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第6戦を決着させたダブルプレー 数字で見るキケのスーパープレー
【ブルージェイズ1-3ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月31日(日本時間11月1日)
ドジャースは九回、2点のリードを保っていた。1死二、三塁で打席にはワールドシリーズ制覇を決める決勝点の走者となるヒメネスが入った。ヒメネスはグラスナウの直球を逆方向に飛ばすと、二塁走者バージャーはハーフウェイで待機し、もしボールが落ちれば同点打を狙えると踏んだ。
「落ちるな」ドジャースのデーブ・ロバーツ監督がそのとき考えていたのは、それだけだったと記憶している。「落ちるな」
ボールは落ちなかった。そしてバージャーは二塁に戻れなかった。そしてドジャースはワールドシリーズ第6戦に3-1で勝利し、フォールクラシックは第7戦へと突入する。
キケ・ヘルナンデスはポストシーズンで最高の瞬間を演出することで名声を博してきた。そして第6戦でも最も記憶に残る瞬間の一つを演出した。
ヘルナンデスはヒメネスのライナーをジャンプして捕球し、そのままワンモーションで二塁へ送球。ショートバウンドになった送球を二塁手ミゲル・ロハスが巧みに捕球した。
そしてバージャーはアウトになり、ドジャースが勝利。送球の勢いのまま内野に到着したヘルナンデスは、遊撃手のムーキー・ベッツに飛びつかれた。 「かなり壮大な結末だ」と、ロハスは言った。
冗談ではなく、これはまさにヘルナンデスの活躍による史上最高のエンディングだった。まずは完ぺきなポジショニングから見ていこう。
・ヘルナンデスはヒメネスと272フィートの深さで対戦したが、これは今季左打者に対してレフトが守る平均よりもなんと26フィートも浅い。 ・これはある程度、パワーが脅威ではないヒメネスのせいだ。ヒメネスに対するレフトの守備位置は平均で285フィートで(158人中151位の浅さ) ・ヘルナンデス自信は浅く守ることを好む。平均の左打者に対する守備位置は285フィート(119人中107位の浅さ)。 ・それでもヘルナンデスは平均よりさらに浅く守った。ヘルナンデスはワールドシリーズでヒメネスに対して平均273フィートの位置で守っている。ドジャースの他のレフトに比べると、24フィートも浅い。
「グラスナウの持ち球からすると、左側に打球が飛んでくると予想していた。二塁に同点の走者がいたから、浅めに守っていた。ショートを抜けるヒットを打たれたら、二塁の同点の走者を三塁にとどめられるくらいに浅く守っていたかった」と、ヘルナンデスは振り返る。
ヘルナンデスのポジショニングは完ぺきだった。プレーそのものも完ぺきだった。ヘルナンデスはそれでもかなりの距離を、正確には3.4秒で52フィートを走破する必要があった。バットを振った瞬間の読みは絶妙だった。ヘルナンデスは想像を絶する最高のスタートを切り、バージャーが予想だにしなかったキャッチを決めた。
「彼(ヘルナンデス)がボールにたどり着いたことには本当に驚いた。最初はショートの頭上を越えるだろうと思った。まさかあんなに飛ぶとは思わなかった。読みが悪かったんだ。明らかにベースから離れすぎていた。・・・攻めすぎていた」と、バージャーは語る。
スタットキャストによれば、ヘルナンデスの「ジャンプ」はリーグ平均より7.3フィート優れていた(「ジャンプ」とは、ボールが打たれてから最初の3フィート以内に正しい方向に足を踏み出した距離と定義)。もしヘルナンデスの「ジャンプ」がこれより劣っていても捕球自体は成功していたかもしれないが、それではバージャーを間一髪でダブルプレーにすることはできなかっただろう。
そして、このプレーの最後の場面に移ろう。これは決して見逃せない部分だ。ヘルナンデスはできるだけ早くボールを持ち替えようとした。送球は正確だったが、途中でバウンドしてしまった。 「全速力で走っていたから、あまり強く投げたくなかった。おそらく頭上に投げてしまうと思ったから」、とヘルナンデスは振り返る。
しかし、送球を受けたロハスはこう言った。 「ヘルナンデスがボールを二塁に投げたとき、私は『このボールは絶対に逸らさない』と言ったんだ」
実際、ロハスの巧みな捕球が第6戦の勝利を決定づけた。左足でベースを踏み、グラブを出すのを我慢したことで、ボールの跳ね方を読む時間を稼いだ。バージャーの左手がベースに触れるほんの一瞬前に、ロハスはグラブの中でボールを握りしめた。
