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三塁手レンドンの契約見直し エンゼルスでのキャリアに終止符

 エンゼルスとアンソニー・レンドンが契約最終年の内容変更に合意し、2026年はプレーしないことになったと30日(日本時間31日)、MLB.comのマーク・フェインサンド記者が伝えた。

 2020年シーズン前に7年総額2億4500万ドル(約367億5000万円)の契約を結んだレンドンは、2026年に3800万ドル(約57億円)を受け取る予定だったが、今後は数年に分けて支払われることになる。具体的な条件はまだ明らかにされておらず、エンゼルスもこの契約変更を正式に発表していない。

 ペリー・ミナシアンGMはウィンターミーティングで、レンドンの契約最終年を繰り延べることで短期的な柔軟性を確保する可能性を探っていると語っていた。ただし、その当時は、レンドンの代理人であるスコット・ボラス氏やMLB機構、MLB選手会の承認を得る必要があった。

 しかし、その問題は解決され、2025年シーズン前に股関節の手術を受けたレンドンは、2年連続でシーズンを欠場することになる。まだ引退はせず、ロースターに残る予定だが、シーズン前に60日間の負傷者リストに入れ、ロースター40人枠の空きを作ることが可能となる。

 過去5シーズンにわたりケガに苦しみ、ナショナルズ時代に比べて成績が下降したレンドンにとって、エンゼルスでの失望の期間に終わりを告げることとなる。エンゼルスでの5シーズンでわずか257試合の出場にとどまり、打率.242、出塁率.348、長打率.369、22本塁打、125打点だった。2024年は57試合に出場し、打率.218、出塁率.307、長打率.267、本塁打なし、14打点にとどまった。

 35歳のレンドンは、ナショナルズとエンゼルスで計1173試合に出場し、通算打率.280、出塁率.364、長打率.464、158本塁打、295二塁打、671打点を記録している。2014年と2019年にシルバースラッガー賞を受賞し、2019年にはオールスターにも選出され、ナ・リーグMVP投票で3位に入った。同年にはナショナルズをワールドシリーズ優勝に導き、現在のエンゼルス監督、カート・スズキとチャンピオンリングを手にした。

 レンドンが構想外となったことで、エンゼルスは今オフ、三塁手の獲得市場に参入することになる。また、先発投手もう1人、救援の補強、中堅手の獲得も模索している。

 エンゼルスは浮いた資金の一部を使い、30日に救援右腕カービー・イェーツと1年500万ドル(約7億5000万円)で合意した。イェーツもまた、今オフにエンゼルスが獲得した選手の1人であり、右腕アレック・マノア、右腕グレイソン・ロドリゲス、救援左腕ドリュー・ポメランツ、救援右腕ジョーダン・ロマノ、ユーティリティのボーン・グリッソムらのグループに加わる。(文:Rhett Bollinger、訳:山田結軌)

2025.12.31 08:54 Wednesday

エンゼルスがブルペン補強 ベテラン右腕イェーツと1年契約で合意

 MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者によると、救援右腕のカービー・イェーツとエンゼルスが1年契約で合意した。球団からは公式発表されていない。第一報は7ニュース・ボストンのアリー・アレクサンダー記者だった。

 38歳のイェーツは、エンゼルスが今月初めにジョーダン・ロマノやドリュー・ポメランツと1年契約を結んだ補強に続き、このオフシーズンにブルペンに加わった最新のベテランだ。

 イェーツの2025年シーズンはホロ苦かった。2024年オフにドジャースと1年1200万ドル(約18億円)で契約したが、3度の負傷者リスト入りを喫し、防御率5.23でレギュラーシーズンを終了。プレーオフでの登板はなかった。

 明るい材料として、最終的にはワールドシリーズのリングを手にした。さらに、空振り率35.3%、三振率29.1%など一部の指標は、39歳で迎える2026年シーズンに向けて希望を抱かせる。

 イェーツは、レンジャーズで圧倒的だった2024年シーズンからそれほど時間は経過していない。当時はア・リーグのオールスターに選出され、61回2/3を投げて防御率1.17、85三振、33セーブを記録した。トミー・ジョン手術から復帰してわずかフルシーズン2年目だったことを考慮すれば、さらに印象的なパフォーマンスだった。

