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ドラフト1日目 全体1位のナショナルズは17歳の遊撃手ウィリッツを指名

 ドラフトの前には「モック・ドラフト」という指名予想が行われるのが恒例だが、予想通りの結果にならないのがドラフトの楽しさでもある。

 今年のドラフトはスティルウォーター高のイーサン・ホリデイ遊撃手やルイジアナ州立大のケイド・アンダーソン投手がトップ有望株として注目され、MLB.comの最終モックではアンダーソンの全体1位指名が予想されていた。

 しかし、ふたを開けてみると、アンダーソンの名前が呼ばれるのは全体3位、ホリデイは全体4位まで待たなければならなかった。

 全体1位指名権を持っていたナショナルズが指名したのは、フォート・カッブ=ブロクストン高のイーライ・ウィリッツ遊撃手。17歳216日での全体1位指名は史上3番目の若さとなった。父のレジー・ウィリッツはエンゼルスでプレーした元メジャーリーガーであり、ナショナルズは野球IQの高さや人間性も含め、イーライを「今回のドラフトにおける最高の打者であり、最高の野手である」と評価した。

 全体2位のエンゼルスはカリフォルニア大サンタバーバラ校のタイラー・ブレムナー投手を指名。MLBパイプラインのドラフト有望株ランキングでは18位の選手であり、「サプライズ指名」と言っていいだろう。近年のエンゼルスは即戦力の大学生を上位指名する傾向があり、最速98マイルのファストボールにチェンジアップ、スライダーを併せ持つブレムナーも早い段階でメジャーに上がってくるかもしれない。

 そして、全体3位のマリナーズがアンダーソン、全体4位のロッキーズがホリデイを指名。強力投手陣を誇り、投手育成にも定評があるマリナーズにアンダーソンが加わるのは楽しみだ。また、ホリデイは父のマット・ホリデイがかつてプレーしたロッキーズでプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになった。

 全体5位のカージナルスはテネシー大のリアム・ドイル投手、全体6位のパイレーツはコロナ高のセス・ヘルナンデス投手を指名。ヘルナンデスは高校生右腕として史上初の全体1位指名の可能性も取り沙汰されていたが、最終的には全体6位に落ち着いた。

 全体7~10位は遊撃手の指名が続き、マーリンズは全体7位でオレゴン州立大のアイバ・アーケット遊撃手、ブルージェイズは全体8位でパービス高のジョジョ・パーカー遊撃手、レッズは全体9位でヘウィット=トラスビル高のスティール・ホール遊撃手、ホワイトソックスは全体10位でコロナ高のビリー・カールソン遊撃手を指名。これにより、全体11位のアスレチックスはMLBパイプラインのドラフト有望株ランキングで4位の高評価を受けていたフロリダ州立大のジェイミー・アーノルド投手を指名できるという幸運に恵まれた。

 その後、全体27位のガーディアンズまで1巡目指名が続き、全体28位ではボビー・ウィットJr.のMVP投票ランクインにより「有望株昇格インセンティブ」の追加指名権を得たロイヤルズがウェズリアン・クリスチャン・アカデミーのジョシュ・ハモンド三塁手を指名。FA移籍の補償指名権(全体29~32位)、戦力均衡ラウンドA(全体33~43位)と続き、全体44位から2巡目指名に突入した。

 ちなみに、メッツ、ヤンキース、ドジャースの3球団は、ぜいたく税の2番目の基準額を超過したことで「最上位の指名権が10ランクダウンする」というペナルティを受けており、それぞれ持っていた全体28・29・30位の指名権が全体38・39・40位に変更。戦力均衡ラウンドAの中に組み込まれることになった。

 なお、今年からドラフトは2日間で行われることになり、1日目は3巡目直後のFA補償指名権まで、総勢105人の選手が指名を受ける。

2025.7.14 10:45 Monday

カージナルスのラーズ・ヌートバーが今季初の負傷者リスト入り

 13日(日本時間14日)、カージナルスはラーズ・ヌートバーを10日間の負傷者リスト(IL)に登録したことを発表した。ヌートバーは数日前から左肋骨付近に違和感を抱えており、直近3試合のうち2試合で途中交代。IL入りの理由は「左肋軟骨の捻挫」と発表されており、肋骨と胸骨をつなぐ軟骨を痛めてしまったようだ。

