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オリオールズが先発補強 有望株4人を放出して右腕バズを獲得

 オリオールズは積極的に先発投手の補強を目指しており、アメリカン・リーグ東地区のライバル球団とトレード交渉を行った。そして19日(日本時間20日)、複数のプロスペクト(若手有望株)を放出し、高いポテンシャルを秘める右腕を獲得することに成功した。

 オリオールズはレイズとのトレードで右腕シェーン・バズを獲得。対価として4人の有望株だけでなく、2026年ドラフトの戦力均衡ラウンドAの指名権(全体33位)を放出した。

トレードの詳細 オリオールズ獲得:右腕シェーン・バズ レイズ獲得:外野手スレイター・デブラン(オリオールズの球団6位の有望株)、捕手ケイデン・ボディン(同10位)、右腕マイケル・フォレット(同11位)、外野手オースティン・オーバーン(同30位)、2026年ドラフトの戦力均衡ラウンドAの指名権(全体33位)

 オリオールズはバズ獲得のために大きな対価を支払うことになったが、26歳の右腕が先発陣の戦力アップに貢献してくれると確信している。そう信じるだけの理由もある。

 2017年にパイレーツからドラフト1巡目指名を受けたバズは、これまでのキャリアで健康維持に苦しみ、メジャー昇格後の4年間(2021~24年)でわずか23試合の先発にとどまった。2022年9月にトミー・ジョン手術を受け、翌2023年にはシーズンを全休している。

 今季は防御率4.87に終わったが、先発登板(31)、投球イニング(166回1/3)、三振(176)はいずれもキャリアハイを更新。球団の保有権は2028年シーズンまで、あと3年残っているため、今後数年間はオリオールズの先発ローテーションの一角を担い、さらに成績を伸ばしていくことが期待される。

 また、今季のバズがヤンキースのキャンプ地であるジョージ・M・スタインブレナー・フィールドで苦戦したことも覚えておくべきだろう。レイズは今季、本拠地トロピカーナフィールドを使えなかったため、ジョージ・M・スタインブレナー・フィールドを仮の本拠地として使用した。バズは打者有利のこの球場で16試合に先発し、防御率5.90と打ち込まれたが、敵地では15度の先発登板で防御率3.86に抑えている。被本塁打26本のうち18本はジョージ・M・スタインブレナー・フィールドで打たれた。

 バズはフォーシーム、カーブ、カットボール、チェンジアップ、スライダーの5球種を投げ、フォーシームは今季、平均97マイル(約156キロ)を計測。100マイル(約161キロ)以上を10度マークし、最速100.4マイル(約162キロ)を2度記録した。

 バズが加入したことで、オリオールズの先発ローテーションは以下のような顔ぶれになる。

1 右腕 カイル・ブラディッシュ 2 左腕 トレバー・ロジャース 3 右腕 シェーン・バズ 4 右腕 ディーン・クレーマー 5 右腕 タイラー・ウェルズ

その他の先発要員 左腕 ケイド・ポビッチ 右腕 アルバート・スアレス 右腕 ブランドン・ヤング

 オリオールズが放出した選手のうち、ボディンは2025年ドラフト全体30位、デブランは同37位で指名された。偶然にも、オリオールズがデブランを指名した戦力均衡ラウンドAの指名権(全体37位)は、7月10日に救援右腕ブライアン・ベイカーをトレードで放出した際にレイズから獲得したものだった。

 オリオールズとレイズは近年、頻繁にトレードを成立させている。2024年7月26日にはオリオールズが3人の有望株(外野手マシュー・エッツェル、外野手マック・ホーバス、右腕ジャクソン・バウマイスター)を放出し、レイズから先発右腕ザック・エフリンを獲得。なお、エフリンは現在フリーエージェント(FA)となっている。

 フォレット(2023年ドラフト14巡目指名)とオーバーン(2024年ドラフト3巡目指名)はオリオールズに入団して以来、目覚ましい成長を遂げてきた。しかし、保有可能年数が残っている先発投手を獲得するためのコストは高く、オリオールズはバズのような質の高い先発投手を手に入れるために、4人の有望株を放出せざるを得なかった。

 しかし、オリオールズの先発補強はこれで終了とはならないだろう。フランバー・バルデスとレンジャー・スアレスの両左腕のような大物FA投手の獲得を狙っており、先発ローテーションをさらにレベルアップさせるために、エース級の先発投手を1人、チームに加えようとしている。

 75勝87敗でア・リーグ東地区の最下位に沈んだ今季からの巻き返しを図るために、オリオールズは忙しいオフシーズンを過ごしている。マイク・エライアス編成本部長は2018年11月の就任以降、最も積極的に動いており、大型補強を続けている。

