MLBのライブ配信観るなら《SPOTV NOW》
TRENDING NOW

タイガースが延長の末、第1戦を制す 不振のマッキンストリーに殊勲打
【マリナーズ2-3タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月4日(日本時間5日)
ア・リーグの第2シード・マリナーズと第6シード・タイガースにより地区シリーズ(ALDS)第1戦は、延長戦の末にタイガースが先勝。11回にザック・マッキンストリーが決勝タイムリーを放ち、勝負を決めた。マリナーズは本拠地T-モバイルパークでは2001年以来となる得点を入れ、同点に追いついたが、あと1点が遠かった。
早めの継投策に出ると見られていたタイガースは、先発メルトンが4回1失点と好投。試合を作った新人の奮闘に応え、五回には2番カーペンターが逆転の2ランを放った。
カーペンターはマリナーズ先発のカービーを得意としている。この日の本塁打を含め、通算成績は11打数5安打、その5安打はすべてが本塁打だ。この日は高めに外れたシンカーを完ぺきなタイミングでとらえ、ライトの中段まで運んだ。特定の投手に対して通算5安打以上をすべて本塁打で記録しているのは、現役選手の中でカーペンターだけだという。
継投に出たタイガースは3番手ラファエル・モンテロがフリオ・ロドリゲスにこの日2打点目のタイムリーを浴び、同点に追いつかれる。しかし、それ以降はブルペン陣が奮起。5人の投手が6回無失点、2安打、4三振、無四球の無失点リレーで11回までつないだ。
そして、11回の攻撃では先頭のトーケルソンが四球で出塁し、暴投で進塁。そこから2者連続三振に倒れたが、マッキンストリーがセンター前にタイムリーを放って勝ち越し点をもたらした。マッキンストリーはレギュラーシーズンの9月25日以来、17打数無安打の不振に陥っていたが、「シンカーを狙っていた」と初球に反応した。
エースのカービーを立てたマリナーズ相手に、4番手メルトンで挑んだタイガースが金星を上げた。あす行われる第2戦では、絶対的エースのタリック・スクーバルが先発。3戦先勝のALDSを突破するためには残り2勝が必要だが、スクーバルは第5戦を含めて残り2度先発が可能であり、タイガースは有利な立場に躍り出た。 殊勲打のマッキンストリーは語る。 「スクーバルがマウンドに立つ第2戦が、すごく楽しみだ。(スクーバルは)全力で戦うだろう。エネルギッシュで、このゲームでも屈指の選手だ。あしたはバックでプレーするのがすごく楽しみだ」 絶対的エースを中心に士気の高いタイガースが一気にシリーズの流れを手にするかもしれない。
は2025.10.5 14:37 Sunday
逆転弾浴びたストラームは「ショック」 フィリーズは切り替え図る
【フィリーズ3-5ドジャース】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、10月4日(日本時間5日)
マット・ストラームは信じられない思いだった。1点リードの七回のピンチで登板し、大谷とベッツを打ち取って2死。しかし、続くテオスカーに逆転3ランを浴びると、首を横に振った。数分後にマウンドを降りる際、グラブに頭を突っ込みながら叫んだ。
「2球ミスしたことにショックを受けた」 初球、ストラームはカッターを外してしまった。2球目は内角への直球を要求されたが、外角へ甘く入ってしまった。それをテオスカーは逃さず、右中間への見事な3ランにした。その本塁打が勝負を分け、フィリーズは地区シリーズ(NLDS=5回戦制)の第1戦を落とした。
一、二塁のピンチでストラームに引き継いだ2番手のロバートソンも「ストラームをひどい状況に追い込んでしまった。僕のピッチングが悪かっただけだ。ストラームはほどんど考えられないようなことをして(大谷とベッツを連続凡退)して、抜け出しかけた」と、肩を落とした。
試合後、二塁走者だったパヘスがサインを盗み、テオスカーに球種を伝えていたのではないかと噂が流れた。ただ、ストラームはこの説を否定した。ストラームは指を揃えてボールを握り、唯一変わるのは、縫い目に沿ってボールを握る位置だ。二塁走者からでもそれを確認することはできない。
おそらく、パヘスはリアルミュートがどこに構えているかについて何かを合図していたのだろう。
