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地区シリーズの対戦カードが決定! 注目選手、勝負の鍵は?

 ワイルドカードシリーズが終了し、2025年のポストシーズンは次なるラウンドである地区シリーズ(最大5戦)へと進む。ワイルドカードシリーズの結果から、地区シリーズの組み合わせも決定。ナ・リーグは、第1シード・ブルワーズと第4シード・カブスの同地区ライバル対決と、第2シード・フィリーズと第3シード・ドジャースとのスター軍団対決が予定されている。一方のア・リーグは白熱した地区優勝争いを演じた第1シード・ブルージェイズと第4シード・ヤンキースが再戦し、そして初のワールドシリーズを目指す第2シード・マリナーズと第6シード・タイガースがぶつかる。

 ナ・リーグ地区シリーズは上位シードの本拠地で4日(同5日)に第1戦が行われ、翌5日(同6日)は休養日、6日(同7日)に第3戦が行われる。7日(同8日)の移動日を挟み、下位シードの本拠地に舞台を移して8日(同9日)に第3戦、決着がつかなければ9日(同10日)に第4戦が開催。再び決着がつかなければ、上位シードの本拠地に戻って移動日を挟んで11日(同12日)に第5戦が行われる予定だ。

ブルワーズ(1)-カブス(4)

シーズン中の直接対決

 カブスが7勝6敗で勝ち越し。

ポストシーズンでの過去の対戦

 これが初顔合わせ

対戦の鍵

 フレディー・ペラルタ(ブルワーズ)がこのシリーズに登場する唯一のエース級投手であり、シリーズは両軍のブルペン勝負となる可能性がある。ブルワーズはシーズンを通して球界屈指のブルペン陣を誇り、カブスのブルペン陣も現在絶好調。9月、ブルペン陣は奪三振率(1打席あたり)30.8%を記録し、ワイルドカードシリーズでも13回2/3を投げてわずか1失点しか許さなかった(オープナー後に登板した今永昇太除く)。

 さらに塁上の勝負にも注目。ブルワーズは年間164盗塁を決めてリーグ1位、カブスも161盗塁で同2位に入っており、スピードで流れを変えられる。一方でカブスはブルワーズより57本多く本塁打を放っており、パワーは差が出る要因となるかもしれない。ただ、ブルワーズ投手陣は長打を抑える能力においてリーグトップクラスに入っており、カブスの長打力をどう抑えるか見ものだ。

注目選手:鈴木誠也

 カブスの攻撃陣の鍵を握るのは、鈴木とマイケル・ブッシュだ。鈴木は後半戦に打撃不振に陥り、38試合連続で本塁打が出なかった。しかし、レギュラーシーズン最後の4試合ですべて本塁打を放ち、ワイルドカードシリーズでも好調。今季ブルワーズに対して打率.120、OPS.428と相性が悪い鈴木が打てれば、カブス打線は勢いづく。

フィリーズ(2)-ドジャース(3)

シーズン中の直接対決

 フィリーズが4勝2敗で勝ち越し。

ポストシーズンでの直接対決

 過去5度対戦し、直近3度の対戦ではフィリーズが勝利。

対戦の鍵

 このシリーズは両軍のスター選手の活躍にかかっている。大谷翔平、カイル・シュワーバー、フレディー・フリーマン、ブライス・ハーパーなど球界を代表するスター選手たちが激突する。打線だけでなく、先発マッチアップでも山本由伸、クリストファー・サンチェス、ブレイク・スネルらトップクラスの先発がずらり。地区シリーズではこれ以上望むべくもないほどの好カードと言える。

注目選手:トレイ・ターナー

 右ハムストリングの負傷で9月の大半を欠場したターナーのコンディションは、フィリーズにとって大きな鍵になる。ターナーは今季、OPS.812、ナ・リーグの野手3位のWAR6.7を記録。代名詞のスピードでも36盗塁を稼ぎ、遊撃守備も安定感がある。シリーズの行方を左右するゲームチェンジャーだ。

 ア・リーグの地区シリーズは、4日(同5日)と5日(同6日)に上位シードの本拠地で第1、2戦が行われる。6日(同7日)の移動日を挟み、7日(同8日)に下位シードの本拠地で第3戦、決着がつかなければ8日(同9日)に第4戦がそのまま開催。それでも決着がつかなければ、移動日を挟んだ10日(同11日)に上位シードの本拠地に戻って第5戦が行われる。

ブルージェイズ(1)-ヤンキース(4)

