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タッカーとPCAが久々の本塁打 カブスがエンゼルスとの接戦を制す
【エンゼルス2-3カブス】アナハイム/エンゼルスタジアム、8月22日(日本時間23日)
カブスのカイル・タッカーが25試合連続本塁打なしのスランプに終止符を打った。タッカーの久々の本塁打で先制したカブスは、先発ハビエル・アサッドの好投、そして最終回に飛び出したピート・クロウ=アームストロングの決勝ソロもあり、エンゼルスに3-2で勝利。鈴木誠也は2打数無安打1打点1四球を記録した。
初回、カブスはタッカーの19号ソロで先制。タッカーは自身のキャリアでも2番目に長い25試合連続本塁打なしのスランプの最中であり、最後の長打自体も7月30日まで遡った。
直近30試合で打率.173、OPS.573と大ブレーキがかかり、今週のブルワーズとの首位攻防戦では本拠地のファンからブーイングも浴びた。そして6月に右掌のひび割れと診断されていたことも報じられ、タッカーは苦境に立たされていた。その中で久々の本塁打を放ち、チームに勢いをもたらした。本人は「ボールを高く上げて、力強く打ち返して得点につなげることができて、本当に気持ちよかった」と久々の好感触を味わった。
さらにカブスは三回にも1死満塁のチャンスを作り、鈴木の犠牲フライで2点目を追加した。
先発のアサッドは持ち味を発揮し、ゴロアウトを量産。エンゼルス打線に対して6回1失点、被安打はわずか2、4三振で9度のゴロアウトを記録して抑え込んだ。
しかし七回、2番手のアンドリュー・キットリッジが同点ソロを被弾。試合は振り出しに戻り、アサッドの白星も消滅した。
2-2の同点で迎えた九回、クロウ=アームストロングが28号ソロを放ち、カブスは1点を勝ち越し。最終回を守護神のダニエル・パレンシアが締めくくり、リーグ2位のシーズン74勝目をマークした。
決勝弾を放ったクロウ=アームストロングも、タッカーと同様にほぼ1ヵ月ぶりの本塁打を放った。カブス打線は後半戦に入ってからタッカー、鈴木、マイケル・ブッシュ、ダンズビー・スワンソンといった主力打者が軒並みOPS600台の不振に陥っている。クレイグ・カウンセル監督が「大きなヒットを必要としていた二人が、攻撃面で勝利に貢献してくれただけでも、みんな満足している」と語ったように、きっかけを手にしたタッカーとクロウ=アームストロングが前半戦のような活躍を再現できるかが鍵を握る。
2025.8.23 15:11 Saturday
スキーンズに次ぐ怪物誕生か パイレーツのチャンドラーが初陣で好投
【パイレーツ9-0ロッキーズ】ピッツバーグ/PNCパーク、8月22日(日本時間23日)
パイレーツの超有望株ババ・チャンドラーがデビュー戦に登板し、4回無失点3三振と好投。5回無失点6三振を記録した先発のブラクストン・アッシュクラフトとの完封リレーを成し遂げ、キャリア初セーブを挙げた。ポール・スキーンズに次ぐ怪物と期待される22歳がついにヴェールを脱いだ。
パイレーツ先発のアッシュクラフトはロッキーズ打線を圧倒。8月上旬から先発ローテーションに組み込まれた25歳の新人は得意の変化球が冴え渡り、5回1安打1四球6三振の好投を披露した。
アッシュクラフトの球数は65球に過ぎなかったが、ロッキーズ投手陣から大量リードを得ていたパイレーツは継投を選択。超有望株ババ・チャンドラーのお披露目を行った。
「MLBパイプライン」の有望株ランキングでは球団2位、球界全体では7位に入るチャンドラーは、前評判に違わぬ剛速球を披露。最初のアウトを99.9マイル(約160.8キロ)の直球によって見逃し三振で奪うと、その回最後のアウトも100.4マイル(約161.6キロ)のボール球を振らせて空振り三振で奪った。
