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ロイヤルズ・ウィットJr.が2大会連続のWBCアメリカ代表入りを表明
2023年3月、当時22歳のボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)は堅実なルーキーイヤーを終え、未来のスター候補として注目されていた。球界最高の選手たちが名を連ねる、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のアメリカ代表チームの最年少メンバーに選ばれたことで、その注目度は高まった。
現在、ウィットJr.は球界を代表するスター選手の一人である。そして、アメリカ代表を牽引する存在として、再びWBCの舞台に戻ってくる予定だ。
日本時間6月27日、ウィットJr.はアメリカ代表の一員として2026年のWBCに出場することを発表した。おそらく正遊撃手を務めることになるだろう。昨季アメリカン・リーグのMVP投票で2位となった若きスター遊撃手は、その才能を国際舞台で発揮するチャンスを再び得ることになる。
現在25歳のウィットJr.は、主将を務めるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、剛腕ポール・スキーンズ(パイレーツ)に続き、WBCアメリカ代表入りを表明した3人目の選手となる。この3人は、前回大会で日本に次ぐ準優勝に終わったリベンジを目指すアメリカ代表を牽引する存在となるだろう。前回大会は大谷翔平がマイク・トラウトを三振に仕留めるという、球史に残るような最高の形で幕を閉じた。
ウィットJr.は再びWBCに出場することについて「光栄です。前回大会では(優勝に)惜しくも及びませんでした。だから、チームと国が金メダルを獲得するのを手助けしたいと思っていたんです」と語っている。
ウィットJr.は2023年に行われた前回大会では控え選手という位置づけであり、2打数1安打を記録。日本との決勝戦では九回に代走として出場したが、ムーキー・ベッツの併殺打で二塁フォースアウトとなり、2死走者なしで大谷とトラウトが対戦するクライマックスを迎えることになった。
ロイヤルズの看板選手であるウィットJr.は「あの雰囲気のなかに、あれだけの選手たちと一緒にいるだけで、このゲームについて本当にたくさんのことを学ぶことができます。なぜ彼らがこれほど素晴らしい選手なのか、といったことを学べるんです」とWBC出場の意義を力説。「たとえ3週間であっても、最高の選手たちと一緒にいられることで、たくさんのことを学ぶことができます。それがシーズンに向けた準備になるんです」とWBC出場のメリットを語った。
ウィットJr.は前回大会に出場したあと、急激な成長を遂げている。昨季は打率.332、32本塁打、109打点という素晴らしい活躍で首位打者のタイトルを獲得し、fWARは10.4に達した。所属するロイヤルズとはすでに長期大型契約を結んでおり、昨季はチームのポストシーズン進出にも大きく貢献した。
今季のロイヤルズは昨季ほど順調ではないものの、ウィットJr.は今季もリーグ上位の好成績を残しており、打率.282、10本塁打、出塁率.338、長打率.484を記録。fWARはメジャー全体で6位となる3.8をマークし、これは遊撃手ではアストロズのジェレミー・ペーニャ(4.0)に次ぐ数字である。
ウィットJr.は2023年のWBC以前にもアメリカ代表としてのプレー経験があり、2018年にはU-18アメリカ代表の一員としてパンアメリカン選手権に出場。打率.576、3三塁打、3本塁打という大活躍を見せただけでなく、パナマと対戦した決勝戦ではサイクル安打を達成し、大会MVPに輝いた。
また、元メジャーリーガーである父ボビー・ウィットSr.も1984年のロサンゼルス五輪にアメリカ代表の一員として出場し、銀メダルを獲得している。
さて、ウィットJr.は赤、白、青のユニフォームに再び袖を通し、金メダルを目指すことになる。
「この偉大な国を代表できるだけでも光栄です。それは本当に名誉なことです。胸にUSAの文字を掲げられることには本当に大きな意味があるんです」と謙虚な気持ちを忘れず、自身初となるWBCでの優勝を目指す。
