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カブスがブルペン補強を継続 右腕ウェブと1年契約

 カブスはオフシーズンを通してブルペン陣の補強を着実に進めており、その補強は今後も続いていく見込みだ。シカゴのサウスサイドに位置するホワイトソックスも活発に動く中、ノースサイドのカブスが新たに補強したのは、今季レンジャーズのブルペン陣で密かに活躍していた優秀な選手だ。カブスは23日(日本時間24日)、救援右腕ジェイコブ・ウェブと2027年の球団オプション(球団側に選択権のある1年契約)を含む1年契約で合意したと発表した。

 この契約を最初に報じた「ジ・アスレチック」によれば、ウェブのサラリーは1年150万ドル(約2億3000万円)+出来高だという。そして、2027年の球団オプションは250万ドル(約3億8000万円)に出来高が付くと報じられている。

 今オフ、カブスはレンジャーズのブルペン陣から多くの投手を引き抜いており、ウェブの前にもフィル・メイトン(球団オプション付きの2年契約)、ホビー・ミルナー(1年契約)を獲得していた。それ以外にも救援左腕ケイレブ・シールバー、そしてスイングマンのコリン・レイとも再契約を結び、さらにマイナー契約でも実績のある救援右腕コリン・スナイダーを補強した。

 ウェブは今季、レンジャーズで55試合(66イニング)を投げ、防御率3.00をマーク。これまでブレーブス、エンゼルス、オリオールズ、レンジャーズを渡り歩き、MLBでの6シーズンで通算防御率2.99、ERA+138を残している。2021年にはブレーブスで世界一も経験した。

 32歳の右腕は平均93.4マイル(150キロ)のフォーシーム、80マイル半ば(135キロ前後)のチェンジアップ、そして平均82マイル(131キロ)のスイーパーを投じる。今季、ウェブの被打率は.202を記録し、最も頻繁に投げるフォーシームでは被打率.186、被長打率.289とさらに優秀な数字だった。

 さらに、弱い打球を打たせるのも得意で、今季のハードヒット率34.6%(通算でも34.7%)はMLBの上位11%に入る高水準だった。加えて、平均打球速度86.6マイル(139キロ)はMLBの上位5%に値する。

 また、カブスはベテラン捕手クリスチャン・べ三コートをマイナー契約で復帰させることに合意した(正式発表はしていない)。カーソン・ケリー、ミゲル・アマヤ、モイゼス・バレステロス(球団No.2有望株、球界No.53有望株)を擁するカブスの捕手陣にとって、経験豊富なバックアップとなるだろう。ベサンコートはこれまで8シーズンで6球団を渡り歩き、カブスには2024年に在籍経験がある。

2025.12.24 11:07 Wednesday

ホワイトソックスがまた補強 左腕ニューカムと1年契約

 ホワイトソックスのクリス・ゲッツGMは休暇の直前まで働いている。23日(日本時間24日)に発表されたように、ホワイトソックスは救援左腕ショーン・ニューカムと1年450万ドル(約7億円)で合意した。

 村上宗隆と2年3400万ドル(約54億円)で契約し、22日(同23日)には記者会見も行ったホワイトソックスが、続けて補強に動いた。休暇前にも忙しく動き回るゲッツGMはこう言う。 「正直言って、休みが好きかどうかさえ分からない。とにかく仕事に没頭するのが好きだ。早朝や深夜、真夜中に連絡を取るので、家族や従業員の中にはきっと腹を立てる人もいるだろう。でも、私はこの仕事が大好きだし、チームをより良くするための方法を追求するのが大好きだ」

 村上の補強により、ホワイトソックス打線の中軸には左の強打者が加わってチームの戦力は大きく充実した。先発・リリーフをどちらも経験しながら、リリーフとして好成績を残したニューカムも、ホワイトソックスのブルペン陣に同様の効果をもたらす。