ロジャースセンターが静まり返る中、ドジャースの選手たちがダグアウトから続々と出てきた。審判団がリプレイ確認中を告げると、球場のファンに一瞬の希望が蘇った。間もなく、バックスクリーンに決定的な映像が映し出された。球場から観客が減り始めると、ドジャースの選手たちは次々と抱擁と握手を交わした。
「素晴らしいワールドシリーズだ。第7戦までもつれ込むのは当然だ」と、ヘルナンデスは言う。それは主にヘルナンデス自身のおかげだ。
「すごい選手だ。すごいプレーだった」と、ロバーツ監督。勝負はあすの第7戦に持ち込まれた。
2025.11.1 17:13 Saturday
ドジャースがWS第6戦を取る 山本が6回1失点、劇的な幕切れで逆王手
【ブルージェイズ1-3ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月31日(日本時間11月1日)
ブルージェイズが3勝2敗と王手をかけて迎えたワールドシリーズ第6戦は、山本由伸(27)が粘りの好投でドジャースを勝利に導いた。山本は走者を背負いながらも要所を締め、6回1失点をマーク。その後もドジャースのブルペン陣はピンチを招きながらも決定打を許さず、最後は佐々木朗希(23)が6アウトセーブを挙げた。ドジャースとブルージェイズは3勝3敗に並び、あす運命の第7戦を迎える。
ブルージェイズ先発のケビン・ゴーズマンは序盤から絶好調で、二回までに6三振。三回も先頭を三振に仕留めたが、続くエドマンに二塁打を浴び、2死二塁で大谷を迎えた。ゴーズマンは大谷翔平を申告敬遠したが、続くスミスにタイムリー二塁打を浴びて1点を失った。そして二、三塁からフリーマンを歩かせると、不振のベッツにも2点タイムリーを打たれ、0-3とリードされた。
一方のブルージェイズ打線も、直後の三回の攻撃でスプリンガーがタイムリーを放ち、ドジャース先発の山本由伸から1点を返した。
ドジャースが3-1とリードした三回以降は、山本とゴーズマンが好投。ゴーズマンは3点を失った三回以外はすべて三者凡退に抑え、6回3失点、8三振、2四球とクオリティスタート。三回までに奪った8三振は、ワールドシリーズ記録タイに並ぶなど、大一番で実力を発揮した。
しかし、山本が粘りの投球でまたしてもゴーズマンを上回った。三回から毎回走者を背負ったが、ピンチの場面ではスプリットを多投して失点を1にとどめた。最後のイニングとなった六回には、2死からゲレーロJr.に二塁打を浴び、四球で一、二塁のピンチを背負ったが、バーショを全球スプリットで空振り三振に仕留めた。山本は6回1失点、6三振、1四球で降板。がけっぷちのチームを救う好投を見せた。
試合は3-1のまま終盤に突入し、ドジャースは2番手ロブレスキーが七回を抑えたあと、八回から佐々木朗希を投入。佐々木は先頭のスプリンガーに不運な安打を許し、1死からゲレーロJr.に四球を与えて、一、二塁のピンチを招いた。しかし、後続のビシェットとバーショを打ち取って無失点。
しかし九回は先頭から死球と二塁打を与え、無死二、三塁のピンチを背負ったところで佐々木は交代となり、第7戦先発予定だったタイラー・グラスナウが4番手として登場した。グラスナウはクレメントをファーストフライ、続くヒメネスもレフトライナーも打ち取った。ここで二塁走者バージャーが飛び出したのを見逃さず、レフトのキケ・ヘルナンデスが素早い送球でダブルプレーを奪い、ゲームセット。劇的な幕切れでドジャースは逃げ切り、連覇に望みをつないだ。
2025.11.1 14:04 Saturday
がけっぷちに追い込まれたドジャース 「何の問題もない」
【ドジャース1-6ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月29日(日本時間30日)
ドジャースが本拠地での今季最後のイニングをプレーしているとき、試合中は満員だった観客の中から「シリーズはまだ終わっていない!」とチャントを生み出そうとする声が聞こえた。
散発的に続く声はあったが、すぐにそれは消え、球場はずっと前から広がっていた諦めの雰囲気に戻った。
ドジャースは2024年の地区シリーズ以来初めて、「あと1敗でシリーズ終了」の瀬戸際に置かれている。 「まだ可能性はあると思う。もっと可能性はあると確信している。2勝はしたが、結局は1試合の結果にかかっている。これまで何度も負ければ終わりの試合を経験してきたが、その逆境を乗り越える方法を見つけたと思う」
