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今永が2本塁打浴び、ブルワーズに連敗 鈴木の先制3ランは空砲に

【ブルワーズ7-3カブス】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド、10月6日(日本時間7日)

 ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS=5回戦制)の第2戦は、ブルワーズの一発攻勢に沈んだカブスが連敗。0勝2敗でシリーズ敗退に王手をかけられた。今永昇太(32)は2回2/3で2本塁打と苦戦し、ポストシーズンで初黒星。鈴木誠也(31)は好調を維持して先制3ランを放ったが、空砲となった。

 初回、カブスは一、二塁のチャンスを作り、4番鈴木が先制3ラン。高めボールゾーンに浮いたチェンジアップを逃さず、打球初速111.7マイル(約180.0キロ)、飛距離440フィート(約134.1メートル)の圧巻の一発を放った。今ポストシーズンで2本目の本塁打は、今季のレギュラーシーズンを通じても2番目に飛距離が長い特大弾だった。

 しかし、直後の守備で今永は2死から連打を浴び、5番ボーンに同点3ランを被弾。今季14本塁打を放ちながら、119打席連続本塁打なしでレギュラーシーズンを終えた大砲ボーンを目覚めさせる痛恨の一発を献上した。

 さらに同点で迎えた三回、今永はまたしても2死からウィリアム・コントレラスに勝ち越しソロを被弾。続く打者にも単打を浴び、2回2/3、4失点、3三振、無四球、2本塁打の内容で降板した。

 カブスは細かい継投策を打つブルワーズ投手陣に対して再三走者を出したが、3番手ミジオロウスキーが登板すると得点圏に走者を進めることすらできなかった。23歳の剛腕が投じる平均101.5マイル(約163.3キロ)、最速104.3マイル(約167.9キロ)の直球と、最速97.5マイル(約156.9キロ)のスライダーにバットが空を切り、3回で4三振、1安打と封じ込まれた。

 四回には2番手として登板した守護神パレンシアが、チューリオにダメ押しの3ランを浴びて万事休す。チーム本塁打数22位と長打力が弱点のブルワーズ打線にお株を奪われる一発攻勢を食らい、7失点を喫した。

 その後も打線はブルワーズの継投を打ち崩せず、3-7で敗戦。序盤の猛攻に屈した第1戦に続き、完敗を喫してシリーズは0勝2敗。がけっぷちに追い込まれたカブスは本拠地リグレーフィールドに戻り、8日(日本時間9日)に行われる第3戦でリベンジを期す。

2025.10.7 13:05 Tuesday

スネルまた快投、朗希が2球でセーブ ドジャースが連勝で王手

【フィリーズ3-4ドジャース】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、10月6日(日本時間7日)

 ブレイク・スネル、ヘスス・ルザードの両先発の好投によって、ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS=5回戦制)第2戦では、両軍ともにわずかなチャンスを探り合う展開となった。

 ドジャースにとって最大の転機は、キケ・ヘルナンデスが放ったボテボテのショートゴロで、三塁走者テオスカー・ヘルナンデスが本塁に突入したときに訪れた。これで均衡を破ったドジャースは、そこから堰を切ったように得点し、4点を先制した。

 九回にブルペン陣が1点差に詰め寄られたが、ドジャースは4-3で逃げ切り。スネルがまたしても快投し、NLDS突破に連勝で王手をかけた。

 勝負を分けたいくつかのプレーのひとつが、27個目のアウトとなったセカンドゴロだった。同点、そしてサヨナラの走者を塁に置いた状況で佐々木朗希がトレイ・ターナーをセカンドゴロに打ち取り、試合終了かと思われた。しかし、二塁手トミー・エドマンの送球がショートバウンドとなり、一塁手フレディー・フリーマンはこれを懸命なスクーピングでミットに収めた。

 「とにかく何が何でもキャッチしようとした。中間のボールは一番難しい。短いボールか長いボールか、ちょうどその中間のボールだ。なんとかキャッチできたし、ありがたいことにグローブの中に収まった」と一塁守備の名手フリーマンは胸を撫で下ろし、2球でアウトをとった佐々木は「(一塁の)カバーに入るの忘れちゃったって思いました」と苦笑いしつつ、フリーマンの好捕に感謝した。

 スネルは球団史上2人目となる、ポストシーズンでの6回以上無失点、かつ1安打以下の好投を記録。これは2019年NLDSのウォーカー・ビューラー以来の快挙だ。さらにスネル自身、ポストシーズンで9三振以上、2安打以下を記録した登板は通算4度を数え、これはポストシーズン史上最多記録だ。