 32歳のニューカムは今季、開幕をレッドソックスで迎えたが5月27日にアスレチックスへ金銭トレードされたため、2球団でシーズンを過ごした。48登板(5先発)で92回1/3を投げ、2勝5敗、防御率2.73、2セーブ、4ホールド、91三振をマーク。左のリリーフ投手の中で、MLB5位に入る防御率2.19を残し、7位タイに入る70イニングを投じた。

 特にアスレチックス加入後は調子が上がり、36登板で51回1/3を投げ、2勝1敗、防御率1.75、被打率.214、50三振をマーク。5月29日以降の防御率1.75という数字は、MLBのリリーフ投手(45イニング以上)の中で7位に入る。

 かつて2014年ドラフトでエンゼルスに1巡目指名されたニューカムは、通算65先発で防御率4.41に対し、通算158救援登板で防御率3.84をマークしている。起用法は確定していないものの、ホワイトソックスの40人枠ではブランドン・アイサート、タイラー・ギルバート、ブライアン・ハドソン、アンソニー・ケイ、クリス・マーフィーらと共に、健康なサウスポー陣の一員となる見込みだ。ケイは2年1200万ドル(約18億円)で今オフ加入し、上記のサウスポーの中では唯一先発ローテーションが確約されている。

 ニューカムの枠を空けるため、ホワイトソックスは左腕ライアン・ロリソンを40人枠からDFA。40人枠は依然として40人のままだ。

2025.12.24 10:38 Wednesday

コントレラス獲得のレッドソックス 今後も打線強化を継続へ

 レッドソックスのチーフベースボールオフィサー(CBO)を務めるクレイグ・ブレスローは今オフ、打線強化の方法を模索しており、21日(日本時間22日)にはカージナルスとのトレードを成立させ、右打ちの一塁手ウィルソン・コントレラスの獲得に成功した。レッドソックスがトレードでカージナルスの主力選手を獲得するのは、右腕ソニー・グレイに続いて今オフ2人目だ。

 MLB.comでレッドソックスを担当するイアン・ブラウン記者によると、レッドソックスはコントレラス獲得後も打線強化を継続する方針だという。また、ジ・アスレチックのジェン・マカフリー記者も関係者から得た情報として同様の内容を伝えており、「アレックス・ブレグマンとの再契約が最優先事項であることは変わらない」と付け加えた。

 しかし、レッドソックスはブレグマンと再契約するために、他球団との争奪戦に勝利する必要がある。ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者は関係者から得た情報をもとに、ブレグマンの移籍先の有力候補としてブルージェイズとダイヤモンドバックスの名前を挙げている。ローゼンタール記者によると、カブスもブレグマン争奪戦に加わっているようだ。

 もしブレグマンとの再契約に失敗した場合、レッドソックスは代替案を考えなければならない。レッドソックスはブレグマン以外にも、フリーエージェント(FA)市場とトレード市場の両方で多くの野手に興味を持っていることが明らかになっており、すでに契約が決まったカイル・シュワーバー(フィリーズ)、ピート・アロンソ(オリオールズ)、ホルヘ・ポランコ(メッツ)、村上宗隆(ホワイトソックス)らにも関心を示していた。

 FA市場に残っている選手の中では、強打のスター遊撃手ボー・ビシェットを筆頭に、エウヘニオ・スアレス、岡本和真らが候補に挙がる。ただし、岡本はポスティング制度による移籍のため、交渉期限が1月4日(同5日)に迫っており、その時点ではまだブレグマンの去就がハッキリしていない可能性もある。

 トレード市場では、ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)、ブレンダン・ドノバン(カージナルス)、イサーク・パレイデス(アストロズ)、コリー・シーガー(レンジャーズ)らの名前が挙がる。ただし、レンジャーズはシーガー放出の可能性を否定しており、マルテに関してはレッドソックスが争奪戦から撤退したとの報道も出ている。

 一方、コントレラスの加入により、レッドソックスでの立場が不透明になった選手もいる。若手一塁手のトリストン・カサスだ。トレードの噂が絶えないジャレン・デュランとともに、今後有力なトレード候補となっていくかもしれない。

