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2025年の「オール・ルーキー・チーム」にカーツ、ホートンらが選出

 今季は新人選手の話題が盛りだくさんのシーズンだった。

 2024年のドラフト指名選手から8人がメジャー昇格を果たし、そのうちの1人であるニック・カーツ(アスレチックス)は球界屈指の左の強打者としての地位を確立した。また、カーツの同僚であるジェイコブ・ウィルソンは高いコンタクト能力を存分に発揮。メジャー最高勝率をマークしたブルワーズでもアイザック・コリンズ、ケイレブ・ダービン、ジェイコブ・ミジオロウスキー、チャド・パトリックといった新人選手の活躍が光った。

 ポストシーズンでもメジャー1年目の選手たちが主役となり、キャム・シュリットラー(ヤンキース)やトレイ・イェサベージ(ブルージェイズ)はまだメジャー経験が浅いにもかかわらず、マウンド上で歴史的なパフォーマンスを披露した。

 今季トップクラスの活躍を見せた新人選手たちを称えるために、MLB Pipelineが選出した「オール・ルーキー・チーム」のファーストチームとセカンドチームの顔ぶれを見ていこう。

◆ファーストチーム

捕手:ドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)

 チームが低迷する中、ボールドウィンは捕手として大きな希望の光となり、124試合で打率.274、19本塁打、出塁率.341、長打率.469を記録。FanGraphsが算出する総合指標WARは新人3位の3.1をマークした。パワーとコンタクトを兼ね備えた左打席からの強打を武器に、オープン戦で正捕手の座を手中に収め、チームを牽引した。

一塁手:ニック・カーツ(アスレチックス)

 昨年のドラフト全体4位で指名された強打者は、4月23日にメジャーデビューを果たすと、117試合に出場し、いずれも新人トップとなる長打率.619、OPS1.002、36本塁打、86打点、63四球、長打64本、260塁打を記録。一塁手の中でカーツ(4.6)より高いfWARを記録した選手はブレーブスのマット・オルソン(4.7)しかおらず、打撃貢献度を表すwRC+も400打席以上出場した選手の中ではヤンキースのアーロン・ジャッジ(204)、ドジャースの大谷翔平(172)に次いでメジャー3位となる170をマークした。

二塁手:ルーク・キーシャル(ツインズ)

 4月18日にメジャーデビューしたキーシャルだが、右前腕を骨折して3カ月の長期欠場。しかし、フィールドに戻ってくると、与えられた出場機会を最大限に活用した。49試合のみの出場ながら打率.302、4本塁打、14盗塁、出塁率.382、長打率.445の好成績をマーク。200打席以上の新人二塁手の中で唯一、平均(100)以上のwRC+を記録した(キーシャルのwRC+は134)。

三塁手:ケイレブ・ダービン(ブルワーズ)

 守護神デビン・ウィリアムスとのトレードでヤンキースから加入したダービンは、メジャー1年目から驚異的なコンタクト能力、堅実な守備、平均以上のスピードを発揮し、存在感を示した。言い換えれば、今季のブルワーズに完璧にフィットしたと言える。136試合に出場し、打率.256、11本塁打、18盗塁、出塁率.334、長打率.387を記録した。

遊撃手:ジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス)

 2023年ドラフト全体6位指名のウィルソンは、前評判通りの驚異的なコンタクト能力を発揮し、メジャー3位の打率.311をマーク。三振率はわずか7.5%で、パドレスのルイス・アライズ(3.1%)に次いでメジャー2位の数字だった。予想通り、強い打球を打つ打者ではなかったが、それでも13本塁打を記録。新人遊撃手の中で2番目に多かった。

外野手:ロマン・アンソニー(レッドソックス)

 アンソニーは6月9日にメジャーデビューしてから9月上旬に左脇腹を痛めてシーズンを終えるまで、特に後半戦の戦いではチームで最も信頼できる打者となった。71試合で打率.292、8本塁打、出塁率.396、長打率.463をマーク。300打席以上の新人選手で140以上のwRC+を記録したのは、カーツとアンソニーの2人だけだった。また、外野の守備でもOAA(Outs Above Average=平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+6を記録。攻守にわたってチームに貢献した。

外野手:アイザック・コリンズ(ブルワーズ)

 2022年オフにマイナーのルール5ドラフトで指名されたコリンズは、ブルワーズ傘下のマイナー球団でユーティリティプレーヤーとして活躍していたが、今季はメジャー屈指の守備力を誇る左翼手となり、OAA+5を記録(ガーディアンズのスティーブン・クワンの+6に次いで左翼手2位)。一方、攻撃面での強みはストライクゾーン外のボールに手を出さないことで、四球率12.9%はアンソニー(13.2%)に次いで新人2位だった。130試合で打率.263、9本塁打、16盗塁、出塁率.368、長打率.411をマークし、総合指標WARはFanGraphs版が2.6、Baseball-Reference版でも2.1を記録した。

外野手:ジェイコブ・マーシー(マーリンズ)

 マーシーは8月1日にメジャーデビューし、8月は30試合に出場して打率.352、長打18本、9盗塁、出塁率.430、長打率.629の大活躍。最終的には55試合に出場して打率.292、5本塁打、14盗塁、出塁率.363、長打率.478という成績を残し、センターの守備では守備範囲の広さと強肩が高く評価された。攻守にわたる活躍により、ファーストチームの外野の最後の1枠に滑り込んだ。

指名打者:コルソン・モンゴメリー(ホワイトソックス)

 モンゴメリーは今季序盤、マイナー3Aシャーロットで苦戦し、シーズン中の「リセット」のためにアリゾナのキャンプ施設へ送り返された時期があったが、これは見事に功を奏した。メジャーではわずか71試合の出場で21本塁打を量産。新人2位タイにランクインし、メジャーデビューした7月4日以降ではメジャー全体でも10位タイの本数だった。長打率.529はカーツに次いで新人2位。今回は指名打者での選出となったが、遊撃手として守備範囲の広さをアピールし、OAA+6をマークしたことも記しておこう。