シーズン中の直接対決

 8勝5敗でブルージェイズが勝ち越し。ブルージェイズは本拠地ロジャースセンターで6勝1敗、ヤンキースも本拠地ヤンキースタジアムで4勝2敗と、互いに本拠地で強い。

ポストシーズンでの直接対決

 これが初顔合わせ。

対戦の鍵

 両軍とも強力打線を擁し、先発投手陣もベテランが多く安定感がある一方、ブルペン陣に不安を抱える編成は同じ。ただ、最大の違いは守備力にある。ヤンキースは昨季のワールドシリーズ敗退の一因にもなったようにミスが多いが、ブルージェイズはMLB屈指の守備力を誇っている。この対戦の鍵はヤンキースが投手陣を軸にミスのない野球を展開できるかどうか。ブルージェイズ打線はリーグ最高の三振率17.8%を記録しており、高い奪三振力を持つヤンキース投手陣にも対抗できる。

注目選手:ジョージ・スプリンガー

 36歳のベテランは今季復活を遂げ、特にヤンキースを大きく苦しめた。ヤンキースとの13試合の対戦では打率.348、OPS1.116、4本塁打、12打点と爆発。ポストシーズンにも強く、歴代6位のポストシーズン通算19本塁打、通算OPS.875を記録し、2017年のワールドシリーズMVPにも輝いた。ただ、アストロズ時代はヤンキースとのポストシーズン通算14試合で打率.145と沈黙。ブルージェイズにとっては核弾頭のベテランの調子が鍵を握る。

マリナーズ(2)-タイガース(6)

シーズン中の直接対決

 マリナーズが4勝2敗で勝ち越し。7月にタイガースの本拠地コメリカパークで行われた3連戦は、合計スコア35対14でマリナーズが圧倒して3連勝した。

ポストシーズンでの直接対決

 これが初顔合わせ。

対戦の鍵

 チーム本塁打数はタイガースの198本に対し、マリナーズが238本と圧倒しており、パワー面ではマリナーズ有利。投手陣の層の厚さもマリナーズに傾く。エース格のブライアン・ウーの出場は不透明だが、それでもジョージ・カービーやローガン・ギルバートらが健在で、ブルペン陣も9月は好調だった。一方、タイガースにはタリック・スクーバルがいる。2年連続のサイ・ヤング賞受賞を目前にする怪物左腕は、ワイルドカードシリーズで7回2/3、キャリアハイの14三振を記録。第2戦と第5戦の2試合に先発できる可能性がある。

注目選手:カル・ローリー

 ローリーは今季歴史的活躍。メジャーリーグ史上7人目のシーズン60本塁打を成し遂げ、捕手とスイッチヒッターのシーズン記録を更新した。本塁打、打点の二冠に輝き、マリナーズを2001年以来の地区優勝に導いた。オールスターのホームランダービーも制するなど、まさにローリーの年と言っても過言ではない年だった。ローリーはマリナーズを2001年以来のア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)へ、そして史上初のワールドシリーズ(WS)へ導けるか。

2025.10.3 13:46 Friday

右腕ウーが投球再開 ALDSの出場は不透明 15勝挙げたマリナーズのエース

 2日(日本時間3日)、胸筋の負傷で2週間登板から遠ざかっているマリナーズのブライアン・ウー(25)が投球練習を行った。4日(同5日)から始まるタイガースとの地区シリーズ(ALDS)の出場は未だ不透明だ。

 ウーはブルペンでウォーミングアップとして25球、さらに打者を立たせて15球を投じた。ウーは「ポジティブな一日だった」と振り返ったが、地区シリーズのロースター入りについて楽観的かと問われると、言葉をつまらせた。 「まだ何も予想はできない。一日一日を大切に過ごしている」

 ウーは今季、30先発(186回2/3)で15勝7敗、防御率2.94、198三振をマーク。自身初のオールスターに選出され、マリナーズのエースとして台頭した。

 しかし、9月19日のアストロズ戦で胸筋の負傷を訴えて途中降板。それ以降、登板がない。リハビリに努めるウーは「ああいう怪我は、簡単には治らない。まだ怪我の管理や治療、そして毎日少しずつ症状を落ち着かせるための作業が残っているし、それからトレーニング量を増やす作業も続けている。色々な面がある。でも、まあ、全て順調に進んでいると言えるし、それ以上望むことはない」と語る。

 ウーをALDSのロースターに入れるか否かの判断は、第1戦当日の4日朝(同5日)までにしなければならない。 「試合の速さなど、すべてにおいてまだ理想の位置にはいない。でもすべてが進歩しているという点では満足している。1周間前はまだ投げられなかったことを考えると、1週間後にはもっと良い状態になっているといいね」

