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ガーディアンズが救援右腕ホルダーマンと1年契約で合意

 ガーディアンズはウィンターミーティングでブルペン補強に意欲を見せていた。11日(日本時間12日)、ガーディアンズは救援右腕コリン・ホルダーマンと1年契約を結んだと発表し、ブルペン陣の層を強化した。

 11月にパイレーツからノンテンダーFAとなったホルダーマンは、2028年まで保有期間が続く。さらにマイナーオプションも2つ残っている。

 ガーディアンズのブルペン陣はケイド・スミス、ハンター・ガディス、エリック・サブロウスキー、マット・フェスタ、ティム・ヘリンのわずか数人しかおらず、ブルペン補強はオフの優先事項だった。 「ブルペンの層を厚くする必要がある。ブルペンには4、5人しかいないが、8人要る。これは確実に改善すべき点だ」と、スティーブン・ボート監督はウィンターミーティングで語っていた。

 現在30歳のホルダーマンは、ガーディアンズのブルペン陣で試合の終盤を担うかもしれない。これまでメッツとパイレーツで通算4シーズン、161試合に登板し、今季不振に陥るまではリリーバーとして成功を収めていた。

 ホルダーマンは通算161回1/3で防御率4.13、FIP4.01、WHIP1.40をマーク。2023-24年は好調で、113登板(107回1/3)で防御率3.52、FIP3.75、WHIP1.32を記録していた。

 しかし、今季は右手親指の負傷で約2カ月間負傷者リスト入りし、復帰後も不振。24登板(25回2/3)で防御率7.01、FIP5.86、WHIP1.95に終わった。

 ホルダーマンはシンカー、スイーパー、カットボール、フォーシームを主に、6球種を投げ分けるスタイル。シンカーは平均97.4マイル(約157キロ)で空振り率22.9%(2024年は12.1%)を記録した。そしてスイーパーは2024年に最も多投(47.6%)した球種で、来季の復活の鍵を握る。

 ホルダーマンはガーディアンズに今オフ加わった3人目のリリーフ投手となる。ガーディアンズは先週コナー・ブログドンと1年契約を結び、ルール5ドラフトではホワイトソックスから有望株ペイトン・パレットを指名した。

2025.12.12 13:21 Friday

ロイヤルズが外野手トーマスと1年契約 復活を期す30歳

 ロイヤルズはベテラン外野手レーン・トーマスと1年525万ドル(約8億円)+出来高100万ドルの契約で合意したと、11日(日本時間12日)に関係者がMLB.comに明かした。

 球団は身体検査の結果を待っており、契約を正式発表していない。ロイヤルズの40人枠は現状38人で、トーマス獲得に伴う枠空けは必要ない。

 30歳のトーマスは、安価で獲得できるバウンスバック候補(復活を期す選手)であり、センターも守れる右打者だ。下位打線に厚みをもたらせる外野手をフリーエージェント(FA)市場で探していたロイヤルズにとっては、すべての条件を満たす選手だった。ロイヤルズは前日にブレーブスと2年契約を結んだマイク・ヤストレムスキーとの再契約を逃したが、ウィンターミーティングを終えた時点で、他のFAも既にリストアップしていた。

 トーマスは直近1年半をガーディアンズで過ごし、好不調の波を経験した。2024年のトレードデッドラインでナショナルズからガーディアンズに移籍した後(ロイヤルズはその時も獲得に関心を示していた)、最初の29試合では打率.148と低迷。しかし、9月には長打率.560と調子を上げ、デトロイトのタリク・スクーバルとのALDS(地区シリーズ)第5戦での満塁ホームランは、ガーディアンズをALCS(リーグ優勝決定シリーズ)へと導いた。ALCSでは、ヤンキースとの第3戦の九回裏にトーマスの二塁打がジョンケンシー・ノエルの同点ホームランを呼び込み、ガーディアンズは延長10回で勝利を収めた。

