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アルバレス&スタッブス 新人バッテリーがナショナルズを完封勝ちに導く

【ナショナルズ2-0マーリンズ】ワシントンD.C./ナショナルズパーク、9月1日(日本時間2日)

 2008年以降初めて、ナショナルズの先発投手と捕手が同じ試合でメジャーデビューを果たした。もし初日ならではの緊張があったとしても、アンドリュー・アルバレスとC・J・スタッブスはそれを全く見せなかった。

 本拠地でのマーリンズ3連戦の初戦、この新人バッテリーは五回途中までマーリンズ打線を無安打に封じ、2-0の完封勝利に貢献した。デビュー戦で5イニング以上を無失点に抑えた投手はアルバレスがナショナルズ史上初めて(本拠地がワシントンD.C.に移転した2005年以降)。また、デビュー戦で完封勝利を収めた捕手はスタッブスがナショナルズ史上初めてであり、メジャー全体でも2019年9月4日のショーン・マーフィー(当時アスレチックス、現ブレーブス)以来となった。

 28歳のスタッブスは「僕たちはこの思い出を一生共有できるだろう」と語った。

 1日(同2日)にロースター枠が26人から28人に拡大され、ナショナルズはマイナー3Aのロチェスターからアルバレスを昇格させた。また、2日前には左手中指を骨折して負傷者リスト入りしたドリュー・ミラスに代わり、スタッブスがメジャー昇格を果たしていた。マイナー時代からバッテリーを組んでいたこともあり、その関係性がメジャーデビュー戦でもポジティブに機能した。

 26歳のアルバレスは「マイナー時代からお互いのことを知っているから、より快適に、落ち着いてプレーすることができた。(2人でバッテリーを組むことができて)最高だったよ。彼にとても感謝しているし、素晴らしいリードをしてくれた。彼の勝利と言っていいと思う」と相棒への感謝を口にした。

 アルバレスは五回1死までマーリンズ打線にヒットを許さなかった。五回1死からエリック・ワガマンに四球を与え、ビクター・メサJr.にレフトへのヒットを浴びて一、二塁のピンチとなったが、ハビアー・サノーハを内野ゴロ、ジョーイ・ウィーマーを9球のバトルの末に空振り三振に仕留め、無失点に抑えた。

 ミゲル・カイロ監督代行は「彼はとても落ち着いていた。積極的にストライクを投げ込んでいたし、その点はわれわれも高く評価している。変化球の使い方もよかった。スタッブスがアルバレスの投球スタイルをよく理解しているから、彼らはゲームプランに沿って、本当に素晴らしい仕事をしてくれた」と新人バッテリーを称えた。

 アルバレスは5回81球(うちストライク44球)を投げて1安打無失点、4三振、2四球という内容でデビュー戦を終えた。ナショナルズの先発投手がデビュー戦で白星を手にしたのは、2008年7月1日(マーリンズ戦)のコリン・バレスター、2009年4月20日(ブレーブス戦)のジョーダン・ジマーマン、2010年4月23日(ドジャース戦)のルイス・アティラーノ、2010年6月8日(パイレーツ戦)のスティーブン・ストラスバーグ、2024年4月15日(ドジャース戦)のミッチェル・パーカーに次いで6人目である。

 マイナー時代のチームメイトでもあるブラッド・ロードは「彼は素晴らしい投手だ。本当に素晴らしいボールを投げるし、変化球もチェンジアップもいい。真の競争心を持っている。マウンドに立てば、相手チームと競い合い、毎回全力を尽くすんだ」とアルバレスについて語った。

 26歳のアルバレスは2021年ドラフト12巡目指名でプロ入り。2023年には球団のマイナー最優秀投手に選出された。今季は3Aでの25先発で3勝7敗、防御率4.10、114三振、52四球を記録。7月29日以降の6先発では3勝0敗、防御率2.37、被打率.170の好成績を残し、それがメジャー昇格につながった。