 まずブルペンの補強に手を付け、クローザーのライアン・ヘルズリーとセットアッパーのアンドリュー・キットリッジを獲得。次に外野手の補強を敢行し、テイラー・ウォードとレオディ・タベラスを手に入れた。

 そして、今オフ最大の補強は5年1億5500万ドル(約232億5000万円)の大型契約を結んだピート・アロンソだ。強打の一塁手にはチームの中心選手となることが期待されている。

 こうした動きにより、オリオールズに残された最大の課題は先発ローテーションの強化となった。実力と将来性を兼ね備えた右腕(バズ)を手に入れたが、スプリングトレーニングが始まるまでに、先発ローテーションをさらに強化する余地は残されている。

2025.12.20 07:04 Saturday

ガルシア獲得でフィリーズの外野手補強は完了 今後は正捕手引き留めに注力へ

 アドリス・ガルシアは2026年のフィリーズの正右翼手となるだろう。有望株ジャスティン・クロフォードが新しく正中堅手となり、左翼にはブランドン・マーシュが入る。左翼では左打者のマーシュと右打者(おそらくオットー・ケンプ)が併用される見込みだ。

 今後数週間で予想外の事態が発生しない限り、2026年シーズン開幕時のフィリーズ外野陣は上記の布陣となりそうだ。フィリーズは16日(日本時間17日)にガルシアと1年1000万ドル(約15億円)の契約を結んだことを正式に発表。ガルシアは、スプリングトレーニング開始前にトレード(または解雇)される予定のニック・カステヤノスに代わる正右翼手となる。また、有望株クロフォードはフリーエージェント(FA)となったハリソン・ベイダーの後任に抜擢される。価格が暴落しない限り、ベイダーがフィリーズに戻ってくることはないだろう。

「基本的には外野陣は固まったと思っている。とてもいい布陣になった」とデーブ・ドンブロウスキー編成本部長は語った。

 フィリーズは今オフを迎えるにあたり、2つの最優先事項があった。1つは強打者カイル・シュワーバーと再契約を結ぶこと。もう1つは正捕手J・T・リアルミュートと再契約を結ぶことだ。

 先週、フィリーズはシュワーバーと5年1億5000万ドル(約225億円)で再契約を結んだ。リアルミュートには再契約に向けたオファーをすでに出している。

 ドンブロウスキー編成本部長は「引き続きリアルミュートと連絡を取り合っている。ただ、状況はそれほど変わっていない。解決策を見つけられるかどうか、引き続き検討していきたい。再契約を結びたいという方針は今後も変わらない」と話した。

 フィリーズは2つの最優先事項を抱えつつ、外野陣の問題を解決する必要があることも認識していた。カステヤノスと結んだ5年1億ドル(約150億円)の契約はあと1年残っているが、フィリーズはスプリングトレーニングが始まるまでにカステヤノスとの関係を終わらせるつもりだ。また、ベイダーは1年あたり1000万ドル(約15億円)から1500万ドル(約22億5000万円)の3年契約を求めていることが報じられており、フィリーズはベイダーとの再契約が困難であることを把握していた。

 先週のウィンターミーティングの時点で、ある関係者は「フィリーズがシュワーバー、リアルミュートとの再契約に成功した場合、ベイダーと複数年契約を結ぶことはないだろう」と予想した。その後、ガルシアと1年契約を結ぶことが決定。これにより、ベイダーがフィリーズに復帰する可能性はほぼ消滅した。

 ドンブロウスキー編成本部長は16日(同17日)、次のように語った。

「もし(球団3位・メジャー全体54位の有望株である)クロフォードにチャンスを与えたいなら、その機会を確保する必要がある。それが我々の現状だ。クロフォードに出場機会を与え、多くの試合でプレーさせたいと考えている」

 フィリーズの外野陣はここ数年、低迷が続いている。2024年はOPS.708にとどまり、今季もメジャー19位のOPS.710に終わった。しかし、有望株クロフォードを正中堅手に抜擢し、復調の可能性があるガルシアを正右翼手に据えることで、この状況を打破したいと考えている。

 ガルシアは、今季のマックス・ケプラーと同様に、ややギャンブル要素のある選手だ。今季はレンジャーズで打率.227、19本塁打、75打点、OPS.665、OPS+93と低調なシーズンを過ごし、先月ノンテンダーFAとなった。直近2年間ではOPS.675、OPS+96と平均未満のパフォーマンスにとどまっている。しかし、2021~23年にはOPS.777、OPS+113を記録し、オールスター2度選出。さらに、2023年のア・リーグ優勝決定シリーズではMVPに輝いた。

