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ワールドシリーズ第4戦の見どころ 大谷の投打のパフォーマンスが鍵

 ワールドシリーズ第3戦は今まで見た中でも最高の、そして最長の試合の一つだった。

 6時間39分、18イニングの攻防で19人の投手が登場、大谷翔平は2本塁打、4長打、5四球(うち申告敬遠4つ)を記録した。残塁は実に37を数え、走塁でアウトになる選手も続出した。クレイトン・カーショウの満塁のピンチを抜け出す好リリーフを見せ、最後はフレディー・フリーマンがまたしてもサヨナラ本塁打を放って決着させた。

 ドジャースが2勝1敗で迎えるあすの第4戦はどうなるだろうか。3つの注目ポイントから、第4戦を展望する。

翔平が投げる!(そして打つ!)

 ナ・リーグ優勝決定シリーズでは、大谷は野球史上最高の個人パフォーマンスを見せた。ワールドシリーズ第3戦でも大谷は4長打、5四球、2本塁打で記録を作り続けた。

 そしてついに大谷はマウンドに立つ。ワールドシリーズで先発投手が打席に立つことは、両リーグにDH制が導入されるまで120年間起こり続けてきたことだが、それでも大谷がやることなすことどれも前例がないように感じられる。第4戦では投打両方で素晴らしい活躍が求められる。

 ドジャースは第3戦でブルペン投手全員を起用せざるを得なかった。そして第4戦、そしてその翌日にある第5戦を見据えるならば、大谷に求められるのはただの好投ではなく、ある程度のイニングの消化だ。彼はポストシーズンでの2登板を含め、過去3登板でいずれも6イニングを投げている。ドジャースはその再現を必要としている。そして打席では本塁打も1、2本必要だろう。

第4戦で誰が投げられる?

 MLB.comのマイク・ペトリエロが指摘したように、第3戦の前でも両軍のブルペン陣は好調ではなかった。そして第3戦では合わせて26イニングを投げなければいけなかった。ドジャースは9人、ブルージェイズは8人のリリーフ投手を起用し、そしてあすもあさっても試合をしなければいけない。

 ドジャースが第4戦で大谷を長いイニングまで引っ張る可能性は低いだろう。一方で、ビーバーは今年8月にトミージョン手術から復帰し、2023年7月から6イニング以上投げていない。両軍のブルペン陣に再び負担がかかる展開もありえる。

 第3戦ではブルージェイズがジェフ・ホフマン、ドジャースが佐々木朗希と、それぞれのブルペン陣の切り札を複数イニング投げさせている。彼ら以外でもイニングをまたいだ投手は多く、合計9人のリリーフ投手が3アウト以上を記録した。試合は乱打戦になるかもしれない。

ジョージ・スプリンガーは復帰できるか?

 ジョージ・スプリンガーはポストシーズンに強い選手として知られてきた。今年のワールドシリーズで再びMVPを受賞すれば、その名声はさらに高まるだろう。アストロズでは毎年のように出場したポストシーズンで毎年のように活躍し、ブルージェイズでもア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦で逆転の決勝3ランを放った。

 スプリンガーは今季、レギュラーシーズンから絶好調だった。キャリアワーストだった昨季から復活し、今季はチーム最高の打者だったと言っても過言ではない。2017年の悔しさを未だに拭えないドジャースファンはブーイングを浴びせているかもしれないが、私たちファンにとってはスプリンガーを応援せずにはいられない。しかし、2025年シーズンでの彼の活躍は見納めなのだろうか、と疑問に思う人もいるだろう。

 スプリンガーは既に膝の怪我に悩まされていたが、 七回にファウルボールを打った後、右脇腹を押さえ込み、すぐに交代させられた。FOXの中継で解説者のジョン・スモルツが言った言葉はまさに正鵠を射ていた。「ブルージェイズがこのシリーズで残しているであろう時間よりも、回復に長い時間を要するタイプの怪我のように見えた」と。試合後、ジョン・シュナイダー監督はスプリンガーが「右脇腹に違和感」を感じているとしてMRI検査を受け、結果は未定だと述べた。

2025.10.28 18:19 Tuesday

ドジャースがWS第3戦に勝利 延長18回の死闘を制す

【ドジャース6×-5ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月27日(日本時間28日)

 ドジャース、ブルージェイズともに1勝1敗で迎えたワールドシリーズ第3戦は、延長13回に及ぶ熱戦をドジャースが制した。ドジャースは大谷翔平(31)の4長打の活躍で5-5の同点に追いつき、さらに佐々木朗希(23)の好リリーフもあって試合は延長に突入。両チームともに決死の継投でピンチをしのぎ続け、延長18回についにフレディー・フリーマンがサヨナラ本塁打で試合を決めた。

 二回、テオスカー・ヘルナンデスがブルージェイズ先発のマックス・シャーザーをとらえ、先制ソロを放った。そして三回には大谷翔平も今ポストシーズン7号のソロで続き、ドジャースが序盤で2-0とリードした。

 しかし、四回にブルージェイズ打線が反撃。ドジャース先発のタイラー・グラスナウに対して、四球と失策で走者を出し、アレハンドロ・カークが逆転3ランを放った。なおもブルージェイズは連打でチャンスを作り、犠牲フライで4点目を加えた。

