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ポール・スキーンズがドジャースを圧倒 サイ・ヤング賞は確実か
【パイレーツ5-3ドジャース】ピッツバーグ/PNCパーク、9月4日(日本時間5日)
ナ・リーグサイ・ヤング賞候補のポール・スキーンズ(10勝9敗)が6回無失点の好投で、パイレーツを勝利に導いた。若手投手陣の活躍で中地区最下位のパイレーツは、西地区首位のドジャースをスイープ(3連勝)。スキーンズは防御率を再び1点台とし、サイ・ヤング賞レースで独走体勢に入った。
スキーンズにケチを付けるのは難しい。23歳の右腕は既に新人王、デビューからの2シーズンで2年連続のオールスターゲーム先発など多くの栄誉を手に入れ、今季は自身初のサイ・ヤング賞を手にするだろう。唯一ケチを付けられる点が、個人勝敗では黒星が先行していることだったが、この日10勝目を手に入れたスキーンズは「もう私についてそんなことは言えないよ」といたずらっぽく笑った。
スキーンズは10勝9敗、防御率1.98(両リーグ1位)、195三振(ナ・リーグ1位)の成績を収めており、サイ・ヤング賞獲得はほぼ間違いない。パイレーツの選手として1990年のダグ・ドレイベック以来3人目の受賞者となるだろう。
パイレーツのドン・ケリー監督は喜んでサイ・ヤング賞投票における広報の役目を引き受けるだろう。「もちろん、彼の仕事ぶり、闘志、持ち前の才能、そして彼の仕事への取り組み方。私たち全員が彼のためにそれ(サイ・ヤング賞)を望んでいる。願わくば、今年こそ受賞してほしい。今年であろうとなかろうと、彼はサイ・ヤング賞に値する投手だ。彼が受賞すれば、ポールにとっても球団にとっても大きな意味を持つだろう」と、受賞を熱望している。重ねて「ポールのこと、そして彼の物事への取り組み方を知っていると、本当に感銘を受けるのは、彼がそうするのはサイ・ヤング賞が理由ではないということだ。彼は本当により良くなりたいから、偉大になりたいから、そうするんだ。そして、彼はマウンドに立って、ピッツバーグ・パイレーツの勝利に貢献したいんだ」と、スキーンズの姿勢に賛辞を惜しまなかった。
MLB3位の平均得点を誇る強力ドジャース打線に対し、スキーンズはわずか2安打、8三振(ナ・リーグMVP最有力候補の大谷からの2三振含む)、1四球と好投した。「こういうのが楽しいんだ。間違いなく野球界最強のチームを相手にホームでスイープを狙うのは、最高のチャンスだ。決して軽視してはいけない」と、強敵との対戦を楽しんだ。
また、自身初のサイ・ヤング賞獲得に向けて視界は良好だが、スキーンズはまだ気を緩めていない。「結局は良いピッチングをすることに尽きる。良いピッチングをしても失点することはあるし、良いピッチングをしても失点しないなんてありえない。残り4、5試合の先発が残っている。オフシーズンに入る前に、何もやり残したくはない。去年と同じ考え方だ。どこに行っても結果には関わらないが、何もやり残したくはない」と、全てを出し切るつもりだ。
そして、いかにスキーンズが好投しようと、打線の援護がなくては前半戦のように黒星が増えてしまうだろう。後半戦に入ってから6勝1敗と勝ち運が巡ってきたスキーンズのバックには、ケリー新監督のもと生まれ変わったチームがいる。ケリー監督が5月に就任するまでチームは12勝26敗だったが、就任後は52勝51敗。特に直近16試合では12勝を挙げている。
スキーンズは好調なチームについて「いい野球ができている。個人として、あるいはチームとして、自信がどこから来るのかは分からない。ある程度は成功から来ると思う。だから、自分たちにはできるということを証明できたと思う。それが自信につながっているんだ」と語った。
2025.9.5 14:44 Friday
レイズが破竹の7連勝 先発ペピオが圧巻の無安打投球
【レイズ4-2ガーディアンズ】タンパ/スタインブレナーフィールド、9月4日(日本時間5日)