 27歳のヌートバーはメジャー5年目の今季、ここまで88試合に出場して打率.227、12本塁打、37打点、4盗塁、出塁率.332、OPS.713を記録。開幕から健康を維持してプレーしていた一方で、打撃の調子がなかなか上がらず、OPSは自己ワーストの数字まで落ち込んでいた。開幕当初は1番打者として起用されていたが、6月中旬に1番を外され、5~7番を打つケースが増加。6月は打率.169、7月も打率.219と不振が長期化していた。

 カージナルスの球団公式サイトは、ヌートバーの復帰予定時期を「7月下旬」としており、ヌートバーの離脱は長期化しない見込み。現時点では最短の10日間で復帰できる可能性もあるとみられているようだ。ヌートバー不在の間、複数の選手が左翼のポジションに入ることが予想されており、オールスター二塁手のブレンダン・ドノバンが左翼の守備に就くケースも増えそうだ。

2025.7.14 09:51 Monday

ドジャースがジャイアンツ3連戦に勝ち越し 山本由伸7回無失点の快投

【ジャイアンツ2-5ドジャース】サンフランシスコ/オラクル・パーク、7月13日(日本時間14日)

 前日の試合で8年ぶりの7連敗をようやくストップしたドジャース。同地区ライバルのジャイアンツとの3連戦の勝ち越しがかかった前半戦の最終戦は、山本由伸が7回3安打無失点、7三振という見事なピッチングを見せ、チームを勝利に導いた。大谷翔平も3打数1安打2四球の3出塁で勝利に貢献。ドジャースはリーグ最高勝率で前半戦を終えた。

 前回登板でまさかの一回途中ノックアウトを喫した山本だが、オールスター・ゲームの登板を辞退して臨んだ前半戦の最終戦で輝きを取り戻した。複数の走者を出したイニングは1度もなく、7回91球を投げて3安打、7三振、2四球、無失点の快投。7イニングを無失点に抑えたのは今季3度目で、シーズン通算の防御率2.59はリーグ5位となった。

 ドジャースは四回に大谷の四球からチャンスを広げ、フレディ・フリーマンのタイムリー二塁打で先制。五回にはミゲル・ロハスが5号ソロを放ち、山本に2点の援護をプレゼントした。ところが、九回にクローザーのタナー・スコットがルイス・マトスに5号2ランを被弾。試合は振り出しに戻り、延長戦に突入した。

 十回は両軍とも無得点に終わり、試合は十一回へ。ドジャースは先頭の大谷が申告敬遠で歩かされたあと、2死一、二塁となったが、フリーマン、テオスカー・ヘルナンデス、アンディ・パヘスに3連続タイムリーが飛び出し、5-2とリードを奪った。十回途中から登板していた5番手のベン・カスパリアスが十一回のジャイアンツの攻撃を三者凡退に抑えて試合終了。重要な同地区対決3連戦を2勝1敗の勝ち越しで終えた。

 大谷は「1番・DH」で3打数1安打2四球、2得点。打率.276、32本塁打、60打点、12盗塁、91得点、出塁率.382、OPS.987で前半戦を終了した。

2025.7.14 09:05 Monday

マーリンズ・スタワーズが古巣相手に3本塁打含む5安打6打点の大暴れ

【オリオールズ1-11マーリンズ】ボルティモア/オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズ、7月13日(日本時間14日)

 今回の3連戦でマーリンズ移籍後初めて、ボルティモアに戻ってきたカイル・スタワーズ。デビューイヤーの2022年8月25日にはホワイトソックス(当時)の守護神リアム・ヘンドリックスから九回に同点アーチを放つ印象的な活躍を見せたが、今回はマーリンズの一員として、それを上回る強烈な輝きを放った。

 チームが11-1の大勝を収めた前半戦の最終戦。スタワーズは古巣オリオールズを相手に、3本塁打を含む5打数5安打6打点の大暴れを見せたのだ。

 スタワーズが1試合3本塁打を記録するのは初めて。オリオールズ先発の右腕ブランドン・ヤングから二回の第1打席で17号ソロ、三回の第2打席で18号2ラン、五回の第3打席で19号2ランと3打席連続アーチを放った。マーリンズの選手による1試合3本塁打は、これが4度目。2020年のブライアン・アンダーソン以来5年ぶりの快挙となった。