 前回登板のワイルドカードシリーズ第1戦でも7回2失点と好投し、この日はフィリーズ打線を7回無失点と圧倒。六回のピンチでは1死一、二塁で初めて得点圏に走者を背負ったが、デーブ・ロバーツ監督は継投せずにエースにマウンドを託した。スネルはその期待に応え、ハーパーとボームを打ち取った。

 自分のパフォーマンスで満足している点を問われたスネルは、「どう調整しているかだよ。フィリーズと対戦したのはつい最近だったけど、前回の対戦からどう調整したか。そしてゾーン攻撃に集中していることだ」と答えた。

 「ケガから復帰して以来、スネルは素晴らしい投球をしている。われわれが求めていた全てが揃っていた。今夜は6イニングを力強く投げてくれた。全てがうまく機能していた。われわれの先発投手陣はここ1ヵ月ほど素晴らしい投球を続けている。全国の舞台でその姿を見てもらえて嬉しいね」と、フリーマンは語った。

 ポストシーズンの歴史において、最大5戦のシリーズで2勝0敗とリードしたチームは、90回中80回(88.9%)そのシリーズを突破している。現行のフォーマットでは、アウェイで第1戦と第2戦に連勝したチームは、18回中16回(88.9%)で勝ち上がり、そのうち12回はスイープ(3連勝)で終わっている。

2025.10.7 11:55 Tuesday

PS衝撃デビューの新人シュリットラー 成功の秘密は3種類の直球

 レッドソックスとのワイルドカードシリーズ(WCS=3回戦制の第3戦、ヤンキースは「勝てばシリーズ突破、負ければシーズン終了」の大一番を新人右腕キャム・シュリットラーに託した。わずか14登板の経験しかない24歳は、レッドソックス打線を8回無失点、12三振、無四球に抑えた。「勝てばシリーズ突破、負ければシーズン終了」の試合でこの日のシュリットラーより多くの三振を奪った投手はいない。まさに歴史的快投だった。

 シュリットラーの“アンコール”はブルージェイズとの地区シリーズ(ALDS=5回戦制)第4戦で行われる予定だ。もっともヤンキースは第2戦を終えた時点で2敗と王手をかけられ、第3戦に勝利しなければシュリットラーにボールを託せない。ただ、仮に第4戦が行われれば、シュリットラーは再び敗退の危機に瀕したチームを救うチャンスがある。シュリットラーはその気概と能力によって、救世主になれることを証明してきた。

 シュリットラーの圧倒的なパフォーマンスの秘密、それは直球にある。レッドソックス戦では89.7%の割合で、3種類の直球。107球のうち、96球がフォーシーム、シンカー、カットボールで占められた。ピッチトラッキングシステムが導入された2008年以降、ポストシーズンの登板(50球以上)で先発投手がこれ以上の割合で直球を投じたのは過去にわずか11例しかない。このリストに2度登場するのは、直球一本槍で知られたランス・リンのみ。そして、直近では2022年ALDSのカル・クオントリル(ヤンキースとの第1戦)だ。

 しかし、シュリットラーの直球偏重のスタイルは、近年の傾向に真っ向から反するものだ。今季は2008年以降、どのシーズンより直球の投球数が少ないシーズンだった。ポストシーズンで見ても、直球の使用割合は2019年以来の低水準となっている。

 それでも、シュリットラーは96球の直球とわずか11球のカーブで、歴史に名を刻む投球を披露した。そしてレギュラーシーズンを通しても、右打者に対して88%、左打者に対しても79%の割合で直球を投げている。

 「4種類の球種を混ぜているだけだが、すごく上手くいっている」と、シュリットラーは語る。

 直球を投げる割合が減っているこの現代、なぜシュリットラーは成功できているのか。

 その秘密はシュリットラーがフォーシーム、シンカー、カットボールという3種類の直球を投げ分けている点にある。「MLB.com」のデービッド・アドラーが指摘したように、3種類の直球を投げる先発投手が増えている。昨季のサイ・ヤング賞投手タリック・スクーバル(タイガース)も2種類の直球を投げ分け、この潮流を今季の投手界における「最大の変化」と評した。

