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コントレラス獲得のレッドソックス 今後も打線強化を継続へ

 レッドソックスのチーフベースボールオフィサー(CBO)を務めるクレイグ・ブレスローは今オフ、打線強化の方法を模索しており、21日(日本時間22日)にはカージナルスとのトレードを成立させ、右打ちの一塁手ウィルソン・コントレラスの獲得に成功した。レッドソックスがトレードでカージナルスの主力選手を獲得するのは、右腕ソニー・グレイに続いて今オフ2人目だ。

 MLB.comでレッドソックスを担当するイアン・ブラウン記者によると、レッドソックスはコントレラス獲得後も打線強化を継続する方針だという。また、ジ・アスレチックのジェン・マカフリー記者も関係者から得た情報として同様の内容を伝えており、「アレックス・ブレグマンとの再契約が最優先事項であることは変わらない」と付け加えた。

 しかし、レッドソックスはブレグマンと再契約するために、他球団との争奪戦に勝利する必要がある。ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者は関係者から得た情報をもとに、ブレグマンの移籍先の有力候補としてブルージェイズとダイヤモンドバックスの名前を挙げている。ローゼンタール記者によると、カブスもブレグマン争奪戦に加わっているようだ。

 もしブレグマンとの再契約に失敗した場合、レッドソックスは代替案を考えなければならない。レッドソックスはブレグマン以外にも、フリーエージェント(FA)市場とトレード市場の両方で多くの野手に興味を持っていることが明らかになっており、すでに契約が決まったカイル・シュワーバー(フィリーズ)、ピート・アロンソ(オリオールズ)、ホルヘ・ポランコ(メッツ)、村上宗隆(ホワイトソックス)らにも関心を示していた。

 FA市場に残っている選手の中では、強打のスター遊撃手ボー・ビシェットを筆頭に、エウヘニオ・スアレス、岡本和真らが候補に挙がる。ただし、岡本はポスティング制度による移籍のため、交渉期限が1月4日(同5日)に迫っており、その時点ではまだブレグマンの去就がハッキリしていない可能性もある。

 トレード市場では、ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)、ブレンダン・ドノバン(カージナルス)、イサーク・パレイデス(アストロズ)、コリー・シーガー(レンジャーズ)らの名前が挙がる。ただし、レンジャーズはシーガー放出の可能性を否定しており、マルテに関してはレッドソックスが争奪戦から撤退したとの報道も出ている。

 一方、コントレラスの加入により、レッドソックスでの立場が不透明になった選手もいる。若手一塁手のトリストン・カサスだ。トレードの噂が絶えないジャレン・デュランとともに、今後有力なトレード候補となっていくかもしれない。

2025.12.23 11:26 Tuesday

ソト以外の外野陣が流動的なメッツ 今後大物外野手獲得に動くのか

 メッツは今オフ、大幅な選手の入れ替えを継続しており、22日(日本時間23日)には17歳のマイナー右腕ヨーダン・ロドリゲスとのトレードで元首位打者ジェフ・マクニールをアスレチックスへ放出した。

 マクニールの本職は二塁だが、今季は外野手としても48試合に出場し、中堅(34試合)を中心に右翼と左翼の守備もこなした。すでにマーカス・セミエンとのトレードでブランドン・ニモをレンジャーズへ放出し、今季途中に加入したセドリック・マリンズはフリーエージェント(FA)となってレイズと契約したため、マクニールの放出でメッツ外野陣はさらに手薄に。今後、大型補強に打って出る可能性はあるのだろうか。

 現状を考えれば、メッツが外野手の補強に動く可能性は高い。外野陣でレギュラー当確と言えるのは強打者フアン・ソトだけ。タイロン・テイラーはレギュラーとして起用するには打力が弱く、有望株カーソン・ベンジの実力も未知数だ。

