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  • 【戦評】青木が日米通算2000安打達成もチームは大敗

    2017.6.12 11:08 Monday

     コツコツと安打を積み重ねてきた安打製造機が、ついに名球会入りの切符を手にした。日本で1284本、メジャーで714本の安打を放ち、日米通算2000安打まであと2本に迫っていた青木宣親(アストロズ)。「9番・レフト」で先発出場した日本時間6月12日のエンゼルス戦で快挙達成の瞬間が訪れた。

     3回裏の第1打席はレフトフライに倒れたものの、4回裏の第2打席で勝ち越しタイムリーツーベースを放って大台まであと1本に迫った青木。6回裏、先頭打者として巡ってきた第3打席で外角高めへのフォーシームを三遊間へ弾き返し、打球は名手アンドレルトン・シモンズのグラブの先を抜けて、レフト前へ転がっていった。

     青木の快挙達成は現地のテレビ中継でもテロップ付きで紹介され、チームメイトやファンもスタンディングオベーションで祝福。青木は一塁ベース上でヘルメットを取って手を振り、周囲からの祝福に応えた。ブリュワーズ、ロイヤルズ、ジャイアンツ、マリナーズ、そしてアストロズとメジャー6年目で早くも5球団目でのプレイとなっている青木。これはさまざまなチームから必要とされていることの裏返しでもある。8回裏の第4打席でこの日3本目のヒットを放った青木の打率は.269まで上昇。「2000安打を達成できてとても幸せです。ヒューストンのファン、チームメイト、そしてコーチ陣がスタンディングオベーションをくれたことがとても嬉しかったです」と快挙達成の瞬間を振り返った巧打者は、チームの地区優勝、そしてワールドシリーズ制覇のために今後も安打を積み重ねていってくれることだろう。

     なお、青木のタイムリーなどで一時は4点のリードを奪ったアストロズだったが、勝ち越した直後の5回表に8番エリック・ヤングJr.の2号スリーランなどで一挙6点を奪われ、6-12で大敗。青木の快挙達成を勝利で祝福することはできなかった。

  • 【戦評】ルーゴの好投でメッツが3連勝

    2017.6.12 10:39 Monday

     苦しい戦いが続くメッツに頼もしい戦力が戻ってきた。WBCプエルトリコ代表の一員として2勝を挙げ、母国の準優勝に貢献しながらも右肘の炎症により開幕から故障者リスト入りしていたセス・ルーゴが今季初先発。安定した投球でチームを勝利に導いた。

     大黒柱ノア・シンダーガードと守護神ジューリス・ファミリアが長期離脱し、ジェイコブ・デグロムとマット・ハービーはなかなか本来のピッチングができないという苦しい状況が続いているメッツ投手陣。しかし、昨日復帰したスティーブン・マッツに加え、ルーゴが戻ってきたことにより、状況は大きく改善されそうだ。

     1回表に3番ウィルマー・フローレスの犠牲フライで先制点をもらったルーゴは、2回裏にブレーブスの8番ダンズビー・スワンソンに犠牲フライを打たれて同点に追い付かれはしたものの、その後は女房役レネイ・リベラの好リードにも助けられ、持ち前の丁寧かつ粘り強いピッチングで追加点を許さない。3回表、メッツが2番フアン・ラガレスのタイムリーで勝ち越すと、その裏にはブレーブスの中軸を3者連続三振に斬って取る見事なピッチング。試合の流れをグッと手繰り寄せた。

     「楽しかったよ。マウンドへ行って、しっかり投げて、そして楽しむことだけを考えていた」とルーゴは久々のメジャーのマウンドを振り返った。7回1失点の好投を見せたルーゴのあとをジェリー・ブレビンスとアディソン・リードが完全リレーで繋ぎ、1点リードを死守。ブレーブス4連戦を3勝1敗と勝ち越したメッツは、レンジャーズにスイープを喫したナショナルズとのゲーム差を9.5に縮めた。セスペデス、マッツ、ルーゴと頼れる戦力が続々と復帰したメッツが、終戦間近だったナ・リーグ東部地区を面白くしてくれるかもしれない。

  • 【戦評】ジャッジがまたも大暴れ!ヤンキース打線が連日の爆発

    2017.6.12 10:14 Monday

     ヤンキース打線の勢いが止まらない。昨季後半戦に歴史的活躍を見せたゲーリー・サンチェス。今季ここまで驚異的な活躍を見せているアーロン・ジャッジ。2人の若きスラッガーが好調な今、この打線を止める術はあるのだろうか。

     1回裏、ヤンキースは5番スターリン・カストロの2点タイムリーで先制すると、続く6番サンチェスが左中間へ10号スリーランを叩き込んで一挙5得点。「こんなに本塁打を量産しているチームメイト(=ジャッジ)がいると、それに興奮するし、モチベーションも得られるんだ」とジャッジの活躍に大きな刺激を受けていることをサンチェスは隠さない。サンチェスの本塁打はこれが通算30本目。キャリア最初の90試合で30本塁打を放ったのは、マーク・マグワイア、ルディ・ヨーク、ホゼ・アブレイユに次いで史上4人目となった。

     その後もヤンキースは攻撃の手を緩めない。2点差に迫られた4回裏、4番マット・ホリデイの2点タイムリーで再びオリオールズを突き放すと、6回裏にはジャッジとカストロに本塁打が飛び出す。ジャッジは7回裏にも21号ツーランを放ち、この試合は2本塁打を含む4安打3打点の大活躍。打率でジーン・セグーラ(マリナーズ)、打点でネルソン・クルーズ(マリナーズ)とミゲル・サノー(ツインズ)を抜き、本塁打を合わせた打撃3部門でトップに浮上した。この日1本目の本塁打は495フィート(約150.9m)を記録し、Statcast導入後のア・リーグ最長本塁打となったが、「本塁打の飛距離は全く無意味だよ。そんなことより、勝利に貢献できていることが嬉しいんだ。投手陣は良い仕事をしているし、打線も好調だからね」と驚異の一発にもジャッジは関心を示さず、純粋にチームの勝利を喜んでいた。

