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第1戦で発揮されたブルージェイズの真骨頂 積極打法が奏功
【ブルージェイズ11-4ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月24日(日本時間25日)
まさにブルージェイズ打線の真骨頂が発揮された第1戦だった。ブルージェイズ打線はコンタクト力(バットをボールに当てる能力)と長打力の両方を兼ね備えている。長打力が重視され、三振を許容する風潮が強い現代野球において、長打と三振の少なさを両立させるのは至難の業だ。しかし、ブルージェイズはレギュラーシーズンではMLBベストの三振率(17.8%)を記録する一方、OPSでもMLB3位、総得点MLB4位と、パワーも発揮できる。
そして、もう一つの特徴が「積極打法」だ。ブルージェイズ打線はポストシーズンにおいて、ストライクに積極的にスイングを仕掛ける。ストライクゾーンに投じられた投球に対するスイング率71.0%は、今ポストシーズンに進出したチームの中でダントツ(唯一の70%超え)であり、2015年以降でポストシーズンに進出した全124チーム中でも歴代15位に入る。
ただ積極的にスイングを仕掛けられても、長打を打たれないならば投手としてはリスクが低い。しかし、ブルージェイズ打線は今ポストシーズンでダントツの長打率.523(2位のドジャースでも.430)を誇る。ブルージェイズ打線に対する投手は、打席を有利に進める上でストライクが必要だが、ストライクゾーンに投げ込むのはリスクが伴い、そこにジレンマを抱える羽目になる。
今ポストシーズンではほぼ無敵の快投を続けていたブレイク・スネルでさえ、そのジレンマに囚われた。スネルはこれまでのポストシーズンで3先発をこなし、21回でわずか2失点、28三振と絶好調。これまでの3先発では初球ストライク率65.8%と、積極的にストライクを投じてきた。
しかし、ブルージェイズ打線と対したワールドシリーズ第1戦では、初球ストライク率は45.4%にとどまった。スネルはストライク先行の投球ができず、真綿で首を締められるようにブルージェイズ打線に追い詰められていった。
初回、スネルは2四球と単打で3人の走者を許し、3死目を奪うまで29球を要した。二回も2安打を打たれ、三回も安打を許しながら併殺で無失点で抑えた。初回は5打者との対戦のすべてでボール球を投じ、序盤ではストライクを満足に投げられていなかった。
しかし、四回は不用意な初球の入りが裏目に出た。無死1塁でバーショに甘く入った初球のフォーシームを完ぺきに捉えられ、同点2ランを浴びた。
五回も先頭に安打を許しながら、なんとか併殺で切り抜けたが、その時点で球数は84球。決して調子が良いとは言えず、交代も考えられる状況だったが、ドジャースはブルペン陣に不安を抱える。切り札アレックス・ベシアがワールドシリーズを欠場し、信頼が置ける投手は佐々木朗希のみという状況では、六回までエースを引っ張らざるを得なかった。
しかし、スネルはついに六回に決壊。先頭から四球、単打を与え、続くバーショには8球粘られた末に死球を当てた。デーブ・ロバーツ監督はここでスネル降板を決断し、2番手シーアンを投入する。
試合後にスネルはこう語った。 「ストライクを投げれば、彼ら(ブルージェイズ打線)は振ってくるだろう・・・。四球も出していたし、打者有利のカウントを作ってしまっていた。もっと良いスポットに投げないといけなかった」 ストライクを投げれば積極的にスイングを仕掛けられ、しかも長打もありえる。そのプレッシャーがエースの制球を乱していた。
2番手のシーアンはスネルとは異なり、ストライク先行の投球を実践した。しかし、それでも結果は変わらなかった。
シーアンは4打者との対戦ですべて初球をストライクゾーンに投じた。しかし、代わりばなのクレメントには初球ファウルのあと、2球目でタイムリーを献上。続く代打ルークスは初球で空振りを奪ったものの、9球粘られて押し出し四球を与えた。さらに9番ヒメネスとの対戦でも、1、2球目はファウルで追い込んだものの、追い込んでからのチェンジアップをタイムリーにされた。1番スプリンガーにも初球を打たれたが、これがショートゴロとなり、シーアンはこの日最初にして最後のアウトを奪った。