 主砲ピート・アロンソと守護神エドウィン・ディアスがFAとなって他球団と契約したため、大物FA選手の獲得に使える資金は十分に残っており、メッツのフロントオフィスにもワールドシリーズ制覇を狙えるチームを作るためにお金を使う意思はある。そして何と言っても、カイル・タッカーとコディ・ベリンジャーという大物外野手2人がまだFA市場に残っているのだ。

 有力な外野手をトレードで獲得する可能性を除けば、タッカーもしくはベリンジャーを獲得するのはメッツにとって合理的かつ理想的な動きと言える。手薄な外野陣を強化できるだけでなく、アロンソ退団で戦力ダウンした打線をカバーすることもできるからだ。

 今季ポストシーズン進出を逃したメッツは、オフシーズン当初からタッカーもしくはベリンジャーを獲得する可能性が取り沙汰されていた。タッカーは今オフのFA市場の目玉として高い評価を受けており、ヤンキース、ブルージェイズ、ドジャースなども関心を示しているとみられる。ベリンジャーはヤンキースが再契約を目指しているほか、古巣ドジャースも獲得の可能性を探っているようだ。

 ソト以外の外野陣が流動的な現状を考えると、メッツにとってタッカーまたはベリンジャーの獲得は「マスト」と言えるかもしれない。2年ぶりのポストシーズン進出、そして1986年以来のワールドシリーズ制覇を成し遂げるために、お金と有望株をどのように活用していくのか。デービッド・スターンズ編成本部長の手腕が問われるオフシーズンとなりそうだ。

2025.12.23 10:33 Tuesday

マリナーズが左腕キラーを獲得 レフスナイダーと1年契約を結ぶ

 22日(日本時間23日)、マリナーズは優先順位の低かった補強ポイントに対処した。ベテラン外野手のロブ・レフスナイダーと1年契約を結んだのだ。

 レフスナイダーの年俸は625万ドル(約9億3750万円)で、最大25万ドル(約3750万円)の出来高も設定されている。今季レッドソックスでの年俸は210万ドル(約3億1500万円)だったため、大幅な昇給となった。これはジェリー・ディポート編成本部長とジャスティン・ホランダーGMがレフスナイダーを高く評価していることの証と言えるだろう。

 クラブハウスでの素晴らしい人間性と左腕に対する圧倒的な強さで知られるレフスナイダーは、外野のほか、一塁を守ることもできるため、正一塁手ジョシュ・ネイラーの控え、あるいはプラトーン要員としての起用が有力だ。もちろん、指名打者として起用される可能性もあり、本職の外野手として起用されるケースも出てくるだろう。

 マリナーズの外野陣は充実しており、左翼にランディ・アロザレーナ、中堅にフリオ・ロドリゲスがいる。右翼はドミニク・キャンゾーン、ルーク・レイリー、ビクター・ロブレスらの併用になりそうだ。ここにレフスナイダーも加わると、人員余剰になってしまう感は否めないが、ディポート編成本部長、ホランダーGM、ダン・ウィルソン監督はスプリングトレーニングを通して、各選手の役割分担を明確にするはずだ。

 さらに、レフスナイダー加入により、マリナーズのロースター40人枠はフルに埋まった。しかし、MLB.comが球団の事情に詳しい関係者から得た情報によると、インパクトのある打者を獲得する可能性が消滅したわけではないという。だが、今のところ、フリーエージェント(FA)やトレードによる強打者補強の実現が迫っているという情報はない。

 一方、レフスナイダーの獲得は、外野手が充実しているチーム状況を考えると、予想外の出来事だった。しかし、レフスナイダーの成績を詳しく分析すると、マリナーズが獲得に動いた理由が見えてくる。

 レッドソックスで過ごした直近4年間、レフスナイダーは左腕に対して最も強い右打者の1人だった。左腕と500打席以上対戦した81人のうち、ほぼすべての部門で上位にランクインしている。出塁率でレフスナイダーを上回るのはポール・ゴールドシュミット、アーロン・ジャッジという2人のMVP受賞者だけだ。