2025.12.23 11:26 Tuesday

ソト以外の外野陣が流動的なメッツ 今後大物外野手獲得に動くのか

 メッツは今オフ、大幅な選手の入れ替えを継続しており、22日(日本時間23日)には17歳のマイナー右腕ヨーダン・ロドリゲスとのトレードで元首位打者ジェフ・マクニールをアスレチックスへ放出した。

 マクニールの本職は二塁だが、今季は外野手としても48試合に出場し、中堅(34試合)を中心に右翼と左翼の守備もこなした。すでにマーカス・セミエンとのトレードでブランドン・ニモをレンジャーズへ放出し、今季途中に加入したセドリック・マリンズはフリーエージェント(FA)となってレイズと契約したため、マクニールの放出でメッツ外野陣はさらに手薄に。今後、大型補強に打って出る可能性はあるのだろうか。

 現状を考えれば、メッツが外野手の補強に動く可能性は高い。外野陣でレギュラー当確と言えるのは強打者フアン・ソトだけ。タイロン・テイラーはレギュラーとして起用するには打力が弱く、有望株カーソン・ベンジの実力も未知数だ。

 主砲ピート・アロンソと守護神エドウィン・ディアスがFAとなって他球団と契約したため、大物FA選手の獲得に使える資金は十分に残っており、メッツのフロントオフィスにもワールドシリーズ制覇を狙えるチームを作るためにお金を使う意思はある。そして何と言っても、カイル・タッカーとコディ・ベリンジャーという大物外野手2人がまだFA市場に残っているのだ。

 有力な外野手をトレードで獲得する可能性を除けば、タッカーもしくはベリンジャーを獲得するのはメッツにとって合理的かつ理想的な動きと言える。手薄な外野陣を強化できるだけでなく、アロンソ退団で戦力ダウンした打線をカバーすることもできるからだ。

 今季ポストシーズン進出を逃したメッツは、オフシーズン当初からタッカーもしくはベリンジャーを獲得する可能性が取り沙汰されていた。タッカーは今オフのFA市場の目玉として高い評価を受けており、ヤンキース、ブルージェイズ、ドジャースなども関心を示しているとみられる。ベリンジャーはヤンキースが再契約を目指しているほか、古巣ドジャースも獲得の可能性を探っているようだ。

 ソト以外の外野陣が流動的な現状を考えると、メッツにとってタッカーまたはベリンジャーの獲得は「マスト」と言えるかもしれない。2年ぶりのポストシーズン進出、そして1986年以来のワールドシリーズ制覇を成し遂げるために、お金と有望株をどのように活用していくのか。デービッド・スターンズ編成本部長の手腕が問われるオフシーズンとなりそうだ。

2025.12.23 10:33 Tuesday

マリナーズが左腕キラーを獲得 レフスナイダーと1年契約を結ぶ

 22日(日本時間23日)、マリナーズは優先順位の低かった補強ポイントに対処した。ベテラン外野手のロブ・レフスナイダーと1年契約を結んだのだ。

 レフスナイダーの年俸は625万ドル(約9億3750万円)で、最大25万ドル(約3750万円)の出来高も設定されている。今季レッドソックスでの年俸は210万ドル(約3億1500万円)だったため、大幅な昇給となった。これはジェリー・ディポート編成本部長とジャスティン・ホランダーGMがレフスナイダーを高く評価していることの証と言えるだろう。

 クラブハウスでの素晴らしい人間性と左腕に対する圧倒的な強さで知られるレフスナイダーは、外野のほか、一塁を守ることもできるため、正一塁手ジョシュ・ネイラーの控え、あるいはプラトーン要員としての起用が有力だ。もちろん、指名打者として起用される可能性もあり、本職の外野手として起用されるケースも出てくるだろう。