先発ライアン・ペピオとブルペン陣の奪三振ショーでレイズがガーディアンズに勝利し、破竹の7連勝を成し遂げた。レイズは借金生活から一気にプレーオフ争いに復活し、ワイルドカード圏内まで2ゲーム差に迫っている。
ペピオは直近の3先発で15イニング無失点、2安打、6四球、15三振と絶好調。既にキャリアハイの投球回数を記録していることから、レイズは投球量を制限しようと試みているが、当のペピオに疲労の色は見られない。
ペピオは初回、先頭打者クワンとの11球に及ぶ勝負を全てフォーシームで挑み、センターフライに打ち取った。そこから勢いに乗り、ガーディアンズ打線に1本のヒットも許さずに5回を零封。持ち味である直球とチェンジアップのコンビネーションが冴え渡り、5回無安打無失点、3四死球、6三振と好投した。
ガーディアンズ打線は六回に初安打を放ったが、ペピオ降板後もレイズのブルペン陣に苦戦。最終回に2本のソロ本塁打で反撃したが、7度の三振を喫した。
レイズ打線も奮闘した投手陣を援護。初回に敵失からクリストファー・モレルのタイムリーで先制すると、四回もモレルの安打を起点に新人カーソン・ウィリアムズがタイムリーを放った。六回にも先頭のモレルが安打で出塁してチャンスを作り、内野ゴロとセーフティスクイズの間に2点を追加。攻守が噛み合い、4-2でガーディアンズを下した。
これはレイズにとって、2023年6月3日から9日までの7連勝以来の最長連勝であり、レイズがプレーオフを争う今、絶好のタイミングでの連勝となった。連勝開始時点では、レイズはワイルドカード3位のマリナーズに7.5ゲーム差をつけられていたが、現在ではマリナーズとの差はわずか2ゲーム差に縮まっており、7月26日以来、プレーオフ進出圏内に最も近づいている。
2025.9.5 14:40 Friday
ウィットJr.の決勝弾でロイヤルズが逆転勝利 WC圏内に2ゲーム差
【ロイヤルズ4-3エンゼルス】カンザスシティ/カウフマンスタジアム、9月4日(日本時間5日)
ロイヤルズは初回に3点を奪われながら、4本のソロ本塁打を積み重ねてエンゼルスに逆転勝利。ワイルドカード獲得に向けてこれ以上負けられない中、同点弾のサルバドール・ペレスと勝ち越し弾のボビー・ウィットJr.の2人のフランチャイズプレイヤーが大仕事を果たした。2連敗で迎えたエンゼルスとの3連戦の最終戦に勝利し、スイープ(3連敗)を回避した。
ロイヤルズの先発は新人ながら好投を続けるノア・キャメロン。キャメロンは初回、2死から走者を許し、ルイス・レンヒーフォに3ランを浴びた。
一方のロイヤルズ打線も本塁打で応戦し、二回にアダム・フレイジャー、四回にビニー・パスカンティーノがそれぞれソロ本塁打を放ち、2-3と1点差に迫った。
先発キャメロンは走者を度々背負いながら、3本の併殺打を打たせてピンチを切り抜けた。この日は自己ワーストタイの5四球を与えたが、失点は初回のみに抑え、5回3失点と試合を作った。今季は20先発を投げ、防御率3.03と安定感を示しており、新人王投票のファイナリスト入りもあり得る。
1点差で迎えた七回、エンゼルスの2番手ホセ・フェルミンからペレスが24号同点ソロ。ペレスはこの本塁打で通算297号に到達した。今季中の通算300本塁打到達の可能性は高く、達成すれば史上165人目、現役選手の中では13人目、捕手としては8人目、ロイヤルズの選手としては2人目の快挙となる。
そして同点で迎えた八回、もう一人のチームの顔であるウィットJr.が21号勝ち越しソロ。4-3と勝ち越したロイヤルズは、守護神カルロス・エステベスを投入してエンゼルスを下した。
ワイルドカード3位のマリナーズ、同4位のレンジャーズが休養日だったため、ロイヤルズは上位との差を2ゲームに詰めた。さらにロイヤルズの後ろには破竹の7連勝で勝率を並べたレイズが迫っている。混沌とするポストシーズン争いを勝ち抜くためにも、この日の逆転勝利はより一層価値のある勝利だった。
2025.9.5 14:32 Friday
メッツが有望株スプロートを昇格へ 不振に苦しむ千賀の処遇は