     なお、ジャッジはチームが60試合を消化した時点で21本塁打。これはヤンキースではベーブ・ルース、ミッキー・マントル、ロジャー・マリス、アレックス・ロドリゲスという球史に残る名打者たちに肩を並べる、史上5人目の記録となっている。若きスラッガーたちを経験豊富なホリデイがサポートし、カストロ、アーロン・ヒックス、ディディ・グレゴリウスらも急成長。「新生」ヤンキース打線の勢いはまだまだ止まりそうにない。

  • 【戦評】これぞエースの投球!マルティネスがメジャー初完封

    2017.6.11 10:05 Sunday

     9回に入っても球威は全く衰えなかった。カージナルスのエース右腕カルロス・マルティネスがフィリーズ打線を寄せ付けない圧巻のピッチングで、メジャー初完投となる見事な完封劇を披露した。

     日本時間5月21日のジャイアンツ戦でも9回無失点の好投を見せたマルティネス。しかし、打線の援護を得られず、勝利投手になれなかった(延長戦の末、チームは敗戦)。好投を続けながらも援護がない試合が続いていたが、この日は味方が4回裏に一挙4得点。7回裏にも3点を追加し、7-0とリードを広げたが、マルティネスには十分すぎる援護となった。

     複数安打を許したイニングはゼロ。7回以外の8イニングで三振を奪い、1四球と制球も安定していた。7回裏の打席で送りバントを試みた際、右手に死球を受け、周囲をヒヤリとさせたが、「顔に向かってきたから必死で避けたよ。手に当たったけど、大した問題じゃなかった」とマルティネス自身が語ったように、その後のピッチングにはほとんど影響を与えなかった。

     9回107球を投げ、4安打11奪三振の完封劇。「夢の1つが叶ったよ。次は完全試合だね。今日のピッチングには本当に満足している。今日は完璧に集中できていた。全投球が完璧だったと思うよ。本当に嬉しいよ」と喜びを爆発させたマルティネス。9回には100.2マイル(約161.3km/h)の速球を投じ、Statcast導入後の9回最速記録を更新した。7連敗を脱出し、2連勝となったカージナルス。首位ブリュワーズとはまだ4ゲームほどしか離れていない。エースの見事なピッチングをきっかけに、上昇気流に乗っていきたいところだ。

  • リリーフに回った前田健太がプロ初セーブ

    2017.6.10 17:32 Saturday

     なかなか本来のピッチングができず、ロングリリーフに回ることになった前田健太。日本時間6月10日のレッズ戦で早速登板機会が巡ってきた。

     先発リッチ・ヒルの後を受けて6回表からマウンドに上がった前田。メジャー初のリリーフ登板でどのようなピッチングを見せるか注目されたが、最初の3イニングをパーフェクトに抑え、5三振を奪う見事なピッチングを披露。9回表はレッズの主砲ジョーイ・ボットーに17号ソロを浴び、二死後に連打を浴びるなどややもたついたものの、最後までマウンドを譲らず、ドジャースでは先日のリュ・ヒョンジンに続いて今季2人目となる4イニングセーブをマークした。

     投球成績は4回60球を投げて3安打6奪三振1失点。四球を与えなかったのは好材料だが、一方で打順が2回り目に入った9回表に3安打を浴びてもたついた点は今後の先発復帰に向けての反省材料となった。なお、前田のリリーフ登板は広島で一軍デビューを果たした2008年以来9年ぶり、セーブは日米を通じてプロ初となっている。

  • 【戦評】サンタナが今季3度目の完封に加え3打点の大活躍

    2017.6.10 16:45 Saturday

     今季好調のアービン・サンタナ(ツインズ)が日本時間6月10日のジャイアンツ戦でも見事な活躍を見せた。

     1回裏、2番エドゥアルド・ヌニェスに内野安打での出塁を許したサンタナだったが、続く3番ブランドン・ベルトを二塁への併殺打に打ち取ると、そこから波に乗る。安定した制球を武器に内野ゴロを量産し、3回裏には無死三塁のピンチを内野ゴロ3つで乗り切った。

     3回表に1番ブライアン・ドージャーのセンター前タイムリーで先制したツインズは続く4回表、1安打と2四球で二死満塁のチャンスを作る。ここで打席には9番サンタナ。初球の真ん中付近への速球に食らいついた打球はセンターのディナード・スパンの手前でバウンドし、走者一掃の3点タイムリーツーベースに。「(サンタナは)そんなに頻繁にバットを振っているわけではないから驚いたけど、我々にとって大きなヒットだったね」とポール・モリター監督が振り返ったこの一打が試合の行方を決定づけた。

     自身のバットで貴重な追加点を叩き出したサンタナは結局、9回を僅か91球で投げ切る見事な完封劇を披露。「マダックス(=100球未満での完封勝利)」と3打点を同時に成し遂げた投手は2004年のコリー・ライドル以来13年ぶりとなった。「良いピッチングができたと思うよ」と満足げに語ったサンタナの好投で、ア・リーグ中部地区の首位を走るツインズが2位インディアンスとの1.5ゲーム差をキープした。

  • 【戦評】ノーヒッター男・ボルケスが2試合連続の好投

    2017.6.9 17:14 Friday

     前回の登板で今季メジャー初となるノーヒッターを達成したエディソン・ボルケス(マーリンズ)。開幕から7連敗を喫し、前々回の登板で今季初勝利をマークしたばかりだが、どうやら完全に本来の姿を取り戻したようだ。

     初回に3点の援護をもらったボルケスはやや不安定な立ち上がりとなり、1回裏に1安打と2四死球で二死満塁のピンチを背負う。しかし、ここで6番アンドリュー・マカッチェンを得意のチェンジアップで見逃し三振に斬って取り、ここから波に乗っていく。2回から7回までの6イニング、複数のランナーを許したイニングは1つもなく、特に3回からの3イニングは打者9人をパーフェクト。前回登板で猛威を振るった速球(シンカー)とチェンジアップのコンビネーションが今日も冴えわたった。「今日は前回より良かったと思うよ。前回より変化球でより多くのストライクを取ることができた。初回以降は速球のコマンドも良かった。四球を2つ出しちゃったけど、勝負どころで良いピッチングができたね」とボルケスも自身のピッチングが良くなっていることを実感しているようだ。