しかし、関係ない。フィリーズはただリードを守ることができなかった。
フィリーズはあすの休養日であさって6日(日本時間7日)に控える第2戦に向け、切り替えなければならない。
捕手のリアルミュートもそれを承知している。 「最大5戦のシリーズだ。良いプレーをする機会はまだたくさんある。あすは集中力を切らさず、ビデオを見て、何が違った形でできたのかを考えて、月曜日にはもっと良いプレーをしないといけない」
かつて対戦相手のコーチが「地獄の4時間」とまで評した、フィリーズのホームフィールドアドバンテージは最近では影を潜めている。熱狂的な雰囲気に包まれる本拠地シチズンズバンクパークでは、2023年のナ・リーグ優勝決定シリーズの第6戦以降、なんと5戦4敗。力を発揮できていない。
「調整を行い、試合に出て、勝利に近づくために、自分たちにできるすべてのことをしていると感じられるかどうかは、私たち次第だ」とシュワーバーは語る。
第1戦で痛かったのは、自慢の上位打線の停滞だ。下位打線がつながってドジャース先発の大谷から3点を奪ったが、ターナー、シュワーバー、ハーパーの1-3番トリオが11打数1安打、6三振と不発だった。
「ボール球を追いかけ、ストライクゾーンの球にも空振りしてしまった。もっと相手にダメージを与えられた」とハーパーは悔やむ。
しかし、スター軍団のフィリーズはどの選手も経験豊富だ。「大丈夫だよ。これはたった1試合。ポストシーズンなんだ。個人的な問題じゃない。チーム全体の問題だ。そして今は月曜日のことに集中している。また練習に戻り、チームのために勝負強い打席を組むという気持ちで臨む」、無安打3三振に終わったシュワーバーは既に気持ちを切り替えている。
は2025.10.5 14:34 Sunday
ジャッジが絶好機で沈黙 ヤンキースがALDS初戦を落とす
【ブルージェイズ10-1ヤンキース】トロント/ロジャースセンター、10月4日(日本時間5日)
ヤンキースは5回に及ぶ拙攻の後、待望のチャンスを手にした。六回無死満塁で打席に立ったアーロン・ジャッジは、ポストシーズンに弱いという汚名を挽回するチャンスだった。しかし、ジャッジはケビン・ゴーズマンのスプリットに空振り三振に打ち取られ、ヤンキースは1点を返しただけにとどまった。その後ヤンキースはブルージェイズに突き放され、地区シリーズ(ALDS)初戦に大敗した。
「過度に緊張していたとは言わない。打席全体を見れば、確かに難しい球もあった。でも、結局は仕事をやり遂げられなかった。自分の仕事を全うできなかっただけなんだ」と、試合後にジャッジは語った。ジャッジは8球に及ぶ勝負の末、フルカウントから外角低めに外れたスプリッターに空振り三振を喫した。
「もちろん、あそこから試合の流れを変えたいところだった。でも、それは叶わなかった。ゴースマンがいい投球をしたんだ」、ジャッジの後に打席に立ち、押し出し四球を選んだベリンジャーは言った。
ジャッジは今季のポストシーズンで15打数6安打(打率.400)と好調だが、印象的な活躍はまだない。2019年以降、ジャッジはポストシーズンで打率.202(168打数34安打)、9本塁打、20打点と苦戦している。
ヤンキースのアーロン・ブーン監督は最近、ジャッジが「狂乱する瞬間が来る」とポストシーズンでの活躍を予想していた。しかし、ALDS第1戦はそうはならなかった。
ゴーズマンはこう振り返る。「直前の球のおかげで外角低めのスプリットを振らせやすくなったと思う。正直に言うと、あの場面だったら四球でも良かった。ジャッジは一振りで試合の流れを一気に変えられるからね」
ベリンジャーが四球を選んだ後、続くライスはインフィールドフライに打ち取られた。2死満塁となり、スタントンは2番手バーランドに三振を喫した。
攻撃のみならず、守備でもブルージェイズに主導権を握られた。ゲレーロJr.とカークに被弾し、ヒルは2回2/3限りで降板。ブーン監督は負傷から復帰後、空振りをなかなか奪えない昨季の新人王を早々に見切った。「そんな展開は予想外だった。ブーニーは監督だから、そういう判断を下すのは当たり前だ。これはポストシーズンだからレギュラーシーズンとは違う」と、ヒルは試合後に語った。