 ガルシアが攻撃面で復調することを示唆する指標はそれほど多くない。しかしフィリーズは、ガルシアが打席での判断力を向上させ、ストライクゾーン外のボールに手を出す傾向を改善することができれば、復調できると信じている。

「スイングをもっとコントロールする必要がある。全スイング、全打席でホームランを打つ必要はない。彼ならできるはずだ」とドンブロウスキー編成本部長は期待を寄せる。

 また、ロブ・トムソン監督は「無理をしないことが大切だ。彼の周りには本当に優秀な選手がたくさんいるからね」と語る。

 ガルシアも指揮官の意見に同意している。通訳を通して「重要なのはヒーローになることではない」と自然体でプレーする姿勢を強調した。

 ガルシアは成績次第ではフィリーズ打線の四番打者として起用される可能性もある。ただし、現時点ではアレック・ボームが開幕戦で四番打者を務める最有力候補だ。

 なお、ドンブロウスキー編成本部長はシーズン開幕に向けて、引き続きロースター40人枠をアップグレードする方法を模索していく方針を示しているが、リアルミュート以外に「特に大きなニーズはない」とも述べている。

「ブルペンの補強を検討することになるだろう。しかし、頼りになるリリーフ投手がすでに5人もいる。若い選手にもチャンスを与えないといけない。高く評価している若手選手も数人いる。現状としてはそんな感じだ。あとは、各ポジションの層の厚さを考えていく必要がある。その点については現在、取り組んでいるところだ。しかし、捕手を除いて、レギュラー陣に関しては、ほぼ万全の状態だと思う」と現有戦力への自信を示した。

2025.12.19 11:55 Friday

マルテ、ホーナー、ラウ、ドノバン トレード候補の二塁手たちの最新情報

 現在のフリーエージェント(FA)市場には、二塁転向に前向きな姿勢を示しているボー・ビシェットを除けば、それほど魅力的な二塁手は残っていない。そのため、二塁手の補強を目指すチームは、FA市場ではなく、トレード市場に目を向けるのが賢明だろう。実際、多くの有力な二塁手がトレード候補となっている。トレードの噂がある4人の二塁手について、それぞれの最新情報をチェックしていく。

 ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)はトレード候補になっている二塁手の中で、間違いなく最高の選手だ。レッドソックス、ブルージェイズ、マリナーズ、フィリーズ、タイガース、レッズ、パイレーツ、ジャイアンツ、レイズなど、多くのチームから関心が寄せられていることが報じられている。

 しかし、この中にはマルテがトレードを拒否できるチームも含まれている。ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者によると、マルテは5球団へのトレード拒否権を有しており、その5球団はパイレーツ、ジャイアンツ、アスレチックス、ヤンキース、カージナルスだ。

 なお、アリゾナ・リパブリックのニック・ピエコロ記者は今月に入り、ダイヤモンドバックスがレイズとのトレード交渉を行っていたことを報じている。その交渉では、ダイヤモンドバックスが獲得する交換要員に先発投手のライアン・ペピオとシェーン・バズが含まれていたようだ。

 ジ・アスレチックのパトリック・ムーニー記者とサハデブ・シャルマ記者によると、ニコ・ホーナー(カブス)の名前がトレード候補として浮上しているという。

 ゴールドグラブ賞2度の実績を誇るホーナーが実際にトレードされる可能性は低いものの、サンフランシスコ・クロニクルのスーザン・スラッサー記者は、ジャイアンツがホーナーに関心を示していることを報じている。ホーナーは2026年シーズン終了後にFAとなる予定。オークランド出身で、スタンフォード大学に通っていたため、北カリフォルニアにルーツを持つ選手であり、ジャイアンツは地元球団とも言える。

 もしダイヤモンドバックスとレイズのトレードが成立した場合、ブランドン・ラウ(レイズ)がトレードされる可能性は大きく上昇するだろう。スラッサー記者によると、この31歳の二塁手にはジャイアンツが興味を示しているという。

 また、ローゼンタール記者によると、アスレチックスも二塁手補強の選択肢としてラウ獲得を検討しているようだ。さらに、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシ記者は先週、パイレーツがラウのトレードについてレイズと交渉を行ったことを報じた。ラウもホーナー同様、2026年シーズン終了後にFAとなる予定だ。

 もう1人のトレード候補がブレンダン・ドノバン(カージナルス)だ。ジ・アスレチックのケイティ・ウー記者によると、ジャイアンツとマリナーズがドノバン獲得の最有力候補になっているという。また、セントルイス・ポスト・ディスパッチのデリック・グールド記者は先週、この2チームに加え、ロイヤルズとパイレーツもドノバン獲得に興味を示していることを報じた。