     これで直近3登板の計22回で僅か1失点(3勝0敗、防御率0.41)。5月24日までの9先発で0勝7敗、防御率4.82と苦しんでいたが、ホゼ・フェルナンデス亡き後のエース候補として迎え入れられた右腕がようやく本領を発揮している。パイレーツのマカッチェンも「今日の彼は全球種のコマンドが素晴らしかったね。速球をしっかりコマンドして優位なカウントを作り、チェンジアップやカーブで仕留める。変化球もしっかりコントロールされていたよ。彼がそういう投球をするときは簡単には打てない。ヒットを打つのも出塁するのも大変なんだ」とボルケスのピッチングに脱帽。直近10試合で7勝3敗と息を吹き返しつつあるマーリンズ。その快進撃を支えているのがボルケスのピッチングであることは言うまでもない。

  • 【戦評】サンチェスの活躍でライバル対決に勝ち越し

    2017.6.9 16:26 Friday

     ア・リーグ東部地区の首位攻防戦となったライバル対決3連戦の第3戦。ヤンキースの若き正捕手がチームを牽引し、2勝1敗で勝ち越し。2位レッドソックスとのゲーム差を3に広げた。

     レッドソックスがデービッド・プライス、ヤンキースがマイケル・ピネイダの先発で始まったこの試合。初回、いきなりゲーリー・サンチェスが輝きを見せる。内野安打で出塁した1番ムーキー・ベッツの盗塁を見事に阻止。「サンチェスは素晴らしい送球をしたね。(遊撃の)グレゴリウスのプレイも良かったよ」とジョー・ジラルディ監督が振り返ったこのプレイがピネイダを勢いづけた。

     やや不安定な立ち上がりとなったピネイダだったが、2回以降は完全に立ち直り、守備のミスから1点を与えたとはいえ、安定したピッチングを披露。7回表は先頭の5番ハンリー・ラミレスにヒットを許したものの、6番ジャッキー・ブラッドリーJr.と7番ジョシュ・ラトレッジから空振り三振を奪い、8番パブロ・サンドバルは二塁ゴロ。結局、7回を投げて4安打8奪三振1失点(自責点0)という見事なピッチングでマウンドをリリーフ陣に託した。

     サンチェスはバットでもピネイダを援護し、球界屈指の左腕プライスから3回裏に7号スリーラン、5回裏に8号ツーランを放って計5打点。これで対プライスは通算7打数で4本塁打。「投手と対戦する時、良いコンタクトを心掛けている。それが僕のアプローチなんだ。良いコンタクトをする。とてもシンプルさ。プライスに対して良い結果が出ているけど、プライスと対戦する時も僕のアプローチは変わらない。ただ、良い結果が出ているというだけのことだよ」と語ったサンチェスは、プライスに対する自身の好成績にやや困惑気味といった様子。しかし、サンチェスの2本塁打5打点が試合を決め、ヤンキースはライバル対決3連戦に勝ち越した。

     5回5失点で今季初黒星を喫したプライスは「今夜はあまりチェンジアップが良くなかった。(好投して今季初勝利を挙げた)オリオールズ戦とは正反対のチェンジアップだったよ。速球はベースの両サイドに投げ分けられていたし、良かったと思う。勝負どころでしっかり投げられなかったね」と自身のピッチングを振り返っていた。

  • 【戦評】トレイ・ターナーが機動力野球を牽引

    2017.6.9 15:17 Friday

     四球後の二盗→三盗。意表をつくダブルスチール。トレイ・ターナーの快足をフルに活用したナショナルズが機動力野球でオリオールズのバッテリーを翻弄し、序盤で試合を決定づけた。

     今月6試合で5盗塁を記録しているターナーが今日も元気に走り回った。1回裏、四球で出塁したターナーは2番ウィルマー・ディフォーの打席で相手先発アレック・アッシャーのモーションを完全に盗み、今季19個目の盗塁に成功。さらに、3番ブライス・ハーパーの打席では今季20盗塁目となる三盗を見事に決め、一死三塁のチャンスを作る。ここでハーパーがショートへの内野安打を放ち、ナショナルズが1点を先制。「足攻」に苛立つアッシャーをさらに攻め立て、6番スティーブン・ドリュー、7番マイケル・テイラーの連続タイムリーで3点を加えたナショナルズが、幸先よく4点を先制した。

     ナショナルズの「足攻」はこれだけでは終わらない。2回裏、先頭の1番ターナーがセンター前ヒットで出塁すると、3番ハーパーが四球を選び、一死一、二塁のチャンスを作る。ここでナショナルズはダブルスチールを敢行。意表をつかれたオリオールズの捕手ケイレブ・ジョセフはどこにも投げられず、一死二、三塁とチャンスが広がる。そして4番アダム・リンドがセンターへの犠牲フライを打ち上げ、ナショナルズが5-0とリードを広げた。

     2回までに5点の援護を得たナショナルズの先発ジョー・ロスはここ3先発の不振が嘘のような安定したピッチングを披露し、8回途中まで4安打12奪三振1失点の好投で今季3勝目(2敗)をマーク。ナショナルズは3回裏にも7番テイラーが二盗に成功し、アッシャーとジョセフのバッテリーを大量5盗塁で翻弄した。「イライラしたよ」とナショナルズの機動力野球を振り返ったアッシャー。「正確なデータは知らないし、シーズンを通してこんなに盗塁を試みられることがあるかどうかはわからない。でも、今後は改善していかないといけないね」

     ロスは「彼(ターナー)が走り出してしまえばアウトにするのはとても困難なんだよ。ラッキーなことに、僕はそれを気にする必要はない。彼のスピードを心配しなくていいように同じチームにいられたらいいね」と試合を決めたターナーのスピードを絶賛した。ターナーは今日の3盗塁を加えて今月7試合で8盗塁となり、今季21盗塁でリーグ2位に浮上。ハーパー、ダニエル・マーフィー、ライアン・ジマーマンという強力クリーンアップを抱えるナショナルズ打線にターナーのスピードというスパイスが加われば、もう誰にも止められない。

  • 山を下りると一流投手 タイラー・チャットウッド

    2017.6.9 12:23 Friday

     昨季自身初の2桁勝利(12勝)をマークしたタイラー・チャットウッド(ロッキーズ)。このチャットウッドのある数字が注目を浴びている。

     今季ここまで13試合に先発しているチャットウッド。本拠地クアーズ・フィールドでのホームゲームで6試合、アウェイゲームで7試合に先発しており、ホーム/アウェイ別の成績は以下のようになっている。