メッツは球団No.5有望株ブランドン・スプロートを昇格させる。昇格は正式発表されていないが、ワイルドカードを争うレッズとの直接対決3連戦の最終戦である7日に先発する予定だ。メッツはスプロートのみならず、ノーラン・マクリーン、ジョナ・トンといった有望株投手が立て続けにデビューし、インパクトを残している。元々、7日に先発予定だった千賀滉大の処遇が注目される。
2023年ドラフト2巡目のスプロートは、昨季24登板(23先発)で防御率3.40、9回あたりの奪三振10.13個とブレイク。一気に1Aから3Aへ昇格し、「MLBパイプライン」の有望株ランキングでは球界43位に入る大出世を果たした。今季は3Aで26登板(25先発)で防御率4.24、9回あたりの奪三振8.40個とやや成績は落としたが、持ち前の剛速球は健在。さらに改良したチェンジアップ、シンカー、スイーパー、高速のスライダー、カーブと多彩な球種も持ち合わせる。
「私にとっての成功とは、『よし、結局のところ、すべてのボールを信念を持って全力で投げられたか?』ということだ。もしそれができたなら、勝とうが負けようが、私にとってはそれが成功だ。それが、コートに出て戦い、勝利する最高のチャンスを与えてくれるんだ」とスプロートが語るように、全力投球が身上。優れた質の球種で圧倒するスタイルだ。
一方で「彼は球種の質では誰にも引けを取らない投手だ。今は投球の仕方を学んでいる最中で、一巡目だけでなく三巡目まで抑える方法を学んでいる。打者はそれに適応していくだろうから」と、カルロス・メンドーサ監督がスプリングトレーニング中に語ったように、投球技術にはまだ伸びしろを残す。
スプロートは5月末まで防御率6.02と不振に陥っていたが、6月末からは6登板で防御率0.55と復調。それ以降は安定感を失ったが、苦戦するメッツの先発ローテの解決策となるかもしれない。
中でも苦戦しているのが、スプロート昇格まで7日の先発予定だった千賀滉大だ。千賀はシーズン成績では防御率3.02と悪くないが、7月以降は防御率5.90と不振。9先発で39.2回とイニングを消費できず、さらに39三振に対して24四球と内容も芳しくない。不振を受け、メッツは千賀にマイナーへの任意降格を受け入れるよう要請することを検討すると報じられている。そして千賀のみならず昨季の躍進に貢献したショーン・マナイアも不振に苦しんでいる。
ベテラン勢が不振に苦しむのとは対照的に、メッツは新人が大活躍している。マクリーンはデビューからの4先発で4連勝、22歳のトンもデビュー戦で5回1失点6三振とポテンシャルを発揮した。マクリーンは現状のローテーションでエースの役割を担っており、トンとスプロートも活躍すれば、メッツのポストシーズンでのローテーションには新人がひしめく可能性もある。
ワイルドカード3位のメッツは、同5位のレッズと直接対決3連戦を迎える。6日の第2戦はトン、7日にはスプロートが先発する。8日からは6ゲーム差で追う首位フィリーズとの直接対決が始まり、その初戦にはマナイア、2戦目にはマクリーンが先発する予定だ。メッツが千賀を短期的なプランにどう組み込むか、あるいはそもそも組み込むのかどうかは、まだ不透明だ。
2025.9.5 14:31 Friday
先発ホートンが快投もカブス敗れる ブレーブス移籍のキムが逆転3ラン
【カブス1-5ブレーブス】シカゴ/リグレーフィールド、9月3日(日本時間4日)
カブスの新人ケイド・ホートンが投じた最後の1球は、ブレーブスのキム・ハソンのバットをすり抜け、この試合6つ目の三振を奪った。本拠地リグレーフィールドのファンが歓声を上げる中、ホートンはほとんど反応することなくフィールドを後にし、最近のマウンドでの好調ぶりに劣らない落ち着きを示した。
好調が続くホートンは、5イニングを無安打に抑える素晴らしいピッチングを見せた。しかし、カブスのブルペンはリードを守り切ることができず、1-5で逆転負け。24歳の新人右腕はここ数週間、球数制限下でのピッチングを強いられており、クレイグ・カウンセル監督はノーヒッターに挑戦させるよりも、チームの方針を貫くことを選択した。