2025.6.27 06:50 Friday
恵みの雨でドジャースが大勝 山本は5回無失点で7勝目
【ロッキーズ1-8ドジャース】@デンバー/クアーズ・フィールド
日本時間6月26日、ドジャースはロッキーズに大勝し、ロッキーズ3連戦の勝ち越しを決めた。クアーズ・フィールド上空を襲った突然の嵐は、ドジャースのエース山本由伸の快投を途中で終わらせてしまったが、ドジャースにとって勝利をもたらす恵みの雨となった。
試合はドジャースが山本、ロッキーズがチェイス・ドーランダーの両先発でスタート。両先発とも素晴らしい投球を見せ、得点圏に走者が進んだのは五回まででわずか1度のみだった。山本はわずか1安打、1四球しか与えず、5回6三振無失点の好投。対するドーランダーも、五回まではドジャース打線を1安打1四球に抑えきった。
流れを変えたのは雨だった。6回、ドーランダーが先頭のダルトン・ラッシングに四球を与え、続く大谷翔平に安打を浴びると、球場には「悪天候」を警告するメッセージが表示された。程なくして雨が降り始め、2死二、三塁で打席にマックス・マンシーを迎えた頃には、雨は激しくなっていた。
マンシーが一塁手の定位置に平凡なポップフライを打ち上げると、誰もが3死目が記録されると思ったが、一塁手も二塁手も雨の中で完全に打球を見失ってしまった。ボールが一塁手の目の前に落ちたときには、2塁走者の大谷も生還しており、ドジャースは2点の先取点を得た。
マンシーは「あの時点ではメガネがかなり水であふれて、ボールが打てるようになることを祈るばかりだった」と語り、打つ方にとっても守る方にとっても過酷な状況だったようだ。そして、思わぬ雨の恩恵を受けて先制に成功したドジャースは、1時間半に及ぶ雨天中断明けに本領を発揮。
七回にはマンシーの満塁本塁打、八回にはマイケル・コンフォートのソロ本塁打が飛び出し、リードを8点に拡大。そのまま8対1でロッキーズに大勝した。
山本は5回無失点の好投で7勝目をマークしたが、雨天中断がなければ圧倒的な登板になったかもしれない。ある意味、26歳の右腕は、リーグで2番目に少ない得点を記録している18勝62敗のロッキーズ相手に、ただひたすら仕事をこなしていただけだった。しかし、山本は6月の先発4試合で防御率5.23と低迷しており、好投を必要としていた。
さらに、打者天国クアーズ・フィールドでの投球は決して容易なことではない。クアーズ・フィールドで5回以上を投げて無失点に抑えたのは、ドジャースの投手として史上14人目、直近では2023年のクレイトン・カーショウ以来だった。
デーブ・ロバーツ監督は「彼は素晴らしかった。いい投球だった。カーブをうまく使い分けていた。スプリットも本当に良かった。そして速球も。ヨシはまさに今夜、我々が必要としていた選手だと思った」とコメント。
6月に入ってから4失点以上許した登板が2回、クオリティスタートを記録しながらも援護不足に泣いた登板が2回あり、山本は勝ち星を挙げられていなかった。きょうは好投を雨に遮られたものの、その雨のおかげで大きな援護点が入り、やっと今月初勝利。この登板をきっかけに、サイ・ヤング賞レースに復帰できるだろうか。
なお、ドジャースの大谷翔平は「1番・DH」でスタメン出場し、2打数1安打2四球2得点の活躍。今季成績は打率.291、OPS1.017となっている。
2025.6.26 16:09 Thursday
カブスが投打噛み合って快勝 首位を脅かすカージナルスを下す
【カージナルス0-8カブス】@セントルイス/ブッシュ・スタジアム
日本時間6月26日、イアン・ハップの先頭打者弾で勢いづいたカブスがカージナルスに大勝した。ハップの本塁打を皮切りに数イニングにわたって猛攻が続き、先発のマシュー・ボイドも6回を無失点に抑える好投。投打が噛み合ったカブスは8対0で勝利し、2位に迫っていたカージナルスとのゲーム差を3.5に広げた。
カブスは直近6試合で5敗と苦戦中。開幕から地区首位をキープしてきたが、ついに2位のブリュワーズやカージナルスに2.5ゲーム差に迫られていた。前日も7対8で敗れたカブスだったが、きょうは序盤からカージナルスを寄せ付けずに圧倒した。
初回にハップが試合の初球を捉えて先頭打者本塁打を放つと、二回にはリース・マグワイアの2ラン本塁打、三回にはカイル・タッカーのソロ本塁打が飛び出すなど、カブスは五回までに8点のリードを築いた。
