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タイガース敗退 スクーバル13三振の快投も延長15回の死闘の末に敗れる

【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月10日(日本時間11日)

 タイガースファンが163試合目の延長戦で悲痛な思いを経験してから16年。今度は170試合目の延長戦、「勝てばシリーズ突破、負ければ敗退」の一戦で、またしても次の世代に悲劇の物語を残すことになった。

 延長15回、ホルヘ・ポランコがトミー・ケインリーからタイムリーを放ち、J・P・クロフォードがサヨナラのホームイン。「勝てばシリーズ突破、負ければ敗退」の一戦では史上最長となる15イニングに及ぶ戦いに終止符が打たれ、タイガースは2勝3敗で地区シリーズ(ALDS)敗退が決まった。

 今季のタイガースは前半戦でメジャー最高勝率を記録したが、9月に失速し、地区優勝を逃した。ワイルドカードシリーズに勝利し、ガーディアンズに雪辱を果たしたものの、リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)進出にはあと一歩届かなかった。

 2013年以来のALCS進出まで「あと1勝」は昨季と全く同じ。今季のタイガースはALDS突破まで「あと7アウト」に迫っていた。

 延長15回までもつれた死闘の中で、タイガースの絶対的エース、タリック・スクーバルは素晴らしいピッチングを見せた。ポストシーズン新記録となる7者連続三振を記録。二回にミッチ・ガーバーの犠牲フライで先制を許したものの、マリナーズ打線をその1点だけに抑えた。

 タイガースは六回、マリナーズの左腕ゲーブ・スパイアーからケリー・カーペンターが2ラン本塁打を放ち、逆転に成功。A・J・ヒンチ監督にはカーペンターに代打を送るという選択肢もあったが、カーペンターを信じ、最高の結果をもたらした。その裏、スクーバルは100.9マイル(約162.4キロ)の剛速球でカル・ローリーから空振り三振を奪い、14人連続アウトを継続したまま降板。敵地T-モバイルパークに響き渡るほどの雄叫びを上げた。

 スクーバルの13三振は「勝てばシリーズ突破、負ければ敗退」の一戦としては新記録。スクーバルが六回までに99球を投げ、マリナーズ打線の中軸を迎えたため、タイガースは七回から継投に入ったが、2番手のカイル・フィネガンがピンチを招き、3番手のタイラー・ホルトンが代打レオ・リバスに同点タイムリーを浴びた。

 それ以降は両チームの総力戦となり、マリナーズは八回途中から守護神アンドレス・ムニョスを投入。タイガースも八回からクローザーのウィル・ベストを起用し、マリナーズに得点を与えなかった。

 10回、タイガースは新人トロイ・メルトンが先頭打者に二塁打を浴びてピンチを背負ったが、後続を抑えて無失点。11回からマウンドに上がったカイダー・モンテロは三者凡退の好リリーフを見せ、12回は1死一、二塁のピンチとなったものの、ランディ・アロザレーナを併殺打に仕留めて無失点で切り抜けた。

 しかし、リリーフ陣が奮闘する一方で、タイガース打線は得点を奪えず、12回1死二、三塁の絶好機でも無得点。カーペンターが5打数4安打2打点(2四球)の活躍を見せたものの、それ以外の打者は合計4安打に終わった。

 タイガースは得点圏でチーム合計9打数1安打。10残塁と拙攻が目立ち、9月からポストシーズンにかけて苦戦する原因となっていた「タイムリー欠乏症」という課題をこの試合でも克服することができなかった。

 16年前、2009年シーズンの地区優勝争いはレギュラーシーズン163試合目、敵地ミネソタのメトロドームで決着した。延長13回の死闘の末にサヨナラ負けを喫し、ポストシーズン進出を逃した一戦を思い出したファンもいたに違いない。

2025.10.11 15:07 Saturday

マリナーズが2001年以来24年ぶりのALCS進出 延長15回の死闘を制す

【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月10日(日本時間11日)

 マリナーズは本拠地T-モバイルパークで行われたタイガースとの地区シリーズ(ALDS)第5戦、延長15回の死闘の末にホルヘ・ポランコのサヨナラタイムリーによって3-2で勝利し、2001年以来24年ぶりとなるリーグ優勝決定シリーズ(ALCS)進出を決めた。「勝てばシリーズ突破、負ければ敗退」の試合としては史上最長イニングとなった。