「ウォーミングアップ中に少し感傷的な気持ちになった」とアルバレス。「この機会を得るために一生懸命頑張ってきたから、本当に感謝している。ナショナルズを代表して先発のマウンドに立てるのは光栄だし、本当に感謝しているよ」とデビュー戦を振り返った。

 スタッブスはマイナーのFAとして2024年5月14日にナショナルズ入団。もともとは2019年ドラフト10巡目でアストロズから指名を受けた。今季マイナーでは2Aと3Aで合計66試合に出場し、打率.148、7二塁打、1三塁打、3本塁打、15打点という成績にとどまったが、捕手陣に複数の負傷者が出たことにより、メジャー昇格の機会が巡ってきた。

「正直に言うと、1カ月前にはメジャーデビューできるなんて想像もしていなかった」とスタッブス。「だから、ここにいることができて本当にうれしいんだ」と感無量の様子だった。

 ナショナルズの先発投手と捕手が同じ試合でメジャーデビューを果たしたのは、2008年9月4日のシャイロン・マルティスとルーク・モンツ以来。メジャー全体では2023年7月17日にパイレーツのクイン・プリースターとエンディ・ロドリゲスが新人バッテリーを組んで以来のことだった。

 カイロ監督代行は「興奮して鳥肌が立ったよ。マイナーで一生懸命努力してきて、あれほどのピッチングとリードを見せてくれたんだからね。選手としても、1人の人間としても、本当に素晴らしい気分だと思うよ」と興奮気味に話していた。

2025.9.2 08:12 Tuesday

カブスが9月に向けて戦力補強 ベテランのサンタナと右腕シバーリを獲得

 9月になると、各球団はロースターに新たに2選手を加えることができる。カブスのクレイグ・カウンセル監督は「限られたスペースを補強が必要なエリアに絞って活用していきたい」との方針を示していた。

「すべてを解決することはできないんだ」とカウンセル監督。「つまり、どの部分を強化して、どのように戦力を安定させていけばいいのか、ということを考えないといけない」と拡大されるロースター2枠の使い道に言及した。

 ロースター拡大の前日となった8月31日(日本時間9月1日)、カブスは新たな2選手の獲得に動いた。まずはガーディアンズを解雇されたベテラン一塁手、カルロス・サンタナとメジャー契約を結ぶことで合意。MLB.comは複数の関係者から情報を得た。さらにホワイトソックスからウエーバーで先発右腕アーロン・シバーリを獲得。なお、サンタナ獲得について、球団からの公式発表はまだ行われていない。

 8月末に移籍が決まったことにより、サンタナとシバーリはポストシーズンの出場資格を得ることになる。カブスは現在、ナショナル・リーグ中地区の優勝争いで首位ブルワーズと6.5ゲーム差。ワイルドカード争いではトップに立っている。選手がポストシーズンの出場資格を得るためには、アメリカ中部時間9月1日午前11時までにいずれかの球団に所属している必要がある。

 サンタナはガーディアンズからリリースウエーバーにかけられ、他球団が獲得に動かなかったため、一旦FAとなったあとにカブスと契約を結ぶことになった。カブスの首脳陣とつながりがあり、カブスのカーター・ホーキンスGMがクリーブランドのフロントオフィスにいた時期にクリーブランドでプレー。また、2023年には当時ブルワーズの監督だったカウンセルのもとでプレーした経験もある。

 カブスは一塁にマイケル・ブッシュ、DHに鈴木誠也というレギュラーがおり、39歳のサンタナは同じく大ベテランのジャスティン・ターナーとともに、ベンチの層に厚みをもたらす存在となるだろう。サンタナは今季、左腕に対してOPS.681と苦戦しているものの、昨季はツインズで左腕に対してOPS.934の好成績をマーク。通算でも左腕に対してOPS.819を記録しており、対左腕時の起用が多くなることが予想される。