 イェーツがまだ投げているという事実自体が驚異的だ。アリゾナ州プレスコットのヤバパイ大学からドラフト指名漏れしてから15年以上が経つ。大学時代の大部分は、2006年に受けた1度目のトミー・ジョン手術のリハビリに費やした(ハワイ出身のイェーツは、高校時代の2005年ドラフト26巡目でレッドソックスに指名されたが、契約しなかった)。

 イェーツは2009年のドラフト直後にレイズと契約したが、メジャーデビューまでにはさらに5年を要し、その時点で27歳になっていた。レイズ、ヤンキース、エンゼルスに在籍。2017年、パドレスに居場所を見つけた。32歳だった2019年に完全開花し、防御率1.19、MLBトップの41セーブを記録して初のオールスター選出を果たした。

 その後の3シーズンはわずか15試合の登板にとどまった。2020年に肘の骨片除去手術を受け、2021年には2度目のトミー・ジョン手術を受けたからだ。しかし、2023年にブレーブスで復活のシーズン(防御率3.28)を送り、24年にはレンジャーズでオールスターの姿を取り戻した。(文:Thomas Harrigan、訳:山田結軌)

2025.12.31 08:43 Wednesday

ポスティング期限が迫る今井と岡本 ロサンゼルスで各球団と交渉へ

 2人の日本人スター選手、今井達也と岡本和真がメジャー各球団と交渉できるのも残り数日となった。ポスティング移籍の交渉期限が迫る中、両選手は今週、関心を持つ球団との面談をロサンゼルスで実施するようだ。MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報として伝えている。

 メジャー球団との交渉期限は、今井が米東部時間1月2日午後5時(日本時間1月3日午前7時)、岡本が米東部時間1月4日午後5時(同1月5日午前7時)となっている。もし期限までにメジャー球団と合意に至らなかった場合、2026年は元の所属球団でプレーすることになる。

 27歳の今井は、フェインサンド記者が選定した今オフのフリーエージェント(FA)選手ランキングで11位に選ばれ、先発投手では4位にランクインしている。

 日本メディアの報道によると、今井獲得の有力候補としてホワイトソックスが浮上しているようだが、フェインサンド記者はホワイトソックスが今井と契約する可能性は低いと伝えている。ホワイトソックスは今オフすでに日本人スター選手を獲得しており、12月21日(同22日)に日本球界で2度のMVPに輝いた村上宗隆と2年契約を結んだ。日本メディアは今井獲得を狙っているチームとして、ほかにヤンキースとフィリーズの名前を挙げている。

 今井は今季、埼玉西武ライオンズで163回2/3を投げて防御率1.92の好成績をマーク。178三振、45四球を記録し、打たれた本塁打はわずか6本だった。西武で8年間プレーし、直近3年間では合計470イニングを投げて防御率2.18と安定した活躍を続けている。

 29歳の岡本は、パドレス、エンゼルス、パイレーツ、ブルージェイズ、レッドソックスなど多くのチームが移籍先の候補に挙げられている。日本球界ではオールスターに6度選出され、読売ジャイアンツで11年間プレーして通算打率.277、出塁率.361、長打率.521を記録した。

 今季はケガの影響で77試合の出場にとどまったが、それでも15本塁打を放ち、打率.322、OPS.992の好成績をマーク。2018年から2023年まで6年連続でシーズン30本塁打以上を記録した。

2025.12.31 08:29 Wednesday

ドジャースが元盗塁王のエステウリー・ルイーズをマーリンズへ放出

 29日(日本時間30日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、ドジャースは元盗塁王の外野手エステウリー・ルイーズをマーリンズへ放出し、トレードの対価として有望株右腕アドリアーノ・マレーロを獲得したようだ。まだ両球団からの正式発表は行われていない。

 スピードスターのルイーズは今季、ワールドシリーズを制したドジャースで控え外野手を務めた。主に代走や守備固めとして19試合に出場し、打率.190(21打数4安打)、1本塁打、4盗塁を記録した。

 マーリンズは27日(同28日)、今季106試合に出場した外野手デーン・マイヤーズをマイナー外野手イーサン・オドネルとのトレードでレッズへ放出。それから2日後、外野手を補充するトレードを成立させた。

