English Español 韓国語

 
More>>

MLBのライブ配信観るなら《SPOTV NOW》

spotvnow

TRENDING NOW

技巧派右腕カイル・ヘンドリックスが現役引退へ 2016年カブスでWS制覇

 長年カブスの先発投手として活躍し、108年ぶりのワールドシリーズ制覇にも貢献したカイル・ヘンドリックスが現役引退を決めたようだ。ヘンドリックスはメジャー12年目の今季、地元カリフォルニアのエンゼルスでプレーした。

 10日(日本時間11日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、メジャー12年目のシーズンを終え、来月36歳の誕生日を迎えるヘンドリックスは近日中に現役引退を表明する予定だという。

 ダートマス大学出身で、現在より球速が速かった時期にチェンジアップとシンカーを駆使して精密な投球を見せ、「プロフェッサー」(教授)の愛称で親しまれたヘンドリックスは、メジャー通算307試合(うち301先発)に登板して防御率3.79を記録。最初の11シーズンはカブスでプレーし、球団の黄金期に主力選手として活躍した。

 カブスでプレーした11年間で276試合(うち270先発)に登板し、防御率3.68を記録。270先発はヒッポ・ボーンと並んで球団歴代9位タイにランクインしており、1259奪三振は同7位の数字だ。

 カブスがヘンドリックスを獲得したのは2012年のトレード・デッドライン。先発右腕ライアン・デンプスターとのトレードで、レンジャーズからの移籍だった。2年後の7月10日にメジャーデビューを果たすと、ヘンドリックスは着実な成長を遂げ、先発ローテーションに定着した。

 デビューイヤーの2014年は13先発で防御率2.46を記録し、ナショナル・リーグの新人王投票で7位にランクイン。2016年には31試合(うち30先発)に登板して防御率2.13をマークし、最優秀防御率のタイトルを獲得しただけでなく、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で3位にランクインした。

 好成績を残した2016年だが、レギュラーシーズンの活躍は「前座」に過ぎなかった。ヘンドリックスはポストシーズンの戦いで印象的な活躍を披露。リーグ優勝決定シリーズ第6戦ではクレイトン・カーショウ(ドジャース)との投げ合いの中で7回1/3を無失点に抑える快投を見せ、カブスを1945年以来となるリーグ優勝に導いた。

 3勝3敗で迎えたワールドシリーズ第7戦に先発すると、4回2/3を2失点(自責点1)に抑える力投。カブスは第7戦に勝利し、1908年以来108年ぶりとなるワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

 カブスでの最終シーズンとなった2024年は浮き沈みの激しい1年だったが、カブスの選手としての最終登板では見事なピッチングを披露。レッズを相手に7回1/3を無失点に抑えた。

 ヘンドリックスは2024年シーズン終了後にキャリアで初めてフリーエージェント(FA)となったが、その時点でカブスの最古参選手であり、2016年の優勝メンバーでカブスに残っていた最後の選手だった。

 その後、ヘンドリックスはエンゼルスと1年契約を結び、今季は1年間ローテーションを守って31試合に先発。164回2/3を投げ、8勝10敗、防御率4.76を記録した。

2025.11.11 12:08 Tuesday

ブレーブスのドレイク・ボールドウィンがナ・リーグ新人王に選出

 10日(日本時間11日)、ナショナル・リーグの新人王にドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)が選出された。ボールドウィンは30名の投票者のうち21名から1位票、9名から2位票を獲得し、合計183ポイント。ケイド・ホートン(カブス)が139ポイントで2位、ケイレブ・ダービン(ブルワーズ)が69ポイントで3位、アイザック・コリンズ(ブルワーズ)が62ポイントで4位、デイレン・ライル(ナショナルズ)が17ポイントで5位と続いた。

 2月にスプリングトレーニングに合流した際、ミズーリ州立大学から2022年ドラフト3巡目で指名されたボールドウィンは、開幕メジャーは難しく、マイナー3Aでさらなる経験を積む必要があると予想されていた。しかし、それから9カ月後、ボールドウィンはナ・リーグ新人王に選出された。

 ブレーブスの正捕手ショーン・マーフィーが肋骨を骨折し、負傷者リスト入りしてシーズン開幕を迎えたため、球団ナンバーワン有望株のボールドウィンは開幕から正捕手を務めることになった。そして、ボールドウィンはその機会を最大限に生かした。シーズン序盤は打撃不振に苦しんだものの、レギュラーシーズン2日目に24歳の誕生日を迎えた若手捕手は、5月になると一気に爆発し、月間打率.389、出塁率.411、長打率.593をマークした。

 シーズンを通して微調整を繰り返しながら打撃の安定性を高めていき、シーズン最後の3カ月はいずれも月間OPS.800以上。最終的には打率.274、19本塁打、出塁率.341、長打率.469という成績を残し、ファングラフスが算出する総合指標WARはナ・リーグ新人トップの3.1を記録した。

 その結果、ブレーブス史上10人目となる新人王に選出。1948年のアル・ダーク、1950年のサム・ジェスロー、1971年のアール・ウィリアムス、1978年のボブ・ホーナー、1990年のデービッド・ジャスティス、2000年のラファエル・ファーカル、2011年のクレイグ・キンブレル、2018年のロナルド・アクーニャJr.、2022年のマイケル・ハリス2世に続く快挙だが、捕手ではウィリアムスに続いて球団史上2人目だ。

