500万ドル分の契約を残しているが、メッツやヤンキースの資金力を考えれば、さほど大きな問題にはならないはずだ。ただし、3年半保有できるケラーを獲得するためには、極めて大きな対価が必要になることは間違いない。

 カブスもケラーに興味を示しているようだが、ハイルズ記者によると、本命の補強ターゲットとしてケラーを狙っているわけではなく、あくまでも「予備のプラン」という位置づけに近いという。また、カブスは三塁にも不安を抱えており、パイレーツの守備の名手キブライアン・ヘイズの獲得も検討しているとみられる。ヘイズは2023年にゴールドグラブ賞を初受賞したが、昨季はOPS.573、今季もOPS.577と打撃が低迷。パイレーツとは2029年まで8年7000万ドルの長期契約を結んでいる。

2025.7.18 10:38 Friday

売り手に回る可能性が高いオリオールズ 菅野智之もトレードが有力

 オリオールズは前半戦を43勝52敗の借金9で終え、アメリカン・リーグ東地区の最下位に低迷中。ワイルドカード圏内からも7.5ゲーム差となっており、オールスター・ブレイク明けに怒涛の追い上げがない限り、トレード・デッドラインで売り手に回るのは確実とみられている。ただし、実際にどれくらいの規模で主力選手の放出を行うかは注視が必要だ。

 オリオールズが売り手に回る場合、今季終了後にFAとなるライアン・オハーン、セドリック・マリンズ、グレゴリー・ソト、セランソニー・ドミンゲス、ザック・エフリン、チャーリー・モートンといった選手たちは、もれなくトレードの対象となるだろう。今季から1年契約でオリオールズに加入した菅野智之も同様だ。

 ほかにも、2027年まで保有期間を残すフェリックス・バティースタ、2026年まで保有期間を残すトレバー・ロジャース、2026年の球団オプションを持つラモン・ローレアーノらもトレードの対象となる可能性がある。ただし、米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は「オリオールズはバティースタとロジャースへのトレードのオファーに耳を傾けているが、来季再びポストシーズン進出を狙うつもりのため、両投手がトレードされる可能性は低い」と報じている。

 トレードが確実な選手の中で、他球団にとって最も魅力的な選手はオハーンとモートンだろう。オハーンは打率.286、11本塁打、34打点、OPS.840で前半戦を終え、メジャー8年目にして初のオールスター・ゲーム選出。特に右腕相手には打率.300、11本塁打、33打点、OPS.893の好成績を残しており、「打てる一塁手」の獲得を狙うチームの補強ターゲットとなりそうだ。

 モートンは41歳の大ベテランで、前半戦は20試合(うち14先発)で5勝7敗、防御率5.18に終わった。しかし、5月下旬にローテ復帰を果たしたあとは8先発で5勝0敗、防御率2.76と本来のピッチングを取り戻しており、トレード要員としての価値を高めている。ポストシーズンの経験も豊富であり、獲得に興味を示すチームは少なくないはずだ。

2025.7.18 09:51 Friday

40歳のベテラン右腕デービッド・ロバートソンが公開投球練習を実施

 7月末に迫っているトレード・デッドラインだが、実績十分のリリーバーを補強する方法はトレード以外にもある。40歳のベテラン右腕、デービッド・ロバートソンがFA市場に残ったままとなっているからだ。

 ヤンキース、ホワイトソックスなどで活躍してきたロバートソンはメジャー16年間で通算861試合に登板して177セーブ&196ホールド、防御率2.91を記録。昨季はレンジャーズで68試合に登板して72イニングを投げ、3勝4敗2セーブ、34ホールド、防御率3.00、99三振をマークした。

 ヤンキース、レイズ、フィリーズ、マーリンズの4球団でポストシーズン出場経験があり、通算42試合に登板して6勝0敗1セーブ、5ホールド、防御率3.04を記録。ロバートソン自身もポストシーズン進出を狙えるチームでプレーしたいとの思いがあり、現在は獲得に興味を示すチームを対象に、投球練習を公開してアピールを行っている。

 ロバートソン獲得に興味を示すチームの中にはヤンキースとメッツが含まれていることが明らかになっている。ロバートソンはキャリアの大部分をヤンキースで過ごしており、2023年にはメッツでもプレー。ニューヨーク2球団はロバートソンにとって古巣である。

 ちなみに、ロバートソンは昨季終了後、年俸700万ドルの相互オプションを破棄してレンジャーズを退団。バイアウトの150万ドルを得て、FAとなった。年俸1000万ドル前後の契約を求めていたようだが、ロバートソンの希望を満たすオファーは届かず、現在に至るまでFAの状態が続いている。

 すでに40歳ということで、昨季と同水準のパフォーマンスを維持できる保証はどこにもないが、経験豊富なベテラン右腕の獲得に動くチームは現れるだろうか。

2025.7.17 11:27 Thursday

オールスターの視聴者数は810万人 プロスポーツのオールスターで最多

 あなたは火曜日の夜(日本時間水曜日の午前中)、オールスター・ゲームを見ていましたか?