2022年以降、レフスナイダーの対左腕成績 (カッコ内はメジャー全体での順位)

打率.312(5位) 出塁率.407(3位) 長打率.516(12位) OPS.924(6位) wRC+(平均100)155(5位)

 ホランダーGMは「ロブは直近4年間、左腕に最も強い打者の1人であり、我々の打線にバランスとインパクトをもたらしてくれるだろう」と期待を寄せている。

 Cots Baseball Contractsが掲載している非公式データによると、レフスナイダーの加入により、マリナーズのペイロール(年俸総額)は約1億5750万ドル(約236億2500万円)となった。これは今季終了時点より約1000万ドル(約15億円)だけ少ない金額である。ディポート編成本部長は来季のペイロールについて「今季終了時点の金額が基準となる」といった旨の発言をしており、今オフの補強資金は残り1000万ドル程度となりそうだ。ただし、夏の時点でポストシーズン進出のチャンスがあれば、さらに増額する予定だという。

 レフスナイダーは2012年ドラフト5巡目指名でヤンキースに入団。2015年のメジャーデビュー時には球団5位の有望株として評価されていた。メジャー10年間で6球団に在籍しており、ヤンキースのほか、ブルージェイズ、レイズ、レンジャーズ、ツインズ、レッドソックスでもプレーした。

 メジャーで安定した地位を得るようになったのは、2021年オフにマイナー契約でレッドソックスに加入して以降だ。直近4年間は主に「4人目の外野手」としてプレーし、309試合に出場して打率.276、出塁率.364、長打率.440、wRC+124と堅実な働きを見せた。

 レッドソックスで過ごした4年間は、平均77試合に出場。2024年の93試合が最も多く、今季は70試合に出場した。

 注目されるのは、レフスナイダーがフェンウェイパーク(メジャーで最も打者有利な球場の1つ)からT-モバイルパーク(メジャーで最も打者不利な球場の1つ)に移ることにどのように対応するかということだろう。

 35歳で来季開幕を迎えるレフスナイダーは、マリナーズ史上4人目の韓国出身選手となる。2005~06年に秋信守(チュ・シンス)、2007年に白嗟承(ベク・チャスン)、2016年に李大浩(イ・デホ)が在籍した。

2025.12.23 09:40 Tuesday

アスレチックスが正二塁手確保 元首位打者マクニールをトレードで獲得

 アスレチックスは今オフ、投手補強に重きを置いているが、野手陣にもいくつかの課題が残っている。そんな中、22日(日本時間23日)にはメッツとのトレードを成立させ、課題の1つに対処した。アスレチックスはマイナー右腕のヨーダン・ロドリゲスを放出。元首位打者のジェフ・マクニールを獲得した。

 MLB.comが関係者から得た情報によると、マクニールの年俸の一部として、メッツからアスレチックスへ金銭575万ドル(約8億6250万円)が譲渡される。ちなみに、マクニールの契約は残り1年1775万ドル(約26億6250万円)だ。なお、アスレチックスはロースターの枠を空けるために、左腕ケン・ウォルディチャックのDFA(=選手をロースターの40人枠から外す措置)を発表している。

トレードの詳細 アスレチックス獲得:内野手兼外野手ジェフ・マクニール、金銭 メッツ獲得:マイナー右腕ヨーダン・ロドリゲス

 アスレチックスはア・リーグ新人王のニック・カーツのほか、ジェイコブ・ウィルソン、ブレント・ルーカー、シェイ・ランゲリアーズ、タイラー・ソダーストロム、ローレンス・バトラーといった好選手を揃えており、来季はメジャー全体でも有数の強力打線を形成することが期待されている。しかし、二塁と三塁のポジションが空いており、今オフはこの2ポジションを強化する方法を模索していた。

