English Español 韓国語

 
More>>

MLBのライブ配信観るなら《SPOTV NOW》

spotvnow

TRENDING NOW

パドレスが打者天国でまさかの完封負け 痛恨の5連敗

【ロッキーズ3-0パドレス】デンバー/クアーズフィールド、9月5日(日本時間6日)

 3カード連続で負け越し中のパドレスは、この日から西地区最下位のロッキーズと3連戦。その初戦はロッキーズ先発のカイル・フリーランドに8回無失点10三振と抑え込まれ、0-3で敗れた。西地区首位のドジャースも不振に喘ぐ中、パドレスも急ブレーキがかかり、首位との差は2ゲームから縮まっていない。

 パドレスの目下の課題は先発投手陣で、直近9試合で防御率7.52。しかし、この日は打者天国と呼ばれるクアーズフィールドで先発のニック・ピベッタが好投し、6回2失点と試合を作った。

 問題は打線だった。パドレス打線はロッキーズ先発のフリーランドに対し、五回にラモン・ローレアーノの二塁打、八回にホセ・イグレシアスの単打、九回にフェルナンド・タティスJr.の単打が飛び出しただけで、3安打に抑え込まれた。

 フリーランドは前回登板の2日のジャイアンツ戦で初回無死一塁から先制2ランを打たれ、その本塁打のセレブレーションについて打者ラファエル・デバースと口論になり、1死も奪えないまま退場処分に。しかし、この日は見違えるような投球で、8回無失点、2安打、10三振、無四球。8回以上を無失点に抑えるのは実に2017年以来、2桁三振も2021年以来と、3連続で防御率5点台の左腕にとって久々の快投となった。

 パドレスは痛恨の5連敗を喫した。しかし、地区優勝を争うドジャースも4連敗、直近3カードで負け越しており、ゲーム差は変わっていない。シーズン残り1カ月、不振脱出の糸口を早く見つけるのはどちらのチームになるだろうか。

2025.9.6 14:44 Saturday

休養十分のPCAが躍動しカブス大勝 鈴木と小笠原が対戦

【カブス11-5ナショナルズ】シカゴ/リグレーフィールド、9月5日(日本時間6日)

 カブスは休養十分のピート・クロウ=アームストロング(PCA)ら打線の活躍によって、ナショナルズに大勝。カブスの鈴木誠也も4打数1安打1得点と活躍した。また、ナショナルズの小笠原慎之介は3番手として登場し、2回2失点だった。

 クロウ=アームストロングは2日と3日のブレーブス戦を連続で欠場した。さらに4日はチームの休養日で、3日連続で試合から離れることになった。クロウ=アームストロングを3日間休ませたクレイグ・カウンセル監督は「精神的なリセットになるし、結果に苛まれることから解放される。選手たちにとって大きな励みになる。毎日、結果で評価されるというのは、本当に辛いことだ。選手たちは本当に苦労するんだ」と、休養を与えることの意義について語った。

 そして休養の効果は早速発揮された。クロウ=アームストロングは初回、一挙5点を先制するビッグイニングで特大の犠牲フライ、その後打球速度100マイル超えの単打を2本、今季32個目の盗塁、終盤にも仕上げの犠牲フライを放った。直近30試合では打率.163、出塁率.217、長打率.231、1本塁打と苦しんでいたが、この日の活躍が息を吹き返すきっかけとなるかもしれない。

 名将の呼び声高いカウンセル監督は選手に休養を与えるタイミングにも長けている。「確かに、これは直感的な決断の一つだ。目の前には、そろそろそうすべきかもしれないというデータもある。でも、見ているのはあくまでその人、選手。コーチやここにいる人たちと話し合って、選手にとって何が必要かを考えるだけだ。選手にとって何が最善なのか?」。カウンセル監督は先月もカイル・タッカーに精神的なリセット期間として数試合欠場させ、復調に導いた。さらにミゲル・アマヤ、イアン・ハップ、そして鈴木も過去に休養をきっかけに復調した経験がある。