 あなたがオールスター・ゲームを見ていた可能性は高い。なぜなら、「ニールセン」に調査によると、アトランタで行われたオールスター・ゲームを「FOX」のテレビ中継とストリーミングサービスの合計で平均720万人が視聴し、視聴者数はピーク時には810万人に達していたからだ。

 これは月曜日(日本時間火曜日)に行われたホームラン・ダービーに続く高数値であり、「ESPN」によると、今年のホームラン・ダービーは平均570万人、ピーク時には630万人が視聴し、前年比で5%増加したという。テレビ視聴率の観点から言えば、プロスポーツにおける最も人気の高いオールスター・イベントとなった。

 過去の試合と比較しても、今年の第95回オールスター・ゲームには多くの見どころがあった。先日通算3000奪三振を達成したクレイトン・カーショウ(ドジャース)へのトリビュートから始まり、アメリカン・リーグの6点ビハインドからの追い上げ、そして史上初の「スイングオフ」によるタイブレークが行われ、3スイングで3本塁打を放ったカイル・シュワーバー(フィリーズ)がナショナル・リーグを勝利に導いた。

2025.7.17 10:26 Thursday

ロイヤルズがパイレーツとのトレードでアダム・フレイジャーを獲得

 16日(日本時間17日)、ロイヤルズはキャム・デバニーとのトレードでパイレーツからアダム・フレイジャーを獲得したことを発表した。レギュラーとしての獲得ではなく、ベンチに経験豊富なベテランを加えたいという狙いがあるようだ。フレイジャーは昨季ロイヤルズで104試合に出場しており、半年ぶりの古巣復帰となる。

 ロイヤルズのJ・J・ピコーロGMは「われわれは常に、フレイジャーのことを素晴らしい選手だと思っていた。彼に対して大きなリスペクトを持っており、彼を補強ターゲットに挙げるのは簡単なことだった。今、われわれには選手層の厚さが不足している。すべてのエリアで補強が必要だが、選手層の厚さも重要なんだ」とコメント。33歳のフレイジャーは今季パイレーツで78試合に出場して打率.255、OPS.654にとどまっており、攻撃面の大きなアップグレードにはならない。しかし、2022年から3年連続で異なるチームでポストシーズンに出場するなど豊富な経験を持つベテランがチームに不可欠な存在であると判断した。

 今季のロイヤルズはMJ・メレンデスをマイナーに落とし、ハンター・レンフローを戦力外としたことで、メジャー経験の少ない若手選手の出場機会が多くなっていた。もちろん、こうした選手たちにチャンスを与えることも重要だが、逆転でのポストシーズン進出を目指すためにはベテランの力が必要。「控え選手には経験が不足している。どんな役割もこなせるベテランが必要だったんだ。フレイジャーはその条件に合致する存在だ」とピコーロGMは昨年ポストシーズン進出に貢献し、ロイヤルズの選手からも愛されていたフレイジャーを呼び戻すことを決めた。

 また、オールスター・ゲームの翌日というタイミングでロイヤルズがフレイジャー獲得に動いたのは、少なくとも現時点ではまだポストシーズン進出を諦めていない証と言えるだろう。47勝50敗でアメリカン・リーグ中地区3位のロイヤルズ。トレード・デッドラインまでの残り2週間で巻き返すことができれば、本格的に「買い手」としてトレード市場に参入することになりそうだ。

 パイレーツへ移籍するデバニーは今月メジャー昇格を果たしたばかりの28歳の内野手。まだメジャーでの出場機会はなく、今季マイナー3Aでは69試合に出場して打率.272、18本塁打、55打点、OPS.931をマークしている。

2025.7.17 09:32 Thursday

ドラフト2日目 アスレチックスがハワイ大・武元一輝を指名 

 14日(日本時間15日)、MLBドラフトの2日目が行われ、4巡目から20巡目までの全指名が完了。アスレチックスの19巡目では、ハワイ大の武元一輝が指名を受けた。

 2日目のドラフトで脚光を浴びたのは、全体1位指名権を持っていたナショナルズだった。ナショナルズは全体1位で大方の予想を裏切り、高校生遊撃手のイーライ・ウィリッツを指名。契約金(ボーナスプール)を下位指名に分散させる戦略を採ると見られており、その通りに2日目も有力選手を複数確保した。