 現在アスレチックスのロースターに登録されている経験の浅い選手たちと対照的に、来年4月8日に34歳の誕生日を迎えるマクニールはすでにメジャーの舞台で実力を証明している。2022年に首位打者のタイトルを獲得し、メッツ一筋のメジャー8年間で通算打率.284、出塁率.351、長打率.428をマーク。今季は122試合に出場し、打率.243、12本塁打を記録した。

 メッツから金銭が譲渡されるため、マクニールの来季の年俸のうち、アスレチックスが負担するのは1000万ドル(約15億円)だけ。また、2027年シーズンの契約は年俸1575万ドル(約23億6250万円)の球団オプション(=球団側に選択権がある契約条項)となっており、200万ドル(約3億円)のバイアウト(=契約解除料)が設定されているが、アスレチックスがこのオプションを行使しなかった場合、バイアウトはメッツが負担することになっている。

 マクニールはアスレチックスが高く評価する選手のタイプにピッタリと当てはまる。汎用性が高く、本職の二塁に加えて外野3ポジションでも堅実なプレーを見せる。依然としてコンタクト能力も優秀で、今季の空振り率16.6%と三振率11.9%はいずれもメジャー全体の上位10%前後の数値である。

 トレードの対価としてメッツへ移籍する17歳のロドリゲスはキューバ出身の右腕。今年1月に国際アマチュアFA選手として契約金40万ドル(約6000万円)で入団したばかりで、アスレチックスの有望株ランキング上位30人にはランクインしていなかった。

 マクニールの加入により、正遊撃手ウィルソンと形成する二遊間コンビは相手投手にとって最も厄介な1・2番コンビとなる可能性もある。ウィルソンは今季523打席でわずか39三振と非常に三振が少なく、マクニールも今季462打席で55三振にとどめた。相手投手はなかなか三振を奪うことができず、苦労するはずだ。

 アスレチックスは今後、三塁手の補強を狙うと思われるが、マクニールの加入で二塁のポジションが埋まったため、ダレル・ヘルネイズ、マックス・マンシー、ブレット・ハリスといった若手選手たちに三塁のポジションを競わせる可能性もある。なお、今回のトレードにより、左肩脱臼からのリハビリ中でスプリングトレーニング開始に間に合わない可能性がある二塁手ザック・ゲロフの今後の起用法は、さらに不透明になった。

2025.12.23 08:57 Tuesday

ア・リーグ王者のブルージェイズがブレグマン獲得を検討中か

 驚くべきことではないが、レッドソックスからフリーエージェント(FA)となったアレックス・ブレグマンは複数のチームの補強ターゲットとなっている。ジ・アスレチックの報道によると、今季のア・リーグ王者もブレグマン獲得に興味を示しているようだ。

 ブルージェイズは今オフ、ボー・ビシェットとの再契約を目指していることが噂されているが、その一方でカイル・タッカーの獲得に乗り出す可能性も取り沙汰されている。ブレグマンはビシェットとの再契約、もしくはタッカーの獲得に失敗した場合の「プランB」とみられていたが、実態はそうではないかもしれない。

 ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者は「ブルージェイズは左打者を打線に加えるのが理想的な動きだ。しかし、守備の布陣を考えた際、左打者のタッカーやコディ・ベリンジャーよりも、右打者のブレグマンやビシェットのほうがチームにフィットする」と伝えている。また、ローゼンタール記者は、ブレグマンが持つ卓越したリーダーシップが「決め手」になる可能性があるとの見解も示している。

 ブルージェイズにはアストロズ時代にブレグマンとチームメイトだったジョージ・スプリンガーとマイルズ・ストローがおり、ブレグマンがスムーズにチームに溶け込む姿は容易に想像できる。また、ブルージェイズは今オフすでにディラン・シース、コディ・ポンセ、タイラー・ロジャースを獲得して投手陣の強化を進めており、ブレグマン獲得で打線強化に成功すれば、1993年以来となるワールドシリーズ制覇への期待はさらに高まる。