 ドノバンは万能な左打者として知られており、今季はオールスター初選出。ボストン・グローブの報道によると、レッドソックスもカージナルスとトレード交渉を行ったようだ。なお、ジ・アスレチックの報道によると、カージナルスはあと2年保有できるドノバンの対価として、複数のトップ・プロスペクト(若手有望株)を獲得することを狙っているという。

 FA市場での補強の選択肢が限られている以上、各球団は今後もトレードによる二塁手補強を模索していくはず。FAまで残り1年のホーナーとラウ、残り2年のドノバンだけでなく、マルテという大物もおり、今後もトレード市場の動向から目が離せない日々が続きそうだ。

2025.12.19 10:39 Friday

タイラー・オースティンがメジャー復帰 カブスと1年契約を結ぶ

 18日(日本時間19日)、カブスは一塁手のタイラー・オースティンと1年契約を結んだことを発表した。MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、契約条件は1年125万ドル(約1億8750万円)だという。

 34歳のオースティンは、高校卒業時の2010年にヤンキースからドラフト13巡目指名を受けてプロ入りし、2016年にメジャーデビュー。ヤンキースで2年半プレーし、ヤンキースとツインズに所属した2018年には69試合で17本塁打を放つなど、自慢の長打力を見せつけた。

 しかし、三振の多さ(メジャー4年間の三振率は36.9%)といった欠点もあり、ツインズ、ジャイアンツ、ブルワーズの3球団でプレーした2019年は思うような活躍ができず、プロ野球選手としてのキャリアを継続するために日本球界に移った。

 日本プロ野球の横浜DeNAベイスターズでは1年目から成功を収め、2020年は65試合に出場して20本塁打、OPS.969を記録。2020~25年の6年間で通算403試合(1491打席)に出場し、打率.293、85本塁打、出塁率.377、OPS.945をマークした。

 懸念されるのはケガの多さで、日本球界でプレーした6年間のうち、100試合以上に出場したシーズンは2度しかない。

 カブスは今オフここまで、主に投手陣の補強に取り組んでおり、先発左腕の今永昇太と再契約したあと、右腕フィル・メイトンと左腕ホビー・ミルナーを獲得してブルペンを強化。さらに、救援左腕ケイレブ・シールバーとも再契約を結んだ。

 攻撃面では、正右翼手カイル・タッカーがフリーエージェント(FA)となり、FA市場の目玉として他球団移籍が濃厚のため、その穴埋めを目指している。タッカーは今季、ケガに悩まされたものの、136試合に出場して22本塁打、OPS.841を記録した。

 カブスは打線強化を目指す中で、スター三塁手のアレックス・ブレグマンを狙っていることが噂されている。また、強打者ピート・アロンソとも接触していたようだが、アロンソはすでにオリオールズと契約を結んだ。

 ケガが多く、6年間メジャーから離れていたことを考えると、オースティンとの契約にはリスクも伴う。しかし、安価な契約のため、ローリスク・ハイリターンの動きであると言えるだろう。

2025.12.19 09:31 Friday

ガーディアンズがブルペン補強 右腕アームストロングと1年契約で合意

 ガーディアンズはリリーフ投手をもう1人獲得し、ブルペンをさらに強化した。

 18日(日本時間19日)、MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、ガーディアンズはリリーフ右腕のショーン・アームストロングと1年550万ドル(約8億2500万円)の契約を結ぶことで合意。この契約には2027年の相互オプション(=球団と選手の双方に選択権がある契約条項)も付属しているという。なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 アームストロングは2011年ドラフト18巡目指名でクリーブランドに入団しており、今回の1年契約でプロ入り時の古巣に復帰することになる。2015年にデビューし、メジャー最初の3年間はクリーブランドでプレーした。

 今季はレンジャーズで上々のシーズンを過ごし、71試合(うち2先発)に登板して74イニングを投げ、防御率2.31、FIP3.07を記録。50イニング以上を投げた投手のうち、35歳のベテラン右腕がマークしたWHIP0.81はメジャー2位、被打率.157は同3位の好成績だった。

 ガーディアンズは今オフ、ブルペンの補強を継続しており、ここ数週間でブルペンの層に厚みを加えている。すでにコナー・ブログドン、コリン・ホルダーマンと1年契約を結び、ルール5ドラフトではホワイトソックスからペイトン・パレットを獲得。さらに、金銭トレードでブルージェイズからジャスティン・ブルールも獲得した。

 この中では、アームストロングは最も実績がある選手だ。メジャー11年間で通算370試合に登板しており、ガーディアンズでは様々な場面での起用が想定されるものの、試合終盤の重要な場面を担う可能性もありそうだ。