 クロウ=アームストロングも「休養は良かった。間違いなく賢明で計算された決断だった。最初から、私はカウンセルを信頼していた。そして、ここで一緒に過ごしていくうちに、本当に良い関係へと発展していった」と、カウンセル監督への信頼を語った。地区首位のブルワーズに対しては5.5ゲーム差の2位、ワイルドカードでは5ゲーム差で首位のカブスは、このまま第4シードでポストシーズンに臨む可能性が高い。コンディショニングが鍵を握る残り1ヵ月の期間では、適度な休養が生きるだろう。

 カブス打線の11得点の猛攻、そして先発ハビアー・アサッドのゲームメイクが光ったこの試合で、鈴木も勝利に貢献。初回にチャンスを広げる安打を放ち、5得点のビッグイニングを演出した。4打数1安打1得点1四球の成績で、シーズン打撃成績は打率.244、OPS.791となっている。

 そして、ナショナルズの3番手として小笠原が登板し、五回は三者凡退に抑えた。六回は先頭に四球を与え、鈴木とメジャーで初対戦。4球目のチェンジアップをセンターフライにされ、二塁走者を進める犠牲フライを打たれた。その後クロウ=アームストロングに犠牲フライ、続くニコ・ホーナーにソロ本塁打を浴びた。2回2失点1安打1四球で、防御率は5.67へ悪化した。

2025.9.6 14:38 Saturday

不振のメッツ・千賀が3Aに降格 再調整でポストシーズンの復帰目指す

 メッツは不振の千賀滉大を3Aに降格させた。スプリングトレーニング時点ではエースとして期待されていた千賀に対して、非情な決断を下した。

 千賀は少なくとも9月20日まではMLBに復帰する資格がなく、そこまで3Aで調整する予定だ。球団はポストシーズンで千賀が貢献できるかどうかより的確に判断できると考えている。

 「彼はチームにとって正しいことをしたいと思っており、ここでプレーオフ進出に貢献できると信じていると思う。彼はプレーオフ進出を強く望んでいる。そして、私たち全員が、彼にとってその実現に向けた最良の方法は、一歩引いて、よりコントロールされた環境で必要なことに取り組み、そこから前進することだと認識した」とデービッド・スターンズ球団運営部長は降格の理由を語った。

 メッツが千賀を降格させるには、右腕投手の承認が必要だった。これは、千賀が2022年12月に日本からメッツに移籍した際に署名した5年総額7500万ドルの契約条項に盛り込まれていた。スターンズとカルロス・メンドーサ監督によると、千賀は当初からこの条件に同意していたという。「この件についてコウダイと話し合っていくうちに、我々双方の観点から、これがチームと選手にとって正しい選択だということがはっきりしたと思う」とスターンズは語った。

 2023年のルーキーイヤーにオールスターに選出された32歳の千賀は、昨季は負傷に苦しんだ。しかし、今季の前半戦は本領を発揮し、最初の13試合で7勝3敗、防御率1.47。しかし、右ハムストリングを痛め、最終的に1ヵ月間欠場した。それを境に不振に陥り、直近8試合では、0勝、防御率6.56となっていた。

 メッツの関係者は、千賀の脚の怪我が、投球フォームの他の部分で過剰な補正を強いる原因になった可能性があると考えている。投球メカニクスに細心の注意を払っている千賀は、運動連鎖の一部に違和感を覚えると認めている。昨夏、彼は左ふくらはぎの怪我からの復帰が遅れた理由として、投球メカニクスを何度も挙げていた。今回は、ペナントレースの真っ只中で千賀に解決策を探らせるのではなく、メッツは3Aシラキュースというリスクの低い環境で解決策を見つけてほしいと考えている。計画では、千賀は今後1週間で数回のブルペン投球を行い、その後2回先発登板する。すべてが順調に進めば、終盤に1、2回先発登板できる見込みだ。

 「彼を注意深く見守るつもりだ。彼はチームにとって重要な存在だから、しっかり見極めなければならない」とカルロス・メンドーサ監督は語った。

2025.9.6 14:38 Saturday

打線好調のジャイアンツが5連勝 プレーオフ争いをかき乱す?