 1試合4本塁打の期待もかかったが、それ以降の打席では本塁打は出ず。しかし、七回の第4打席でライトへのヒット、八回の第5打席ではライトへのタイムリーを放ち、こちらも自身初となる1試合5安打をマークした。

 オリオールズでは有望株として期待されながらも、なかなかブレイクに至らなかったスタワーズ。昨季途中には左腕トレバー・ロジャースとのトレードでマーリンズに放出された。しかし、移籍2年目の今季は、ここまで91試合に出場して打率.293、19本塁打、54打点、OPS.911と素晴らしい活躍を披露。チームの代表として、オールスター・ゲームに初選出された。

 マーリンズはスタワーズの大活躍もあり、11-1で大勝。先発のエウリー・ペレスは7回84球を投げて3安打、6三振、無四球、無失点の快投を見せ、今季3勝目を挙げた。

2025.7.14 08:33 Monday

レッズが今季50勝に到達 フランコーナ監督は史上13人目の通算2000勝

【レッズ4-2ロッキーズ】シンシナティ/グレートアメリカン・ボールパーク、7月13日(日本時間14日)

 レッズはオールスター・ブレイク前の最終戦に4-2で勝利。ロッキーズ3連戦を2勝1敗の勝ち越しで終え、今季50勝に到達した。そして、この勝利により、テリー・フランコーナ監督は史上13人目の通算2000勝を達成。現役監督ではブルース・ボウチー(レンジャーズ)に次ぐ2人目の快挙となった。

 初回にTJ・フリードルの9号先頭打者アーチで先制したレッズは、逆転を許した直後の三回にオースティン・ヘイズが同点タイムリー。五回に相手のタイムリーエラーで勝ち越しに成功すると、七回にはスペンサー・スティアーのタイムリーで貴重な追加点を奪い、4番手のトニー・サンティヤン、5番手のエミリオ・パガンが2点のリードを守り抜いた。

 レッズ先発のニック・マルティネスは六回途中まで84球を投げて5安打、3三振、1四球、2失点とまずまずのピッチング。フランコーナ監督が通算2000勝のマイルストーンに到達した試合で勝利投手となり、今季7勝目を挙げた。

 フランコーナ監督は通算勝利数で歴代13位にランクイン。上位12人は、将来的なアメリカ野球殿堂入りが確実視されているダスティ・ベイカーとボウチーの2人を除いて全員が殿堂入りを果たしており、フランコーナ監督も殿堂入りの切符を手にしたと言えるだろう。ちなみに、通算2000勝以上の監督のうち、レッズで指揮を執った経験があるのは、スパーキー・アンダーソン、ベイカー、フランコーナの3人だ。

2025.7.14 08:00 Monday

レッドソックスが2018年以来7年ぶりの10連勝 吉田は4打数ノーヒット

【レッドソックス4-1レイズ】ボストン/フェンウェイ・パーク、7月13日(日本時間14日)

 2日(同3日)のレッズ戦に敗れた時点で借金2を抱えていたレッドソックス。しかし、ワールドシリーズ制覇を成し遂げた2018年以来7年ぶりの10連勝を達成し、今季最多の貯金8で前半戦を終えた。吉田正尚は「4番・DH」でスタメン出場し、4打数ノーヒットだった。

 現在の大型連勝は、投打両面で各選手がしっかり役割を果たし、日替わりでヒーローが現れていることが大きい。同地区レイズとの4連戦の最終戦は、先発のブライアン・ベヨが七回途中まで105球を投げて6安打、5三振、無四球、1失点の好投。打線は1-1の同点で迎えた六回にトレバー・ストーリーのタイムリーとセダン・ラファエラの14号2ランで3点を勝ち越し、主導権を握った。

 ナショナルズ3連戦、ロッキーズ3連戦に続き、同地区レイズとの4連戦も見事にスイープ。最高の形で前半戦を終え、オールスター・ブレイクを挟んで18日(同19日)から敵地でのカブス3連戦に臨む。

 なお、レッドソックスの吉田は「4番・DH」でスタメン出場したが、内野ゴロ4つで4打数ノーヒット。八回の第4打席は併殺打に倒れた。2試合連続ノーヒットに終わり、今季4試合に出場して打率.286(14打数4安打)、出塁率.333、OPS.762となっている。