     

    ホーム  6試合 2勝4敗 防御率7.03
    アウェイ 7試合 4勝3敗 防御率2.52

     

     ホームでは防御率7点台、被打率3割台という「三流投手」に成り下がってしまうチャットウッドが、アウェイでは防御率2点台、被打率1割台という「一流投手」に変貌を遂げるのである。

     この傾向は昨季も全く同じであり、ホームでの14先発で4勝8敗、防御率6.12、被打率.303に終わったチャットウッドは、アウェイでは13先発で8勝1敗、防御率1.69、被打率.190という素晴らしい成績をマーク。ホーム防御率が両リーグワーストだった一方、アウェイ防御率は両リーグベストの数字だった。

     ホームとアウェイで奪三振率や与四球率に大差はなく、目立つのはやはり被打率の差。奪三振率がそれほど高くない「打たせて取るタイプ」の投手だけに、打球が良く飛び、なおかつヒットが出やすいクアーズ・フィールドとは絶望的に相性が悪いのかもしれない。

     ナ・リーグ西部地区の首位を走るロッキーズは今季、アントニオ・センザテラ、カイル・フリーランド、ヘルマン・マルケス、ジェフ・ホフマンの新人カルテットがチーム39勝のうち22勝を挙げる大活躍。ここに故障離脱中のジョン・グレイが復帰すれば若さと実力を兼ね備えた非常に魅力的な先発ローテーションが完成する。同じく故障離脱中で、昨季5勝、防御率3.54をマークしたタイラー・アンダーソンも控えており、今後チャットウッドが余剰戦力となる可能性も十分にある。山の上では本来のピッチングができないチャットウッドに対してトレードでの放出やブルペンへの配置転換の可能性も含め、チームがどのような判断を下すのか。チャットウッドの今後のピッチング、そしてロッキーズの今後の動きに注目したい。

  • カイケルとヘンドリックスが故障者リスト入り

    2017.6.9 11:33 Friday

     各球団で主力投手の故障離脱が相次いでいる。

     日本時間6月9日、アストロズはエース左腕ダラス・カイケルを10日間の故障者リストに登録した。カイケルは前日のロイヤルズ戦で先発予定だったが、詳細不明の病気により試合開始直前になって登板を回避。その後、首の違和感を訴え、チームは故障者リストへの登録を決断した。

     カイケルはチームドクターの診察を受けるためにチームを離れ、今日ヒューストンへ戻った。ジェフ・ルーノウGMによると復帰時期は未定とのこと。ここまで11先発で9勝0敗、防御率1.67と見事なパフォーマンスを見せていたエース左腕の離脱は、ア・リーグ西部地区の首位を快走するチームにとって小さくないダメージになりそうだ。

     また、カブスは昨季ブレイクした右腕カイル・ヘンドリックスを右手中指の腱の炎症により10日間の故障者リストに登録した。ヘンドリックスは日本時間6月10日のロッキーズ戦で先発する予定となっていたが、代役として左腕マイク・モンゴメリーが先発に起用される。

     「長期離脱になるような深刻なものだとは考えていない」とセオ・エプスタイン球団副社長。「今回の先発を回避することにはなるけど、(日本時間6月17~19日の)パイレーツとのシリーズで復帰できるんじゃないかと思っているよ」

     昨季は16勝8敗、防御率2.13という素晴らしい成績を残し、108年ぶりのワールドシリーズ制覇にも大きく貢献したヘンドリックス。今季はここまで11先発で4勝3敗、防御率4.09と今一つのパフォーマンスが続いており、故障者リスト入りの期間が良いリフレッシュになることを願うばかりだ。

  • フューチャーズ・ゲームの監督が決定

    2017.6.9 10:18 Friday

     マイアミでの初開催となる今年のオールスター・ゲーム。日本時間7月10日にマーリンズ・パークで開催されるフューチャーズ・ゲームの監督を1997年のマーリンズ世界一メンバーが務めることが発表された。

     アメリカ選抜の監督を務めるのはチャールズ・ジョンソン。マーリンズが初めて参加した1992年のドラフトで1巡目指名を受け、球団史上初の「ドラ1」となった名捕手だ。12年のキャリアで打率.245、167本塁打、570打点を記録し、1997年と2001年にオールスター出場。1997年のワールドシリーズでは打率.357の活躍を見せ、チームのワールドシリーズ制覇に貢献した。メジャー2年目の1995年から4年連続でゴールドグラブを受賞し、捕手として582試合出場は現在でも球団記録となっている。

     また、アメリカ選抜のベンチコーチをホワイトソックスとメッツで監督経験があり、1997年にはマーリンズでベンチコーチを務めたジェリー・マニュエル、打撃コーチを元マーリンズの強打者クリフ・フロイド、投手コーチをマーリンズなどで通算162勝を挙げた名投手アル・ライターが務めることも併せて発表されている。

     一方の世界選抜を率いるのはエドガー・レンテリア。1997年のワールドシリーズ第7戦で延長11回裏にサヨナラヒットを放ち、球団史に残る名場面を演出した名遊撃手だ。コロンビア出身のレンテリアは16年のキャリアで2327安打を放ち、打率.286、140本塁打、294盗塁を記録。オールスター出場5回、シルバースラッガー賞3回、ゴールドグラブ賞2回、そしてジャイアンツ時代の2010年にワールドシリーズMVPと輝かしい実績を誇る。カージナルス時代の2003年には打率.330、13本塁打、100打点、34盗塁という素晴らしい成績をマークした。

     さらに、世界選抜のベンチコーチをルイス・カスティーヨが務めることも発表されている。ドミニカ共和国出身のカスティーヨは2000年と2002年に盗塁王に輝くなど、巧打・俊足・好守を兼ね備えた二塁手として15年にわたってメジャーで活躍した。なお、その他のコーチ陣や両軍のロースター、この試合を担当する審判団などは今後数週間以内に発表される予定となっている。