【カージナルス2-8ジャイアンツ】セントルイス/ブッシュスタジアム、9月5日(日本時間6日)

 ラファエル・デバースとウィリー・アダメスの連続本塁打で勢いづいたジャイアンツがカージナルスを下し、5連勝。直近12試合で11勝の快進撃でポストシーズン圏内まで4ゲーム差のワイルドカード4位に躍進した。

 ジャイアンツは初回、デバースとアダメスの2、3番コンビが本塁打を放って2点を先制。ボブ・メルビン監督も「本当に原動力になった」と振り返る主砲の連続弾で、ジャイアンツは試合の主導権を握った。

 投げても、メジャー初勝利を目指す先発のカーソン・シーモアが5回1失点と好投。さらに四回にも一挙4得点の猛攻でリードを広げた。七回にはこの日4安打と爆発したイ・ジョンフ(李政厚)のタイムリー三塁打などでダメ押し。先発全員安打で今季最多タイの18安打をカージナルスに浴びせる完勝だった。

 「攻撃面で良い感触を持って試合に臨めている。それには理由がある。その感触は伝染する。そして今、攻撃面では、今年一番良い状態にあると感じている」とメルビン監督は手応えを感じている。

 トレードデッドラインでは売り手に回り、後半戦の出だしは9勝22敗と大失速した。8月22日には借金が7にまで膨らんだが、わずか2週間で貯金は3にまでV字回復。その原動力は好調な打線で、直近15日間ではOPS.919、29本塁打(ともにメジャー2位)と大当たりだ。本塁打が出にくい投手有利な球場を本拠地にしているが、直近18試合では毎試合本塁打が飛び出している。仮に19試合連続本塁打となれば、1947年に樹立された球団記録に並ぶことになる。

 この日の勝利で連勝は5に伸び、ワイルドカード2位タイのパドレスとメッツまで4ゲーム差、そして地区首位のドジャースまで6ゲーム差に差を縮めた。ドジャースとの直接対決も7試合残っており、ジャイアンツが残り1ヵ月のペナントレースにおける台風の目となるかもしれない。

2025.9.6 14:33 Saturday

ポール・スキーンズがドジャースを圧倒 サイ・ヤング賞は確実か

【パイレーツ5-3ドジャース】ピッツバーグ/PNCパーク、9月4日(日本時間5日)

 ナ・リーグサイ・ヤング賞候補のポール・スキーンズ(10勝9敗)が6回無失点の好投で、パイレーツを勝利に導いた。若手投手陣の活躍で中地区最下位のパイレーツは、西地区首位のドジャースをスイープ(3連勝)。スキーンズは防御率を再び1点台とし、サイ・ヤング賞レースで独走体勢に入った。

 スキーンズにケチを付けるのは難しい。23歳の右腕は既に新人王、デビューからの2シーズンで2年連続のオールスターゲーム先発など多くの栄誉を手に入れ、今季は自身初のサイ・ヤング賞を手にするだろう。唯一ケチを付けられる点が、個人勝敗では黒星が先行していることだったが、この日10勝目を手に入れたスキーンズは「もう私についてそんなことは言えないよ」といたずらっぽく笑った。

 スキーンズは10勝9敗、防御率1.98(両リーグ1位)、195三振(ナ・リーグ1位)の成績を収めており、サイ・ヤング賞獲得はほぼ間違いない。パイレーツの選手として1990年のダグ・ドレイベック以来3人目の受賞者となるだろう。

 パイレーツのドン・ケリー監督は喜んでサイ・ヤング賞投票における広報の役目を引き受けるだろう。「もちろん、彼の仕事ぶり、闘志、持ち前の才能、そして彼の仕事への取り組み方。私たち全員が彼のためにそれ(サイ・ヤング賞)を望んでいる。願わくば、今年こそ受賞してほしい。今年であろうとなかろうと、彼はサイ・ヤング賞に値する投手だ。彼が受賞すれば、ポールにとっても球団にとっても大きな意味を持つだろう」と、受賞を熱望している。重ねて「ポールのこと、そして彼の物事への取り組み方を知っていると、本当に感銘を受けるのは、彼がそうするのはサイ・ヤング賞が理由ではないということだ。彼は本当により良くなりたいから、偉大になりたいから、そうするんだ。そして、彼はマウンドに立って、ピッツバーグ・パイレーツの勝利に貢献したいんだ」と、スキーンズの姿勢に賛辞を惜しまなかった。