 通常、最大5戦の地区シリーズでは先発投手を5人ロースターに入れる必要はない。先発登板が予想されるローガン・ギルバート、ジョージ・カービー、ルイス・カスティーヨの3人のほか、シーズン中は5番手だったブライス・ミラーもウーが欠場する場合は先発の可能性がある。ただ、シリーズの終盤で復帰できるならば、マリナーズはウーをロースターに入れるかもしれない。

 球団編成部長のジェリー・ディポトは「必ずしも誰が一番の先発投手かということに焦点が当てられるわけではない。しかし、誰が最も休養が取れていて、最も良い状態にあると我々は考えているのか、そしてブライアンはどのポジションに入るのか?」と考えを明かした。

 ウーは今の状況は怪我そのものからの回復より、「正しく準備すること」の方が重要だと語った。「賢くやらなきゃいけない。ただ数字を見るためだけに、無謀に全力で投げるだけでは何も良いことはない。正しいやり方でやらなきゃいけないんだ」

2025.10.3 12:33 Friday

地元出身のディングラーがガーディアンズに引導 勝ち越し弾に盗塁刺

 「勝てばシリーズ突破、負ければシーズン終了」の第3戦までもつれ込んだガーディアンズとタイガースのワイルドカードシリーズ(WCS)は、タイガースが2勝1敗で制した。同地区に所属する両球団は、昨季も地区シリーズ第5戦まで競い、今季はガーディアンズが歴史的快進撃でタイガースを追い越して地区優勝を飾るなど、そのライバル関係はこれまでになく盛り上がっている。レギュラーシーズン最終盤からこのWCSを含め、両球団は17日間で9度も対戦。互いに敵地ではブーイングを浴び、今回クリーブランドで行われたWCSでもタイガースの選手に激しいブーイングが降り注いだ。その中、一人だけタイガースの選手でブーイングを浴びなかった選手がいた。それが、クリーブランド近郊出身のディロン・ディングラー(27)だった。

 「彼はブーイングを浴びなかった唯一の選手だった。すごいことだね」と、タイガースのAJ・ヒンチ監督は冗談を言った。2年目のディングラーはガーディアンズの本拠地プログレッシブフィールドから54マイルほどしか離れていないオハイオ州マシロン出身。さらに地元のオハイオ州立大学に進学して活躍し、2020年ドラフト2巡目指名でタイガースに入団した。

 この日、ディングラーは幼い頃から応援してきたガーディアンズに引導を渡す活躍。六回には勝ち越し本塁打を放ち、捕手としてもホセ・ラミレスの二盗を阻止する好送球を見せた。しかし、勝ち越し弾を放った際も敵地のファンからブーイングされることはなかった。文字通りファンにとってあまりに身近な存在であり、ディングラーに対して本気の恨みを抱くことはないだろう。

 ディングラーはポストシーズンの「勝てばシリーズ突破、負ければシーズン終了」の試合で本塁打を放ち、走者を刺した史上3人目の捕手となった。「(本塁打を放ったキャンティロは、)少し苦しそうだった。打てる球を打って、少しダメージを与えることができた。勢い、このシリーズで一番大きかったのは勢いだったと思う。一番勢いがある、あるいは最も勢いのあるチームが、そのまま勝ち進んでいく。僕たちはまさにそこで逆転することができたんだ」と、ディングラーは振り返った。

 ガーディアンズとのWCSを制し、迎えるマリナーズとの地区シリーズ(ALDS)では、MVP候補のカル・ローリーに大きな注目が集まることだろう。

 ただ、ディングラーも決して侮ってはいけない存在だ。平均以上の打撃成績(打率.278、出塁率.327、長打率.425)を記録し、捕手守備ではブロック・盗塁阻止・フレーミングのどれを取ってもリーグトップクラスの成績を残した。そして何より重要なのは、レギュラー1年目で投手陣の信頼を獲得したことだ。

 「彼は一緒に努力してくれる」と、2度目のサイ・ヤング賞受賞を目前に控えるタリック・スクーバルは語った。

 2巡目(全体38位)の高順位でプロ入りし、有望株として期待を受けてきたが、順風満帆だったわけではない。2Aでは足踏みし、3A昇格まで208試合の出場を要した。「2Aで数年かかりましたが、彼はスイングを少し調整し、常に学ぶ姿勢を見せてくれた。そして、常にスタッフを率い、試合の運び方を学んでいた。彼はまさに生まれながらのリーダーであり、選手たちが集まり、信頼を寄せる存在だ」、アシスタントGMのライアン・ガーコは語る。