先発投手:ケイド・ホートン(カブス)

 ホートンは7月20日以降、12度の先発登板でいずれも自責点2以下に抑え、61回1/3を投げて防御率1.03をマークした。シーズントータルでは118イニングを投げ、100イニング以上の新人投手の中でベストの防御率2.67を記録。WHIP1.08と安定した投球を見せ、97三振を奪った一方、与えた四球は33個だけだった。右胸郭の骨折でポストシーズンは投げられなかったが、今後のカブスの先発ローテーションにおいて重要な戦力となりそうだ。

先発投手:ノア・キャメロン(ロイヤルズ)

 キャメロンは今季の新人投手の中で最も頑丈かつ安定したパフォーマンスを続けた。新人5位の138回1/3を投げただけでなく、防御率2.99は100イニング以上を投げた投手の中でチーム2位(トップはクリス・ブービッチの2.55)。5つの球種をバランスよく投げ分け、すべての球種を14%から26%の割合で使用していた。

救援投手:マット・スバンソン(カージナルス)

 カージナルスのブルペンで複数のイニングを投げるリリーバーとして活躍したスバンソンは、60イニング以上の新人投手の中でベストの防御率1.94、WHIP0.88、被打率.160を記録。シンカー、スイーパー、カットボールを織り交ぜた投球で、60回1/3を投げ、68三振を奪った。

◆セカンドチーム

捕手:カルロス・ナルバエス(レッドソックス) 一塁手:トロイ・ジョンストン(マーリンズ) 二塁手:キム・ヘソン(ドジャース) 三塁手:マット・ショウ(カブス) 遊撃手:チェイス・マイドロス(ホワイトソックス) 外野手:デイレン・ライル(ナショナルズ) 外野手:ジェイク・マンガム(レイズ) 外野手:デンゼル・クラーク(アスレチックス) 指名打者:カイル・ティール(ホワイトソックス) 先発投手:チャド・パトリック(ブルワーズ) 先発投手:シェーン・スミス(ホワイトソックス) 救援投手:マイク・バシル(ホワイトソックス)

2025.11.10 11:02 Monday

メッツがベリンジャー獲得を狙う可能性 再びヤンキースとの争奪戦か

 昨オフ、若き天才打者フアン・ソトをめぐって熾烈な争奪戦を繰り広げたニューヨークの2球団が、今オフも強打の外野手をめぐる争奪戦を展開するかもしれない。Sports Illustratedのパット・ラガーゾは「メッツが今オフ、本格的にコディ・ベリンジャーの獲得を狙ったとしても驚きではない」と報じている。

 30歳のベリンジャーは今季、ヤンキースで152試合に出場して打率.272、29本塁打、98打点、13盗塁、OPS.814をマーク。29本塁打と98打点はともに、ナ・リーグMVPに輝いた2019年以降では最多の数字だった。ベリンジャーはオプトアウトの権利を行使して来季の年俸2500万ドル(約37億5000万円)を破棄し、フリーエージェント(FA)となった。

 メッツはセンターが弱点だ。今季はタイロン・テイラー、ジェフ・マクニール、セドリック・マリンズが主に起用されたものの、マリンズはFAとなり、ラガーゾによると、マクニールはトレード要員になる可能性があるという。テイラーは来季も保有権が残っているが、今季の打撃成績(OPS.598)を考えると、コンテンダー(優勝候補)のレギュラーとしては物足りない。

 また、メッツは主砲ピート・アロンソがオプトアウトの権利を行使してFAとなり、アロンソが他球団に移籍した場合は一塁手の補強も必要となる。こうした状況の中、一塁と外野3ポジションを守れるベリンジャーはメッツのチーム事情に極めてフィットする存在と言える。

 ヤンキースもベリンジャーとの再契約を目指すとみられており、昨オフのソトに続き、今オフもニューヨーク2球団による争奪戦が繰り広げられることになるかもしれない。ヤンキースに移籍した今季、大都市ニューヨークでも活躍できることを証明したベリンジャーは、同じニューヨークを本拠地とするメッツにとっても魅力的な補強ターゲットだ。

2025.11.10 09:25 Monday

今季38本塁打の強打者ピート・アロンソがメッツに残留する可能性は?

 昨オフ、メッツからフリーエージェント(FA)となったピート・アロンソは長期大型契約を目指したものの、希望通りのオファーを得られず、最終的にはオプトアウト付きの2年契約でメッツに残留した。

 2024年シーズンの不振から脱却し、今季は全162試合に出場して打率.272、38本塁打、126打点、OPS.871をマーク。自身初のシルバースラッガー賞に輝くなど、納得のシーズンを過ごした上で、オプトアウトの権利を行使して再びFAとなった。

 FA市場で長期大型契約を狙うアロンソだが、メッツは今オフもアロンソの引き留めに動くのだろうか。

 Sports Illustratedのパット・ラガーゾは、アロンソの去就について「アロンソがチームフレンドリー(球団側に有利)な契約に応じない限り、メッツはFA市場のアロンソ争奪戦から手を引くことになるだろう」と予想している。

「アロンソはFA市場で高額年俸を得る可能性が高い。来月31歳になる一塁手に対し、メッツが長期契約をオファーすることを良しとするかどうかは、もう少し様子を見る必要がありそうだ」とラガーゾは付け加えた。

 そして、ラガーゾによると、メッツはアロンソが残留しない場合、ヤンキースからFAとなったコディ・ベリンジャーの獲得に動く可能性があるという。ベリンジャーは大都市ニューヨークで活躍できることを今季証明しただけでなく、一塁以外に外野3ポジションを守れるため、アロンソより起用の幅も広がる。