 15回のマリナーズは先頭のJ・P・クロフォードがライトへのヒットを放って出塁し、ランディ・アロザレーナの死球で無死一、二塁に。カル・ローリーのセンターフライで二塁走者のクロフォードが三塁へ進み、中堅手パーカー・メドーズから三塁への送球が逸れる間に、一塁走者のアロザレーナも二塁を陥れた。一塁が空いたことでフリオ・ロドリゲスは申告敬遠で歩かされ、2死満塁。ポランコが試合を決める舞台が整った。

 試合展開の中で大きかったのは、七回のチャンスに代打で登場したレオ・リバスの働きだ。1点追う七回、2死一、二塁の場面でポストシーズン初打席に立ったリバスはレフトへの同点タイムリー。ここから延長15回まで続く壮絶な戦いが始まった。

 マリナーズはタイガース先発のタリック・スクーバルに苦戦。ポストシーズン新記録となる7者連続三振を奪われた。五回先頭のジョシュ・ネイラーがセンターライナーを放ち、連続三振を止めたが、昨季のサイ・ヤング賞投手は6回99球を投げて2安打1失点、13三振の快投。マリナーズに主導権を渡さなかった。

 スクーバルは四回までに2ケタ三振を奪い、無四球。これはポストシーズン史上初の快挙だった。

 スクーバルを攻略することはできなかったものの、先制点を奪ったのはマリナーズだった。二回1死からネイラーがレフトへの二塁打を放って出塁し、三塁への盗塁に成功。ここでミッチ・ガーバーがセンターへの犠牲フライを打ち上げ、難敵スクーバルから先制点を奪った。

 六回、好投を続けていたジョージ・カービーが先頭のハビアー・バイエズに二塁打を浴び、ケリー・カーペンターを迎えた場面でダン・ウィルソン監督は左腕ゲーブ・スパイアーを投入。しかし、スパイアーがカーペンターに2ラン本塁打を浴び、タイガースに逆転を許した。カービーは5回0/3を投げて3安打1失点、6三振、無四球の好投だった。

 3勝2敗でALDSを制したマリナーズは、ヤンキースを3勝1敗で撃破したブルージェイズが待つALCSへの進出が決定。球団史上初のワールドシリーズ進出を目指し、12日(同13日)から4勝先取制のALCSがスタートする。

2025.10.11 14:34 Saturday

エンゼルスが新監督候補のプホルスと面談 通算703本塁打のレジェンド

 新監督を探しているエンゼルスは、最有力候補としてアルバート・プホルスに目を向けているようだ。

 MLB.comのレット・ボリンガー(エンゼルス番記者)が関係者から得た情報によると、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMはシーズン終了後にロン・ワシントンが退任したことで空席となった監督の座について、セントルイスでプホルスと話し合いを行ったようだ。この面談については、米メディア「ジ・アスレチック」が最初に報じた。同メディアの報道によると、アルテ・モレノ・オーナーの第1希望はプホルスだという。

 なお、面談の有無について、球団から正式な発表は行われていない。

 現在45歳のプホルスは通算703本塁打、2218打点、3384安打を記録したレジェンド。現役引退から3年が経過しており、昨冬にはレオネス・デル・エスコヒードの監督を務め、ドミニカ共和国リーグとカリビアンシリーズの優勝に導いた。

 プホルスは現在、エンゼルスから給与が支払われている立場である。2011年シーズン終了後にカージナルスからFAとなったあと、エンゼルスと10年2億4000万ドルの大型契約を結び、この契約には「現役引退後10年1000万ドル」という個人サービス契約が含まれていた。プホルスが2022年シーズン限りで引退し、2023年から10年間の個人サービス契約がスタートした。

 プホルスはメジャーリーグで監督やコーチを務めた経験はない。しかし、エンゼルスの新監督最有力候補と目されており、今年6月末に心臓のバイパス手術を受け、シーズンの約半分を欠場したワシントンの後任になる可能性がある。