 五回からは両軍ともに途中で先発を見切り、ブルペン勝負へと以降。ブルージェイズはシャーザーが1死一塁で大谷を迎える場面で、左腕のフルハーティを投入した。得意のスイーパーで攻めるフルハーティに対し、大谷はフルカウントからの6球目を詰まりながら左中間に飛ばし、タイムリー二塁打。さらに後続のフリーマンのタイムリーで大谷が生還し、ドジャースは4-4の同点に追いついた。

 その後も一進一退の攻防が続いた。七回にブルージェイズは、ビシェットのタイムリーでゲレーロJr.が激走し、一塁から生還して勝ち越し。しかし直後のドジャースの攻撃では、大谷が今ポストシーズン8号の本塁打を放ち、ドジャースがすかさず同点に追いついた。

 5-5で迎えた八回、ドジャースは1死一、二塁のピンチを背負い、ここで佐々木朗希を投入。佐々木は2本の内野ゴロでピンチを切り抜け、九回も走者を出しながら無失点に抑えた。

 直後の九回の攻撃では、ドジャースは1死走者なしで大谷が打席に入った。しかし、ブルージェイズは申告敬遠を選択。ワールドシリーズにおいて走者なしの場面で敬遠された打者は、敬遠が公式記録となった1955年以降ではアルバート・プホルス(2011年)についで2人目となった。大谷はすかさず盗塁を試みたが、捕手カークの好送球と二塁手カイナー=ファレファの執念のタッチでアウトとなった。ドジャースは九回も無得点に終わり、試合は延長戦へと突入する。

 延長11回、ブルージェイズは2死走者なしから再び大谷を申告敬遠。続くベッツが安打でつないだが、フリーマンが外野フライに倒れて無得点に終わった。

 続く12回のブルージェイズの攻撃では、ブルージェイズは控え野手全員を使い切る執念の攻撃で満塁のチャンスを演出する。そして、ドジャースはこの2死満塁のピンチでクレイトン・カーショウを投入。カーショウはネイサン・ルークスとの8球に及ぶ打席を制し、二塁ゴロで満塁のピンチを脱した。

 ドジャースは延長15回から登板したブルペン最後の投手ウィル・クラインが奮闘。キャリア通して初めて4イニングを投げ、ブルージェイズ打線をわずか1安打に封じ込め、18回は2死二、三塁のピンチを三振で脱した。

 そして直後の18回の攻撃で、先頭のフリーマンがバックスクリーンへサヨナラ本塁打。6時間超に及び、両軍合わせて19人の投手、25人の野手を注ぎ込んだ死闘はドジャースに軍配が上がった。ドジャースは2勝1敗でブルージェイズをリードし、あすの第4戦を迎える。

 大谷はまたしても歴史的パフォーマンスを披露。第1打席は二塁打、第2打席はポストシーズン7号ソロ、第3打席はタイムリー二塁打、第4打席はポストシーズン8号ソロ、第5、6、7、8打席は申告敬遠で、4打数4安打3打点だった。ワールドシリーズで1試合4長打は1906年のフランク・イズベル以来、史上2人目の快挙。1度のポストシーズンで3度のマルチ本塁打は史上初。さらに1度のポストシーズンで12塁打以上を複数回記録したのはベーブ・ルース以来。そして、ドジャースのポストシーズン本塁打記録の8本(コリー・シーガー)に並び、MLB記録である10本にも迫った。

2025.10.28 17:09 Tuesday

平凡な控え選手クレメントはどのようにブルージェイズのカルトヒーローになったか

 アーニー・クレメントは球界の新たな奇人であり、カナダのカルト・ヒーローとなった。そして他のチームもようやくその存在に気づき始めた。

 カナダのチームでプレーするのにこれほど適したアメリカ人選手がいるだろうか。トロントはジョン・マクドナルド、ケビン・ピラー、ライアン・ゴーインズといった素晴らしい守備力を持ち、毎試合ユニフォームを汚す貪欲な控え選手たちを称賛してきた街だ。今、ブルージェイズファンはまた新しい選手を見つけた。しかし、この選手は打撃もできる。しかも予備のバットを入れる濾過ーかあはホッケースティックが突き出ている。

 ブルージェイズがワールドシリーズ進出を果たした快進撃の間、ロジャースセンターには「アーニー!アーニー!アーニー!」のチャントが響き渡った。訪れたメディアは困惑した。ブルージェイズファンは「ブラディ(ブラディミール・ゲレーロJr.)」と叫んでいるわけではない。

「信じられない。ラインナップを見ると、ブラディミールは注目度も高くて、タイトルも獲得している。でも、アーニーも打率は同じなんだ。驚くべきことだ。彼は自分のプレーをやっている。感情を表に出さないという素晴らしい仕事をしているが、それでも(ア・リーグ優勝決定シリーズ)第7戦の後でもその様子が見て取れた。彼は本当に気を遣っている。本当に気を遣っているんだ」と、ジョン・シュナイダー監督は語る。

 クレメントは今ポストシーズン13試合で打率.429を記録し、三振はわずか2度。下位打線からブルージェイズの攻撃を牽引している。

 クレメントはこれまで壮絶な道のりを歩んできた。ブルージェイズが2023年にクレメントとマイナー契約を結んだのは、スプリングトレーニング終盤のことだった。クレメントはそれまで2017年ドラフトの4巡目で指名されたクリーブランドに6年間在籍。しかし、クリーブランドでは優先順位の高い選手ではなく、有望株とも扱われていなかった。そしてアスレチックスに移籍したが、最下位だったアスレチックスからも解雇された。そしてブルージェイズにたどり着いた。