 アロンソがチームフレンドリーな契約に応じる姿勢を見せない場合、メッツはアロンソ争奪戦から撤退し、ベリンジャー争奪戦に注力していくことになるのかもしれない。

2025.11.10 08:55 Monday

2025MLBの各アウォード発表日程

 ワールドシリーズが終わり、オフシーズンが開幕したMLBは、これから各アウォードの発表ラッシュが始まる。各アウォードの発表の日付は以下の通りだ。

11月10日(日本時間11日):BBWAA新人王

 アウォード・ウィークの幕開けは新人王だ。この賞は、1947年に初代受賞者となったジャッキー・ロビンソンの名を冠した、歴史ある栄誉だ。昨季は、ヤンキースのルイス・ヒルとパイレーツのポール・スキーンズが受賞した。

11月11日(日本時間12日):BBWAA最優秀監督賞

 各リーグの最優秀監督に贈られるこの賞は、レギュラーシーズンのみの成績に基づいて毎年授与される。昨季の受賞者は、ア・リーグではスティーブン・ボート(ガーディアンズ)、ナ・リーグではパット・マーフィー(ブルワーズ)だった。

11月12日(日本時間13日):BBWAAサイ・ヤング賞

 サイ・ヤング賞は1956年から授与されている。1956年から1966年まではMLB全体で成績優秀の投手に授与されていたが、1967年以降は各リーグから1名の投手に授与されている。昨季はタイガースのタリック・スクーバルとブレーブスのクリス・セールが受賞。スクーバルは2年連続で戴冠する可能性が高く、ナ・リーグではスキーンズが最有力候補と目されている。

11月13日(日本時間14日):BBWAA MVP

 大谷翔平(ドジャース)は直近5シーズンで4度目、ドジャース移籍後では2年連続のMVP受賞の可能性が高い。一方、ア・リーグでは昨季受賞したアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と、捕手として史上初の60本塁打を放ったカル・ローリー(マリナーズ)の一騎討ちとなる。

11月13日(日本時間14日):オールMLB

 オールMLBは、オールスター選出が前半戦の成績に基づいていることを踏まえ、選手のシーズンを通しての貢献を称えるために2019年に導入された。今年のノミネート選手の中から、MLB.comでファン投票が行われ、各ポジション(外野手3名、指名打者1名、先発投手5名、リリーフ投手2名)のファーストチームとセカンドチームを選出する。 オールMLBファーストチームとセカンドチームは、11月13日にMLBネットワークで放送されるMGMリワード主催の「MLBアウォード」で発表される。ハンク・アーロン賞、カムバック賞、マリアノ・リベラ&トレバー・ホフマン賞(年間最優秀リリーフ投手賞)、エドガー・マルティネス賞(年間最優秀指名打者賞)、そして年間最優秀エグゼクティブ賞の受賞者も同番組内で発表される。

11月13日(日本時間14日):ハンク・アーロン賞

 各リーグで最も優れた攻撃力を発揮した選手に毎年贈られるハンク・アーロン賞の受賞者は、ファン投票と殿堂入り選手で構成される審査員団によって決定される。昨季はアーロン・ジャッジと大谷翔平がそれぞれのリーグでこの賞を受賞した。

11月13日(日本時間14日):カムバック賞

 カムバック賞は、逆境を乗り越えてMLBで高いレベルのパフォーマンスを取り戻した各リーグの選手1名を表彰する賞だ。昨季、ア・リーグではギャレット・クローシェ(当時ホワイトソックス)が受賞し、ナ・リーグではブレーブスのクリス・セールがサイ・ヤング賞とダブル受賞した。

11月13日(日本時間14日):リベラ/ホフマン最優秀救援投手賞

 2014年に創設されたこの賞は、殿堂入りクローザーのマリアノ・リベラとトレバー・ホフマンにちなんで名付けられ、各リーグの最優秀救援投手に贈られる。昨季はア・リーグではガーディアンズのエマニュエル・クラセ、ナ・リーグではカージナルスのライアン・ヘルスリーに贈られた。

11月13日(日本時間14日):エドガー・マルティネス賞(年間最優秀指名打者賞)

 最優秀指名打者賞は、1973年にア・リーグで初めて指名打者制度が導入されて以来授与されており、2004年に5度の受賞で殿堂入りしたエドガー・マルティネスに敬意を表して改名された。大谷翔平は過去4シーズン連続でこの賞を受賞しており、2025年にも再び受賞する可能性が高い。

11月13日(日本時間14日):年間最優秀エグゼクティブ賞

 この賞は今年はサンアントニオで開催されるGM会議で発表される。投票はポストシーズン開始前に終了するため、ポストシーズンの結果は考慮されない。昨季はブルワーズのマット・アーノルドGMが受賞した。

11月13日(日本時間14日):ハート&ハッスル賞

 この賞はMLB選手OB会が主催し、OBと現役選手の投票によって選出される。この賞は「野球への情熱を示し、野球の価値観、精神、伝統を最もよく体現している」現役選手に贈られる。30チームからそれぞれ1名の候補者が選出され、その中から受賞者が選出される。受賞者はMLBネットワークの「ホットストーブ」で当日発表される予定だ。昨年の受賞者はロイヤルズの遊撃手、ボビー・ウィットJr.だった。

2025.11.9 16:45 Sunday

カブス、GM会議での5つの注目ポイント

 ワールドシリーズ終了後の最初の1週間は、これから始まるオフシーズンの土台を築く週だった。ドジャースが新たな優勝トロフィーを掲げ、パレードを催す一方で、カブスをはじめとする球団は、ロースター構成や移籍の可能性について、内部で真剣な議論を重ねていた。

 来週からラスベガスで開催されるGM会議の到来とともに、オフシーズンの動きはさらに加速するだろう。これは、オフシーズン初となる、全30球団の代表者と選手代理人が一堂に会し、今後数ヶ月で実現する(あるいは実現しない)契約について協議を始める機会となる。

GM会議中にカブスについて注目すべき5つのポイントは以下の通りだ。

今永昇太が残留する可能性は?