 また、サンタナは一塁の守備も安定しており、昨季はゴールドグラブ賞を受賞。今季も守備指標OAA(Outs Above Average)で上位5%に入る好成績を残している。打席では通算335本塁打の長打力に加えて選球眼に定評があり、通算出塁率.352、通算1330四球の実績を誇る。

 サンタナは16年間のメジャー生活で7球団を渡り歩き、通算OPS.778、OPS+でも112を記録(平均より12%優れていることを表す)。そのうち11シーズンはクリーブランドでプレーしており、2016年にはリーグ優勝を成し遂げてワールドシリーズでカブスと対戦した。5年ぶりにガーディアンズに復帰した今季は、ここまで116試合に出場して打率.225、11本塁打、52打点、52四球、出塁率.316、OPS.649と精彩を欠き、8月の終了を前にガーディアンズを放出された。

 30歳のシバーリはメジャー7年間で通算135試合に先発。昨季までガーディアンズ、レイズ、ブルワーズでプレーし、今季途中にブルワーズからホワイトソックスへ移籍した。今季は18度の先発登板で89イニングを投げ、3勝9敗、防御率5.26、74三振、33四球と自己最悪の成績になっている。

 カブスの先発ローテーションは現在、今永昇太、マシュー・ボイド、ケイド・ホートン、コリン・レイ、ハビアー・アサッドという顔ぶれ。負傷者リスト入りしているジェイムソン・タイオンとマイケル・ソロカも復帰を目指している。7月27日以降ブルペンに回っているベン・ブラウンも先発の経験がある。先発の頭数が揃っているというチーム事情もあり、カウンセル監督はリリーフ経験のないシバーリをリリーフで起用する方針を明らかにした。

 シバーリ獲得について、カウンセル監督は「これはイニングのパズルを解き、確実にイニングを消化していくための補強だ」とコメント。「アーロンはブルペンの一員として起用することになる。必要なときに長いイニングを投げてもらうつもりだ。また、何かあったときのための保険として、必要に応じて先発できる投手を確保しておきたいという狙いもある」と説明した。

2025.9.1 14:35 Monday

レッドソックス解雇のビューラーがフィリーズとマイナー契約を結ぶ

 ウォーカー・ビューラーは昨年のワールドシリーズで最後のアウトを奪い、ドジャースの胴上げ投手となった。フィリーズは31歳の右腕が今秋の戦いでもチームに同様のインパクトを与えてくれることを期待している。

 8月31日(日本時間9月1日)、フィリーズはビューラーとマイナー契約を結んだことを発表。8月末までに契約が決まったことにより、ビューラーはポストシーズンの出場資格を得た。最初の配属先はマイナー3Aのリーハイバレーと発表されている。

 ビューラーは昨オフに年俸2105万ドルの1年契約でレッドソックスに加入。しかし、23試合(うち22先発)に登板して7勝7敗、防御率5.45と期待外れの成績に終わり、29日(同30日)には解雇が発表された。ビューラーは22日(同23日)の時点で先発ローテーションを外され、ブルペンに配置転換されることが決まっていたが、それ以降の登板は1度だけ。チーム事情もあったが、今後の戦いで重要な役割を担うのは難しいと判断され、レッドソックスを去ることになった。

 フィリーズはエースのザック・ウィーラーが胸郭出口症候群の手術で今季絶望となったため、ビューラーがメジャー復帰を果たせば、先発投手として起用する可能性が高いとみられる。先発ローテーションの一角ではなく、スポットスターター(谷間の先発)やスイングマン(先発とロングリリーフを兼任する投手)として起用する可能性もありそうだ。

 ウィーラーを欠くフィリーズの先発ローテーションは現在、クリストファー・サンチェス、レンジャー・スアレス、アーロン・ノラ、ヘスス・ルザード、タイワン・ウォーカーという顔ぶれで構成されている。