 クレメントはブルージェイズとそのファンにとって、本当に大切な存在だ。なぜなら、ブルージェイズとそのファンがクレメントにとって大きな意味を持つからだ。

 「この3年間、球団が私にこのような機会を与えてくれたことは、私にとってこの上なく大きな意味を持つ。せめて僕ができるのは、ポストシーズンで良いプレーをして、チームの優勝に貢献すること。本当に球団の人たちに感謝している。彼らは素晴らしい人間ばかりだ。少しでも恩返しができればと思っている」と、クレメントは言う。

 クレメントは気取らないところを持ち合わせており、ルーズで気楽な性格だ。クラブハウスで一番のムードメーカーにも、冷徹で真面目な人間にもなり得る。

 「アーニー・クレメントの一番の魅力は、野球のスキル以外で、とにかく何にも気にしないところだ。どんな状況でも、彼はプレーする準備ができている。シアトルでの第5戦後に彼が言ったように、彼のメンタリティは選手たちを刺激すると思う」と、ジョン・シュナイダー監督は語る。

 ALCS第5戦の敗戦後(エウヘニオ・スアレスの満塁弾で試合の流れが変わった痛恨の敗戦)、クレメントはロッカールームでチームについてどう思うかと聞かれると、ロッカールームに深く腰掛けた。まるで朝食を注文するときのような口調で、チームの現状に満足していると説明した。「ブルージェイズにはチャンスがある。それだけで十分だ」とクレメント監督は肩をすくめながら言った。

 そして、クレメントは正しかった。

 「クレメントはとにかく恐れ知らずで、それが大好きなんだ。それが彼のメンタリティだ。彼はブルーカラーだよ。首を突っ込んで、仕事をやり遂げる」と、シュナイダー監督。

 クレメントは今季、三塁とユーティリティの両部門でゴールドグラブにノミネートされた。走攻守の貢献度を測るfWARでは優秀な3.2をマーク。もはや控え選手ではない。ブルージェイズがワールドシリーズにいる最大の理由の一つだ。

 ただ、クレメントは注目されることなんて気にしない。またあの苦笑いを浮かべて肩をすくめるだろう。まあいいか、と。

 「素晴らしいことだと思うよ。これまでのキャリアで見過ごされがちだったから、今に始まったことじゃない。だから、全く気にしていない。目立たないところで、本当に素晴らしいプレーをすれば、みんなそれに気付いてくれる。でも、まあ、目立たないほうがいいけどね。素晴らしいことだと思うし、慣れているからね」と、クレメントは言う。

 しかし、もう隠れる術はない。ワールドシリーズで彼の名前が叫ばれ、かつてのマイナーリーグの控え選手は「アーニー!アーニー!アーニー!」と声援を受けている。

2025.10.28 11:28 Tuesday

オリオールズ新監督にガーディアンズ助監督のアルバーナスが就任へ

 ESPNのジェフ・パッサン記者の報道によると、オリオールズは新監督としてガーディアンズのアソシエイトマネージャー(助監督)を務めるクレイグ・アルバーナスを採用する方針を固めたようだ。まだ球団からの公式発表は行われていない。

 42歳のアルバーナスは直近2シーズンをガーディアンズのコーチングスタッフの一員として過ごし、2024年はベンチコーチ、今季は助監督を務めた。

 コーチとしてのキャリアは2015年にレイズ傘下でスタート。5シーズンにわたってマイナー各階級で様々な役職を経験し、2018年にはハイAのボーリンググリーンで監督を務めた。

 2020年からの4シーズンはジャイアンツに在籍。ブルペンコーチと捕手コーチを務めた。

 現役時代は捕手で、2006年にドラフト外のフリーエージェント(FA)としてレイズに入団。マイナーで9シーズンを過ごしたが、メジャー昇格を果たすことはできなかった。

 オリオールズは今季、優勝候補の一角として大きな期待を集めていたが、スタートダッシュに失敗し、5月には長年チームを率いてきたブランドン・ハイド監督を解任。最終119試合はトニー・マンソリーノ監督代行が指揮を執り、60勝59敗と勝ち越したものの、アメリカン・リーグ東地区の最下位(75勝87敗)でシーズンを終えた。

 オリオールズには正遊撃手ガナー・ヘンダーソン、正捕手アドリー・ラッチマン、正二塁手ジャクソン・ホリデイといった若くて才能豊かな選手が揃う。アルバーナスはオリオールズの新監督して、2023~24年に続くポストシーズン進出を目指すことになる。

2025.10.27 11:55 Monday

パドレスの今オフの優先事項5選 最重要は「適切な監督」を見つけること

 サンディエゴでは忙しいオフシーズンが始まっている。主力選手の多くは2026年シーズンも契約が残っており、引き続き充実した戦力で戦える見込みだが、オフシーズンに取り組まなければならないエリアも複数ある。ここでは今オフのパドレスにとって最も重要だと思われる点を、5位から1位まで主観的なランキングで紹介していこう。