ただ、チャンドラーは「100マイルを超えていたの?よかった」と試合後にその事実を知った。投球後はスピードガンを確認するのではなく、デビュー戦に駆けつけた家族の姿を探していたのだ。チャンドラーはピッチクロックのせいで投球間に家族を見つけるのに苦労したが、やがてチャンドラーのユニフォームを着込んだ集団に気づいた。
チャンドラーはそのまま試合の最後まで投げ抜き、4回無失点3三振無四球と好投。球団史上初めてデビュー戦でセーブを挙げた投手となり、さらにデビュー戦で4イニング無失点でセーブを記録した史上初の投手となった。
チャンドラーは高校時代、規格外のマルチアスリートとして知られていた。野球のみならずバスケットボールやアメリカンフットボールでも活躍し、特に後者の腕前は強豪クレムゾン大からクォーターバックとしてオファーを受けるほど。さらに野球では左投げでも85-87マイル(約136-140キロ)をマークしたほか、投打二刀流でドラフト指名を受けた。
勝利投手となったアッシュクラフトが「彼は信じられないほどの才能の持ち主だ。今まで見た中で最高の投手の一人だ」と絶賛するように、チャンドラーは数多くの才能の中から投手としての道を選んだ。
二刀流をやめて投手に専念した2023年からわずか2年半でメジャーデビューは驚異的と言うほかないが、「それほどストレスを感じているタイプではないけど、ここ数ヶ月はここに来るのに必死だった」と、制球を乱してデビューまで足踏みした今季の前半について振り返った。
笑顔を浮かべるチャンドラーは、念願のデビューを飾って肩の荷がいくらか下りたようだ。「誰とでも同じように、僕も毎日努力して、どんなことでもできる限りベストを尽くそうとしているんだ。オフシーズン中もシーズン中も、『最悪だ』って思うことがよくある。トンネルの出口の光はどこにあるんだろうって感じだった。でも、僕はそれを見つけた。今は両親に会って、楽しもうと思ってるんだ」と屈託なく語った。
2025.8.23 15:07 Saturday
オリオールズが超有望株バサヨと契約延長 8年6700万ドル
22日(日本時間23日)、オリオールズは捕手サミュエル・バサヨとの契約延長を発表。デビューして5試合に出場したばかりの有望株に8年6700万ドルの契約を与え、将来へ向けた布石を打った。
21歳のバサヨは「MLBパイプライン」の有望株ランキングで球団1位、球界全体でも8位に入る超有望株。今季はAAAで76試合に出場し、打率.277、OPS.966、23本塁打を記録している強打と強肩が持ち味だ。
契約は来季から2033年まで続き、2034年は1800万ドルの球団オプション(あるいは700万ドルのバイアウト)が付く。さらに個人タイトルと捕手での出場時間に応じて年俸が上がる仕組みとなっており、最大で8850万ドルまで膨れ上がる。これは年俸調停権を得る前の捕手が得た契約としては史上最高額だ。さらにオリオールズの選手としても史上4番目に高額な契約となる。
契約合意にこぎ着けたマイク・イライアスGMは「サミュエルとの長期契約に合意できたことを大変嬉しく思う。彼と彼の家族にとって、この契約が意味するものを大変嬉しく思う。彼のデビューと今回の契約延長は、国際スカウトスタッフの尽力に始まり、選手育成部門全体の成功によって実現した、当組織にとって大きな成果だ。現在そして将来にわたり、フィールド上での継続的な成功を追求する中で、サミュエルへの投資を支えてくださったデービッド・ルーベンスタイン率いるオーナーシップグループに感謝申し上げる」とコメントした。
オーナーのルーベンスタイン氏も「サミュエルとの契約は、オリオールズ野球界の新たなエキサイティングな時代への触媒となるに過ぎない。マイク・イライアス、(国際スカウト・運営担当副社長の)コビー・ペレス、そして球団運営グループ全員の尽力と努力に感謝する。サミュエルを球団の将来を担う重要な存在として確保してくれたことに感謝している」と語った。