ドジャースにとって、歴史は不利な状況を示している。最大7戦のシリーズで2勝2敗のタイとなった場合、第5戦の勝者は68回中48回(67.6%)でシリーズを制している。現行のフォーマットでは、アウェイで第5戦に勝利して3勝2敗のリードを奪い、その後ホームに戻って第6戦以降に挑んだチームは、27回中20回(74.1%)シリーズを制している。
しかし、結局オッズはオッズに過ぎない。ドジャースは依然もオッズを覆している。とはいえ、彼らが第5戦に敗れたのは、ワールドシリーズの歴史において間違った側に立っていたことが大きな要因だった。
試合の最初の3球が、その夜の試合の流れを大きく決定づけた。ブレイク・スネルは、デービス・シュナイダーへの初球をとらえられ、レフトへ先制ソロを被弾。スネルはその2球後にも同様のミスを犯し、ブラディミール・ゲレーロJr.に痛恨の2本目のソロを浴びた。試合開始から2者連続本塁打はワールドシリーズ史上初だった。
「試合の初球、内角高めの直球。98マイル(約157.7キロ)出ていた。不運だった。そしてそれからブラッド(ゲレーロJr.)。あれはただの悪いボールだった」と、スネルは振り返った。
スネルと対したトレイ・イェサベージは7回1失点、12三振の快投。76年間破られなかったワールドシリーズ新人記録を塗り替え、ドン・ニューカム(1949年、ブルックリン・ドジャース)が成し遂げた11三振を更新した。
ドジャースのブルペン陣はまたしても不安定なパフォーマンスだったが、打線がそれ以上に振るわなかったため、問題にはならなかった。ドジャースはより良いパフォーマンスを発揮できると分かっているが、それを見極める時間は限られている。
ドジャースが最後に「負ければシーズン終了」に追い込まれた2024年の地区シリーズから何かを学ぶとすれば、それは粘り強く戦い続けることだ。特に第6戦では山本由伸がマウンドに立つことを考えると、第7戦まで持ち込める可能性は高い。
「今年は何度も窮地に立たされた。怪我と戦い、期待と戦い、そしてその他もろもろ。このチームはタフで、2試合勝つことに何の問題もない」と、ウィル・スミスは自信を口にした。
準備ができているのは山本だけではない。第6戦から大谷翔平がリリーフとして起用される可能性があり、第7戦にはタイラー・グラスナウが先発予定だ。
今季のドジャースの強みは先発投手陣だった。しかし、ブルージェイズ打線に攻略され、ドジャースは2勝3敗とリードされている。それでも先発ローテには最高の投手が揃っており、第6、7戦ではさらに柔軟な起用が可能になる。
「昨年よりも才能豊かなチームになったと思う。昨年はやり方を見つけることができた。昨年は投手陣の状況がもっと深刻な状況だったと思う。第6戦では由伸を絶好のタイミングでマウンドに送り込める。私たち、そして攻撃陣が、今こそ本領を発揮すべき時だ」と、キケ・ヘルナンデスは意気込みを語った。
2025.10.31 11:19 Friday
歴史的快投の新人イェサベージ ベテランも舌を巻く22歳がブルージェイズをあと1勝に導く
【ドジャース1-6ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月29日(日本時間30日)
ブルージェイズのベテラン選手たちがトレイ・イェサベージの名前を聞いたのは、2025シーズンもかなり進んだ頃だった。イェサベージのような立ち位置の選手は、通常は球団の将来を担う存在と考えられる。そして、目先の勝利を目指すMLBチームにとってそういった選手は、トレードデッドラインで重要な選手を獲得するための対価に過ぎない。
しかし、ワールドシリーズ制覇まであと1勝に迫るア・リーグ王者は、今やトレイ・イェサベージの名前を間違いなく知っている。そして球界で最も資金力のあるチームも、そしてその他のチームも。
ブルージェイズはワールドシリーズ第5戦に、イェサベージの快投で勝利。打線もデービス・シュナイダーとブラディミール・ゲレーロJr.の先頭からの2者連続本塁打などもあり、ドジャースを6-1で破り、世界一に王手をかけた。
1Aでシーズンをスタートし、9月15日に3Aバッファローからブルージェイズに昇格。22歳のイェサベージは今やチームを優勝の瀬戸際へと導いている。そのシンデレラストーリーの最新にして最高の場面について、 「ハリウッドでもこれほど素晴らしいものは作れなかっただろうね」と、イェサベージは語る。