 その不安定だった2024年シーズン後、トーマスは2025年シーズンにガーディアンズでわずか39試合、125打席の出場にとどまった。これは主に右足の足底筋膜炎が長引き、9月に手術が必要になったためだ。それ以前にも、クリーブランドでのホーム開幕戦で死球を受け、右手首の骨挫傷で1ヶ月離脱していた。出場可能だった時も、トーマスは打率.160、OPS.518、長打6本と打撃不振だった。

 最大の疑問は、トーマスが2023年にナショナルズで見せた28本塁打、20盗塁、OPS.783、そして総合指標bWAR3.3の好調な姿を取り戻せるか。たとえそうならなくても、トーマスは対左腕で持ち味を発揮できる。左投手に対するキャリア通算の打撃成績は、打率.292、出塁率.359、長打率.500だ。

 守備面では、トーマスは外野の全ポジションでプレー経験があり、ライトで276試合、センターで170試合の先発出場経験がある。最後のフルシーズンだった2024年には、守備範囲の狭さ(守備指標OAA-8、下位3%)は見られたが、エリートレベルの強肩(上位5%)を備えていた。ロイヤルズは、左打ちのカイル・イズベルが休む際のセンターとして、あるいは左打ちのジャック・カグリオーンが出場しない場合のライトとして、トーマスを起用できる。また、レフトとしてもチャンスがあり、ロイヤルズはマイケル・マッシー(左打ち)に2026年はセカンドとレフトを兼任させる予定だ。

 トーマスの足の怪我が、2025年の限られた出場時間で示した上位6%のスプリントスピードをどれだけ奪うかは未知数だ。しかし、健康な状態であれば、トーマスはプラトーン以上の打者になれる魅力的なパワーとスピードの組み合わせを持っている。

2025.12.12 13:05 Friday

カブスが救援左腕ミルナーと1年契約 ブルペン補強続く

 今季のブルペン陣を支えた投手の多くが退団し、カブスはブルペン陣の補強が優先事項となっていた。「オフシーズンにリリーフ投手をさらに獲得するのは当然」と、ジェド・ホイヤー編成部長はウィンターミーティングで語っていた。

 そして11日(日本時間12日)、カブスは救援左腕ホビー・ミルナーと1年契約、救援右腕コリン・スナイダーとマイナー契約で合意したと関係者がMLB.comに明かした。球団はこれらの契約を正式発表していない。

 MLB.comのマーク・フェインサンド記者によれば、ミルナーの年俸は375万ドル(5億8000万円)+出来高となる。今季のブルペン陣を支えたアンドリュー・キットリッジ、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツらが退団し、カブスは救援右腕フィル・メイトンと2年1450万ドル(約22億円)で契約を結び、今度は左腕のミルナーを加えた。

「ブルペン陣を充実させるにはまだやるべきことがたくさんある。投手陣の面では現状に満足することは決してないだろう」と、クレイグ・カウンセル監督はウィンターミーティングで語っていた。

 ミルナーは2021-23年にブルワーズでともに戦ったカウンセル監督と再びタッグを組む。34歳のミルナーにとってのキャリアハイのシーズンは、カウンセル監督の下で戦った2023年で、73登板で防御率1.82を記録した。

 今季、ミルナーはレンジャーズで73登板(70回1/3)を投げて防御率3.84、58三振、21四球を記録。スタットキャストによれば、主にスイーパー(35.1%)とシンカー(32.8%)を軸に、チェンジアップとフォーシームも交えるスタイルで、ゴロ率(53.8%)は上位9%と、打たせて取る投球が光った。

 ミルナーはサイドに近いアングルを生かし、今季は左打者を打率.208、OPS.526に抑えた。一方で、右打者には打率.295、OPS.820と痛打された。これはキャリアを通して変わらない傾向で、通算9シーズンで左打者には打率.221(OPS.608)、右打者には打率.277(OPS.794)を記録している。