バサヨは2021年に国際FAでオリオールズに加入した生え抜き選手だ。ドラフトの成功によって強豪球団へ生まれ変わってきたオリオールズには珍しく、国際FA出身でスターになれる才能を秘めている。トニー・マンソリーノ暫定監督は「マイクが就任した頃を思い出してほしい。当時はラテンアメリカ・プログラムがほとんどなかった。最初の契約延長が、新設されたラテンアメリカ・プログラムから来た選手であることは、非常に大きな意味を持つと思う。サミーはボルチモアに居たいと望んでいるし、将来的には、同じようにここに居たいと願う選手が他にも出てくることを願っている。球団にとって大きな意味を持つ。願わくば、これが我々にとって大きな足がかりとなることを願っている」と語った。
ボルチモアのファンは長い間、アドリー・ラッチマンやガナー・ヘンダーソンといった若手スター選手たちの契約延長を熱望していたが、イライアスGMの在任期間ではそれはまだ実現していなかった。マンソリーノ暫定監督が語るように、オリオールズは今後も若い主力選手との契約延長を目指すだろう。
2025.8.23 15:05 Saturday
アストロズがブルペン補強 オールスター選出9度のキンブレルを獲得
21日(日本時間22日)、アストロズがオールスター・ゲーム選出9度の実績を誇るベテラン救援右腕クレイグ・キンブレルとのメジャー契約に合意したことが明らかになった。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報として伝えている。
なお、現時点ではアストロズからの公式発表は行われていない。
37歳のキンブレルにとって、メジャーに在籍するのは今季2度目となる。最初の機会は古巣ブレーブスでの登板。6月6日のジャイアンツ戦で登板し、1イニングを無失点に抑えたが、翌日にDFAとなり、そのまま退団した。
キンブレルはその後、マイナー契約でレンジャーズに加入。マイナー3Aで24試合に登板して21イニングを投げ、防御率3.86、28三振、被打率.158を記録した。
メジャー屈指のクローザーとして長年活躍してきたキンブレルは、最優秀救援投手のタイトルを4度獲得し、ブレーブス時代の2011年には新人王にも輝いている。また、2018年のレッドソックスではワールドシリーズ制覇も経験した。
16年間のキャリアで積み重ねた通算440セーブは歴代5位の大記録。通算838試合に登板して810回2/3を投げ、防御率2.59、1266三振、被打率.169という素晴らしい成績を残している。新天地アストロズで輝きを取り戻せるか注目だ。
2025.8.22 09:36 Friday
パドレスが打線爆発で逆転勝ち 1ゲーム差でドジャースとの首位攻防3連戦へ
【パドレス8-4ジャイアンツ】サンディエゴ/ペトコパーク、8月21日(日本時間22日)
ドジャースタジアムでスイープ負けを喫したパドレスは、17日(同18日)にロサンゼルスを離れ、本拠地ペトコパークに戻って傷をいやした。スイープ負けを喫した時点で首位ドジャースとは2ゲーム差。22日(同23日)からは再び首位攻防3連戦が予定されている。
パドレスをスイープしたあと、ドジャースは敵地コロラドに乗り込み、最下位のロッキーズと4試合を戦った。両チームの戦力差を考えれば、ドジャースが4連勝してもおかしくない状況だったが、2勝2敗という結果に。一方、パドレスはジャイアンツ4連戦の最終戦に8-4で勝利し、4連戦を3勝1敗の勝ち越しで終えた。
この結果、首位ドジャースと2位パドレスは1ゲーム差に。22日(同23日)からレギュラーシーズン最後の直接対決となる3連戦がパドレスの本拠地ペトコパークで行われる。