 もしブルージェイズがブレグマン獲得に成功すれば、ゴールドグラブ二塁手のアンドレス・ヒメネスを遊撃に回し、ユーティリティのアーニー・クレメントをフルタイムの二塁手として起用。そして、内外野を守れるアディソン・バージャーを主に外野手として起用していくことになるだろう。

 もちろん、ビシェットと再契約を結ぶ可能性も残されており、ア・リーグ王者の今後の動きに注目が集まる。

2025.12.22 11:26 Monday

レッドソックスがコントレラス獲得へ 岡本争奪戦にも影響か

 MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、レッドソックスは右腕ハンター・ドビンスを含む3選手とのトレードでカージナルスからウィルソン・コントレラスを獲得する計画のようだ。なお、トレード拒否権を持つコントレラスが移籍を承諾する必要があるため、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 レッドソックスからカージナルスへ移籍するのは、ドビンス、右腕ジョイカー・ファハード、右腕ブレイク・アイタの3選手。一方、カージナルスからレッドソックスにはコントレラスの年俸の一部として金銭800万ドル(約12億円)が譲渡される。

 今オフ、カージナルスの編成本部長に就任したハイム・ブルームにとって、古巣レッドソックスとのトレードは2件目。ブルーム編成本部長は先月、右腕ソニー・グレイをトレードでレッドソックスへ放出している。

 カージナルスは2022年オフ、引退した名捕手ヤディアー・モリーナ(ゴールドグラブ賞9度)の後継者として、コントレラスと5年8750万ドル(約131億2500万円)の契約を結んだ。ところが、移籍早々にコントレラスのリード面が不安視されるようになり、指名打者として起用した時期もあった。

 移籍2年目の2024年は捕手として大きな成長を遂げたコントレラスだが、強打者J・D・マルティネスのバットが左前腕に直撃するというアクシデントに見舞われ、骨折して6週間を欠場。カージナルスはコントレラスの守備の負担を軽減し、打撃力を生かすために、2025年シーズンから一塁へのコンバートを決断した。コントレラスは新たなポジションでOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+6を記録。メジャー4位タイという好成績を残し、多くの人々を驚かせた。

 33歳のコントレラスは、カージナルスに在籍した3年間でオールスター選出が1度もなかったものの、少なくとも打撃面ではチームの期待に応え続けた。今季は20本塁打を放ち、31二塁打は自己最多。直近3年間で打率.261、55本塁打、183打点、出塁率.338、長打率.459をマークしている。

 岡本和真の獲得に興味を示していることが報じられていたレッドソックスだが、コントレラス獲得で一塁のポジションが埋まったため、岡本の争奪戦から撤退する可能性も出てきた。ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)獲得の可能性も消滅したとみられており、今後は「最優先事項」に掲げるアレックス・ブレグマンとの再契約、もしくはボー・ビシェットの獲得を目指すことになりそうだ。

2025.12.22 10:40 Monday

村上のホワイトソックス移籍が決定 岡本の争奪戦も本格化か

 移籍市場で注目されていたスラッガーの1人、村上宗隆の移籍先が決まった。45日間の交渉期間終了が迫る中、21日(日本時間22日)にホワイトソックスと2年契約を結んだことが発表された。

 村上が移籍市場から消えたことにより、スラッガー獲得を狙ういくつかのチームは、補強ターゲットを別の日本人選手に変更する可能性がある。読売ジャイアンツからポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指している岡本和真だ。

 20日(同21日)、MassLive.comのクリス・コティーロ記者は、レッドソックスが村上と岡本の動向をチェックしていることを報じた。アレックス・ブレグマンとの再契約を「最優先事項」としているレッドソックスだが、フリーエージェント(FA)のボー・ビシェットやエウヘニオ・スアレス、ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)、イサーク・パレイデス(アストロズ)らほかの内野手にも興味を示しており、ブレグマン流出に備えた代役候補として岡本の名前が浮上していても不思議ではない。