 バットスピード(75.3マイル)が非常に速いボールドウィンは、ほかの打撃指標でも好成績を残し、今季の打撃成績が「まぐれ」ではないことを証明している。スタットキャストによると、ボールドウィンの空振り率(19.5%)、三振率(15.2%)、ハードヒット率(49.6%)、平均打球速度(91.7マイル)などは、いずれもメジャー全体の上位20%にランクインした。

 デビュー1年目から数々の印象的な活躍を見せ、7月21日のジャイアンツ戦では1試合6打点をマークしたボールドウィンだが、最も記憶に残る試合は8月7日のマーリンズ戦だろう。この試合、ボールドウィンは2本塁打と試合終盤の同点タイムリーを含む5打数3安打5打点の活躍を見せ、チームを逆転勝利に導いた。試合後、ブライアン・スニッカー監督(当時)はボールドウィンをかつてのブレーブスのスター捕手に例えた。

「ブライアン・マッキャンがメジャーに上がってきたときも同じだった。彼は攻撃的捕手として活躍したが、ドレイクも彼と同レベルの選手だと思う」

 守備面ではブロッキングで優れた数字を残し、ブロッキングの指標はメジャー全体の上位8%に位置している。マーフィーが負傷離脱した穴を埋める間にも着実に成長を遂げ、クリス・セールやスペンサー・ストライダーといったチームの主力投手から捕手としての能力を称賛された。

 開幕ロースター入りを予想されていなかった男にとって、悪くないデビューイヤーだったはずだ。

 8月、ボールドウィンは自身のデビューイヤーについて「2025年シーズンの開幕からメジャーにいるなんて、全く予想していなかった。昇格のチャンスがあるとすれば、9月くらいだと思っていたんだ。でも、こうしてメジャーでプレーすることができているのは素晴らしいね」と語っていた。

2025.11.11 10:21 Tuesday

アスレチックスのニック・カーツが満票でア・リーグ新人王に選出

 10日(日本時間11日)、アメリカン・リーグの新人王にニック・カーツ(アスレチックス)が選出された。カーツは30名の投票者全員から1位票を獲得し、満票の210ポイント。同僚のジェイコブ・ウィルソンが107ポイントで2位、ロマン・アンソニー(レッドソックス)が72ポイントで3位、ノア・キャメロン(ロイヤルズ)が54ポイントで4位、コルソン・モンゴメリー(ホワイトソックス)が23ポイントで5位と続いた。

 カーツはメジャーリーグの歴史上、打者としてトップクラスのデビューシーズンを過ごし、満場一致でア・リーグ新人王に選出された。

 身長196センチ、体重108キロのカーツは、4月23日にメジャーデビューを果たし、117試合に出場して打率.290、36本塁打、出塁率.383、長打率.619を記録。本塁打、打点(86)、得点(90)、OPS(1.002)、OPS+(173)など各部門で新人トップの成績を残し、総合指標WARはファングラフス版(4.6)でもベースボール・リファレンス版(5.4)でも新人トップだった。

 450打席以上出場した新人選手が170以上のOPS+を記録したのは、1900年以降では2014年のホセ・アブレイユ(173)、2017年のアーロン・ジャッジ(171)に続く3人目の快挙である。

 22歳のカーツは素晴らしいルーキーイヤーを過ごしただけでなく、7月25日のアスレチックス戦で新人初&球団初となる1試合4本塁打を達成。この試合では6打数6安打8打点という大暴れを見せ、同一試合で6安打、4本塁打、8打点をすべて達成するのはメジャーリーグ史上初の快挙となった。また、1試合19塁打は2002年のショーン・グリーンに並ぶメジャー最多タイ記録となっている。

 試合後、カーツは「こんな試合ができるなんて夢にも思わなかった。だって、めったに起こらないことだからね。信じられない気持ちだよ」と話していた。

 アスレチックスの新人王は、1952年のハリー・バード、1986年のホセ・カンセコ、1987年のマーク・マグワイア、1988年のウォルト・ワイス、1998年のベン・グリーブ、2004年のボビー・クロスビー、2005年のヒューストン・ストリート、2009年のアンドリュー・ベイリーに続いてカーツが9人目である。

 アスレチックスは2024年のドラフト全体4位でウェイクフォレスト大学のカーツを指名。それから9カ月後、マイナーリーグで32試合しかプレーしていないにもかかわらず、カーツは球団ナンバーワン有望株としてメジャー昇格を果たした。ドラフトから283日でのメジャー昇格は、球団史上6番目のスピード記録となった。

 カーツは成熟した打撃アプローチで高い評価を受けてきたが、メジャー1年目から高度な打撃技術を遺憾なく発揮。バレル率(18.4%)、ハードヒット率(51.1%)、バットスピード(77.2マイル)、チェイス率(ボール球に手を出す確率、22.2%)といった各種指標で上位にランクインし、パワーと選球眼を兼ね備えた打撃力を存分に見せつけた。