トレードによる補強を経て大幅な戦力アップに成功したパドレスの打線は、ジャイアンツ4連戦の最終戦でも好調を維持した。2-2の同点で迎えた五回に一挙6点を勝ち越し。前日に続いて8得点を挙げ、スイープ負けを喫した先週末から見事に盛り返した。
パドレスのマイク・シルト監督は「私は長い間、球界に身を置いている。長くいればいるほど、チームの戦いには浮き沈みがあるということがわかるんだ」と語る。
今季のパドレスはこうした浮き沈みを乗り越えてきた。7月3日時点では首位とのゲーム差が9まで拡大。しかし、徐々に差を縮め、先週のドジャース3連戦を迎えた時点では単独首位に立っていた。
大事な首位攻防3連戦でスイープ負けを喫するという挫折を味わったものの、パドレスは再び立ち直った。本拠地でのジャイアンツ4連戦に3勝1敗で勝ち越し。ドジャースがロッキーズを相手に2敗を喫したため、ゲーム差は1つ縮まった。
「野球というゲームは難しく、挑戦的で、ボールは思い通りには転がらないものだ」とシルト監督。「このチームについて、私が素晴らしいと思うのは、常に競争力を発揮してくれるということだ」と何度挫折を味わっても粘り強く戦い続ける選手たちを称えた。
11安打8得点を記録したパドレス打線において、1番フェルナンド・タティスJr.、2番ルイス・アライズ、3番マニー・マチャド、7番ラモン・ローレアーノがいずれもマルチ安打を記録。三回に2点を先制したものの、四回にすぐさま追いつき、五回に一挙6点を勝ち越した。大きかったのは主砲マチャドの2点タイムリー二塁打。リードを4点に広げる一打となり、ジャイアンツ先発のジャスティン・バーランダーをノックアウトした。
2025.8.22 08:58 Friday
大谷欠場もドジャース勝利 あす23日からパドレスとの首位攻防3連戦
【ロッキーズ5-9ドジャース】デンバー/クアーズフィールド、8月21日(日本時間22日)
ドジャースは敵地クアーズフィールドで行われたロッキーズ4連戦の最終戦に9-5で勝利。4連戦を2勝2敗で終えた。なお、前日の試合に登板し、今季初黒星を喫した大谷翔平は予定通りに休養日で出場しなかった。
8月の終わりが近づく中、ドジャースはナショナル・リーグ西地区の優勝争いを繰り広げるライバル、パドレスとの直接対決が迫っている。22日(同23日)からは敵地ペトコパークでの3連戦がスタート。レギュラーシーズンでは今季最後の直接対決となる。
パドレスがドジャースから単独首位の座を奪ったあと、先週の直接対決3連戦ではドジャースがパドレスをスイープ。しばらくの間、平凡な成績が続いていたドジャースは勢いづいたように見えたが、最下位ロッキーズとの4連戦で見せた不安定な戦いぶりが今後に不安を抱かせている。
パドレスとの直接対決3連戦で姿を見せるのは、どちらのドジャースなのだろうか。メジャー最低勝率のチームを相手に、大谷の登板試合での敗北を含む2敗を喫し、打線がほとんど振るわなかったドジャースか。それとも2試合合計で20得点を挙げ、自慢の攻撃力を発揮したドジャースか。
ドジャースは後者であることを願っているはずだ。デンバーを離れて西海岸に戻る飛行機に乗る前、ドジャース打線は息を吹き返した。大谷が欠場する中、初回にフレディ・フリーマンの16号2ランで先制。飛距離451フィート(約137メートル)の一発がセンターのフェンスを越えていった。
二回にはミゲル・ロハスの見事なスクイズ(記録はバント安打)とウィル・スミスの押し出し死球で2点を追加。4-1とリードを広げた。
三回にアレックス・コールがタイムリーを放つと、四回にもマイケル・コンフォートの犠牲フライとアレックス・フリーランドのタイムリー二塁打で2得点。五回にはアンディ・パヘスに21号ソロが飛び出し、八回にスミスがダメ押しのタイムリーを放って9-5でロッキーズに勝利した。