 エンゼルスは今季、ワシントンが指揮を執った74試合で36勝38敗を記録。ワシントンの離脱後はレイ・モンゴメリーが暫定監督を務めた。なお、モンゴメリーは来季も引き続き監督を務めるのではなく、球団内の別の役職を提示されている。

2025.10.11 11:09 Saturday

カブスは27個のアウトをどう奪うのか 今永昇太も先発有力候補の1人

 カブスは27個のアウトをどう奪うのだろうか。

 カブスのクレイグ・カウンセル監督は、今年のポストシーズンを通して「次戦の先発投手を必要になるまで発表しない」というやり方を続けている。それは10日(日本時間11日)のオンライン会見でも変わらず、11日(同12日)に行われるブルワーズとの地区シリーズ(NLDS)第5戦に誰が先発するのかを明らかにしなかった。

 カウンセル監督が明かしたのは「(第4戦に先発した)マシュー・ボイドを除いて、おそらく全員が登板可能な試合になると思う」ということだけ。「全員が登板可能だ。決まり文句のようだが、(ボイドを除く)11人の投手で27個のアウトを取る方法を考えないといけない。それが我々の戦い方だ」と指揮官は語った。

 27個のアウトを取る上で、いわゆる「勝ちパターン」以外の投手の働きが重要となる。カウンセル監督も「これまで使ってきたブルペンの方程式は間違いなく必要になる。しかし、アウトの半分は、方程式を担う5人以外の投手で取らないといけない。我々はそのように考えているし、そのようにしなければならないだろう」と同調した。

 カブスが検討している選択肢は以下の通りだ。

(1)今永昇太を信頼して先発させる

 物事を必要以上に考えすぎない場合、これが最善の選択肢だろう。

 今永は昨季、オールスター選出、継投ノーヒッター達成、新人王投票とサイ・ヤング賞投票の両方でポイントを獲得など素晴らしいルーキーイヤーを過ごし、今季は開幕投手を務めた。野球を分析的に考え、必要な調整を模索し、マウンド上で「ショーマン」であることを楽しんでいる。

 しかし、今永はここ最近の登板で被本塁打が増加しており、それは先発投手を決定する上で考慮される要素となるかもしれない。

 今永は今季、防御率3.73を記録。しかし、144回2/3で31本のホームランを打たれた。昨季は173回1/3で27本だったため、本塁打を浴びるペースは上がっている。レギュラーシーズンの最終6登板は34回2/3で12被弾。パドレスとのワイルドカードシリーズ第2戦でも手痛い一発を浴び、NLDS第2戦では2被弾を喫し、わずか2回2/3しか投げられずに降板した。第5戦に先発する場合、中4日での登板となる。

 今永は速球派投手ではなく、速球の平均球速90.8マイル(約146.1キロ)はメジャーの下位8%にランクインする。四球率4.6%という安定した制球力で、最大の武器であるスプリットを中心とした6つの球種を操り、相手を翻弄するピッチングが持ち味だ。被本塁打は多いものの、被安打や与四球を抑え、ダメージを最小限にとどめるピッチングができる。しかし、直近の登板ではこうした面でも苦戦が目立っている。

 正捕手カーソン・ケリーは「彼は1年を通して素晴らしいピッチングをしてきた。調整を続けており、よりクリエイティブな投球ができる方法を模索している。でも、重要な場面では力強いピッチングを見せてくれるんだ。僕は彼に全幅の信頼を置いているよ」と語った。

(2)オープナーを起用する

 これはパドレスとのワイルドカードシリーズ第2戦と同じやり方だ。カブスは初回、オープナーとしてベテラン右腕のアンドリュー・キットリッジを起用。今永がフェルナンド・タティスJr.やマニー・マチャドと対戦する回数を減らすための戦術だった。

 今永は二回からマウンドに上がり、4イニングを投げた。まずまずのピッチングだったが、五回にマチャドに2ラン本塁打を浴び、0-3の敗戦に大きく影響した。とはいえ、上位打線と対戦する回数を減らし、今永にある程度長いイニングを投げさせるという戦術はまずまずの結果となった。