 アームストロングは今季、四回を除くすべてのイニングで登板した(2度のオープナー起用を含む)。ほとんどの登板は試合後半に投げており、六回(16試合)、七回(20試合)、八回(29試合)、九回(19試合)という内訳。トータルでは、試合終盤の重要な場面で34度起用され、合計86打席で被打率.104、被出塁率.186、被長打率.169に抑えた。

 こうした数字を見れば、アームストロングがガーディアンズのブルペンで試合終盤の重要な場面を担う姿を容易に想像できるだろう。現時点ではケイド・スミスがクローザーを務める予定で、アームストロングはハンター・ガディスやエリック・サブロウスキーとともにセットアッパー的な役割を担うことになりそうだ。

 今季は5つの球種を投げ、フォーシーム(28.9%)、カットボール(24.1%)、シンカー(23.5%)、スイーパー(23.4%)と主に4つの球種をバランスよく使用(ほかにスラーブを1球だけ投げた)。フォーシームの平均球速は93.5マイル(約150キロ)と突出して速いわけではないが、被打率.167、空振り率34.4%を記録した。

 ほかの指標でも優れた数字を残しており、被ハードヒット率(34.2%)はメジャー全体の上位9%にランクイン。平均打球速度(88.0マイル=約142キロ)も上位20%と優秀で、その結果、期待防御率(2.98)も上位10%という好成績だった。

 なお、ガーディアンズのロースター40人枠はフルに埋まっているため、アームストロングとの契約を正式発表する際には、枠を空けるための措置が必要となる。

2025.12.19 09:03 Friday

ダイヤモンドバックスがブレグマンを獲得する可能性は? 番記者が分析

 ダイヤモンドバックスが大物フリーエージェント(FA)選手の意外な移籍先候補として浮上するのは、珍しいことではない。

 USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者は16日(日本時間17日)、ダイヤモンドバックスがFAのスター三塁手、アレックス・ブレグマンを「調査中」と報じた。

 これは驚きだった。なぜなら、今オフのダイヤモンドバックスは先発ローテーションとブルペンの強化に注力しており、ブレグマンのような大物FA選手を獲得するだけの資金的余裕はないと思われていたからだ。

 しかし、オフシーズンのたびに、人々がダイヤモンドバックスのペイロール(年俸総額)計画について記事を書く際に、「状況は変わる可能性がある」という但し書きが添えられるのには理由がある。それは、十分な理由があると判断すれば、オーナーのケン・ケンドリック氏が予算を増額することが過去に何度もあったからだ。

 昨オフ、ダイヤモンドバックスがFAの大物投手、コービン・バーンズを獲得することを誰も予想していなかった。バーンズはダイヤモンドバックスの本拠地があるフェニックス地域に住んでおり、ブレグマン同様、スコット・ボラス氏が代理人を務めている。

 バーンズは地元球団のダイヤモンドバックスでプレーすることを望んでいた。ボラス氏がその旨をケンドリック氏に伝え、ケンドリック氏はチームがポストシーズン進出を目指す中で、最高のFA投手を獲得する好機だと考え、マイク・ヘイゼンGMに対してペイロールを引き上げることを許可。その結果、今季開幕時点のペイロールは球団史上最高の約1億9500万ドル(約292億5000万円)に達した。

 ケンドリック氏は、バーンズ獲得を正式発表した際に「我々は非常に競争が激しい地区にいる。しかし、ファンの皆様には、我々が成功を収めるために全力を尽くしていることを理解していただきたい。近年、いくつかの成功があり、現在のチームは優勝できる可能性を秘めていると思う。どの街の人々もチームの優勝を望んでいるし、特にこの街の人々は優勝することを強く願っている。そして、我々の仕事は予算の範囲内で可能な限り最高のチームをフィールドに送り出すために、あらゆる努力をすることだ。予算を最大限に活用することが重要だ。これまでもそうしてきたし、今回が最後にはならないだろう」と話していた。

 ダイヤモンドバックスは2023年にワールドシリーズ進出を果たした。翌2024年のスプリングトレーニングでは、ボラス氏の顧客である左腕ジョーダン・モンゴメリーが未契約のまま残っていたため、ケンドリック氏はヘイゼンGMに対して予算を増額した上でモンゴメリーを獲得することを許可した。

 モンゴメリーとの契約はダイヤモンドバックスにとって成果を生まなかったが、バーンズとの契約について評価を下すのは時期尚早だ。バーンズは今季、右肘の内側側副靭帯を断裂するまで好投していた。トミー・ジョン手術を受けることになり、来季はオールスターブレイク前後の戦列復帰が見込まれている。