5位:ベンチの選手層

 フレディ・ファーミンは正捕手の座を固めた。ラモン・ローレアーノの球団オプション(=球団側が選択権を持つ契約オプション)は球団側に有利な内容となっており、正左翼手として来季もチームに残る可能性が高い。ギャビン・シーツは少なくとも強力なプラトーン要員として、チーム内で居場所を得た。パドレスは過去10カ月間の動きによって、来季のオフェンス面のニーズをある程度、満たしてきた。

 しかし、こうした選手たちに続く「ベンチ」の枠は空いている。エリアス・ディアスとホセ・イグレシアスはフリーエージェント(FA)になる。つまり、捕手と内野手の控えが必要になるということだ。パドレスは夏のトレードでブルージェイズからウィル・ワグナーを獲得したが、それでも控え内野手の補強は必要だろう。

 ブライス・ジョンソンは来季も控え外野手としてロースターに入る可能性がある。しかし、パドレスはそれ以上に強力な控え野手が必要だ。言い換えれば、パドレスは「2026年版のギャビン・シーツ」を見つける必要があるのだ。

4位:先発投手の選手層

 ローテーションについては、のちほど改めて言及するが、まずはローテーションの後ろの部分から見ていこう。ランディ・バスケスは自分のポジションを勝ち取った。夏の間、素晴らしい活躍を見せたが、各種の指標は今一つだった。通常、各種の指標が悪ければ、成績は悪化していくものだが、バスケスに関しては逆のことが起こった。空振りを奪えるようになり、与四球も減少。主力投手になれる可能性を秘めていることを示した。

 しかし、バスケス以外の層は薄い。ダルビッシュ有の今後は不透明で、ジョー・マスグローブもトミー・ジョン手術明けであり、先発ローテーションの中心部分に不安を残していることを考えると、今まで以上に先発投手の層を厚くしておくことが必要になるだろう。

 問題は、夏場のトレードでメジャーレベルの投手を大量にトレードで放出した一方、メイソン・ミラーとともにアスレチックスから移ってきたJP・シアーズが移籍後、苦戦を強いられたことだ。先発投手の層に厚みを加える戦力として、複数の投手を獲得することが必要になりそうだ。

3位:長打力

 パドレスは2026年シーズンに本塁打数でトップに立つ必要はない。しかし、2025年シーズンと同じようにメジャー28位で終わることは許されない。最も重要なのは、フェルナンド・タティスJr.やジャクソン・メリルといった現有戦力のパワーポテンシャルを最大限に引き出すことだろう。しかし、外部からの補強に動くのも悪くない。

 言い換えれば、ルイス・アライズはパドレスが追いかける必要のないFA選手だ。一塁もしくは指名打者(DH)の枠が空くものの、ここにはアライズのようなアベレージヒッターではなく、パワーヒッターを補強するのが適切だろう。

 A・J・プレラー編成本部長は「得点力を上げる方法はたくさんある。本塁打を増やすのは、もちろん素晴らしいことだ。我々はそれができると思うし、本塁打を増やせるようにしていきたいと考えている」と語る一方、「しかし、重要なのは、粘り強い打席と本塁打を打つ打席のバランス、つまり一貫して攻撃的なプレッシャーを与え続けることだと思う。これは我々が常に話していることだ。今オフは、その点をもう少し改善する方法を見つけなければならない」と本塁打の増加だけに注力することに関して慎重な姿勢を見せた。

2位:エース級の先発投手

 過去2シーズンで合計110試合に先発したディラン・シースとマイケル・キングがFAになる。ニック・ピベッタは先発の柱として来季も残り、マスグローブも手術から戻ってくるが、シースとキングが担っていた多くのイニングをカバーしなければならない。

 ピベッタと交わした契約に重要性は、いくら強調してもしすぎることはない。今年2月、スプリングトレーニング初日に契約し、2025年シーズン全体を通して先発ローテーションを安定させた。しかも、その契約内容は扱いやすいものだった。

 端的に言えば、もしパドレスがシースやキングを引き留められないなら、「次のニック・ピベッタ」を見つける必要がある。そして、シースとキングがチームを去る可能性は高いと思われる。

1位:適切な監督

 ロースターに関する様々な疑問はさておき、現有戦力は依然として大きな可能性を秘めている。適切な補強を行うことができれば、ポストシーズン進出を狙えるチームになるだろう。そして、適切な人物が指揮を取れば、ワールドシリーズ進出に相応しいチームになるかもしれない。

 マイク・シルト監督の退任により、パドレスは新たな監督探しを強いられている。関係者によると、新監督決定に向けたプロセスは順調に進んでいるようだ。シルト政権下のパドレスは、球団史上初となる2年連続90勝を達成した。

 新監督は、シルト監督が築いた土台に新たな戦力を築き上げ、10月の戦いで次のステップを踏み出す必要がある。今オフのパドレスにとって、適切な監督を見つけ出すことは、おそらく最も重要な動きとなるだろう。

2025.10.27 10:55 Monday

メッツのオフシーズンの計画は? 番記者がファンからの質問に回答

 あと1週間もすれば、ワールドシリーズが終了する。オフシーズンのスタートが迫っており、フリーエージェント(FA)やトレードといったオフシーズンの話題に大きな注目が集まることになるだろう。

 実際にオフシーズンが始まるのを待つ間、ソーシャルメディアで寄せられたメッツに関する質問に回答していこう。なお、一部の質問は長さや分かりやすさを考慮して編集されている。

【Q】来季メッツに残る可能性が高いのはピート・アロンソとエドウィン・ディアスのどちらか?