マウンド上では、先発のクレイトン・カーショウが再び力強いピッチングを披露。「打者天国」と呼ばれるクアーズフィールドで5回2/3を投げ、6安打3失点、3三振、1四球と先発の役割を果たして8勝目を手にした。8月は4試合に先発して4勝0敗、防御率1.90と素晴らしい活躍を続けている。
2025.8.22 07:49 Friday
ブルワーズが両リーグ最速の80勝到達 トゥラングが今永から先制アーチ
【カブス1-4ブルワーズ】シカゴ/リグレーフィールド、8月21日(日本時間22日)
ブルワーズは過去7年間で6度のポストシーズン進出を果たしているが、その中で追う立場も追われる立場も経験した。カブスのクレイグ・カウンセル監督はそのほとんどの期間でブルワーズを率いていたため、ポストシーズン進出までのさまざまな道のりを熟知している。
カウンセル監督は、自分が追う立場と追われる立場のどちらが好きかを知っている。かつてブルワーズを率いた指揮官が好むのは、首位ブルワーズを追いかけているカブスが現在いる側の立場ではない。
「(必死に首位を追いかける立場より)追われる立場のほうがマシだよ」とカウンセル監督は語った。
首位攻防5連戦の最終戦、ブルワーズは8月好調のブライス・トゥラングが14号2ランを放って先制点を叩き出し、クローザーのトレバー・メギルは節目の30セーブ目を記録。カブスに4-1で勝利し、両リーグ最速となる今季80勝に到達した。
今回の5連戦はカブスが3勝2敗で勝ち越し。シーズントータルでも7勝6敗となり、カブスが勝ち越しを決めた。これにより、カブスとブルワーズが同率首位でレギュラーシーズンを終えた場合、直接対決で勝ち越しているカブスが地区優勝することになる。しかし、大きくリードしているのはブルワーズ。5連戦の最終戦を制して3カ月以上ぶりの3連敗を止め、残り34試合という状況で2位カブスとのゲーム差を7に広げた。
勝利したブルワーズだが、先発のクイン・プリースターは決してベストパフォーマンスではなかった。
ブルワーズは5月30日以降、プリースターが登板した試合で15勝0敗と「不敗神話」を続けている。この間、プリースターは12試合に先発したほか、オープナーに続く投手として3試合に登板。自身は10連勝をマークしており、これはクリス・ボシオとカル・エルドレッドに並ぶ球団タイ記録だ。カブス5連戦の最終戦で球団新記録を樹立する可能性があったが、四回と五回に制球を乱し、五回途中で降板。ブルワーズは早めにブルペンを投入せざるを得なくなった。
ブルワーズのブルペン陣は2番手のニック・ミアーズが五回の最後の2つのアウトを取ると、六回以降はグラント・アンダーソン、ジャレッド・ケイニッグ、アブナー・ウリーベ、メギルが無失点リレー。5人のリリーバーが合計14個のアウトを取り、試合を締めくくった。
カブス先発の今永昇太から先制点を叩き出したのは、8月好調のトゥラングのバットだった。二回2死一塁で迎えた第1打席で右中間への14号2ラン。早くも8月8本目の本塁打となり、メジャー1年目(6本塁打)と2年目(7本塁打)の本数を8月だけで上回った。
2-1と1点リードで迎えた八回にはアイザック・コリンズが貴重な追加点となる2点タイムリー。コリンズはこの試合ここまで3打数無安打、今回のシリーズ通算でも14打数無安打、直近22打数でわずか1安打と当たりが止まっていたが、試合終盤に大きな一打を放った。この追加点により、八回以降に登板したウリーベとメギルは余裕を持ってピッチングをすることが可能になった。
5連戦の2戦目から3連敗を喫していたブルワーズにとって、最終戦の勝利はチームの雰囲気を変えるために必要なものだった。長年、ブルワーズは過小評価されながらも実力を発揮してきたが、現在はメジャー最強チームと評価されつつある。そのプレッシャーの中で直近5年間で4度目となる地区優勝を目指している。