そもそも無死満塁の場面で本来は先発投手のシーアンを投入した判断は、決して間違ってはいない。レギュラーシーズン中、シーアンの奪三振率30.6%はMLB上位9%、空振り率32.9%は上位7%に入る高水準。制球が不安定なブレイク・トライネンより、ローリスクな選択肢だったと言える。
今はブルージェイズ打線を称えるほかないだろう。MLBで最も三振が少ないブルージェイズ打線は、奪三振力が高いシーアンをものともせず打ち砕いた。早めのカウントで仕掛けて打者不利のカウントとなっても、決して三振せずに打球をインプレーにする。そのコンタクト力が鮮やかな攻勢を生み出した。
勝ち越し打を放ったクレメントは、ヤンキースを下した地区シリーズ後に、ブルージェイズの積極打法についてこう語っていた。 「僕たちは1打数無安打に終わるくらいなら、1ストライク0ボールになっても構わない。もし相手にやられたとしても、スイングを仕掛けて残りの打席を全力で戦う。でもこれは考え方の問題だ。ど真ん中に来た初球を振ってアウトになっても仕方ない。これが僕の考え方だ。ただ、外角に2球分外れたボールを振って内野ゴロに倒れたら、誰にとっても良いことにならない」 まさにその言葉通りのアプローチをブルージェイズの打者は実践していた。
第1戦で猛攻を浴びたドジャースは、山本由伸が先発する第2戦では是が非でも連敗を避けたいだろう。
しかし、スネルのように慎重に入れば球数がかさみ、シーアンのようにストライク先行でも悪い結果に終わり、ドジャースは苦い記憶を植え付けられたはずだ。MLB屈指の強力打線に対して、あすの山本由伸はどう対抗するだろうか。
2025.10.25 17:46 Saturday
弱点のブルペン陣が不安を露呈 ドジャースがワールドシリーズ第1戦を落とす
【ブルージェイズ11-4ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月24日(日本時間25日)
ドジャースは先発投手の好投に慣れてしまっていたかもしれない。今季のポストシーズンにおいて、ドジャースの先発投手陣は防御率1.40のパフォーマンスで、チームをワールドシリーズまでわずか1敗で導いてきた。
しかし、毎試合のように歴史的な好投を期待できるわけではない。ドジャースは弱点のブルペン陣が一皮剥けなければ、ワールドシリーズ終盤で苦戦を強いられるだろう。
先発のブレイク・スネルはこの日、調子が悪く、六回にブルージェイズ打線につかまった。悪夢のような六回で、スネルはノックアウトされ、リリーフしたエメット・シーアンとアンソニー・バンダは9点を失った。そして、ドジャースはワールドシリーズ第1戦に4-11で大敗した。
「マウンドに立てば、常に仕事を果たそうとする。ただ、ブルペン陣に関して言えば、きょうはそれができなかった。それができれば、あとは完ぺきだった。とにかく自信をつけることが大事だと思う。でも、今夜は本当に酷かった」と、バンダは振り返る。
ドジャースは今ポストシーズンで初めて劣勢に立たされている。これまで最大7戦のポストシーズンシリーズでは、ホームで第1戦に勝利したチームは、67.6%(69/102)の割合でシリーズを制している。
「厳しい試合だったけど、その後は相手が勢いづいて、より良い試合を展開した。4試合ある。4試合勝たないと」、六回途中5失点を喫したスネルは語った。
今ポストシーズンでのドジャースの勝ち方は、概ね固まっている。まずは先発投手がクオリティスタート、もしくはそれ以上の好投をする。打線が必要最低限の得点を重ねる。そして最後に、ブルペン陣の数少ない信頼できる投手にボールを託す。
ドジャースはここまで9勝1敗でポストシーズンを勝ち上がり、このパターンは機能していた。しかし、ブルペン陣で数少ない信頼できる投手だったアレックス・ベシアがワールドシリーズを欠場する見込みで、暗雲が垂れこめた。
デーブ・ロバーツ監督は既に84球を投じ、調子が悪い中で2失点にまとめていたスネルを引っ張った。しかし、スネルは先頭から2四死球、1安打で無死満塁のピンチを招き、その試みは失敗。
