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  • 1イニングに単打2本、二塁打1本、三塁打3本を打たれて無失点!?

    2020.11.6 12:00 Friday

     19世紀のメジャーリーグにジョット・ゴアという右腕がいた。1896年にパイレーツで3試合、1898年にレッズで1試合に登板し、合計15回1/3で防御率15.85という三流投手だった。しかし、マイナーのインディアナポリス球団でプレーした1897年には39試合で310イニングを投げて25勝9敗、防御率1.39という好成績をマーク。少なくともマイナーレベルの投手ではなかったようだ。このゴアは、1890年にインディアナ・ステート・リーグでプレーしていたとき、アンダーソン・タイガースという球団を相手に球史で最も不可能と思われる偉業を達成している。

     その偉業というのは「1イニングに単打2本、二塁打1本、三塁打3本を打たれて無失点」というものだ。しかも、イニングの先頭打者から3人連続で三塁打を打たれている。後続の打者が二塁打1本と単打2本を打ったにもかかわらず、1点も入らなかったというわけだ。この偉業はいったいどのように達成されたのか。「トロント・グローブ」の記事によると、詳細は以下のようになっている。

     まず、先頭打者のベンジャミン・アイルランドが三塁打を打った。次打者エド・ワイズウェルの打席でゴアの暴投があり、アイルランドは本塁へ突入したが、タッチアウト。直後にワイズウェルが三塁打を放ったものの、ランニング本塁打を狙って本塁でタッチアウト。三塁打2本の結果、二死走者なしとなった。

     3人目の打者ラッシュ・シャムウェイがまたも三塁打を放ち、二死三塁のチャンス。次打者ジーン・ダービーは三塁線へ絶妙なバントを転がし、三塁手がファウルになるのを見守っているあいだに二塁へ進塁(記録は二塁打)。ところが、三塁走者のシャムウェイは三塁に留まっており、二死二・三塁となった。

     5人目の打者ジーン・ファッツもバントを試み、一塁はセーフ(記録は単打)。しかし、いずれの走者も進塁しておらず、二死満塁となった。ここまで単打1本、二塁打1本、三塁打3本と合計5本のヒットが飛び出したものの、ゴアは1点も失っていない。

     そして、6人目の打者フランク・フィアーが右方向への痛烈なライナーを放った。ついに得点が入るかと思われたが、この打球が一塁走者のファッツの腕に当たってしまった。野球規則に従ってフィアーにはヒット(単打)が記録されたものの、一塁走者のファッツはアウト。これでスリーアウトとなり、アンダーソン・タイガースは1イニングのあいだにゴアから6本のヒットを打ちながらも無得点に終わったのだった。

     なお、この事例を紹介したメジャーリーグ公式サイトの記事は「贔屓球団が走者三塁から得点できなかったときは、アンダーソン・タイガースやジョット・ゴアのことを思い出しましょう」と締めくくられている。

  • インディアンス・リンドーア 今オフ中のトレード移籍は確実か

    2020.11.6 11:00 Friday

     インディアンスが誇るスター遊撃手、フランシスコ・リンドーアは来季がフリーエージェント前のラストイヤーとなる。今季の年俸は1750万ドル、年俸調停期間最終年となる来季の年俸は2000万ドルを超えることが予想されており、スモールマーケット球団のインディアンスには負担が大きすぎるとの声が非常に多い。「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は、来季開幕時にリンドーアが別のチームのユニフォームを着ていると予想。リンドーアのトレードは「起こるかどうか」ではなく「いつ起こるか」という段階に突入しつつあるようだ。

     ナイチンゲールはライバル球団の関係者の話として、予算に制約のあるインディアンスが来季の開幕までにオールスター遊撃手のリンドーアをトレードで放出したいと考えていることを紹介。来季の年俸が2100万ドル前後と予想されていることにも言及した。インディアンスは今オフ、最多セーブのタイトルを獲得したブラッド・ハンドの年俸1000万ドルの来季オプションを破棄したように、年俸総額の圧縮を進めており、高額年俸のリンドーアの放出が検討されるのは当然と言える。

     来オフはリンドーアのほか、ハビアー・バイエズ(カブス)、カルロス・コレア(アストロズ)、コリー・シーガー(ドジャース)、トレバー・ストーリー(ロッキーズ)といった有力遊撃手が一斉にフリーエージェントとなるため、各球団は1年待てばトレードの対価を失うことなしにスター遊撃手を獲得できる。とはいえ、26歳という若さでスター遊撃手が市場に出てくることは稀であり、今オフにトレードでリンドーアを獲得することに興味を示す球団は少なくないと見られている。

     問題は新型コロナウイルスの影響により年俸総額の削減を目指している球団が多いということだ。そのため、高額年俸のリンドーアを引き取ってもらう代わりに対価がグレードダウンされる可能性がある。新オーナーを迎えたメッツのような例外はあるものの、リンドーア放出を目指すインディアンスにとって難しい判断を強いられるオフシーズンとなるのは間違いなさそうだ。

  • ゲレーロJr.が猛省「努力をしなければメジャーではやっていけない」

    2020.11.6 10:30 Friday

     ドミニカ共和国の地元紙の報道によると、ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)は今年7月の夏季キャンプ開始時にチームへ報告したときより32ポンド(約15キロ)も減量し、250ポンド(約113キロ)前後を維持しているという。ゲレーロJr.は準備不足で夏季キャンプに合流した結果、シーズンで全く実力を発揮できなかったことを猛省し、3年目の飛躍に向けてコンディションの調整に取り組んでいる。2021年シーズンは、元トップ・プロスペクトのゲレーロJr.にとって、飛躍を遂げる1年となるかもしれない。

     明らかに太りすぎの状態で2020年シーズンの開幕を迎えたゲレーロJr.だったが、シーズン中にフィットネスに取り組んだ結果、自身のパフォーマンスにポジティブな効果があることを認識し、それをきっかけに減量に取り組むことになったという。「シーズンを終えて、多かれ少なかれ減量のことを念頭に置いた。(シーズン中に)20ポンド(約9キロ)痩せたらコンディションが良くなってきたんだ」とゲレーロJr.は語っている。