 ビューラーの今季の三振率は16.6%で自己ワースト。一方、四球率は10.7%でわずか9回1/3しか投げていないデビューイヤー以来、最も高い数字となっている。9イニングあたり6.73三振、4.41四球、被本塁打は自己ワーストの22本と不安定なピッチングが続いていた。

 フィリーズがビューラーに支払うのはメジャー最低保証年俸(76万ドル)の1カ月分のみ。年俸の大部分はビューラーを解雇したレッドソックスに負担義務がある。

 なお、フィリーズはビューラーだけでなく、パイレーツからウエーバーでリリーフ左腕のティム・メイザを獲得。33歳のメイザは今季パイレーツで7試合に登板し、9回1/3を投げて防御率2.89を記録している。

2025.9.1 14:34 Monday

パドレスがツインズに負け越し シルト監督は9月以降の戦いに自信

【ツインズ7-2パドレス】ミネアポリス/ターゲットフィールド、8月31日(日本時間9月1日)

 パドレスのマイク・シルト監督は2025年レギュラーシーズン最後の1カ月のスケジュールについて尋ねられ、「ホームに勝る場所はない」と語った。パドレスは敵地でのツインズ3連戦の最終戦に2-7で敗れ、2カード連続の負け越し。15~17日にスイープされたドジャース3連戦も含めると、敵地では3カード連続の負け越しとなった。

 パドレスが本拠地ペトコパークでの戦いを熱望するのも無理はない。今季は敵地での33勝39敗に対し、ホームでは43勝22敗の好成績を残している。ホームでの22敗はメジャー最少であり、ホームゲームが多い9月のスケジュールは、パドレスにとってポジティブな要素だ。

 シルト監督は「素晴らしいファンがいて、最高の雰囲気がある。ホームでは快適にプレーできるし、エネルギーも感じられるし、だからこそいいパフォーマンスができるんだ。ホームに戻るのが楽しみだよ」と語った。

 オールスターブレイク以降、パドレスはペトコパークで12勝4敗の好成績を残し、全5カードで勝ち越している。シアトルとミネソタでの敵地6試合を2勝4敗で終えたパドレスだが、残り25試合のうち16試合はホームゲームだ。ナショナル・リーグ西地区の優勝争いでドジャースに追いつくチャンスがあるという期待を抱かせるには、これ以上ないほどの理由と言えるだろう。

 9月1日(同2日)からホームでオリオールズ3連戦がスタート。敵地で地区最下位のロッキーズと3試合を戦ったあと、ペトコパークに戻り、レッズ3連戦とロッキーズ4連戦が組まれている。つまり、今後13試合のうち10試合がホームゲーム。しかも、ポストシーズン争いに残っているのはレッズだけだ。

 昨季、パドレスは9月中旬の10試合で9勝を挙げる快進撃を見せ、ポストシーズン進出を確実なものとした。今季も同様のチャンスがあると言えるだろう。昨季の経験を踏まえ、選手たちがプレッシャーに慣れていることもプラス要素となる。

 ツインズ3連戦で11打数7安打2打点の活躍を見せたギャビン・シーツは「僕たちの打線をよく見てほしい」と言う。「全員がポストシーズンの経験を持っていると思う。9月の戦いを迎えるにあたり、それは本当に大きなボーナスだ。10月の戦いを迎えるために何が必要か、そして10月の戦いを勝ち進むために何が必要か、誰もが理解しているんだ。経験豊富なベテランが揃っている。みんな準備万端だし、9月の戦いを楽しみにしているよ」とシーズン最終盤の戦いに自信を見せた。

 シルト監督も今季のチームについて、昨年9月のような快進撃を見せる可能性があると自信を示している。

「今季も似たような時期があった。今季ここまでの戦いぶりを見れば、そういう快進撃が何度もあって、本当に安定した戦いをしてきたことがわかる。われわれは優れたチームであり、ハングリー精神があり、それぞれの役割もしっかり理解している。9月に支配的な戦いができることが楽しみだよ」と指揮官は語った。