 ルイーズはマイヤーズの役割(右打ちのセンター)をカバーすることになるだろう。マイヤーズ放出後、マーリンズは正中堅手ジェイコブ・マーシー以外にセンターを本職とする選手が有望株ビクター・メサJr.しかおらず、右打ちの外野手もエリベルト・ヘルナンデスしかいなかったため、ルイーズはチームの補強ポイントに合致する存在だ。

 ルイーズはドジャースのロースター40人枠に登録されていたため、マーリンズはルイーズ獲得に伴って枠を1つ空ける必要があり、エリック・ワガマンをDFA(ロースターの40人枠から選手を外す措置)とする予定であることが報じられている。ルイーズはまだマイナーオプションが1つ残っており、年俸調停権も取得していないため、マーリンズとしては格安で臨機応変に起用することができる。一方、ドジャースはルイーズ放出によってロースターの40人枠が1つ空いた。

 来年2月に27歳の誕生日を迎えるルイーズはアスレチックス時代の2023年にリーグ最多の67盗塁を記録し、盗塁王のタイトルを獲得。ブレーブスのロナルド・アクーニャJr.(73盗塁)に次ぐメジャー2位の盗塁数だった。2022年にはマイナー2Aと3Aの合計114試合で85盗塁をマークしたこともある。

 ルイーズは今季ドジャースでテオスカー・ヘルナンデスとトミー・エドマンがケガを抱えている期間中、外野の「保険」のような存在となっていたが、2026年シーズンの外野手の起用プランの中には含まれていなかった。

 18歳のマレーロはキューバ出身で、昨オフにマーリンズと契約。今季はドミニカ共和国のサマーリーグで10試合に先発して33イニングを投げ、防御率3.82、35三振を記録した。

2025.12.30 10:45 Tuesday

エフリンと再契約を結んだオリオールズ 先発投手の補強を継続へ

 今オフのオリオールズは積極的な補強を続けており、28日(日本時間29日)には右腕ザック・エフリンと再契約を結んだ。契約条件は1年1000万ドル(約15億円)で、2027年の相互オプション(球団と選手の双方に選択権あり)が付属していることが明らかになっている。

 オリオールズは今季38本塁打のピート・アロンソと同36本塁打のテイラー・ウォードを獲得して打線強化に成功し、ブルペンには剛腕ライアン・ヘルズリーとアンドリュー・キットリッジが加入。また、野手の層を厚くするために、外野の控えにはレオディ・タベラスを加えている。そして、先発には大型トレードでシェーン・バズが加わり、フリーエージェント(FA)になったエフリンも戻ってきた。

 エフリンは8月に腰の手術を受けており、来季の開幕には間に合う見込みだが、オリオールズは慎重に術後の経過を見守る方針。エフリンが開幕に間に合えば、オリオールズの開幕ローテーションはカイル・ブラディッシュ、トレバー・ロジャース、バズ、エフリン、ディーン・クレーマーという顔ぶれになるだろう。ローテーションから押し出されたタイラー・ウェルズはブルペンに回り、先発の頭数としてケイド・ポビッチ、ブランドン・ヤング、アルバート・スアレスらが控える布陣となる。

 では、バズの獲得とエフリンの残留によって、オリオールズの先発補強は終了したのだろうか。MLB.comでオリオールズを担当するジェイク・リル記者は「おそらく終わっていない」との見解を示している。

 今季オリオールズが低迷した要因の1つは、FAで退団したコービン・バーンズに代わるエースを獲得せず、ローテーションの柱となる投手が不在となってしまったことだった。その過ちを繰り返すわけにはいかず、今オフはエース級の先発投手の獲得に動くことが確実視されている。

 マイク・エライアス編成本部長はFA市場で上位の先発投手の獲得を目指す意向を明言しており、11月中旬にラスベガスで行われたGM会議の際にはフランバー・バルデスやレンジャー・スアレスといった好投手の陣営と面会していたことも明らかになっている。チームに欠けている「最後のピース」であるエース獲得を実現させることができるか、エライアス編成本部長の決断が注目される。

2025.12.30 10:01 Tuesday

オリオールズが右腕エフリンと再契約へ 1年1000万ドルで合意

 MLB.comでオリオールズを担当するジェイク・リル記者が関係者から得た情報によると、オリオールズは右腕ザック・エフリンと1年1000万ドル(約15億円)の再契約を結ぶことで合意に至ったようだ。2027年の契約は相互オプション(球団と選手の双方に選択権あり)となっている。なお、まだ球団からの正式発表は行われていない。