 今季のガーディアンズとタイガースのライバル関係に終止符を打ったのが、地元出身のディングラーだったのは皮肉なことだ。だが、もう後ろめたさはない。ディングラーの友人や家族は、特区の昔にガーディアンズとのつながりを捨て、タイガースへの忠誠を誓っている。「浮気ではないよ」と、ディングラーは笑顔で語った。

2025.10.3 12:03 Friday

新人シュリットラーが快投 ヤンキースが地区シリーズへ進出

【ヤンキース4-0レッドソックス】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、10月2日(日本時間3日)

 ともに1勝1敗で迎えたワイルドカードシリーズの第3戦でヤンキースがレッドソックスに勝利し、地区シリーズ(ALDS)への進出が決定。先発のキャム・シュリットラー(24)が八回無失点12三振の快投で勝利に導いた。レッドソックスの吉田正尚(32)は2安打を放って気を吐いたが、レッドソックス打線は本塁が遠かった。

 第1戦は吉田の代打決勝タイムリーでレッドソックスが先勝、第2戦はジャズ・チザムJr.の攻守にわたる活躍でヤンキースが勝利し、シリーズは「勝てばシリーズ突破、負ければシーズン終了」の勝者総取りの第3戦に委ねられた。第3戦はヤンキースがシュリットラー、レッドソックスがコネリー・アーリーとともに新人を立て、ポストシーズン史上3番目に両先発の年齢が若いマッチアップとなった。

 シュリットラーは四回まで吉田への2安打しか走者を許さず、4三振を奪う快調な立ち上がり。

 新人右腕の好投に打線も応えた。四回1死一、二塁から6番ロサリオのタイムリーで先制。その後満塁として8番ボルピーもタイムリーで続き、エラーも絡んで4得点を挙げた。

  4点はこの日のシュリットラーには十分な援護だった。援護を受けた24歳は、ペースをさらに上げて三振を量産。五回は3つのアウトすべてを三振で、六回にも2安打を浴びていた吉田への三球三振を含む2三振を奪った。三者凡退に抑えた七回の時点で既に100球に達していたが、八回も続投。八回も打者3人で切り抜け、8回無失点、12三振、無四球、5安打の快投でブルペン陣につないだ。

 九回はデービッド・ベドナーが締めくくり、ヤンキースは4-0で勝利。ブルージェイズが待つ地区シリーズへと駒を進めた。

2025.10.3 11:58 Friday

イチロー氏がマリナーズの紅白戦に出場 愛弟子フリオとプレー

 1日(日本時間2日)、ア・リーグの第2シードとしてポストシーズンに臨むマリナーズは、初戦の地区シリーズに向けて紅白戦を実施。イチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)はホーム側チームのライトとして守備でフル出場を果たした。

 今年、米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が、調整役として紅白戦に加わった。平日の午後にもかかわらず、本拠地T-モバイルパークには約5000人のファンが詰め寄せ、イチロー氏に一際大きな歓声を送った。

 あくまでポストシーズンに向けた選手の調整であるため、イチロー氏は打席には立たず、ライト守備でのみ出場。三回にミッチ・ガーバーが放ったフライを捕球すると、右中間を組んだ「愛弟子」フリオ・ロドリゲスのお決まりのポーズである「ノー・フライ・ゾーン」を真似てみせた。

 マリナーズ首脳陣はイチローと師弟関係にあるフリオが、右中間を組めるようにと粋な計らいを見せた。

 とはいえ、フリオは右中間にフライが飛んだ場合はイチロー氏を退け、自ら捕球するつもりだったのだろうか?それとも、年上のイチロー氏を尊重するつもりだったのか?

 「だって僕がセンターだってことはイチローも知っているんだから」とフリオは答え、記者会見場を爆笑させた。そして「年齢はあまり関係ないと思うよ。でも、多分キャッチは任せると思う」と応じた。

 今季、イチロー氏は1月に米野球殿堂入りが決まり、7月にクーパーズタウンで殿堂入り式典を行い、8月には背番号51がマリナーズの永久欠番となるなど、多くの話題を作った。節目の度に印象的なコメントを残しているが、特に8月の永久欠番セレモニーで行ったスピーチは、マリナーズのスローガンにすらなっている。

 満員の観客に向けたスピーチの最中、イチローはマリナーズの選手たちが見守っていた一塁側ダグアウトに向き合い、メッセージを送った。才能あふれる今季のマリナーズのチームに対して期待を寄せ、「この瞬間を掴め(Seize the moment)」と訴えたその言葉は、ポストシーズンにおけるマーケティングの核となっている。この日の練習試合でも、スクリーンに常に映し出されていたのは、この文句だった。