 また、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマン記者は今月に入り、ブルージェイズとパイレーツが29歳の右打者である岡本に興味を示していることを報じていた。

 岡本の交渉期限は米東部時間1月4日午後5時(日本時間1月5日午前7時)。よって、岡本にはまだ2週間ほど時間が残されている。もし期限までに契約が成立しなければ、岡本は来季も読売ジャイアンツでプレーすることになるが、その可能性は低いだろう。

 岡本は空振りが多い村上よりも「完成度の高い打者」と評価されている。村上よりコンタクト能力が高いだけでなく、十分なパワーも備えており、2018~23年には6年連続で30本塁打以上を記録。今季はケガの影響で77試合の出場にとどまったが、それでも打率.327、15本塁打、OPS1.014をマークした。NPBの11シーズンで通算1074試合に出場し、打率.277、248本塁打、OPS.882を記録している。

2025.12.22 09:21 Monday

ヤンキースが先発要員を確保 右腕ブラックバーンと再契約合意

 MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、ヤンキースは右腕ポール・ブラックバーンと再契約を結ぶことで合意したようだ。契約条件は1年200万ドル(約3億円)で、ブラックバーンが80イニング、90イニング、100イニング、110イニング、120イニングに到達するたびに10万ドル(約1500万円)の出来高が支払われるという。なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 投球イニングに応じた出来高が設定されているのは、ヤンキースがブラックバーンを先発候補の1人として考えているからだろう。ゲリット・コール、カルロス・ロドン、クラーク・シュミットが負傷中のため、マックス・フリードとキャム・シュリットラーに続く3番手以降は流動的。ブラックバーンにも開幕ローテーション入りのチャンスはありそうだ。

 今月33歳の誕生日を迎えたブラックバーンは、キャリアを通して負傷に悩まされてきた。2024年はアスレチックスとメッツで14試合に先発して防御率4.66を記録したが、足と手の負傷で長期離脱を強いられた。

 2024年シーズン終了後には背中の手術を受けた。今季はメッツで開幕を迎えたが、膝と肩の負傷に悩まされ、7試合(うち4先発)の登板で防御率6.85と不振。8月中旬にリリース(解雇)された。

 その数日後、ヤンキースとメジャー契約を結び、移籍後は8度のリリーフ登板で15回1/3を投げて防御率5.28を記録。ポストシーズンでは1試合だけ登板したが、ブルージェイズとの地区シリーズ第1戦で1回1/3を投げて6安打4失点と打ち込まれた。

 ブラックバーンは2012年ドラフト1巡目指名でカブスに入団し、2016年7月にマリナーズへトレード。同年のシーズン終了後にはアスレチックスへのトレードが決まり、翌2017年にメジャーデビューした。2022年には前半戦の18先発で6勝5敗、防御率3.62の活躍を見せ、オールスター選出を果たしている。

2025.12.22 08:40 Monday

ブランドン・ラウ放出のレイズはケテル・マルテの獲得に動くのか

 19日(日本時間20日)、レイズは2件のトレードを成立させ、4人のメジャーリーガーを放出して複数のプロスペクト(若手有望株)を手に入れた。これは次の大きなトレードに備えた動きかもしれない。

 まず、オリオールズとのトレードを成立させ、先発右腕シェーン・バズを放出。その対価として、オリオールズの球団6位の有望株だった外野手スレイター・デブラン、同10位の捕手ケイデン・ボディンを含む4選手のほか、2026年ドラフトの戦力均衡ラウンドAの指名権も獲得した。デブランとボディンはオリオールズが今年のドラフト1巡目で指名した選手である。

 さらに、パイレーツ、アストロズとの三角トレードを成立させ、ブランドン・ラウ、ジェイク・マンガム、メイソン・モンゴメリーの3選手をパイレーツへ放出。アストロズの球団2位の有望株だった外野手ジェイコブ・メルトン、同7位の右腕アンダーソン・ブリトーを獲得した。