     また、「努力しなければメジャーリーグではやっていけないということをコロナ禍の数ヶ月のあいだに学んだ」と今季開幕前の自身の取り組みを猛省。「なぜフェルナンド・タティスJr.(パドレス)やフアン・ソト(ナショナルズ)は好成績を残すことができるのか。それは彼らが一生懸命に努力しているからだ。僕がヒットを打てたのは神様が与えてくれた能力のおかげ。自分が間違っている(=努力が不足している)ことはわかっていた」と今季を振り返った。

     ゲレーロJr.は現在、脂肪分の多い食べ物を控え、午後7時以降は水以外に何も摂取しない食生活を送っているという。また、ブルージェイズの春季キャンプ施設で打撃練習やゴロを捕球する練習、ウエイトトレーニングなどに取り組んでいるようだ。

     殿堂入り外野手のブラディミール・ゲレーロの息子として注目され、特にその打撃センスには極めて高い評価が与えられていたものの、メジャー2年間で183試合に出場して打率.269、24本塁打、102打点、OPS.778という平凡な成績に終わっている。とはいえ、ゲレーロJr.はまだ21歳。これまでの反省を生かし、球界屈指のスラッガーへと成長するチャンスはまだ十分に残されている。「この失敗を二度と起こさないようにしたい」と決意を口にした。

  • 世界一2度のドンブロウスキー エンゼルスGM就任の可能性を否定

    2020.11.6 10:00 Friday

     1997年にマーリンズ、2018年にレッドソックスをワールドシリーズ制覇へ導いた名GMとして知られるデーブ・ドンブロウスキーは今オフ、エンゼルスのGMとしてメジャーリーグの舞台に復帰する可能性が取り沙汰されている。しかし、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールによると、本人がその可能性を明確に否定したようだ。64歳のドンブロウスキーは現在、テネシー州ナッシュビルにメジャー球団を招致するために活動する団体に加わっており、その「ミュージック・シティ・ベースボール」との4年契約を尊重する意向を示した。

     ローゼンタールによると、ドンブロウスキーはエンゼルスの新たなGM候補には含まれていないという。シーズン終了時にビリー・エプラーGMを解任したエンゼルスは、2014年以来のポストシーズン返り咲きを果たすべく、フロントオフィスの新たなリーダー探しを進めており、候補者としてすでに14人もの名前が報じられている。そのなかにドンブロウスキーの名前は含まれておらず、今後もドンブロウスキーが新たなGMの候補になることはないようだ。

     ドンブロウスキーはローゼンタールによるインタビューのなかで「私はナッシュビルに留まるつもりだ」と発言。「私はここ(ミュージック・シティ・ベースボール)に加わるときに約束したんだ。ナッシュビルへの球団招致を行うなかで、球団拡張や本拠地移転が起こる場合も、球団招致が行き詰ってしまった場合も、ここに留まるということをね」とあくまでもナッシュビルへの球団招致活動が最優先であることを明言した。

     ドンブロウスキーはエクスポズ(現ナショナルズ)、マーリンズ、タイガース、レッドソックスでGMないし編成本部長を務めた経験があり、4度のリーグ優勝と2度のワールドシリーズ制覇を成し遂げている。GMが空席となったチームがドンブロウスキーの招聘に興味を持つのは当然とも言えるが、今のところ、ドンブロウスキーにメジャー復帰の意思はなさそうだ。

  • 野球専門誌が選ぶ2020年新人王はルイスとクロネンワース

    2020.11.6 09:30 Friday

     日本時間11月6日、野球専門誌「ベースボール・ダイジェスト」が選出する2020年の新人王が発表され、アメリカン・リーグはカイル・ルイス(マリナーズ)、ナショナル・リーグはジェイク・クロネンワース(パドレス)が選出された。ルイスとクロネンワースはともに、同誌の選考委員7人から1位票を5票ずつ獲得。両者は日本時間11月10日に発表される全米野球記者協会の投票によって決定する新人王でも各リーグの最有力候補と目されている。

     ア・リーグの1位票の残り2票はルイス・ロバート(ホワイトソックス)が獲得。3位にはショーン・マーフィー(アスレチックス)がランクインした。一方、ナ・リーグの1位票の残り2票はデビン・ウィリアムス(ブリュワーズ)とケブライアン・ヘイズ(パイレーツ)が獲得。ヘイズは4位で、トップ3にはトニー・ゴンソリン(ドジャース)が名を連ねた。

     現在25歳のルイスは、今季58試合に出場して打率.262、11本塁打、28打点、5盗塁、OPS.801をマーク。日本時間9月15日のアスレチックス戦でラモン・ラウレアーノが放ったグランドスラムかと思われた打球をキャッチするなど、守備面での活躍も光った。マリナーズの選手が同誌の新人王に選出されるのは、1984年のアルビン・デービス、2000年の佐々木主浩、2001年のイチローに続いてルイスが4人目である。

     現在26歳のクロネンワースは、今季54試合に出場して打率.285、4本塁打、20打点、3盗塁、OPS.831をマーク。二塁手としての起用がメインだったが、一塁と遊撃でも先発出場したほか、1イニングだけ三塁の守備にも就き、ユーティリティ性を発揮してチームに貢献した。パドレスの選手が同誌の新人王に選出されるのは、1976年のブッチ・メッツガー、1978年のオジー・スミス、1987年のベニト・サンティアゴに続いてクロネンワースが4人目である。