そしてきょうは先発のボイドが好投。ボイドはシーズン防御率を2.65にまで下げ、3三振、散発の3安打、無四球という好投でチームトップの今季11度目のクオリティスタートを達成した。
カブスは、ボイドの降板後もブルペンが相手打線を寄せ付けず、大量の8点リードを維持して逃げ切った。クレイグ・カウンセル監督は「我々が必要としていた勝利だった。最高の、最高の勝利だった」ときょうばかりは手放しでチームを絶賛した。
ここ1週間のカブスは投打が噛み合っていなかった。直近7試合では打線が平均5.9得点、チームOPS.865を記録しているにもかからず、その期間はわずか2勝。それ以前の19試合では平均3.4得点、チームOPS.650だったにもかかわらず、12勝を記録していた。
特に、先発投手陣のクオリティはカブスにとって大きな課題となっている。今永昇太、ジャスティン・スティールの両エースを欠くカブスの先発ローテは健闘を重ねてきたものの、最近は失速。直近3試合では、ジェイムソン・タイオン、ベン・ブラウン、コリン・レイは合計14回1/3を投げて23失点を喫した。その中でボイドは直近6先発で防御率は1.49と調子を上げ、チームを救っている。
ボイドは「シーズン中はこういう小さなトラブルも時々あるけど、自分たちの実力は分かっている。今日は楽しかったよ」とコメント。ブリュワーズ、カージナルスの猛追は続くが、あすはついに今永が故障者リストから復帰し、ライバルを突き放しにかかる。
なお、カブスの鈴木誠也は「3番・DH」でスタメン出場して4打数無安打1四球に終わった。今季成績は打率.258、OPS.853となっている。
2025.6.26 15:07 Thursday
デグロムが7回まで無安打の快投 レンジャーズを快勝に導く
【オリオールズ0-7レンジャーズ】@ボルティモア/オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズ
日本時間6月26日、ジェイコブ・デグロムが七回までノーヒットノーランの快投を見せ、レンジャーズを快勝に導いた。
レンジャーズは前日も先発のジェイコブ・ラッツが六回まで無安打ピッチングを見せ、オリオールズに勝利。きょう26日もデグロムが終盤に差し掛かるまで無安打ピッチングを披露したことで、ラッツとデグロムはレンジャーズの球団史上初めて、2試合続けて6回以上無安打ピッチングを見せた先発投手コンビとなった。
実力者が揃うオリオールズ打線を2試合続けて抑えられた要因は、チェンジアップだった。オリオールズ打線がチェンジアップに相性が悪いというデータを生かし、前日先発のラッツはチェンジアップを多用。そしてきょうのデグロムも、普段は3巡目から織り交ぜることが多いチェンジアップを序盤から投じた。
「打線の攻撃の仕方を見ると、2球種(直球とスライダー)に張れる方がずっと楽だ。だから序盤から組み合わせを変えて、試合中も組み合わせ続けるように努めた」とデグロムは語り、初回から2つの三振をチェンジアップで奪った。
デグロムは、今季これまでの投球割合9%を大きく上回る21%の割合でチェンジアップを投じ、オリオールズ打線を圧倒。六回までは一人の走者も許さず、パーフェクトピッチングを展開した。
しかし、七回には2四球を与え、八回には先頭のコルトン・カウザーに初安打を許したところで降板。7回無失点1安打7三振2四球の圧倒的な内容でマウンドを降りたレンジャーズのエースに対し、敵地のファンからもスタンディングオベーションが降り注いだ。
デグロムはこれで五回以上投げて2失点以下の登板を13登板連続で記録している。これはレンジャーズ、そして前身のセネターズ時代から球団史上最長の記録であり、今季のMLBでも最長の記録だ。健康状態が大きく懸念されていたデグロムだが、今季はまだ故障者リスト入りはなし。チームトップの16先発、95回1/3を消化している。
ただ、エースのデグロムが休みなく好投を続けてもなお、レンジャーズはまだ本調子に至っていない。きょうの勝利でようやくシーズン40勝目に到達し、借金を1に減らしたばかりだ。