 カブスが再びこのアプローチを取るならば、たくさんの選択肢がある。勝ちパターンを担う5人の投手(ダニエル・パレンシア、ブラッド・ケラー、ドリュー・ポメランツ、ケイレブ・シールバー、キットリッジ)をオープナーに起用することもできるし、それ以外のリリーフ投手(コリン・レイ、アーロン・シバーリ、マイケル・ソロカ、ベン・ブラウン)を使うこともできる。

 絶対に負けられない第5戦に臨むにあたり、カウンセル監督は今永に少しでも不調の兆しが見えた場合、すぐに交代させるという戦術も考えられる。たとえば、NLDS第1戦ではボイドがわずか2死しか取れずに降板した。このときはソロカが初回の最後のアウトを取り、シバーリが4回1/3を投げてブルペンを助けた。第2戦でも今永が早期降板したあと、レイが3回1/3を無失点に抑え、ブルペンの浪費を防いだ。

 もちろん、絶対に勝たなければならない第5戦は、第1戦や第2戦とは状況が異なっている。負けられない第4戦では先発のボイドが67球を投げたあと、15球以上投げたリリーフ投手は1人もいなかった。1イニング以上を投げたのもパレンシアだけだった。

 カウンセル監督はリグレーフィールドに戦いの舞台を移した第3戦以降、勝ちパターンのリリーフ投手に依存しており、パレンシア、ポメランツ、ケラー、シールバーはいずれも第3戦と第4戦の両方に登板した。移動日を挟んで迎える第5戦も勝ちパターンのリリーフ投手がメインの継投になるはずだ。

 正二塁手のニコ・ホーナーは「ポストシーズンのシリーズ最終戦は、いつも全員が全力を尽くす試合になる」とコメント。「現時点でどんなプランなのかは分からないが、先発もブルペンも層が厚く、シーズンを通して素晴らしい働きをしてきた。どんな方法で27個のアウトを取るとしても、僕は投手陣のことをとても信頼しているよ」と投手陣への信頼を強調した。

(3)ケイド・ホートンを復帰させる

 はっきり言って、これは現実的な選択肢ではないが、第5戦に向けて、カブスファンの頭に浮かんでいたことだった。しかし、カウンセル監督はオンライン会見でこのアイディアを即座に否定した。

 11日(同12日)に負傷者リストからの復帰が可能になるホートンは、右肋骨の骨折の影響で9月23日(同24日)以降は登板していない。7日(同8日)に離脱後初めてマウンドに立ったが、わずか15球だけの軽い投球だった。10日(同11日)にもブルペンでの投球練習を実施した。

 カウンセル監督は「すべてが本当に良かった。ポジティブな1日になったよ。もちろん、投球後の状態や明日以降の状態が重要になる。でも、投球練習自体は本当に良かった」とホートンの状態について語った。

 リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)は13日(同14日)にスタートする。カブスがNLDSを突破してドジャースへの挑戦権を獲得した場合、ホートンがロースター入りする可能性もある。後半戦に防御率1.03と素晴らしい活躍を見せたホートンが復帰すれば、カブスにとって大きな戦力となるはずだ。

2025.10.11 10:36 Saturday

打撃復調を目指す大谷翔平 リーグ優勝決定シリーズは第2戦の先発が有力か

 ドジャースの大谷翔平は打てないときでもチームに貢献できるのが強みだ。

 対戦相手の投手たちは、大谷のそうした姿を何度も見てきた。大谷はひと振りで試合の流れを変えられる選手だ。だからこそ、フィリーズは地区シリーズ(NLDS)第4戦の七回、大谷を申告敬遠で歩かせたのだろう。しかし、フィリーズは満塁策のあと、守護神ヨアン・デュランがムーキー・ベッツに押し出し四球を与え、同点に追いつかれる結果となった。

 大谷はNLDSの4試合で18打数1安打(9三振)に終わった。しかし、唯一の安打は第2戦でチームを勝利に導くタイムリーヒットとなった。また、NLDSにおける最大の貢献は、間違いなく第1戦の先発登板だ。二刀流のスーパースターは第1戦の二回に3点を失ったものの、それ以降は支配的なピッチングを見せ、クオリティスタートを達成。9三振を奪い、ポストシーズン初登板で勝利投手となった。