ホートンは5イニングを投げ切った時点で75球。8月以降、球数が75球を超えたのは1度しかない(8月13日に82球を投じた)。カウンセルは六回からベン・ブラウンへの継投を決断。しかし、七回先頭のオジー・オルビーズに初安打を浴びたことで継投ノーヒッターへの挑戦は終了し、ブラウンは1死一、二塁のピンチを招いて降板した。
カブスは3番手としてベテラン左腕のドリュー・ポメランツを投入したが、2死一、三塁からキム・ハソンに3号逆転3ランを浴びるなど一挙4失点。今季メジャー初となるノーヒッター達成を目指したカブスだが、その挑戦は無残な結末となった。ちなみに、1年前の2024年9月4日、カブスは今永昇太が先発した試合で継投ノーヒッターを達成している。
チームは敗れたものの、ホートンのピッチングは素晴らしかった。5回無安打無失点で6つの三振を奪い、許した走者は初回にマット・オルソンに与えた四球だけ。遊撃ダンズビー・スワンソンの好守もあり、オルソンに四球を与えたあとは降板するまで打者14人をパーフェクトに抑えた。
7月以降、ホートンは11試合に先発して防御率1.23と素晴らしい活躍を見せている。シーズン通算の防御率も4.80から2.78まで向上。ナ・リーグの新人王争いにも参戦中だ。ホートンは7月以降の11先発で58回2/3を投げ、54三振を奪った一方、18四球、自責点わずか8と安定感が光っている。
なお、カブスの鈴木誠也は「3番・右翼」でスタメン出場したが、3打数ノーヒット(1四球)。2試合連続のノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.244、出塁率.322、OPS.792となっている。
2025.9.4 12:23 Thursday
8月の月間MVPが発表される ランゲリアーズ、トゥラングらが選出
8月も多くの選手たちが素晴らしい活躍を見せてくれた。ベテラン選手たちはなぜ彼らが重要な存在なのかを、ルーキー選手たちは彼らがこれから重要な存在になっていくであろうということを証明した。ここでは8月の月間アワードを受賞した選手たちを紹介していこう。
ナ・リーグ月間最優秀選手:ブライス・トゥラング(ブルワーズ)
トゥラングはどうやら最高のパフォーマンスを最後に取っておいたようだ。ブルワーズの強打者は8月に自己最高の成績を残し、打率.343、10本塁打、メジャートップのOPS1.092をマーク。月間11度のマルチ安打を記録し、最終14試合のうち13試合でヒットを放った。OPS+は193に達し、月間100打席以上の打者の中でトップの数字だった(平均より93%優れていることを示す)。
ア・リーグ月間最優秀選手:シェイ・ランゲリアーズ(アスレチックス)
ランゲリアーズは8月に猛烈なパワーを発揮した。長打率.661は100打席以上の打者の中でリーグトップを記録し、OPS.968も同2位にランクイン。月間11本塁打を放ち、8月5日のナショナルズ戦では3本塁打を含む1試合5安打を達成した。22打点を叩き出し、72塁打もリーグトップ。強打の捕手に相応しい圧巻のパフォーマンスだった。
ナ・リーグ月間最優秀投手:フレディ・ペラルタ(ブルワーズ)
8月のペラルタは相手打者にほとんど何もさせなかった。被打率.117は規定投球回以上の投手の中でベストの数字であり、4勝0敗、メジャートップの防御率0.32をマーク。28イニングでわずか1失点に抑え、それは8月の最初の登板で喫したものだった。つまり、それ以降は完璧だったのだ。月間でわずか11安打しか許さず、もちろん規定投球回以上の投手の中では最少。WHIPも0.82という素晴らしい数字だった。
ア・リーグ月間最優秀投手:トレバー・ロジャース(オリオールズ)
ロジャースはオールスターブレイク以降、支配的なピッチングを続けている。8月は6試合に登板し、全試合でクオリティスタートを達成して4勝1敗、防御率1.29の好成績をマーク。メジャー最多の42イニングを投げ、わずか6失点に抑えた。被打率.199、WHIP0.86と素晴らしい数字が並び、6先発のうち5試合は7イニング以上。また、8月1日のカブス戦では月間メジャー唯一となる完投も記録している。