そして、次のシリーズは2ゲーム差で追いかける同地区2位・マリナーズとの3連戦。2試合続けて先発が快投、そしてきょうは打線も7得点と爆発し、レンジャーズは良い流れのまま本拠地でマリナーズを迎え撃つことになる。
2025.6.26 13:06 Thursday
カブスに投手補強の噂 CY賞右腕・アルカンタラ、ケラーらを注視
日本時間6月26日、ナ・リーグ中地区首位のカブスに投手補強の噂が出た。直近6試合のうち5試合に敗れたカブスは、2位のカージナルスとブルワーズにわずか2.5ゲーム差まで迫られている(25日終了時点)。開幕から首位を走ってきたカブスの失速の要因は、エース・今永昇太を欠く先発ローテ。先発ローテは直近28イニングで33自責点を許しており、今永の復帰が迫るとはいえ、補強が必要な状態だ。
情報筋によると、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールは、シカゴ・カブスが既にマーリンズの右腕サンディ・アルカンタラとエドワード・カブレラをはじめ、「他にも多数」の選手に問い合わせを行っていると報じた。「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲールは、カブスがパイレーツの右腕ミッチ・ケラーを「熱望している」と述べ、アスレチックスの右腕ルイス・セベリーノを「注視している」と付け加えている。しかし、ナイチンゲールは、アスレチックスがセベリーノと総額6700万ドル(アスレチックス史上最高額契約)を結んでからわずか6~7ヶ月でセベリーノをトレードに出す可能性は極めて低いと述べている。
その中でも、アルカンタラは現在トレード市場で最も人気のある投手だ。2022年にサイ・ヤング賞に輝いた29歳は、今季は15先発で防御率6.69と不調。しかし、6月に入ってからは4先発で防御率2.74と本来の姿を取り戻しつつある。さらに来季の年俸は1730万ドルに過ぎず、2027年には2100万ドルのオプションが付帯するリーズナブルな契約も、人気の一因だ。
そして、パイレーツのケラーも同様に長期契約が残る。ケラーは向こう3年で約5500万ドルの契約が見込まれている。今季は16先発で1勝10敗と大きく負け越しているが、11回のクオリティスタートを記録しており、表面上の数字よりも内容は良い。三振こそ少ないが、与四球率や被本塁打率はキャリアベストを維持しており、FIP3.25はメジャー19位の高水準だ。
加えて、アルカンタラの同僚であるカブレラも向こう3年間は調停期間であり、FAまで保有期間が長い。これらの投手の獲得は、金銭の負担も、対価となるプロスペクトの負担も決して小さくないだろう。ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)やザック・エフリン(オリオールズ)もカブスにとっての選択肢となる可能性があるが、それぞれの球団(特にダイヤモンドバックス)が売り手に回るかはまだ不透明だ。ローゼンタールは、どちらのベテラン投手も今季限りでFAとなるレンタル物件であることに言及。多額の投資やプロスペクトの見返りを必要としないため、カブスにとってより受け入れやすいかもしれないと述べている。
2025.6.26 10:14 Thursday
ドジャースがクアーズの乱打戦を制す 大谷は日米通算300本塁打を達成
【ロッキーズ7-9ドジャース】@デンバー/クアーズ・フィールド
大谷翔平はドジャースの強力打線を牽引する存在であり、たとえ一時的な成績の低下であっても目立ってしまう。大谷に要求される水準はほかの多くの選手よりも高く、5月にナショナル・リーグの月間最優秀選手に輝くなど絶好調だったが、6月に入ってからは打席での活躍が少し鈍っていた。
日本時間6月25日に敵地クアーズ・フィールドで行われたロッキーズ3連戦の初戦、大谷はリーグトップの27号アーチを放ち、日米通算300本塁打のマイルストーンに到達。これで2試合連続本塁打となり、チームも9-7で打撃戦を制した。六回に放った2ラン本塁打は逆方向への一発となり、自身のパワーを証明した形となったが、打者に有利なクアーズ・フィールドという環境もさらなる追い風となったようだ。
ロッキーズの本拠地であるクアーズ・フィールドの恩恵を受けるドジャースの選手はほかにもいるはずだ。少なくとも3連戦の初戦はいい形のスタートとなった。