 4巡目(全体111位)では高校生右腕ミゲル・サイムJr.を指名。サイムJr.はMLBパイプラインのドラフト有望株ランキングでは86位に入る逸材だったが、111位でそれを確保した。また、5巡目でも高校生内野手のコイ・ジェームズをスティール。ジェームズもドラフトランキング94位に入る好打者であり、ボーナススロット以上の契約金を提示して契約合意を目指すはずだ。大本命と言われたケイド・アンダーソン、イーサン・ホリデイを差し置いてウィリッツを選び、衝撃を呼んだナショナルズのドラフトは成功するだろうか。

 そして、7巡目ではドジャースが変わり種を指名。全体225位で指名した大学生右腕メイソン・エストラーダは、マサチューセッツ工科大(MIT)で航空宇宙工学を専攻する秀才だ。エストラーダは、最速96マイルの4シームと回転数の多いブレーキングボールが持ち味。プロ入りしなければ、野球の強豪校・テネシー大への転校を検討しているという。

 8巡目では、パイレーツが新たなジャレッド・ジョーンズを確保した。先発右腕のジャレッド・ジョーンズを擁する同球団は、今度は一塁手のジャレッド・ジョーンズを指名。ジョーンズは強豪ルイジアナ州立大で活躍した大砲で、ドラフトランキングでは101に入っていた。しかし、予想外に指名は遅れ、全体263位でパイレーツがスティール。メジャーの舞台でジャレッド・ジョーンズの揃い踏みが見られるだろうか。

 そしてアスレチックスは19巡目(全体560位)で、ハワイ大の二刀流・武元一輝を指名した。武元は智弁和歌山高からハワイ大に進学した21歳。今季は投手として15登板で防御率5.75、打者として45試合で打率.256、OPS.653の成績を残していた。日本人選手のドラフト指名は、2023年にホワイトソックスに11巡目で指名された西田陸浮以来。アスレチックスには桐朋高からマイナー契約で入団したばかりの森井翔太郎も在籍している。

2025.7.15 15:00 Tuesday

22歳カミネロが本塁打ダービーで準優勝 本塁打キャッチの珍事も

 レイズの三塁手ジュニア・カミネロは、14日(日本時間15日)にトゥルーイスト・パークで行われたTモバイル・ホームラン・ダービーの決勝ラウンドで、自分からホームランを「奪った」少年について尋ねられると笑みがこぼれた。「こういうことは起こるものだ。彼も楽しんでいた。自分が楽しいと思ったことをやっていて、それでよかったんだ」とカミネロは通訳を介して語った。

 22歳のカミネロは、ホームランダービーの史上最年少優勝をかけて戦っていた。ファーストラウンドでは3分間とボーナスタイムの間に21本塁打を放って、余裕を持って準決勝ラウンドに進出。準決勝ラウンドではわずか57秒で8本塁打を放ち、あっさりと決勝ラウンド進出を決めた。

 そして、決勝の舞台で相見えたのは、今季38本塁打を放っているカル・ローリー(マリナーズ)だった。先攻のローリーは18本のアーチをかけ、いよいよ後攻のカミネロが登場。ここで珍事が起きた。

 カミネロは最初の8スイングで5本塁打を量産し、ローリーを順調に追撃。しかし、9スイング目の弾丸ライナーの打球がレフトフェンスの低い部分を目掛けて飛ぶと、なんとボールボーイとして外野に入っていた少年がこれをキャッチしてしまった。打球は完全にフェンスを越えており、審判はすぐにこれをホームランとしてカウントすると明言した。カミネロにとっても、そして思わぬファインプレーをしてしまった少年にとっても、このホームランキャッチは面白い余談となった。

 結局、カミネロは序盤の好調を維持できず、18対15でローリーに敗北。史上最年少での優勝は成し遂げられなかった。

 一方で、100を超える本塁打が飛び交ったこの日、唯一守備でハイライトを見せた少年は、早くも身元が判明。ブレーブスで公式スコアラーを務める父を持つ、17歳のサム・ムスターラーさんがその人だった。ムスターラーさんは「フェンスのどこに自分がいたのか、よく分かっていなかったんです。フェンスが少し高かったと思っていました。それで、手を伸ばして掴んだんです」と、「ジ・アスレチック」の取材に答えている。

 実はホームランダービーでのホームランキャッチは、1985年にも前例がある。殿堂入り選手ライン・サンドバーグが放った本塁打を、高校を卒業したばかりの青年が見事にホームランキャッチしてしまった。その時は今回とは異なり、サンドバーグの本塁打数は1本減る結果になってしまったという。

2025.7.15 14:27 Tuesday

マチャドとタティスJr.は弱小球団パドレスをどう変えたのか

 14日(日本時間15日)、パドレスのスターコンビであるマニー・マチャドとフェルナンド・タティスJr.がオールスターの公式会見に登場。かつては弱小球団だったパドレスは、今や2年連続でオールスターに5人の選手を送り込む強豪に成長した。その中心には、2019年にFAで加入したマチャド、そして同年にデビューを飾ったタティスJr.がいる。パドレスという球団の歴史を塗り替えた2人が、その歴史の転換点を回想した。