ナ・リーグ月間最優秀新人:ジェイコブ・マーシー(マーリンズ)
自身の存在を力強くアピールした1カ月になったと言えるだろう。マーシーは8月1日にメジャーデビューを果たし、それ以降は好調をキープ。打率.352、OPS1.059、11二塁打、37安打、25打点と各部門で新人メジャートップの数字を残した(月間80打席以上)。最大の活躍は8月13日のガーディアンズ戦。2本塁打と1二塁打を含む5打数4安打7打点の大暴れだった。
ア・リーグ月間最優秀新人:ロマン・アンソニー(レッドソックス)
6月下旬にメジャーリーグの打者としての地位を確立したアンソニーは、チームの期待に見事に応え、チームの将来を担う重要な存在であることを改めて証明した。8月は才能を完全に開花させ、打率.304、6本塁打、出塁率.390、OPS.910の好成績をマーク。31安打と53塁打は新人リーグトップだった。また、メジャー全体の新人で最多となる12度のマルチ安打をマークした。
ナ・リーグ月間最優秀救援投手:ライセル・イグレシアス(ブレーブス)
シーズン序盤は不安定なピッチングが目立ったが、後半戦に入り、イグレシアスは本来の姿を取り戻した。特に8月の活躍は素晴らしく、13試合に登板して防御率0.69、WHIP0.62を記録。失点はわずか1点だけだった。メジャートップの10セーブを挙げ、13三振&無四球と安定感抜群。イグレシアスが登板した試合でチームは11勝2敗の好成績を残した。
ア・リーグ月間最優秀救援投手:アロルディス・チャップマン(レッドソックス)
チャップマンは8月、実質的に11イニングのノーヒッターを達成した。34人の打者と対戦して33人をアウトにし、与えた四球は1つだけ。防御率0.00、WHIP0.09という驚異的なパフォーマンスを披露した。打球が前に飛んだとき、平均打球速度は84.4マイル(約135.8キロ)に過ぎず、14個の三振を奪って8セーブを記録。チームはチャップマンの登板試合で10勝2敗の成績を残した。チャップマンは7月23日のフィリーズ戦以降、ヒットを1本も打たれていない。
2025.9.4 11:36 Thursday
レッドソックスに痛手 超有望株ロマン・アンソニーが負傷者リスト入り
球界ナンバーワン有望株としてデビューし、レッドソックスの主力選手へと成長したロマン・アンソニーだが、左脇腹を痛めてしまい、レギュラーシーズンの残り試合を欠場する可能性が出てきた。
3日(日本時間4日)、レッドソックスは21歳のアンソニーを負傷者リストに登録したことを発表。ユーティリティ・プレーヤーのニック・ソガードがメジャー再昇格を果たした。
アンソニーはMRI検査を受けたあと、報道陣に対して「グレード2の肉離れだと思う」と語った。
球団はアンソニーの具体的な復帰予定時期について明らかにしなかったが、アレックス・コーラ監督はこのような負傷の場合、通常は復帰までに4~6週間が必要になるとの見通しを示している。
アンソニーは「回復の仕方は人それぞれだから、できるだけ早く復帰できるように最善を尽くすよ。でも、現時点では何とも言えないね」と話した。
コーラ監督が言及した4~6週間のスケジュールに従うと、アンソニーは順調に回復すれば、ポストシーズンで復帰できるということになる。
もちろん、レッドソックスがポストシーズンを勝ち進んでいけば、アンソニーが十分な回復期間を得た上で復帰できる可能性は高まる。レッドソックスは3日(同4日)の試合前の時点で78勝62敗。アメリカン・リーグ東地区首位のブルージェイズに2.5ゲーム差をつけられているが、ワイルドカード争いではトップのヤンキースにゲーム差なしという状況だ。
もしレッドソックスがア・リーグの上位2シードに入った場合、ワイルドカード・シリーズをスキップして10月4日(同5日)の地区シリーズからポストシーズンの戦いをスタートできる。リーグ優勝決定シリーズは10月12日(同13日)、ワールドシリーズは10月24日(同25日)に開幕する予定だ。