  • 【戦評】マリナーズが劇的なサヨナラ勝ちで勝率5割復帰

    2017.6.8 18:02 Thursday

     「今季こそついにポストシーズン進出か」と期待されながらも開幕から情けない戦いが続いていたマリナーズが、ツインズ戦で劇的な逆転サヨナラ勝ちを収め、約1ヶ月ぶりに勝率5割に復帰した。

     4回まで安定したピッチングを見せていたマリナーズの先発ヨバニ・ガヤード。ところが、5回表に2番ジョー・マウアーに同点タイムリーを浴びると、続く3番ミゲル・サノーに今季15号となる勝ち越しスリーランを浴びてしまう。その裏、マリナーズは2番タイラー・スミスの犠牲フライで1点を返し、6回裏には5番カイル・シーガーの7号ソロが飛び出して1点差に迫る。

     ツインズ投手陣も粘りを見せ、2番手タイラー・ダフィーと3番手テイラー・ロジャースが7回、8回の2イニングを無失点に切り抜ける。そして9回裏。ツインズは今季15セーブを挙げているクローザーのブランドン・キンツラーを投入し、逃げ切りを図る。

     キンツラーは5番シーガーを二塁ゴロ、6番テイラー・モッターをショートゴロに打ち取り、あっという間にツーアウト。グラウンドボーラーらしいピッチングを展開してマリナーズを追い詰める。しかし、7番ベン・ギャメルが低めのシンカーをセンター前に弾き返して出塁し、打席には3回裏に同点ソロを放っている8番マイク・ズニーノ。カウント2-1からの4球目、外角へのシンカーを振りぬくと、そのまま打球はセンター後方のスタンドへ吸い込まれていった。

     「ビックリだね」とキャリア初のサヨナラ本塁打を振り返ったズニーノ。「(キンツラーは)良いシンカーを投げる投手だからね。彼は打たせて取ろうとしていたけど、僕はしっかり集中していた。そしてシンカーを上手く捉えることができたんだよ」

     マリナーズは直近10試合で9勝1敗となり、5月11日以来となる勝率5割に復帰した。マリナーズのスコット・サービス監督も「我々は良い野球をしているね。シーズン序盤はこれができなかったんだ」と現在のチーム状態に手応えを感じている。右ふくらはぎの張りで欠場した主砲ネルソン・クルーズの代役として控え捕手のカルロス・ルイーズを「9番・DH」で起用すると、そのルイーズが3回裏に一時は勝ち越しとなる今季1号本塁打。「捕手2人をスタメンで起用するのは危険かもしれないよ、と言ったんだけどね」とズニーノは笑いながら話したが、これもチーム状態が良いことの表れなのだろう。

     ジェームス・パクストンの戦列復帰に続き、故障離脱中のフェリックス・ヘルナンデスとミッチ・ハニガーもマイナーの試合で調整中。徐々に役者が揃いつつあるマリナーズの反撃がようやく始まりそうだ。

  • 【戦評】代打同点弾&サヨナラ弾!マンシーニが大暴れ

    2017.6.8 16:35 Thursday

     強打の新人トレイ・マンシーニ(オリオールズ)が驚異的な勝負強さを見せつけた。

     9番マックス・モロフの2点タイムリーツーベースなどで序盤から試合を優位に進めたパイレーツは4点リードの9回裏、前の回に2番アダム・ジョーンズに11号ソロを浴びたジョニー・バーベイトを続投させた。しかし、この判断が結果的に裏目に出てしまうことになる。

     9回裏、オリオールズは先頭の5番マーク・トランボが四球を選んで出塁すると、6番ジョナサン・スコープがレフトへのツーベースを放ち、無死二、三塁のチャンスを作る。ここでパイレーツはクローザーのトニー・ワトソンを慌てて投入。しかし、3連続セーブ失敗中の左腕には明らかに荷が重すぎた。代打ジョーイ・リカードがセンターへ犠牲フライを打ち上げて1点を返すと、8番J.J.ハーディがレフトへのタイムリーツーベースで続き2点差。そして二死後、1番セス・スミスの代打としてマンシーニが打席へ。「野球は何が起こるかわからないゲームなんだ。2-6で負けていたけど、みんなが必死に繋いで僕に出場機会を与えてくれた」と試合後にチームメイトへの感謝を語ったマンシーニは8球目、真ん中付近に甘く入ったチェンジアップを右中間スタンドへ放り込み、今季8号となる代打同点ツーラン。強打の新人が大仕事をやってのけた。

     しかし、ドラマはこれだけでは終わらなかった。11回裏、パイレーツの7番手ウェイド・ルブラン(元西武)から途中出場の7番リカードがレフト前ヒットで出塁すると、9番ケイレブ・ジョセフが8球粘って四球を選び、二死一、二塁と一打サヨナラのチャンスを作る。そして、打席には再びマンシーニ。その初球だった。インローへのカットボールを捉えた打球は勢いを失うことなく、そのままレフトスタンドへ。延長11回の熱戦にピリオドを打つ、豪快な9号サヨナラスリーランとなった。

     「9回にみんなが繋いでくれなかったらこんなに幸せにはなれなかっただろうね」とマンシーニ。9回に代打で同点本塁打を放ち、その後サヨナラ本塁打を放ったのは2011年5月17日のブライアン・マッキャン(当時ブレーブス、現アストロズ)以来6年ぶりの快挙となった。オリオールズは今季6度目のサヨナラ勝ち。延長戦では9勝1敗と驚異的な強さを発揮している。

     2試合連続のサヨナラ勝ちで一時の不調を脱した感のあるオリオールズ。ここから再び上昇気流に乗り、ヤンキースとレッドソックスの2強による首位争いに割って入りたいところだ。一方、大逆転負けを喫したパイレーツはクリント・ハードル監督がクローザー交代を示唆しており、今後の動きに注目が集まっている。

  • 【戦評】ダルビッシュの力投実らず メッツが接戦を制す

    2017.6.8 15:52 Thursday

     レンジャーズのダルビッシュ有が5月21日以来となる勝ち星を目指してマウンドに上がったこの試合。ダルビッシュはメッツ打線に連打を許さない力投を見せたものの、一発に泣く結果となった。