 投手が3つの球種を、似たような球速で、かつ異なる変化で投げれば、打者はバットの軌道をボールに合わせるのが難しい。それが複数の直球を投げ分けるメリットだ。

 打者は変化球を判別するときのように、回転をヒントにすることができない。直球同士であれば回転の違いを感知する要素があまりなく、さらに判別が難しくなる。

 下の画像は、シュリットラーが投げる球種の回転の分析を示している。左は投手の手元からの回転に基づく動きであり、右は打者から見える動きである。

 フォーシーム(明るい赤)とシンカー(オレンジ)がシュリットラーの右手を離れたとき、打者にはその2球種は同じ回転をしているように見えるが、打席に到達する頃には異なる変化をしている。シンカーはややカット気味に動くフォーシームより、右打者方向に食い込む変化が大きい。一方で、カッター(濃い赤)は逆の左打者方向に途中で変化する(10:45の回転方向で投じられ、打席に到達する頃には9:45の回転方向に倒れている)。

 もう一つの要素は球速だ。シュリットラーのフォーシームは平均98マイル(約157.7キロ)に達する。これはハンター・グリーン(レッズ)、ジェイコブ・ミジオロウスキー(ブルワーズ)、そしてポール・スキーンズ(パイレーツ)といったMLB屈指の剛腕たちに次ぐ速度だ。そしてシンカーも平均97.5マイル(約156.9キロ)、カットボールも91.9マイル(約147.9キロ)をマーク。とにかく速い。

 つまり、シュリットラーの3種の直球は回転から判別することが難しいだけではなく、その球速のせいで打者は判別するだけの反応時間が短いのだ。

 これを打つのはどれほど難しいのか。

 2種の直球を投げ分けるマイケル・キング(パドレス)は、ヤンキース時代に同僚だったDJ・ルメーヒューにこう言われたという。 「95マイル以上で変化が異なる直球を2種類も投げたら、打者がバットの軌道を球に合わせるのは不可能だ」 シュリットラーは、実際には、95マイルではなく97マイル以上でそれらを投じる。

 しかし、シュリットラーは常にこの投球スタイルだったわけではない、2023年、1Aにいたシュリットラーの平均球速はわずか90マイル(約144.8キロ)。レッドソックス戦では98マイル以上のボールを史上最多の64球投げた投手と、とても同じ人物とは思えない。

 ヤンキースが2022年ドラフト7巡目でシュリットラーを指名した際、球団は身長198センチのシュリットラーに9キロの筋肉をつけるよう指示した。これは簡単ではなかった。食生活を見直し、ウエイトトレーニングに励み、球団の健康・パフォーマンス担当ディレクターであるエリック・クレッシーと緊密に協力した。また、直球の変化量向上のため、新しい握りに変更する工夫もあった(その工夫も球速向上に一役買った)。

 その努力が今日のシュリットラーの“魔球”を生み出した。レギュラーシーズン中、シュリットラーのフォーシームは被打率.176、空振り(/スイング)率は148人の先発投手の中で11番目の27.7%だった。長身のおかげで、平均リリース位置はどの投手よりも高い6.39フィート(194.7センチ)と、球速・その他の直球との組み合わせ以外のアドバンテージもある。

 レッドソックス戦ではフォーシームで空振り11度(全26スイング)を奪い、シンカーは自己最多の25球を投じ、カッターは4度の凡打を誘った。まさに3種の直球のコンビネーションが本領を発揮した試合だった。 「素晴らしい投球だった。衝撃的だった」と、レッドソックスのアレックス・コーラ監督でさえ、手放しで称賛するほどだった。

 ALDSで対するブルージェイズにも好投できるだろうか。レッドソックスとはレギュラーシーズン中に対戦がなかったが、ブルージェイズとは既に2度対戦している。1度目の7月の先発では好投したが、9月の先発では打ち込まれた。シュリットラーは9月の登板時に、ブルージェイズ打線に球種の“クセ”がバレていたと考えている。

 クセの問題を抜きにしても、ブルージェイズ打線は手強い。シュリットラーの武器である球速を、ブルージェイズ打線は苦にしないのだ。98マイル以上のボールに対し、ブルージェイズ打線のwOBA(攻撃力を測る指標)は.296でMLB10位をマークしている。レッドソックス打線は同25位と98マイル以上のボールに弱かったことを考えれば、一筋縄ではいかないはずだ。

 そして、ブルージェイズ打線はシュリットラーが多用する「高めの直球」にも強い。95マイル以上で高めのゾーンに投じられたボールに対するwOBAは、MLBトップの.323(レッドソックスはワースト7位)。ポストシーズンで好調のアレハンドロ・カーク(長打率.813)とブラディミール・ゲレーロJr.(長打率.667)は特に高めの直球に強い。