最大7戦のシリーズで2勝2敗のタイとなった場合、第5戦の勝者は68回中48回(67.6%)でシリーズを制している。現行のフォーマットでは、アウェイで第5戦に勝利して3勝2敗のリードを奪い、その後ホームに戻って第6戦以降に挑んだチームは、27回中20回(74.1%)シリーズを制している。
イェサベージは7イニングを投げ、わずか1失点、12三振(ワールドシリーズにおける新人記録)、無四球と好投。ワールドシリーズにおいて、これほど多くの三振を奪いながら無四球だったのはイェサベージが初めてであり、しかもMLB8戦目の先発、そしてポストシーズン初のアウェイでの先発で達成した。
「イェサベージは本当に落ち着いている。彼にとって、この瞬間は大したことではない。あの若さで信じられないくらいだ。だから、彼を指導し、育ててくれた人に敬意を表するよ。プレッシャーの中でも本当に、本当に冷静なんだ。信じられないよ」と、ベテラン右腕のクリス・バシットは語った。
しかし、ブルージェイズが過去2日間でドジャースに対して成し遂げたことも信じられないことだ。
ブルージェイズは第3戦、延長18回の壮絶な死闘に破れ、疲弊した。それは球団を壊滅させるほどの敗北であり、隅っこで丸まって親指をしゃぶりたくなるような苦痛だった。
しかし、第4、5戦は見事に立ち直り、ドジャースを圧倒。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、「気分は良くない。ブルージェイズの選手たちがヒットを打ったり、球団を前進させたりする方法を模索しているのは明らかだ。だが、われわれはそれをうまくやっていない」と語る。
第4、5戦では、ブルージェイズの球団の顔であるゲレーロが2本塁打を放ち、投手陣はドジャース打線を.161(62打数10安打)に抑え、観客を完全に静まり返らせた。
特に第5戦では、あっという間に主導権を握った。多くのファンがロサンゼルスならではの渋滞に巻き込まれ、まだドジャースタジアムに入れてもいない時間帯に、2本の本塁打をドジャース先発のブレイク・スネルに浴びせた。
負傷したジョージ・スプリンガーに代わってリードオフを務めたシュナイダーとゲレーロJr.は、内角のフォーシームを同じようなスイングでとらえた。わずか3球、本塁打が2本、ブルージェイズは2-0とリードした。
「ブルージェイズ打線は僕を攻略できたわけではなかったと思う。試合の初球、内角高めの直球。98マイル(約157.7キロ)出ていた。不運だった。そしてそれからブラッド(ゲレーロJr.)。あれはただの悪いボールだった。それ以降は順調に投げられたと思う」と、スネルは振り返った。
しかし、本当にただの不運だったのか。シュナイダーはブルージェイズはスネルの直球を待っていたと言う。 「第1戦では直球がなかなか定まらなかったけど、それでもチェンジアップは効果的に投げていた。だから直球でストライクを狙ってから、そこから緩急をつけてくると予想した」
これは他に類を見ない奇襲だった。ワールドシリーズで試合開始直後に連続ホームランを打ったことはかつてなかったからだ(ポストシーズンの試合開始直後に連続ホームランを打ったのは、他に2002年のアスレチックスが地区シリーズで放ったものだけである)。ブルージェイズが試合開始直後に連続本塁打を打ったことも、あるいはドジャースが打たれたことも、そしてスネルが打たれたこともなかった。
援護をもらったイェサベージは好調だった。第1戦ではスプリットの感覚をつかむのに苦労したが、今回は問題なかった。三回にはポストシーズン男として知られるキケ・ヘルナンデスに本塁打を浴びたが、それでも試合を支配し続けた。ポストシーズンで新人が複数回の登板で2桁三振を記録したのは史上初、ワールドシリーズで5イニング目までに2桁三振を奪ったのはこの試合を観戦していたドジャースのレジェンド、サンディ・コーファックス以来2人目だった。
「早めにゾーンに投げて、自分のカウントにして、追い込んでから好きなように投げるだけだ」と、イェサベージは語る。
イェサベージのチームメートの中には、殿堂入り間違いなしのキャリアを送る選手もいるが、このパフォーマンスに畏敬の念を抱いていた。
「メジャーリーグに来た時のことを思い出すよ。2008年のシーズンには、ワールドシリーズに投げるなんて想像もできなかった。本当にクレイジーな話だったよ…イェサベージは本物だ。今の彼は誰とでも戦える」と、マックス・シャーザーは語る。