 マリナーズの外野陣は充実しており、左翼にランディ・アロザレーナ、中堅にフリオ・ロドリゲスがいる。右翼はドミニク・キャンゾーン、ルーク・レイリー、ビクター・ロブレスらの併用になりそうだ。ここにレフスナイダーも加わると、人員余剰になってしまう感は否めないが、ディポート編成本部長、ホランダーGM、ダン・ウィルソン監督はスプリングトレーニングを通して、各選手の役割分担を明確にするはずだ。

 さらに、レフスナイダー加入により、マリナーズのロースター40人枠はフルに埋まった。しかし、MLB.comが球団の事情に詳しい関係者から得た情報によると、インパクトのある打者を獲得する可能性が消滅したわけではないという。だが、今のところ、フリーエージェント(FA)やトレードによる強打者補強の実現が迫っているという情報はない。

 一方、レフスナイダーの獲得は、外野手が充実しているチーム状況を考えると、予想外の出来事だった。しかし、レフスナイダーの成績を詳しく分析すると、マリナーズが獲得に動いた理由が見えてくる。

 レッドソックスで過ごした直近4年間、レフスナイダーは左腕に対して最も強い右打者の1人だった。左腕と500打席以上対戦した81人のうち、ほぼすべての部門で上位にランクインしている。出塁率でレフスナイダーを上回るのはポール・ゴールドシュミット、アーロン・ジャッジという2人のMVP受賞者だけだ。

2022年以降、レフスナイダーの対左腕成績 (カッコ内はメジャー全体での順位)

打率.312(5位) 出塁率.407(3位) 長打率.516(12位) OPS.924(6位) wRC+(平均100)155(5位)

 ホランダーGMは「ロブは直近4年間、左腕に最も強い打者の1人であり、我々の打線にバランスとインパクトをもたらしてくれるだろう」と期待を寄せている。

 Cots Baseball Contractsが掲載している非公式データによると、レフスナイダーの加入により、マリナーズのペイロール(年俸総額)は約1億5750万ドル(約236億2500万円)となった。これは今季終了時点より約1000万ドル(約15億円)だけ少ない金額である。ディポート編成本部長は来季のペイロールについて「今季終了時点の金額が基準となる」といった旨の発言をしており、今オフの補強資金は残り1000万ドル程度となりそうだ。ただし、夏の時点でポストシーズン進出のチャンスがあれば、さらに増額する予定だという。

 レフスナイダーは2012年ドラフト5巡目指名でヤンキースに入団。2015年のメジャーデビュー時には球団5位の有望株として評価されていた。メジャー10年間で6球団に在籍しており、ヤンキースのほか、ブルージェイズ、レイズ、レンジャーズ、ツインズ、レッドソックスでもプレーした。

 メジャーで安定した地位を得るようになったのは、2021年オフにマイナー契約でレッドソックスに加入して以降だ。直近4年間は主に「4人目の外野手」としてプレーし、309試合に出場して打率.276、出塁率.364、長打率.440、wRC+124と堅実な働きを見せた。

 レッドソックスで過ごした4年間は、平均77試合に出場。2024年の93試合が最も多く、今季は70試合に出場した。

 注目されるのは、レフスナイダーがフェンウェイパーク(メジャーで最も打者有利な球場の1つ)からT-モバイルパーク(メジャーで最も打者不利な球場の1つ)に移ることにどのように対応するかということだろう。

 35歳で来季開幕を迎えるレフスナイダーは、マリナーズ史上4人目の韓国出身選手となる。2005~06年に秋信守(チュ・シンス)、2007年に白嗟承(ベク・チャスン)、2016年に李大浩(イ・デホ)が在籍した。

2025.12.23 09:40 Tuesday

アスレチックスが正二塁手確保 元首位打者マクニールをトレードで獲得

 アスレチックスは今オフ、投手補強に重きを置いているが、野手陣にもいくつかの課題が残っている。そんな中、22日(日本時間23日)にはメッツとのトレードを成立させ、課題の1つに対処した。アスレチックスはマイナー右腕のヨーダン・ロドリゲスを放出。元首位打者のジェフ・マクニールを獲得した。