2025.7.14 07:32 Monday

MLBドラフト直前の注目ポイントは 全体1位はアンダーソンかホリデイか

 2025年MLBドラフトがついに13日(日本時間14日)に迫っている。本番に向け、注目ポイントをおさらいしておこう。

 最大の争点は、全体1位指名が誰になるのか。全体1位指名権を持つナショナルズは、大学生左腕ケイド・アンダーソンか高校生内野手イーサン・ホリデイの二択に絞ったと考えられている。ナショナルズの後に指名権を持つ球団は、よりリスクが低く、昇格時期も近いであろうアンダーソンが指名されると予想しているようだ。可能性としては、アンダーソンが50~60%、ホリデイが40%と見られる。

 ナショナルズは元々、ハイリスクとされる高校生の指名を躊躇しない傾向にあった。そのため、高校生のホリデイやセス・ヘルナンデスの全体1位指名の可能性が取り沙汰されていたが、ドラフト直前になって今季のカレッジで大活躍したアンダーソンが急浮上。さらに長年チームを率いてきたマイク・リゾーGMが電撃解任されたことで、ナショナルズの方向性を予想するのは非常に難しくなっている。

 そして、ナショナルズの決断に左右されそうなのが、全体2位指名権を持つエンゼルス、全体3位指名権を持つマリナーズだ。両者は共にアンダーソンを第1候補と考えているようで、仮にアンダーソンが全体1位指名された場合、他の選択肢を取らざるを得なくなる。その場合、エンゼルスは大学生左腕のリアム・ドイル、マリナーズは高校生右腕で大きな才能を秘めるヘルナンデスを選ぶかもしれない。

 予想が難しいドラフトにおいて、既定路線と言えそうなのがイーサン・ホリデイがスリップした場合、ロッキーズが彼を指名するシナリオだ。イーサンの父マット・ホリデイもロッキーズでプレーした経験がある。仮にホリデイが全体1位指名を受けた場合、ロッキーズは大学生左腕(アンダーソン、ドイル、ジェイミー・アーノルドのいずれか)か、大学生No. 1内野手のアイバ・アーケットの指名が予想される。

 加えて、上位のラウンドでワイルドカードとなりそうなのが、イーライ・ウィリッツだ。複数の球団の情報筋によれば、ウィリッツはトップ指名かトップに近い順位で指名されるため、比較的安い契約金のオファーを受け入れる用意があるとのこと。ウィリッツはパワーではホリデイに劣るものの、総合力では今ドラフト随一との評価を受けるオールラウンドな高校生ショート。アンダーソン、ホリデイと比べ、才能に遜色はなく、かつ契約金を安く抑えられる(後のラウンドで有望選手を獲得できる)ウィリッツを取る球団が現れれば、ドラフトの様相は一変しそうだ。

2025.7.13 18:58 Sunday

伏兵のサヨナラ打でアストロズがレンジャーズを下す 連敗を4で止める

【アストロズ5×-4レンジャーズ】ヒューストン/ダイキンパーク、7月12日(日本時間13日)

 ア・リーグ西地区首位のアストロズと4位レンジャーズによる同地区ライバル対決は、3連戦の2戦目を迎え、アストロズがサヨナラ勝利を収めた。レンジャーズは八、九回に2本の本塁打で同点に追いつき、延長に突入した十一回にも1点を勝ち越した。しかし、アストロズは犠牲フライで同点に追いつき、ザック・ショートのタイムリーで勝ち越し。逆転サヨナラ勝利を挙げ、連敗を4で止めた。

 試合はアストロズがフランバー・バルデス、レンジャーズがジェイコブ・デグロムと、好投手同士のマッチアップで始まった。初回、レンジャーズは敵失で出塁した走者が暴投でかえり、1点を先制する。しかし、アストロズもホセ・アルトゥーベの17号ソロですぐさま同点に追いついた。

 四回、アストロズはヤイナー・ディアスの13号ソロで1点を勝ち越し。先発のバルデスは六回にコリー・シーガーが放った強烈なピッチャー返しが脚に直撃するアクシデントに見舞われたが、その後連続三振などで無失点で切り抜けた。バルデスは6回を投げて1失点(0自責点)、10三振、無四球と支配的な投球だった。