コーラ監督はアンソニーに対して「リーグ優勝決定シリーズで初めて打席に入る姿を思い描いておけ」と伝えたという。「その目標を心にとどめておけば、きっと実現するはずだ」と21歳の大型新人がポストシーズン期間中に戻ってくることに期待を寄せた。
アンソニーはこのタイミングでの負傷に動揺しながらも、できるだけ早く復帰できるよう、回復のために全力を尽くすことを誓った。
「もちろん、それ(早期復帰)を目指している。チーム全員が同じ考えだと思う。僕たちはチームとして、ワールドシリーズに出場できるレベルの戦力があると考えているし、クラブハウスの中でも全員がそれを信じている」とアンソニー。「誰がいようといまいと、僕たちはそれを信じ続けるつもりだ。僕はこれからもチームをサポートし、最高のチームメイトでいられるように全力を尽くす。そして、できるだけ早く復帰して、このチームがワールドシリーズを制覇できるように貢献したい」と意気込みを語った。
アンソニーが最初に左脇腹の違和感を覚えたのは、2日(同3日)のガーディアンズ戦の四回、ハーフスイングをしたときだった。次の球をフルスイングして空振り三振に倒れたあと、アンソニーは左脇腹を押さえた。
脇腹のケガは、特に早期復帰を目指すと厄介な問題となるケースがある。レッドソックスはアンソニーの回復をサポートするにあたり、その点を考慮していくつもりだ。
コーラ監督は「選手のケアが最優先で、チームのことは二の次だ。まずは彼が万全の状態に戻ることが最優先だよ。もし彼が準備万端ならそれでOKだし、そうでないなら残りの戦力で頑張るしかない」と語った。
レッドソックスは右ふくらはぎを痛めて負傷者リスト入りしているウィルヤー・アブレイユの離脱が予想以上に長引いているため、すでに外野手が不足している。
「彼は治療を受け、明らかに走ることを避けていたけれど、この週末に少し進歩があったようだ。様子を見よう。ただ待つしかない。いつ彼を走らせるかわからないけれど、できれば近いうちに再開できるといいね」とアブレイユについて語ったコーラ監督。ただし「彼の復帰を急がせたくない。特に今はね。2つの負傷は別々だ。ロマンが負傷者リスト入りしたからといって、ウィルヤーを急がせることはしたくない。彼も本当に重要な戦力だから、回復するのを辛抱強く待ちたい。準備が整ったときに戻ってくるよ」とアブレイユの復帰を急がせない方針を強調した。
アンソニーの離脱中は、右腕に対してジャレン・デュランがリードオフマンのスポットに戻る予定だ。7月下旬にアンソニーがリードオフマンに回ったあと、デュランは右腕に対して3番打者を務めることが多かった。左腕に対しては、コーラ監督は相性を考慮しながら複数の選手を併用する予定だという。3日(同4日)の試合ではネイト・イートンがリードオフマンに起用された。
アンソニーの復帰時期が未定のため、レッドソックスはアレックス・ブレグマンとトレバー・ストーリーという経験豊富な三遊間コンビへの依存度がさらに増していくことになるだろう。
ブレグマンは「最高の選手の1人を失うのは間違いなくショックだけど、次の戦いに集中し、戦い続けなければならない。レギュラーシーズンの終わりなのか、ポストシーズン中なのか、それはわからないけれど、彼が復帰してくれるのを待ち続けるしかない」と現実を受け止めた。
アンソニーは6月9日にメジャーデビュー。それ以来、71試合に出場して打率.292、8本塁打、32打点、出塁率.396、OPS.859の好成績を残していた。
2025.9.4 10:46 Thursday
ナショナルズ・ヌニェスが古巣相手に大暴れ 小笠原慎之介も好リリーフ
【ナショナルズ10-5マーリンズ】ワシントンD.C./ナショナルズパーク、9月3日(日本時間4日)
ナショナルズの小笠原慎之介は本拠地でのマーリンズ3連戦の最終戦、5点リードの最終回に5番手として登板。先頭打者を内野ゴロに打ち取ったあと、2者連続三振を奪い、三者凡退の好リリーフで勝利を締めくくった。チームは10-5で勝利。同地区マーリンズとの3連戦を見事にスイープした。