  • シルバースラッガー賞の受賞者決定 トラウトが史上初の快挙

    2020.11.6 09:00 Friday

     シルバースラッガー賞の受賞者が日本時間11月6日に「MLBネットワーク」の番組内で発表され、ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)、フアン・ソト(ナショナルズ)、マーセル・オズーナ(ブレーブス)らタイトルホルダーが順当に選出された。数少ないサプライズ選出と言えるのがナショナル・リーグ二塁手部門のドノバン・ソラーノ(ジャイアンツ)。また、アメリカン・リーグ外野手部門のマイク・トラウト(エンゼルス)は28歳のシーズンまでに8度受賞した史上初の選手となった。

     今季はナ・リーグで指名打者制が採用されたため、1980年の同賞設立以来初めて投手部門の選出がなく、オズーナがナ・リーグ指名打者部門の初めての受賞者となった。ア・リーグ本塁打王のルーク・ボイト(ヤンキース)は打点王・アブレイユとの争いに敗れて受賞ならず。なお、各リーグの受賞者と2020年レギュラーシーズンの打撃成績は以下の通り。

    アメリカン・リーグ

    捕手:サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)2年ぶり3度目
    37試合 打率.333 11本塁打 32打点 OPS.986

    一塁:ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)2年ぶり3度目
    60試合 打率.317 19本塁打 60打点 OPS.987

    二塁:DJ・レメイヒュー(ヤンキース)2年連続2度目
    50試合 打率.364 10本塁打 27打点 OPS1.011

    三塁:ホゼ・ラミレス(インディアンス)2年ぶり3度目
    58試合 打率.292 17本塁打 46打点 OPS.993

    遊撃:ティム・アンダーソン(ホワイトソックス)初
    49試合 打率.322 10本塁打 21打点 OPS.886

    外野:マイク・トラウト(エンゼルス)3年連続8度目
    53試合 打率.281 17本塁打 46打点 OPS.993

    外野:テオスカー・ヘルナンデス(ブルージェイズ)初
    50試合 打率.289 16本塁打 34打点 OPS.919

    外野:エロイ・ヒメネス(ホワイトソックス)初
    55試合 打率.296 14本塁打 41打点 OPS.891

    指名:ネルソン・クルーズ(ツインズ)2年連続4度目
    53試合 打率.303 16本塁打 33打点 OPS.992

    ナショナル・リーグ

    捕手:トラビス・ダーノウ(ブレーブス)初
    44試合 打率.321 9本塁打 34打点 OPS.919

    一塁:フレディ・フリーマン(ブレーブス)2年連続2度目
    60試合 打率.341 13本塁打 53打点 OPS1.102

    二塁:ドノバン・ソラーノ(ジャイアンツ)初
    54試合 打率.326 3本塁打 29打点 OPS.828

    三塁:マニー・マチャド(パドレス)初
    60試合 打率.304 16本塁打 47打点 OPS.950

    遊撃:フェルナンド・タティスJr.(パドレス)初
    59試合 打率.277 17本塁打 45打点 OPS.937

    外野:フアン・ソト(ナショナルズ)初
    47試合 打率.351 13本塁打 37打点 OPS1.185

    外野:ムーキー・ベッツ(ドジャース)3年連続4度目
    55試合 打率.292 16本塁打 39打点 OPS.927

    外野:ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)2年連続2度目
    46試合 打率.250 14本塁打 29打点 OPS.987

    指名:マーセル・オズーナ(ブレーブス)3年ぶり2度目
    60試合 打率.338 18本塁打 56打点 OPS1.067

  • 2年連続Gグラブ賞のウォンに少なくとも6球団が興味を示す

    2020.11.5 11:00 Thursday

     カージナルスから年俸1250万ドルの来季オプションを破棄されてフリーエージェントとなったコルテン・ウォンは、ナショナル・リーグの二塁手部門で2年連続2度目のゴールドグラブ賞を受賞した。「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」のデリック・グールド記者によると、ウォンにはエンゼルスなど少なくとも6球団が興味を示しているという。ウォンはカージナルスの決断に落胆する一方で、コロナ禍における球団の財政事情にも理解を示し、カージナルスとの再契約交渉に前向きであることを明らかにした。

     ウォンはカージナルスの来季オプション破棄という決断について「組織に心と魂を捧げたあと、腹にパンチを喰らったような感じ」と語った。メジャー有数の守備力を誇る二塁手には多くの球団が興味を示しているが、ウォンはカージナルスの財政事情に理解を示し、「契約を再構築することにはオープンだよ」とも話している。よって、カージナルスとウォンのあいだで、契約期間の後半に年俸が上昇するような複数年契約が結ばれる可能性は残されている。

     ただし、カージナルスにどれだけの資金的な余裕があるかは不透明だ。年俸総額の削減を行うなかで、ヤディアー・モリーナ、アダム・ウェインライトの両ベテランとの再契約というミッションも残されており、ジョン・モゼリアック野球部門社長は難しい判断を強いられている。カージナルスがウォンとの再契約に向けた動きを見せない場合、ウォンが受けるショックの大きさは計り知れないが、そのような現実が待ち受けている可能性は十分にある。

     今季のウォンは53試合に出場して打率.265、1本塁打、16打点、5盗塁、出塁率.350、OPS.675を記録。2年連続でゴールドグラブ賞を受賞したように、守備面では素晴らしい働きを見せたが、打撃面では打率.285、11本塁打、59打点、24盗塁、出塁率.361、OPS.784をマークした昨季から大きく成績を落としてしまった。

     フリーエージェント市場において、DJ・レメイヒューに次いで2番目に優秀な二塁手という評価を受けているウォン。球団への愛着を口にしている好守の二塁手に対して、カージナルスはどんな動きを見せるのだろうか。

  • 今季限りで現役引退のゴードン Gグラブ賞8度は球団タイ記録

    2020.11.5 10:30 Thursday

     今季のゴールドグラブ賞の受賞者が日本時間11月4日に発表され、アメリカン・リーグの左翼手部門では今季限りでの現役引退を表明しているアレックス・ゴードン(ロイヤルズ)が選出された。ゴードンは4年連続8度目の受賞となり、二塁手として8度のゴールドグラブ賞に輝いたフランク・ホワイトと並ぶ球団タイ記録。「賞を獲得することが僕の目標ではなかった」と語ったゴードンだが、プロ1年目のコーチがホワイトだったという縁もあり、「彼と栄誉を分かち合えることを大切にしたい」と控えめに喜びを口にした。