 不利なデータが揃っているとはいえ、これは好勝負になるだろう。そして、24歳の若武者に恐れはないはずだ。ヤンキースが第3戦に勝利してシーズンを長らえれば、シュリットラーは3種の直球で挑み、それがシュリットラーとチームをどこへ導くか試すだろう。

2025.10.7 11:19 Tuesday

マリナーズの大砲ネイラーがALDS第3、4戦を欠場か 産休の可能性

 マリナーズの一塁手ジョシュ・ネイラーの地区シリーズ(ALDS=5回戦制)の第3、4戦への出場が不透明となった。ネイラーの妻は現在アリゾナ州におり、第1子を妊娠中だ。ダン・ウィルソン監督はネイラーが「個人的な理由」で休養を取っていると発表し、敵地デトロイトで行われる第3戦を前に詳細を発表する予定だと述べた。

 MLBのポストシーズンにおける父親リストの規則は、レギュラーシーズンと同じだ。ネイラーが育児休暇を取得した場合、リストに最大3日間登録されることになる。マリナーズは、ALDSの26人ロースターにネイラーの代替選手を補充することができ、タクシースカッド(予備登録枠)のメンバー数名がデトロイトへ移動した。

 ネイラーはトレードデッドラインでダイヤモンドバックスから加入後、マリナーズの中軸を担っている。移籍後の54試合で打率.299、出塁率.341、長打率.490、10二塁打、9本塁打、33打点を記録している。ただ、ALDSではここまで8打数無安打と快音がない。

 マリナーズは第3、4戦では右腕フラハティとマイズと対する予定だ。ネイラーが欠場する場合、左打ちの一塁手/外野手ルーク・レイリーが代役を務めるだろう。また、三塁手のエウヘニオ・スアレスを一塁にスライドさせる可能性もある。スアレスはここ数日、一塁を練習していた。

 スアレスが一塁に回る場合、マリナーズは好守の三塁手ベン・ウィリアムソンを代替登録する可能性がある。新人のウィリアムソンは今季85試合で打率.253、出塁率.294、長打率.310と打撃では目立たなかったが、三塁守備で存在感を発揮した。

2025.10.7 09:35 Tuesday

フリオとローリーの2人で決勝点 マリナーズが本拠地で24年ぶりPS勝利

【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月5日(日本時間6日)

 球団の顔であり、マリナーズの現在と未来を肩に背負う2人。若くしてスーパースターへの道を歩み始め、もしこのポストシーズンの幕を勝利で閉じれば、シアトルにおいてその名声は永遠のものとなる可能性がある。

 カル・ローリーとフリオ・ロドリゲス。60本塁打を放った無骨な捕手と、スポットライトを浴びるのが大好きな万能センター。この2人のコンビがア・リーグ地区シリーズ(ALDS=5回線制)の第2戦で大活躍した。

 同点に追いつかれて2-2で迎えた八回、ローリーが1死から二塁打で出塁すると、続くフリオも二塁打で続き、マリナーズは一瞬のうちに勝ち越し点を手にした。結局、この1点を守り抜き、マリナーズは3-2で勝利。シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

 「我々にとって、これは巻き返しの試合だった。そして2人はまさにそれをやってのけた」と、ダン・ウィルソン監督もローリーとフリオを称賛した。

 この日の勝利は、マリナーズにとって2001年のア・リーグ優勝決定シリーズの第1戦以来、24年ぶりの本拠地でのポストシーズンの勝利だった。長いトンネルを抜け、涙するファンもいた。

 フリオは「これは間違いなくナンバーワンだ。ここしばらくこんな瞬間はなかったので、今夜チームとして勝利を収めることができたのは、私にとって本当に特別なことだった。ファンの皆さんの姿、そして盛り上がっている様子を見るだけでも、本当に特別な思い出だ。この思い出はいつまでも心に残るだろう」と、キャリア最大のヒットを振り返った。

 第1戦で痛恨の敗北を喫したマリナーズは、レギュラーシーズン中も2度勝利しているスクーバルに対し、2-0とリードを奪った。しかし、八回にセットアッパーのブラッシュが失点し、同点に追いつかれた。

 その悪い流れをローリーとフリオが払拭した。「もっと重要なのはチームとして反撃することだ。カルがチャンスを作ってくれて、それに続けて嬉しかった」と、フリオは語る。

 「難しいことじゃないよ。勝つためにここにいるって感じだね。実際に何が起こったかなんて関係ない。相手がリードしたとしても、同点に追いついたとしてもね。この試合の目的は分かっている。だから、何が起こったかを嘆く暇なんてない。ただ、この瞬間を味わうだけさ」