     立ち上がりのダルビッシュはほぼ完璧な投球を見せる。1回表、1番マイケル・コンフォートを二塁ゴロに打ち取ると、2番アズドゥルバル・カブレラと3番ジェイ・ブルースを空振り三振に斬って取り、三者凡退の好スタート。2回表は4番ルーカス・デューダを一塁ゴロ、5番ウィルマー・フローレスを二塁ゴロ、6番カーティス・グランダーソンを空振り三振、3回表は7番ホゼ・レイエスをセンターフライ、8番トラビス・ダーノウをライトフライ、9番フアン・ラガレスを空振り三振に打ち取り、3回を投げて打者9人パーフェクトの立ち上がりとなった。

     4回表、先頭の1番コンフォートに死球を与えたダルビッシュは一死後、3番ブルースにカーブを捉えられ、右中間への大飛球。ビデオ判定の末、判定が覆ってこの大飛球がホームランとなり、メッツが逆転に成功する。さらに6回表、ここまで僅か1安打のメッツ打線は3番ブルースが2打席連続となる15号ソロをダルビッシュに浴びせ、貴重な追加点。メッツの先発ザック・ウィーラーは不安定な立ち上がりを攻められ、初回に先制を許したものの、その後は立ち直り、7回1失点の好投でリリーフ陣に後を託す。

     ダルビッシュは8回表のマウンドにも上がったが、一死後、9番ラガレスにライト前ヒットを浴びたところで降板。ブルースに2本塁打を浴びたとはいえ、打たれたヒットは僅か3本。7.1回で9奪三振1四球3失点という力投を見せた。

     そして、終盤に試合が動き出す。8回裏、レンジャーズは簡単にツーアウトを奪われたものの、4番ノマー・マザーラがセンター前ヒットで出塁すると、この日5番に入っていたロビンソン・チリーノスがメッツの2番手ジェリー・ブレビンスから6号ツーランを放ち、レンジャーズが同点に追い付く。この時点でダルビッシュの負けはなくなった。

     サヨナラ勝ちに向けて絶対に失点を阻止したいレンジャーズは9回表、クローザーのマット・ブッシュを投入。ところが、4番デューダにツーベースを浴びた後、6番グランダーソンに四球を与え、二死ながら一、二塁のピンチを背負ってしまう。ここで打席には7番レイエス。やや詰まった打球がセンター方向へ飛び、これを捕球したルーグネッド・オドーアが二塁封殺を狙ってエルビス・アンドルースへ送球。しかし、この送球がワンバウンドになってしまい、アンドルースはしっかり捕球できなかった。この間に二塁走者のマット・レイノルズが生還。メッツが1点を勝ち越した。

     最後はメッツのクローザー、アディソン・リードが三者凡退に抑えて試合終了。レンジャーズは一度は同点に追い付いたものの、勝負どころで痛恨のミスが出て接戦を落とす結果となってしまった。メッツのテリー・コリンズ監督は「レイノルズは全くスピードを落とさなかった。あれが選手たちがやるべきことなんだよ。レイノルズは良い仕事をしてくれたね」と決勝のホームを踏んだ代走レイノルズの走塁をべた褒め。また、「ブルースは大活躍だったね。気付けば私たちは2本しかヒットを打てていなかったけど、幸運なことに2本ともホームランだった。とてもラッキーだったよ。明日はオフだし、今夜はパーティーだね」と2本塁打を放ったブルースの活躍に上機嫌だった。

  • 【戦評】投手戦を制しカーショウがリーグトップタイの8勝目

    2017.6.8 15:11 Thursday

     クレイトン・カーショウとスティーブン・ストラスバーグの初対決となったこの試合。好投手の直接対決に相応しい投手戦が展開され、最終的にはミスが勝敗を左右する結果となった。

     先制したのはナショナルズ。2回表、先頭の4番ライアン・ジマーマンがインローの難しいボールを思いっきり引っ張ってレフトスタンドへ運び、リーグトップとなる17号ソロで先制点を叩き出す。しかし、その後はカーショウが流石のピッチング。2回から3イニング連続で四球を与えるなど、この日のカーショウは決して本調子ではなかったが、要所をしっかり締めてナショナルズに追加点を許さない。

     一方のストラスバーグは4回裏に三者連続三振を奪うなど、5回まで危なげないピッチングでドジャース打線を零封。ところが、6回裏、簡単にツーアウトを取ったものの、2番コリー・シーガーに低めのフォーシームを捉えられ、センター後方へ8号同点ソロを浴びてしまう。

     コーチがマウンドへ足を運び、一息ついたストラスバーグは3番エイドリアン・ゴンザレスを空振り三振に斬って取り、スリーアウトかと思いきや、捕手のホゼ・ロバトンがこれを後逸。振り逃げで出塁を許してしまう。ここで打席には4番ヤスマニ・グランダル。フルカウントからの6球目、外角のカーブを上手くバットに乗せた打球は決して会心の当たりではなかったものの、ライアン・レイバーンのグラブの先をかすめて左中間を破り、暴投により二塁へ進塁していたゴンザレスが生還。この回、ドジャースがもらったチャンスをしっかりモノにして2点を奪い、逆転に成功する。

     逆転してもらったカーショウは7回表のナショナルズの攻撃を三者凡退に抑え、8回からペドロ・バイエズへバトンタッチ。ところが、バイエズが8回表、先頭の1番トレイ・ターナーに右中間へのスリーベースを浴びてしまう。無死三塁。絶体絶命の大ピンチ。しかし、バイエズは2番レイバーンを空振り三振に斬って取ると、3番ブライス・ハーパーのピッチャー返しをガッチリ捕球し、三塁走者のターナーは本塁で走塁死。ここでドジャースは守護神ケンリー・ジャンセンにスイッチし、4番ジマーマンを投手ゴロに抑えて事なきを得た。

     9回表、ジャンセンは先頭の5番ダニエル・マーフィーにライト前ヒットを浴び、その後、一死二塁のピンチを背負ったものの、代打のアダム・リンドとマット・ウィータースを抑えて試合終了。ナショナルズにスイープを喰らえば1987年以来30年ぶり(当時はエクスポズ)となるところだったが、僅か3安打に終わったドジャースがワンチャンスをモノにしてなんとかスイープを回避した。