     ゴードンは今季限りでロイヤルズ一筋14シーズンのキャリアに幕を閉じた。大型三塁手として期待されながらも伸び悩み、2010年から左翼手へ転向したが、2010年から今季までの11シーズンで記録した102補殺は外野手としてメジャー最多の数字。ゴールドグラブ賞を受賞し、現役引退を後悔しているかと問われて「後悔はしていない。今年は受賞できると思っていなかった。素晴らしいニュースだし、他の年よりも驚いた」と語った。

     なぜゴードンは驚いたのか。ゴードンによると、今季は「自分の思い通りにプレーすることができなかった」という。打撃不振の影響で規定打席にわずかに届かなかったこともあり、「望んでいたほど多くの試合に出られなかった」こともゴールドグラブ賞の選考に影響するのではないかと考えていたようだ。また、初受賞だった2011年を除き、過去に受賞した年は「受賞できるという手応えがあった」というが、今季は受賞できると思っていなかったようだ。

     「Sportradar」の調査によると、現役ラストイヤーにゴールドグラブ賞を受賞した野手はゴードンが史上3人目。元ドジャースのウェス・パーカー(6年連続受賞のまま引退)と元パイレーツのロベルト・クレメンテ(12年連続受賞のまま事故死)がともに現役ラストイヤーの1972年に受賞しており、それ以来の快挙となった。

     「トロフィールームの棚にもう1つ分だけスペースが残っていた。これでスペースが完全に埋まったから引退するタイミングだね」と語ったゴードン。2008年から今季まで背負い続けた背番号「4」は、ロイヤルズの永久欠番となることが有力視されている。

  • ロッキーズ・アレナード 三塁手でGグラブ賞8度は歴代3位タイ

    2020.11.5 10:00 Thursday

     今季のゴールドグラブ賞の受賞者が日本時間11月4日に発表され、ナショナル・リーグの三塁手部門はノーラン・アレナード(ロッキーズ)が8年連続で受賞した。アレナードはメジャー1年目から8年連続で受賞しており、これを上回るのはイチロー(10年連続)だけ。また、三塁手として8度のゴールドグラブ賞はスコット・ローレンと並び、ブルックス・ロビンソン(16度)とマイク・シュミット(10度)に次ぐ歴代3位タイの記録となっている。

     アレナードは今季、シーズンの後半に「このプレーにはファンが興奮するだろうと思って、ファンの歓声が恋しくなったことがある。ダイビングをしたあとにファンの声が聞こえないなんてことは今までなかったからね。少し慣れてきたけど、これ以上慣れる必要がないといいな」と話していた。しかし、好守を称えるファンの歓声がなかろうと、アレナードのハイレベルな守備は健在だった。

     今季は開幕5試合目に左肩を痛め、故障を抱えながらも三塁手として48試合に出場。守備防御点では全ポジションの全選手中トップとなる+15を記録し、守備機会(163)、併殺完成数(19)、UZR(8.5)、OAA(9.3)などの部門でナ・リーグ三塁手1位の数字をマークした。また、補殺(117)で同2位、守備率(.982)と刺殺(43)でも同3位にランクインしており、文句なしのゴールドグラブ賞となった。

     バド・ブラック監督は「今季もまた、ノーランは自身が素晴らしい守備力を持った三塁手であることを証明した」と語り、アレナードの守備力を絶賛。「彼は毎日のように他の選手とは格の違うプレーを見せている。8度目のゴールドグラブ賞は、彼のハードワークと一番上手くなりたいという欲望の賜物だよ」と称えた。

     8年以上連続でゴールドグラブ賞を受賞した三塁手は、アレナードのほかにロビンソン(16年連続)とシュミット(9年連続)だけ。内野手全体で見てもオマー・ビスケル(遊撃手として1993年から9年連続)以来、史上6人目の快挙である。

     「これからも続けていきたいね」と意欲を口にしたアレナード。どこまで記録を伸ばすことができるか、来季以降のプレーにも注目だ。

  • メッツが2019年盗塁王・スミスを含む11選手とマイナー契約

    2020.11.5 09:30 Thursday

     メッツは日本時間11月5日、2019年にマリナーズでアメリカン・リーグ盗塁王に輝いたマレックス・スミス外野手、ブレーブスでクローザーを務めた経験のあるアローディス・ビスカイーノ投手、今季レッドソックスで34試合に出場したホゼ・ペラザ二塁手らを含む11人の選手とマイナー契約を結んだことを発表した。スティーブ・コーエンを新オーナーに迎えた今オフは積極的な戦力補強を展開することが予想されているが、まずはマイナーの選手層に厚みを持たせることに成功した。

     メッツがマイナー契約を発表したのは、スミス、ビスカイーノ、ペラザの3人にブルース・マックスウェル捕手、デービッド・ロドリゲス捕手、ジョネシュウィ・ファーガス外野手、ジェイク・ヘイガー内野手、ルイス・カルピオ内野手、ミッチェル・トルマン内野手、ハロル・ゴンザレス投手、オスカー・デラクルス投手の8人を加えた11人。メジャーでのプレー経験があるのはスミス、ビスカイーノ、ペラザ、マックスウェルの4人だけだ。

     現在27歳のスミスは、2018年からの2シーズンで合計86盗塁をマークし、2019年には両リーグ最多の46盗塁で盗塁王のタイトルを獲得。しかし、2019年の打撃成績は打率.227、6本塁打、37打点、OPS.635に過ぎず、守備防御点-13(中堅で-11、右翼で-2)と守備面でも精彩を欠いた。今季はさらに打撃成績が悪化し、14試合で打率.133、0本塁打、3打点、2盗塁、OPS.348とほとんど戦力にならず、9月にはマリナーズの40人枠から外れていた。