【A】どちらの選手についても残留の可能性は否定しない。両者とも傑出した才能を持っており、それに匹敵する選手はFA市場にほとんどいないからだ。たとえば、もしメッツがアロンソを引き留めない場合、アロンソの代わりを見つけるのは難しく、よりよいチームを作ることも困難になる。同じことがディアスにも言える。

 質問に答えるとすれば、アロンソのほうが残留の可能性は高いと思う。アロンソは今オフ、クオリファイングオファーの対象とならないため、FA市場で好条件のオファーを得られる可能性もあるが、ほかのどのチームよりもメッツのほうが相性がいいと断言できる。もちろん、デービッド・スターンズ編成本部長は、避けられるのであれば、アロンソに5~7年の長期契約を与えることは回避したいと考えるだろう。しかし、アロンソの能力、メッツのロースターの穴、そして球団におけるアロンソの重要性といったすべての要素を考慮すると、メッツとアロンソが互恵的な合意に至らないとは考えにくい。

 同じ状況にあるディアスと比較してみよう。ディアスを引き留めず、別のクローザーを獲得した場合、メッツが弱体化するのは事実だろう。しかし、アロンソと比べると、ディアスはトレード市場にもFA市場にも代役の選択肢は多い。また、リリーフ投手を必要としているチームは多く、アロンソと同様に、ディアスを欲しがるチームも多いはずだ。さらに、スターンズ編成本部長はリリーフ投手に大金を投じたことがなく、来季で32歳になるディアスが過去5年間で大活躍したのは2シーズンだけという現実もある。1億ドル近い資金を複数の選手に分散させるのではなく、1人のリリーフ投手に投入するのは、スターンズ編成本部長らしくないやり方だ。

 とはいえ、ディアスは「ただのリリーフ投手」ではない。ディアスの残留があり得ないと言うつもりもない。ロースターにおける重要性を考えれば、ディアスが残留する可能性も十分にあるだろう。しかし、アロンソのほうが残留の可能性は高いと思う。

【Q】タイガースのタリック・スクーバルをトレードで獲得する可能性は?

【A】これはメッツのファーム組織がいかに進化したかを示すという点だけでも興味深い。昨オフ、メッツはギャレット・クローシェをトレードで獲得するだけの対価を用意できないと考えられており、実際にクローシェはレッドソックスへ移籍した。しかし、今オフのメッツは、スクーバル獲得に意欲的であるだけでなく、まもなく2度目のサイ・ヤング賞を受賞する左腕を獲得できるだけの対価を用意できる数少ないチームの1つであると考えられているのだ。

 もちろん、スクーバル獲得に向けては多くの障害が立ちはだかる。素晴らしい有望株を持っているのはメッツだけではない。また、トレード市場での競争の場合、メッツの資金力は大きな武器とはならない。さらに、タイガースがスクーバル放出に動くという保証もない。ただし、もしタイガースがスクーバルを放出するのであれば、メッツが獲得できる可能性があるのは事実だ。

 今夏のトレード期限の時点では、メッツは先発投手の補強のために有望株を放出することにほとんど興味を示さなかった。しかし、結果的には先発投手の駒不足により、ポストシーズン進出を逃すことになった。スターンズ編成本部長はそのことを自覚している。「何か違うこと」をしなければならないと分かっている。「何か違うこと」とは、有望株のカーソン・ベンジやジェット・ウィリアムスを使って1年後にFAとなるスクーバルを獲得することを意味するのだろうか。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。重要なのは、メッツがスクーバル獲得を望むのであれば、それが実現する可能性があるということだ。

【Q】ブレット・ベイティは今季、必要不可欠な戦力であることを証明したのか。それとも、まだ何かを証明しなければならない段階なのか。

【A】今季のベイティの成長を否定するのは難しい。7月上旬の時点では打率.219、OPS.664と低迷していたが、7月4日からレギュラーシーズン終了まで、213打席で打率.292、出塁率.357、長打率.479、OPS.836の好成績をマークした。さらに、弱点とみられていた三塁守備を、シーズンを通して強みへと変えていった。メッツは三塁以外の部分に弱点を抱えており、三塁にはベイティ以外にも期待の若手選手が揃っているため、三塁手の補強に動く可能性は低いと思う。

2025.10.27 09:33 Monday

フィリーズ・ウィーラーが順調に回復中 「痛みは全くない」

 フィリーズは、先月に胸郭出口症候群の手術を受けたザック・ウィーラーの回復状況について、明るいニュースを伝えた。

 デーブ・ドンブロウスキー編成本部長は、23日(日本時間24日)にポッドキャスト番組「ファウルテリトリー」に出演した際、その週にシチズンズバンクパークでウィーラーに会ったことを明かした。ウィーラーは術後のリハビリを行うため、今オフはフィラデルフィアで過ごす予定になっているという。