 一方のデグロムも6回を投げて2本のソロ本塁打で2失点したのみで、8三振を奪う力投だった。しかし、2番手ジェイコブ・ウェブがマウリシオ・デュボンに6号ソロを浴び、ビハインドは2点に広がってしまった。

 アストロズはセットアッパーのブライアン・アブレイユ、守護神のジョシュ・ヘイダーとつないで逃げ切りを図ったが、レンジャーズ打線が粘りを見せる。八回、アブレイユに対してマーカス・セミエンが11号ソロを放ってまず1点を追い上げ。そして九回2死からカイル・ヒガシオカが起死回生の4号ソロを放ち、試合は4-4の振り出しに戻った。

 延長に突入した十一回、レンジャーズはアドリス・ガルシアのタイムリーで1点を勝ち越し。しかしアストロズも粘りを見せ、2四球を選んで満塁のチャンスを作る。そしてクリスチャン・ウォーカーが犠牲フライでまず同点とし、続くザック・ショートがサヨナラのタイムリーを放った。アストロズは連敗を4で止め、一方のレンジャーズは借金完済とはならず、借金が2に増えた。

 アストロズが誇るアブレイユとヘイダーのコンビが揃って失点するのは、チームにとっては不測の事態だった。同点の犠牲フライを放ったウォーカーは「彼らは1年間ずっと我々を支えてくれた」と、2人の珍しい失点は逆にチームに火を着けたようだ。

 そしてサヨナラ打を放ったショートについて、5番手として3勝目を挙げたベネット・ソーサは「ザック・ショートが大好きなんだ。あのヒット、彼は本当に一生懸命だった。彼はこのチームを象徴するような選手だ」と褒めちぎった。アストロズはチームを牽引していた正ショートのジェレミー・ペーニャが負傷した穴埋めのため、ユーティリティのショートが3Aから昇格した。ショートはここまで出塁率.350、OPS.739と健闘を見せている。

 オフにはカイル・タッカーとアレックス・ブレグマンが退団し、アストロズからはかつてのスター軍団の面影は薄れた。しかし、ショートのような脇役の活躍が、今季も地区首位を走るチームの原動力となっている。

2025.7.13 17:05 Sunday

ナショナルズ・小笠原が4回3失点 試合後に3A降格が発表

【ブルワーズ6-5ナショナルズ】ミルウォーキー/アメリカンファミリー・フィールド、7月12日(日本時間13日)

 ナショナルズの小笠原慎之介(27)がブルワーズ戦に先発し、4回を投げて3失点し、1点ビハインドのまま降板。味方がその後逆転して黒星は消えたが、ナショナルズは九回に3失点して逆転サヨナラ負けを喫した。小笠原は2先発で防御率9.45と結果を残せず、試合後にはマイナー降格が発表された。

 小笠原は初回、2死から安打を許したものの、捕手ライリー・アダムスが完璧な送球で二盗を阻み、無失点のスタートを切った。ディレン・ライルのソロ本塁打で援護点をもらった二回も、先頭に四球を与えたが、後続を併殺に打ち取って三者凡退。三回は先頭打者から初三振を奪い、再び3人で攻撃を終わらせた。

 しかし、新人ブレイディ・ハウスのキャリア初本塁打でリードが2点に増えた四回から、小笠原は調子を崩してしまった。先頭から死球、単打でピンチを招き、ジャクソン・チョウリオにタイムリー二塁打を浴びる。そしてアンドリュー・ボーンにもタイムリー二塁打を許し、2-3と逆転されてしまった。

 一方、ブルワーズ先発のブランドン・ウッドラフは負傷明けながら力強いピッチングを披露。五回途中まで投げ、2本のソロ本塁打を浴びたものの、10三振を奪った。

 1点のリードを保ったまま、ブルワーズは強固なリリーフ投手陣に試合を託した。逃げ切りを図ったが、ナショナルズがそれに待ったをかけた。八回、抜群の安定感を誇るセットアッパーのアブナー・ウリーベから、ハウスがキャリア2本目の逆転2ラン。小笠原の黒星を消し、試合をひっくり返した。

 ナショナルズは九回にも追加点を入れ、2点のリードを守護神カイル・フィネガンに託した。しかし、フィネガンが誤算だった。先頭から四球と単打で走者を溜め、ボーンにタイムリー二塁打を浴びて同点に。そして1死二、三塁となってからケイレブ・ダービンにサヨナラタイムリーを打たれ、1死しか取れずに3失点でサヨナラ負けを許した。