8月31日のレイズ戦以来の登板となった小笠原はメジャー移籍後初めて、勝ち試合の最終回を任された。先頭のゼイビアー・エドワーズを3球目のチェンジアップでショートゴロに打ち取ると、続くアグスティン・ラミレスにはカウント2-2から低めのチェンジアップを投じて空振り三振。ジェイコブ・マーシーはカウント2-2から93.4マイル(約150.3キロ)のフォーシームで見逃し三振に仕留めた。
前回登板に続き、1イニングを三者凡退に抑える好リリーフ。メジャー昇格後、すべての登板で三振を奪っており、複数三振を奪うのはこれで5試合連続となった。7月の2度の先発登板では防御率9.45と結果を残せなかったが、8月1日の再昇格後は12度のリリーフ登板で防御率3.93をマークしている。
10-5の勝利を牽引したのは「9番・遊撃」でスタメン出場した25歳のナシム・ヌニェスだった。チームの「元気印」と呼ばれるヌニェスは二回の第1打席でメジャー初本塁打を放つと、六回の第3打席ではセンターへのタイムリー。さらに八回の第4打席ではダメ押しの2号2ランを放ち、古巣マーリンズを相手に4打数3安打4打点の大活躍を見せた。
メジャー最初の2本塁打を同じ試合で放つのは球団史上5人目の快挙(前身のエクスポズ時代も含む)。ナショナルズでは2012年にタイラー・ムーアが達成したのが最後だったが、今年7月12日にブレイディ・ハウスが達成し、ヌニェスは今季2人目の達成者となった。
ミゲル・カイロ監督代行は「彼はチームにエネルギーと情熱、そして興奮をもたらしてくれる。私は彼のプレースタイルが大好きだし、彼は守備や走塁で試合の流れを変えることができるエキサイティングな選手だ」と若手遊撃手を称賛。ヌニェスは「僕は打てないと言われることも多いけど、そうじゃないということを証明できた。打球がフェンスを越えたときはうれしかったよ。少し自信がついたかな」と自身の活躍を振り返った。
2025.9.4 09:15 Thursday
メイソン・ミラーが全球スライダーでイマキュレートイニングを達成
【パドレス5-7オリオールズ】サンディエゴ/ペトコパーク、9月3日(日本時間4日)
トレード期限日の大型トレードでメイソン・ミラーを獲得したとき、パドレスが思い描いていたのは、おそらくこのような支配的なピッチングだったのだろう。
本拠地でのオリオールズ3連戦の最終戦、パドレスは5-7で敗れ、痛恨のスイープ負けを喫したが、八回に登板したミラーは球団史上2人目となるイマキュレートイニング(=3者連続3球三振)を達成。9球連続でスライダーを投じ、ジェレマイア・ジャクソン、ライアン・マウントキャッスル、エマニュエル・リベラをいずれも空振り三振に仕留めた。
パドレスの投手がイマキュレートイニングを達成するのは、ブライアン・ローレンスに続いてミラーが2人目。偶然にも、ローレンスもオリオールズ戦で達成しており、2002年6月12日にブルック・フォーダイス、ジェリー・ヘアストン、メルビン・モーラから3者連続3球三振を奪った。
ミラーは4人の若手有望株とのトレードでJP・シアーズとともにアスレチックスから移籍。それ以来、まさに期待通りの活躍を見せており、12イニングを投げて防御率1.50、22三振をマークしている。対戦した44人の打者から22三振を奪っているため、三振率は驚異の50%に達する。
その支配力をさらに高め、快挙を達成。ジャクソンに対する初球は見逃しのストライクだったが、それ以降の8球はすべて空振りを奪い、イマキュレートイニングの達成者としてメジャーリーグの歴史に名を刻んだ。
2025.9.4 08:44 Thursday
ジャイアンツvsロッキーズ戦で乱闘が発生 デバースの本塁打が引き金
【ロッキーズ4-7ジャイアンツ】デンバー/クアーズフィールド、9月2日(日本時間3日)
ロッキーズ先発のカイル・フリーランドは、ジャイアンツの強打者ラファエル・デバースが初回に2ラン本塁打を放ってから走り出すまでに時間をかけすぎだと言って譲らなかった。本塁打を打って走り出したデバースとフリーランドの間で起きた口論は、両軍のベンチとブルペンを空にする乱闘に発展。揉み合いが収まると、デバースは本塁打を放った8分後にベースを周り終えた。