 4月のカーツ昇格時、アスレチックスのマーク・コッツェイ監督は「スプリングトレーニングで彼が年齢のわりに、いかに成熟しているかを目撃した。アプローチや適応力は本当に素晴らしい。プロで初めてフルシーズンを過ごす選手がこれほど早い時期にメジャー昇格を果たしたのは本当に印象的なことだ」と語っていた。

 カーツは5月と6月に股関節のケガで欠場した時期があったものの、打席でのパフォーマンスに影響を与えることはなかった。7月には23試合に出場して打率.395、11本塁打、27打点、出塁率.480、長打率.953という驚異的な成績をマーク。後半戦は59試合に出場し、19本塁打、OPS1.107の大活躍を見せた。

2025.11.11 09:48 Tuesday

フィリーズからFAのシュワーバー 比較的早く契約がまとまる可能性も

 今オフのフリーエージェント(FA)市場におけるトップ選手たちは「どのチームと契約するか」という人生を変える可能性がある決断を急ぐことはないだろう。しかし、MLBネットワークのジョン・ポール・モロシは比較的早い段階で契約がまとまる可能性がある大物FA選手として、フィリーズからFAとなった長距離砲カイル・シュワーバーの名前を挙げている。

 10日(日本時間11日)、モロシは「関係者といろいろな話をしてきたが、もし早い段階で契約がまとまる大物FA選手がいるとすれば、それはシュワーバーだろう」とコメント。「理由は以下の通りだ。彼をめぐる市場は(ほかのトップ選手よりも)明確だ。(ほかのトップ選手には)流動的な要素がいくつもあるが、シュワーバーの場合、彼の役割は非常にハッキリしている。そして、フィリーズにとってシュワーバーがどれだけの価値を持つか、それも明確なんだ」と説明した。

 要するに、シュワーバーのような「指名打者専門」の大物FA選手を獲得できるチームは限られているということだ。たとえば、大谷翔平がいるドジャースやジャンカルロ・スタントンがいるヤンキースはシュワーバーの争奪戦には加わらないだろう。シュワーバーを獲得できるのは指名打者のポジションが空いていて、なおかつ高額な複数年契約を提示できる金銭的余裕があるチームに限られる。

 そうした事情を踏まえ、モロシはシュワーバーについて「フィリーズ残留が最有力」と予想する。また、フィリーズも今オフの最優先事項の1つとして、シュワーバーとの再契約を挙げている。ただし、今季56本塁打、2022年以降の4シーズンで187本塁打を放っている長距離砲にはフィリーズ以外のチームも興味を示すはずだ。

 MLB.comのマーク・フェインサンドはシュワーバーの移籍先候補として、フィリーズのほかにレンジャーズとレッズを挙げている。また、MLB.comのスタッフによるアンケートでは、シュワーバーが2021年に在籍したレッドソックスに復帰することを予想した者も多かった。果たしてシュワーバーは来季、どのユニフォームを着てプレーすることになるのだろうか。

2025.11.11 08:43 Tuesday

いよいよ発表 新人王、最優秀監督賞、サイ・ヤング賞、MVPの注目ポイント

 MLBの表彰シーズンは今週も続いていく。今週は全米野球記者協会(BBWAA)の投票で決まる主要4賞の受賞者が発表される予定だ。

 今週、MLBネットワークで発表されるアワードの予定は以下の通り(日付は日本時間。すべて午前9時から)。

11/11(火)新人王 11/12(水)最優秀監督賞 11/13(木)サイ・ヤング賞 11/14(金)MVP

 なお、日本時間14日午前11時からはMLBネットワークで「MLBアワード」の様子が放送される。「MLBアワード」では、オールMLBのファーストチームとセカンドチームなど、数多くのアワードの受賞者が発表される予定だ。

 BBWAAの主要4賞は、すでにファイナリスト3名が発表されている。ファイナリスト3名は投票結果の1~3位に入った3名を表している(注:投票はポストシーズン開始前に終了しており、ファイナリスト3名を対象に再投票が行われるわけではない)。

 受賞者が予想しやすい賞もあるが、混戦となっている賞や、そのほかにも興味深いストーリーがいくつかある。ここでは主要4賞のそれぞれについて、最大の注目ポイントをチェックしていこう。

【1】ア・リーグのMVP争いはどれくらい接戦になるのか

 いくつかの賞は受賞者がハッキリしており、ほかの賞にも最有力候補と目される選手がいる。しかし、今年のア・リーグMVPはそれらに当てはまらない。ヤンキースの右翼手アーロン・ジャッジとマリナーズの捕手カル・ローリーがガーディアンズの三塁手ホセ・ラミレスとともにファイナリストとなっているが、ジャッジとローリーはシーズンを通して、ほぼ互角の争いを繰り広げてきた。

 9月にMLB.comのマーク・フェインサンドが各球団の幹部に「どちらがMVPに相応しいか」を尋ねたが、意見はほぼ真っ二つに分かれた。MLB.comのスタッフたちはシーズンを通してMVPの模擬投票を実施しており、最終投票ではジャッジがわずかに優勢だったが、シーズン中はジャッジとローリーを行ったり来たりしていた。

 どちらが受賞するかは、BBWAAの投票者30名(ア・リーグ15球団の担当記者から各球団2名ずつ)に委ねられた。今季再び歴代屈指の打撃成績を残したスラッガーと数々の記録を打ち立てた両打ちの捕手のどちらを選んでも間違いではない。ジャッジが受賞すればキャリア3度目、ローリーが受賞すればマリナーズでは2001年のイチロー以来となる。