 メイトンとミルナーを補強したが、カブスは依然としてリリーフ投手の補強を目指している。メイトンとの契約が2019年以来となるリリーバーとの複数年契約だったにもかかわらず、ホイヤー編成部長は複数年契約に前向きだ。救援右腕ブラッド・ケラーとの再契約、そしてピート・フェアバンクスとの契約は選択肢だ。また、カブスのターゲットと報じられていたロベルト・スアレスは、この日ブレーブスと3年契約に合意した。

 ホイヤー編成部長の下、カブスは球団組織内での育成やトレード、ウエーバー、あるいは短期契約など、小規模な動きでブルペン陣を構築することを好んできた。

「今は量重視のアプローチを取るのに適切な時期だと思う。自前の投手たちを使い、これから良くなれる投手を信じ、彼らを可能な限り育成する。だから、正直に言って、おそらく変動の少ない分野にリソースを投入したい。しかし同時に、ブルペンも非常に重要だ」と、ホイヤー編成部長は言う。

 その点、30歳のスナイダーとのマイナー契約は、復活の可能性がある投手にチャンスを与えるというカブスの典型的なブルペン戦略に適合している。

 スナイダーは2024年にマリナーズで好成績を残し、球種構成(フォーシームとスイーパーを多用)、42登板で防御率1.94、三振率27.8%を記録した。しかし、今季は24登板、防御率5.47と成績が悪化。球速は前年の94.2マイルから92.4マイルに低下していた。

 今季のスナイダーはケガに悩まされた。4月には左膝に打球を受け、6月には右前腕屈筋を負傷。その後、3Aに復帰したが、8月にアウトライトされ、今オフにFAとなった。カブスのブルペン陣は現状空きが多く、スプリングトレーニングの競争次第ではスポットを勝ち取るかもしれない。

 

 

 

2025.12.12 12:25 Friday

アスレチックスが救援右腕ライターJr.と1年契約 1年300万ドル(約4億6000万円)

 アスレチックスのデービッド・フォーストGMはウィンターミーティングを去る際、「いくつかの契約・トレードに近づいている」と示唆した。その翌日、アスレチックスは今オフ最初のメジャー契約を結んだ。

 アスレチックスが救援右腕マーク・ライターJr.と1年契約で合意したと、関係者がMLB.comに明かした。球団は身体検査を待っており、契約を正式発表していない。また、ESPNのジェシー・ロジャース記者によれば、年俸はおよそ300万ドル(約4億6000万円)だという。

 3月で35歳になるライターJr.は、今季ヤンキースで59試合に登板して、48回1/3を投げて防御率4.84、54三振、17四球を記録。ただ、先月ヤンキースからノンテンダーFAとなった。MLB通算6シーズンで防御率4.60、9セーブを挙げているライターJr.は、固定のクローザーがいない経験不足なアスレチックスのブルペン陣に貴重な経験をもたらすだろう。

「今チームにいるリリーフ投手陣には大きな信頼を寄せている。経験を積んだ投手に加わってほしいね。9回までは投げられなくても、7回か8回に投げられた経験のある投手がいれば、このチームを助けられるだろう」と、フォーストGMはウィンターミーティングでポッドキャスト「A’s Cast」に語っていた。

 ライターJr.は2025年のシーズン序盤、ヤンキースの重要なセットアップとして活躍。しかし、5月31日以降は防御率7.30と調子を崩した。依然としてライターJr.は多くの打ち損じを誘発しており(バレル率は上位12%、ハードヒット率は上位6%)、xERA(打球の質も加味される防御率の期待値)は3.72、FIP(投手の責任が大きい三振、四球、本塁打から算出される疑似防御率)は3.55と内容は優秀だった。

 ライターJr.は主に3球種を投げる。90マイル前半から半ばのシンカー、80マイル半ばのスプリット、そして70マイル半ばのカーブだ。カーブは似た球速・リリースポイントから投げられた他のカーブに比べ6.3インチ(16センチ)縦変化が大きく、過去2シーズンでは50%を超える空振り率を残した。決め球スプリットも有効な球種で、2024年は三振率33.6%(上位4%)を記録したが、今季は24.7%に急降下。三振の割合を戻せるかどうかが復活の鍵を握る。