 カブスは今永との契約に含まれていた3年間の球団オプションを破棄。それによって与えられた1年1525万ドル(約23億円)の選手オプションを今永が拒否したことで、今永はフリーエージェント(FA)となった。FAとなった今永に対し、カブスは2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイング・オファー(QO)を提示した。

 QOを受けた選手は11月18日までに諾否を決めなければならない。今永にとってはQOを受諾すれば、1年あたりの年俸は増額する。しかし、GM会議で他球団からどのような複数年契約のオファーがあるか、あるいはカブスが条件を見直した延長契約を提示する可能性があるかを早期に把握できる。

カイル・タッカーとの再契約は現実的か?

 今永はQO受諾の可能性があるが、タッカーのQO拒否は確実だ。タッカーは今冬のFA市場で間違いなくトップクラスの攻撃力を持ち、高額な長期契約を勝ち取る可能性が高い。ただ、QOを拒否されても、カブスはドラフト指名権の補償を得ることができる。

 カブスはタッカーとの再契約交渉に動くと予想されているが、流出の可能性は高いだろう。カブスはタッカーとの契約の成否にかかわらず、打線を強化する術を見つけなければならない。アレックス・ブレグマンと村上宗隆は興味深いFA候補だ。

先発ローテーションをどう整備するか

 今永のFA決定以前も、カブスは先発ローテーションの強化を必要としていた。FA市場で投手を探すのも一つの選択肢だ。ディラン・シース、フランバー・バルデス、レンジャー・スアレス、マイケル・キングなどが有力候補に挙がっている。日本のスター選手、今井達也が西武ライオンズからポスティングされれば、興味深い選択肢となるだろう。カブスは今季のトレードデッドラインでジョー・ライアン(ツインズ)、サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)、エドワード・カブレラ(マーリンズ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)といった投手を検討していたこともあり、トレードの可能性も考えられる。

ブルペンをどう立て直すか

 今季終盤のカブスのブルペン陣の大半はもはやチームに残っていない。アンドリュー・キットリッジはオリオールズにトレードされ、ブラッド・ケラー、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツはFAとなった。複数年契約で大物リリーフ投手を狙うのはカブスのやり方ではない(昨年のタナー・スコット争奪戦への参戦は稀な例外だった)。シカゴのフロントは、リリーフ陣の再構築に向けて、短期契約、小規模なトレードを模索し続けると予想される。

ケイド・ホートンは新人王を獲得するか

 10日(日本時間11日)はGM会議が始まるだけでなく、全米野球記者協会が毎年恒例の表彰式を開始する夜でもある。まずは新人王の発表が行われ、ホートンはナ・リーグのファイナリストの一人だ。彼は捕手のドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)と内野手のケイレブ・ダービン(ブルワーズ)と競うことになる。

2025.11.9 14:18 Sunday

期待を上回る活躍ができそうな7人のFA選手

 注目すべきストーリーにあふれる2025-26オフシーズンが到来した。誰もが認めるフリーエージェント(FA)市場のNo.1選手カイル・タッカーはどこへ行くのか?どんな契約になるのか?優秀なFA市場の先発投手陣はどこへ行くのか?

 市場の大物の動向も興味深いが、それ以外の選手たちの行く先も注目すべきだ。この記事ではFA市場で期待以上の活躍を見せそうな選手を7人紹介。今回は、MLB.comのマーク・ファインサンド氏が選ぶFA選手ランキングトップ30にランクインしていないフリーエージェントのみを対象とした。

ブランドン・ウッドラフ、先発右腕

鍵を握る数字:xERA2.19、64回2/3で83三振14四球

 ウッドラフは肩の手術のため2024シーズンを全休し、2025年7月6日に復帰を果たした。ただ、その後も背筋の負傷によりレギュラーシーズン終盤の数週間とポストシーズン全試合を欠場したため、2025年シーズンの先発登板はわずか12試合にとどまった。

 しかし、この12度の先発登板でウッドラフは好投。64回2/3を投げて防御率3.20、83三振、14四球を記録した。さらに、 xERAという指標は、ウッドラフのパフォーマンスは見かけよりさらに良かったことを示唆している。被打球の質や三振、四球から算出されるxERA(期待防御率)はより客観的に投手の実力を測れる指標とされ、ウッドラフはそのxERAでリーグ上位1%をマークした。

 ただ、ウッドラフには紛れもないリスクがある。来季開幕時には33歳になり、2023年以降はケガの影響でわずか23試合しか先発していない。しかし、2026年に万全の体調を取り戻し、怪我前の球速(今季はピーク時に比べて3マイル球速が低下)を取り戻せば、再び第一線の先発投手として活躍できる可能性がある。また、ブルワーズがウッドラフに1年総額2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイングオファー(QO)を提示したことで、ウッドラフがFA市場に出ない可能性もある。ウッドラフは11月18日までにQOの諾否を決断しなければならない。

ライアン・オハーン、一塁手

鍵を握る数字:wRC+127、xwOBA.350

 オハーンは2025年のオールスターゲームでア・リーグの指名打者として先発に選ばれ、6番打者でスタメン出場した。そしてトレードデッドラインでは目玉の一人となり、パドレスへ移籍したため、決して無名ではない。とはいえ、オハーンはピート・アロンソ(メッツからFA)やジョシュ・ネイラー(マリナーズからFA)ら有力な一塁手が揃うFA市場では目立たない存在となっており、フェインサンドのトップ30ランキングからは漏れ、ジ・アスレチックのリストでも27位にしか入っていない。