 どちらが受賞するかだけではなく、どれくらい接戦になるかという点も注目される。BBWAAが現在の投票制度をスタートさせた1938年以降、10ポイント差以内で決着したMVP争いが14度あった。1979年のナ・リーグMVPはキース・ヘルナンデスとウィリー・スタージェルが獲得ポイント数で並び、同時受賞となっている。

【2】開幕前の本命がそのままサイ・ヤング賞を受賞するのか

 MLB.comでは毎年開幕前に様々な予想をしている。だが、開幕前の予想は裏切られることも多い。予想通りにならないのが野球というスポーツだ。しかし、時には予想通りの結果が生まれることもある。今年のサイ・ヤング賞争いは予想通りの結果となるかもしれない。

 シーズン開幕前、MLB.comのスタッフは主要4賞の受賞者を予想するアンケートを実施した。投票の結果、サイ・ヤング賞の本命に挙げられたのはタリック・スクーバル(タイガース)とポール・スキーンズ(パイレーツ)。ア・リーグでスクーバル、ナ・リーグでスキーンズの受賞を予想したライターも5人いた。それから7カ月が経過し、サイ・ヤング賞の受賞者がスクーバルとスキーンズ以外になることは考えにくい状況だ。スクーバルは多くの部門でサイ・ヤング賞を受賞した昨季よりもわずかに良い数字を残しており、リーグトップに立った部門もある。スキーンズは打線の援護がなく、10勝10敗に終わったものの、防御率(1.97)とFIP(2.36)でメジャートップの数字を残すなど、支配的な投球を続けた。

 ア・リーグではギャレット・クローシェ(レッドソックス)、ナ・リーグではクリストファー・サンチェス(フィリーズ)が対抗馬に挙がるが、スクーバルとスキーンズの名前が受賞者として呼ばれなければサプライズと言えるだろう。MLB.comのスタッフの予想を自画自賛するつもりはない。これは、とてつもなく大きな期待を背負った2人の投手がその期待に応える活躍を見せたというだけの話だ。

【3】同球団の新人コンビのワンツーフィニッシュは実現するか

 2025年シーズンの大半、アスレチックスは2009年のアンドリュー・ベイリー以来となる新人王輩出に向けて好位置につけていた。しかし、具体的にはどちらの選手が受賞することになるのだろうか。前半戦はジェイコブ・ウィルソンが圧倒的な最有力候補と目されており、オールスターゲームにはア・リーグのスタメン遊撃手として選出された。しかし、4月23日にメジャーデビューしたニック・カーツが猛打を発揮。7月25日に1試合4本塁打の大暴れを見せる頃には「最有力候補」の座をウィルソンから奪っていた。

 カーツは117試合に出場し、打率.290、36本塁打、出塁率.383、長打率.619の好成績をマーク。すでに一塁手部門でア・リーグのシルバースラッガー賞を受賞しており、ア・リーグ新人王に輝くのもほぼ間違いないだろう。よって、焦点となるのは、ロマン・アンソニー(レッドソックス)もファイナリスト入りしているア・リーグの新人王争いにおいて、アスレチックスの2人がワンツーフィニッシュを果たすかどうかだ。アンソニーはOPS.859と印象的な活躍を見せたが、デビューが6月と遅く、9月には負傷でシーズンを終えたため、71試合しか出場していない。一方、ウィルソンは正遊撃手として125試合に出場し、打率.311、OPS.800をマークした。

 もし新人王投票のワンツーフィニッシュが実現すれば史上9組目。野手2人のコンビに限定すれば、1989年カブスのジェレーム・ウォルトンとドワイト・スミス以来、実に36年ぶりの快挙となる。

【4】名将フランコーナは歴代最多タイとなる4度目の受賞なるか

 テリー・フランコーナはクリーブランドで11シーズン指揮を執ったあと、健康上の理由で勇退。2024年シーズンは2012年以来初めて監督を務めず、フィリーズで初めて監督を務めた1997年以降、フランコーナがメジャー球団の指揮を執らなかったのはわずか5シーズン目(2001~03年、2012年、2024年)だった。

 しかし、フランコーナが傍観者のままでいる状況は長く続かなかった。わずか1シーズンの休養を経て、レッズからのオファーを受け、フィリーズ、レッドソックス、クリーブランドに続いて自身4球団目の監督に就任。レッズは2014年以降、わずか1度しかポストシーズンに出場しておらず、2020年を最後に4年連続でポストシーズンの舞台から遠ざかっていた。フランコーナは就任1年から見事な手腕を発揮し、前年に77勝85敗だったチームを83勝79敗でワイルドカード獲得に導いた。

 フランコーナはクリーブランド時代に3度(2013年、2016年、2022年)の最優秀監督賞に輝いており、もし今年受賞すれば、ボビー・コックス(殿堂入り)、トニー・ラルーサ(殿堂入り)、バック・ショウォルターと並んで歴代最多タイの4度目の受賞となる。ただし、ライバルも強力で、メジャー最高勝率を記録したブルワーズのパット・マーフィー監督とナ・リーグ東地区を制したフィリーズのロブ・トムソン監督がフランコーナとともにファイナリストとなっている。

