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カブスがシールバーと再契約へ 今季67試合に登板したベテラン左腕

 カブスは今オフ、ブルペン補強を継続しており、16日(日本時間17日)には左腕ケイレブ・シールバーと1年契約で再契約を結ぶことで合意したことが明らかになった。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報として伝えている。なお、身体検査の結果待ちのため、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 38歳のシールバーは今季、カブスの主力リリーフ投手の1人として活躍し、自己最多タイの67試合に登板。58イニングを投げ、防御率2.64、56三振、13四球と安定した働きを見せた。昨季終了後にツインズからフリーエージェント(FA)となり、昨年12月に1年契約でカブスに加入した。

 シールバーのほか、ドリュー・ポメランツやブラッド・ケラーもFAとなり、アンドリュー・キットリッジがトレードでオリオールズに戻ったため、今オフのカブスはブルペンが重要な補強ポイントとなっていた。

 カブスはすでに4人の投手をブルペンに加えており、右腕フィル・メイトンを2年契約、左腕ホビー・ミルナーを1年契約で獲得。さらに、右腕コリン・スナイダーとマイナー契約を結んだ。メイトンとミルナーの加入はすでに正式発表されている。

 1月31日に39歳の誕生日を迎えるシールバーは、メジャー通算414試合に登板して防御率3.26を記録。カブス加入前は、8シーズンにわたってツインズでプレーし、347試合に登板した。ブルワーズ、パドレス、マーリンズ、タイガース、ブレーブスにも在籍経験があるものの、いずれの球団でもメジャーではプレーしていない。

2025.12.17 07:58 Wednesday

ナショナルズがグリフィンと1年契約で合意 ローテ候補として期待

 ナショナルズの編成本部長に就任したポール・トボーニは、チームのロースターを眺めていた際、ある特定のエリアに注目した。

「真っ先に考えたのは投手のことだ。先発投手とリリーフ投手の両方だ」とトボーニ編成本部長は先週行われたウィンターミーティングで話していた。

 15日(日本時間16日)にレッドソックスとのトレードでマイナー右腕ルイス・ペラレスを獲得したナショナルズは、連日の投手補強を実現。16日(同17日)には30歳の左腕をメジャーの投手陣に加えることになった。

 MLB.comのジェシカ・カメラート(ナショナルズ担当)とマーク・フェインサンドが関係者から得た情報によると、ナショナルズは左腕フォスター・グリフィンと1年契約を結ぶことで合意。まだ球団からの正式発表は行われていないが、1年550万ドル(約8億2500万円)の契約であることが報じられており、さらに最大100万ドル(約1億5000万円)の出来高も盛り込まれているようだ。

 これは、10月にナショナルズの編成本部長に就任したトボーニにとって、初めてのフリーエージェント(FA)補強となる。

 グリフィンは日本プロ野球の読売ジャイアンツで3年間プレーし、合計315回2/3を投げて18勝10敗、防御率2.57を記録。今季は78イニングを投げて防御率1.62、77三振の好成績を残し、オールスターに選出されたが、後半戦に右膝を痛めて離脱した。2022年以来、4年ぶりのメジャー復帰となる。

 ナショナルズでは先発ローテーション争いに加わることが予想される。先発陣は若手が多く、グリフィンの経験値は重宝されるはずだ。33歳の右腕トレバー・ウィリアムスは7月に右肘の手術を受けてリハビリ中。現在の先発ローテーションには左腕マッケンジー・ゴアのほか、ジェイク・アービンとケイド・カバリの両右腕らが名を連ねているが、エース格のゴアにはトレードの噂が絶えない。

 グリフィンは2014年、高校卒業時にロイヤルズからドラフト1巡目指名を受けてプロ入り。2020年にメジャー昇格を果たしたが、デビュー戦で負傷し、トミー・ジョン手術を受けることになった。2022年にメジャー復帰を果たし、夏場のトレードでブルージェイズへ移籍。メジャー通算では7試合(すべてリリーフ)に登板し、1勝0敗、防御率6.75を記録している。