 1カ月の大半をペトコパークで戦うことができるのは大きなアドバンテージだが、パドレスのベテラン選手たちは敵地でもしっかり勝利を収められる方法を見つけたいと考えている。

 シーツは「ホームの熱狂は素晴らしい。でも、敵地でもそれに匹敵するような方法を見つけないといけない。4万8000人の大観衆の前でプレーする準備をするのは簡単だ。僕たちはそれに慣れているからね。敵地でも同じような戦いができるようにしないといけない。その方法を見つけたいと思っているし、きっと上手くいくはずだ」と苦手のロードゲーム克服に向け、意気込みを語った。

 ドジャースが勝利したため、首位ドジャースと2位パドレスのゲーム差は再び「2」に拡大。なお、パドレスの松井裕樹は六回から5番手として登板し、2回2安打1失点、3三振、1四球の内容で、今季の防御率は4.45となった。

2025.9.1 14:32 Monday

42歳のバーランダーが2ケタ三振の力投 菅野智之との投げ合いを制す

【ジャイアンツ13-2オリオールズ】サンフランシスコ/オラクルパーク、8月31日(日本時間9月1日)

 今季最多の121球を要したものの、ジャスティン・バーランダーがジャイアンツ移籍後の3勝目を手にした。

 42歳の大ベテランは5イニングで10三振を奪い、13-2の勝利に貢献。ジャイアンツは6試合にわたるホームスタンドを勝利で締めくくった。

 バーランダーは立ち上がりから毎回のように走者を出したが、要所を締めて無失点。四回に3者三振を奪い、この時点で球数が94球に達していたものの、五回もマウンドに上がった。

 五回先頭のダニエル・ジョンソンをセカンドゴロに打ち取ったバーランダーだが、ジャクソン・ホリデイに四球を与え、ジェレマイア・ジャクソンにはライトへのヒットを許して一、二塁のピンチに。球数はすでに今季最多の104球(4月15日のフィリーズ戦)を上回っていたが、バーランダーはマウンドに立ち続けた。

 変化球主体のピッチングに切り替えたバーランダーは、スライダー、チェンジアップ、カーブのコンビネーションでガナー・ヘンダーソンを翻弄すると、最後は低めにフォーシームを投げ込んで見逃し三振。続くライアン・マウントキャッスルにはフォーシームから入り、スイーパーを連投したあと、最後はボール球のチェンジアップを振らせて空振り三振に仕留めた。

 バーランダーが2ケタ三振をマークするのは通算73度目で、2022年10月4日以来。42歳192日での2ケタ三振は、2008年8月22日にランディ・ジョンソンが44歳347日で達成して以来の年長記録となった。

 過去125年間で、バーランダー以上の年齢で2ケタ三振を達成したのは、ノーラン・ライアン、ロジャー・クレメンス、ゲイロード・ペリーといった名投手ばかり。まさに歴史に残るピッチングだったと言っていいだろう。

 なお、バーランダーと投げ合ったオリオールズの菅野智之は初回にラファエル・デバースに先制の28号ソロを浴びるなど、四回途中10安打7失点でノックアウト。先発の役割を果たせず7敗目を喫し、防御率は大きく悪化して4.41となった。

2025.9.1 14:31 Monday

ウィル・スミスの一発でドジャースがサヨナラ勝ち 大谷は1安打

【ドジャース5-4ダイヤモンドバックス】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、8月31日(日本時間9月1日)

 精彩を欠くドジャースがダイヤモンドバックス3連戦の最初の2試合に敗れたあと、デーブ・ロバーツ監督は自らが率いるチームについて「明らかに別物に見えた」と語っていた。

 先発投手は仕事をこなしたものの、打線の援護がなかった。走塁や守備でのミスが目立ち、ロバーツ監督が言ったように、ナショナル・リーグ西地区の優勝争いでパドレスに迫られているにもかかわらず、選手たちは緊張感を欠いているように見えた。