 ドンブロウスキー編成本部長は「彼は全く痛みを感じていない」と番組内でコメント。「状態はとてもいいと話していたよ。これで状況は明らかになったはずだ。後遺症もないみたいだし、再発する心配もなさそうだ。よって、彼は今、いい状態にあると言っていいだろう。復帰時期についてだが、我々は彼の準備が整うまでに6~8カ月かかると予想している。ただし、彼は非常に才能豊かなアスリートだ。才能と遺伝子において、まさに一流だ。その点ではブライス・ハーパーに似ている。予想よりも早く回復し、来季の開幕に間に合うことを期待しているよ。ひとまず現時点では、彼は非常にいい状態だ」と早期復帰にも期待を寄せた。

 もしウィーラーが来季の開幕に間に合わない場合、フィリーズの開幕ローテーションはクリストファー・サンチェス、ヘスス・ルザード、アーロン・ノラ、タイワン・ウォーカー、そして有望株のアンドリュー・ペインターによって構成される可能性がある。

 レンジャー・スアレスはフリーエージェント(FA)になる。フィリーズはスアレスとの再契約を望んでいるが、カイル・シュワーバー、J・T・リアルミュート、スアレスの全員と再契約するのは難しいだろう。

 ほかの先発投手では、今季途中に加入したウォーカー・ビューラーもワールドシリーズ終了後にFAとなる。

2025.10.27 08:37 Monday

「脱帽だ」 完投の山本にブルージェイズが敬意を示す

【ブルージェイズ1-5ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月25日(日本時間26日)

 ブルージェイズ打線の大きな特徴は、打席での粘りだ。相手投手を疲労困憊させて早めの降板に追い込み、投手時を苦しめてきた。

 しかし、ワールドシリーズ第2戦では、ポストシーズンでほぼ敵無しだったブルージェイズ打線は、ついに彼らを完全に封じ込める投手に遭遇した。山本由伸はブルージェイズ打線を1失点完投で圧倒し、第2戦でドジャースに勝利をもたらした。シリーズは1勝1敗のタイに持ち込まれた。

 山本は2001年にカート・シリングが3試合連続で完投して以来、ポストシーズンで2試合連続完投を達成した初の投手となった。効果的な6球種を織り交ぜ、ブルージェイズ打線を幻惑した。

 高い攻撃力を誇った2025年のブルージェイズに対して、完投した投手はこれまでいなかった。レッドソックスのギャレット・クローシェとロイヤルズのマイケル・ワカがそれぞれ8回を投げ抜いたが、今季はそれが最長だった。

 「ポストシーズンで2試合連続の完投。本当に素晴らしかった。山本はわれわれの打線を苦しめていた。ゾーンに投げ込めていたし、スプリットもゾーン内外に出し入れされていた。本当に素晴らしいパフォーマンスだった」と、ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は山本を称賛した。

 第1戦でブレイク・スネルを消耗させたのと同様、ブルージェイズは初回に山本からチャンスを作った。しかし、山本は無死一、三塁のピンチを23球かけて無失点で切り抜けた。三回にはアレハンドロ・カークの犠牲フライで同点に追いつき、逆転のチャンスをつかむかと思われた。しかし、この犠牲フライが最後のチャンスだった。山本はここから20打者を連続で凡退させ、105球(ストライク73球)で試合を締めくくった。

 「山本はただ、自分の投げたいところに球を投げられていた。1回のピンチを良い形で切り抜けた。とにかく自分の投球をしっかりこなしていた。自分の仕事をやり遂げたんだ」と、ブルージェイズのネイサン・ルークスと脱帽した。

 山本が際立っていたのは、レギュラーシーズンとなんら変わらないパフォーマンスを見せた点だ。独特の奇抜な投球フォーム、レッグキックと短いテイクバックで、ブルージェイズの打者はタイミングを取るのに苦しんだ。

 「みんなと同じように、この試合に向けて相当な準備をしてきた。(われわれは)準備万端だった。山本を称賛するしかない。彼はすべての球種をピッチトンネルに通し、球速もキープし、直球を本当に良く制球した。準備不足が原因だったとは思わない。彼の打者を騙す技術がすごかった。投球フォームにも間違いなく騙しの要素があった。彼は最高の状態だった」と、シュナイダー監督は山本を手放しで称賛した。

 8三振のうち、4三振を奪ったカーブ、17度の空振りのうち6度を奪ったスプリットなど、球種構成も完ぺきだった。

 ブルージェイズ打線は好調であれば、四球を稼ぐこともできる。しかし、山本は四球による反撃の隙も見せなかった。1死球こそ与えたが、四球はゼロ。ブルージェイズ打線が四球を選べなかったのはレギュラーシーズン中はわずか7試合で、これはMLBでも4番目に少ない。

 「山本はただ座ってミスを待っていられるような投手ではない。今夜はほとんどミスをしなかった。改めて脱帽だ。2試合連続完投は特別なことだ」と、ブルージェイズ打線を牽引してきたジョージ・スプリンガーは語った。

 ブルージェイズの良かった点を見つけるとすれば、山本に対してボールを前に飛ばせたということだろう。ゴロアウトは11度、フライアウトも3度。ボールを前に飛ばし続ける限り、それは良い結果に結びつくかもしれない。それがコンタクト力に長けるブルージェイズの考え方だ。

 「打球が上手いこと抜けなかった。山本に対してできることがそれで制限されてしまったね。脱帽だよ。次の試合に切り替えるよ」と、ルークスは語る。ブルージェイズの選手たちは山本に対して敬意を示し、既に次へと目を向けた。