 メジャーでの最後の登板は、ブルージェイズ時代の2022年9月22日。その後、同年11月にブルージェイズからリリース(解雇)され、活躍の場を日本に移した。

 ナショナルズ先発陣は今季、メジャーワースト2位の防御率5.18に終わり、9イニングあたりの三振数(7.56)もメジャー25位にとどまった。なお、ブレイク・ビュテラ新監督の就任に伴ってコーチングスタッフを刷新し、サイモン・マシューズが投手コーチ、ショーン・ドゥーリトルが投手コーチ補佐に就任することが決まっている。

2025.12.17 07:36 Wednesday

ブレーブスが正遊撃手を確保 キム・ハソンと1年2000万ドルで再契約

 金河成(キム・ハソン)がブレーブスに復帰することが決まった。15日(日本時間16日)、ブレーブスは1年2000万ドル(約30億円)で再契約を結んだことを発表した。

 30歳のキムは今季終了後、年俸1600万ドル(約24億円)の選手オプション(=選手側に選択権がある契約条項)を破棄してブレーブスからフリーエージェント(FA)となった。このオプションは、昨オフにレイズと結んだ契約に付属していたものだ。キムは今季レイズの一員としてスタートし、9月1日にウエーバーでブレーブスへ移籍した。

 韓国出身のキムにとって、今季はフラストレーションのたまるシーズンだった。昨年10月に受けた右肩手術の影響で、今季は大幅に出遅れることになり、7月にようやくレイズデビュー。しかし、右ふくらはぎ痛を抱えながらのプレーを強いられ、2度の負傷者リスト入りがあった。

 結局、レイズでは24試合しか出場できず、ブレーブス移籍後の24試合と合わせて、今季はわずか48試合の出場に終わった。打撃成績は打率.234、5本塁打、17打点、出塁率.304、OPS.649、OPS+83と低調。自慢の守備面でもOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)-3と精彩を欠いた。

 2024年シーズンまでの活躍と比較すると、特に守備面では例外的に出来の悪いシーズンとなってしまった。キムは2020年12月にパドレスと4年2800万ドル(約42億円)の契約を結び、7年間プレーした韓国プロ野球からメジャーリーグへ移籍。パドレスでプレーした4年間では540試合に出場して打率.242、47本塁打、78盗塁、出塁率.326、OPS.706、OPS+99をマークし、守備面ではOAA+23を記録した。

 ベストシーズンは2023年で、本塁打(17)、盗塁(38)、OPS(.749)の各部門で自己最高の成績をマーク。ベースボール・リファレンス版のWARは5.4に達し、ユーティリティ部門でゴールドグラブ賞を受賞した。その守備力の高さが評価され、パドレスは2022年12月にスター遊撃手のザンダー・ボガーツを11年2億8000万ドル(約420億円)の大型契約で獲得していたにもかかわらず、2024年シーズンはキムを正遊撃手として起用した。

 ブレーブスはキムとの再契約により、最大の弱点だった遊撃手の補強を完了。アストロズからトレードで獲得したマウリシオ・デュボンをスーパーユーティリティとして起用することが可能になった。また、噂されていたボー・ビシェット獲得の可能性も消滅したと判断していいだろう。

2025.12.16 11:39 Tuesday

レンジャーズはシーガーを放出せず ヤング編成本部長が明言

 先月、レンジャーズはメッツからブランドン・ニモを獲得するために、主力選手の1人であるマーカス・セミエンをトレードで放出した。

 トレード成立から数日後、ニモはオンラインでメディア対応を行った際、クリス・ヤング編成本部長から「レンジャーズは今後も勝利を目指していく」と告げられたことを明かした。ロースターは大幅に刷新される見込みだが、これは決して「再建」ではないのだ。

 現時点でほぼ確実なことが1つだけある。それは、ロースターがどれほど大幅に入れ替わったとしても、コリー・シーガーはレンジャーズに残留するということだ。

 フロリダ州オーランドで行われたウィンターミーティングでは、常に様々な噂が飛び交っていた。そうした状況の中、トレード候補としてシーガーの名前がネット上で取り上げられ、ホテルのロビーでも話題になった。しかし、レンジャーズの幹部はすぐに状況を説明した。他球団はトレードを打診してくるが、レンジャーズはそれに応じる必要などない。