     来週30歳の誕生日を迎えるビスカイーノは、2017年からの3シーズンで合計105試合に登板して防御率2.53をマーク。しかし、故障が非常に多く、2017年は62試合に登板したものの、2018年は39試合、2019年は4試合しか投げられなかった。2019年シーズン終了後にフリーエージェントとなり、今季は無所属のまま1年を過ごした。クローザーの経験もあるため、復活すれば大きな戦力になるが、以前のパフォーマンスを取り戻せるかどうかは未知数だ。

  • クオリファイング・オファーへの対応が注目されるゴーズマン

    2020.11.5 09:00 Thursday

     今オフは6人の選手にクオリファイング・オファーが提示された。トレバー・バウアー、DJ・レメイヒュー、J・T・リアルミュート、ジョージ・スプリンガーの4人は同オファーを拒否することが確実視されているが、メッツから同オファーを提示されたマーカス・ストローマンとともに注目されているのがジャイアンツから同オファーを受けたケビン・ゴーズマンだ。1890万ドルという高額年俸を取るのか、あるいは同オファーを拒否したうえで複数年契約を狙うのか。決断が注目される。

     現在29歳のゴーズマンは、今季12試合(うち10先発)に登板して59回2/3を投げ、3勝3敗、防御率3.62、79奪三振をマーク。昨季の防御率が5点台後半だったゴーズマンの復活の要因について、データサイト「FanGraphs」のジェイク・メールホットはフォーシームの平均球速が3年前の水準まで戻っていたこと、その結果としてフォーシームとスプリッターのコンビネーションが効果的だったことなどを挙げている。

     ゴーズマンが来季も同様のパフォーマンスを見せられるのであれば、クオリファイング・オファーを受諾して来季は年俸1890万ドルでプレーし、1年後に改めて複数年契約を狙うこともできる。しかし、このやり方にはリスクも伴い、たとえば昨オフにツインズからの同オファーを受諾したジェイク・オドリッジは今季4試合しか登板できず、好条件の複数年契約どころか厳しいオフシーズンを強いられることになりそうだ。

     「ジ・アスレチック」のアンドリュー・バガーリーによると、ジャイアンツとゴーズマンは双方が再契約に興味を持っているという。バガーリーは「ジャイアンツがゴーズマン以上の評価を与えている投手はバウアーだけ」と伝えており、大型契約が予想されるバウアーを回避してゴーズマンとの再契約を最優先で進める可能性もある。クオリファイング・オファーを拒否したうえでジャイアンツと複数年契約を結ぶのが最も現実的なシナリオとなるかもしれない。

  • バウアーがクオリファイング・オファー拒否 争奪戦が本格スタート

    2020.11.5 08:30 Thursday

     元所属球団からクオリファイング・オファーを提示された選手は、日本時間11月12日までに受諾するか拒否するかを決める必要がある。しかし、トレバー・バウアーは決断までに長い時間を必要としなかったようだ。バウアーの代理人を務めるレイチェル・ルーバによると、バウアーはレッズからの同オファーを拒否することを決定。レッズを含め、バウアーの獲得に関心を持つすべてのチームと交渉を行う準備ができていることを明らかにした。

     クオリファイング・オファーの金額は年俸上位125選手の平均により決定され、今オフは1890万ドルと定められている。同オファーを受諾した場合は1年契約での残留となり、同オファーを拒否して市場に出たうえで他球団と契約した場合、翌年のドラフトにおける指名権の獲得と喪失が発生する。

     レッズは収益分配制度において収益分配金を受け取る側のチームであるため、バウアーが総額5000万ドル以上の契約を他球団と結んだ場合、2021年のドラフトにおいて1巡目と戦力均衡ラウンドAのあいだに補償指名権を得る。総額5000万ドル未満だった場合、得られる補償指名権は戦力均衡ラウンドBのあととなる。

     今季のバウアーは11試合に先発して73イニングを投げ、5勝4敗、防御率1.73、100奪三振の好成績をマーク。最優秀防御率のタイトルを獲得し、ナショナル・リーグのサイ・ヤング賞のファイナリスト3名にも選ばれている。ブレーブスとのワイルドカード・シリーズ第1戦では、チームは延長戦の末にサヨナラ負けを喫したものの、8回途中まで被安打2、奪三振12、無四球、無失点という見事なピッチングを見せた。

     メジャー30球団のみならず、日本プロ野球のチームからのオファーも検討することを明言しているバウアー。「厳冬」が予想される今オフだが、最大の注目株の1人である右腕をめぐってどんな争奪戦が繰り広げられることになるのだろうか。

  • ドジャース・ベッツ 史上2人目の両リーグMVPなるか

    2020.11.4 14:00 Wednesday

     今年2月に大型トレードでレッドソックスからドジャースに加入したムーキー・ベッツは、開幕前に結んだ12年3億6500万ドルという巨額の契約延長に応える活躍を見せ、フレディ・フリーマン(ブレーブス)、マニー・マチャド(パドレス)とともにナショナル・リーグMVPのファイナリスト3名に名を連ねた。ベッツはレッドソックス時代の2018年にアメリカン・リーグMVPを受賞しており、両リーグでのMVP受賞となればフランク・ロビンソンに続いて史上2人目の快挙となる。

     今季のベッツは55試合に出場して打率.292、16本塁打、39打点、10盗塁、OPS.927をマーク。64安打はリーグ10位タイ、47得点は同4位、打率は同16位、出塁率.366は同17位、長打率.562は同13位、盗塁は同5位タイ、本塁打は同3位タイの数字だった。

     得点圏ではメジャー3位となる打率.439(41打数18安打)を記録し、7回以降の試合終盤の打席でも打率.343(70打数24安打)の好成績。走攻守に高い総合力を発揮し、データサイト「Baseball-Reference」が算出する総合指標WARではメジャートップとなる3.4をマークした。