 今季のマリナーズのポストシーズンのスローガンは「この瞬間を掴め(Seize the moment)」。今年米野球殿堂に入り、背番号51がマリナーズの永久欠番となったイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が、永久欠番制定セレモニーのスピーチでマリナーズの選手たちに向けて放った言葉だ。 悲願のワールドシリーズ、そして世界一を目指すマリナーズが、まずひとつ大きな瞬間を掴んだ。

2025.10.6 15:22 Monday

スクーバル先発の第2戦に敗北も「楽観的に考えたい」 2週間ぶりに本拠地凱旋へ

【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月5日(日本時間6日)

 タイガースは9月21日以来、長い遠征を終えて初めてホームへと帰る。マリナーズとの地区シリーズ(ALDS=5回戦制)は第2戦を終えて1勝1敗。久々の本拠地コメリカパークへの凱旋は、満員となるだろう。

 タイガースにとっては怒涛の2週間の遠征だった。敵地クリーブランドで負け越し、ガーディアンズに史上最大の逆転を許して優勝を逃しながら、なんとかワイルドカード3位でポストシーズン進出を決めた。そして今度はワイルドカードシリーズ(WCS)でガーディアンズと再戦し、見事にリベンジを果たしてALDSに進出。ALDS第1戦では不利なマッチアップを覆し、延長戦で勝利した。しかし、敵地T-モバイルパークに別れを告げてホームへと戻る今、残るのは生き残った実感だけではなく、チャンスを逃した悔しさだ。

 絶対的エースのタリック・スクーバルが先発し、マリナーズを崖っぷちまで追い詰めるチャンスだった。スクーバルはWCSで見せた調子ではなかったものの、7回2失点と力投。息を吹き返していた打線も八回にスペンサー・トーケルソンの二塁打で同点に追いついた。

 しかし、その同点劇の直後、マリナーズのカル・ローリーとフリオ・ロドリゲスに連続二塁打を浴び、タイガースは決勝点を献上した。そして2-3で接戦を落とした。

 「我々は自分たちの仕事をやり遂げたと思う。これからの2戦はホームアドバンテージがある。もちろんすべての試合に勝ちたいとは思うが、現実はそうではない」と、スクーバルは語った。

 スクーバルはマリナーズに対し、今季レギュラーシーズンで2敗を喫していた。しかし、相性が悪い相手を7回2失点、5安打、1四球、9三振と抑えた。ただ、わずか5本の被安打のうち、2本がポランコに浴びた本塁打だった。

 スクーバルが同じ打者に2本塁打を浴びるのは2021年以来のこと。そのときはまだ今のように球界のエース投手だったわけではない。 「ポランコは私のボールがかなりよく見えていた。ゾーンのすぐ下あたりに投げたチェンジアップを見送られた。普通、私が正確に際どいゾーンに投げれば、良い結果が出る。だから、(ポランコにとって)いい打席だった」と、ポランコを称えた。

 「2度の良いスイング。それで失点してしまった。それ以外は(捕手のディロン・ディングラーが)素晴らしいリードをしてくれた。自分の球種はすごくすごく良かったと思う。コマンドも良かった。これが野球だ」と、冷静に振り返った。

 タイガースはエースから求めていたピッチングを引き出すことができた。しかし、ワイルドカードシリーズからフルセットを戦い、第1戦では7回を投げ抜いた疲労困憊のブルペン陣には、十分な援護点が足りなかった。

 直近5日間で4登板目となるカイル・フィネガンが2番手として登板したものの、手強いマリナーズの上位打線にあっさりと捕まり、勝ち越しを許してしまった。AJ・ヒンチ監督は「フィネガンは同点あるいはリードした状況で投げさせる予定だった。劣勢ならトミー(ケインリー)を登板させるつもりだった。だが、上位打線では全力を尽くして相手を攻めるつもりだった」と、信頼の置けるフィネガンを上位打線に起用した意図を語った。

 フィネガンは得意のスプリットで先頭のアロザレーナを打ち取ったが、ローリーとロドリゲスには同じ球をとらえられた。 「体調は良好だった。ただ、本当に手強い打者を相手にして(打たれ)だけだ。ローリーには初球を打たれた。良い球だったけど、最高の球ではなかった。強打者には最高の球を投げなければいけない。ロドリゲスも似たような展開だった。1ボールにしてからスプリットでゴロを狙ったが、二塁打にされるには十分なくらい浮いてしまった」とフィネガンは振り返った。