 アスレチックスはハイレバレッジな状況でライターJr.を起用することになりそうだ。アスレチックスのブルペン陣はホーガン・ハリス、マイケル・ケリー、タイラー・ファーガソン、エルビス・アルバラードといった顔ぶれが並び、経験不足が課題。それでも2025年の後半戦では、状況に応じて最終回を任せる投手を変えるクローザー・コミッティーを採用し、ブルペン陣は好調だった。ブルペン陣の好調にも助けられ、アスレチックスは34勝24敗でシーズンを締めくくった。

 ライターという名前に聞き覚えがあるかも知れない。ライターJr.の父であるマークは、MLBで11シーズン投げた経験がある。そして、ライターJr.はオールスター左腕アル・ライターの甥であり、レンジャーズの先発右腕ジャック・ライターの従兄弟にあたる。

2025.12.12 10:18 Friday

ブレーブスが外野手補強 ヤストレムスキーとの2年契約を発表

 10日(日本時間11日)、ブレーブスはフリーエージェント(FA)の外野手マイク・ヤストレムスキーと2年2300万ドル(約34億5000万円)の契約を結んだことを発表した。

 年俸は2026年が900万ドル(約13億5000万円)、2027年が1000万ドル(約15億円)。2028年は球団側に選択権のある年俸700万ドル(約10億5000万円)のオプションとなっており、オプション破棄の場合、バイアウト(契約解除料)として400万ドル(約6億円)が支払われる。

 なお、ヤストレムスキー加入に伴い、ロースターの枠を空けるために、外野手マイケル・シアーニのDFA(=ロースターの40人枠から外す措置)が発表されている。

 35歳のヤストレムスキーは今季途中にトレードされ、ロイヤルズ移籍後に興味深い活躍を見せた。打率(移籍前.231、移籍後.237)と出塁率(移籍前.330、移籍後.339)はジャイアンツ時代とロイヤルズ時代で大差なかったが、長打力の面で飛躍的な向上を見せ、ジャイアンツでは97試合で14二塁打&8本塁打だったのに対し、ロイヤルズでは50試合で14二塁打&9本塁打を記録。その結果、長打率は移籍前の.355から移籍後は.500と急上昇し、OPSも.685から.839となった。シーズントータルでは147試合に出場し、打率.233、17本塁打、46打点、出塁率.333、OPS.736を記録している。

 ヤストレムスキーはオリオールズのマイナーで6年間を過ごしたあと、2019年、28歳にしてジャイアンツでメジャーデビュー。それ以降、今季途中にロイヤルズへ移籍するまでジャイアンツ一筋でプレーしてきた。特に最初の2シーズン(2019~20年)は好成績を残し、161試合に出場して打率.281、31本塁打、90打点、出塁率.357、OPS.892を記録。60試合制の短縮シーズンだった2020年にはナ・リーグMVP投票で8位にランクインした。

 それ以降、最初の2シーズンに匹敵する打撃成績を残すことはできず、2021~25年は打率.227、出塁率.316、OPS.741にとどまったが、今季途中にトレードで放出されるまでジャイアンツの主力選手としてプレーし続けた。メジャーデビュー以降の出場試合数、安打、二塁打、三塁打、本塁打、打点、四球、得点は同期間のジャイアンツの選手ではトップである。

 フライ系の打者であるヤストレムスキーは、本塁打が出にくいと言われるオラクルパークでも左打席から引っ張り方向へのパワーを発揮していた。また、長きにわたって安定した守備力を維持し、難しいと言われるオラクルパークの右翼を守りながらも2021年と2024年にはゴールドグラブ賞のファイナリストにも選ばれている。今季はガーディアンズのスティーブン・クワン(13)、ロッキーズのジョーダン・ベック(12)に次いで外野手ではメジャー3位タイとなる11補殺を記録。前半戦に記録した9補殺はメジャー最多だった。