 NLDSが第5戦までもつれていたら、大谷は「勝てばシリーズ突破、負ければ敗退」の第5戦に先発していたはずだ。ドジャースが第4戦でシリーズ突破を決めた今、大谷の次回登板がいつになるのかを決めなければならない。

 リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)の対戦相手は11日(日本時間12日)まで確定しないが、ブルワーズとカブスのどちらが勝ち進んだとしても、ドジャースの先発ローテーションにはほとんど影響を与えないだろう。大谷の場合、最も重要なのは二刀流の負担を考慮することだ。NLDSの打撃不振を考えると、投打のバランスを今まで以上に考慮する必要がある。

 大谷はオフの前日、第2戦に先発することが有力視される。この場合、ブレイク・スネルが第1戦に先発することになり、スネルは中4日で第5戦に先発することも可能だ。山本由伸が第3戦、そしてタイラー・グラスナウが第4戦に先発することになるだろう。

 第6戦と第7戦が必要になった場合、話が少し複雑になる。大谷は第6戦に先発する可能性があるものの、中5日での登板は今季わずか2度しかない。また、山本はメジャー移籍後、中4日での登板を1度も経験していないため、第3戦に先発したあと、第7戦に先発できるかどうかは不透明だ。

 これらはドジャースがNLCSの先発ローテーションを決める上で考慮しなければならない要素の一部に過ぎない。最優先事項は、大谷の次回登板の翌日に休養日を設けることだろう。なぜなら、ドジャースがワールドシリーズ連覇を目指す上で、打者・大谷の復調が必要不可欠だからだ。

 デーブ・ロバーツ監督はNLDSの期間中、「彼は失投を打つチャンスを逃している。左腕との対戦が多いということもあるが、打席でのスイングの判断が良くない。スイングの判断を修正する必要がある」と語っていた。

 ドジャースは今季、大谷をできる限りオフ前日に登板させようとしてきた。レギュラーシーズン中、大谷は登板翌日の8試合で34打数5安打(打率.147)と精彩を欠いていたからだ。NLDSでは第1戦と第2戦の間にオフが設けられていたため、大谷は第1戦に先発することが可能だった。

 NLDSでの大谷の打撃不振は、フィリーズの強力な先発左腕トリオ、クリストファー・サンチェス、ヘスス・ルザード、レンジャー・スアレスと対戦しなければならなかったことも影響しているだろう。サンチェスが第1戦で「大谷封じ」の流れを作り、第1打席で空振り三振を奪うなど、大谷を3打席連続三振に仕留めた。

 大谷は今年のポストシーズンで初球から積極的にスイングしており、30打席中12打席で初球に手を出している(40%)。積極的にスイングすることを恐れない打者ではあるものの、レギュラーシーズン(33.9%)と比較すると、初球スイング率は上昇している(サンプル数が少ないことを考慮する必要もあるが)。

 レギュラーシーズン終盤、ロバーツ監督は昨季と比較して、大谷の成長を称賛していた。相手投手が大谷を警戒する中、「試合の流れを引き寄せる能力が向上した」というのがロバーツ監督の見解だ。

 ワールドシリーズに進出し、連覇を成し遂げるためには、チーム全体の努力が必要不可欠だ。大谷はNLDSの戦いの中で、自分が中心選手として活躍しなくてもチームが勝利できることを目の当たりにした。

 しかし、NLCS以降の戦いで優位に立つためには、二刀流のスーパースターが投打両面でベストのパフォーマンスを見せることが必要になる。NLDSで苦戦した大谷のバットは輝きを取り戻すことができるだろうか。

2025.10.11 09:30 Saturday

ヤンキース・ベリンジャー 年俸38億円の来季契約を破棄してFAに

 関係者がMLB.comに語ったところによると、ヤンキースのコディ・ベリンジャーはあと1年残っている契約を破棄し、フリーエージェント(FA)になる意思を固めたようだ。

 ベリンジャーは2024年2月にカブスと3年契約を結び、今季がその2年目のシーズン。来季の年俸は2500万ドル(約38億円)で、選手側に選択権があるオプションとなっている。ヤンキースは昨年12月、右腕コディ・ポティートとのトレードでカブスからベリンジャー(プラス金銭)を獲得した。