 レイズは今季途中に発表された「ファーム組織ランキング」で10位の評価を受けており、もともと充実した選手層を誇っていたが、2件のトレードで新たに6人の有望株が加わることになった。これにより、余った有望株をトレードに使うことが可能になり、ダイヤモンドバックスのスター二塁手ケテル・マルテを狙う可能性が取り沙汰されている。

 チーム最古参だったラウを放出したことにより、レイズは正二塁手が不在になった。また、レイズはマルテ獲得を狙っているチームの1つであることが明らかになっている。アリゾナ・リパブリックのニック・ピエコロ記者は今月、レイズがバズ、ライアン・ペピオの両先発右腕とのトレードでマルテを獲得することについて交渉を行っていたことを報じた。

 ダイヤモンドバックスはマルテ放出の対価として、質の高い投手を獲得することを望んでいる。バズをオリオールズに放出してしまったため、レイズは対価を再考する必要があるものの、ペピオを対価に含めることは可能だ。また、バズとのトレードでオリオールズから右腕マイケル・フォレットを獲得し、フォレットは現在、レイズの有望株ランキングで球団7位にランクインしている。獲得したばかりの有望株をトレードの駒として活用するという方法もある。

 もちろん、マルテ以外の選手を狙う可能性もあるだろう。2件のトレードで有望株を充実させたレイズは、スター選手を含む大型トレードに対応できる可能性を秘めており、今後のトレード市場において注目の存在となりそうだ。

2025.12.20 09:27 Saturday

ロイヤルズがブルペン補強 オールスター左腕のストラームを獲得

 ロイヤルズは外野手アイザック・コリンズと右腕ニック・ミアーズとのトレードで左腕アンヘル・セルパをブルワーズへ放出したあと、セルパの穴を埋めるリリーフ左腕を探していた。そして19日(日本時間20日)、フィリーズとのトレードを成立させ、右腕ジョナサン・ボーランとの交換で左腕マット・ストラームの獲得に成功した。

トレードの詳細 ロイヤルズ獲得:左腕マット・ストラーム フィリーズ獲得:右腕ジョナサン・ボーラン

 34歳のストラームは球界有数のリリーフ左腕へ成長を遂げ、直近3年間はフィリーズで合計188試合に登板して防御率2.71を記録。オールスターに選出された2024年は防御率1.87の好成績を残し、今季は自己最多タイの66試合に登板して62回1/3を投げ、防御率2.74、キャリアハイの22ホールドを挙げた。2022年以降の4年間では、200試合以上に登板した左腕の中で3位となる防御率2.90を記録。ストラームを上回るのは、タイガースのタイラー・ホルトン(2.63)とドジャースのアレックス・ベシア(2.74)だけである。

 ストラームのプロ野球選手としてのキャリアは、2012年のドラフトでロイヤルズから21巡目指名を受けてスタートした。2016年にメジャーデビューし、ロイヤルズで2年間プレー。その後、ブランドン・マウアー、ライアン・バクター、トレバー・ケーヒルとのトレードでエステウリー・ルイーズ、トラビス・ウッドとともにパドレスへ移籍した。

 JJ・ピコーロGMは「獲得できる可能性があると分かったとき、チーム全員でとても興奮したよ。マットの人柄、選手としての才能、そしてどれほどの競争心を持っているかということを私たちはよく知っている。重要な場面で登板するリリーフ投手に関して言うと、ここ数年間でマットよりも好成績を残している左腕はほとんどいない。彼のキャリア初期に関われたことを誇りに思うし、彼が成長を遂げ、オールスターやポストシーズンに出場する姿も見てきた。特別なキャリアを過ごしている選手だ。まさに、私たちのブルペンが必要としていた戦力でもある」と語り、ストラームの古巣復帰を歓迎した。