 ブレーブスの外野陣は中堅にマイケル・ハリス2世、右翼にロナルド・アクーニャJr.という不動のレギュラーがいるため、ヤストレムスキーは「対右腕用の左翼手」としての起用が有力。MLB.comでブレーブスを担当するマーク・ボーマンは「ヤストレムスキーが左翼を守る日はジュリクソン・プロファーがDHに回るだろう」と予想している。

2025.12.11 11:28 Thursday

ヒートアップする二塁手市場 Dバックス・マルテのトレードはあるか

 ダイヤモンドバックスのマイク・ヘイゼンGMが正二塁手ケテル・マルテのトレードに関する問い合わせに耳を傾ける意向を示してから約1カ月が経過したが、オールスター選出3度の二塁手がトレードされるという噂は現在も絶えない。

 MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、マルテをめぐる市場はヒートアップしており、レッドソックス、ブルージェイズ、マリナーズ、レイズ、フィリーズなどが移籍先の候補に挙がっているという。ジ・アスレチックの報道によると、レッズもマルテ獲得を検討しているようだ。

 マルテは今季も素晴らしいパフォーマンスを見せ、126試合に出場して28本塁打、OPS.893、WAR4.6(ファングラフス版)を記録。2023年以降、WAR(15.3)とwRC+(140)の両方でトップ15にランクインしており、直近2年間はいずれもオールスター選出&シルバースラッガー受賞とメジャーを代表する二塁手として活躍を続けている。

 こうした活躍に加え、ダイヤモンドバックスと結んでいるリーズナブルな契約もマルテの価値を高めている。契約は残り5年9100万ドル(約136億5000万円)で、6年目となる2031年シーズンは年俸1150万ドル(約17億2500万円)の選手オプション。マルテの市場価値を考えれば、格安と言っていい契約だ。よって、ダイヤモンドバックスがマルテのトレードで極めて大きな対価を求めているのは当然と言えるだろう。

 マルテが中心となっている二塁手市場だが、もう1人ビッグネームが登場した。MLBネットワークのジョン・ポール・モロシによると、今季31本塁打を放ったブランドン・ラウ(レイズ)がトレードされる可能性が高まっているという。先月、レイズは年俸1150万ドル(約17億2500万円)の球団オプションを行使。来季が契約最終年となり、ラウは1年後にフリーエージェント(FA)となる。レッズが獲得に興味を示していることが報じられているほか、モロシは10日(日本時間11日)、パイレーツが獲得に向けてトレード交渉中であることを報じた。

 マルテとラウを獲得できなかったチームは、もう1人のトレード候補であるブレンダン・ドノバン(カージナルス)を狙うはずだ。地元紙の報道によると、ジャイアンツ、マリナーズ、ロイヤルズ、パイレーツなどがドノバン獲得に興味を示しているという。ドノバンは堅実な打撃力を持ち、内外野を守れるユーティリティプレーヤーで、FAになるまであと2年保有できるため、トレード市場での価値は高い。マルテほどではないものの、こちらも獲得のためには大きな対価が必要になるだろう。

2025.12.11 10:38 Thursday

強打者アロンソ獲得のオリオールズ 次はトレードで先発補強か

 ジ・アスレチックの報道によると、オリオールズはカイル・シュワーバーの獲得を目指し、5年1億5000万ドル(約225億円)を提示。これはフィリーズがシュワーバーと再契約を結んだ条件と同額だった。あと一歩でシュワーバー獲得を逃したオリオールズだが、すぐにターゲットを変更。10日(日本時間11日)に強打者ピート・アロンソと5年1億5500万ドル(約232億5000万円)で合意した。

 アロンソが加入したことにより、オリオールズの一塁はさらに混雑する。アロンソのほかにもコビー・メヨ、ライアン・マウントキャッスルと右打ちの一塁手が2人おり、球団ナンバーワン有望株の捕手サミュエル・バサヨも一塁を守ることができるからだ。しかし、2年連続で全162試合に出場しているアロンソが加わり、バサヨが一塁手として起用される可能性は限りなく低くなった。また、メヨとマウントキャッスルの出場機会にも大きな影響を与えるだろう。