 フリオはこう語る。「誰から言われたかが分かったから、みんながそれを心に留めたんだ。イチローはここにいた。それを成し遂げた。2001年の伝説のチームの一員で、豊富な経験を積んできた。そして、それを我々に伝えてくれる。まるで『今こそ君たちの番だ。試合に出て、それを掴み取れ』と言っているみたいに。だから、僕も他の多くの選手たちもそれを心に留めたんだ。誰から言われたかが分かったから」

 イチロー氏は球団会長付特別補佐兼インストラクターとして、イチロー氏にしかできないやり方でマリナーズを支えている。紅白戦に参加したことも、その一環と言える。

 ただ、イチロー氏を「コーチ」と呼ぶのは必ずしも正確ではない。なぜなら、現代の選手たちが自分たちのやり方でプレーできるよう、敬意ある距離を置いているからだ。たとえ選手たちが彼のやり方(細部への徹底的な配慮と完璧さへの追求の本質)に従わなかったとしても、彼はMLBでの19シーズン、そして日本プロ野球での9シーズンで培った知恵を彼らに提供してくれる。

2025.10.3 09:09 Friday

由伸が七回途中2失点(自責点0)9三振 ドジャースをNLDSに導く

【ドジャース8-4レッズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月1日(日本時間2日)

 第1戦に快勝してワイルドカードシリーズ突破に王手をかけたドジャースは、第2戦でも投打噛み合い勝利。連勝でレッズを下し、地区シリーズ(NLDS)への進出を決めた。山本由伸(27)は七回途中2失点(自責なし)、9三振と好投。大谷翔平(31)はタイムリーで追加点をもたらした。4点リードの九回には佐々木朗希(23)が登場し、2三振を奪うパーフェクトリリーフで締めくくった。

 デーブ・ロバーツ監督が投手陣の確立に努める中、ドジャースの先発投手陣は今季、リーグ有数の実力を発揮した。その筆頭が山本だ。彼は2年目で圧倒的な成績を残し、チームのエースへと上り詰めた。勝利すればワイルドカードシリーズを突破できる第2戦、ロバーツ監督は投手陣を積極的に運用し、交代のカードを切ることもできた。しかし、山本がいる限り、勝利の可能性は極めて高いと判断し、ロバーツ監督は動かなかった。

 山本はシーズン通りの快投だった。初回に味方のエラーから2点を失ったが、二回から五回まですべて三者凡退。六回は無死満塁のピンチを2三振で切り抜け、雄叫びを上げた。続投した七回も2死を奪い、球数はメジャー移籍以降最多の113球に達した。熱投のエースにドジャースタジアムの観衆は惜しみない拍手を送った。

 第1戦はブレイク・スネルが好投したのに続き、ドジャースはまたしても先発投手の働きで勝利。ワイルドカードシリーズを連勝で突破し、次なるラウンドへ進んだ。

 第2ラウンドは、第2シード・フィリーズとの地区シリーズ(NLDS)だ。ともに重量打線と強力な先発投手陣が持ち味のスター軍団。決戦は4日(日本時間5日)からフィリーズの本拠地シチズンズバンクパークで始まる。

2025.10.2 13:40 Thursday

チザムJr.の攻守にわたる活躍でヤンキース勝利 あす運命の第3戦

【ヤンキース4-3レッドソックス】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、10月1日(日本時間2日)

 第1戦に敗れ、王手をかけられていたヤンキースが第2戦に勝利。同点の八回にオースティン・ウェルズがタイムリー二塁打を放ち、一塁走者のジャズ・チザムJr.が激走で決勝点をもたらした。伝統的なライバル対決となっているワイルドカードシリーズは、第3戦に決着が委ねられる。

 ヤンキースは初回、4番ライスがポストシーズン通算初アーチを放って2点を先制。しかし、三回に先発ロドンが2番ストーリーに同点タイムリーを浴び、序盤のリードを失った。

 早めの継投に出たレッドソックスとは対照的に、ヤンキースは先発ロドンを信頼した。ジャッジのタイムリーで1点のリードを得た六回には、ストーリーにすぐ同点弾を浴び、続く打者にも死球を与えたがアーロン・ブーン監督は続投を決断。その後、ピンチをダブルプレーで切り抜けてロドンは信頼に応えた。