2025.10.26 15:51 Sunday

「すごくホッとした」 ドジャースが負けられないWS第2戦に勝利

【ブルージェイズ1-5ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月25日(日本時間26日)

 第2戦のウイニングボールを捕球した三塁手マックス・マンシーは、そのボールをトスするのではなく、山本由伸のグラブに直接手渡した。山本はトスで受け取ろうとしたが、マンシーは山本が成し遂げたことに敬意を表したのだ。

 もしこのワールドシリーズをドジャースが制覇するならば、その理由は山本のパフォーマンスだろう。第1戦に大敗したドジャースは、山本の完投そして、七回にマンシーとウィル・スミスが放った2本塁打によって、第2戦に5-1で勝利。シリーズを1勝1敗のタイに持ち込んだ。

 「初戦落としていたのはすごく大きかったですけど、落としただけに当然ですけど今日は絶対勝たないといけないなとすごく気持ちが入りました」と山本は語った。

 この第2戦の完勝は、なぜドジャースが世界一の大本命と言われていたかを思い出させる試合だった。 確かにブルージェイズの層が厚く、忍耐強さを備え、強力な打線は、ドジャースのブルペン陣を圧倒する能力がある。しかし、ドジャースの先発投手が食い下がれば、そうはならない。

 投手として史上最高額の契約を結んだ日本の剛腕・山本は、第1戦でドジャースを圧倒したブルージェイズ打線相手に、三回に犠牲フライで1点を失っただけで1失点完投。9回1失点、4安打、8三振、無四球の好投で、さらに最後の20打者をパーフェクトで打ち取った。ポストシーズンにおける2試合連続完投は、2001年のダイヤモンドバックスを球団初の世界一に導いた大投手カート・シリング以来の快挙だ。

 「休養があったとはいえ、本当に素晴らしかった。山本はわれわれの打線を苦しめていた。ゾーンに投げ込めていたし、スプリットもゾーン内外に出し入れされていた。本当に素晴らしいパフォーマンスだった」 敵将ジョン・シュナイダーも脱帽した。

 1993年ワールドシリーズ第6戦で連覇を決めるサヨナラ本塁打を放ったジョー・カーターを始球式に招き、その伝説の瞬間を再現する機運を高めていたブルージェイズ。しかし、それに対してドジャースは、スミスとマンシーが2本のソロで、ブルージェイズのエース右腕・ゴーズマンを打ち砕き、アンサーを返した。

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「すごくホッとした」と勝ち越し劇について吐露。ドジャースにとっては、まさに安堵に次ぐ安堵だった。

 アレックス・ベシアを失い、第1戦では崩壊したブルペン陣への信頼がさらに薄れる中、ロバーツ監督は山本の貢献を喜んだ。山本はテンポの速い、昔ながらの投手戦を演じ、見事に勝利した。

 「第2戦の先発投手」という肩書きは、先発2番手という印象を与えがちだ。しかし、山本とゴーズマンはどちらとも、その役割には十分すぎるほどの実力を持っていた。

 山本は今季、ドジャースの投手陣で誰より多い173回2/3を投げ、ERA+167(リーグ平均より67%優秀)をマーク。ゴーズマンは過去4シーズン、ブルージェイズの先発ローテーションの要として活躍し、その期間でMLB4位の733回2/3、同3位の793三振を挙げていた。レギュラーシーズン中はエースとしてチームを牽引した山本と、ア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦でリリーフ登板した影響で第2戦に回されたゴーズマンの投げ合いは、まさにエース同士の投げ合いと呼ぶに相応しかった。

 そして、2投手はまさにエースの投球だった。

 山本はブルージェイズ打線に持ち前の豊富なレパートリーで挑み、そのすべてが機能した。強烈なスプリット、ヨーヨーのように動くカーブ、猛烈なフォーシーム、カッター、スライダー、シンカー。すべてが軽快に、鋭く変化し、グルーヴを生み出していた。第1戦では先発ブレイク・スネルの制球が乱れる瞬間を狙いすましていたブルージェイズ打線に対し、山本は一切崩れなかった。

 「初回にちょっとランナーをためたり、そのあとデッドボールから失点したりあったんですけど。しっかりと冷静にね、投げられたのでよかったと思います」と、山本は振り返る。

 一方、ゴーズマンも素晴らしい投球で応じた。ドジャースは初回に先制点を奪ったが、ゴーズマンは初回の3アウト目から17人の打者を連続で打ち取った。

 七回にスミスが打席に立つまでは。

 シーズン終盤に右手の細骨を骨折し、痛みを抱えながらプレーしていたスミスにとって、七回の勝ち越し弾はポストシーズン初の長打だった。ゴーズマンに対してフルカウントと粘り、内角の直球をとらえ、レフトスタンド2階席へ運んだ。

 ここでゴーズマンの快進撃は終わった。その後、ドジャースのポストシーズン通算本塁打王であるマンシーも、本塁打で続いた。奇しくも、カーターが放った有名のサヨナラ本塁打とほぼ同じ地点に着弾した。

