ヤンキースが狙うトレード補強は?
2017.6.21 10:58 Wednesday
若手とベテランが見事に融合し、ア・リーグ東部地区の首位を走っているヤンキース。若手主体のチーム構成となり、「繋ぎの年」になるのではないかと予想された2017年シーズンだったが、2年ぶりのポストシーズン進出が現実味を帯びてきた。ポストシーズンを勝ち抜くためにトレード補強に動くのか、それともチームの将来を重視し、欲を出さずに現有戦力で戦うのか。ブライアン・キャッシュマンGMの決断に注目が集まっている。
キャッシュマンGMはここ数年、チーム再建のために若手有望株を集めることに尽力してきた。その結果、グレイバー・トーレス、ジャスタス・シェフィールド、クリント・フレイジャーらが名を連ねる、メジャー有数のマイナー組織が完成。今季のチームの躍進をアーロン・ジャッジ、ゲーリー・サンチェス、ルイス・セベリーノといったチーム生え抜きの若手選手が牽引しているのは周知のところだ。
苦労して整えたマイナー組織を、キャッシュマンGMが簡単に崩してしまうとは思えない。しかし、マイナー組織が充実していることもあり、一部のアンタッチャブルな有望株はともかく、チームの将来の構想から外れかねない有望株をトレードのコマとして活用することは十分に考えられる(ホルヘ・マテオ、ダスティン・ファウラー、タイラー・ウェイドらが後者にあたると見られている)。
ある関係者は次のように語る。「今年のヤンキースは良いチームだけど、いくつか穴もある。キャッシュマンGMがポストシーズンに向けてより良いチームを作ることも可能だけど、若手有望株を手放す意思があるかどうかが問題だ」
チーム最大の穴となっているのが一塁だ。主にクリス・カーターとグレッグ・バードが起用されているこのポジションは、攻撃力が重視されるポジションでありながら、攻撃面でほとんどチームに貢献できていない。エリック・ホズマー(ロイヤルズ)やヨンダー・アロンゾ(アスレチックス)を獲得する可能性が取り沙汰されているのはそのせいだ。オープン戦で好成績を残したバードの覚醒に期待するのも一つの方法だが、トレード補強が確実に戦力アップに繋がるポジションであることは間違いない。
チェイス・ヘッドリーが相変わらず物足りないパフォーマンスを続けている三塁は、トーレスの昇格によって戦力アップを図る目論見があったものの、トーレスがトミー・ジョン手術で今季絶望となり、その可能性は消滅。マイク・ムスターカス(ロイヤルズ)、トッド・フレイジャー(ホワイトソックス)、エドゥアルド・ヌニェス(ジャイアンツ)らを獲得して戦力アップを図る可能性が浮上している。ヘッドリーが打率.301、OPS.896をマークした4月の好調を取り戻せるならばいいのだが、通算打率.262、OPS.742の打者にそれを期待するのは酷だろう。
CCサバシアが故障離脱し、田中将大が先発5番手レベルのピッチングを続けている先発ローテーションにも補強が必要だ。ゲリット・コール(パイレーツ)、ソニー・グレイ(アスレチックス)、ホゼ・キンターナ(ホワイトソックス)といったエース級の投手のほか、ジョニー・クエイト(ジャイアンツ)、ジェイソン・バルガス(ロイヤルズ)、ハイメ・ガルシア(ブレーブス)、デレク・ホランド(ホワイトソックス)らもトレード市場に出てくる可能性が高く、少なくとも一人、できれば二人を獲得して8月以降の戦いに備えておきたいところだ。
ヤンキースが7月末のトレード・デッドラインまでにどのような動きを見せるのか。キャッシュマンGMの決断に注目したい。
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