 オハーンは2025シーズンにキャリア最高のシーズンを送った。初のオールスターゲーム出場を果たし方ほか、出場試合数(144)、OPS(.803)、本塁打(17)、wRC+(127)、そして総合指標fWAR(3.0)でキャリアハイを記録。2025年のオハーンの打球の質などから攻撃貢献度を測るxwOBA (.350)も上位26%にランクインし、彼の打撃成績が正真正銘の実力だったことを証明した。

 オハーンは109打席で左腕に対してOPS.832(通算OPS.642)を記録しており、左に弱いイメージを払拭。一塁手や外野手も守れるため、プラトーンではなくレギュラーとして計算されるだろう。32歳のオハーンは遅咲きの選手だが、優勝候補チームの打線の中軸を担う真の選択肢となる可能性がある。

ジャスティン・バーランダー、先発右腕

鍵を握る数字:FIP3.85、fWAR2.2

 バーランダーは43歳となる来季も時の流れに逆らい続けられるだろうか。もし2025シーズンのパフォーマンスを継続できるならば、バーランダーはまだ数シーズン投げられるかもしれない。ジャイアンツで152イニングを投げ、防御率3.85、FIP3.85という成績は、バーランダーが運に助けられたわけではないことを示唆している。2024年の成績(防御率5.48、FIP4.78)は、キャリアが終わりに近づいていることを示唆していたかもしれないが、バーランダーは復活した。

 もちろん、40代半ばに差し掛かれば、パフォーマンスが完全に低下する可能性は誰にでもある。とはいえ、バーランダーには普通ではない部分もある。いつかクーパーズタウンに入る選手であり、2022年には39歳でサイ・ヤング賞を受賞した。バーランダーの直球の球速は依然として高く(2025年時点で93.9マイル)、先発投手としては堅実な空振り率(三振率20.7%)を維持している。

 バーランダーが圧倒的な強さを見せていた時代は過ぎ去ったが、150イニング以上を投げればリーグ平均並みの成績を残すことができ、多くのチームが喜んで獲得するだろう。この年齢では1年契約になる可能性が高いが、多くのチームにとって頼りになる選択肢となるだろう。

ザック・エフリン、先発右腕

鍵を握る数字:2023-24シーズンの59試合で防御率3.54、FIP3.37

 エフリンが2024年シーズン後にフリーエージェントになっていたら、おそらく市場で最高の先発投手の一人になっていただろう。しかし残念ながら、エフリンは2025年にキャリア最悪のシーズンの一つを経験した。腰痛に悩まされ、わずか71回1/3しか投げられず、防御率は5.93にとどまった。奪三振率は16.2%に低下し、xERAは4.54にまで急激に悪化した。

 それでも、今季まではエフリンは優秀な投手だった。2023-24の2シーズンで先発投手の中で上位20位に入る防御率(3.54)とFIP(3.37)を記録。この2年間、エフリンは2年連続でワイルドカードシリーズ第2戦の先発を任された。エフリンは、優れた制球力(与四球率3.5%)、高い三振率、そして弱い打球を誘う能力で、この時期に傑出した先発投手だった。

 エフリンの獲得を目指すチームは、2023-24シーズンの彼の活躍を、彼の復活の可能性を信じる根拠として見出すだろう。来年4月に32歳になるエフリンは、健康状態が万全であれば、あの調子を取り戻すことができるだろう。

マイク・ヤストレムスキー、外野手

鍵を握る数字:2023-25シーズンでfWAR5.8、wRC+107

 ヤストレムスキーはMLBで7シーズン連続で安定した成績を残している外野手だ。2019年のデビュー以降、ヤストレムスキーは毎シーズン1.5以上のWARを記録しており、OPSが.700を下回ったのは一度だけだ(2022年は.697)。短縮された2020年シーズンでは54試合に出場し、OPS.968、WAR.1.9を記録したが、それ以外は毎年.750前後のOPSと1.5~2のWARを稼いだ。

 特に35歳という年齢を考えると、ヤストレムスキーに伸びしろはないだろう。ヤストレムスキーはこれまで左腕相手には苦戦してきましたが(通算OPS.648)、右腕相手には通算OPS.809を誇り、プラトーン役にうってつけだ。また、耐久力も高く、毎シーズン少なくとも106試合に出場しており、ここ2年間はそれぞれ140試合以上に出場している。

 ヤストレムスキーは、堅実な左打ちの外野手をラインナップに加えたいコンテンダー(優勝候補チーム)を含め、どのチームにとっても歓迎される補強となるだろう。

タイラー・ロジャース、救援右腕

鍵を握る数字:2021-25シーズンで374登板、防御率2.71

 ロジャースは過去5年間、クローザー以外のリリーフ投手の中で屈指の実力者だった。2021年以降、ロジャースは374試合に登板し、いずれも70イニング以上を投げ、防御率2.71という優れた成績を残している。また、今季はジャイアンツとメッツで計81試合、77回1/3を投げ、自己最高の防御率1.98を記録し、自己最高のシーズンを送ったばかりだ。

 12月に35歳になるロジャースは、今日の球界においてまさに唯一無二の投手であり、極端なアームアングルを持つサブマリンピッチャーだ(2020年以降、マイナス61度のアームアングルはメジャーリーグで断トツの低さ)。ロジャースはシンカーとフリスビースライダーを完璧な精度で投げ分け(2025年の四球率は2.3%)、相手に長打を打たせない。これらの要素を総合的に考慮すると、右打者、左打者を問わず、相手に厳しい対戦を強いる他に類を見ない投手だと言える。