そんなイェサベージにはある楽しみがある。メジャー昇格がシーズン終盤だったため、給料はこれまで多くはなかった。しかし、ポストシーズンに進出したことで、配当金をもらえることになった。 「プレーオフの配当金はいつ入ってくるにせよ嬉しいものだろうね」と、イェサベージ。
チャンピオンリングも良いものだろう。
2025.10.30 16:42 Thursday
WS第5戦から何を学んだか 第6戦の見どころは
【ドジャース1-6ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月29日(日本時間30日)
勝った方が王手をかけるワールドシリーズ第5戦は、トレイ・イェサベージが12三振の快投で、ブルージェイズを勝利に導いた。ドジャース有利の下馬評を覆し、ブルージェイズは世界一にあと1勝に迫った。31日(日本時間11月1日)に行われる第6戦を前に、第5戦の注目ポイントを抑えておこう。
ブルージェイズはドジャースの先発投手陣を追い込んでいる。ドジャースは最大の試練に直面。
第5戦では、試合開始からわずか3球でブルージェイズは2-0とリードしていた。デービス・シュナイダーがブレイク・スネルから初球を本塁打、ブラディミール・ゲレーロJr.が2球目を本塁打としていた。ワールドシリーズで先頭から2者連続本塁打は史上初だった。
「それが試合前に決めたアプローチだった。打つ準備を整えること」、とジョン・シュナイダー監督は振り返る。
ブルージェイズ打線はまたしてもハイレベルな先発投手を平凡な投手に見せてしまった。ブルージェイズ打線はこの日七回途中5失点のスネル、大谷翔平、タイラー・グラスナウ、マックス・フリード、カルロス・ロドン、そしてマリナーズの先発投手陣に対しても、同じことをしてきた。
しかし、第6戦で待ち受けるのは、今ポストシーズン最高の投手である山本由伸。ロジャースセンターで行われた第2戦を含め、2試合連続で完投中だ。 「いいチームだなと思いましたし、最高の準備をして、100%の自分で挑めたらなと思います」と山本は意気込みを語る。
もしブルージェイズが山本を攻略できるならば、あるいは少なくとも序盤から彼を苦しめられれば、32年ぶりのワールドシリーズ制覇が見えてくる。しかし、その難易度は高いだろう。
イェサベージが大舞台で強心臓を発揮
イェサベージが第5戦の先発マウンドに立つことに、多少の不安を感じたのも無理はなかった。第1戦は不安定な先発でわずか4イニングしか投げられず、それも慣れ親しんだロジャースセンターでのことだった。今回は、敵地ドジャースタジアムに足を踏み入れなければならなかった。
しかし、イェサベージは12三振と快投。代名詞のスプリットの投球割合が少なかった第1戦と比べ、スプリットとスライダーのコンビネーションを生かし、21度の空振りを奪った。ワールドシリーズでは新人の1試合最多三振であり、無四球で12三振は史上最多だった。
「あのステージと彼の記録を考えると、歴史的な出来事だ。スライダーとスプリットは衝撃的だった」と、シュナイダー監督も称賛。しかし、22歳右腕は既に次を見据えている。 「精神的には、第6戦に向けて準備は万端だ。でも、とにかく次に何が起こっても準備はできている。もし次があるならの話だけどね」
ドジャースの実力を試すときが来た
今ポストシーズンで初めて、ドジャースは窮地に立たされている。直近18イニングで得点はわずか3と、打線が湿っている(しかも、第3戦では延長9イニングでわずか1得点しか挙げられていない)。
第6戦は山本が、第7戦はグラスナウもしくは大谷を起用する可能性もあるため、理論上はドジャースが投手マッチアップでじゃ優位に立っている。しかし、攻撃陣が目覚めなければ、それも意味をなさないかもしれない。 デーブ・ロバーツ監督は言う。 「とにかくフレッシュな状態で臨むしかない。この中心メンバーで敗退が決まる試合を何度も戦ってきた。勝つ方法を見つけなければならない。それだけだ」
ドジャースにとって、昨季のポストシーズンにおける決定的な瞬間は、地区シリーズ(NLDS)でパドレスに1勝2敗とリードされた時だった。サンディエゴの厳しい環境の中、第4戦を力強い勝利で取り返し、ロサンゼルスでの第5戦にも勝利した。今季もそれを再現できるか。再現するならば、ドジャースは2試合ともアウェイで勝利しなければいけない。
2025.10.30 14:45 Thursday