 ベリンジャーは今季ヤンキースで実力を発揮し、152試合に出場して打率.272、29本塁打、98打点、13盗塁、OPS.814を記録。本塁打と打点はドジャースでナ・リーグMVPに輝いた2019年(47本塁打&115打点)以来の高水準だった。また、三振率(13.7%)と空振り率(18.1%)は自己ベストを更新した。

「このユニフォームを着て、素晴らしい時間を過ごすことができた。ヤンキースタジアム、ヤンキースファン、ヤンキースの球団組織、そしてヤンキースの選手たちがロッカールームで築き上げてきた文化。それらは本当に特別なものだった」とベリンジャーは地区シリーズ(ALDS)第4戦に敗れ、敗退が決まったあとに語った。

「本当に楽しいグループだ。その一員になることができて、本当に楽しかった。本当に素晴らしいグループだったので、(ワールドシリーズ制覇という)期待に応えることができなかったことだけが残念だ」とヤンキースで過ごした1年を振り返った。

 ベリンジャーは打撃面だけでなく、守備面でも外野の全3ポジションと一塁を守りながらチームに貢献した。守備でのランバリュー(得点価値)は+9を記録し、メジャー全体の上位9%にランクイン。チームでも正捕手オースティン・ウェルズの+11に次ぐ数値だ。

 ベリンジャーの父クレイも1999~2001年にヤンキースでプレーした経験がある。ベリンジャーは今オフにFAとなる主力選手の1人であり、ほかにはトレント・グリシャム、ポール・ゴールドシュミット、ルーク・ウィーバー、デビン・ウィリアムスらがFAとなる予定だ。

2025.10.11 08:27 Saturday

フィリーズがスイープ負けを回避 シュワーバーお目覚めの2本塁打

【ドジャース2-8フィリーズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月8日(日本時間9日)

 フィリーズの大砲カイル・シュワーバーは完璧なタイミング、完璧な方法でスランプを抜け出した。負ければ敗退が決まるナショナル・リーグ地区シリーズ(NLDS)第3戦、ドジャース先発の山本由伸から飛距離455フィート(約138.7メートル)の同点アーチを放ったのだ。

 1点ビハインドで迎えた四回、シュワーバーは山本からドジャースタジアムの右翼席を越えていく特大アーチ。打った瞬間にそれとわかる、見事な一発だった。

 シュワーバーの一発をきっかけに、フィリーズは四回に3点を奪って逆転に成功。八回には一挙5点を追加し、8-2で勝利してスイープ負けを回避した。

 シュワーバーのソロ本塁打は、スタットキャストの計測によると、打球速度117.4マイル(約188.9キロ)。これはシュワーバーのキャリア(レギュラーシーズンも含む)の中で2番目に速い打球速度だった。シュワーバーの本塁打でこれを上回るのは、2022年のナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第1戦でダルビッシュ有から放った119.7マイル(約192.6キロ)の一発だけ。このシュワーバーの同点アーチがフィリーズ打線に勢いをつけ、シュワーバー自身も八回にクレイトン・カーショウからダメ押しの2ラン本塁打を放った。

 この試合で放った2本塁打は、シュワーバーにとってポストシーズン通算22本目と23本目の本塁打となり、ヤンキースのレジェンド、バーニー・ウィリアムスを抜いて歴代3位に浮上。シュワーバーを上回るのは、マニー・ラミレス(29本塁打)とホセ・アルトゥーベ(27本塁打)の2人だけだ。

 シュワーバーにとって、ポストシーズンでの豪快なアーチは決して目新しいものではない。

 この試合1本目の本塁打は、ポストシーズンで通算5本目となる飛距離450フィート(約137.2メートル)以上の一発だった。これはスタットキャスト史上最多である。そもそも同様の本塁打を複数放っている選手もほかに1人しかいない。それはフレディ・フリーマンで、しかも2本だけだ。

 シュワーバーは1本目の本塁打でレギュラーシーズンから続いていた22打数ノーヒットのスランプを脱出。NLDSでは初戦から8打数ノーヒット(5三振)と不振が続いていたが、見事な2本塁打でフィリーズ打線を勢いに乗せた。シュワーバーの1本目はチーム初安打でもあり、ドジャース先発の山本に三回まで無安打に封じられたフィリーズ打線は四回に3点を奪って逆転し、試合の主導権を握った。