ウィリ・カストロ、ユーティリティ

鍵を握る数字:2023-24シーズンでwRC+107、WAR5.4

 カストロは2023年から2025年7月までツインズで出場した368試合で、打率.250、出塁率.335、長打率.398、wRC+107、WAR6.5を記録し、2024年にはオールスター選出も果たした。2025年にトレード移籍したカブスでは厳しい結果(34試合でOPS.485)に終わり、フリーエージェントになる前にアピールはできなかった。しかし、カストロは今でも文字通りフィールドのあらゆる場所でプレーできる便利屋だ。

 メジャーリーグでの7年間で、カストロは一塁と捕手を除く全てのポジションで出場している(そう、マウンドでは4回2/3を投げている)。2023年以降、平均以上の打撃成績を残しているカストロは、内野と外野の複数のポジションをこなせる能力を備えており、どの球団にとっても貴重な戦力となるでしょう。また、カストロは来年4月まで29歳にならないため、フリーエージェント市場で最も若い選手の一人です。

その他の選手

ニック・マルティネス(先発右腕)、ビクター・カラティーニ(捕手)、ライセル・イグレシアス(救援右腕)

2025.11.9 12:59 Sunday

ドジャースの外野手ディーンがジャイアンツに移籍 連覇に貢献

 ジャイアンツは外野手ジャスティン・ディーンをドジャースから、左腕レイバー・サンマーティンをレッズからそれぞれウエーバーで獲得。40人枠の空きを確保するため、右腕メイソン・ブラックがDFAされた。

 28歳のディーンは今季ドジャースの連敗に貢献。レギュラーシーズンの出場はわずか18試合にとどまったが、守備力と走塁力を買われてポストシーズンのロースター(出場選手登録)に名を連ねた。

 ワールドシリーズ第6戦では頭脳プレーで見せ場。2点リードの九回にセンターを守るディーンの頭上を二塁打が襲ったが、打球がフェンスに挟まったのを見て、ボールデッドをアピールした。打者、走者の進塁を機転によって防ぎ、ドジャースはその後リードを守り切って逆王手をかけた。

 また、3Aでは打力も発揮。90試合で打率.289、OPS.809、6本塁打、27盗塁を記録していた。

 ジャイアンツはエリオット・ラモスと李政厚(イ・ジョンフ)の2人がレギュラーとして確定。残り1つのポジションをドリュー・ギルバート、ルイス・マトス、ジラール・エンカルナシオンと、新加入のディーンらで争うと見られている。

 サンマーティンはレッズで4シーズンを過ごし、通算62登板で防御率5.66を記録。29歳の左腕は2023年7月にトミージョン手術を受け、昨季はMLBで登板なしに終わったが、今季はMLBの舞台に復帰した。

 MLBではわずか1登板のみだったが、3Aでは46登板(67回1/3)で防御率2.67、55三振と堅実な成績だった。サンマーティンの存在はジャイアンツの投手陣の層を厚くするだろう。

 代わりに25歳のブラックがロースターから外れた。ブラックは2021年のドラフト3巡目指名を受けたが、過去2年間ジャイアンツで10試合(先発8試合)登板し、防御率6.47と低迷。2025年には3Aで30試合登板し、防御率5.81を記録、最後の5試合からはブルペンに転向した。

2025.11.8 16:44 Saturday

マリナーズGM、ネイラーとの再契約は「最優先事項」 村上、岡本へ影響か

 マリナーズのジャスティン・ホランダーGMがMLBネットワークラジオのインタビューで大胆な発言をした。ホランダーGMはFAとなった一塁手ジョシュ・ネイラーについて、オフシーズンの「最優先事項」だと発言した。

 ホランダーGMは「素晴らしいフィットだったし、間違いなく今オフシーズンのわれわれの最優先事項だ。一つでなくても、他に何があるのか​​分からないが、ネイラーは今やナンバー1だ」と語った。

 ネイラーに関するコメントは、レギュラーシーズン最終盤にホランダーGMが述べていたことと同じだ。しかし、ワールドシリーズ進出まであと1勝に迫りながら痛恨の敗戦から一段落した今、ホランダーGMはネイラーとの再会への期待を高めている。マリナーズがネイラーと再契約したいと強く願っていることは明らかだ。

 来季29歳になるネイラーは、今季147試合に出場して打率.295、20本塁打、29二塁打、92打点、30盗塁を記録。7月のトレードデッドラインを前にダイヤモンドバックスからマリナーズへ移籍し、マリナーズのポストシーズンでの進撃を支えた。

 「ジョシュはわれわれのクラブハウスにぴったりで、ポジション的にも必要なポジションを担ってくれる。左打ちで、一塁を守り、走塁も上手い。多くのことをこなせる。ジョシュを長期的に獲得できれば、素晴らしいことだろう。チームにとてもフィットしているし、われわれの最優先事項だ」と、ホランダーGMはネイラーを称賛。ネイラー側も再契約に関心を持っていると伝えられており、実現の可能性はあるかもしれない。

 ネイラーの契約規模は4年から5年で年平均2000万ドル(30億円)程度と見込まれている。フリーエージェント(FA)市場ではピート・アロンソ(メッツからFA)に次ぐ有力な一塁手と見られている。アロンソはネイラーより高い打力を誇るが、ミドルマーケット球団のマリナーズにとっては、3歳近く若く、守備・走塁がアロンソより上手く、さらに契約が安く収まりそうなネイラーの方がよりふさわしい候補だ。

 仮にネイラーとの再契約が成立すれば、ホランダーGMが2016年末にジェリー・ディポト球団編成部長が率いるマリナーズに加入してから、野手として最高額の契約になるだろう。2017年からの野手最高額はミッチ・ガーバーと結んだ2年2400万ドル(37億円)、投手最高額はロビー・レイとの5年1億1500万ドル(176億円)だ。