ムーキー・ベッツ、マイケル・コンフォートら6選手がマルチ安打を記録したドジャース。特にコンフォートは一挙6得点で逆転に成功した四回に勝ち越しの5号3ランを放ち、チームの勝利に大きく貢献した。一方、スタメン9人中8人がヒットを放つなか、フレディ・フリーマンだけが5打数ノーヒットに終わった。
コンフォートは今日の試合が始まる時点で、今季わずか13打点だった。1試合に複数の打点を記録したのは今季初めてである。
ベッツは6月7日以来となるマルチ安打を記録。直近14試合では打率.167と苦戦していたが、ようやく当たりが出始めた。
フリーマンは最近、「ここ6週間ほどはスイングの感覚が良くない」と話していたが、実際に打率も5月11日時点の.376から今日の試合が終わった時点で.315まで大きく低下。ベッツやコンフォートのように、打者有利と言われるクアーズ・フィールドで復調のきっかけをつかむことが期待される。
好調を取り戻すのは一夜にしてできるものではない。しかし、クアーズ・フィールドの環境を生かすのは、ドジャースの各打者にとって、いい一歩となるだろう。
なお、ドジャースの大谷は「1番・DH」でスタメン出場し、六回に27号2ランを放って5打数1安打2打点。2試合連続アーチで日米通算300本塁打を達成し、今季の打撃成績は打率.289、OPS1.014となっている。
2025.6.25 13:35 Wednesday
タイガースが今季50勝一番乗り スクーバル6回4失点も通算50勝目
【タイガース11-4アスレチックス】@デトロイト/コメリカ・パーク
二回にアスレチックスのデンゼル・クラークの打球がパーカー・メドーズのグラブを越えてセンターのフェンスの向こう側に飛び込んだとき、タイガース先発のタリック・スクーバルの表情はいらだちに満ちていた。スクーバルは初回に続いて2イニング連続で本塁打を浴び、アスレチックスにリードを許してしまったのだ。
しかし、それ以降スクーバルは立ち直った。六回2死からルイス・ウリアスを91マイルのスライダーで空振り三振に仕留め、この試合8つ目の三振を記録。スクーバルは脚を蹴り上げ、アドレナリンと疲労が入り混じった雄叫びを上げた。スクーバルにとって、決して最高のピッチングではなかったが、タイガースは11-4で勝利。今季MLB全体で一番乗りで50勝に到達した。
スクーバルの前回登板は雨のなかでのピッチングだった。今日の試合も悪天候により、開始が81分も遅延することに。先発投手にとって難しい状況だったことは間違いなく、アスレチックスは初回先頭のジェイコブ・ウィルソンが四球を選ぶと、次打者ブレント・ルーカーが96マイルの直球を叩き、レフトへの16号先制2ランを放った。スクーバルが初回の先頭打者に四球を与えたのは今季初めてのことだった。
スクーバルが本塁打を打たれたのは5月20日以来。これで37イニング連続被本塁打なしの記録がストップした。アスレチックスの主砲ルーカーにとっては、スクーバルから放った通算3本目の一発である。その後、スクーバルは打者5人を抑えたものの、二回2死からタイラー・ソダーストロムにヒットを許し、そしてクラークにメジャー通算2本目となる一発を浴びた。
アスレチックスは昨季開幕直後にコメリカ・パークでスクーバルと対戦したときも2本のアーチを放ち、球界を代表する左腕から4点を奪っている。また、昨年9月にオークランドで対戦したときも六回途中までに9安打を浴びせて2点を奪い、スクーバルに白星を与えなかった。今日の試合序盤は、スクーバルのアスレチックスに対する相性の悪さが出た形となった。
しかし、スクーバルは三回以降、アスレチックスに追加点を与えなかった。打線は初回にケリー・カーペンターが14号2ランを放って一時同点に。カーペンターにとっては、1試合3本塁打を記録した6月2日のホワイトソックス戦以来の一発であり、アスレチックス先発のルイス・セベリーノの「タイガースに対して17イニング連続無失点」という記録を終わらせた。三回にはウェンシール・ペレスの2点タイムリー二塁打で再び同点とし、ディロン・ディングラーの8号3ランで勝ち越し。セベリーノがタイガース戦で敗戦投手となったのは2016年以来のことだった。