 しかし、ダイヤモンドバックス3連戦の最終戦、ロバーツ監督が求めていた「闘志」が試合終盤に現れた。代打で登場したウィル・スミスが17号ソロを放ち、チームをサヨナラ勝ちに導いたのだ。

 スミスの代打サヨナラ本塁打は4本目。これはジェイソン・ジアンビの6本に次いで、メジャーリーグ史上2番目に多い記録である。

 スミスに一打でサヨナラ勝ちを収めたドジャースだが、八回にタナー・スコットがコービン・キャロルに29号同点3ランを浴びるまでは、安定した戦いぶりで勝利に突き進んでいた。先発の山本由伸が好投し、ほかの選手たちも過去2試合と比べて安定したプレーを見せていた。

 山本は自己最多タイの10三振を記録。今季3度目の2ケタ三振を奪った一方、四球を1つも与えず、7回4安打1失点と素晴らしいピッチングを見せた。打線は初回にフレディ・フリーマンのタイムリー二塁打などで2点を先制。四回にミゲル・ロハス、五回にはアンディ・パヘスがタイムリーを放ち、4-1とリードした。

 八回にスコットが同点3ランを浴びたものの、代打スミスの一打で劇的なサヨナラ勝ち。パドレスがツインズに敗れたため、首位ドジャースと2位パドレスのゲーム差は再び「2」に広がった。

 なお、ドジャースの大谷翔平は「1番・DH」でスタメン出場して4打数1安打。2試合ぶりのヒットを放ち、今季の打撃成績は打率.276、出塁率.386、OPS.986となっている。

2025.9.1 08:15 Monday

Rソックスがスイープ負けを回避 デュラン決勝ランニング3ラン

【レッドソックス5-2パイレーツ】ボストン/フェンウェイパーク、8月31日(日本時間9月1日)

 レッドソックスは最初の4イニングだけでなく、ここ数週間にわたって打線が低迷していたが、ジャレン・デュランが衝撃的な一打で状況を一変させた。

 1-1の同点に追いついた直後、五回2死一、三塁の場面で打席に入ったデュランは右中間のトライアングルエリア、本拠地フェンウェイパークで最も広い場所へ痛烈なライナーを放った。

 パイレーツの右翼手アレクサンダー・カナリオによる懸命のプレーも及ばず、打球は右中間を真っ二つ。中堅手オニール・クルーズが打球を拾い、すぐに内野へボールを戻そうとしたが、俊足のデュランはすでに三塁を回り、ホームに向かっていた。

 デュランにとって初のランニング本塁打。ホームに滑り込む必要すらなく、デュランはホームを駆け抜けた。

 この一打によって、レッドソックスは4-1と勝ち越しに成功。最終的には5-2で勝利を収め、本拠地フェンウェイパークでの連敗を5でストップした。

 デュランのスプリントスピードは秒速29.3フィート(約8.9メートル)を計測し、ベース1周を14.71秒で駆け抜けた。これは今季のメジャーリーグで生まれた7本のランニング本塁打の中で最速である。また、スタットキャスト時代(2015年以降)において、レッドソックスの選手が放った4本のランニング本塁打の中でも最速となった。

 レッドソックスの選手によるランニング本塁打は今季2本目。6月30日のレッズ戦でウィルヤー・アブレイユがランニング本塁打を記録し、アブレイユはその試合でグランドスラムも放っている。

 デュランは3年連続で20盗塁以上を記録しているように、俊足を武器とする選手。4月26日のガーディアンズ戦ではキャリア初となる純粋なホームスチールも決めている。

 なお、レッドソックスの吉田正尚は「6番・DH」でスタメン出場して4打数ノーヒット。連続試合安打が2でストップし、今季の打撃成績は打率.224、出塁率.281、OPS.609となった。