 ヤング編成本部長は、ウィンターミーティング最終日に「現実には、すべてのチームが優秀な選手を探しており、多くのチームが我々の優秀な選手にも声をかけてくる。事実を言えば、我々はシーガーを放出するつもりなどない。2026年シーズンの優勝を目指しており、そのためには優秀な選手が必要だ。各チームはどの選手が獲得可能で、どの選手が獲得不可能なのかを見極めるために、懸命に努力している。しかし、そこに実質的な根拠があるとは言えない。選手の状況確認はこの時期の通常業務の一環であり、すべてのチームが行っていることだ」と語った。

 ヤング編成本部長の発言は、シーガーに関するトレードの噂にも当てはまる。レンジャーズは今オフ、優勝を目指していく方針を何度も表明している。そして、優勝を目指すチームはシーガーのような実力を持つ選手をトレードに出すことはない。シーガーのトレードの噂に根拠などなく、一連の通常業務の中でそうした噂が出たに過ぎないのだ。

 2023年のワールドシリーズMVPに輝いたシーガーは、虫垂炎の手術を受けたため、今季最後の1カ月の大半を欠場した。手術後の回復に時間がかかり、ポストシーズンには間に合う可能性があったものの、レンジャーズがポストシーズンに進出する可能性が消滅したため、シーガーも無理に復帰せずシーズンを終えた。

 常に高い水準の成績を求められているシーガーにとって、今季はやや不調のシーズンだった。虫垂炎の手術を受けるまで102試合に出場し、打率.271、21本塁打、50打点、出塁率.373、OPS.860、OPS+149を記録。しかし、出場試合数が少なかったにもかかわらず、総合指標WARはファングラフス版が4.0、ベースボール・リファレンス版が6.2をマークした。

 シーガーは誰もが憧れるようなタイプの選手だ。そして、2021年オフに結んだ10年3億2500万ドル(約487億5000万円)の大型契約はあと6年残っている。

「シーガーは素晴らしい選手だ。各チームは素晴らしい選手を求めている。理由はどうあれ、他球団は我々がセミエンをトレードしたのを見て、シーガーも獲得可能だと考えたのだろう。多くのチームから連絡があった。もしシーガーがFAだったら、今オフの移籍市場で最高の選手だっただろうと言ってきたチームもあった。私はシーガーという素晴らしい選手がレンジャーズの一員であることを大変嬉しく思っている。我々の目標はワールドシリーズ優勝だ。その目標を達成するためには、素晴らしい選手が必要だ。他球団がシーガーに注目するのは理解できるが、少し騒ぎすぎだと思う。シーガーを放出するつもりなどないのだから」とヤング編成本部長はMLBネットワークラジオに出演した際、シーガー放出の意思がないことを改めて強調した。

 最終的に何が起こるかは分からない。誰も未来を知ることはできない。しかし、シーガーは現在、レンジャーズの選手だ。そして、レンジャーズはその状況を変えるつもりはないようだ。

「再び優勝するためにはシーガーの力が必要だ」とヤング編成本部長。「他球団の素晴らしい選手にもたくさんの問い合わせがあるはずだ。各チームは自分たちの仕事をしているだけだし、私もそれは理解している。ほかの選手についても、メディアに取り上げられ、少し過剰に報道されてしまった部分があると思う。我々はシーガーを移籍させるつもりはない。それだけはハッキリさせておきたいね」とシーガー放出の噂を一蹴した。

2025.12.16 11:02 Tuesday

フィリーズがカステヤノスに代わる右翼手としてガルシアと1年契約で合意

 フィリーズはニック・カステヤノスに代わる右翼手を見つけたようだ。

 15日(日本時間16日)、関係者によると、フィリーズはアドリス・ガルシアと1年1000万ドル(約15億円)の契約を結ぶことで合意。身体検査の結果待ちのため、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 32歳のガルシアは、正式に入団が決まれば、右翼のレギュラーを務めることになるだろう。カステヤノスと比較して、少なくとも守備面のアップグレードになる。最善のシナリオは、11月にノンテンダーFAとなってレンジャーズから放出されたガルシアが直近2年間の打撃不振から立ち直り、攻守両面でのアップグレードになることだ。