スクーバルは最初の打者一巡で4点を失ったあと、完全に立ち直り、二巡目は打者9人をパーフェクト。逆転してもらった直後の四回は、わずか8球で三者凡退に抑え、試合の流れを引き寄せた。五回と六回も無失点に抑え、2023年9月21日以来となるアスレチックス戦での白星を手にしている。
三回に同点打を放ったペレスは2安打2打点の活躍だけでなく、七回にはライトからの好返球でチームに貢献。二塁打を狙ったソダーストロムを二塁で刺した。また、ライリー・グリーンは今季2度目、キャリア4度目となる1試合4安打をマークし、打率を.299まで上昇させている。
2025.6.25 12:45 Wednesday
ブレーブス逆転勝利で借金4 今季メッツに対して5戦5勝と圧倒
【メッツ4-7ブレーブス】@ニューヨーク/シティ・フィールド
ブレーブスは日本時間6月25日のメッツ戦に7-4で勝利し、今季メッツに対して5戦5勝。同地区ライバルのメッツを圧倒し続けるなか、ポストシーズン争いへの復帰が期待されているが、その立役者の一人が主砲マット・オルソンだ。勝負強いバッティングを見せているオルソンは、大活躍を見せた2年前のような頼もしい存在に戻りつつある。
オルソンは六回に一挙5得点のビッグイニングを締めくくる勝ち越しの2点タイムリーを放ち、チームの勝利に貢献した。今季の最初の2カ月間はなかなかチャンスでヒットが出ず、苦しんでいたが、ここ数週間で状況が大きく変化している。オルソンの活躍もあり、ブレーブスは直近14試合で10勝4敗と好調。そのなかにはメッツに対する5勝も含まれている。
ブレーブスはオルソンが2安打を放ったほか、ニック・アレンも今季3度目となる1試合3安打を記録。「元アスレチックス・コンビ」の活躍により、こちらも元アスレチックスであるメッツ先発のフランキー・モンタスの今季初登板での白星を打ち消した。モンタスは5イニングを3安打無失点に抑え、勝利投手の権利を持っていたが、メッツのリリーフ陣が打ち込まれ、モンタスの勝ち星を消してしまった。
メッツ2番手のワスカル・ブラゾバンは六回先頭から三者連続四球の大乱調。ブレーブスはそこから3-3の同点に追いつき、さらに二死満塁のチャンスでオルソンがメッツ3番手のリード・ギャレットからタイムリーを放ち、二者を迎え入れた。
オルソンは八回にも貴重な追加点となるタイムリー二塁打を放ち、直近14試合では打率.346、長打8本と打撃好調だ。5月27日までの得点圏では50打数10安打、打率.200に終わっていたが、それ以降は26打数12安打、打率.461と勝負強さを発揮している。
オルソンとメッツのピート・アロンソは、今日の試合が始まる前の時点で一塁手トップのfWAR(2.4)を記録。オルソンは今季ここまで15本塁打&52打点を記録し、自身4度目のシーズン30本塁打&100打点を狙えるペースとなっている。
2025.6.25 12:06 Wednesday
レンジャーズ逆転勝ち 三者連続アーチでリード許すも競り合いを制す
【オリオールズ5-6レンジャーズ】@ボルティモア/オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズ
日本時間6月25日、レンジャーズ先発のジェイコブ・ラッツはノーヒッターを達成することはできなかったかもしれないが、重要なことを成し遂げた。メジャーリーガーとしてのキャリアのなかで初めて、6イニングを投げ抜いたのだ。
ラッツは先発ローテーションに定着しているわけではなく、スポットスターターとしての登板だった。今後もこの役割を担うことが増えると思われるが、今季2度目の先発登板で6回0/3を投げて被安打1、奪三振4、与四球3、失点2という好投を披露。六回までオリオールズ打線を無安打に封じ、延長戦の末にオリオールズを6-5で破ったチームの勝利に貢献した。
ラッツは七回先頭のラモン・ローレアーノに初安打を許し、続くガナー・ヘンダーソンに四球を与えたところで降板。2番手のクリス・マーティンがオリオールズ打線に三者連続本塁打を浴びたため、ラッツには2失点が記録された。
レンジャーズはスプリング・トレーニングから先発投手陣に故障者が続出。先発投手の頭数が不足しており、それをカバーする役割がラッツに求められていた。
ジョン・グレイとコディ・ブラッドフォードは戦列復帰に向けて順調に前進しているとみられていたが、ブラッドフォードは左肘の手術を受けることが決定。ラッツが担う役割はより重要なものとなったが、その期待に見事に応えてみせた。