 スクーバルは語る。 「ホームに戻って、球界最高のファンの前でプレーできる。シリーズは1勝1敗だ。タイで満足しているわけではないが、悲観的にではなく、楽観的に考えたい。敵地に乗り込んで1勝したことで、何かを成し遂げたんだ」

2025.10.6 14:40 Monday

ブルージェイズの縁の下の力持ちが活躍 守備職人のバーショとクレメント

【ブルージェイズ13-7ヤンキース】トロント/ロジャースセンター、10月5日(日本時間6日)

 ポストシーズンは思いもよらぬヒーローが誕生する場である。ブルージェイズにはスター選手が不足しているわけではないが、このチームを支えているのは、重要な場面で次々と活躍する縁の下の力持ちたち。ポストシーズンではそういった選手たちに脚光が当たっている。

 ポストシーズン経験豊富なベテラン、ジョージ・スプリンガーは語る。 「昔はチーム全体を背負って、引っ張った選手がいた。濾過ールームの全員の力が必要な時もある。チームを毎試合勝利に導けるのは、たった一人の人間だけではないと思う。全員の力が必要なんだ。試合中、個々の選手の頑張りがチームの成功に貢献するんだ」

 13-7の快勝でヤンキースを下した地区シリーズ(ALDS)の第2戦、ブルージェイズの縁の下の力持ちの筆頭格であるドールトン・バーショは大活躍した。5打数4安打、2二塁打、2本塁打と爆発し、チームのポストシーズンの1試合塁打数記録を更新。この活躍にジョン・シュナイダー監督は「バーショの打席での活躍についてはあまり語っていないと思う。つまらない、二塁打が数本、本塁打が数本くらいじゃね」と、満足げに冗談を飛ばした。

 そして、シュナイダー監督は冗談のあと、この堅守の正センターの貢献度について熱弁。 「バーショは驚異的だ。負傷なく1年を過ごせば、桁外れに成績が伸びるだろう。マックス・フリード(ヤンキース先発)と対戦するのは厳しいけれど、アプローチにこだわって特定の球種を狙い、特定の球種に対して自分のスイングで何をできるかを知っている打者がいると、気分はマシになるよ」

 そしてバーショと合わせて7打点を挙げたのが、ユーティリティのアーニー・クレメントだった。クレメントは二回に先制2ランを放ち、新人右腕のトレイ・イェサベージを援護した。

 既にゴールドグラブ受賞歴のあるバーショと比べると、クレメントはさらに目立たない存在だ。現在29歳のクレメントは2023年にブルージェイズに加入するまで、通算打率.204、OPS.525、代替可能な選手と比べて何勝分上積みしたかを示すfWARでは-0.4を記録していた。まさに代替可能な平凡な選手だったが、ブルージェイズ加入後にキャリアが一転。打力が改善され、持ち前の守備力を発揮できる機会が増え、今や好守の便利屋として欠かせない存在になった。

 「何も覚えていない。完全に意識を失っていた。正直、自分が何をしていたのかも分からない。バカみたいに見えたけど、仕方ない。興奮しすぎて心臓がドキドキしていたから、クラブハウスに戻って気持ちを落ち着かせなければならなかった」 ポストシーズンでの本塁打はおろか、ヒットすら初めてだった。

 「全員が役割分担しているだけだと思う」と、試合後にバーショは語った。打撃が持ち味の選手もいれば、守備が持ち味の選手もいる。個性豊かで野手層が厚いのがブルージェイズの特徴だ。 「その夜、その夜、本当に活躍する選手が一人いるかもしれない。チームとして、ボー(ビシェット)、ブラディ(ゲレーロJr.)、ジョージ(スプリンガー)にシーズンを通して頼るわけにはいかない。シーズン全体を見れば、重要な場面を経験した選手はたくさんいた。全員が互いを信頼し、自分たちを信じて、毎試合、自分たちのやり方でプレーしようと決めたんだ」

2025.10.6 13:53 Monday

カブスのブルペン陣を支えるのは、既に解雇されたベテラン

 ポストシーズンを前にカブスの救援右腕ブラッド・ケラーはライアン・プレスリーにメッセージを送った。ケラーはポストシーズンの経験がなく、プレッシャーに押しつぶされないためにアドバイスを求めていた。

 現在36歳のプレスリーは7月を境にカブスの選手ではなくなった。メジャー12年のキャリアを誇り、今季はクローザー候補として加入したが、成績が振るわずに解雇された。しかし、プレスリーは退団後もチームに影響を与えている。長年にわたるキャリア、そしてポストシーズン経験は、今もなおカブスの財産となっている。