 小笠原は球数が56球だったが、四回限りで降板した。4回を投げて3失点(自責点3)、4安打、2三振、1四球と内容は振るわず。カーブとチェンジアップ主体だった前回登板とは異なり、今回は4シームとスライダーを軸に攻めた。前回から空振りは2倍の8度に増え、特にスライダーでは空振り/スイング率が7割を超えるなど、多くの空振りを誘った。しかし、2先発を合計して防御率は9.45と厳しい結果が残っている。

 ナショナルズは試合後に小笠原の3Aロチェスターへの降格を発表。投手がマイナーに降格した場合、基本的に15日間は再昇格ができない。小笠原は当面はマイナーでプレーし、再起を期すことになる。

2025.7.13 13:02 Sunday

フューチャーズ・ゲームはナ・リーグが勝利 デ・パウラが決勝弾

【ナ・リーグ有望株4-2ア・リーグ有望株】アトランタ/トゥルーイスト・パーク、7月12日(日本時間13日)

 オールスター・ゲームに先駆けてフューチャーズ・ゲームが行われ、両リーグの有望株オールスターが対戦した。試合はア・リーグ有望株が2点を先行したが、ナ・リーグ有望株のホセ・デ・パウラ(ドジャース1位・球界27位)が3ラン本塁打を放って逆転。それが決勝点となり、ナ・リーグ有望株が4-2で勝利した。決勝弾を放ったデ・パウラはMVPに選出された。

 試合が動いたのは三回、ア・リーグ有望株は1死一、三塁のチャンスを作り、内野ゴロの間に1点を先制する。続く四回にもホセ・ブリセーニョ(タイガース4位・球界58位)の三塁打でチャンスを演出し、犠牲フライで追加点を入れた。

 対するナ・リーグは四回、18歳のヘスス・メイド(ブルワーズ1位・球界8位)らの安打を起点にチャンスを作り、デ・パウラが逆転の3ラン本塁打でそれに応えた。ヨーダン・アルバレス(アストロズ)とも比較されるドジャースの逸材は、左腕ノア・シュルツ(ホワイトソックス1位・球界8位)のスライダーをものともせず、高いライトフェンスを悠々と越える一発を放った。

 ナ・リーグ有望株はその後も攻勢を続け、オーウェン・ケイシー(カブス球団1位・球界43位)のタイムリー二塁打を放って4点目。4-2とリードを得たナ・リーグ有望株は、5投手が1安打しか許さない無失点リレーでつなぎ、2点差を守り切った(フューチャーズ・ゲームは7回制)。

 MVPには決勝弾を放ったデ・パウラが選ばれた。デ・パウラは20歳だが、堂々たる体躯と打撃技術からヨーダン・アルバレス(アストロズ)とも比較される強打者の器。今季もハイAで10本塁打、出塁率.409、OPS.834と好成績を残している。デ・パウラは同郷のフアン・ソト(メッツ)、エリー・デラクルーズ(レッズ)とオフの間のトレーニングを共にし、「彼らの仕事ぶり、シーズンへの取り組み方、長いシーズンで自分をどうマネジメントするか、そういうことを学んだ」と教えを貪欲に吸収しているようだ。ソトやデラクルーズのように、若くしてスターダムを駆け上がる選手になるかもしれない。

 そして、MVPに選ばれたデ・パウラ以上に耳目を集めたのが、両投げ投手のジュランジェロ・サインチェ(マリナーズ球団8位・球界79位)だった。サインチェはまず右投手としてスイッチヒッターのメイド(右打席)を三振に抑え、続く左打者のデ・パウラに対しては両投げ用のグラブを右に持ち替え、左投手としてレフトフライに打ち取った。その後、右打者のルジェームス・グルーバー(ダイヤモンドバックス球団10位)には内野安打を許したが、続く左打者のジョー・マック(マーリンズ球団4位・球界94位)を右投手として三振に抑えた。

 サインチェは右投手として最速98.7マイル、左投手として最速92.9マイルをマークした。将来的には右投手の方が有望と評価されているが、「とにかく体を大事にして、この調子でやってみようと思っているんだ。最高レベルでやり遂げたいんだ」と本人は両投げ投手としてデビューすることを目標に掲げている。

2025.7.13 12:01 Sunday

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