 MLB3位の平均得点を誇る強力ドジャース打線に対し、スキーンズはわずか2安打、8三振(ナ・リーグMVP最有力候補の大谷からの2三振含む)、1四球と好投した。「こういうのが楽しいんだ。間違いなく野球界最強のチームを相手にホームでスイープを狙うのは、最高のチャンスだ。決して軽視してはいけない」と、強敵との対戦を楽しんだ。

 また、自身初のサイ・ヤング賞獲得に向けて視界は良好だが、スキーンズはまだ気を緩めていない。「結局は良いピッチングをすることに尽きる。良いピッチングをしても失点することはあるし、良いピッチングをしても失点しないなんてありえない。残り4、5試合の先発が残っている。オフシーズンに入る前に、何もやり残したくはない。去年と同じ考え方だ。どこに行っても結果には関わらないが、何もやり残したくはない」と、全てを出し切るつもりだ。

 そして、いかにスキーンズが好投しようと、打線の援護がなくては前半戦のように黒星が増えてしまうだろう。後半戦に入ってから6勝1敗と勝ち運が巡ってきたスキーンズのバックには、ケリー新監督のもと生まれ変わったチームがいる。ケリー監督が5月に就任するまでチームは12勝26敗だったが、就任後は52勝51敗。特に直近16試合では12勝を挙げている。

 スキーンズは好調なチームについて「いい野球ができている。個人として、あるいはチームとして、自信がどこから来るのかは分からない。ある程度は成功から来ると思う。だから、自分たちにはできるということを証明できたと思う。それが自信につながっているんだ」と語った。

2025.9.5 14:44 Friday

レイズが破竹の7連勝 先発ペピオが圧巻の無安打投球

【レイズ4-2ガーディアンズ】タンパ/スタインブレナーフィールド、9月4日(日本時間5日)

 先発ライアン・ペピオとブルペン陣の奪三振ショーでレイズがガーディアンズに勝利し、破竹の7連勝を成し遂げた。レイズは借金生活から一気にプレーオフ争いに復活し、ワイルドカード圏内まで2ゲーム差に迫っている。

 ペピオは直近の3先発で15イニング無失点、2安打、6四球、15三振と絶好調。既にキャリアハイの投球回数を記録していることから、レイズは投球量を制限しようと試みているが、当のペピオに疲労の色は見られない。

 ペピオは初回、先頭打者クワンとの11球に及ぶ勝負を全てフォーシームで挑み、センターフライに打ち取った。そこから勢いに乗り、ガーディアンズ打線に1本のヒットも許さずに5回を零封。持ち味である直球とチェンジアップのコンビネーションが冴え渡り、5回無安打無失点、3四死球、6三振と好投した。

 ガーディアンズ打線は六回に初安打を放ったが、ペピオ降板後もレイズのブルペン陣に苦戦。最終回に2本のソロ本塁打で反撃したが、7度の三振を喫した。

 レイズ打線も奮闘した投手陣を援護。初回に敵失からクリストファー・モレルのタイムリーで先制すると、四回もモレルの安打を起点に新人カーソン・ウィリアムズがタイムリーを放った。六回にも先頭のモレルが安打で出塁してチャンスを作り、内野ゴロとセーフティスクイズの間に2点を追加。攻守が噛み合い、4-2でガーディアンズを下した。

 これはレイズにとって、2023年6月3日から9日までの7連勝以来の最長連勝であり、レイズがプレーオフを争う今、絶好のタイミングでの連勝となった。連勝開始時点では、レイズはワイルドカード3位のマリナーズに7.5ゲーム差をつけられていたが、現在ではマリナーズとの差はわずか2ゲーム差に縮まっており、7月26日以来、プレーオフ進出圏内に最も近づいている。

2025.9.5 14:40 Friday

ウィットJr.の決勝弾でロイヤルズが逆転勝利 WC圏内に2ゲーム差

【ロイヤルズ4-3エンゼルス】カンザスシティ/カウフマンスタジアム、9月4日(日本時間5日)

 ロイヤルズは初回に3点を奪われながら、4本のソロ本塁打を積み重ねてエンゼルスに逆転勝利。ワイルドカード獲得に向けてこれ以上負けられない中、同点弾のサルバドール・ペレスと勝ち越し弾のボビー・ウィットJr.の2人のフランチャイズプレイヤーが大仕事を果たした。2連敗で迎えたエンゼルスとの3連戦の最終戦に勝利し、スイープ(3連敗)を回避した。