 ちなみに、昨年はマーフィーと、フランコーナの後任としてガーディアンズの監督に就任したスティーブン・ボートがともに就任1年目で受賞。両者とも今年もファイナリスト入りしており、2年連続受賞の可能性を残している。

2025.11.10 13:19 Monday

2025年の「オール・ルーキー・チーム」にカーツ、ホートンらが選出

 今季は新人選手の話題が盛りだくさんのシーズンだった。

 2024年のドラフト指名選手から8人がメジャー昇格を果たし、そのうちの1人であるニック・カーツ(アスレチックス)は球界屈指の左の強打者としての地位を確立した。また、カーツの同僚であるジェイコブ・ウィルソンは高いコンタクト能力を存分に発揮。メジャー最高勝率をマークしたブルワーズでもアイザック・コリンズ、ケイレブ・ダービン、ジェイコブ・ミジオロウスキー、チャド・パトリックといった新人選手の活躍が光った。

 ポストシーズンでもメジャー1年目の選手たちが主役となり、キャム・シュリットラー(ヤンキース)やトレイ・イェサベージ(ブルージェイズ)はまだメジャー経験が浅いにもかかわらず、マウンド上で歴史的なパフォーマンスを披露した。

 今季トップクラスの活躍を見せた新人選手たちを称えるために、MLB Pipelineが選出した「オール・ルーキー・チーム」のファーストチームとセカンドチームの顔ぶれを見ていこう。

◆ファーストチーム

捕手:ドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)

 チームが低迷する中、ボールドウィンは捕手として大きな希望の光となり、124試合で打率.274、19本塁打、出塁率.341、長打率.469を記録。FanGraphsが算出する総合指標WARは新人3位の3.1をマークした。パワーとコンタクトを兼ね備えた左打席からの強打を武器に、オープン戦で正捕手の座を手中に収め、チームを牽引した。

一塁手:ニック・カーツ(アスレチックス)

 昨年のドラフト全体4位で指名された強打者は、4月23日にメジャーデビューを果たすと、117試合に出場し、いずれも新人トップとなる長打率.619、OPS1.002、36本塁打、86打点、63四球、長打64本、260塁打を記録。一塁手の中でカーツ(4.6)より高いfWARを記録した選手はブレーブスのマット・オルソン(4.7)しかおらず、打撃貢献度を表すwRC+も400打席以上出場した選手の中ではヤンキースのアーロン・ジャッジ(204)、ドジャースの大谷翔平(172)に次いでメジャー3位となる170をマークした。

二塁手:ルーク・キーシャル(ツインズ)

 4月18日にメジャーデビューしたキーシャルだが、右前腕を骨折して3カ月の長期欠場。しかし、フィールドに戻ってくると、与えられた出場機会を最大限に活用した。49試合のみの出場ながら打率.302、4本塁打、14盗塁、出塁率.382、長打率.445の好成績をマーク。200打席以上の新人二塁手の中で唯一、平均(100)以上のwRC+を記録した(キーシャルのwRC+は134)。

三塁手:ケイレブ・ダービン(ブルワーズ)

 守護神デビン・ウィリアムスとのトレードでヤンキースから加入したダービンは、メジャー1年目から驚異的なコンタクト能力、堅実な守備、平均以上のスピードを発揮し、存在感を示した。言い換えれば、今季のブルワーズに完璧にフィットしたと言える。136試合に出場し、打率.256、11本塁打、18盗塁、出塁率.334、長打率.387を記録した。

遊撃手:ジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス)

 2023年ドラフト全体6位指名のウィルソンは、前評判通りの驚異的なコンタクト能力を発揮し、メジャー3位の打率.311をマーク。三振率はわずか7.5%で、パドレスのルイス・アライズ(3.1%)に次いでメジャー2位の数字だった。予想通り、強い打球を打つ打者ではなかったが、それでも13本塁打を記録。新人遊撃手の中で2番目に多かった。

外野手:ロマン・アンソニー(レッドソックス)

 アンソニーは6月9日にメジャーデビューしてから9月上旬に左脇腹を痛めてシーズンを終えるまで、特に後半戦の戦いではチームで最も信頼できる打者となった。71試合で打率.292、8本塁打、出塁率.396、長打率.463をマーク。300打席以上の新人選手で140以上のwRC+を記録したのは、カーツとアンソニーの2人だけだった。また、外野の守備でもOAA(Outs Above Average=平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)+6を記録。攻守にわたってチームに貢献した。

外野手:アイザック・コリンズ(ブルワーズ)

 2022年オフにマイナーのルール5ドラフトで指名されたコリンズは、ブルワーズ傘下のマイナー球団でユーティリティプレーヤーとして活躍していたが、今季はメジャー屈指の守備力を誇る左翼手となり、OAA+5を記録(ガーディアンズのスティーブン・クワンの+6に次いで左翼手2位)。一方、攻撃面での強みはストライクゾーン外のボールに手を出さないことで、四球率12.9%はアンソニー(13.2%)に次いで新人2位だった。130試合で打率.263、9本塁打、16盗塁、出塁率.368、長打率.411をマークし、総合指標WARはFanGraphs版が2.6、Baseball-Reference版でも2.1を記録した。