 しかし七回、先頭から連続四死球を与えると、ここでついに継投に移行。代わった2番手クルーズはすぐに2死を奪い、第1戦で決勝打の代打・吉田正尚と対戦した。

 吉田が放った打球初速97マイル(約156キロ)のハードヒットを、セカンドのチザムJr.は懸命なダイビングストップ。内野安打を許して満塁としたが、クルーズが後続を抑え、無失点で切り抜けた。

 勝ち越し点を防ぐ好守を見せたチザムJr.は八回2死から四球で出塁。続くウェルズがライト線へ二塁打を放つと、チザムJr.は一塁から一挙に本塁を陥れ、間一髪で決勝点のホームに触れた。

 攻守に活躍したチザムJr.は「本当に楽しかった。最後の一球、最後の打者まで、ギリギリまで接戦だった。でも、最後まで諦めずに戦い続け、勝利できた」と振り返った。悔しい敗北を喫した第1線の後は、ゲームの「MLB・ザ・ショウ」をプレーし、圧勝を挙げて鬱憤を晴らしたとのこと。リフレッシュが産んだ活躍だったのかもしれない。

 決勝打のウェルズは第2戦を「激しい」と総括。「まさにプレーオフらしい試合だった。両チームとも必死に戦った。最高だったよ」と、勝負を楽しんでいた。

 ヤンキースが勝利したことで、シリーズは1勝1敗のタイとなった。あす行われる第3戦では、ヤンキースがキャム・シュリットラー、レッドソックスがコネリー・アーリーとともに新人投手の先発が予定されている。

2025.10.2 12:59 Thursday

八回に一挙5点の猛攻 ガーディアンズが勝負を第3戦に持ち込む

【ガーディアンズ6-1タイガース】クリーブランド/プログレッシブフィールド、10月1日(日本時間2日)

 タイガースの1勝リードで迎えたワイルドカードシリーズ(WCS=3回戦制)第2戦が行われ、ガーディアンズが勝利。七回まで2安打に抑え込まれたが、八回に5得点の猛攻で勝ち越し、勝利を手繰り寄せた。シリーズを1勝1敗のタイに戻し、勝負をあす行われる第3戦に持ち越した。

 9月の快進撃によって、史上最大の逆転地区優勝を果たしたガーディアンズ。第1戦を落として王手をかけられて迎えた第2戦に勝利し、魔法のようなシーズンは少なくともあと1日続くこととなった。

 初回、ガーディアンズは2番バレラのポストシーズン初アーチで先制。9月にデビューしたばかりの24歳がタイガース先発のマイズの出鼻をくじいた。

 しかし、その先制弾からガーディアンズ打線は失速。七回を終えて計2安打と沈黙し、早めの継投に出たタイガース投手陣に苦戦した。

 さらにエース格のバイビーを送り込んだ投手陣も度々ピンチを背負った。四回には2死満塁のピンチからセンター前にタイムリーを浴び、同点に追いつかれた。しかし、この日デビューを飾った有望株デロウターがセンターからの好返球で一塁走者を三塁で刺し、失点を1で防いだ。その後も五回から八回まで毎回得点圏に走者を背負ったが、細かい継投で無失点で切り抜け続けた。

 そして守護神スミスがピンチを脱した直後の八回、ガーディアンズ打線が反撃。チームリーダーのラミレスに「直球を狙え」とアドバイスされた9番ロキオがライトへソロを放って勝ち越し。続く1番クワンと2番シュニーマンが連続二塁打で3点目を加えた。さらに3番ラミレスを敬遠後、5番ネイラーが3ランを放ってダメ押しした。

 レギュラーシーズン最終戦で逆転サヨナラ弾を放ったロキオがまた大仕事。この日の決勝弾は、球団史上初めてポストシーズン敗退の危機に瀕した試合の八回以降に放たれた勝ち越し弾となった。スティーブン・ボート監督は「ロキオが本塁打を放って緊張を解いてくれて、選手たちはリラックスできた」と振り返った。

 3回戦制で行われた過去のワイルドカードシリーズでは、第1戦に敗れた20チームの内、16チームがスイープ(2連敗)で敗退。第3戦に持ち込んだのはわずか4チームしかいなかったが、歴史に残る大逆転地区優勝を飾ったガーディアンズが新たにこのリストに名を連ねた。

 「僕たちがここにいるのは、何か理由があるからだと理解することが大切だ。僕たちがここにいるのは、クラブハウスにいる仲間たちを信頼しているから。フィールドで、どんなポジションにいようとも、信頼は大切だ。そして、ポストシーズンで勝ち進むために必要な要素はすべて揃っていると確信している」と捕手ネイラーは意気込みを語った。