     カーショウは7回3安打9奪三振1失点の好投で今季8勝目(2敗)。「良い打線だし、(ナショナルズは)本当に良いチームだよ。勝てたのは幸運だったね」と試合後に語ったカーショウは「スイープを阻止できて良かったよ」とホッとした様子。カーショウから先制本塁打を放ったジマーマンは「彼と対戦するのは楽しいんだ。今、メジャーで最高の投手の一人だし、おそらく史上最高の投手の一人でもあるからね」とカーショウとの対戦を振り返った。

  • 1試合4本塁打の歴史を振り返る

    2017.6.8 12:24 Thursday

     スクーター・ジェネット(レッズ)の1試合4本塁打に沸いた昨日のメジャーリーグ。ジェネットを含め、過去17人が達成している1試合4本塁打の歴史を簡単に振り返ってみよう。

    ①ボビー・ロウ(ビーンイーターズ:1894年5月30日)

     ロウは史上初となる1試合4本塁打を達成。うち2本は3回の1イニングで放ったものだった。ロウは決してスラッガーではなく、18年のメジャー生活で71本塁打を記録している。

    ②エド・デラハンティ(フィリーズ:1896年7月13日)

     4本塁打のうち2本がランニング本塁打という非常に珍しい記録の持ち主。歴代17度の1試合4本塁打のうち、ランニング本塁打が含まれているのはデラハンティだけである。デラハンティは16年のメジャー生活で101本塁打を記録。1893年の19本塁打が自己最多だった。

    ③ルー・ゲーリッグ(ヤンキース:1932年6月3日)

     ゲーリッグはア・リーグ史上初となる1試合4本塁打を達成。また、近代野球(1900年以降)でも初の快挙となった。この試合はヤンキースが20-13でアスレチックスに勝利。ゲーリッグは9回にもセンターへの大飛球を放ったが、スタンドへは僅かに届かなかった。ゲーリッグはこの年、34本塁打を記録。17年のメジャー生活で493本塁打を放った。

    ④チャック・クライン(フィリーズ:1936年7月10日)

     1933年に三冠王を獲得し、キャリア2度のサイクルヒットを達成したクラインは9-6でパイレーツに勝利したこの試合で4本のアーチを架けた。クラインはこの年、25本塁打を記録。17年のメジャー生活で300本塁打を放った。

    ⑤パット・シーリー(ホワイトソックス:1948年7月18日)

     シーリーはア・リーグ史上初となる延長戦での1試合4本塁打を達成。ダブルヘッダー第1戦でアスレチックス投手陣を粉砕した。シーリーのキャリアは短く、メジャー生活は7年のみ。その7年間で86本塁打を記録した。

    ⑥ギル・ホッジス(ドジャース:1950年8月31日)

     ホッジスは2回にこの日1本目の本塁打を名投手ウォーレン・スパーンから放つと、3回、6回、8回にもアーチを架け、1試合4本塁打を達成。この年32本塁打を放ったホッジスは、18年のメジャー生活で370本塁打を記録した。

    ⑦ジョー・アドコック(ブレーブス:1954年7月31日)

     アドコックは4人の投手からそれぞれ本塁打を放ち、二塁打1本と合わせて1試合18塁打を記録。これは当時のメジャー最多記録となった。シーズン16~19号本塁打を固め打ちしたアドコックは、この年23本塁打を記録。17年のメジャー生活で336本塁打を放った。

    ⑧ロッキー・コラビト(インディアンス:1959年6月10日)

     コラビトはオリオールズ投手陣から4打席連続本塁打を記録。ロウ、ゲーリッグに次ぐ史上3人目の4打席連発となった。コラビトはメジャー2年目の1956年から11年連続20本塁打以上を記録し、30本塁打以上が7度、40本塁打以上が3度。14年のメジャー生活で374本塁打を記録した。

    ⑨ウィリー・メイズ(ジャイアンツ:1961年4月30日)

     メジャーリーグが誇るレジェンドの一人であるメイズはこの試合、1回、3回、6回、8回にアーチを架け、4本塁打8打点の大暴れ。前夜に食べたスナックの影響で吐き気を催しながら試合に臨んでいたと伝えられている。メイズは22年にわたる長いキャリアの中で歴代5位となる660本塁打を記録した。

    ⑩マイク・シュミット(フィリーズ:1976年4月17日)

     フィリーズがカブスを18-16というスコアで破ったこの試合。名三塁手のシュミットにとっても記念すべき試合となった。チーム9本塁打のうち4本塁打がシュミットによるもので、5回、7回、8回、10回に4打席連続本塁打を記録し、チームの勝利に貢献。この年38本塁打を放ったシュミットは、18年のメジャー生活で548本塁打を記録した。

    ⑪ボブ・ホーナー(ブレーブス:1986年7月6日)

     2回に先制ソロを放ったホーナーは、4回にソロ、5回にスリーラン、9回にもソロを放ち、1試合4本塁打を達成。なお、ホーナーの4本塁打6打点の大活躍にもかかわらず、ブレーブスは8-11でエクスポズに敗れている。この年27本塁打を放ったホーナーは、翌年ヤクルトに入団。93試合で31本塁打を放ち、「ホーナー旋風」を巻き起こした。メジャー生活は通算10年で、218本塁打を記録した。

    ⑫マーク・ウィッテン(カージナルス:1993年9月7日)

     ダブルヘッダー第2戦、初回に満塁本塁打を放ったウィッテンは6回と7回にスリーラン、9回にツーランを放ち、1試合4本塁打と1試合12打点のメジャー最多タイ記録を同時に達成(1試合12打点は1924年にジム・ボトムリーが記録)。「史上最高のパフォーマンス」との呼び声もある。ウィッテンはこの年、自己最多となる25本塁打、99打点を記録。11年のメジャー生活で105本塁打を放った。

    ⑬マイク・キャメロン(マリナーズ:2002年5月2日)

     イチローと鉄壁の右中間を形成したキャメロンはこの試合、1回に2本塁打を放つと、3回と5回にもアーチを架け、5回までに4本塁打を記録。ルー・ピネラ監督は「人生で数多くの試合を見てきたけど、最初の5イニングで4本塁打なんて初めて見たよ」と驚きを隠せなかった。なお、ブレット・ブーンとキャメロンは同一イニングに2度の2者連続本塁打を記録。これは現在でも史上唯一の記録となっている。キャメロンは17年のメジャー生活で278本塁打を記録した。

    ⑭ショーン・グリーン(ドジャース:2002年5月23日)