 MLB.comが関係者から得た情報によると、マクニールの年俸の一部として、メッツからアスレチックスへ金銭575万ドル(約8億6250万円)が譲渡される。ちなみに、マクニールの契約は残り1年1775万ドル(約26億6250万円)だ。なお、アスレチックスはロースターの枠を空けるために、左腕ケン・ウォルディチャックのDFA(=選手をロースターの40人枠から外す措置)を発表している。

トレードの詳細 アスレチックス獲得:内野手兼外野手ジェフ・マクニール、金銭 メッツ獲得:マイナー右腕ヨーダン・ロドリゲス

 アスレチックスはア・リーグ新人王のニック・カーツのほか、ジェイコブ・ウィルソン、ブレント・ルーカー、シェイ・ランゲリアーズ、タイラー・ソダーストロム、ローレンス・バトラーといった好選手を揃えており、来季はメジャー全体でも有数の強力打線を形成することが期待されている。しかし、二塁と三塁のポジションが空いており、今オフはこの2ポジションを強化する方法を模索していた。

 現在アスレチックスのロースターに登録されている経験の浅い選手たちと対照的に、来年4月8日に34歳の誕生日を迎えるマクニールはすでにメジャーの舞台で実力を証明している。2022年に首位打者のタイトルを獲得し、メッツ一筋のメジャー8年間で通算打率.284、出塁率.351、長打率.428をマーク。今季は122試合に出場し、打率.243、12本塁打を記録した。

 メッツから金銭が譲渡されるため、マクニールの来季の年俸のうち、アスレチックスが負担するのは1000万ドル(約15億円)だけ。また、2027年シーズンの契約は年俸1575万ドル(約23億6250万円)の球団オプション(=球団側に選択権がある契約条項)となっており、200万ドル(約3億円)のバイアウト(=契約解除料)が設定されているが、アスレチックスがこのオプションを行使しなかった場合、バイアウトはメッツが負担することになっている。

 マクニールはアスレチックスが高く評価する選手のタイプにピッタリと当てはまる。汎用性が高く、本職の二塁に加えて外野3ポジションでも堅実なプレーを見せる。依然としてコンタクト能力も優秀で、今季の空振り率16.6%と三振率11.9%はいずれもメジャー全体の上位10%前後の数値である。

 トレードの対価としてメッツへ移籍する17歳のロドリゲスはキューバ出身の右腕。今年1月に国際アマチュアFA選手として契約金40万ドル(約6000万円)で入団したばかりで、アスレチックスの有望株ランキング上位30人にはランクインしていなかった。

 マクニールの加入により、正遊撃手ウィルソンと形成する二遊間コンビは相手投手にとって最も厄介な1・2番コンビとなる可能性もある。ウィルソンは今季523打席でわずか39三振と非常に三振が少なく、マクニールも今季462打席で55三振にとどめた。相手投手はなかなか三振を奪うことができず、苦労するはずだ。

 アスレチックスは今後、三塁手の補強を狙うと思われるが、マクニールの加入で二塁のポジションが埋まったため、ダレル・ヘルネイズ、マックス・マンシー、ブレット・ハリスといった若手選手たちに三塁のポジションを競わせる可能性もある。なお、今回のトレードにより、左肩脱臼からのリハビリ中でスプリングトレーニング開始に間に合わない可能性がある二塁手ザック・ゲロフの今後の起用法は、さらに不透明になった。

2025.12.23 08:57 Tuesday

ア・リーグ王者のブルージェイズがブレグマン獲得を検討中か

 驚くべきことではないが、レッドソックスからフリーエージェント(FA)となったアレックス・ブレグマンは複数のチームの補強ターゲットとなっている。ジ・アスレチックの報道によると、今季のア・リーグ王者もブレグマン獲得に興味を示しているようだ。