外野手:ジェイコブ・マーシー(マーリンズ)

 マーシーは8月1日にメジャーデビューし、8月は30試合に出場して打率.352、長打18本、9盗塁、出塁率.430、長打率.629の大活躍。最終的には55試合に出場して打率.292、5本塁打、14盗塁、出塁率.363、長打率.478という成績を残し、センターの守備では守備範囲の広さと強肩が高く評価された。攻守にわたる活躍により、ファーストチームの外野の最後の1枠に滑り込んだ。

指名打者:コルソン・モンゴメリー(ホワイトソックス)

 モンゴメリーは今季序盤、マイナー3Aシャーロットで苦戦し、シーズン中の「リセット」のためにアリゾナのキャンプ施設へ送り返された時期があったが、これは見事に功を奏した。メジャーではわずか71試合の出場で21本塁打を量産。新人2位タイにランクインし、メジャーデビューした7月4日以降ではメジャー全体でも10位タイの本数だった。長打率.529はカーツに次いで新人2位。今回は指名打者での選出となったが、遊撃手として守備範囲の広さをアピールし、OAA+6をマークしたことも記しておこう。

先発投手:ケイド・ホートン(カブス)

 ホートンは7月20日以降、12度の先発登板でいずれも自責点2以下に抑え、61回1/3を投げて防御率1.03をマークした。シーズントータルでは118イニングを投げ、100イニング以上の新人投手の中でベストの防御率2.67を記録。WHIP1.08と安定した投球を見せ、97三振を奪った一方、与えた四球は33個だけだった。右胸郭の骨折でポストシーズンは投げられなかったが、今後のカブスの先発ローテーションにおいて重要な戦力となりそうだ。

先発投手:ノア・キャメロン(ロイヤルズ)

 キャメロンは今季の新人投手の中で最も頑丈かつ安定したパフォーマンスを続けた。新人5位の138回1/3を投げただけでなく、防御率2.99は100イニング以上を投げた投手の中でチーム2位(トップはクリス・ブービッチの2.55)。5つの球種をバランスよく投げ分け、すべての球種を14%から26%の割合で使用していた。

救援投手:マット・スバンソン(カージナルス)

 カージナルスのブルペンで複数のイニングを投げるリリーバーとして活躍したスバンソンは、60イニング以上の新人投手の中でベストの防御率1.94、WHIP0.88、被打率.160を記録。シンカー、スイーパー、カットボールを織り交ぜた投球で、60回1/3を投げ、68三振を奪った。

◆セカンドチーム

捕手:カルロス・ナルバエス(レッドソックス) 一塁手:トロイ・ジョンストン(マーリンズ) 二塁手:キム・ヘソン(ドジャース) 三塁手:マット・ショウ(カブス) 遊撃手:チェイス・マイドロス(ホワイトソックス) 外野手:デイレン・ライル(ナショナルズ) 外野手:ジェイク・マンガム(レイズ) 外野手:デンゼル・クラーク(アスレチックス) 指名打者:カイル・ティール(ホワイトソックス) 先発投手:チャド・パトリック(ブルワーズ) 先発投手:シェーン・スミス(ホワイトソックス) 救援投手:マイク・バシル(ホワイトソックス)

2025.11.10 11:02 Monday

メッツがベリンジャー獲得を狙う可能性 再びヤンキースとの争奪戦か

 昨オフ、若き天才打者フアン・ソトをめぐって熾烈な争奪戦を繰り広げたニューヨークの2球団が、今オフも強打の外野手をめぐる争奪戦を展開するかもしれない。Sports Illustratedのパット・ラガーゾは「メッツが今オフ、本格的にコディ・ベリンジャーの獲得を狙ったとしても驚きではない」と報じている。

 30歳のベリンジャーは今季、ヤンキースで152試合に出場して打率.272、29本塁打、98打点、13盗塁、OPS.814をマーク。29本塁打と98打点はともに、ナ・リーグMVPに輝いた2019年以降では最多の数字だった。ベリンジャーはオプトアウトの権利を行使して来季の年俸2500万ドル(約37億5000万円)を破棄し、フリーエージェント(FA)となった。

 メッツはセンターが弱点だ。今季はタイロン・テイラー、ジェフ・マクニール、セドリック・マリンズが主に起用されたものの、マリンズはFAとなり、ラガーゾによると、マクニールはトレード要員になる可能性があるという。テイラーは来季も保有権が残っているが、今季の打撃成績(OPS.598)を考えると、コンテンダー(優勝候補)のレギュラーとしては物足りない。

 また、メッツは主砲ピート・アロンソがオプトアウトの権利を行使してFAとなり、アロンソが他球団に移籍した場合は一塁手の補強も必要となる。こうした状況の中、一塁と外野3ポジションを守れるベリンジャーはメッツのチーム事情に極めてフィットする存在と言える。

 ヤンキースもベリンジャーとの再契約を目指すとみられており、昨オフのソトに続き、今オフもニューヨーク2球団による争奪戦が繰り広げられることになるかもしれない。ヤンキースに移籍した今季、大都市ニューヨークでも活躍できることを証明したベリンジャーは、同じニューヨークを本拠地とするメッツにとっても魅力的な補強ターゲットだ。

2025.11.10 09:25 Monday

今季38本塁打の強打者ピート・アロンソがメッツに残留する可能性は?