無死満塁で右打者のクレメントを迎える場面で、右腕シーアンを投入した。レギュラーシーズンでは先発投手を務めたシーアンは、今ポストシーズンではリリーフに回っている。ただ、ピンチの場面でのリリーフはおろか、走者なしの場面でも苦戦していた。
ただ、ロバーツ監督には選択肢が限られていた。ブルペン陣の右腕には他にブレイク・トライネンがいたが、トライネンのパフォーマンスは予測できない。エドガード・エンリケスとウィル・クラインはワールドシリーズからロースターに加わったばかり。守護神の佐々木朗希は決して九回専門の投手ではないが、リードしていない状況の六回では投入できなかった。
残された選択肢はシーアンだった。しかし、シーアンは最初の3打者に2安打、1四球で3点を許した。
シーアンが1死を奪い、ドジャースは代打バージャーに合わせて左腕バンダを投入。しかし、バンダは左打者のバージャーを抑えられず、ワールドシリーズ史上初の代打満塁弾を献上した。さらにカークにも2ランを浴び、9失点を喫した悪夢の六回は終わった。
七回に大谷翔平が2ランを放ったが、ブルージェイズの流れは変えられなかった。
「ブルペン陣の構成を考えると、シーアンとバンダの力は必要だ。まだ道のりは長いし、良い投球をしてもらう必要がある」と、ロバーツ監督は打たれた2投手をフォローした。
一方で、打線も振るわなかった。得点圏では7打数3安打だったが、7残塁は理想的な結果ではない。
「1試合で10、11得点する力がわれわれにはある。ただポストシーズンでそれをやるのは難しい」と、ムーキー・ベッツは語る。
しかし、攻撃力がどんなに高くても、ブルペン陣が9失点したのを埋め合わせることはできない。ドジャースは不安定なブルペン陣を抱えながら、ここまで勝ち進んできた。もしあと4勝を挙げるならば、ドジャースは今季を通して直面してきた最大の疑問に対して、答えを出さなければいけない。
2025.10.25 15:49 Saturday
ドジャース有利の下馬評を覆す逆転勝利 猛打ブルージェイズが第1戦に勝利
【ブルージェイズ11-4ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月24日(日本時間25日)
激戦区のア・リーグ東地区で久々に優勝し、第1シードをつかみ取ったにもかかわらず、ブルージェイズに対しては期待だけではなく、疑問も同時に投げかけられていた。
しかし、ブルージェイズは総年俸4億ドル近いスター軍団・ドジャースにも弱点があることを知っていた。そしてその弱点をつく計画を完ぺきに実行し、疑問の声を払拭。44353人が詰め寄せた本拠地ロジャースセンターに熱狂を巻き起こした。
ブルージェイズの強力打線は同点で迎えた六回、ドジャース先発のブレイク・スネルから無死満塁のチャンスを作り、スネルをマウンドから引きずり下ろした。そしてドジャースの弱点であるブルペン陣を攻め立て、一挙9得点の猛攻で、ワールドシリーズ第1戦に11-4で大勝した。
「次の打者にバトンを渡す必要があることを意識しながら、ひたすら打席に立つこと。それが今年の私たちのやり方だ。そして、それを信じていた」と、四回に同点2ラン、そして六回には素晴らしい打席で死球を勝ち取ったドールトン・バーショは語る。
バーショが死球をもぎとって満塁のチャンスを作り、2本のタイムリーと押し出し四球で勝ち越すと、代打アディソン・バージャーが満塁弾で続いた。バージャーの代打満塁弾はワールドシリーズ史上初の快挙。今夜最大のハイライトを飾り、ブルージェイズに対する疑問を覆す一打だった。
最大7戦で行われるポストシーズンのシリーズにおいて、第1戦に勝利したチームは、過去64.8%(127/196)の割合でシリーズを制した。現行のフォーマット(上位シードの本拠で2戦、下位シードの本拠で3戦、上位シードの本拠で2戦)では、第1戦に勝利したチームの67.6%(69/102)がシリーズを制している。そして興味深いことに、ブルージェイズのようにリーグ優勝決定シリーズを7戦かけて制したチームは、ドジャースのようにリーグ優勝決定シリーズをスイープで勝ち上がったチームに対して無敗というデータもある(過去4度)。