 マリナーズの予算状況から判断すると、今オフはディポト/ホランダー体制以降では最大規模の資金的余裕があるとされる。その額はフロントの発言から推測するに3000~3500万ドルと考えられる。

 「これは常に目標だった。計画的に、これまでやってきたことを着実に積み重ねていくこと。与えられたリソースがあれば、チャンピオンシップレベルのチームを編成するのに十分な能力があると確信している。そして、ここ数年のように、適切な位置に立てば、次のことに積極的に取り組めると確信している」と、ディポト編成部長は語る。

 ネイラーの他にはマリナーズは2人の主軸野手がFAとなる。三塁手のエウヘニオ・スアレスの復帰の可能性は低いが、ポストシーズンで大活躍したホルヘ・ポランコとの再契約はまだ可能性が残される。ポランコは2026年の選手オプションを破棄し、長期契約を求めてFAとなった。

 編成トップはディポト氏とはいえ、ホランダーGMはNo.2として近年のマリナーズの契約やトレードの一部を指揮し、成功に導いてきた。カル・ローリーやルイス・カスティーヨとの契約延長、レイとガーバーとの契約、そして今夏にスアレスとネイラーのトレードを主導したのもホランダーGMだった。だからこそ、ホランダーGMのネイラーに対する発言は、ネイラーとの交渉において誰より大きな影響力を持つであろう意思決定者から発せられたものととらえることもできる。

 また、マリナーズとネイラーの動きは日本人選手にも影響を与えるだろう。今オフ、日本球界から村上宗隆(25)と岡本和真(29)の2選手がポスティングでメジャー挑戦を目指す。共に一塁・三塁を守る2選手にとって、内野のコーナーに穴を抱え、かつ日本人選手とのつながりも強いマリナーズは有力な移籍先と考えられていた。しかし、マリナーズがネイラーとの再契約に成功すれば、日本人の大砲との契約に乗り出す可能性が下がるだろう。

2025.11.8 13:30 Saturday

レイズが守護神フェアバンクスの球団オプションを破棄 

 レイズのオフシーズンのやることリストに新たな項目が加わった。守護神ピート・フェアバンクスの穴埋めだ。

 レイズは二塁手ブランドン・ラウの球団オプションを行使し、テイラー・ウォールズの契約に新たなオプションを追加するなど、忙しく補強に動いた。一方、クローザーのフェアバンクスの来季の球団オプション(1100万ドル)を破棄し、100万ドルのバイアウトを支払った。フェアバンクスはフリーエージェント(FA)となっている。

 レイズにとって、フェアバンクスがブルペンに与えた影響と、タンパベイのクラブハウスとコミュニティにもたらした独特の個性を考えると、これは決して軽々しく下した決断ではなかった。2019年7月に加入したフェアバンクスは、レイズの5年連続ポストシーズン進出(2019年から2023年)に貢献し、三振(2位)、セーブ数(3位)、登板数(4位)、投球回数(7位)において、チーム歴代リリーフランキングの上位に名を連ねている。

 「フェアバンクスはフィールド上で多くの特別な出来事に関わってきた。地域社会への貢献、そして彼ならではの、ユニークで記憶に残る方法でファンと交流してきたことなど、本当に感謝すべき点がたくさんある。だからこそ、このような決断は難しい。それら全てがなかったとしても、それは依然として難しい決断だったが、冬を迎えるにあたり、柔軟性を持たせるためには、この決断をする必要があると感じた」と、球団編成部長のエリック・ニアンダー氏は語った。

 レイズは選択肢をすべて理解せずにこの動きをしたわけではない。このシナリオでは、レイズは100万ドルを支払いましたが、見返りは何も得られなかった。もしレイズが球団オプションを行使した上でフェアバンクスを放出し、トレードで見返りを得られるならばそうしたはずだろう。

 しかし、限られた予算、ブルペンの層の厚さ、そしてオフシーズンに取り組まなければならないその他の分野(外野、捕手、遊撃手、ローテーション)を考慮した上で、レイズはそう決断せざるを得ないと感じたのだ。

 「われわれは市場についての考えや、自分たちにできる様々なことを把握していたが、同時に、早い段階で十分な機動性を確保し、球団内で支援や改善が必要な他の分野にも目を向けられるようにしたいとも思っていた」とニアンダー氏は語った。

 レイズはフェアバンクスの穴をどう埋めるだろうか。最終的にはクローザーを固定せず状況に応じて最終回を任せる「クローザーコミッティー」を導入するだろう。

 キャッシュ監督はこれまでも、役割を固定せずにブルペンを運用することを好んできた。これは、有利なマッチアップを模索し、投手を成功に導くための最適なポジションを確保できるためだ。しかし、レイズはフェアバンクスに対してアプローチを変え、セーブシチュエーションで1イニングを投げる伝統的なクローザーに起用したが、来季は状況が変わる可能性がある。

 レイズは、左右のセットアッパー(ギャレット・クレビンジャー、エドウィン・ウセタ)の2人を擁する。ウセタは前半戦こそ苦戦したものの、後半戦は圧倒的な活躍を見せ、2024年シーズンの調子を取り戻した。さらに、7月にはトレードデッドラインを前にグリフィン・ジャックス(ツインズから)とブライアン・ベイカー(オリオールズから)という剛腕を獲得している。

 「今年の夏、われわれは今季以降もチームに残せるリリーフ投手を数人獲得したので、ブルペンには厚みができた」とネアンダーは語った。

 さらに剛腕ハンター・ビギー、セットアップ役も担ったマニュエル・ロドリゲスも負傷者リストから復帰。それ以外にも才能豊かな投手が揃い、加えて得意のマイナー契約からの才能発掘にも期待がかかる。