 しかし、ケンドリック氏と球団社長のデリック・ホール氏が勝利のために全力を尽くしているという事実は変わらない。可能であれば、予算を限界まで拡大する準備があり、場合によっては限界を少し超えるくらいまで増額するつもりだ。

 今オフのダイヤモンドバックスは、先発右腕のマイケル・ソロカと1年750万ドル(約11億2500万円)で契約を結び、成績に応じた出来高によって最大950万ドル(約14億2500万円)までアップする可能性がある。また、まだ正式発表されていないものの、ベテラン先発右腕のメリル・ケリーと2年4000万ドル(約60億円)で合意したことも明らかになっている。

 ソロカの獲得とケリーの復帰により、先発補強の優先度は下がったが、ヘイゼンGMはこれまでにも「投手が多すぎるということはない」と主張してきた。要するに、何人いても足りなくなる可能性があるということだ。今季の戦いを思い出してほしい。シーズン開幕に向けて、ダイヤモンドバックスはバーンズ、モンゴメリー、ザック・ギャレン、ケリー、ブランドン・ファート、エデュアルド・ロドリゲス、ライン・ネルソンと7人の先発投手を抱えていた。しかし、バーンズとモンゴメリーは負傷離脱し、ギャレンは前半戦で苦戦。ロドリゲスもギャレン同様に苦戦が続いた。

 こうした実績に加え、「投手陣は決して十分ではない」という発言を考慮すると、ヘイゼンGMが先発投手の補強を終えたとは考えにくい。そして、もう1つの課題であるブルペンの補強はまだ行われていない。

 ダイヤモンドバックスはオールスター二塁手のケテル・マルテへのトレードのオファーに耳を傾けており、マルテ放出の見返りとして有力な投手の獲得を狙っているとみられる。

 マルテの対価として、保有可能期間が長く残っている安価な投手を獲得できれば、ブレグマンを獲得するための予算に余裕ができるかもしれない。ただし、ペイロールの上限が不明のため、ハッキリとしたことは言えない。

 ダイヤモンドバックスはブレグマンと契約し、投手補強のためにマルテを放出する可能性がある。あるいは、ブレグマンと契約し、マルテも残し、若手有望株とのトレードで投手補強を狙う可能性もある。

 もちろん、マルテを残し、ブレグマンとは契約せず、別の方法で投手補強を目指す可能性もあるだろう。創造的なフロントオフィスを擁し、利益よりも勝利を優先するオーナーがいるため、何が起こるか予想するのは難しい。

2025.12.18 11:50 Thursday

アメリカ代表にマクリーン、ホームズ、ライアンの右腕3人が加入

 2026年のワールドベースボールクラシックに向けて、アメリカ代表が先発ローテーションを構築中だ。

 17日(日本時間18日)、先発右腕3人の加入が発表された。メッツのノーラン・マクリーンとクレイ・ホームズ、さらにツインズのエース格、ジョー・ライアンがチームに加わる。すでにワールドベースボールクラシックへの参加を表明している2025年ナ・リーグのサイ・ヤング賞投手、ポール・スキーンズ(パイレーツ)らとともに先発ローテーションを形成することになる。

 MLBパイプラインが発表している有望株ランキングでメジャー全体11位にランクインしているマクリーンは、今年8月にメジャー昇格を果たすと、センセーショナルな活躍を見せた。24歳の右腕は8試合に先発。48イニングを投げ、防御率2.06、57三振をマークした。

 ホームズはメジャー最初の7年間の大半をリリーフ投手として過ごしたが、メッツに加入した今季は先発投手に本格転向。165回2/3を投げ、防御率3.53を記録した。

 ライアンは直近3年間で2度目となるシーズン190三振を達成し、オールスターにも選出されたツインズのエース格。ファングラフス版のWARでは2年連続で3.1を記録しており、三振率と四球率の差(22.5%)は規定投球回以上の投手の中で、スキーンズ、ギャレット・クローシェ(レッドソックス)、タリック・スクーバル(タイガース)に次ぐ4位にランクインした。

 アメリカ代表は米東部時間3月6日午後8時にプールBの初戦を迎え、2026年ワールドベースボールクラシックの戦いをスタートする。アストロズの本拠地ダイキンパークでブラジル代表と対戦する予定だ。

2025.12.18 10:17 Thursday

レイズが左腕マクラナハンとの年俸調停を回避 2年連続シーズン全休

 直近2シーズンを負傷により欠場したシェーン・マクラナハンの来季について、ある程度の不確実性が存在するのは当然だろう。

 スプリングトレーニングでどんな姿を見せてくれるのか。どれくらいのイニングを投げられるのか。長いシーズンを持ちこたえることはできるのか。オールスター級の実力を取り戻すことはできるのか。こうした疑問が次々に湧いてくる。