満塁のチャンスで1得点に終わっても、ヤンキースは1-2の僅差を終盤まで維持した。しかし、4番手ウィーバーが再び乱調。ワイルドカードシリーズ(WCS)同様、1死も奪えずに降板した。ウィーバーはポストシーズン最初の2試合で3人以上の打者と対戦してアウトを記録できなかった史上2人目の投手となった。
ウィーバーは投球時の「クセ」が露見している可能性を考慮したフォームの調整に苦労していると語っていた。この登板の結果を受け、シーズン終盤に行ったそのフォーム変更を取りやめるかもしれない。 「本当に自分らしくない。相手打者を責められるほど、頭が完全にクリアになっている気がしない」
ウィーバー降板後もブルージェイズ打線の猛攻は続き、ヤンキースは2桁失点を喫した。 「きょうは明らかに最悪だったけど、あしたシリーズをタイにしてホームに戻るチャンスがある」と、ショートのボルピーは前を向く。
ただ、過去の戦績では初戦を落としたチームは不利だ。ポストシーズンの歴史において、最大5戦のシリーズで第1戦に勝利したチームは、156回中113回(72.4%)の確率でシリーズを勝ち上がっている。現在の2-2-1(上位シードの本拠地2戦-下位シードの本拠地2戦-上位シードの本拠地1戦)のフォーマットでは、ホームで第1戦に勝利したチームが54回中40回(74.1%)の確率でシリーズを勝ち上がっている。
「シーズン中からずっと変わらず、その日に集中し続けるという精神を貫くよ。この試合はもう終わりだ。手に負えなくなってしまい、挽回はできなかったが、(日曜日には)大事な試合が控えている。とにかく、しっかりやっていくだけだ」と、ジャッジは語った。
は2025.10.5 12:29 Sunday
投手・大谷が6回3失点9三振 佐々木が締めくくってドジャース先勝
【フィリーズ3-5ドジャース】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、10月4日(日本時間5日)
大谷翔平(31)がナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)の第1戦に「1番・投手」として先発出場。投手としてはポストシーズンデビューを飾り、6回3失点、9三振と好投したが、打者としては第1打席から4打席連続三振に抑えられた。試合は七回にテオスカー・ヘルナンデスの3ランでドジャースが逆転。2点差の九回を佐々木朗希(23)が締めくくり、5-3で先勝した。
二回、大谷は四球と単打で無死一、二塁のピンチを背負い、続く6番リアルミュートにタイムリーを浴びた。この打球にライトのテオスカー・ヘルナンデスが追いつけず、2点タイムリー三塁打となってしまう。さらに後続に犠牲フライを打たれ、この回3点を失った。
そこから大谷は立ち直り、三回は2番シュワーバーと3番ハーパーからスプリットで連続三振に抑え、四回も三者凡退。五回は一死一、二塁のピンチで上位打線を迎えたが、1番ターナーをショートライナー、2番シュワーバーをカーブで三振に押さえて切り抜けた。六回も2三振を奪って三者凡退に抑え、「投手・大谷」はここで御役御免。6回3失点、9三振、1四球、3安打と堂々たる投手としてのポストシーズンデビュー戦だった。
この日、大谷はシーズン最多23度の空振りを量産。最速101.4マイル(約163.1キロ)をマークした。そして、メジャーリーグ史上、ポストシーズン中に投手として1試合、投手以外で1試合ずつ先発出場した唯一の選手であるだけでなく、8番より上位の打順で先発出場した投手としても2人目の選手となった。もう1人は、1918年のワールドシリーズ第4戦でレッドソックスの6番打者として出場したベーブ・ルースだ。
一方で、「打者・大谷」は苦戦。フィリーズ先発サンチェスの巧みな出し入れに苦しみ、3打席連続三振を喫した。さらに1点差で迎えた七回無死一、二塁のチャンスでも、2番手ストラームから見逃し三振を奪われた。
そして、大谷がこの日4個目の三振に倒れたあと、ドジャースは2死一、二塁となってから、テオスカーが3ランを放って逆転。名誉回復の一発でドジャースに5-3とリードをもたらした。
リードを得たドジャースは、グラスナウ、ベシアとつなぎ、最終回を佐々木に託した。佐々木は1安打を浴びながら無失点で締めくくった。