     キャメロンの快挙達成から3週間。グリーンは4本塁打のほかに単打1本、二塁打1本を放ち、1試合19塁打のメジャー新記録を樹立した。この試合が始まるまで僅か5本塁打だったグリーンはこの試合をきっかけに復調し、この年42本塁打を記録。15年のメジャー生活で328本塁打を放った。

    ⑮カルロス・デルガド(ブルージェイズ:2003年9月25日)

     この年すでに37本塁打を放っていたデルガドはこの試合、1回に38号スリーランを放つと、4回、6回、8回にも本塁打を放ち、1試合4本塁打を達成。デルガドはこの日、体調不良だったと伝えられているが、試合中にはその影響を全く見せなかった。この日1本目の本塁打で通算300本塁打に到達したデルガドは、この日3本目の本塁打で自身3度目となるシーズン40本塁打にも到達。17年のメジャー生活で473本塁打を記録した。

    ⑯ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ:2012年5月8日)

     1回、3回、7回、8回と4本のツーランを放ったハミルトン。うち2本はジェイク・アリエタ(当時オリオールズ)から放ったものだった。4回にはアリエタから二塁打を放っており、1試合18塁打はア・リーグ最多記録となっている。今年1月に再起を目指してレンジャーズとマイナー契約を結んだハミルトンだったが、4月にリリースされ、現在は無所属。通算200本塁打は2015年を最後に変わっていない。

    ⑰スクーター・ジェネット(レッズ:2017年6月6日)

     今季3本塁打だったジェネットは3回に4号満塁本塁打を放つと、4回に5号ツーラン、6回に6号ソロ、8回に7号ツーランを放ち、1回の先制タイムリーと合わせて5打数5安打4本塁打10打点の大暴れ。この時点で通算42本塁打となったジェネットだが、もちろんこれは1試合4本塁打を達成した17人の中で最少の数字。今後、ジェネットがどこまで通算本塁打数を増やしていけるか注目したい。

  • ヨエニス・セスペデスが復帰間近に

    2017.6.8 10:32 Thursday

     ナ・リーグ東部地区2位タイながら首位ナショナルズに12ゲームの大差をつけられているメッツ。そのメッツにまもなく頼れる主砲が戻ってくる。

     昨オフ、メッツと4年1億1000万ドルの大型契約を結んだヨエニス・セスペデスは今季、4月11日のフィリーズ戦で1試合3本塁打を記録するなど、出場18試合で6本塁打、10打点、OPS.992の好スタートを切った。ところが、左ハムストリングを痛めて4月28日に故障者リスト入り。セスペデスを欠いた試合でチームは16勝22敗(勝率.421)と苦戦が続いている。

     ジョン・リコGM補佐がニューヨーク・ポストに語ったところによると、ポートセントルーシーの春季キャンプ施設で調整中のセスペデスはすでに全力で走れる状態まで回復しており、違和感もなく、まもなくチームに合流できるようだ。

     当初はDHが使える敵地テキサスでのレンジャーズ戦で復帰する見込みだったが、Aアドバンス級でのリハビリ出場の際に四頭筋に痛みを感じ、復帰が先延ばしになっていた。メッツは今後、オールスター・ブレイクまでDHが使えないナ・リーグの球団との対戦が続くため、セスペデスが万全の状態となってから復帰させる方針だ。

     首位を快走するナショナルズを猛追するためにはセスペデスのバットは欠かせない。首脳陣、チームメイト、ファン、誰もが頼れる主砲の復帰を心待ちにしている。

  • 田中将大の復調を待つヤンキース

    2017.6.8 10:12 Thursday

     直近の5先発で0勝5敗、防御率10.72と極度の不振に苦しんでいる田中将大。しかし、ヤンキースは今のところ、田中を先発ローテーションから外すつもりはないようだ。

     「ローテーション通りだよ。話し合っていることはあるけど、表に出すような段階ではない」とジョー・ジラルディ監督が話せば、ラリー・ロスチャイルド投手コーチも田中の登板をスキップする計画はないことを明言した。しかしながら、ロスチャイド投手コーチは前回の対戦でノックアウトされたオリオールズ戦(日本時間6月12日)ではなく、マイク・トラウトを欠くエンゼルス戦(日本時間6月13日)に田中を回す可能性があることを示唆している。

     ジラルディ監督、ロスチャイルド投手コーチはともに田中の不調の原因がリリースポイントが安定しないことにあると考えており、すでに田中にもそれを伝え、改善に向けて動き始めている。ジラルディ監督はさらに、球速が出ていない一方で田中の身体には特に異常はないこと、スライダーやスプリッターの不安定さが不振に繋がっていることなどを付け加えた。

     本来のピッチングを取り戻すために苦心する田中将大。5年ぶりの地区優勝に向けて、首脳陣が自軍のエースとして信頼を置く右腕の復調は必要不可欠だ。

  • カージナルスがエクトル・メンドーサと契約

    2017.6.8 10:00 Thursday

     現在、ナ・リーグ中地区4位のカージナルスは新たにキューバ出身のエクトル・メンドーサとの契約に合意したと発表した。彼は23歳の右腕投手で以前は読売ジャイアンツにも所属していた。

     2014年8月に入団したメンドーサは当時、20歳。以前はキューバ国内リーグで先発や抑えをこなした経験から将来性豊かな選手として大きな期待がかけられていた。翌2015年に1軍デビューを果たすと2試合に登板して1ホールド 防御率3.00の成績を残した。そのオフには世界野球プレミア12でキューバ代表の一員としても投げていた。2016年も日本に残り、3試合でマウンドにあがるも防御率11.25と結果を残せず、その後はメジャー挑戦を目指して亡命していた。

     彼の武器は140キロ台中盤の直球をはじめ、カーブやスライダー、カットボールと多彩。カージナルスとしてはリリーフ投手として起用する見込みだという。近年、チームは3年前からキューバ出身選手の獲得に積極的でアレドミス・ディアスをはじめ、2016年に巨人に在籍したホセ・ガルシア、有望株の外野手であるジョナサン・マチャドなど数多くの選手を入団させている。

     日本では不本意な結果に終わったメンドーサ。果たして彼は新天地で活躍することができるのか、その右腕に注目が集まる。

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