 ロイヤルズの先発は新人ながら好投を続けるノア・キャメロン。キャメロンは初回、2死から走者を許し、ルイス・レンヒーフォに3ランを浴びた。

 一方のロイヤルズ打線も本塁打で応戦し、二回にアダム・フレイジャー、四回にビニー・パスカンティーノがそれぞれソロ本塁打を放ち、2-3と1点差に迫った。

 先発キャメロンは走者を度々背負いながら、3本の併殺打を打たせてピンチを切り抜けた。この日は自己ワーストタイの5四球を与えたが、失点は初回のみに抑え、5回3失点と試合を作った。今季は20先発を投げ、防御率3.03と安定感を示しており、新人王投票のファイナリスト入りもあり得る。

 1点差で迎えた七回、エンゼルスの2番手ホセ・フェルミンからペレスが24号同点ソロ。ペレスはこの本塁打で通算297号に到達した。今季中の通算300本塁打到達の可能性は高く、達成すれば史上165人目、現役選手の中では13人目、捕手としては8人目、ロイヤルズの選手としては2人目の快挙となる。

 そして同点で迎えた八回、もう一人のチームの顔であるウィットJr.が21号勝ち越しソロ。4-3と勝ち越したロイヤルズは、守護神カルロス・エステベスを投入してエンゼルスを下した。

 ワイルドカード3位のマリナーズ、同4位のレンジャーズが休養日だったため、ロイヤルズは上位との差を2ゲームに詰めた。さらにロイヤルズの後ろには破竹の7連勝で勝率を並べたレイズが迫っている。混沌とするポストシーズン争いを勝ち抜くためにも、この日の逆転勝利はより一層価値のある勝利だった。

2025.9.5 14:32 Friday

メッツが有望株スプロートを昇格へ 不振に苦しむ千賀の処遇は

 メッツは球団No.5有望株ブランドン・スプロートを昇格させる。昇格は正式発表されていないが、ワイルドカードを争うレッズとの直接対決3連戦の最終戦である7日に先発する予定だ。メッツはスプロートのみならず、ノーラン・マクリーン、ジョナ・トンといった有望株投手が立て続けにデビューし、インパクトを残している。元々、7日に先発予定だった千賀滉大の処遇が注目される。

 2023年ドラフト2巡目のスプロートは、昨季24登板(23先発)で防御率3.40、9回あたりの奪三振10.13個とブレイク。一気に1Aから3Aへ昇格し、「MLBパイプライン」の有望株ランキングでは球界43位に入る大出世を果たした。今季は3Aで26登板(25先発)で防御率4.24、9回あたりの奪三振8.40個とやや成績は落としたが、持ち前の剛速球は健在。さらに改良したチェンジアップ、シンカー、スイーパー、高速のスライダー、カーブと多彩な球種も持ち合わせる。

 「私にとっての成功とは、『よし、結局のところ、すべてのボールを信念を持って全力で投げられたか?』ということだ。もしそれができたなら、勝とうが負けようが、私にとってはそれが成功だ。それが、コートに出て戦い、勝利する最高のチャンスを与えてくれるんだ」とスプロートが語るように、全力投球が身上。優れた質の球種で圧倒するスタイルだ。

 一方で「彼は球種の質では誰にも引けを取らない投手だ。今は投球の仕方を学んでいる最中で、一巡目だけでなく三巡目まで抑える方法を学んでいる。打者はそれに適応していくだろうから」と、カルロス・メンドーサ監督がスプリングトレーニング中に語ったように、投球技術にはまだ伸びしろを残す。

 スプロートは5月末まで防御率6.02と不振に陥っていたが、6月末からは6登板で防御率0.55と復調。それ以降は安定感を失ったが、苦戦するメッツの先発ローテの解決策となるかもしれない。

 中でも苦戦しているのが、スプロート昇格まで7日の先発予定だった千賀滉大だ。千賀はシーズン成績では防御率3.02と悪くないが、7月以降は防御率5.90と不振。9先発で39.2回とイニングを消費できず、さらに39三振に対して24四球と内容も芳しくない。不振を受け、メッツは千賀にマイナーへの任意降格を受け入れるよう要請することを検討すると報じられている。そして千賀のみならず昨季の躍進に貢献したショーン・マナイアも不振に苦しんでいる。