 オリオールズはすでにテイラー・ウォードをトレードで獲得しており、外野に関しても人員余剰気味であることが指摘されている。しかし、野手が余っているのはオリオールズにとって好ましい状況と言える。余った野手をトレードの駒として、先発投手の補強に動くことができるからだ。

 ジ・アスレチックの報道によると、オリオールズはマーリンズの右腕エドワード・カブレラの獲得を狙っているチームの1つだ。また、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシは、オリオールズが左腕マッケンジー・ゴアのトレードについて、ナショナルズと交渉を行っていることを報じている。もしナショナルズとのトレードが実現すれば、この2球団間のトレードは、2001年10月に殿堂入り選手のティム・レインズが当時のエクスポズからオリオールズに移籍して以来となる。

 トレードでの先発投手補強を目指す一方、オリオールズはフリーエージェント(FA)市場にも目を向けている。MLBネットワークのジョン・ヘイマンは8日(同9日)、オリオールズが左腕レンジャー・スアレスに関心を示していることを報じた。地元紙の報道によると、オリオールズはアロンソ獲得後も引き続きスアレスに興味を持っているようだ。また、モロシはオリオールズが左腕フランバー・バルデスとも交渉を行っていることを報じている。

 低迷した2025年シーズンからの巻き返しを図るオリオールズは今オフ、最も積極的に動いているチームの1つだ。アロンソとウォードのほか、クローザーのライアン・ヘルズリーと控え外野手のレオディ・タベラスをすでに獲得。打線はかなり強化されており、最大の課題である先発投手の補強に成功すれば、来季は再び上位進出を狙えるはずだ。

2025.12.11 09:45 Thursday

アロンソとディアスを失ったメッツは今後どのように動くのか

 球界屈指の資金力を誇るメッツだが、打線に大きな穴が開くことになってしまった。10日(日本時間11日)、フリーエージェント(FA)となっていた主砲ピート・アロンソがオリオールズと5年1億5500万ドル(約232億5000万円)で合意したことが明らかになったのだ。長年、正一塁手として活躍してきたスラッガーの穴をどう埋めるのだろうか。

 メッツが失ったのはアロンソだけではない。9日(同10日)には守護神エドウィン・ディアスがドジャースと合意したことが報じられ、メッツはわずか25時間のあいだに主砲と守護神を失った。ブルペンに関してはすでにデビン・ウィリアムスを獲得しているため、ディアスの代わりのクローザーは確保できている。しかし、アロンソの穴を埋めるのは容易ではない。

 アロンソとディアスの退団により、メッツにはあらゆる補強を実現できるだけの補強資金がある。アロンソの打撃力をほかの選手で代替するのであれば、カイル・タッカーやコディ・ベリンジャーといった大物FA選手がターゲットとなるだろう。MLBネットワークのジョン・ヘイマンは10日(同11日)、メッツがタッカーの動向を注視していることを報じた。また、ベリンジャーの獲得を狙っているとの報道もある。どちらを獲得したとしても、今季38本塁打、126打点、OPS.871を記録したアロンソが抜けた穴をカバーすることに貢献してくれるはずだ。

 しかし、どちらの選手も「フルタイムの一塁手」という穴を埋めることはできない。アロンソが2019年のメジャーデビュー以来、7シーズンにわたって担ってきた役割である。強打の外野手を獲得することでアロンソの打撃力をカバーする場合、一塁には現有戦力のマーク・ビエントスあたりをコンバートするのが最も現実的な選択肢となりそうだ。アロンソに代わる「右打ちの一塁手」がほしいのであれば、岡本和真も選択肢の1つとなるだろう。