 ロキオもこう語った。「いつもプレッシャーをかけずにプレーしようと心がけていると言っているんだ。それが僕らのスタイル。ただプレーするだけだ。最後のアウトまでプレーし続けなければいかに。たとえ10点差をつけられても、そのスタイルを貫き通すつもりだよ」15.5ゲーム差を付けられても諦めなかった不屈の精神が今のガーディアンズには共有されている。

 ポストシーズンの歴史上、「勝ったら進出、負けたら敗退」の試合では、ホームチームは64勝66敗と負け越している。しかし、ここまで必死に戦い抜いてきたガーディアンズのメンタリティは変わらない。ネイラーはこう続けた。「僕らはただ試合に出て、楽しみながら、自分たちのプレーを続け、目の前にあるあらゆるチャンスを活かすべきだ。それが僕らが最高の状態にある時にやることだと思う」

2025.10.2 10:14 Thursday

カブス第1戦の先発は苦労人ボイド 会見では涙を見せる場面も

 29日(日本時間30日)、パドレスとのワイルドカードシリーズを前にカブスのクレイグ・カウンセル監督は第1戦の先発をマシュー・ボイドと発表。メジャー11年目の34歳は大役への任命に感極まった。

 同日の会見でボイドはシャツで涙を拭いながら、カウンセル監督から先発に任命された瞬間を振り返った。「自分のキャリアについて考えてみると、これ(第1戦の先発)は素晴らしい。色々な理由でね。(人生は)いつチャンスが巡ってくるかわからないから素晴らしいんだ」今季からカブスに加入するまでの10年間では通算182登板で防御率4.85。くすぶった若手時代、度重なる負傷に悩まされた時期を乗り越え、34歳にして最盛期を迎えている。

 ただ、ボイドもスケジュールとチーム状況から第1戦の先発を任される可能性を承知しており、任命自体に驚きはなかった。カブスは先日、後半戦防御率1.03(メジャートップ)を記録していた新人ケイド・ホートンが負傷者リスト入りし、ワイルドカードシリーズ欠場が決定。ホートンは今永昇太ら他の先発投手が調子を崩す中、先発ローテを牽引する活躍を見せていた。

 ボイドは今季、大役を任されるに足る好成績を残しており、ホートン不在の状況で第1戦の先発を任されることは不思議ではない。今季最初の20登板では防御率2.20を記録し、オールスターにも初選出。最終的には31先発(179回2/3)を投げて14勝8敗、防御率3.21と堂々たる成績でシーズンを締めくくった。

 カブスとボイドにとって、今季の「嬉しい誤算」は労働量だった。過去4シーズンでは様々な怪我の影響で平均50イニング程度にとどまった。カブスはボイドの耐久性に配慮したスケジュールを組み、ボイドもチームの方針に従ったことが奏功したのかもしれない。もっとも終盤は苦戦(最後の11登板で防御率5.16)したが、カウンセル監督はそれが疲労によるものではないと考えている。「マットはいい投球をしていたよ。2、3試合前を振り返ると、彼はカウントを悪くする場面が多かったね」

 そして肝心のパドレス打線との相性も良い。ボイドは今季4月にパドレスと2度対戦し、11回1/3で計2失点と好投。ワイルドカードシリーズの舞台となる本拠地リグレーでも6回無失点と快投した。

 「マットがいるのは幸運だ。彼がいるからこそ、我々はここまで来られた。彼は常に先発としてボールを奪いに来てくれる。彼のような選手にボールを託せるのは、本当に嬉しいことだ」とはカウンセル監督。ボイドを象徴する瞬間を問われると、カウンセル監督はあえて昨季の登板を挙げた。

 「私にとって、クリーブランド時代の我々との対戦での先発出場が印象的だった。マシュー・ボイドについて私が特に印象に残ったのは、まさにそこなんだ」昨季の8月13日、当時トミー・ジョン手術から復帰直後だったボイドは、ガーディアンズの投手としてカブス戦に先発。メジャーでの414日ぶりの登板で、カブス打線を5回1/3を投げ切り、チームに勝利をもたらした。

 そこからボイドは救世主の役割を演じた。シーズン終盤の8試合に先発し、防御率2.67と快投。昨季のガーディアンズは先発投手不足に悩まされていたが、その穴を埋めて躍進を支えた。さらにポストシーズンでは3先発で防御率0.77と圧倒し、チームをリーグ優勝決定シリーズまで導いた。