 31歳のエフリンは2022年オフにレイズと結んだ3年4000万ドル(約60億円)の契約が満了し、今季終了後にフリーエージェント(FA)となった。3年契約の2年目の途中にオリオールズへトレード。今季はケガの影響もあり、14度の先発登板で防御率5.93と苦戦した。

 来季が32歳のシーズンとなるエフリンは、59試合に先発して防御率3.54をマークした2023~24年のようなパフォーマンスを取り戻すことを目指している。

 オリオールズからFAとなった際、クオリファイングオファーを提示されなかったため、もし他球団と契約してもドラフト指名権の補償やペナルティは発生しないはずだったが、他球団移籍ではなく、オリオールズ残留となった。

 通算与四球率1.85と抜群のコントロールを誇るエフリンは、2023年に自己最高のシーズンを過ごした。自己最多の177回2/3を投げて16勝8敗、防御率3.50、K/BB(三振と四球の比率)7.75を記録し、サイ・ヤング賞投票では6位にランクイン。翌2024年も165回1/3で防御率3.59と安定したパフォーマンスを見せ、特にオリオールズ移籍後の9先発では防御率2.60と好調だった。

 今季も好スタートを切り、開幕から3先発連続でクオリティスタートを達成。開幕戦ではブルージェイズを相手に6回2安打2失点の好投で勝利投手となった。ところが、右広背筋を痛めて負傷者リストに登録され、5月に復帰したものの、本来のピッチングを取り戻すことができず、腰の手術を受けてシーズンを終えた。

 エフリンはフィリーズ時代から何度も負傷に悩まされてきた。メジャー10年間のうち、19試合以上に先発したシーズンは4度だけ。メジャー通算成績は200試合(うち188先発)に登板して1073回2/3を投げ、4度の2ケタ勝利を含む68勝67敗1セーブ、防御率4.28、922三振となっている。

2025.12.29 10:47 Monday

左腕ヒーニーが現役引退を表明 メジャー12年間で通算56勝を記録

 2つのワールドシリーズ優勝球団でプレーした左腕アンドリュー・ヒーニーは28日(日本時間29日)、SNSの投稿を通じて現役引退を表明した。

 ヒーニーは6球団で12シーズンにわたって活躍し、通算56勝72敗、防御率4.57、1156三振を記録した。

 2012年ドラフト全体9位指名でマーリンズに入団し、プロ野球選手としてのキャリアをスタート。2014年にメジャーデビューを果たしたが、キャリアの大部分を過ごしたのはエンゼルスで、2015年から2021年途中まで6年半在籍した。その後、ヤンキース(2021年)、ドジャース(2022年と2025年)、レンジャーズ(2023~24年)、パイレーツ(2025年)でもプレーしている。

 レンジャーズには2年間在籍し、2023年は球団史上初となるワールドシリーズ制覇に貢献。レギュラーシーズンで自身初の2ケタ勝利を達成しただけでなく、ダイヤモンドバックスとのワールドシリーズ第4戦では5回1失点の好投で勝利投手となり、ワールドシリーズ制覇に王手をかける立役者となった。

 現役引退を表明したSNSの投稿には、ワールドシリーズ優勝のトロフィーを持った写真が添えられ、家族、チームメイト、コーチ、ファンなどへの感謝のメッセージが綴られている。

 ヒーニーはSNSの投稿の中で「10年以上のメジャー生活、3度のロベルト・クレメンテ賞ノミネート、2023年ワールドシリーズ第4戦の勝利、2023年ワールドシリーズ優勝など、メジャーリーグでプレーできたことは私にとって名誉であり、特別なことでした」と自身のキャリアを振り返った。

 34歳のヒーニーは今季、パイレーツの一員として開幕を迎えたが、8月29日に解雇。その数日後、今季王者のドジャースと契約したものの、移籍後の登板は9月27日(同28日)のマリナーズ戦の1度だけだった。

 ヒーニーは「これからは夫、父親、家庭的な男、地域コミュニティの一員として、集中力とエネルギーを注ぐ準備ができています。野球からは引退しますが、これまで受けてきた以上のものを社会に還元したいと思っています」と今後の人生について記した。