 ブルージェイズは今オフ、ボー・ビシェットとの再契約を目指していることが噂されているが、その一方でカイル・タッカーの獲得に乗り出す可能性も取り沙汰されている。ブレグマンはビシェットとの再契約、もしくはタッカーの獲得に失敗した場合の「プランB」とみられていたが、実態はそうではないかもしれない。

 ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者は「ブルージェイズは左打者を打線に加えるのが理想的な動きだ。しかし、守備の布陣を考えた際、左打者のタッカーやコディ・ベリンジャーよりも、右打者のブレグマンやビシェットのほうがチームにフィットする」と伝えている。また、ローゼンタール記者は、ブレグマンが持つ卓越したリーダーシップが「決め手」になる可能性があるとの見解も示している。

 ブルージェイズにはアストロズ時代にブレグマンとチームメイトだったジョージ・スプリンガーとマイルズ・ストローがおり、ブレグマンがスムーズにチームに溶け込む姿は容易に想像できる。また、ブルージェイズは今オフすでにディラン・シース、コディ・ポンセ、タイラー・ロジャースを獲得して投手陣の強化を進めており、ブレグマン獲得で打線強化に成功すれば、1993年以来となるワールドシリーズ制覇への期待はさらに高まる。

 もしブルージェイズがブレグマン獲得に成功すれば、ゴールドグラブ二塁手のアンドレス・ヒメネスを遊撃に回し、ユーティリティのアーニー・クレメントをフルタイムの二塁手として起用。そして、内外野を守れるアディソン・バージャーを主に外野手として起用していくことになるだろう。

 もちろん、ビシェットと再契約を結ぶ可能性も残されており、ア・リーグ王者の今後の動きに注目が集まる。

2025.12.22 11:26 Monday

レッドソックスがコントレラス獲得へ 岡本争奪戦にも影響か

 MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、レッドソックスは右腕ハンター・ドビンスを含む3選手とのトレードでカージナルスからウィルソン・コントレラスを獲得する計画のようだ。なお、トレード拒否権を持つコントレラスが移籍を承諾する必要があるため、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 レッドソックスからカージナルスへ移籍するのは、ドビンス、右腕ジョイカー・ファハード、右腕ブレイク・アイタの3選手。一方、カージナルスからレッドソックスにはコントレラスの年俸の一部として金銭800万ドル(約12億円)が譲渡される。

 今オフ、カージナルスの編成本部長に就任したハイム・ブルームにとって、古巣レッドソックスとのトレードは2件目。ブルーム編成本部長は先月、右腕ソニー・グレイをトレードでレッドソックスへ放出している。

 カージナルスは2022年オフ、引退した名捕手ヤディアー・モリーナ(ゴールドグラブ賞9度)の後継者として、コントレラスと5年8750万ドル(約131億2500万円)の契約を結んだ。ところが、移籍早々にコントレラスのリード面が不安視されるようになり、指名打者として起用した時期もあった。

 移籍2年目の2024年は捕手として大きな成長を遂げたコントレラスだが、強打者J・D・マルティネスのバットが左前腕に直撃するというアクシデントに見舞われ、骨折して6週間を欠場。カージナルスはコントレラスの守備の負担を軽減し、打撃力を生かすために、2025年シーズンから一塁へのコンバートを決断した。コントレラスは新たなポジションでOAA(Outs Above Average:平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+6を記録。メジャー4位タイという好成績を残し、多くの人々を驚かせた。

 33歳のコントレラスは、カージナルスに在籍した3年間でオールスター選出が1度もなかったものの、少なくとも打撃面ではチームの期待に応え続けた。今季は20本塁打を放ち、31二塁打は自己最多。直近3年間で打率.261、55本塁打、183打点、出塁率.338、長打率.459をマークしている。

 岡本和真の獲得に興味を示していることが報じられていたレッドソックスだが、コントレラス獲得で一塁のポジションが埋まったため、岡本の争奪戦から撤退する可能性も出てきた。ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)獲得の可能性も消滅したとみられており、今後は「最優先事項」に掲げるアレックス・ブレグマンとの再契約、もしくはボー・ビシェットの獲得を目指すことになりそうだ。