 また、今季後半戦の急失速の原因となった先発陣の補強に注力するという道もある。MLB.comのマーク・フェインサンドによると、メッツは最近、右腕マイケル・キングとオンラインで面談を行ったようだ。また、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシは、メッツが先月、左腕フランバー・バルデスと面会していたことを報じている。

 お金をかけているわりには投打とも選手層が薄く、様々な課題を抱えているメッツ。アロンソ、ディアスとの再契約に使うはずだった資金が余っており、優勝を狙えるチームを作るために、デービッド・スターンズ編成本部長の手腕が問われるオフシーズンとなりそうだ。

2025.12.11 09:08 Thursday

エンゼルスが元有望株グリッソムを獲得 ミナシアンGMは開花に期待

 9日(日本時間10日)、エンゼルスは有望株の外野手アイゼイア・ジャクソンを放出し、レッドソックスからかつてのトッププロスペクトである内野手ボーン・グリッソムを獲得。内野陣の層を厚くした。

 エンゼルスはここ2年は不振に苦しみ、マイナーオプション(ウエーバーを介さずに選手を直接マイナーへ降格させられる回数)を失ったグリッソムにチャンスを与えようとしている。グリッソムは二塁、三塁、遊撃、外野など複数のポジションを経験しており、フリーエージェント(FA)で退団したルイス・レンヒーフォの代役となり得る。

「彼はエンゼルスに来て競争することになる。彼はかつて球界のトップ100に入る有望株だった。私は彼をドラフトしたときのブレーブスにいた。彼は才能があり、われわれが探していたようなコンタクト力に長けた打者。しかし、保証はない。エンゼルスに来て、競争して、どうなるかを見ることになる」と、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは語った。

◆トレードの詳細 エンゼルス獲得:内野手ボーン・グリッソム レッドソックス獲得:外野手アイゼイア・ジャクソン(球団25位有望株)

 現在24歳のグリッソムは、21歳で迎えた2022年にデビューし、41試合で打率.291、出塁率.353、長打率.440、5本塁打、5盗塁、18打点と活躍。しかし、2023年は23試合の出場にとどまり、打率.280、出塁率.313、長打率.347、0本塁打、9打点と成績を落とした。そして2024年の開幕前にクリス・セールとのトレードでレッドソックスに移籍した。

 レッドソックスへ移籍後も、グリッソムは不振を脱出できなかった。2024年は31試合で打率.190、出塁率.246、長打率.219、0本塁打、6打点と苦しみ、続く今季はMLBでの出場なし。3Aでは96試合で打率.270、出塁率.342、長打率.441、13本塁打、48打点と平均以上の打撃成績を残したが、9月上旬に足底筋膜炎と診断されシーズンを終えた。

 しかし、グリッソムは現在健康を取り戻した上、ミナシアンGMは環境の変化がプラスに作用すると叶えている。エンゼルスは数年前からグリッソムに注目しており、ロン・ワシントン監督もブレーブスでのコーチ時代にグリッソムを寵愛していた。

「時には環境を変える必要がある。彼はかつて非常に有望視されていたし、もちろん、大物選手とのトレードもあった。ある場所でうまくいかなくても、別の場所でより適したプレーが見つかることもある。だから、そうなることを期待しているんだ」と、ミナシアンGM。

 さらにミナシアンGMは、グリッソムが抱える改善点を既に特定していると語っている。グリッソムはマイナーでは打率.303、出塁率.392、長打率.458を記録しているが、その実力を安定してMLBでは発揮できていない。

「あの打撃には可能性を感じている。彼に言わせれば、ここ数年は彼が望んでいたようには進んでいないだろう。それでも、彼は24歳で、まだまだ大きな可能性を秘めている。だから、チャンスを掴む価値があると感じた」

 ただ、グリッソムに競争させるとミナシアンGMが語った通り、エンゼルスはまだ内野手を補強するつもりだ。昨年の股関節手術の影響でアンソニー・レンドンが来季も欠場すると見込まれるため、二塁手と三塁手は人手が足りていない。 「三塁でも二塁でも、われわれはどの部分においても活発に動いている。今年は期待していたような結果にはならなかった。だから、ローテーション、ブルペン、内野、外野など、チームを強化するチャンスはたくさんある」と、ミナシアンGMは語る。