2025.12.29 10:19 Monday

ツインズにライアン放出の意思なし Rソックスはベヨ放出を検討か

 ツインズは今夏のトレード期限で多くの主力選手を放出し、大規模なチーム解体を敢行した。実に10人ものメジャーリーガーを放出して若手有望株をかき集め、ファーム組織の立て直しに尽力。そうした状況の中、今オフも主力選手のトレードが噂されていたが、どうやらこれ以上の主力放出に踏み切るつもりはないようだ。

 現在のツインズで最もトレード市場での価値が高い選手の1人は先発右腕のジョー・ライアンだろう。今季オールスターに選出され、2027年シーズンまで保有できる右腕には多数のチームが関心を示していることが明らかになっている。

 しかし、ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者とウィル・サモン記者によると、ツインズは「ライアンを手放すつもりはない」と主張し続けているようだ。ある関係者によると、ツインズは11月に行われたGM会議以降、1度もライアンのトレードに関する話し合いを行っていないという。その事実は「ツインズにライアン放出の意思がない」という報道に強い説得力を持たせる。

 一方、トレード要員となっている先発投手もいる。ローゼンタール記者とサモン記者によると、カージナルスと2件のトレードを成立させ、右腕ソニー・グレイと一塁手ウィルソン・コントレラスを獲得したレッドソックスは今オフに入り、右腕ブライアン・ベヨを「ひそかに売りに出している」という。

 26歳のベヨは今季、自己最高の成績を残し、29試合(うち28先発)に登板して11勝9敗、防御率3.35を記録。自己最多の166回2/3を投げて2年連続で規定投球回をクリアし、124三振を奪った。レッドソックスとは6年5500万ドル(約82億5000万円)の契約を結んでおり、レッドソックスの保有期間はあと4年。なお、2030年の契約は年俸2100万ドル(約31億5000万円)の球団オプション(球団側に選択権のある契約条項)となっている。

 現状ではギャレット・クローシェ、グレイに次ぐ先発3番手と目されているベヨだが、レッドソックスはほかにもカッター・クロフォード、パトリック・サンドバル、ヨハン・オビエド、カイル・ハリソンら先発要員がいるため、対価次第ではベヨを放出しても構わないと考えているのかもしれない。状況次第ではペイトン・トーリーとコネリー・アーリーの両若手左腕がローテ入りする可能性もあるだろう。

 移籍市場では複数年保有できる先発投手の価値が非常に高まっており、ベヨも多数の球団から関心を集めるはずだ。レッドソックスがどのような決断をするのか、今後の動向が注目される。

2025.12.28 12:04 Sunday

大谷の通算250本塁打など2025年シーズンに達成された大記録を紹介

 MLBの才能豊かな選手たちにとって、毎年訪れるシーズンは自身の可能性を最大限に発揮する絶好の機会だ。シーズンが始まるときに、これから始まる162試合の中でどんな記録が達成されるかを予想するのは、常に楽しいもの。しかし、シーズンが終わるときには、予想もしなかったような大記録が達成されることもある。

 ここでは2025年シーズン中にマイルストーン(節目の記録)を達成した10人の選手を順番に見ていこう。

スペンサー・ストライダー:通算500三振

 ストライダーは昨季までに通算329回2/3で495三振を記録。通算500三振の達成は目前で、MLBの公式記録を扱うエライアス・スポーツ・ビューロー社によると、全登板の50%以上に先発した投手の中では史上最少イニングで500三振を達成する見込みだった。4月16日の今季初登板、ストライダーは五回の先頭打者から三振を奪い、通算334イニングで500三振を達成。フレディ・ペラルタの372イニングを大幅に更新し、主に先発を務めた投手としては史上最速の通算500三振達成となった。

フアン・ソト:27歳未満と28歳未満の歴代最多四球

 ソトは昨季までに通算769四球を記録。これは26歳未満の選手としては歴代最多で、27歳未満の選手としてはミッキー・マントル(797四球)に次いで2番目に多かった。ソトがマントルの記録を塗り替えるまであと29四球。しかもソトは26歳になってからまだレギュラーシーズンの試合に1度も出場していない状態だった。