カブスのカウンセル監督は「追いかける立場にいると、より集中力が高まり、日々の緊張感が増していくんだ」と追う立場のメリットについて語る。大きくリードしているブルワーズだが、追われる立場として、地区優勝の大本命として、プレッシャーを感じながらの戦いが続いていることは間違いない。
7ゲーム差をつけられているカブスもまだ諦めていない。カウンセル監督は「もし地区優勝を狙うなら、厳しい戦いになるだろう。でも、まだやれることはある。相手(ブルワーズ)がリードしているが、彼らにとって厳しい戦いになるように、われわれも戦っていきたい」と現実を受け止めつつ、意気込みを語った。
2025.8.22 07:03 Friday
パドレスが大勝でドジャースに1ゲーム差 タティスが神業披露
【パドレス8-1ジャイアンツ】サンディエゴ/ペトコパーク、8月20日(日本時間21日)
ペトコパークにやってきて本塁打を打とうとするなら、ライトフェンスからは少なくとも何メートルか遠くへ飛ばしたほうがいい。そうでなければ、フェルナンド・タティスJr.がそれを捕ってしまうだろう。
プラチナグラブ賞に輝いたこともあるタティスJr.はジャイアンツ戦の初回、ラファエル・デバースの大飛球に完ぺきな跳躍を見せ、見事にホームランキャッチ。このスーパープレーはパドレスのこの日の圧勝をお膳立てした。
ギャビン・シーツが2本塁打、マニー・マチャドとライアン・オハーンも本塁打を放ち、打線は8得点と爆発。投げてはトレードデッドラインで新加入のJP・シアーズが6回1失点と好投し、8勝目をマークした。首位ドジャースが敗れたため、2位パドレスはゲーム差を再び1に縮め、今週末に控えるペトコパークでのドジャースとの直接対決に向け、調子を上げている。
タティスJr.がホームランキャッチに成功したのは直近2ヵ月で3度目。前回メッツ戦でマーク・ビエントスからフェンスをよじ登るように本塁打を奪ったのとは異なり、今回はデバースの打球がスタンドに飛び込もうかという完ぺきなタイミングで空中へ舞い上がり、捕球した。タティスJr.は捕球するとフェンス手前に倒れ込み、しばらくの間、グラブの中にボールを握ったまま、気取らない様子で座っていた。彼がボールをグラブに収め、内野へ送球した瞬間、ペトコパークは大歓声に包まれた。デバースはただ笑うしかなかった。
打撃面では浮き沈みはあるものの、タティスJr.は素晴らしい守備を続けている。守備指標「OAA」では+10を稼ぎ、メジャーのライトの中でトップに立っている。2023年、外野手として初のフルシーズンを終えた彼は、右翼手としてプラチナグラブ賞を受賞した。今季もプラチナグラブ賞を獲得できるかは分からないが、少なくとも2度目のゴールドグラブ賞は間違いない。
この日は守備でチームを勢い付けただけではなく、打撃でもリードオフとして切り込み隊長の役目を果たした。初回に先頭打者として二塁打を放つと、その後のオハーンのタイムリーで先制のホームを踏んだ。これで勢いづいたパドレスは4本塁打の猛攻でジャイアンツを寄せ付けなかった。
2025.8.21 14:14 Thursday
カブスがブルワーズに3連勝で6G差 タイブレーカーの保持が確定
【カブス4-3ブルワーズ】シカゴ/リグレーフィールド、8月20日(日本時間21日)
カブスが4-3でブルワーズを下し、3連勝。直接対決5連戦に3勝1敗で勝ち越しを確定させた。カブス打線はブルワーズ先発のジェイコブ・ミジオロウスキーのわずかな隙を逃さず、三回に3点を奪って逆転。先発のコリン・レイ以下、投手陣も奮闘し、1点差の接戦を制した。鈴木誠也は4打数1安打だった。