初回無死一塁で打席に入ったデバースは、追い込まれてからのスイーパーを捉えてライトスタンドへ特大の先制弾を放った。打ったデバースはよろめきながら後ろに下がり、そこから「確信歩き」。そしてバットフリップを行ってようやく走り始めた。フリーランドはデバースに向かって叫び、早くベースを一周するようにグラブで示した。それにデバースも呼応し、フリーランドに叫び返すと、両者は近寄って口論を始めた。
「何も悪いことはしていない。普段本塁打を打った時と何も変わらない。なぜ彼が気にしたのか分からない」とデバースは試合後に語った。一方のフリーランドは、自身の行動はチームと自身(3勝14敗、防御率5.41)の不振によるフラストレーションとは全く関係がないと語った。そして「1回にあんな風に私に恥をかかせたのは、本当に失礼だと思った。本塁打を打った後、そこに立ってそれを見守り、一塁までゆっくりと歩いたんだから。私はこのリーグで長年やってきた。彼もそうだったと知っている。ただ、本当に失礼だと感じ、彼にそのことを伝えなければならないと思った」とデバースに叫んだ理由を明かした。さらに「状況を考えると、1回だし、冷静さを保とうと努力した。同時に、あんな風に侮辱されたからには、彼に何か言って、『あなたは私を侮辱した。私を出し抜いた。私の球場に来てあんなことをするなんて、私は尊敬できない』と伝える必要があると感じた」と、初回にもかかわらずデバースが過剰なセレブレーションを行ったと感じたことが原因のようだ。
5回2失点7三振で勝利投手となったジャイアンツの先発ローガン・ウェブは、フリーランドはよく挑発することで知られていると語った。「あいつに今までそんなことが起きていなかったのが不思議だ。彼はしょっちゅう口を出すんだ。ラフィが彼をうまく捉えたんだ」とコメントした。
そしてこの乱闘で、ジャイアンツが誇る三遊間のウィリー・アダメスとマット・チャップマン、そして当事者のフリーランドが退場処分となった。フリーランドは「チャップマンとアダメスがなぜ退場になったのか分からない。彼らが近づいてきて私を突き飛ばしたからだと思う。デバースも私を突き飛ばした。なぜ彼が退場にならなかったのか理解できない。でも、繰り返しになるが、全てを扇動したのは私だし、退場になった理由も理解できる」と、自身への処分に理解を寄せた。
アダメス、チャップマンという攻守の柱を欠いたジャイアンツは、当初負傷で欠場していたケイシー・シュミット、そして一塁手のドミニク・スミスが途中から出場。そして一塁手でスタメンだったデバースは、今季初めて三塁手を守った。ボブ・メルビン監督は「(デバースは)チャップマンのグラブを使っていた。三塁手のグラブさえ持っていなかった。それでも、いいプレーをしたね。1年かそこら三塁でプレーしていなかった選手だが、間違いなく我々のために活躍してくれた」と、久々の三塁守備で活躍した主砲を労った。
デバースは本職は三塁手だが、古巣レッドソックスではDHに転向して今季の開幕を迎えた。それ以降のコンバートの禍根も一因にあり、ジャイアンツへ移籍することとなったが、この緊急事態で三塁手を守ることに躊躇はなかったという。今季は三塁でノックすら受けたことがなかったが、名手チャップマンのグラブで守備機会を無難にこなした。デバースはチャップマンのグラブの感触を問われると、「素晴らしいよ。この中に5つのプラチナグラブがあるんでしょ(実際はプラチナグラブ2度、ゴールドグラブ5度)」と冗談交じりに語った。
混沌から始まったこの試合は、ジャイアンツ(70勝69敗)が7-4で勝利。ジャイアンツは直近10試合のうち9試合に勝利し、8月9日以降初めて勝率5割を超えた。一方のロッキーズはこの敗戦で39勝100敗となり、3年連続で敗戦数が100敗を超えた。
勝利に導いたエースのウェブは「見ていて素晴らしかった。選手たちが奮起した。あんなシーンは見たくないけど、いい意味で火付け役になることもあると思う」と、試合を振り返った。
2025.9.3 16:17 Wednesday