 5月6日、ソトは通算797個目と798個目の四球を選び、まだシーズンの大半が残っているにもかかわらず、27歳未満での歴代最多四球記録を更新した。その後、どうなったかというと、ソトは27歳の誕生日を迎える前に、28歳未満での歴代最多四球記録も塗り替えてしまった。28歳未満の記録もマントル(892四球)が保持していたが、ソトは9月23日に通算893個目の四球を選び、記録を更新。シーズン終了時点で896四球まで伸ばした。これは27歳未満の歴代最多記録であり、2026年シーズンには28歳未満の歴代最多記録をさらに伸ばしていくことになる。

大谷翔平:通算250本塁打

 大谷は昨季までにメジャー通算225本塁打を記録。6月14日、先頭打者アーチで通算249本とし、六回には通算250本塁打の節目に到達した。この時点で、大谷は通算156盗塁を記録。通算944試合目で250本塁打&150盗塁を達成したのは、アレックス・ロドリゲス(977試合)を上回って史上最速だった。なお、944試合のうち、大谷が打者として出場したのは928試合だけ。これはキャリア序盤、登板時には打席に立たなかったからである。打席に立たなかった試合を含めても、大谷の944試合は史上最速だった。

マット・オルソン:700試合連続出場

 6月26日、オルソンは2021年5月2日から続く連続試合出場を700まで伸ばした。シーズン終了時には782試合となり、これはメジャー史上12位の大記録。地区制が導入された1969年以降、オルソン以外に700試合連続出場を達成したのは、カル・リプケンJr.(2632試合:1982~98年)、スティーブ・ガービー(1207試合:1975~83年)、ミゲル・テハダ(1152試合:2000~07年)、ピート・ローズ(745試合:1978~83年)、デール・マーフィー(740試合:1981~86年)の5人だけだ。

クレイトン・カーショウ:通算3000三振

 殿堂入り確実の名左腕は、昨季までに通算2968三振を記録していた。7月2日、六回の3アウト目で通算3000三振の大記録に到達。3000三振は限られたエリートのみが到達できる領域であり、これまでに達成した20人のうち、まだ殿堂入りしていないのはロジャー・クレメンス、カート・シリング、カーショウ、マックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダーの5人だけだ(カーショウ、シャーザー、バーランダーはまだ殿堂入りの資格がない)。1球団でキャリアを全うし、通算3000個以上の三振を奪ったのは、セネタース(現ツインズ)のウォルター・ジョンソン、カージナルスのボブ・ギブソンに続いてカーショウが3人目となった。

アーロン・ジャッジ:通算350本塁打

 ジャッジは昨季までに通算993試合で315本塁打を記録。デビューした2016年以降ではメジャー全体で最多本数だった。2024年には通算955試合目で300本塁打に到達し、これはメジャー史上最速。同じく史上最速での350本塁打達成も視野に入れていた。そして7月12日、通算1088試合目で350本塁打を達成。マーク・マグワイア(1280試合)を大幅に上回り、圧倒的なメジャー新記録を樹立した。

ピート・アロンソ:メッツの通算最多本塁打記録

 アロンソは昨季までにメッツ史上3位となる226本塁打を記録。2位のデービッド・ライト(242本)、1位のダリル・ストロベリー(252本)の記録に迫っていた。そして8月12日に通算253本目のホームランを打ち、メッツの球団記録を更新。シーズン終了後にオリオールズと契約してメッツ在籍期間を終えたため、アロンソの通算264本塁打がメッツの球団記録として残ることになった。アロンソのほかに、球団の通算最多本塁打記録を保持している現役選手は、エンゼルスのマイク・トラウト、マーリンズのジャンカルロ・スタントン(現在はヤンキースに在籍)、パドレスのマニー・マチャドの3人だけである。

ジャスティン・バーランダー:通算3500三振

 バーランダーは昨季までに歴代10位の通算3416三振を記録。8月10日、通算3500三振のマイルストーンに到達し、8月21日にウォルター・ジョンソン(歴代9位の3515三振)に並ぶと、8月26日にはジョンソンを抜いた。9月6日は通算3534三振のゲイロード・ペリーを抜き、歴代8位に浮上。シーズン終了時点で通算3553三振まで数字を伸ばした。