は2025.10.5 10:41 Sunday
ブルワーズは運が良かった? パワーなしで総得点メジャー3位の理由
「われわれはほぼすべてのエラー、守備のミス、そして投球のミスをうまく利用してきた。それがわれわれの哲学であり、アイデンティティだ。相手にプレーさせ、その過程で相手を地獄に引きずり込みたい」 ブルワーズの打撃コーチ、コナー・ドーソンはブルワーズの哲学についてこう語った。
今季のブルワーズはチーム本塁打数でメジャー22位、ハードヒット率で同25位、「スタットキャスト」の打球の質を測る指標で同27位タイ、ゴロ率で4位に終わった。確かに三振数は平均より少し少なく、四球数も平均より少し多かったが、どちらの数字も飛び抜けて優れているわけではない。実際、これらのチーム成績は得点力に優れた攻撃陣の特徴より、ホワイトソックスのようなチームを彷彿とさせる。
それでも、ブルワーズは806得点を挙げた。これはメジャー3位の得点数で、ヤンキースとドジャースに次ぐ数字だった。ホワイトソックスよりは159得点多く、1試合あたりの平均では1得点多い。ただ、9月に限れば、30チーム中22位に低迷した。
これらすべてを踏まえると、2つの疑問が浮かび上がる。ブルワーズはレギュラーシーズン最初の5ヵ月間で本来の実力から予想される以上の得点をどのように生み出したのか?さらに重要なのは、あす4日(日本時間5日)から始まるポストシーズンで、再び同じことを成し遂げられるか?
ブルワーズの得点はすべて魔法で入ったわけではないが、大きな本塁打によって入ったわけではない。ブルワーズは101点の非自責点を奪い、これはメジャーでダントツの数字だった(マーリンズが83非自責点で2位)。これはシーズン総得点の8分の1に相当する。また、非自責点は延長戦のオートマチックランナーの得点も含められるが、ブルワーズは延長戦での得点数は中堅クラスだった。
そもそも自責点という用語は、投手のために存在する。バックの守備のミスによって投手の成績が不当に悪くならないように生み出された。つまり、相手打線にとっては全く関係がない要素だ。しかし、今季のブルワーズが非自責点を意図的に多く生み出せていたとしたら?
MLBのデータシステム「スタットキャスト」には、「フィールディング・ラン・バリュー」という守備力を測る上で最も有用な指標がある。これはあらゆる守備の要素を同じ土俵で表すことができる。
この「フィールディング・ラン・バリュー」は、その打線と対したときの相手チームの守備力も測ることができる。そして、結論から言えば、今季ブルワーズ打線と対したときの相手チームの守備力は、メジャーで最も悪かった。
2025年、打撃時の相手の内野守備が最も悪い打線
-26 // ブルワーズ -22 // アスレチックス -20 // タイガース -18 // オリオールズ -17 // ガーディアンズ
守備の不調に最も助けられたチーム(ブルワーズ)と、守備の好調に最も苦しめられたチーム(パイレーツ)の間には、58点の差があった。「10点取れば勝ち」という短絡的な表現からすると、極端な場合では6勝、平均より3勝近く多いと言えるかもしれない。
これは単に運が良かっただけだと言う人もいるだろう。ブルワーズを貶すつもりはないが、確かにある程度は正しい。この守備のマイナスには、太陽と打球が重なって落球したようなケースも含まれ、それらはバットをボールに当てたという点を除けば、それほど技術が絡んでいるとは思えない。
ただ、ここにブルワーズの戦略が隠されているかもしれない。ブルワーズは他のどのチームよりスイングが少ない一方、ボール球を振ってしまう確率も他のどのチームより低い。スイングをすれば、他のどのチームよりコンタクトが多い。
ブルワーズはより多くのボールをバットに当てられる。そしてブルワーズのチーム平均のスプリントスピード(脚の速さ)はメジャー2位あり、打席から一塁への平均到達タイムは最速。今季のブルワーズがダントツで内野安打が多く、さらに直近10年で見ても最多だった。
2015年以降、チーム内野安打数
174 // 2015レッドソックス 164 // 2025ブルワーズ 162 // 2015アスレチックス 161 // 2018カブス