 「『どうやってこの状況に対処してるの? 不安にどう対処してるの?』って感じのメッセージを(プレスリーに)送ったんだ。すると長いメッセージをもらった。本当に心が解放されるようだったよ」とケラーは語る。

 ケラーはナ・リーグワイルドカードシリーズ(WCS)第1戦の最終回を抑え、カブスにとって8年ぶりのポストシーズンでの勝利をクロージング。ケラーがポストシーズンの初戦を締めくくったということは、今季のカブスを象徴した出来事だといえる。今季、カブスのブルペン陣は多くの選手が入れ替わり、素晴らしいブレイクアウトシーズンやキャリアの再生劇が見られた。

 地区シリーズ(NLDS)のロースターに登録された選手のうち、米国開幕戦のロースターに名を連ねていたのはケラー、コリン・レイ、ケイレブ・シールバーの3人のみ。ケラー(防御率2.07)はマイナー契約から、勝利の方程式の一員に成長した。レイは先発・リリーフを両方こなせる保険として契約し、負傷者続出の先発ローテを支えた。38歳のシールバー(防御率2.64)は2024年に不振に陥り、1年契約でカブスに加入した。

 「僕たちはみな、それぞれ違う性格なんだ。それぞれのキャリアが今の僕たちを形作ってきたんだと思う」とケラーは語る。

 リストはまだ続く。 ダニエル・パレンシア(防御率2.91、22セーブ)は今季3Aで開幕し、シーズン途中からクローザーに定着。36歳のドリュー・ポメランツ(防御率2.17)は2021年以降、MLBで登板していなかったが、マリナーズ傘下で復活の兆しを見せ、金銭トレードで加入した。アンドリュー・キットリッジのトレードデッドラインにおける獲得は、ほとんど注目を集めなかった。アーロン・シバーリは8月31日にウェーバーでホワイトソックスから加入した。

 カブスの球団編成部長ジェド・ホイヤーは、WCS突破後のシャンパンファイトで語った。「プロのスカウト陣とコーチ陣に多大なる称賛を送りたい。ケラーはマイナー契約だった。ポメランツは金銭トレードで獲得した。パレンシアは飛躍的に成長し、素晴らしい仕事をした。キットリッジも素晴らしい。シールバーは小規模な1年契約で復活した」

「ワイルドカードシリーズでブルペン陣は素晴らしかった。全員高額な選手ではない。獲得費用も高くなかった。本当に素晴らしい仕事だった。」

 先発ローテの一角を担ったベン・ブラウンは語る。「キャッチボールをしながら、その日の先発投手のウォーミングアップを見ることもある。『今はボールを投げることさえできない。すごく疲れているし、筋肉痛もひどい』なんて思うこともある。でも、その間、リリーフ投手たちは3日連続で全力投球している。上から下まで、ブルペンは素晴らしく、我々にとって大きな存在だ」

 8月上旬からレギュラーシーズン終了まで、カブスのブルペン陣は防御率3.60を記録し、ナ・リーグ3位にランクインした。パレンシアが9月上旬に右肩を負傷した後、カブスのクレイグ・カウンセル監督はクローザーを置かない体制に戻し、代わりに様々な状況で「アウトゲッター」を起用することに重点を置いた。

 パレンシアはこのアプローチに全面的に賛同し、WCSでは2度、試合中盤でイニングをまたいだ。パレンシアにどんな状況、どんな球数での登板も受け入れる積極性について尋ねると、プレスリーの影響を指摘した。 「プレスリーはここの父親みたいな存在だった。どこにでも連れて行ってくれて、いろんなことを教えてくれた。リラックスする方法、心を落ち着かせる方法など。『俺の仕事はアウトを取ることだ』っていつも言っていた。五回だろうが九回だろうが関係ない。俺たちの仕事はアウトを取ること、それだけだ」

 プレスリーはポストシーズンを前にパレンシアに長文メッセージを送った。

 「朝にメッセージを送ってきてくれた。『よう、あんまり考えすぎるな。準備するんだ。今こそチャンスだ。本当の自分を見せろ』みたいな感じで書いてあったんだ」

 パレンシアはそう言うと微笑んで、別のメッセージももらったことを明かした。罵り言葉も交えられながら、「(カブスのために)モンスターになれ」と言われたという。

 クレイグ・カウンセル監督はこう語る。「ライアン・プレスリーは良い人間だ。そういうことだ。野球界で、恩返しをするように教えられてきた。知識を喜んで伝授してくれた。そして、彼らが今でも声をかけているということは、プレスリーがまだ彼らを受け入れているということだ」