 ガルシアは今季レンジャーズで135試合に出場し、打率.227、19本塁打、75打点、OPS.665、OPS+91を記録。直近2年間ではOPS.675、OPS+96と平均以下の成績にとどまっている。しかし、2021~23年にはOPS.777、OPS+113をマークした実績があり、2度のオールスター選出を果たしたほか、2023年のア・リーグ優勝決定シリーズではMVPに輝いた。

 攻撃面では苦戦したガルシアだが、依然として平均以上の守備力をキープしている。ベースボールサバントによると、今季のガルシアはOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+1を記録し、規定出場数以上の右翼手36人中12位にランクインした。

 一方、カステヤノスのOAAは-12で、右翼手36人中ワーストタイだった。

 フィリーズはカステヤノスとの5年1億ドル(約150億円)の契約があと1年残っているにもかかわらず、オフシーズン中に何度も「環境を変えてあげる必要がある」といった趣旨の発言をしてきた。ただし、カステヤノスは近年の成績不振に加え、来季の年俸が2000万ドル(約30億円)と高額なため、関係者によると、フィリーズが数百万ドルを負担する姿勢を示しているにもかかわらず、トレード市場ではほとんど関心を持たれていないという。

 ある関係者は、もしカステヤノスがトレードされるとしても、オフシーズンの終盤まで取引は成立しないだろうと予想している。もしカステヤノスの引き取り手が見つからなかった場合、フィリーズはカステヤノスをリリース(年俸を全額負担した上で解雇)するとみられる。

 こうした事情もあり、カステヤノスが来年2月、フィリーズの春季キャンプに参加するとしたらサプライズになるだろう。

 カステヤノスは今年6月、守備固めのためにロブ・トムソン監督によって交代させられたことに不満を持ち、ダグアウト内で不適切な行動をとり、マーリンズ戦でスタメンから外されたことがあった。その後、9月にもトムソン監督に対する不満を漏らしていた。

 フィリーズ移籍後の4年間、カステヤノスは打率.260、出塁率.306、OPS.732、OPS+100を記録。これは攻撃面でリーグ平均レベルの成績だったことを意味する。一方、守備面ではOAA-32と低迷し、これは規定出場数以上の267選手のうちワースト7位の数字だった。

 攻撃面が平均レベル、守備面がワーストレベルのため、総合的な貢献度も低く、今季のWARはファングラフス版が-0.6、ベースボール・リファレンス版が-1.0で、ともに規定打席以上の145選手中ワーストに終わった。

 対照的に、ガルシアは攻撃面で低迷しながらも守備面で平均以上の水準を維持したため、WARはファングラフス版が0.7、ベースボール・リファレンス版が2.7を記録した。

 現時点では、フィリーズの外野陣はガルシア、ブランドン・マーシュ、ジャスティン・クロフォード、オットー・ケンプ、ウエストン・ウィルソンの組み合わせになると思われる。ロースター40人枠に登録されているヨハン・ロハスもポジション争いに加わるだろう。ほかにはペドロ・レオンとガブリエル・リンコネスJr.も40人枠に登録されている。

 フィリーズはFAになったハリソン・ベイダーとの再契約に興味を示している。しかし、ある関係者が先週のウィンターミーティングで明かした情報によると、フィリーズはカイル・シュワーバーに続いてJ・T・リアルミュートの引き留めにも成功した場合、ベイダーとの再契約は見送る可能性があるようだ。

 シュワーバーは先週、5年1億5000万ドル(約225億円)の大型契約で残留が決定。フィリーズは現在、リアルミュートに対して再契約のオファーを出している。デーブ・ドンブロウスキー編成本部長は先週の時点で、主力2選手が残留する可能性について楽観的な見通しを示していた。

 ガルシア獲得により、外野手補強の優先度が下がり、ベイダーとの再契約を見送る可能性が高まるかもしれない。なお、ベイダーは3年契約を希望していることが報じられているが、実際に3年契約を得られるかどうかは不透明だ。