2025.9.1 07:38 Monday

ドジャース連敗 拙攻の連続で力投した先発グラスナウを援護できず

【ドジャース1-6ダイヤモンドバックス】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、8月30日(日本時間31日)

 チャンスを作るという点に関しては、間違いなくドジャースのほうが上手だった。しかし、3連戦の2戦目を制したのは、ゆっくりと着実に攻め続けたダイヤモンドバックスだった。

 ドジャース先発のタイラー・グラスナウは四回1死までパーフェクト、六回1死までノーヒッターを継続。最終的には7回100球を投げて4安打3失点の力投を見せた。しかし、ドジャース打線は3安打完封負けを喫した前日に続き、ダイヤモンドバックス投手陣の前に苦戦。1-6で敗れ、3連戦の負け越しが決まるとともに、ナショナル・リーグ西地区の優勝争いでは2位パドレスに1ゲーム差に迫られた。

 六回まではグラスナウが素晴らしいピッチングを見せたが、打線が好機を逃し続けた。グラスナウが六回にまでに許した走者は、四回1死からケテル・マルテに与えた死球と六回1死からイルデマロ・バルガスに打たれた内野安打の2人だけだった。

 快投を見せたグラスナウに比べると、ダイヤモンドバックス先発のエデュアルド・ロドリゲスにピッチングは支配的とは言えず、6回96球を投げて4安打4四球。しかし、ドジャース打線を得点圏で6打数ノーヒットに封じ、無失点で登板を終えた。

 ドジャースが最大の好機を逸したのは五回。キケ・ヘルナンデスとミゲル・ロハスの連打で無死二、三塁のチャンスを作り、打席に大谷翔平を迎えた。大谷はレフトへ飛球を放ち、犠牲フライになるかと思われたが、左翼ルルデス・グリエルJr.からの好返球でヘルナンデスは本塁タッチアウト。チャレンジでも判定は覆らず、ドジャースは無得点に終わった。

 ドジャースは六回無死一、二塁のチャンスでもテオスカー・ヘルナンデスが空振り三振、アンディ・パヘスがピッチャーゴロ併殺打に倒れて無得点。これで試合の流れが変わり、グラスナウは七回先頭のコービン・キャロルに先制の28号ソロを被弾した。

 そこからグリエルJr.とブレイズ・アレクサンダーの連続二塁打で無死二、三塁となり、ガブリエル・モレノはセンターへの犠牲フライ。これに中堅パヘスの悪送球が絡み、ダイヤモンドバックスは3-0とリードを広げた。

 試合序盤に右手親指の出血に悩まされていたことを考えれば、グラスナウの7回4安打3失点、6三振、無四球という内容は上出来と言える。しかし、それを打線が援護できなかった。ドジャースは七回2死一、二塁からムーキー・ベッツのタイムリーで1点を返しただけ。九回には3番手のカービー・イェーツがバルガスにダメ押しの2号3ランを浴び、連日の完敗を喫した。

 なお、大谷は「1番・DH」でスタメン出場して3打数ノーヒット(1四球)。4試合ぶりのノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.276、出塁率.387、OPS.990となっている。

2025.8.31 13:24 Sunday

カブスがロッキーズに勝ち越し 鈴木誠也は2試合連続のマルチ安打

【ロッキーズ3-4カブス】デンバー/クアーズフィールド、8月30日(日本時間31日)

 カブスにとって、シーズン終盤の目標の1つは、9月に入っても安定した攻撃力を発揮することだ。これには前半戦で見せたような高い得点力を取り戻すことも含まれている。

 カブスは敵地でのロッキーズ3連戦の2戦目に4-3で勝利。決して圧倒的な試合展開ではなかったものの、上位打線が存在感を示し、6回3失点でクオリティスタートを達成した先発のハビアー・アサッドを支えた。これにより、最終戦を残してロッキーズ3連戦の勝ち越しが決定。敵地での3カードも1試合を残して5勝3敗となり、勝ち越してホームに戻ることが確定した。