シーズン開幕前には史上最高のチームとも評されたドジャースは、ポストシーズンでついにその実力を遺憾無く発揮。特にスネル、山本由伸、タイラー・グラスナウ、大谷翔平からなる先発投手陣はここまで防御率1.40の快投で、わずか1敗でワールドシリーズまで駆け上がってきた。さらに打線も殿堂入り確実と言われるスター打者(大谷、ベッツ、フリーマン)らを擁し、全員が大舞台の戦い方を知り尽くしている。ドジャースはまさに世界一の大本命と言えた。
しかし、もはや分からない。
ブルージェイズ打線は初回からスネルをしつこく攻めた。四回まで無得点に終わったが、初回から29球を投げさせるなど、走者を出し続けた。
2度のサイ・ヤング賞を獲得したスネルは、ブルージェイズと同地区のレイズなどに所属していたキャリア初期は、四球が多く、長いイニングを投げられなかった。しかし、投手として成熟した今、四球は滅多になくなり、特にこの10月は最高の調子を維持している。
しかし、第1戦ではスネルはストライクゾーンに思うように投げ込めず、ブルージェイズ打線はスネルがマウンドから降りるときを虎視眈々と待ち続けた。 「ストライクを投げれば、彼ら(ブルージェイズ打線)は振ってくるだろう・・・。四球も出していたし、打者有利のカウントを作ってしまっていた。もっとコントロール良く投げなければいけなかった」と、スネルは振り返る。
スネルを打線がじっくりと攻め立てる間、ブルージェイズは先発のトレイ・イェサベージが粘りの投球。22歳のイェサベージは二、三回に1点ずつを奪われた。これがまだMLBの舞台で7登板目のイェサベージは、武器とするスプリットの感覚がつかめていなかった。しかし、二回は1死満塁のピンチでパヘスから三振、大谷から内野ゴロでアウトを奪い、出血を最小限にとどめた。
新人の粘りが生き、打線はついにスネルをとらえた。四回、バーショが甘く入った初球をとらえ、同点2ラン。これはスネルにとってレギュラーシーズン中の8月29日以来の被本塁打であり、シーズンを通して初めて左打者から打たれた本塁打だった。
バーショの本塁打は、ブルージェイズにとってワールドシリーズでは32年ぶりの本塁打だった。その1993年のワールドシリーズ第6戦でジョー・カーターが放った、世界一を決める伝説のサヨナラ本塁打は、バーショにとって無関係の出来事ではない。その本塁打をブルージェイズの相手だったフィリーズの捕手として間近で眺めていたのはダレン・ドールトン。バーショの父であるゲイリー・バーショはその後、ドールトンとチームメートとなり、そのファミリーネームにちなんだ名前を自身の息子に付けることになる。
「ちょっと非現実的な瞬間だった。大団円を迎えたって感じだね」と、バーショは語る。
そして、バーショはその同点弾の次の打席で、再び試合の流れを変える。六回、ワールドシリーズから復帰したビシェットが先頭で四球を選び、その後単打でチャンスが広がり、バーショが打席に入る。
バーショは息切れしてきたスネルから8球粘ってフルカウントとし、死球をもぎ取った。バーショは痛みに顔をしかめたが、痛手を負ったのはドジャースの方だっただろう。ドジャースはついにスネルを降板させ、2番手エメット・シーアンを投入。しかし、この継投は失敗した。
続くアーニー・クレメントがシーアンからいきなりタイムリーを放って、この試合初めてのリードをブルージェイズにもたらすと、続く代打ネイサン・ルークスも素晴らしい打席で押し出し四球。さらに9番のアンドレス・ヒメネスもタイムリーで続き、5-2とリードした。
このときには既にロジャースセンターは電話をしたり、瞑想したりするのに向かない場所になっていた。しかし、1死となってから3番手バンダと対したバージャーが、満塁弾を放ったとき、球場は熱狂の渦に巻き込まれた。1993年のワールドシリーズ第6戦でさえ、これより大きな歓声が響き渡ったとは考えにくい。
25歳で初のポストシーズンを戦うバージャーにとって、ワールドシリーズのデビューとしては悪くない結果だった。 「おそらくこれ以上ないほど素晴らしい結果だったよ」、とバージャーは笑顔を見せた。