 「2人の本当に良い打者に対する、2球の良い投球だった。それが違いを生んだ」と、ゴーズマンは良いボールを本塁打にしたスミスとマンシーを称えた。

 八回にもドジャースは2点を追加したが、山本には必要ない援護だったかもしれない。追加点をもらった八回は3者連続三振、九回も続投して三者凡退で締めくくった。

 「(山本は)負けることは選択肢にないと言っていた。まさに、その言葉通りの投球だった」と、ロバーツ監督は称えた。

 これでシリーズの行方は振り出しに戻った。

2025.10.26 15:28 Sunday

先発ゴーズマンの好投虚しく ブルージェイズがWS第2戦に敗れる

【ブルージェイズ1-5ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月25日(日本時間26日)

 ワールドシリーズは過酷な戦いだ。それもドジャースが相手チームならば。

 ケビン・ゴーズマンはワールドシリーズ初先発ながら第2戦で好投し、圧倒的な存在感を示した。しかしだからこそ、敗北はより残酷な結果となった。ドジャースを倒せるのは偉大な投手だけであり、第2戦に勝利するためには、ゴーズマンの好投は十分ではなかった。

 レギュラーシーズンの5月か6月にこんなパフォーマンスだったら、チームは大喜びしただろう。おそらく勝利して球場を後にしていたはずだ。しかし、相手はドジャース。しかもマウンドには山本由伸がいた。山本はゴーズマンと6イニングにわたって激しい投手戦を繰り広げたが、山本の輝きは試合の最後まで続いた。

 「ああ、ケヴ(ケビン・ゴーズマン)は本当に素晴らしかった」と、ジョン・シュナイダー監督はしゃがれた声でエースへの称賛を絞り出した。 「ケヴは山本と本当に1球1球戦っていたと思う。どちらも球数は少なかった。昔ながらの投手戦だった。そしてドジャースが試合を決めるスイングをした」

 ゴーズマンから七回に勝ち越し弾を放ったスミスは「ゴーズマンは僕にすべて直球を投げた。彼のペースが少し落ちて、僕はカウントを戻すことができた。彼はミスを犯して、僕はその打球をフェアにとどめることができた」と、勝負を分けた打席を振り返った。

 第2戦は紙一重の戦いだった。ブルージェイズがドジャースを倒すには、飛行機を針の穴に通すような技術が求められる。ドジャースに勝つには、ただ良い試合をするだけでは足りない。 「僕はもっと良い投球ができたはずだった。そして相手はそれを上回った」と、ゴーズマンは被弾を悔やんだ。

 第1戦で、ブルージェイズは素晴らしい勝利を収めた。打線が爆発し、六回に9得点のビッグイニングを作り、11-4で大勝。しかし、この日の山本から9得点挙げるには、ブルージェイズにはあと10試合必要だったかもしれない。

 「山本の夜だった。彼の夜だったんだ。素晴らしい仕事をされた」と、ブラディミール・ゲレーロJr.は通訳を介して語った。

 ゴーズマンが肩を落とす必要はない。第2戦で見せた力強さと信念を次回の先発、おそらくトロントで行われる第6戦でも再現しなければいけない。そのときはおそらくゴーズマンはチームを救うためか、世界一を決めるために投げるだろう。

 ゴーズマンがブルージェイズのブルペンから出てきた瞬間から、彼には普段は見られない鋭さが漂っていた。ブルペンからダグアウトまでの長い道のりを、カメラがゴーズマンと捕手のアレハンドロ・カークを追いかけ、ロジャースセンターのセンターフィールド上部に設置された巨大スクリーンに二人の顔を映し出した。カークは目を閉じ、首を左右に振りながら先発投手の傍らをのんびりと歩いていたが、ゴーズマンはただまっすぐ前を睨みつけていた。瞬きもせず、フィールドをぐるりと見渡していた。メジャーリーグで13年間投げ続けてきた彼が、ついにこのワールドシリーズで先発登板を果たすことができたのだ。

 ゴーズマンはバランス感覚に長けた選手だ。彼は長年かけてそれを培ってきた。敗北のあとも、ゴーズマンはこの瞬間とそれに至るまでの道のりが何を意味するのかをはっきりと理解していた。 「本当に楽しかったよ。34歳で初めてのワールドシリーズだから、本当に楽しかった。ピッチングは最高だったよ。1回にゼロで投げられたらよかったのにと思ったけど、そこから抜け出して調子を上げた。ここは投げていて楽しい場所だ。試合前にファンの皆さんがどれだけ興奮しているか、よく分かったよ。さあ、ロサンゼルスへ行こう」

 第3戦から最大で5戦までを戦う敵地ロサンゼルスでは、ブルージェイズは再び素晴らしい活躍を見せなければならない。第3戦先発のマックス・シャーザーは再び時計の針を戻し、全盛期の投球を再現しなければならない。第4戦先発のシェーン・ビーバーは、トレードデッドラインにおける大胆なトレードで彼を獲得したチームに対する信頼に応え、圧倒的な投球を見せなければならない。そして打線は、タイラー・グラスナウと大谷翔平から得点する方法を見つけなければならない。

 これは大きな要求だ。しかし、ワールドシリーズを勝ち抜くハードルは高い。銀メダルはないのだ。第1、2戦はブルージェイズ打線と山本がそれぞれ素晴らしいパフォーマンスで、チームに勝利をもたらした。もしこれが6月だったら、ゴーズマンはもっと称えられていただろう。しかし、ワールドシリーズにそれはない。

 And it looks like we have ourselves a Series.?

2025.10.26 15:28 Sunday

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