 2025シーズンの7月は、チームが失速する中でブルペン陣が問題となった。しかし、ブルペン陣の巻き返しに期待できるデータもある。

 レイズのブルペン陣は昨季、三振率が26%でMLB2位だった。四球率は8.1%で、カブスの7.9%に次いでMLBで2番目に低かった。また、ブルペン陣の中ではxFIP(フライ率、三振、四球などから算出される疑似防御率)が最も低かった。多くの点で好成績を残していたものの、肝心な場面で失速してしまった。

 「ブルペン陣を見ていく上で、直近の成果を無視したくはない。しかし、将来や将来のパフォーマンスを予測する上で、どの部分が最も影響力を持つのかを常に把握しようとしている。このブルペン陣の面々については、かなり良い感触を持っている。もちろん、今後も改善策を模索していくつもりだ」と、ニアンダー氏は語った。

2025.11.8 12:55 Saturday

ジャッジの再来? 元中日ブランコの息子が有望株の見本市で売り出し中

 トニー・ブランコJr.はたしかにそれらしく見える。身長6フィート7インチ(201センチ)、体重243ポンド(110キロ)の巨躯に背番号は99。アーロン・ジャッジ(ヤンキース)を彷彿とさせるが、ジャッジではない。ブランコJr.が打席に入ると、まるで「ボールの皮をえぐるほどかっ飛ばす」という古い格言を体現しているかのようだ。そしてボールがバットに当たると、どんなレベルの打者でもほとんど出せないような音が鳴り響く。

 パイレーツ傘下に所属する20歳のブランコJr.は、有望株の見本市とされる「アリゾナ・フォールリーグ」に参加している。2週目では464フィート(141メートル)の特大弾と、打球初速120.4マイル(194キロ)の二塁打を連日放ち、持ち前のパワーを発揮した。

 「野球のプレーだけでなく、ブランコJr.は素晴らしい人間で、一生懸命努力するいい子だ。彼の才能は本当に大きい。勤勉さも並外れている。毎日準備万端で球場にやって来ますし、特にリーグの中でも若い選手の一人であることを考えると、この瞬間は彼にとって大きすぎるものではないと思う」と、ブランコJr.が所属するソルトリバ・ラフターズのエリック・パターソン監督(パイレーツ3Aのベンチコーチ)は語った。

 ブランコの飛距離は間違いなく驚異的だ。しかし、この20歳(リーグでも8番目に若い)を特に稀有な存在にしているのは、打球の速度だ。10月17日に放った打球初速120.4マイル(194キロ)の二塁打によって、スタットキャスト導入(2015年)以降で打球初速120.4マイル以上の打球を放ったわずか7人の打者の1人となった。

ジャンカルロ・スタントン(16本) オニール・クルーズ(6本) アーロン・ジャッジ ブラディミール・ゲレーロJr. ロナルド・アクーニャJr. ゲーリー・サンチェス

 上記の6人の強打者は全員がアリゾナ・フォールリーグを経験している。

 ブランコJr.はわずか45打席(68位)にしか立っていないが、打球速度ランキング上位50位のうち、他のどの選手よりも多い5本のランクインを誇っている。レギュラーシーズンでも1Aブレイデントンでリーグの打球速度ランキングの上位6位の打球すべてをブランコJr.が記録していた。

 パイレーツで同僚の有望株エズメルリン・バルデスは「すごいよ」と、ブランコJr.のパワーを簡潔に称賛した。

 現役時代にはエイドリアン・ベルトレ、デービッド・オルティス、フランク・トーマスといった殿堂入り選手とプレーしたパターソン監督も「バットの音が違う」と語る。

 「打った時は、何も感じない。手には何も感じない。ただ打ったという感覚だけで、それだけなんだ」とブランコJr.は涼しい顔だ。

 ブランコJr.のパワーの秘密の一つには優秀なDNAもある。父トニー・ブランコは20年前にアリゾナ・フォールリーグに参加した有望株で、2008年から日本球界へ移籍。日本で大砲としてのキャリアを築き上げた。

 しかし、父は4月にドミニカ共和国で事故によって他界。今季は前半戦はケガに苦しむなど、試練も味わった。

 2005年に父が成し遂げたようにメジャーリーグに昇格し、そして父も成し遂げられなかったメジャーの舞台での活躍という究極の目標のためには、パワーだけでは足りないとブランコJr.は自覚している。マイナーでの通算打席数は362で、好成績を残しているもののまだ技術は未熟だ。

 「どんな球種でも打てる練習に集中している。年初は少し苦労したから、神様にとても感謝している。でも、今はうまくいっている」と、ブランコJr.。

 「ブランコJr.は自由にプレーしていて、思い切り打つことを恐れない。彼には明らかに驚異的なパワーのポテンシャルがある。でも、本当に良い打者になる可能性もあると思う。ホームランだけじゃない。完璧な打者になる可能性もあると思う」と、パターソン監督はブランコJr.の将来に大きな期待を寄せる。

 結局のところ、プロスペクトが秋季リーグに選出されるのはそのためだ。マイナー下級でプレーした打者は、レギュラーシーズンで直面するよりも、球速が速く、変化球が鋭く、そして打席で相手を攻めるための総合的なアプローチが優れている上位レベルの投手と対戦することになる。ブランコは、対戦してきた投手陣に感銘を受けていると述べている。彼らの投球を次々と打ち返してきたにもかかわらずだ。

 前述の464フィートの本塁打は、ストライクにはならないはずのスライダーを左中間まで引っ張って打ったものだった。これは一つの結果に過ぎないが、パイレーツのNo.30有望株である彼の今後の活躍を暗示している。

 「彼は自分が何をしているのか、本当によく分かっている。もちろん、微調整が必​​要な部分はあるが、間違いなく正しい方向に進んでいる」と、パターソン監督は語った。

2025.11.8 11:50 Saturday

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