2025.12.16 09:40 Tuesday

ツインズがジョシュ・ベルと1年契約で合意 強打のスイッチヒッター

 ツインズは補強ポイントの1つを埋めた。15日(日本時間16日)、関係者の情報によると、ツインズは一塁手兼指名打者のジョシュ・ベルと契約合意。契約条件は1年700万ドル(約10億5000万円)で、2027年シーズンの相互オプション(=球団と選手の双方に選択権がある)が付属しているという。

 ベルの加入により、不動のレギュラーと呼べる選手が少ないツインズは、スタメンの1枠が埋まったことになる。なお、身体検査の結果待ちのため、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 スイッチヒッターのベルは、今季ナショナルズで140試合に出場し、打率.237、22本塁打、63打点、出塁率.325、OPS.742、OPS+110を記録した。今季のツインズは一塁手の打撃成績が低迷。チーム全体で打率.240、出塁率.307、OPS.678にとどまり、OPSはメジャー30球団中25位だった。

 もしベルが来季の開幕戦に一塁手としてスタメン出場すれば、ツインズとしては、ミゲル・サノー(2022年)、ジョーイ・ギャロ(2023年)、カルロス・サンタナ(2024年)、タイ・フランス(2025年)に続いて5年間で5人目の一塁手となる。ただし、今季のベルは指名打者としての出場が大半を占め、一塁手としての出場は33試合(うちスタメン32試合)だけだった。

 ツインズは昨オフ、フランスと契約し、夏場のトレードでブルージェイズに放出するまで一塁のレギュラーとして起用した。フランス放出後はユーティリティプレーヤーのコディ・クレメンスが一塁のレギュラーに昇格。ベルの加入により、クレメンスは今季前半戦で存在感を示したユーティリティの役割に戻ることになるだろう。

 ベルは近年、毎年のように夏場のトレード候補に挙がっており、ジャーニーマンのような存在になっている。今季はナショナルズで140試合に出場したが、シーズンを通して1球団でプレーしたのは2021年以来。いくつかの重要な指標では、ここ数年で最も優れた数字を残した。

 今季のハードヒット率47%は2021年以来の高水準で、期待長打率.497は2019年以来となる好成績。さらに、22本塁打は直近4シーズンで自己最多タイとなり、OPS.742も昨季(.724)を上回った。

 ベルは長打を打てないときでも出塁能力の高さでチームに貢献できる。今季の四球率10.7%はメジャー平均(8.4%)を上回っており、三振率16.5%もリーグ平均(22.0%)より優れた数字だ。

 今季終盤は特に好調で、シーズン最終20試合では打率.339、6本塁打、OPS1.083を記録。9月8日のマーリンズ戦では2本塁打を含む6打数4安打6打点の大暴れを見せた。

 ベルはスイッチヒッターだが、今季は左打席のほうがはるかに数字が良く、打率.265、18本塁打、OPS.804を記録。一方、右打席では打率.151、4本塁打、OPS.552と低調だった。

2025.12.16 08:48 Tuesday

積極補強のブレーブス 弱点の遊撃補強にビシェット獲得はあるか

 今オフのブレーブスは積極的な補強を展開している。10日(日本時間11日)にベテラン外野手のマイク・ヤストレムスキーと2年契約を結び、翌11日(日本時間12日)には今季ナ・リーグ最多の40セーブを挙げたロベルト・スアレスを3年契約で手に入れた。

 ブレーブスは11月の時点で守護神ライセル・イグレシアスと1年1600万ドル(約24億円)で再契約を結んでおり、2026年シーズンもイグレシアスにクローザーを任せる方針。よって、今季40セーブ、防御率2.97をマークしたスアレスがセットアッパーを務めるという豪華な布陣になる。

 今季、ブレーブス先発陣が相次ぐ負傷者に悩まされたことを考えると、補強の次のステップとして先発投手の層を厚くすることを検討すべきかもしれない。MLB.comでブレーブスを担当するマーク・ボーマンによると、ブレーブスはザック・ギャレンのような実績のある投手を獲得するために、移籍市場の動きを注視しているようだ。