 しかし、少なくともマクラナハンの年俸に関しては、大きな問題にならないだろう。17日(日本時間18日)、レイズはマクラナハンとの年俸調停を回避し、来季の契約を結ぶことで合意。関係者によると、年俸は360万ドル(約5億4000万円)で、ほかの条項は盛り込まれていない。

 マクラナハンにとって、来季は年俸調停期間の3年目のシーズンとなる。2023年オフに初めて年俸調停権を取得し、2年720万ドル(約10億8000万円)の契約を結び、直近2年間の年俸はそれぞれ360万ドル(約5億4000万円)だった。負傷により1年を全休した選手は通常、前年と同じ年俸となる。レイズの保有期間はあと2年残っており、マクラナハンがフリーエージェント(FA)になるのは2027年シーズン終了後だ。

 レイズはマクラナハンのほかに、グリフィン・ジャックス、ギャレット・クレビンジャー、スティーブン・ウィルソン、シェーン・バズ、ニック・フォーテス、ジョシュ・ロウ、ブライアン・ベイカー、ライアン・ペピオ、ケビン・ケリー、リッチー・パラシオス、エドウィン・ウセタの11選手が年俸調停の権利を持っている。

 マクラナハンがメジャーのマウンドに立ったのは2023年8月2日が最後。同月にキャリア2度目のトミー・ジョン手術を受け、2024年シーズンはリハビリに費やした。今年のスプリングトレーニングでは完全に回復し、試合出場の準備が整っているように見えたが、シーズン開幕に向けた最後の登板で負傷。左上腕三頭筋の神経に関する問題で負傷者リスト入りすることになってしまった。

 28歳の左腕がマウンドに復帰するまで数カ月を要し、7月にはマイナーで3試合に登板したものの、再び投球を中断。今オフに入って平地での投球練習を再開しており、レイズはマクラナハンが基本的には通常通りのスプリングトレーニングを過ごせることを期待している。

 先週のウィンターミーティングにおいて、ケビン・キャッシュ監督は「いいオフシーズンを過ごせているようだ。状態も本当にいいと聞いている」とマクラナハンについて言及した。

 エリック・ニアンダー編成本部長は「彼は本当に一生懸命努力した。すべてが期待通りに進めば、ローテーションの一角を担うことになるだろう。大切に扱っていくし、復活をバックアップしたい。これまで懸命に努力してきたし、以前のような投手に戻れると思う」とエース左腕の復活を全面的にサポートしていく意向を示した。

 長期離脱前のマクラナハンは球界屈指の投手だった。2021~23年には74試合に先発して404回2/3を投げ、防御率3.02、456三振。ベースボール・リファレンス版のWARは8.8を記録した。2022年はオールスターの先発投手を務め、サイ・ヤング賞投票で6位にランクイン。翌2023年もオールスターに選出された。

 計画通りに進めば、マクラナハンは来季、ドリュー・ラスムッセン(2025年オールスター選出)、ペピオ、バズ、スティーブン・マッツ(FAで新加入)らとともにローテーションを形成することになる。この5人以外にもイアン・シーモア、ジョー・ボイル、ヨエンドリス・ゴメス、ジェシー・ショルテンズらが先発候補として控えており、今オフ中のさらなる補強も検討されている。

2025.12.18 09:45 Thursday

フィリーズがブルペン補強 右腕ブラッド・ケラーと2年契約で合意

 16日(日本時間17日)、フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長はスプリングトレーニング開始前にリリーフ投手を1~2人獲得するつもりであることを示唆した。そして、それから24時間も経たないうちに、リリーフ投手の補強が実現した。

 MLB.comが関係者から得た情報によると、フィリーズは救援右腕ブラッド・ケラーと2年2200万ドル(約33億円)の契約を結ぶことで合意。身体検査の結果待ちのため、球団からの正式発表はまだ行われていない。なお、ケラーの契約合意について、FanSidedのロバート・マレー記者が第一報を伝えた。

 30歳のケラーは今季カブスで68試合(うち1先発)に登板して4勝2敗、防御率2.07、WHIP0.96、被打率.182を記録。69回2/3を投げ、75三振、22四球と内容も良かった。今季50イニング以上を投げたリリーフ投手144人のうち、防御率は14位、被打率は17位、WHIPは20位にランクインしている。