「プレッシャーをかけることで、良いものが生まれると思う」とドーソン打撃コーチは語る。相手にプレッシャーをかけるとは、例えばこのようなプレーだ。ブライス・トゥランは4.04秒で打席から一塁へ到達した。これはトゥランによる今季のベストハッスルプレイの一つだ。このプレーにより、オリオールズの遊撃手ガナー・ヘンダーソンは「スタットキャスト」が80%の確率でアウトにすると評価した内野ゴロを内野安打にしてしまった。
さらに塁に出たあとでも、走力の脅威は続く。ブルワーズの走塁得点指標はメジャートップの+15であり、これは1.5勝分に相当する。個人ではこの走塁指標でトップ40に入る選手が一人もいなかっただけに、そのチーム力の高さは注目に値する(平均を下回ったのは捕手のウィリアム・コントレラスのみ)。ブルワーズは盗塁数でもメジャー2位に入っている。
これらの要素すべてが結果につながっている。出塁した走者が得点した確率33%は、メジャートップだ。
「私たちが一年を通してやってきたこと全てが、この試合にどう臨むべきかということと合致している。誰も信じてくれないかもしれないけど、これは私たちにとって大きなプラスになると思う。なぜなら、私たちは一年を通してこういう野球をやっているからだ」と、パット・マーフィー監督は語る。
ナ・リーグ東地区のスカウトもこう語った。 「今のチームには、本当のアイデンティティってものがない。私にとって、ブルワーズは最も深いアイデンティティを持つチームであり、どんな野球をしたいのかを分かっている」
しかし、ブルワーズの前には歴史的な逆風が直接立ちはだかっている。もしポストシーズンにおいて、決して揺るぎない真実があるとすれば、それはパワーがなければプレーオフで勝利することはできないということだ。スモールボールは10月まで持ちこたえるには役立つかもしれないが、世界一にはつながらない。近年のガーディアンズが証明しているように。過去10年のポストシーズンで、対戦相手に本塁打数で勝ったチームは、82%の勝率を誇っている。
少なくとも、ポストシーズンには守備が良いチームしか出られないという理由もある。(驚くことではない。今年の守備指標上位5チームはいずれもプレーオフに進出したが、下位9チームのうち、マリナーズしかプレーオフに進出できなかった)
そのため、インプレー打球の打率(BABIP)は、レギュラーシーズンの比べてポストシーズンでは大きく低下するということが証明されている。過去10年ではレギュラーシーズンのBABIPが.296(BABIPは長い目で見れば.300前後に収束する)なのに対し、ポストシーズンでは.277に下がる。
同時に三振率も上昇し、レギュラーシーズンでは22.3%だった三振率は、ポストシーズンでは25%に上がる。
フェアゾーンに打球を飛ばしてもヒットになる確率は低く、さらに三振も増える。ポストシーズンで本塁打が重要視されるのは当然だと言える。
「どんなチームでもポストシーズンで得点するのは難しい。ブルワーズでもドジャースでも、どんなチームでもね。僕らの攻撃は塁に出れば機能する。必ずしも長打を打つ必要はないが、長打を打てる可能性は間違いなくある。それが僕らにはあるんだ」と、主砲のクリスチャン・イェリッチは語る。
実際、ブルワーズは長打を量産する期間もあった。ブルワーズはレギュラーシーズン最初の2ヵ月間では、長打率は下位10チームに位置していたが、次の2ヵ月では平均レベルに上昇。そして8月にはメジャー2位の長打率.480(チームとしても2008年以来の高水準)を記録した。
しかし、9月には長打率、得点ともにメジャー23位に低迷。8月の長打攻勢を牽引したトゥランは月間本塁打を10から2に減らし、シーズン途中にブレイクしたアンドリュー・ボーンは119打席連続本塁打なしでシーズン終了。さらにコントレラスも左手の打撲に悩まされた。
仮に長打力が戻ってこないならば、ポストシーズンでの成功は相手守備を苦しめることにかかってくる。それは起こり得る。昨季、ワールドシリーズ第5戦ではヤンキースの守乱が勝負を分けた。ただ、ポストシーズンで対するのは優秀な守備力を持つチームばかりだ。
ナ・リーグ最強の守備を誇るカブスとの地区シリーズで、メジャー最高勝率を記録したブルワーズの真価が測られることになるだろう。
2025.10.4 15:07 Saturday