2025.12.22 10:40 Monday

村上のホワイトソックス移籍が決定 岡本の争奪戦も本格化か

 移籍市場で注目されていたスラッガーの1人、村上宗隆の移籍先が決まった。45日間の交渉期間終了が迫る中、21日(日本時間22日)にホワイトソックスと2年契約を結んだことが発表された。

 村上が移籍市場から消えたことにより、スラッガー獲得を狙ういくつかのチームは、補強ターゲットを別の日本人選手に変更する可能性がある。読売ジャイアンツからポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指している岡本和真だ。

 20日(同21日)、MassLive.comのクリス・コティーロ記者は、レッドソックスが村上と岡本の動向をチェックしていることを報じた。アレックス・ブレグマンとの再契約を「最優先事項」としているレッドソックスだが、フリーエージェント(FA)のボー・ビシェットやエウヘニオ・スアレス、ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)、イサーク・パレイデス(アストロズ)らほかの内野手にも興味を示しており、ブレグマン流出に備えた代役候補として岡本の名前が浮上していても不思議ではない。

 また、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマン記者は今月に入り、ブルージェイズとパイレーツが29歳の右打者である岡本に興味を示していることを報じていた。

 岡本の交渉期限は米東部時間1月4日午後5時(日本時間1月5日午前7時)。よって、岡本にはまだ2週間ほど時間が残されている。もし期限までに契約が成立しなければ、岡本は来季も読売ジャイアンツでプレーすることになるが、その可能性は低いだろう。

 岡本は空振りが多い村上よりも「完成度の高い打者」と評価されている。村上よりコンタクト能力が高いだけでなく、十分なパワーも備えており、2018~23年には6年連続で30本塁打以上を記録。今季はケガの影響で77試合の出場にとどまったが、それでも打率.327、15本塁打、OPS1.014をマークした。NPBの11シーズンで通算1074試合に出場し、打率.277、248本塁打、OPS.882を記録している。

2025.12.22 09:21 Monday

ヤンキースが先発要員を確保 右腕ブラックバーンと再契約合意

 MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、ヤンキースは右腕ポール・ブラックバーンと再契約を結ぶことで合意したようだ。契約条件は1年200万ドル(約3億円)で、ブラックバーンが80イニング、90イニング、100イニング、110イニング、120イニングに到達するたびに10万ドル(約1500万円)の出来高が支払われるという。なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。

 投球イニングに応じた出来高が設定されているのは、ヤンキースがブラックバーンを先発候補の1人として考えているからだろう。ゲリット・コール、カルロス・ロドン、クラーク・シュミットが負傷中のため、マックス・フリードとキャム・シュリットラーに続く3番手以降は流動的。ブラックバーンにも開幕ローテーション入りのチャンスはありそうだ。

 今月33歳の誕生日を迎えたブラックバーンは、キャリアを通して負傷に悩まされてきた。2024年はアスレチックスとメッツで14試合に先発して防御率4.66を記録したが、足と手の負傷で長期離脱を強いられた。

 2024年シーズン終了後には背中の手術を受けた。今季はメッツで開幕を迎えたが、膝と肩の負傷に悩まされ、7試合(うち4先発)の登板で防御率6.85と不振。8月中旬にリリース(解雇)された。

 その数日後、ヤンキースとメジャー契約を結び、移籍後は8度のリリーフ登板で15回1/3を投げて防御率5.28を記録。ポストシーズンでは1試合だけ登板したが、ブルージェイズとの地区シリーズ第1戦で1回1/3を投げて6安打4失点と打ち込まれた。

 ブラックバーンは2012年ドラフト1巡目指名でカブスに入団し、2016年7月にマリナーズへトレード。同年のシーズン終了後にはアスレチックスへのトレードが決まり、翌2017年にメジャーデビューした。2022年には前半戦の18先発で6勝5敗、防御率3.62の活躍を見せ、オールスター選出を果たしている。

2025.12.22 08:40 Monday

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