今季のオリオールズが左腕を苦手としていることもラッツの好投を後押ししただろう。ラッツは序盤3イニングをパーフェクトに抑える最高の立ち上がり。四回先頭のジャクソン・ホリデイに四球を与えたが、次打者を併殺打に仕留め、打者3人で終わらせた。五回も先頭打者を歩かせたものの、後続3人をいずれも空振り三振に仕留め、オリオールズ打線に付け入る隙を与えなかった。
六回まで無安打ピッチングを続けたラッツだが、七回に初安打と四球で一、二塁のピンチを招いて降板。このあと、マーティンがゲーリー・サンチェスに3号3ラン、ラモン・ウリアスに6号ソロ、ライアン・オハーンに11号ソロとまさかの三者連続アーチを浴び、オリオールズに逆転を許した。マーティンは打者3人に投げただけで降板。3番手のホビー・ミルナーが後続3人を抑え、イニングを終わらせた。
逆転を許したレンジャーズだったが、試合終盤に意地を見せ、八回にジョナ・ハイムの犠飛で5-5の同点に。そして十回1死三塁の場面で、サム・ハガーティの内野ゴロの間に三塁走者のエバン・カーターが本塁に突入。チャレンジの末に判定が覆ってセーフとなり、この1点が決勝点となった。
2025.6.25 11:36 Wednesday
今夏のトレード・デッドラインで移籍する可能性が最も高い選手は?
日本時間6月25日、ESPNのジェフ・パッサン記者とカイリー・マクダニエル記者は今夏のトレード・デッドラインにおける「トレード候補トップ50」のランキングを公開した。
トレード候補に挙げられた選手たちは、実際にトレードされた場合に、移籍先のチームにどれだけの価値をもたらすかという基準でランク付けされている。また、上位30選手については、トレードされる可能性がパーセンテージで示されている。たとえば、ランキングの1位はアレックス・ブレグマン(レッドソックス)だが、パッサン記者とマクダニエル記者は、ブレグマンがトレードされる可能性はわずか「10%」としている。
では、トレードされる可能性が最も高い選手は誰か。それはルイス・ロバートJr.(ホワイトソックス)で、トレードされる可能性は「90%」と見積もられている。
ロバートJr.は以前からトレードの噂が絶えず、今季限りでホワイトソックスとの6年契約が終了。2026年と2027年はそれぞれ年俸2000万ドルの球団オプションとなっている。ロバートJr.は2023年に38本塁打&20盗塁を記録してオールスター・ゲーム選出を果たしており、シルバースラッガー賞も受賞。当時であれば、年俸2000万ドルはかなり手頃な価格と判断されただろう。しかし、2024年以降は低迷が続いており、今季は71試合に出場して打率.184、OPS.573、三振率31.3%という成績。ただし、守備と走塁の貢献度は依然として高く、打撃の復調を期待して獲得に動くチームが現れるかもしれない。
パッサン記者とマクダニエル記者は、ロバートJr.のほかに4選手をトレード確率「70%以上」に挙げている。その4選手とは、オリオールズのライアン・オハーン(85%)、レンジャーズのアドリス・ガルシア(80%)、オリオールズのザック・エフリン(75%)、オリオールズのセドリック・マリンズ(70%)という顔ぶれだ。オリオールズが売り手に回ると予想されていることがよくわかる。
オハーンは今回の「トレード候補トップ50」において10位にランクイン。今季はトレード候補に挙げられている選手のなかでも群を抜いて好調なシーズンを過ごしており、ここまで65試合に出場して打率.305、10本塁打、出塁率.387、OPS.867の好成績をマーク。オハーンが最もフィットする移籍先の候補の一つとしてマリナーズが挙げられており、MLB.comでマリナーズを担当するダニエル・クレーマー記者がある情報筋から得た情報によると、マリナーズは内野の両コーナー(一塁と三塁)のアップグレードを狙っているという。一塁手であるオハーンの獲得に動く可能性は十分にありそうだ。
なお、菅野智之(オリオールズ)は44位にランクイン。チームが売り手に回ることが有力視されるなか、メジャー1年目の菅野の動向にも注目が集まりそうだ。
2025.6.25 09:32 Wednesday