 ベテラン勢が不振に苦しむのとは対照的に、メッツは新人が大活躍している。マクリーンはデビューからの4先発で4連勝、22歳のトンもデビュー戦で5回1失点6三振とポテンシャルを発揮した。マクリーンは現状のローテーションでエースの役割を担っており、トンとスプロートも活躍すれば、メッツのポストシーズンでのローテーションには新人がひしめく可能性もある。

 ワイルドカード3位のメッツは、同5位のレッズと直接対決3連戦を迎える。6日の第2戦はトン、7日にはスプロートが先発する。8日からは6ゲーム差で追う首位フィリーズとの直接対決が始まり、その初戦にはマナイア、2戦目にはマクリーンが先発する予定だ。メッツが千賀を短期的なプランにどう組み込むか、あるいはそもそも組み込むのかどうかは、まだ不透明だ。

2025.9.5 14:31 Friday

先発ホートンが快投もカブス敗れる ブレーブス移籍のキムが逆転3ラン

【カブス1-5ブレーブス】シカゴ/リグレーフィールド、9月3日(日本時間4日)

 カブスの新人ケイド・ホートンが投じた最後の1球は、ブレーブスのキム・ハソンのバットをすり抜け、この試合6つ目の三振を奪った。本拠地リグレーフィールドのファンが歓声を上げる中、ホートンはほとんど反応することなくフィールドを後にし、最近のマウンドでの好調ぶりに劣らない落ち着きを示した。

 好調が続くホートンは、5イニングを無安打に抑える素晴らしいピッチングを見せた。しかし、カブスのブルペンはリードを守り切ることができず、1-5で逆転負け。24歳の新人右腕はここ数週間、球数制限下でのピッチングを強いられており、クレイグ・カウンセル監督はノーヒッターに挑戦させるよりも、チームの方針を貫くことを選択した。

 ホートンは5イニングを投げ切った時点で75球。8月以降、球数が75球を超えたのは1度しかない(8月13日に82球を投じた)。カウンセルは六回からベン・ブラウンへの継投を決断。しかし、七回先頭のオジー・オルビーズに初安打を浴びたことで継投ノーヒッターへの挑戦は終了し、ブラウンは1死一、二塁のピンチを招いて降板した。

 カブスは3番手としてベテラン左腕のドリュー・ポメランツを投入したが、2死一、三塁からキム・ハソンに3号逆転3ランを浴びるなど一挙4失点。今季メジャー初となるノーヒッター達成を目指したカブスだが、その挑戦は無残な結末となった。ちなみに、1年前の2024年9月4日、カブスは今永昇太が先発した試合で継投ノーヒッターを達成している。

 チームは敗れたものの、ホートンのピッチングは素晴らしかった。5回無安打無失点で6つの三振を奪い、許した走者は初回にマット・オルソンに与えた四球だけ。遊撃ダンズビー・スワンソンの好守もあり、オルソンに四球を与えたあとは降板するまで打者14人をパーフェクトに抑えた。

 7月以降、ホートンは11試合に先発して防御率1.23と素晴らしい活躍を見せている。シーズン通算の防御率も4.80から2.78まで向上。ナ・リーグの新人王争いにも参戦中だ。ホートンは7月以降の11先発で58回2/3を投げ、54三振を奪った一方、18四球、自責点わずか8と安定感が光っている。

 なお、カブスの鈴木誠也は「3番・右翼」でスタメン出場したが、3打数ノーヒット(1四球)。2試合連続のノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.244、出塁率.322、OPS.792となっている。

2025.9.4 12:23 Thursday

8月の月間MVPが発表される ランゲリアーズ、トゥラングらが選出

 8月も多くの選手たちが素晴らしい活躍を見せてくれた。ベテラン選手たちはなぜ彼らが重要な存在なのかを、ルーキー選手たちは彼らがこれから重要な存在になっていくであろうということを証明した。ここでは8月の月間アワードを受賞した選手たちを紹介していこう。

ナ・リーグ月間最優秀選手:ブライス・トゥラング(ブルワーズ)