 2019年のスプリングトレーニング、1か月前にパドレスに加入したばかりのマニー・マチャドは、ベテラン選手たちを率いてAJ・プレラーGMのオフィスを訪れた。スプリングトレーニングは終盤を迎え、当時20歳だったフェルナンド・タティスJr.という有望株が、開幕ロースターの当落線上にいた。

 当時は、有望株がいくらスプリングトレーニングで結果を残しても、FA権の取得を遅らせるために開幕ロースターに入れないことが主流だった。しかし、マチャドは「我々は勝ちたいんだろう?この男をロースターに入れないといけない」とプレラーGMに訴えた。

 1週間後、マチャドとタティスJr.は同じ日、2019年3月28日にパドレスのユニフォームに袖を通し、開幕戦を戦った。様々な意味で、その日は球団の歴史における転換点となった。マチャドとタティスJr.の時代が到来し、それまで負け犬球団だったパドレスは、生まれ変わった。5年間で3回のポストシーズン進出を果たし、ダウンタウンに位置する本拠地ペトコ・パークは、今や毎晩のように満員になる。勝率.537を記録した2020-24年の5シーズンは、球団の歴史で最高勝率のスパンだった。

 タティスJr.は「私が昇格する前は、みんなチームよりも将来有望な選手に注目していた。年間90試合も負けていた。もちろん、2019年は最高の年ではなかった。でも、その後は良い野球ができるようになったんだ。(チームに対する)期待が変わったんだ。本当に嬉しいよ。それが僕たちの望みだった」と語った。

 それほど遠くない昔、パドレスから複数のオールスター選手が選出されれば、それは驚きだった。今年は2年連続で5人が選出され、その中にはパドレスから3度目のオールスター選出を果たしたマチャドとタティスも含まれる。(パドレスはオールスター・ゲームにリリーフ投手3人を送り込んだ初のチームでもあり、ロバート・スアレス、ジェイソン・アダム、エイドリアン・モレホンが選出された。)

 これは、タティスJr.が語るように「期待が変わった」証拠でもある。こうした期待とともに、マチャド/タティスJr.時代を決定づける疑問が浮かび上がる。彼らは球団の転換を、パドレス史上初のワールドシリーズ制覇という輝かしい偉業で飾ることができるのか?

 「まさに夢見ていたことだ。(故オーナーの)ピーター(・サイドラー氏)の遺産だ。目が覚めるたびに、そのことを考えている」とタティスJr.は語る。マチャドも「それが、我々がプレーする理由だ」と口を揃える。

 「世界一を目指す」というのはメジャーリーガーにとっては当然の発言かもしれない。しかし、パドレスはマチャドが加入するまでの数十年間、どれほどその言葉を真剣に言ってきただろうか?

 現在、パドレスの監督を務めるマイク・シルトは、マチャドが加入した2019年はカージナルスの監督だった。当時のパドレスを「チームが勝利に全力を注いでいるという印象は受けなかった。リーグ内のチームの一つという感じだったんだ」と回想する。しかし、「だが、マニーと契約し、タティが台頭して大活躍すれば・・・。その投資とトレードは、リーグの人々にパドレスがいかに本気かを伝えたんだ」と、パドレスの目の色が変わった瞬間を感じ取っていた。

 パドレスは本気だった。タティスJr.は、2020年のトレードデッドラインにプレラーGMが26人の選手を巻き込んだ6つのトレードを行ったことで、その真意を実感し始めたと語った。「2019年は、まだ自分たちの能力を模索している段階だった。でも2020年になって、AJがとんでもないトレードをし始めたんだ。まるで・・・『これは本気だ』って感じだった。期待が変わったんだ」。パドレスはその年にプレーオフに進出し、その後2022年と2024年にも再びプレーオフに進出した。

 その結果として、パドレスが2021年と2023年にポストシーズンを逃したとき、それは以前とは比べ物にならないほど受け入れ難いものとなった。監督は解任され、組織改革も行われた。一方、ペトコ・パークは盛り上がりを見せ始めた。パドレスは過去2シーズン連続で観客動員数記録を更新しており、今年もそのペースを維持している。しかし、その成功の要因は球場自体に限ったものではない。

 「ペトコは美しいし、居心地の良い場所だ。でも、毎日そこで売られているのは商品だ。(ファンは)私たちを受け入れてくれる。そして私たちもファンを受け入れてくれる」とマチャド。「見ていて本当にやりがいを感じる。サンディエゴにはまさにふさわしい結果だね」とタティスJr.も感慨深く語った。

2025.7.15 14:03 Tuesday

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