2025.10.9 13:27 Thursday

ブルージェイズが3勝1敗でヤンキース撃破 2016年以来のALCS進出が決定

【ヤンキース2-5ブルージェイズ】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、10月8日(日本時間9日)

 このニュースを広めよう。トロント・ブルージェイズがアメリカン・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)に出場する。

 ブルージェイズは敵地ヤンキースタジアムで行われたア・リーグ地区シリーズ(ALDS)第4戦に5-2で勝利し、シリーズ通算3勝1敗でヤンキースを撃破。ア・リーグ東地区で10年近く「目の上のたんこぶ」のような存在だった強豪チームをついに打ち破った。

 今季のブルージェイズは誰も目覚めたくない夢のようなシーズンを過ごしている。

 ヤンキースを撃破し、ブルージェイズはカナダに戻ってゆっくり休むことができる。ALDSのもう1つのカード、タイガース対マリナーズは第5戦までもつれたため、ALCSの対戦相手はまだ決まっていない。ブルージェイズがALCSに進出するのは驚異的な快進撃を見せた2015~16年以来。当時のチームは才能豊かな選手が揃い、試合に勝つだけでなく、乱闘でも強さを発揮していたが、今季のブルージェイズは予想外の形でカナダを沸かせた。

 野球が人々を驚かせ、魅了する力を持っていなかったとしたら、いったい誰が162試合も野球の試合を見るだろうか。今季のブルージェイズはここまで本当に魅力的な戦いを続けている。

 ALDS第4戦、ブルージェイズは初回にブラディミール・ゲレーロJr.のタイムリーで先制。同点で迎えた五回にジョージ・スプリンガーの犠牲フライで勝ち越すと、七回にネイサン・ルーカスの2点タイムリーで貴重な追加点を奪い、八回にはマイルズ・ストローのタイムリーでダメ押しした。

 昨季74勝に終わったブルージェイズは「内部の改善」を合言葉に、スプリングトレーニングに臨んだ。当初、ゲレーロJr.の契約延長交渉が不調に終わり、チームには暗雲が立ち込めていた。シーズン前の予想も「勝率5割前後」というものが大半。しかし、選手たちはその予想を覆した。

 ブルージェイズは第1シードでポストシーズンに進んでおり、ALCSでは第1・2・6・7戦をホームで開催できる。総額5億ドルの超大型契約を結んだゲレーロJr.はALDSの4試合で17打数9安打、打率.529、3本塁打、9打点、OPS1.609の大活躍を見せ、大きな期待に見事に応えてみせた。

2025.10.9 11:56 Thursday

カブスが初回4得点で逆転して逃げ切り 地区シリーズのスイープ負けを回避

【カブス4-3ブルワーズ】シカゴ/リグレーフィールド、10月8日(日本時間9日)

 カブスの鈴木誠也は本拠地リグレーフィールドで行われたナショナル・リーグ地区シリーズ(NLDS)第3戦に「4番・右翼」でスタメン出場。三回の第2打席でセンターへの二塁打を放ち、4打数1安打だった。試合はカブスが4-3で逃げ切り。スイープ負けを回避し、第4戦以降に望みをつないだ。

 打球がリグレーフィールドの右翼フェンス上部のバスケットに吸い込まれた瞬間、カブスのリードオフマン、マイケル・ブッシュは雄叫びを上げた。ブルワーズに1点を先制される苦しい展開だったが、強風を切り裂いたブッシュのソロ本塁打によって、試合は振り出しに戻った。

 ブッシュが先頭打者アーチを放つのはNLDSの3試合で2度目。ブッシュの本塁打がカブス打線に火をつけ、2死満塁からピート・クロウ=アームストロングが勝ち越しの2点タイムリーを放つなど、この回一挙4得点で試合をひっくり返した。

 カブス先発のジェイムソン・タイオンは4回5安打2失点の力投。クレイグ・カウンセル監督は五回から継投に入り、4番手のアンドリュー・キットリッジが七回にジェイク・バウアーズにソロ本塁打を浴び、1点差に迫られたものの、八回無死二塁のピンチを5番手のケイレブ・シールバーと6番手のブラッド・ケラーが切り抜け、4-3で勝利した。