 ロイヤルズはウィンターミーティングの期間中、常にフィリーズと連絡を取り合い、トレードを実現できる可能性があると感じながら開催地のフロリダ州オーランドを離れた。セルパをブルワーズへ放出したあと、単なるリリーフ左腕ではなく、質の高いリリーフ左腕が必要となり、一気にトレード交渉が加速した。

 カンザスシティを去ってから約9年が経過し、ストラームは安定して優勝を狙えるチームになることを目指している古巣に復帰できることを喜んでいる。

「まるで映画のような気分だね。すべてはカンザスシティから始まった。そして、物語が1周して、カンザスシティに戻ってきたんだ。家族とは、この10年間ずっと、スプリングトレーニングで撮影するプロフィール写真について話してきた。ロイヤルズから始まった物語が再びロイヤルズに戻るんだ」とストラームは語った。

 ストラームは左打者を通算で打率.239、出塁率.302、長打率.376に抑えている。右打者にも強く、打率.212、出塁率.279、長打率.370と左打者以上に封じ込めている。今季は左打者に対して打率.233/OPS.673、右打者に対して打率.196/OPS.585を記録した。ロイヤルズでは試合終盤の重要な場面で投げる左腕として期待されており、セットアッパーのルーカス・アーセグ、クローザーのカルロス・エステベスの両右腕とともに勝ちパターンの継投を担うことになるだろう。

 ストラームは「マウンドに立つたびに、僕の心構えは『とにかくアウトを取ろう』ということだ。その考え方は変わっていないし、これからも変えるつもりはないよ」と語る。

 ストラームは5つの球種を操るが、投球の軸になるのは92マイル(約148キロ)のフォーシームとスライダーだ。スライダーは今季、空振り率30%を記録した。シンカーとカットボールも投げる。また、チェンジアップはここ数年、あまり使っていないものの、向上に取り組んでいる。キャリアを重ねるにつれて、ボール球を振らせる技術が向上しており、今季のチェイス率(=ボール球を振らせる割合)は33.3%に達した。制球力も安定しており、通算で三振率27.3%、四球率7.0%を記録している。これらはロイヤルズが求めていた要素であり、4球団で10シーズンにわたってプレーしてきた経験値も追加される。さらに、2020年パドレス、2023~25年フィリーズと4度のポストシーズン出場も経験している。

 今季の成績によって2026年のフィリーズとの契約が保証されたストラームは、契約最終年に年俸750万ドル(約11億2500万ドル)を受け取る予定だ。フィリーズがストラームを放出したのは、この年俸に加え、ほかにも複数のリリーフ左腕がいることが影響したとみられる。フィリーズはストラーム放出で浮いた資金をほかの補強に使うことができ、ロイヤルズは最低限の対価で優秀なリリーフ左腕を手に入れることができた。ロイヤルズのブルペンの新戦力は、ブルワーズから加入したミアーズ、11月に1年契約を結んだアレックス・ラングに続いて3人目だ。ロイヤルズのブルペンにはボール球を振らせることのできる投手が少なく(今季のチェイス率26.9%はメジャー26位タイ)、新戦力トリオにはその弱点をカバーする活躍が期待される。

「これまでは弱い打球を打たせることに長けた投手を重視してきた。だから、チェイス率が高く、空振りを奪える投手が加入するのは非常に大きい。マットは三振率が高く、私たちが求めていた条件に合致する選手だ」とピコーロGMは語った。

 ストラームの加入により、主力クラスのリリーフ投手の補強は完了したとみられる。今後は層の厚さを重視した動きになることが予想されるが、ピコーロGMは現在の陣容に満足しているようだ。

 ロイヤルズが放出した29歳のボーランは、3年間ロイヤルズでプレーし、今季は自己最多の34試合に登板。リリーフに完全転向したことで球速がアップした。1勝2敗、防御率3.86を記録したが、シーズンの大部分はメジャーと3Aの往復が続いた。来季は新天地フィリーズでメジャー定着を目指す。

2025.12.20 08:44 Saturday

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