2025.10.6 12:05 Monday

マリナーズが第2戦に勝利 フリオが決勝タイムリー

【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月5日(日本時間6日)

 0勝1敗でア・リーグ地区シリーズ(ALDS)第2戦を迎えたマリナーズが、フリオ・ロドリゲスの決勝タイムリーで勝利。難敵タリック・スクーバルと対した第2戦に勝利し、シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

 レギュラーシーズン中も2度土をつけたスクーバルをマリナーズ打線が攻略した。四回、4番ポランコが甘く入ったスライダーを逃さず、レフトへ先制ソロ。

 そして六回、ポランコが再びスクーバルの甘く入ったシンカーをとらえ、レフトへ文句無しの本塁打で追加点。スクーバルからマルチ本塁打を放ったのは、2021年8月のポール・ゴールドシュミット以来。マリナーズの選手がポストシーズンでマルチ本塁打を放つのは、この日始球式に登場した1995年ア・リーグ優勝決定シリーズのジェイ・ビューナー以来の快挙だった。

 先発カスティーヨが粘りの投球でブルペン陣へつなぎ、マリナーズは逃げ切りを図ったが、八回にセットアッパーのブラッシュが誤算。先頭に四球を与え、味方のエラーで一、二塁とすると、トーケルソンに同点タイムリー二塁打を浴びた。

 しかし、同点に追いつかれた直後の攻撃でマリナーズ打線は勝ち越し。ローリーが二塁打で出塁すると、続く3番ロドリゲスは球場の「フリオ」コールに応え、勝ち越しのタイムリー二塁打を放った。その後も、

 

2025.10.6 11:54 Monday

タイガースが延長の末、第1戦を制す 不振のマッキンストリーに殊勲打

【マリナーズ2-3タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月4日(日本時間5日)

 ア・リーグの第2シード・マリナーズと第6シード・タイガースにより地区シリーズ(ALDS)第1戦は、延長戦の末にタイガースが先勝。11回にザック・マッキンストリーが決勝タイムリーを放ち、勝負を決めた。マリナーズは本拠地T-モバイルパークでは2001年以来となる得点を入れ、同点に追いついたが、あと1点が遠かった。

 早めの継投策に出ると見られていたタイガースは、先発メルトンが4回1失点と好投。試合を作った新人の奮闘に応え、五回には2番カーペンターが逆転の2ランを放った。

 カーペンターはマリナーズ先発のカービーを得意としている。この日の本塁打を含め、通算成績は11打数5安打、その5安打はすべてが本塁打だ。この日は高めに外れたシンカーを完ぺきなタイミングでとらえ、ライトの中段まで運んだ。特定の投手に対して通算5安打以上をすべて本塁打で記録しているのは、現役選手の中でカーペンターだけだという。

 継投に出たタイガースは3番手ラファエル・モンテロがフリオ・ロドリゲスにこの日2打点目のタイムリーを浴び、同点に追いつかれる。しかし、それ以降はブルペン陣が奮起。5人の投手が6回無失点、2安打、4三振、無四球の無失点リレーで11回までつないだ。

 そして、11回の攻撃では先頭のトーケルソンが四球で出塁し、暴投で進塁。そこから2者連続三振に倒れたが、マッキンストリーがセンター前にタイムリーを放って勝ち越し点をもたらした。マッキンストリーはレギュラーシーズンの9月25日以来、17打数無安打の不振に陥っていたが、「シンカーを狙っていた」と初球に反応した。

 エースのカービーを立てたマリナーズ相手に、4番手メルトンで挑んだタイガースが金星を上げた。あす行われる第2戦では、絶対的エースのタリック・スクーバルが先発。3戦先勝のALDSを突破するためには残り2勝が必要だが、スクーバルは第5戦を含めて残り2度先発が可能であり、タイガースは有利な立場に躍り出た。 殊勲打のマッキンストリーは語る。 「スクーバルがマウンドに立つ第2戦が、すごく楽しみだ。(スクーバルは)全力で戦うだろう。エネルギッシュで、このゲームでも屈指の選手だ。あしたはバックでプレーするのがすごく楽しみだ」 絶対的エースを中心に士気の高いタイガースが一気にシリーズの流れを手にするかもしれない。

2025.10.5 14:37 Sunday

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