 昨オフ、メッツからフリーエージェント(FA)となったピート・アロンソは長期大型契約を目指したものの、希望通りのオファーを得られず、最終的にはオプトアウト付きの2年契約でメッツに残留した。

 2024年シーズンの不振から脱却し、今季は全162試合に出場して打率.272、38本塁打、126打点、OPS.871をマーク。自身初のシルバースラッガー賞に輝くなど、納得のシーズンを過ごした上で、オプトアウトの権利を行使して再びFAとなった。

 FA市場で長期大型契約を狙うアロンソだが、メッツは今オフもアロンソの引き留めに動くのだろうか。

 Sports Illustratedのパット・ラガーゾは、アロンソの去就について「アロンソがチームフレンドリー(球団側に有利)な契約に応じない限り、メッツはFA市場のアロンソ争奪戦から手を引くことになるだろう」と予想している。

「アロンソはFA市場で高額年俸を得る可能性が高い。来月31歳になる一塁手に対し、メッツが長期契約をオファーすることを良しとするかどうかは、もう少し様子を見る必要がありそうだ」とラガーゾは付け加えた。

 そして、ラガーゾによると、メッツはアロンソが残留しない場合、ヤンキースからFAとなったコディ・ベリンジャーの獲得に動く可能性があるという。ベリンジャーは大都市ニューヨークで活躍できることを今季証明しただけでなく、一塁以外に外野3ポジションを守れるため、アロンソより起用の幅も広がる。

 アロンソがチームフレンドリーな契約に応じる姿勢を見せない場合、メッツはアロンソ争奪戦から撤退し、ベリンジャー争奪戦に注力していくことになるのかもしれない。

2025.11.10 08:55 Monday

2025MLBの各アウォード発表日程

 ワールドシリーズが終わり、オフシーズンが開幕したMLBは、これから各アウォードの発表ラッシュが始まる。各アウォードの発表の日付は以下の通りだ。

11月10日(日本時間11日):BBWAA新人王

 アウォード・ウィークの幕開けは新人王だ。この賞は、1947年に初代受賞者となったジャッキー・ロビンソンの名を冠した、歴史ある栄誉だ。昨季は、ヤンキースのルイス・ヒルとパイレーツのポール・スキーンズが受賞した。

11月11日(日本時間12日):BBWAA最優秀監督賞

 各リーグの最優秀監督に贈られるこの賞は、レギュラーシーズンのみの成績に基づいて毎年授与される。昨季の受賞者は、ア・リーグではスティーブン・ボート(ガーディアンズ)、ナ・リーグではパット・マーフィー(ブルワーズ)だった。

11月12日(日本時間13日):BBWAAサイ・ヤング賞

 サイ・ヤング賞は1956年から授与されている。1956年から1966年まではMLB全体で成績優秀の投手に授与されていたが、1967年以降は各リーグから1名の投手に授与されている。昨季はタイガースのタリック・スクーバルとブレーブスのクリス・セールが受賞。スクーバルは2年連続で戴冠する可能性が高く、ナ・リーグではスキーンズが最有力候補と目されている。

11月13日(日本時間14日):BBWAA MVP

 大谷翔平(ドジャース)は直近5シーズンで4度目、ドジャース移籍後では2年連続のMVP受賞の可能性が高い。一方、ア・リーグでは昨季受賞したアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と、捕手として史上初の60本塁打を放ったカル・ローリー(マリナーズ)の一騎討ちとなる。

11月13日(日本時間14日):オールMLB

 オールMLBは、オールスター選出が前半戦の成績に基づいていることを踏まえ、選手のシーズンを通しての貢献を称えるために2019年に導入された。今年のノミネート選手の中から、MLB.comでファン投票が行われ、各ポジション(外野手3名、指名打者1名、先発投手5名、リリーフ投手2名)のファーストチームとセカンドチームを選出する。 オールMLBファーストチームとセカンドチームは、11月13日にMLBネットワークで放送されるMGMリワード主催の「MLBアウォード」で発表される。ハンク・アーロン賞、カムバック賞、マリアノ・リベラ&トレバー・ホフマン賞(年間最優秀リリーフ投手賞)、エドガー・マルティネス賞(年間最優秀指名打者賞)、そして年間最優秀エグゼクティブ賞の受賞者も同番組内で発表される。

11月13日(日本時間14日):ハンク・アーロン賞

 各リーグで最も優れた攻撃力を発揮した選手に毎年贈られるハンク・アーロン賞の受賞者は、ファン投票と殿堂入り選手で構成される審査員団によって決定される。昨季はアーロン・ジャッジと大谷翔平がそれぞれのリーグでこの賞を受賞した。

11月13日(日本時間14日):カムバック賞

 カムバック賞は、逆境を乗り越えてMLBで高いレベルのパフォーマンスを取り戻した各リーグの選手1名を表彰する賞だ。昨季、ア・リーグではギャレット・クローシェ(当時ホワイトソックス)が受賞し、ナ・リーグではブレーブスのクリス・セールがサイ・ヤング賞とダブル受賞した。