 一方、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシは「ブレーブスは現在の先発投手陣に満足している」と伝えており、ブレーブスが補強を目指す最優先のポジションとして遊撃手を挙げている。今オフのフリーエージェント(FA)市場では、すでに多くの有力選手が移籍先を決めているが、遊撃手に関してはFAのトップ選手がまだ市場に残っているのだ。

「もしブレーブスが何か動くとすれば、マウリシオ・デュボンをスーパーユーティリティの役割に押し出すことができるような遊撃手の獲得を目指すだろう。ベンチ要員を求めるのではなく、大物選手の獲得が必要だ。そして、そのターゲットとなるのはボー・ビシェットだろう」とモロシは伝えている。

 ビシェットは今季ブルージェイズで139試合に出場し、打率.311、18本塁打、94打点、OPS.840を記録。ワールドシリーズ第7戦では大谷翔平から先制3ランを放ち、オールMLBのセカンドチームにも選出された。今季、チームの遊撃手合計で打率.222、3本塁打、41打点、OPS.550に終わったブレーブスにとって、ビシェット獲得は劇的なアップグレードになるだろう。

 なお、ブレーブスは金河成(キム・ハソン)と再契約を結ぶ可能性も排除していないとみられる。キムは今季、レイズで24試合、ブレーブスでも24試合の出場にとどまったものの、シーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を行使してFAとなった。ビシェットの契約が決まるまで、キムをめぐる市場は本格化しないことが予想されている。

2025.12.15 12:23 Monday

グラスナウがトレードの噂について言及 移籍の可能性は消滅か

 今オフは例年以上に多くの先発投手がトレード候補になっており、今季ポストシーズンに出場したチームですら、一線級の先発投手を手放す可能性があることが報じられている。

 ESPNのアルデン・ゴンザレスは、ウィンターミーティングを振り返る議論の中で、ドジャースがタリック・スクーバル(タイガース)をトレードで獲得するために必要な「天文学的な対価」の一部として、先発右腕タイラー・グラスナウを放出する可能性があることを伝えていた。

「グラスナウの名前が話題に挙がっており、ドジャースは彼を放出することに反対しないだろう。彼が(契約に見合うだけの)健康状態を維持してくれると期待するチームが少なくないのは確かだ」

 ドジャース先発陣の層の厚さを考えれば、グラスナウ放出論は興味深く、また信憑性もある話だ。しかし、グラスナウ自身が14日(日本時間15日)、MLBネットワークラジオのインタビューの中で、トレードの噂について以下のように言及している。

「トレードされるだろうという噂を聞いていたから、何を信じればいいのか分からなかったんだ。でも、フロントオフィス(とアンドリュー・フリードマン編成本部長)に話してみたところ、『キミはどこにも行かないよ』という感じで言われた。つまり、トレードされることはないと言われたし、僕は彼らを信じている」

 32歳の右腕は南カリフォルニアの出身であり、トレードの可能性がないと聞いたことによる安心感を歓迎している。

「野球で圧倒されたり、ストレスを感じたりしたときはいつでも『何をそんなに焦っているんだ? ドジャースタジアムでプレーできるなんて、まさに夢みたいじゃないか』と言い聞かせるようにしているんだ」

「ときどき観客席を見上げて、自分がかつて座っていた座席を見つめながら、その景色を楽しむ瞬間があるんだ。若いころの自分は(ドジャースでプレーしていることを)きっと信じられないだろう。誰かに嘘をつかれていると思うんじゃないかな」

 グラスナウにとって、ドジャースでプレーすることは、まさに夢の実現。フロントオフィスがグラスナウに伝えた内容が事実であれば、エース級のポテンシャルを秘める右腕は来季も「夢」を継続することができそうだ。

2025.12.15 11:29 Monday

ドノバン争奪戦 ジャイアンツとマリナーズが最有力候補に浮上

 今オフのトレード市場で最も人気を集めている選手の1人がブレンダン・ドノバン(カージナルス)だ。多くのチームが獲得に興味を示していることが報じられている。そんな中、ジ・アスレチックの報道によると、白熱するドノバン争奪戦において、ジャイアンツとマリナーズが最有力候補に浮上しているという。