     1番打者として出塁率.383を記録し、ベッツが1番打者を務めた試合でドジャースは33勝9敗。また、ベッツが得点を記録した試合でドジャースは31勝5敗。要するに、ベッツのリードオフマンとしての働きぶりが7割超えの勝率をマークしたドジャースの勝敗に直結していた。

     8月13日のパドレス戦では自身6度目の1試合3本塁打を達成し、ジョニー・マイズ、サミー・ソーサと並ぶメジャータイ記録。8月27日のジャイアンツ戦では通算1000安打も達成した。また、守備面でも俊足と強肩を武器に素晴らしい働きを見せ、リーグを跨いで5年連続5度目となるゴールドグラブ賞を受賞している。

     最大のライバルになると見られるのが、全60試合に出場して打率.341、13本塁打、53打点、OPS1.102という素晴らしい成績を残したフリーマンだ。大手移籍情報サイト「MLB Trade Rumors」が実施している予想投票では、フリーマンが65%以上の得票率を記録して約28%のベッツ、約6%のマチャドを大きくリードしている。

  • エンゼルス・トラウト MVP投票で4位以下は3年ぶり2度目

    2020.11.4 13:30 Wednesday

     日本時間11月3日に発表されたアメリカン・リーグのMVPのファイナリスト3名のなかにマイク・トラウト(エンゼルス)の名前はなかった。これにより、トラウトはメジャー定着を果たした2012年以降では2017年に続いて自身2度目となるMVP投票での4位以下が確定した。トラウトは2012年から2019年までの8年間でMVPを3度受賞し、2位が4度、4位が1度。今季のファイナリスト3名にはホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)、DJ・レメイヒュー(ヤンキース)、ホゼ・ラミレス(インディアンス)が選出された。

     40試合しか出場しなかったメジャー1年目の2011年を除き、トラウトがMVP投票での順位が最も低かったのは2017年(4位)。この年は打率.306、33本塁打、72打点、22盗塁の好成績をマークし、出塁率.442、長打率.629、OPS1.071はいずれもリーグ1位の数字だったが、故障により114試合にしか出場できなかったことが大きく響いた。

     現在29歳のトラウトは、2014年、2016年、2019年とすでにMVPを3度受賞しており、これはメジャー歴代2位タイの記録。これを上回るのは7度受賞したバリー・ボンズ(元ジャイアンツなど)だけである。

     また、トラウトは8年連続でMVP投票の5位以内にランクインしているが、「エリアス・スポーツ・ビューロー」によると、これはメジャー記録。日本時間11月13日に発表される投票結果で4位または5位にランクインすれば、この記録をさらに更新することになる。

     今季のトラウトは53試合に出場して打率.281、17本塁打、46打点を記録。新人王に輝いた2012年から8年連続で11盗塁以上をマークしていたが、今季は1盗塁にとどまり、5年連続4割以上だった出塁率は.390、3年連続で10割以上だったOPSも.993と例年に比べるとやや低調なパフォーマンスに終始し、守備面でも精彩を欠いた。

  • ニューヨーク2球団によるリアルミュート争奪戦が勃発か

    2020.11.4 12:30 Wednesday

     フィリーズからフリーエージェントとなったJ・T・リアルミュートは、今オフのフリーエージェント市場における最大の注目選手の1人である。トップ・プロスペクトのシクスト・サンチェスを放出してまでリアルミュートを獲得したフィリーズが再契約を目指しているほか、スティーブ・コーエンを新オーナーに迎えて豊富な資金を有するメッツもリアルミュートの獲得を目指している。「MLBネットワーク・ラジオ」のスティーブ・フィリップスによると、ここにヤンキースも加わり、ニューヨーク2球団による争奪戦が勃発する可能性もあるようだ。

     今オフのフリーエージェント市場において、リアルミュートの次に有力な捕手として挙げられているのはヤディアー・モリーナやジェームス・マッキャン。つまり、一線級の捕手の獲得を目指す球団にとって、獲得候補はリアルミュートの一択という状況なのだ。

     フィリーズのジョン・ミドルトン・オーナーはトップ・プロスペクトを放出してまで獲得したリアルミュートとの再契約を望んでいるものの、コロナ禍のなかでどれくらいの資金をリアルミュートに投入できるか不透明な状況。メッツを移籍先の最有力候補に挙げる声は非常に多い。

     その一方、ヤンキースがリアルミュート獲得に動く可能性を指摘する声もある。前出のフィリップスのほか、「ジ・アスレチック」のジム・ボウデンもリアルミュートが最もフィットするチームとしてヤンキースの名前を挙げている。

     ヤンキースは正捕手ゲーリー・サンチェスをあと2年保有できるものの、依然として守備難を克服できないだけでなく、今季は49試合で打率.147、10本塁打、24打点、64三振、OPS.618という深刻な打撃不振に苦しんだ。シーズン終盤からポストシーズンにかけての戦いでは、控え捕手のカイル・ヒガシオカに正捕手の座を明け渡す有り様だった。

     こうした事情もあり、ヤンキースがサンチェスをトレードで放出したうえでリアルミュートを獲得する可能性が取り沙汰されている。ニューヨーク2球団は球界ナンバーワン捕手を巡って火花を散らすことになるのだろうか。

  • FA市場で「不作」の三塁手 ブライアントとアレナードに注目

    2020.11.4 12:00 Wednesday

     アンソニー・レンドン(エンゼルス)、ジョシュ・ドナルドソン(ツインズ)、マイク・ムスターカス(レッズ)がフリーエージェントとなった昨オフに比べ、今オフのフリーエージェント市場では三塁手の人材不足が目立っている。ジャスティン・ターナーはドジャースとの再契約が有力視されており、それに続くのはジェッド・ジョーコ、エリック・ソガード、トッド・フレイジャーといった顔ぶれだ。よって、三塁手の補強を目指す球団はトレード市場に目を向けると見られている。