 2018~23年にはロイヤルズで114試合に先発したが、新天地フィリーズでは完全にリリーフ専門で起用される予定だ。

 ケラーは2023年10月に胸郭出口症候群の手術を受け、翌2024年はホワイトソックスとレッドソックスで苦戦した。しかし、今季は万全の状態となり、自己ベストのシーズンに。42.2%の割合で投じたフォーシームは自己最速となる平均97.2マイル(約156キロ)を計測したが、これは2024年の93.8マイル(約151キロ)を大きく上回っていた。

 フォーシームのほか、スライダー(17.3%)、スイーパー(14.5%)、シンカー(14.4%)、チェンジアップ(11.7%)も投げ、それぞれの球種で空振りを奪うことができる。

 チェイス率(=ボール球を振らせる確率)は30.4%を記録し、これはメジャー全体で上位24%に入る数字。ハードヒット率(=強い打球を打たれる割合)は30.6%にとどめ、こちらは上位1%の好成績だった。さらに、三振率27.2%も上位20%にランクインしている。

 ケラーの加入により、フィリーズのブルペンは8枠中6枠が確定。クローザーのヨアン・デュラン、左腕のマット・ストラーム、ホゼ・アルバラード、タナー・バンクス、右腕のケラーとオライオン・カークリングという顔ぶれだ。

 なお、フィリーズは引き続き正捕手J・T・リアルミュートとの再契約を目指している。すでにオファーを出しており、リアルミュート側からの返答を待っているとみられる。

2025.12.18 08:34 Thursday

エンゼルスがブルペン補強 ロマノ&ポメランツと1年契約で合意

 16日(日本時間17日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、エンゼルスはリリーフ右腕のジョーダン・ロマノと1年200万ドル(約3億円)、リリーフ左腕のドリュー・ポメランツと1年400万ドル(約6億円)の契約を結ぶことで合意したようだ。なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 32歳のロマノは、2024年シーズン終了後にブルージェイズからノンテンダーFAとなり、今季は1年850万ドル(約12億7500万円)の契約でフィリーズに加入。2024年シーズンの不振から立ち直り、球界屈指のクローザーとしての地位を取り戻すことを目指していた。

 しかし、今季はフィリーズで49試合に登板して42回2/3を投げ、防御率8.23と大乱調。8月下旬に右手中指の炎症で負傷者リスト入りし、レギュラーシーズン最後の1カ月を欠場した。

 2024年は右肘の炎症でわずか15試合の登板に終わり、防御率6.59と不本意なシーズンに。最終的には右肘の手術を受けることになった。FAになるまでの保有期間はあと1年残っていたが、ブルージェイズは2025年シーズンの契約をオファーせず、ノンテンダーFAにすることを選択。ロマノはFA市場での新天地探しを強いられ、フィリーズと契約した。

 カナダ・オンタリオ州出身のロマノは、2014年ドラフト10巡目指名でブルージェイズに入団。2018年オフのルール5ドラフトでホワイトソックスから指名を受け、直後に金銭トレードでレンジャーズへ移籍したが、2019年シーズン開幕前にブルージェイズへ返却された。

 プロ入り当初は先発投手だったが、2019年シーズン中にリリーフへ転向。同年6月にメジャーデビューを果たし、この年は17試合に登板して防御率7.63に終わったが、翌2020年は短縮シーズンの中で15試合に登板し、防御率1.23の好成績を残した。

 2021年は「クローザー分担制」の一員としてスタートし、最終的にはクローザーの役割を担うことに。62試合に登板して63イニングを投げ、防御率2.14、23セーブ、85三振と飛躍の1年を過ごした。

 2022年から2年連続でオールスター選出を果たし、2年間で72セーブを記録。これはガーディアンズのエマニュエル・クラセ(86セーブ)に次ぐメジャー2位の好成績だった。当時の輝きを取り戻すことができれば、エンゼルスでもクローザーを務める可能性はありそうだ。

 一方、メジャー12年のキャリアを誇るベテラン左腕のポメランツは、今季のカブスにとって、最大のサプライズの1つだった。2022~24年の3年間はメジャーでの登板が1度もなかったにもかかわらず、今季は57試合に登板して防御率2.17をマークした。

 ポメランツは、ナ・リーグ地区シリーズで同地区のブルワーズに敗れて敗退が決まったあと、「もっと長くプレーしたいと思っている。(オフの動きが)どうなるか見てみよう。でも、今季の活躍は自分でも驚いたよ。1年前に同じことを聞かれたら、『あとちょっとだけプレーしようかな』と答えていたと思う。でも、今年は本当にいい状態だった。今日も登板したけれど、いい気分だった。1球だけ(本塁打を)打たれてしまったけれどね。でも、本当に素晴らしい1年だったよ」と語り、来季以降の現役続行にも強い意欲を示していた。

2025.12.17 11:30 Wednesday

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