 マリナーズはフリーエージェント(FA)となったホルヘ・ポランコの引き留めに失敗し、ポランコはメッツと2年契約で合意。そのため、現時点で正二塁手が不在となっており、内外野を守れるユーティリティながら二塁を本職とするドノバンはチームにフィットする存在と言える。

 一方のジャイアンツは今季、二塁手がOPS.616と攻撃面でほとんど貢献できなかったため、ドノバン獲得によるアップグレードを目指している。

 ドノバンはメジャー4年目の今季、後半戦にやや失速したものの、前半戦は3割近い打率を残し、初のオールスター選出。シーズントータルでは118試合に出場し、打率.287、10本塁打、50打点、出塁率.353、OPS.775と例年通りの堅実な働きを見せた。守備ではセンターを除く内外野6ポジションの経験があり、今季は二塁、左翼、遊撃の3ポジションで出場した。

 ジ・アスレチックによると、カージナルスはドノバンを放出する対価として複数のトップ・プロスペクト(若手有望株)を獲得することを希望している。マリナーズとの交渉では、球団3位の有望株ラザロ・モンテスと同7位のジュランジェロ・サインチェ(両投げ投手)の名前が挙がっているという。一方、ジャイアンツとの交渉では球団3位の有望株ギャビン・カイレンと同7位のカーソン・ウィゼンハントについて話し合いが行われているようだ。

 なお、ジ・アスレチックはマリナーズとジャイアンツがともにケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)のトレード交渉にも関わっていることを報じている。ボー・ビシェットを二塁手として獲得するという選択肢を除けば、FA市場には目ぼしい二塁手が残っていないため、ブランドン・ラウ(レイズ)も含め、トレードによる二塁手補強の可能性を探っていくことになりそうだ。

2025.12.15 09:31 Monday

注目のタッカー争奪戦 ア・リーグ王者のブルージェイズが最有力か

 今オフのフリーエージェント(FA)市場における最大の目玉と言われるカイル・タッカー。走攻守三拍子揃った外野手をめぐる争奪戦について、業界関係者の見方はオフシーズン当初から大きく変わっておらず、依然としてブルージェイズが最有力候補と目されている。

 ESPNのアルデン・ゴンザレスは、タッカーとブルージェイズの関係性について、以下のように記している。

「ウィンターミーティングで多くの代理人、球団幹部、監督に話を聞いたが、もしタッカーが求めている総額4億ドル(約600億円)の契約を与える意思と能力があるチームが1つだけ存在するとすれば、それはブルージェイズだろう」

 今オフのブルージェイズは積極的な補強を展開しており、ディラン・シース(7年2億1000万ドル=約315億円)、コディ・ポンセ(3年3000万ドル=約45億円)、タイラー・ロジャース(3年3700万ドル=約55億5000万円)とすでに3人の有力投手を獲得。しかし、正遊撃手ボー・ビシェットがFAになったことによる打線の穴をまだ埋めることができていない。

 ブルージェイズはビシェットと再契約を結ぶ可能性を排除しているわけではない。MLBネットワークのジョン・ポール・モロシは12日(日本時間13日)、ブルージェイズとビシェットが連絡を取り続けていることを伝えた。

 しかし、ゴールドグラブ二塁手のアンドレス・ヒメネスを遊撃に回し、二塁にアーニー・クレメント、三塁にアディソン・バージャーを置くことで内野のポジションは埋めることができる。よって、ビシェットと再契約を結ぶことは、多くの人々が考えるよりも重要ではないかもしれない。チームに欠けている「左打ちのスラッガー」としてタッカーを獲得するほうがニーズに合っていると言えるだろう。

 あと一歩のところで1993年以来のワールドシリーズ制覇を逃したブルージェイズ。悲願を成し遂げるための「ラストピース」として、タッカーとの超大型契約を実現させることになるのだろうか。

2025.12.14 11:35 Sunday

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