11月13日(日本時間14日):リベラ/ホフマン最優秀救援投手賞

 2014年に創設されたこの賞は、殿堂入りクローザーのマリアノ・リベラとトレバー・ホフマンにちなんで名付けられ、各リーグの最優秀救援投手に贈られる。昨季はア・リーグではガーディアンズのエマニュエル・クラセ、ナ・リーグではカージナルスのライアン・ヘルスリーに贈られた。

11月13日(日本時間14日):エドガー・マルティネス賞(年間最優秀指名打者賞)

 最優秀指名打者賞は、1973年にア・リーグで初めて指名打者制度が導入されて以来授与されており、2004年に5度の受賞で殿堂入りしたエドガー・マルティネスに敬意を表して改名された。大谷翔平は過去4シーズン連続でこの賞を受賞しており、2025年にも再び受賞する可能性が高い。

11月13日(日本時間14日):年間最優秀エグゼクティブ賞

 この賞は今年はサンアントニオで開催されるGM会議で発表される。投票はポストシーズン開始前に終了するため、ポストシーズンの結果は考慮されない。昨季はブルワーズのマット・アーノルドGMが受賞した。

11月13日(日本時間14日):ハート&ハッスル賞

 この賞はMLB選手OB会が主催し、OBと現役選手の投票によって選出される。この賞は「野球への情熱を示し、野球の価値観、精神、伝統を最もよく体現している」現役選手に贈られる。30チームからそれぞれ1名の候補者が選出され、その中から受賞者が選出される。受賞者はMLBネットワークの「ホットストーブ」で当日発表される予定だ。昨年の受賞者はロイヤルズの遊撃手、ボビー・ウィットJr.だった。

2025.11.9 16:45 Sunday

カブス、GM会議での5つの注目ポイント

 ワールドシリーズ終了後の最初の1週間は、これから始まるオフシーズンの土台を築く週だった。ドジャースが新たな優勝トロフィーを掲げ、パレードを催す一方で、カブスをはじめとする球団は、ロースター構成や移籍の可能性について、内部で真剣な議論を重ねていた。

 来週からラスベガスで開催されるGM会議の到来とともに、オフシーズンの動きはさらに加速するだろう。これは、オフシーズン初となる、全30球団の代表者と選手代理人が一堂に会し、今後数ヶ月で実現する(あるいは実現しない)契約について協議を始める機会となる。

GM会議中にカブスについて注目すべき5つのポイントは以下の通りだ。

今永昇太が残留する可能性は?

 カブスは今永との契約に含まれていた3年間の球団オプションを破棄。それによって与えられた1年1525万ドル(約23億円)の選手オプションを今永が拒否したことで、今永はフリーエージェント(FA)となった。FAとなった今永に対し、カブスは2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイング・オファー(QO)を提示した。

 QOを受けた選手は11月18日までに諾否を決めなければならない。今永にとってはQOを受諾すれば、1年あたりの年俸は増額する。しかし、GM会議で他球団からどのような複数年契約のオファーがあるか、あるいはカブスが条件を見直した延長契約を提示する可能性があるかを早期に把握できる。

カイル・タッカーとの再契約は現実的か?

 今永はQO受諾の可能性があるが、タッカーのQO拒否は確実だ。タッカーは今冬のFA市場で間違いなくトップクラスの攻撃力を持ち、高額な長期契約を勝ち取る可能性が高い。ただ、QOを拒否されても、カブスはドラフト指名権の補償を得ることができる。

 カブスはタッカーとの再契約交渉に動くと予想されているが、流出の可能性は高いだろう。カブスはタッカーとの契約の成否にかかわらず、打線を強化する術を見つけなければならない。アレックス・ブレグマンと村上宗隆は興味深いFA候補だ。

先発ローテーションをどう整備するか

 今永のFA決定以前も、カブスは先発ローテーションの強化を必要としていた。FA市場で投手を探すのも一つの選択肢だ。ディラン・シース、フランバー・バルデス、レンジャー・スアレス、マイケル・キングなどが有力候補に挙がっている。日本のスター選手、今井達也が西武ライオンズからポスティングされれば、興味深い選択肢となるだろう。カブスは今季のトレードデッドラインでジョー・ライアン(ツインズ)、サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)、エドワード・カブレラ(マーリンズ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)といった投手を検討していたこともあり、トレードの可能性も考えられる。

ブルペンをどう立て直すか

 今季終盤のカブスのブルペン陣の大半はもはやチームに残っていない。アンドリュー・キットリッジはオリオールズにトレードされ、ブラッド・ケラー、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツはFAとなった。複数年契約で大物リリーフ投手を狙うのはカブスのやり方ではない(昨年のタナー・スコット争奪戦への参戦は稀な例外だった)。シカゴのフロントは、リリーフ陣の再構築に向けて、短期契約、小規模なトレードを模索し続けると予想される。

ケイド・ホートンは新人王を獲得するか

 10日(日本時間11日)はGM会議が始まるだけでなく、全米野球記者協会が毎年恒例の表彰式を開始する夜でもある。まずは新人王の発表が行われ、ホートンはナ・リーグのファイナリストの一人だ。彼は捕手のドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)と内野手のケイレブ・ダービン(ブルワーズ)と競うことになる。

2025.11.9 14:18 Sunday

MLB選手名鑑2025

MLB選手名鑑2025

MLB公式オンラインストア

菅野智之 オリオールズグッズ