     三塁手の補強が必要であると言われているのは、ブレーブス、ブルージェイズ、ナショナルズ、タイガースなど。これらの球団は、フリーエージェント市場だけでなくトレード市場での三塁手の補強も検討するに違いない。そのトレード市場で注目を集める存在になると見られているのがクリス・ブライアント(カブス)とノーラン・アレナード(ロッキーズ)だ。

     アレナードは2026年までの8年契約を結んでいるが、来季終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を有している。よって、ロッキーズは「フリーエージェントまで残り1年」の選手と同等の扱いをする可能性がある。一方、ブライアントは来季終了後にフリーエージェントとなる。よって、両者とも今オフ中に放出される可能性があると見られている。

     「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者によると、カブスは来季の年俸総額を大幅に削減したいと考えているという。今季の年俸が1860万ドルだったブライアントの放出に成功すれば、その目標の達成に大きく近付くことができる。ブライアントは昨オフ、フリーエージェントを遅らせるために意図的にメジャーデビューを遅らされたことをめぐって球団と争っており、球団との関係が良好でないこともトレードでの放出を後押しする。

     しかし、今オフは新型コロナウイルスの影響もあって年俸総額の削減を目指している球団が多く、高額年俸選手を放出する際には足元を見られる可能性が高い。ブライアントは高額年俸に加えて、34試合で打率.206、4本塁打、11打点、OPS.644という自己最悪のシーズンを過ごしており、カブスが期待するほどの対価は確実に得られない。カブスが対価を高望みすれば、昨オフのようにトレードは成立せず、ブライアントは来季もカブスの一員としてプレーすることになるだろう。

  • Gグラブ賞決定に使用された守備指数 前田は2位、秋山は3位

    2020.11.4 11:30 Wednesday

     今季のゴールドグラブ賞の選考は、監督・コーチによる投票が行われず、アメリカ野球学会が算出する「SABR Defensive Index」(略称SDI)という守備指数に基づいて受賞者が決定された。すでにアメリカ野球学会のホームページではSDIのランキングが公開されており、前田健太(ツインズ)はアメリカン・リーグ投手部門2位、秋山翔吾(レッズ)はナショナル・リーグ左翼手部門3位で惜しくも受賞を逃す結果となった。

     1957年に創設されたゴールドグラブ賞は、各球団の監督とコーチによる投票により受賞者が決定されてきた(自軍の選手には投票不可)が、2013年からSDIも考慮されるようになった。とはいえ、SDIが選考に占める割合は25%に過ぎず、監督・コーチによる投票の結果が75%という大部分を占めていたため、フィールド上での印象などに左右される部分も大きかった。

     しかし、今季は60試合制という短縮シーズンでの開催となり、しかもレギュラーシーズンは同地区内での対戦のみとなった。監督・コーチは限定された球団の選手のプレーしか目にしていないため、ゴールドグラブ賞の選考における監督・コーチによる投票は中止。例年25%だったSDIが占める割合を100%としてゴールドグラブ賞の選考が行われた。

     アメリカ野球学会のホームページで公開されているランキングを見れば一目瞭然だが、ランキングで上位の選手が順当にファイナリストに名を連ね、ランキングで1位の選手がゴールドグラブ賞の受賞者に選ばれている。ファイナリスト発表の際、レイズの名手ケビン・キアマイアーの名前がないことに驚きの声が上がったが、キアマイアーはア・リーグ中堅手部門で4位。ア・リーグ全体で8位という好成績ながら、キアマイアーより優れた数値を記録した中堅手が3人もいたため、ファイナリストから漏れる結果となった。

     SDIは守備指標の代表とも言える守備防御点(DRS=Defensive Runs Saved)のほか、UZR(=Ultimate Zone Rating)、RED(=Runs Effectively Defended)、DRA(=Defensive Regression Analysis)、TZR(=Total Zone Rating)といった各種の守備指標、さらにはStatcastが集計したデータなどを総合して算出されている。こうしたデータと実際のプレーを見た印象との乖離は存在するかもしれないが、今季は「SDIで1位の選手がゴールドグラブ賞」という極めてわかりやすい選考となった。

  • ゴールドグラブ賞の受賞者が決定 前田と秋山は受賞ならず

    2020.11.4 11:00 Wednesday

     日本時間11月4日、ゴールドグラブ賞の受賞者が発表され、ファイナリストに名を連ねていた前田健太(ツインズ)と秋山翔吾(レッズ)は惜しくも受賞を逃した。今季は監督・コーチによる投票が行われず、アメリカ野球学会が算出する守備指標に基づいて受賞者が決定。その影響もあったのか、多くの初受賞者が誕生する結果となった。

     アメリカン・リーグでは一塁手部門のエバン・ホワイト(マリナーズ)と中堅手部門のルイス・ロバート(ホワイトソックス)がメジャー1年目での受賞。新人一塁手による受賞は同賞創設以来初の快挙となった。また、今季限りで現役引退のアレックス・ゴードン(ロイヤルズ)は4年連続8度目の受賞となった。

     ナショナル・リーグでは三塁手部門のノーラン・アレナード(ロッキーズ)がメジャー1年目から8年連続8度目の受賞。これを上回るのはメジャー1年目から10年連続で受賞したイチロー(元マリナーズなど)だけである。各リーグの受賞者は以下の通り。

    アメリカン・リーグ

    投手 グリフィン・キャニング(エンゼルス)初
    捕手 ロベルト・ペレス(インディアンス)2年連続2度目
    一塁 エバン・ホワイト(マリナーズ)初
    二塁 セザー・ヘルナンデス(インディアンス)初
    三塁 イサイアー・カイナーファレファ(レンジャーズ)初
    遊撃 J・P・クロフォード(マリナーズ)初
    左翼 アレックス・ゴードン(ロイヤルズ)4年連続8度目
    中堅 ルイス・ロバート(ホワイトソックス)初
    右翼 ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ)初