 ナショナル・リーグ中地区2位のカブスは、首位ブルワーズと6.5ゲーム差。逆転の地区優勝に向けて厳しい状況であることに変わりはないが、ワイルドカード争いでは首位の座をキープしている。

 カブスの上位打線、1番のマイケル・ブッシュ、2番のカイル・タッカー、3番の鈴木誠也は合計10出塁でチームの勝利に貢献。六回には三塁打で出塁したブッシュがタッカーのタイムリーで生還し、貴重な追加点を叩き出した。鈴木は4打数2安打(1四球)で2試合連続のマルチ安打を記録し、今季の打撃成績を打率.247、出塁率.325、OPS.803としている。

 4番のイアン・ハップも五回に勝ち越しのタイムリー二塁打を放つなどマルチ安打を記録。ニコ・ホーナーとカーソン・ケリーもそれぞれ犠牲フライで1打点を叩き出し、勝利に貢献した。

 左脇腹痛で長期離脱していたアサッドは今季4度目の先発登板。「打者天国」と呼ばれるクアーズフィールドで6回80球を投げて7安打3失点と力投し、今季初勝利をマークした。

2025.8.31 12:51 Sunday

ヤンキースが延長戦を制して7連勝 ジャッジは先制の42号アーチ

【ホワイトソックス3-5ヤンキース】シカゴ/レイトフィールド、8月30日(日本時間31日)

 アメリカン・リーグのMVP争いをめぐり、各地で様々な意見が飛び交っている。マリナーズの正捕手カル・ローリーが素晴らしいシーズンを過ごしているからだ。一部では「ローリーが最有力候補に躍り出た」との声も出始めている。

 ローリーとMVP争いを繰り広げるアーロン・ジャッジは、言葉ではなく、自身のバットで語ることを好む。ヤンキースのキャプテンは「直近4年間で3度目のMVP獲得の可能性を排除すべきではない」と言いたいようだ。

 敵地でのホワイトソックス4連戦の3戦目、ジャッジは四回に先制の42号ソロを放ち、チームの勝利に貢献。ヤンキースは同点で迎えた11回にコディ・ベリンジャーのタイムリーなどで3点を勝ち越して勝利し、連勝を今季最長の7に伸ばした。

 ジャッジはホワイトソックス先発のシェーン・スミスから飛距離429フィート(約131メートル)の先制弾。七回にはオースティン・ウェルズが一時勝ち越しとなる19号ソロを放った。なお、ジャッジは通算本塁打数を357に伸ばし、球団歴代5位のヨギ・ベラ(358本塁打)まであと1本に迫っている。

 ジャッジにとって、8月は比較的静かな1カ月間だった。右屈筋痛による負傷者リスト入りがあったため、8月は試合前の時点で22試合に出場して打率.216(74打数16安打)、長打7本という寂しい数字。アーロン・ブーン監督は、ジャッジが今季ここまで球界トップクラスの打撃成績を残していることに驚いているという(OPS1.107はメジャー1位)。

「本当に信じられない選手だよ。今季の彼は、ここ数年ほど調子がよくないと思う。それがすごいんだ。素晴らしい成績を残しながらも、少し苦労しているように感じさせるんだからね」と指揮官は語った。

 先発のキャム・シュリットラーは6回100球を投げて4安打1失点、8三振、1四球と安定したピッチングを披露。これで3先発連続6イニング以上&8三振以上となった。五回にはブルックス・ボールドウィンが放った打球速度102.1マイル(約164キロ)のライナーが右前腕に直撃するアクシデントもあったが、続投して先発の役割をしっかり果たした。

 七回、ヤンキースはデビン・ウィリアムスが8月8日以来の失点を喫して同点に追いつかれたが、11回に3点を勝ち越し。その後、ホワイトソックスの反撃を1点に抑え、今季最長の7連勝を達成した。

2025.8.31 12:30 Sunday

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