 その鮮烈なインパクトのおかげで、ボイドはレギュラーシーズンでわずか8先発しか投げていないにもかかわらず、2年2900万ドルの契約を得た。「祖父はシカゴで育ったから、カブスファンとして育った。2016年(カブスが108年ぶりの世界一に輝いた)は祖父にとって人生で最も幸せな日の一つだったと思う。私も今、カブスの選手になれて嬉しい。本当に嬉しいよ」

 ボイドはカブスに入団して以来、亡き祖父ジョン・ボイドのことを何度も口にしてきた。それが、この投手がカブスについて語る際に感傷的な雰囲気を醸し出す理由の一つだ。祖父は、ボイドがリグレーフィールドで通算16試合に出場し、12勝1敗、防御率2.59という成績を残していることをきっと喜ぶだろう。

 そしてボイドはリグレーフィールドでこれまで以上に重要な先発を迎える。「夢のような出来事だ。リグレーフィールドで、そしてカブスのためにそれを成し遂げることができて、本当に光栄だ。心から感謝している」

2025.9.30 16:03 Tuesday

パドレス第2戦はシース、第3戦はダルビッシュ キングはブルペン

 29日(日本時間30日)、カブスとのワイルドカードシリーズを前にパドレスのマイク・シルト監督が先発投手を発表。第1戦は既に発表されているようにニック・ピベッタ、第2戦はディラン・シース、そして第3戦(1勝1敗でもつれた場合)はダルビッシュ有が先発する。

 パドレスはピベッタ以降の先発投手を、シース、ダルビッシュ、キングという実力あるベテラン3人、そして好調のバスケスの中から選ぶことができた。シースとダルビッシュが選ばれたのは、終盤の復調と経験の豊富さを頼りにしているからだろう。

 シースを2戦目に任命した理由について「ディランは調子がいい。最近は安定して投げている。ここ(リグレーフィールド)でも良い投球をしてくれたし、カブス相手にも良い投球をしてくれた。そして彼はディラン・シースだ。彼は剛腕だ。第2戦に最も適した選手だと思う」と明かした。

 シースは今季防御率4.55と苦しんだが、9月は5先発で防御率3.12と復調。ダルビッシュも負傷の影響で出遅れ、15先発で防御率5.38と苦しんだが、9月の5先発は全て自責点3以下でまとめた。

 注目は昨季エース級の活躍だったマイケル・キングをブルペンに回した決断だ。シルト監督によれば、レギュラーシーズン最後の登板からの間隔の兼ね合いで第1戦の登板は避けたいと考えているようだが、キングは全試合で登板可能とのこと。リリーフ経験も豊富なキングを切り札として活用する。

 キングはレギュラーシーズン最後の登板の後に、どんな役割にもオープンであると示した。「どんな役割を与えられても、とても満足している。もちろん、先発の方が好きだけど、(ブルペンから投げるのは)自転車に乗るのと同じだよ」

 キングの夏の不調が、パドレスが彼をローテーションから外す決断に影響を与えたことはほぼ間違いない。彼は二度の怪我で3ヵ月半近く欠場し、復帰後もわずか4試合しか先発せず、70球以上投げたことは一度もなかった。

 キングがブルペンに加わった今、パドレスのワイルドカードシリーズの勝ち筋はより明確になった。第1戦のピベッタが好投し、第2戦以降では鉄壁のブルペン陣で逃げ切りを図ることだ。

 今季31先発で防御率2.87を記録し、エースとして君臨したピベッタは好投を期待されている。「スタートダッシュは常に重要だ。でも大げさに言う必要はない。自分の才能と今季やってきたことを信じて、自分のゲームプランを実行に移すだけだ」

 そして第2戦以降は、先発投手を早めに交代させてでもブルペン陣に頼る展開になるかもしれない。例えば、シースは1巡目の対戦時ではOPS.606に抑え込んでいるが、2巡目では.802、3巡目では.790と目が慣れるほど顕著に打たれやすくなっている。対戦成績が悪化する2巡目以降は、いつでも継投がありえるだろう。

 ロングリリーフも可能なキングが加わったことで、パドレスはスアレス、ミラー、モレホン、エストラーダといったショートリリーバーの投入をためらう必要がなくなるはずだ。シルト監督は語る。「もう一つの武器だ。繰り返しになるが、我々にはここまで我々を導いてくれた信頼できるブルペン陣がいる。そしてマイケルは、経験豊富でその役割で実績のある選手たちと比べて、適切に起用されるだろう。マイケルが活躍できる場は、おそらくこのシリーズで訪れるだろう」

2025.9.30 16:02 Tuesday

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