    ナショナル・リーグ

    投手 マックス・フリード(ブレーブス)初
    捕手 タッカー・バーンハート(レッズ)3年ぶり2度目
    一塁 アンソニー・リゾー(カブス)3年連続4度目
    二塁 コルテン・ウォン(カージナルス)2年連続2度目
    三塁 ノーラン・アレナード(ロッキーズ)8年連続8度目
    遊撃 ハビアー・バイエズ(カブス)初
    左翼 タイラー・オニール(カージナルス)初
    中堅 トレント・グリシャム(パドレス)初
    右翼 ムーキー・ベッツ(ドジャース)5年連続5度目

  • 名捕手の後継者として期待されるカージナルスの有望株・ヘレーラ

    2020.11.3 11:23 Tuesday

     カージナルスが次代の正捕手候補として期待する有望株イバン・ヘレーラはヤディアー・モリーナ、バスター・ポージー、サルバドール・ペレスに憧れながらパナマで育った。プレーするときはいつも彼らの真似をし、それ以外の時間は彼らとチームメイトになることがどんなものかを想像した。もしこのうちの誰かに会えたらどんな会話をするかを考えたりもした。だから、カージナルスから契約のオファーがあったとき、マーリンズからも声が掛かっていたが、契約を決断するのに長い時間はかからなかった。

     ヘレーラは「僕がカージナルスを選んだのは、毎年勝ち越している球団であるということと、いつかメジャーリーガーになってヤディアー・モリーナと一緒にプレーし、彼から学びたいと思ったからだ」と語る。「モリーナの存在は僕がカージナルスを選んだ大きな理由だよ」とカージナルスとの契約を決断した理由を明らかにした。

     2016年7月2日に契約金20万ドルでサインしたヘレーラは現在、球団別のプロスペクト・ランキングでカージナルスの4位にランクインしている。来季はAA級でプレーすることが予想されるが、モリーナと一緒にプレーするという目標を達成できるかどうかは今オフのモリーナの去就次第だ(モリーナは今オフ、キャリア初のフリーエージェントとなった)。もしモリーナが他球団と契約した場合、アンドリュー・キズナーが正捕手となり、ヘレーラの目標は叶わないだろう。

     とはいえ、ヘレーラの目標は部分的には達成されている。夏季キャンプではモリーナの姿を見て、できる限り多くのことを吸収しようとした。レギュラーシーズンが開幕してマイナーキャンプ地へ移動したあとも、自身のメンターでありヒーローでもあるモリーナと連絡を取り合おうと努力した。

     「ほぼ毎日(モリーナと)一緒にトレーニングをしたし、彼はたくさんのアドバイスをくれた」とヘレーラ。「そのアドバイスは今後のキャリアにおいて大いに役立つと思う。基本的なことからメンタルの部分まで、たくさんのことを学ぶことができた。ディフェンスの基本についてもたくさんの話をした」とモリーナと過ごした時間はヘレーラにとってかけがえのない財産となっている。

     「打撃先行型の捕手」として注目を集めたヘレーラにとって、守備力の向上はメジャー昇格に向けての大きなポイントとなる。マイナー通算打率.309、昨オフに参加したアリゾナ秋季リーグでも打率.324と打撃面では着実に結果を残しており、守備力の向上が進めばメジャー昇格の日はグッと近付くはずだ。

     ここ最近のヘレーラは、早起きして朝8時にはジムにいて2時間のトレーニングを行い、打撃練習と守備練習を日常的に行っているほか、週に2度のペースでスローイングの練習にも取り組んでいるという。2021年シーズンの開幕に向けて、より完成度の高い選手になるために努力を続けている。

     「2020年は多くのメジャーリーガーやマイナーリーガーにとって大変な1年だった。つらかったけど、その経験から何かポジティブなものを得なければならない。僕はこの1年でたくさんのことを学ぶことができた。これからもポジティブにやっていくよ」とヘレーラ。20歳の有望株の目はすでに来季以降の戦いを見据えている。

  • メッツがトレードでカブス・ダルビッシュの獲得を狙う?

    2020.11.3 10:30 Tuesday

     スティーブ・コーエンが新オーナーとなったメッツは、今オフの移籍市場で積極的な戦力補強を展開することが予想されている。そんななか、「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者は、メッツがダルビッシュ有(カブス)の獲得に動く可能性に言及した。同記者によると、カブスは年俸総額の大幅削減を望んでおり、ダルビッシュがトレード要員となる可能性があるという。

     コーエンは北米プロスポーツ史上最高額でメッツを買収し、多くの球団オーナーが新型コロナウイルスの影響による減収でコストカットを目指しているなか、最も裕福なオーナーとなった。シャーマンは「(コーエンにとって)移籍市場で優位な立場になるためにベストのタイミングだ」と述べ、今オフのメッツが大型補強を行う可能性について言及した。

     今オフは年俸総額の削減を目指す球団が、例年よりも少ない対価で高額年俸選手の放出に動く可能性があると言われている。メッツはフランシスコ・リンドーア(インディアンス)の獲得を狙っていると見られるが、先発投手の補強も急務となっており、それを踏まえてシャーマンは「メッツがダルビッシュの獲得に動く可能性がある」と伝えている。

     ダルビッシュは今後3年間で5900万ドル分の契約を残している。カブスは来季終了後にハビアー・バイエズ、クリス・ブライアント、アンソニー・リゾー、カイル・シュワーバーと主力野手が一斉にフリーエージェントとなるため、それに備えなければならない。

     カブスがブライアントやシュワーバーの放出に動く可能性もあるが、メッツの補強ポイントには合致しない。シャーマンは「コーエンがダルビッシュと合わせてクレイグ・キンブレルも引き取ることを提案すれば、カブスはダルビッシュの放出を真剣に考える可能性がある」と具体的なトレード案にも言及した。

     なお、シャーマンはメッツが獲得に動く可能性のある選手として、リンドーアとダルビッシュのほか、ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)とノーラン・アレナード(ロッキーズ)の名前も挙げている。

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