 これでカブス対ブルワーズのNLDSはカブスが1勝2敗。第4戦も今季ポストシーズンを含めて53勝30敗の好成績を残しているリグレーフィールドで行われ、カブスは2勝2敗のタイに持ち込むことを目指す。

 ちなみに、現行のフォーマット(2-2-1)で行われた地区シリーズのうち、初戦から連敗したケースは34度あるが、第4戦まで持ち込んだケースはそのうち14度だけ。第4戦に勝利し、第5戦までもつれたのはそのうち5度。連敗からの3連勝が過去3度だけ実現している。カブスは史上4例目となることができるだろうか。

2025.10.9 09:47 Thursday

タイガースが鮮やかな逆転勝ち 地区シリーズの決着は第5戦へ

【タイガース9-3マリナーズ】タイガース/コメリカパーク、10月8日(日本時間9日)

 タイガースは2年連続で「勝てば地区シリーズ突破、負ければ敗退」の一戦をタリック・スクーバルに託す。そこに到達するまでの道のりは、タイガースファンがしばらくの間、目にしてきたものとは全く異なっていた。

 アメリカン・リーグ地区シリーズ(ALDS)第4戦、マリナーズは3点をリードし、シリーズ突破に大きく前進したように見えた。しかし、タイガースが五回に3連続タイムリーで同点に追いつき、試合の流れを変えた。六回にはライリー・グリーンがポストシーズン初本塁打を放ち、勝ち越しに成功。これでタイガース打線に火がつき、この回一挙4点を奪った。最終的には9-3で勝利。シリーズの決着は第5戦に持ち込まれた。

 試合前半とは対照的な、驚くべき結果だった。タイガースのA・J・ヒンチ監督は先発のケーシー・マイズを3イニングで降板させるなど早めの継投に動き、四回からタイラー・ホルトンを投入。そのホルトンが無死満塁の大ピンチを招くと、カイル・フィネガンを投入し、マリナーズファンからこの試合最大の歓声が送られる中、最少失点で切り抜けた。一方、9月7日(同8日)以降、1度もホームで勝てていないタイガースファンからはブーイングが送られていた。

 五回、マリナーズはカル・ローリーのタイムリーでランディ・アロザレーナが生還し、3-0とリードを拡大。マリナーズの攻撃が終わったあと、イニング間の催し物もタイガースファンを元気づけることはできなかった。しかし、ディロン・ディングラーのタイムリー二塁打で1点を返すと、球場の雰囲気が一変。マリナーズ先発のブライス・ミラーを降板に追いやった。

 パーカー・メドーズが打席に立ち、ケリー・カーペンターの打席も迫る中、マリナーズのダン・ウィルソン監督はリリーフ左腕のゲーブ・スパイアーを投入した。ヒンチ監督も動き、メドーズの代打にジャーマイ・ジョーンズを起用。ジョーンズのタイムリー二塁打でディングラーが生還し、試合は1点差となった。

 ハビアー・バイエズは左翼ポール際へ本塁打性の打球を放ったが、惜しくもファウルに。しかし、バイエズはレフトへのタイムリーを放ち、試合を振り出しに戻した。

 スパイアーが左打者のカーペンターとコルト・キースを抑え、試合は3-3の同点で六回へ。左打者のグリーン対策としてスパイアーが続投したが、グリーンはカウント1-0からのスライダーを捉え、右中間へ勝ち越しのソロ本塁打を叩き込んだ。飛距離は454フィート(約138.4メートル)を記録し、グリーンにとって自己2位の飛距離。コメリカパークの大歓声はダウンタウンまで響き渡った。

 タイガースはその後、バイエズにも本塁打が飛び出し、この回一挙4点を勝ち越し。七回にグレイバー・トーレスがソロ本塁打を放つと、八回にも1点を追加し、9-3とリードを広げた。

 フィネガンが2イニングを投げたあと、六回からは第1戦に先発したトロイ・メルトンがマウンドに上がり、3回2安打無失点の好リリーフ。6点リードの最終回はクローザーのウィル・ベストが締めくくった。

2025.10.9 07:43 Thursday

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