代打満塁弾はワールドシリーズ史上初の快挙。バージャーの本塁打は歴史に名を刻んだだけではなく、両チームのミスマッチを露呈させた。ドジャースがブルペン陣の層の薄さを完全に露呈した一方、代打攻勢で猛攻をかけたブルージェイズの野手層の厚さが誇示された。ジョン・シュナイダー監督も語る。 「それがわれわれのやり方だ。打線全体、全員が試合に臨む準備を整えてくれて本当に良かった。…あのイニングの打席はボーの四球で始まり、続いて(スネルの)ノックアウト。そして、そのまま調子が続いた。打線全体、全員が本当に素晴らしい打席だった」
バージャーの満塁弾に続き、アレハンドロ・カークも2ランを放ってブルージェイズは大量リードを奪った。七回に大谷が放った2ランは、焼け石に水だった。
大谷が最終回に打席に立ったとき、ブルージェイズファンは「お前は必要ない(We don’t need you)」と大合唱した。大谷が2024年にドジャースと巨額の10年契約を結ぶ前、ブルージェイズは大谷獲得に近づいており、一時は契約間近との報道(誤報)も出たほどだった。その合唱は大谷の打席が終わったあとも「あいつは必要ない(We don’t need him)」と変わって響き続けた。
そしてこの夜、ブルージェイズファンは正しかった。ブルージェイズに必要だったのは、ただ彼らのゲームプランを遂行することだけだった。
2025.10.25 15:15 Saturday
ブルージェイズがワールドシリーズ第1戦に勝利 強力打線が爆発
【ブルージェイズ11-4ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月24日(日本時間25日)
ブルージェイズが持ち前の強力打線の活躍でドジャースを破り、ワールドシリーズ第1戦に勝利。同点で迎えた六回に2本のタイムリーと押し出し四球で勝ち越すと、代打アディソン・バージャーがダメ押しの満塁本塁打を放ち、試合を決定づけた。一方のドジャースは大谷翔平(31)にワールドシリーズ通算1号が飛び出したが、反撃及ばず、ブルージェイズに大敗を喫した。
ドジャースがポストシーズン無敗のブレイク・スネル、ブルージェイズが22歳のトレイ・イェサベージの両先発で始まった第1戦で、先手を取ったのはドジャースだった。1死一、二塁のチャンスを作り、7番キケ・ヘルナンデスが先制タイムリー。続く三回も先頭からの2連続四球で走者を出し、4番ウィル・スミスがタイムリーで2点目をもたらした。
しかし、強力ブルージェイズ打線も反撃。ポストシーズン絶好調のスネルに対し、三回まで毎回走者を出し、四回にはついに6番ドールトン・バーショが同点2ランを放った。
2-2で迎えた六回、ブルージェイズは2つの四死球と単打で無死満塁とし、ついにここでスネルをノックアウト。代わった2番手エメット・シーアンに対して、7番アーニー・クレメントがタイムリー、代打ネイサン・ルークスが押し出し四球、9番アンドレス・ヒメネスがタイムリーを放ち、5-2と一気に勝ち越した。
なおもブルージェイズの攻勢は止まらず、1死満塁で3番手アンソニー・バンダから、代打アディソン・バージャーが右中間へ飛び込むグランドスラム。ワールドシリーズでの代打満塁本塁打は史上初だった。そしてブルージェイズはその後、5番アレハンドロ・カークにも2ランが飛び出し、六回に一挙9得点。11-2と大量リードを奪った。
ドジャースはその後、七回に大谷翔平がワールドシリーズでの自身初アーチとなる2ランを放った。しかし、反撃もそこまで。ブルージェイズは大量リードを守り抜き、11-4でワールドシリーズ第1戦に勝利した。ワールドシリーズでは第1戦に勝利したチームが63%の確率で世界一を掴み取っている。
コンタクト力とパワーを両立するブルージェイズ打線の持ち味が発揮された第1戦の猛攻だった。ポストシーズンではほぼ無敵の快投を続けてきたスネルに対し、初回から25球を投げさせ、喫した空振りはゼロ。その後も持ち前のコンタクト力を発揮し、試合を通して三振はわずか4度だった(五回以降はゼロ)。奪三振率リーグ1位のドジャース投手陣にとって、4三振は今季2番目に少なかった(レギュラーシーズン、ポストシーズン合わせて)。その一方で軽打だけではなく、3本塁打で戦局を決定付けた。
2025.10.25 12:33 Saturday