マイク・トラウト:通算400本塁打

 トラウトは昨季までに通算378本塁打を記録。史上59人目となる400本塁打達成が迫っていた。9月20日に通算400本塁打を達成し、400本塁打&200盗塁をクリアした史上15人目の選手に。さらに詳しく見てみると、35歳の誕生日を迎える前に400本塁打&200盗塁を達成したのは、アレックス・ロドリゲス、サミー・ソーサ、ウィリー・メイズ、ハンク・アーロン、バリー・ボンズ、レジー・ジャクソンに次いで7人目の快挙だった。

カル・ローリー:捕手とスイッチヒッターの最多本塁打記録

 これは2025年シーズン開幕前には誰も予想していなかった記録だ。捕手によるシーズン最多本塁打記録は2003年にハビー・ロペスが記録した42本だった。ローリーは捕手として49本塁打を放ち、ロペスの記録を更新。さらに指名打者として11本塁打を放ち、60本塁打の大台に到達した。主に捕手を務めた選手(出場試合の50%以上が捕手)によるシーズン最多本塁打記録は2021年にサルバドール・ペレスが記録した48本だったが、ローリーはその記録を大幅に更新。また、ローリーはスイッチヒッターであり、1961年にミッキー・マントルが記録した54本塁打のスイッチヒッター史上最多記録も塗り替えた。

2025.12.28 11:12 Sunday

メッツの有望株マクリーンが鮮烈なデビューを飾ることができた理由とは

 メッツの有望株右腕ノーラン・マクリーンは今季メジャーデビューして48イニングを投げ、数々の印象的な数字を残した。

 防御率2.06、FIP(守備の影響を除外して算出する疑似防御率)2.97を記録し、三振率と四球率の差21.8%は40イニング以上を投げた先発投手の中で17位タイの好成績だった。しかし、マクリーンの今季の成績を見る上で、注目すべき数字がほかに2つある。「60」と「30」だ。

 これは「ゴロ率60%」と「三振率30%」を意味している。先発投手がこの2つを両立するのは極めて珍しく、2024年の夏まで二刀流でプレーしていた新人投手が達成したのだから驚きだ。

 2008年以降のピッチトラッキング時代において、100打球以上の先発投手がゴロ率60%以上を記録するのはマクリーンが38人目。具体的には、マクリーンのゴロ率は60.2%だった。同じ投手が複数回記録した場合も含め、2008年以降に先発投手がゴロ率60%以上を記録したケースは66度ある。では、このうち何人が三振率30%以上を記録しているのだろうか。

 答えは「1人」だ。MLBパイプラインの有望株ランキングで全体11位・球団1位の評価を受けているマクリーンが初めてだった。

 マクリーンは三振率30.3%を記録。ゴロ率60%以上の投手で2番目に三振率が高いのは、ジャイアンツのエース右腕ローガン・ウェブで、2021年にゴロ率62.1%と三振率26.5%を記録した。マクリーン以前に「30-60」達成に最も近づいた先発投手はアストロズの右腕ランス・マカラーズJr.で、2016年にゴロ率58.7%と三振率30.1%を記録した。

 マクリーンは6つの球種を投げ分けるが、このユニークな組み合わせの成功の要因となったのは、主にシンカーとカーブの2球種だ。

 今季、この有望株右腕が90マイル台中盤のシンカーを投じた割合は27.9%に過ぎなかったが、それでも球種別の投球割合では最も多かった。インプレーの打球が40度あり、ゴロにならなかったのは8度だけ。80%という驚異的なゴロ率を記録し、全投手の25打球以上の全球種の中でメジャートップクラスの数字だった。

 マクリーンのカーブはゴロ率62.5%を記録したが、ゴロを打たせる以上に空振りを奪うボールとして見事に機能した。水平方向(横方向)の変化が大きく、50度のスイングで25度の空振り、つまり空振り率50%を記録。カーブで終わった27打席で19個の三振を奪っており、バットに当たったときもほとんど痛打されなかった。打たれたヒットは2本(いずれも単打)だけ。それ以外の打球6本はいずれも初速85マイル(約137キロ)未満だった。

 多くのゴロを打たせるのは良いことだ。多くの三振を奪うのはさらに素晴らしい。24歳の若さでその両方をこなせる投手はほかにいるだろうか。マクリーンを2026年の新人王最有力候補に挙げる者がいたとしても決して不思議ではない。

2025.12.28 09:35 Sunday

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