カブス先発のレイは二回に制球を乱し、内野ゴロの間に1点を失った。カブス打線も三回、7-9番の下位打線が怪物新人ミジオロウスキーから3四球を選び、1番のマイケル・ブッシュに満塁のチャンスをお膳立て。ブッシュはミジオロウスキーの快速球を左中間へのタイムリー二塁打とし、その間に3人の走者が全て生還し、3-1と一振りで試合をひっくり返した。
リードをもらったレイは走者を背負いながらも粘り強い投球を展開。しかし、六回2死二塁のピンチを招き、左打者のトゥラングを迎えるところで左腕シールバーに交代した。トゥラングは初球を捉え、あっさりとライト前へタイムリー安打を放ち、試合は1点差となる。
カブスは1点リードのまま迎えた八回、マット・ショウが11号ソロを放ち、大きな追加点をもたらした。ショウは三回にミジオロウスキーから11球を擁したバトルを制して四球を選んで得点、六回にはバント処理で好守を見せ、そして本塁打と八面六臂の活躍だった。
カブスは最終回に2死満塁のピンチを招きながら、なんとか4-3でブルワーズを振り切って勝利。これでカブスは3連勝を挙げ、首位ブルワーズとの差を6に縮めた。
さらにこの日の勝利で、カブスはブルワーズに対するタイブレーカーを持つことが確定。カブスはブルワーズに対して直接対決で7勝5敗と勝ち越しており、今季の直接対決における勝ち越しが決まった。これにより、両チームが同勝率で並んだ場合、タイブレーカーを持つカブスが上回ることになる。
鈴木は「3番・DH」でスタメン出場し、4打数1安打。今季の打撃成績は打率.247、OPS.808となっている。
2025.8.21 14:12 Thursday
大谷が今季ワーストの5失点で敗戦投手に 打球直撃のアクシデントも
【ロッキーズ8-3ドジャース】デンバー/クアーズフィールド、8月20日(日本時間21日)
ドジャースの大谷翔平(31)がロッキーズ戦に「1番・投手」でスタメン出場。4回で9安打、5失点と苦戦し、今季初めて敗戦投手となった。ドジャースはロッキーズとの4連戦を1勝2敗で折り返し、シリーズ勝ち越しの可能性が消滅。地区2位パドレスとの差を広げられなかった。
打者有利で知られる敵地クアーズフィールドで初登板となった大谷は、まず打者として登場。試合の初球を捉え、ライト線へ二塁打を放った。ドジャースは死球でチャンスを拡大させたが、ロッキーズ先発のタナー・ゴードンが併殺に打ち取って無失点でしのいだ。
「投手・大谷」は初回、スイーパーで見逃し三振を奪うなど三者凡退の立ち上がりを見せた。しかし二回、2安打で1死一、二塁のピンチを招き、ブレントン・ドイルにタイムリー二塁打を浴びる。そして犠牲フライも打たれ、2点を先制された。
三回は三者凡退に抑えたが、四回に乱調。無死1塁からレフト線へ二塁打を浴びると、守備の乱れもあって3点目を失った。そして続く打者の打球は右足の付け根に直撃し、打球が転々とする間に4点目が入った。大谷は続投したが、5点目のタイムリーも浴び、四回だけで6安打3失点と苦戦した。
一方のロッキーズは先発のゴードンが6回1失点と試合を作り、ドジャース打線の反撃を防いだ。八回にもハンター・グッドマンのタイムリー二塁打で追加点を入れ、8-3で完勝を挙げた。
「投手・大谷」は今季ワーストの4回9安打5失点と苦戦。クアーズフィールドは打球が飛びやすく、投手が投げるボールの変化が鈍ることで知られており、その洗礼を浴びた。今季の防御率は4.61に悪化している。
一方の「打者・大谷」は2打数1安打1四球だった。5点差がついた8回には代打を送られて退いた。今季の打撃成績は打率.285、OPS1.018となっている。
2位パドレスとの天王山をスイープ(3連勝)して勢いに乗りたいドジャースだったが、ロッキーズに対して1勝2敗と足踏み。シリーズ負け越しを避けたい第4戦は、大谷の休養日と公言されており、打線の大黒柱抜きで挑まなければならない。先発にはクレイトン・カーショウが予定されている。
2025.8.21 14:08 Thursday