 エンゼルスは仮に二塁手を補強できた場合、有望株クリスチャン・ムーアを二塁から三塁へ転向させることに前向きだ。ただ、グリッソムはブレイクを果たさない限り、控え選手としての役割が主になるだろう。40人枠には、他に元有望株のオズワルド・ペラザがユーティリティの役割を狙っている。

 ミナシアンGMも、ムーアの三塁転向を検討していることを認めた。 「かつてわれわれと一緒に試したことでもあるから、それ(三塁転向)に対しては間違いなく前向きだ。ただ二塁手の打力、そして誰が二塁を守るかに依る。われわれは残りのオフシーズンも、伸びしろのある質の高い選手を加えるために注力する」

 一方、交換要員となったジャクソンはアリゾナ州立大学出身で、2025年ドラフトでエンゼルスから8巡目指名を受けて入団。今季は1A+トライシティで10試合に出場し、打率.219、1本塁打、4打点を記録し、MLBパイプラインではエンゼルスの球団有望株ランキングで25位に入っていた。ジャクソンが退団した今、マイナーリーグとアリゾナ・フォールリーグで大活躍した外野手ラウディ・ロドリゲスが代わりに球団有望株ランキングに名を連ねている。 ミナシアンGMは「彼をトレードするのは辛かった。ドラフトでは彼を高く評価していたが、スタッフの功績は大きい。9巡目で指名し、それを将来性あるメジャーリーガーだと信じる選手に育て上げたのは、彼らの功績だ」と語った。

2025.12.10 16:00 Wednesday

救援右腕フィネガンとタイガースが再契約で合意 2年1900万ドル(約29億円)

 タイガースの刷新されたブルペン陣に大きな戦力が戻って来る。タイガースは9日(日本時間10日)、救援右腕カイル・フィネガンと2年1900万ドル(約29億円)で合意したと関係者がMLB.comに明かした。球団は身体検査の結果を待っており、契約は正式発表されていない。

 34歳のフィネガンは今夏のトレードデッドラインでナショナルズからタイガースに加入。デビューから一筋で過ごしたナショナルズでは通算108セーブを挙げるなど、主にクローザーとして活躍したが、タイガースでもブルペン陣の中心として好投した。デトロイト生まれ、テキサス育ちのフィネガンは移籍後、16登板(18イニング)で防御率1.50、4セーブ、23三振、4四球をマーク。ナショナルズでは40登板で防御率4.38と振るわなかったが、奪三振力を向上させ、故郷でキャリアでも最高の時期を送った。

 フィネガンとタイガースはシーズン終了後、双方とも再契約に前向きだった。ただ、シーズン終盤にかけて好調だったフィネガンは、リリーフ市場の加熱に伴い、人気が高騰。ライアン・ヘルスリー、デビン・ウィリアムズ、エドウィン・ディアスといった大物クローザーが高額の複数年契約を結んだ今、フィネガンは残されたリリーフ市場でもトップクラスの投手だった。

 結果的に古巣タイガースが2年1900万ドルの契約でフィネガンを射止めた。この契約はタイガースにとって、2021年オフのアンドリュー・チェイフィン以来となるFAの複数年契約(チェイフィンはオプトアウトを行使して1年目限りで退団)。それ以前では2016年の開幕前にマーク・ロウと結んだ2年契約に遡り、タイガースが救援投手と複数年契約を結ぶのは稀だ。

 フィネガンは、ウィル・ベスト、タイラー・ホルトン、ブレナン・ハニフィー、ブラント・ハーターらと、タイガースのブルペン陣の中心を担う。タイガースは引き続き、ハイレバレッジな状況を任せられるリリーフ投手の獲得を目指すと予想される。

2025.12.10 15:28 Wednesday

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