 トゥラングはどうやら最高のパフォーマンスを最後に取っておいたようだ。ブルワーズの強打者は8月に自己最高の成績を残し、打率.343、10本塁打、メジャートップのOPS1.092をマーク。月間11度のマルチ安打を記録し、最終14試合のうち13試合でヒットを放った。OPS+は193に達し、月間100打席以上の打者の中でトップの数字だった(平均より93%優れていることを示す)。

ア・リーグ月間最優秀選手:シェイ・ランゲリアーズ(アスレチックス)

 ランゲリアーズは8月に猛烈なパワーを発揮した。長打率.661は100打席以上の打者の中でリーグトップを記録し、OPS.968も同2位にランクイン。月間11本塁打を放ち、8月5日のナショナルズ戦では3本塁打を含む1試合5安打を達成した。22打点を叩き出し、72塁打もリーグトップ。強打の捕手に相応しい圧巻のパフォーマンスだった。

ナ・リーグ月間最優秀投手:フレディ・ペラルタ(ブルワーズ)

 8月のペラルタは相手打者にほとんど何もさせなかった。被打率.117は規定投球回以上の投手の中でベストの数字であり、4勝0敗、メジャートップの防御率0.32をマーク。28イニングでわずか1失点に抑え、それは8月の最初の登板で喫したものだった。つまり、それ以降は完璧だったのだ。月間でわずか11安打しか許さず、もちろん規定投球回以上の投手の中では最少。WHIPも0.82という素晴らしい数字だった。

ア・リーグ月間最優秀投手:トレバー・ロジャース(オリオールズ)

 ロジャースはオールスターブレイク以降、支配的なピッチングを続けている。8月は6試合に登板し、全試合でクオリティスタートを達成して4勝1敗、防御率1.29の好成績をマーク。メジャー最多の42イニングを投げ、わずか6失点に抑えた。被打率.199、WHIP0.86と素晴らしい数字が並び、6先発のうち5試合は7イニング以上。また、8月1日のカブス戦では月間メジャー唯一となる完投も記録している。

ナ・リーグ月間最優秀新人:ジェイコブ・マーシー(マーリンズ)

 自身の存在を力強くアピールした1カ月になったと言えるだろう。マーシーは8月1日にメジャーデビューを果たし、それ以降は好調をキープ。打率.352、OPS1.059、11二塁打、37安打、25打点と各部門で新人メジャートップの数字を残した(月間80打席以上)。最大の活躍は8月13日のガーディアンズ戦。2本塁打と1二塁打を含む5打数4安打7打点の大暴れだった。

ア・リーグ月間最優秀新人:ロマン・アンソニー(レッドソックス)

 6月下旬にメジャーリーグの打者としての地位を確立したアンソニーは、チームの期待に見事に応え、チームの将来を担う重要な存在であることを改めて証明した。8月は才能を完全に開花させ、打率.304、6本塁打、出塁率.390、OPS.910の好成績をマーク。31安打と53塁打は新人リーグトップだった。また、メジャー全体の新人で最多となる12度のマルチ安打をマークした。

ナ・リーグ月間最優秀救援投手:ライセル・イグレシアス(ブレーブス)

 シーズン序盤は不安定なピッチングが目立ったが、後半戦に入り、イグレシアスは本来の姿を取り戻した。特に8月の活躍は素晴らしく、13試合に登板して防御率0.69、WHIP0.62を記録。失点はわずか1点だけだった。メジャートップの10セーブを挙げ、13三振&無四球と安定感抜群。イグレシアスが登板した試合でチームは11勝2敗の好成績を残した。

ア・リーグ月間最優秀救援投手:アロルディス・チャップマン(レッドソックス)

 チャップマンは8月、実質的に11イニングのノーヒッターを達成した。34人の打者と対戦して33人をアウトにし、与えた四球は1つだけ。防御率0.00、WHIP0.09という驚異的なパフォーマンスを披露した。打球が前に飛んだとき、平均打球速度は84.4マイル(約135.8キロ)に過ぎず、14個の三振を奪って8セーブを記録。チームはチャップマンの登板試合で10勝2敗の成績を残した。チャップマンは7月23日のフィリーズ戦以降、ヒットを1本も打たれていない。

2025.9.4 11:36 Thursday

MLB選手名鑑2025

MLB選手名鑑2025

MLB公式オンラインストア

菅野智之 オリオールズグッズ