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トレード・デッドライン 注目はロイヤルズ?

2017.6.20 11:22 Tuesday

 ポストシーズン進出、ワールドシリーズ制覇を目指すチームが戦力補強に動く7月末のトレード・デッドライン。今季終了後にFAとなる有力選手を多く抱えるロイヤルズに注目が集まっているが、開幕から低迷が続いていたロイヤルズもすっかり復調し、今ではポストシーズン進出を狙える位置につけている。各球団はいかに動くのか。

 エリック・ホズマー、マイク・ムスターカス、ロレンゾ・ケイン、アルシデス・エスコバー、ジェイソン・バルガス、ケルビン・ヘレーラ。トレード市場をロイヤルズの選手の名前が賑わせている。ヘレーラ以外の5人は今季終了後にFAとなるため、ロイヤルズ側としてもポストシーズン進出の可能性が低いのであれば、トレード・デッドラインで売り捌いてしまうのが得策と考えているのは間違いない。しかも、エスコバーとヘレーラ以外の4人は買い手が欲しがるだけの成績をしっかり残しているのである。

 18本塁打、OPS.864をマークしているムスターカスには、ヤンキースとレッドソックスが目を付けているという話がある。ヤンキースは開幕直後こそチェイス・ヘッドリーが好調だったものの、シーズンが進むにつれて本来の姿に戻っており、強力打線の中で数少ない穴となっている。今季中の昇格が期待されていたグレイバー・トーレスがトミー・ジョン手術のため今季絶望となってしまい、内部からの補強が不可能な状況に陥ってしまった。また、レッドソックスは開幕前から懸念されていたように、パブロ・サンドバルが復活できず、三塁手のOPS.565はメジャーワーストの数字。本気でムスターカスの獲得を目指すのであれば、ラファエル・ディバースら有望株の放出も検討されるだろう。

 ドジャースはヤシエル・プイーグの不安定なパフォーマンスに信頼を置いておらず、外野手のグレードアップを狙っているという話がある。強打のJ.D.マルティネス(タイガース)も獲得候補の一人だが、よりオールラウンドな活躍が期待できるケイン(打率.284、10本塁打、14盗塁、OPS.830)の獲得に動く可能性も十分。また、大黒柱クレイトン・カーショウの負担を軽減できる存在として、クリス・アーチャー(レイズ)にも目を付けているようだ。

 ヤンキースはさらに、先発ローテーションと一塁手のグレードアップを目指している。一塁手のOPS.659はメジャーワースト3位の数字であり、攻撃の核となるべきポジションがチームの足を引っ張っている状況なのだ。今季ブレイク中のヨンダー・アロンゾ(アスレチックス)の名前が取り沙汰されているが、ホズマー(打率.307、OPS.816)も獲得候補の一人であることは間違いないだろう。また、今季メジャー最速で2桁勝利に到達したバルガス(10勝3敗、防御率2.27)を獲得できれば、CCサバシアの故障離脱、田中将大の不振などで苦しい状況が続く先発ローテーションにとって大きな戦力アップになるはずだ。

 しかし、ア・リーグでは激しいワイルドカード争いが続いており、ワイルドカード2位のレイズから最下位のアスレチックスまで僅か4.5ゲーム差という大混戦。まだ全球団にポストシーズン進出の可能性が残されている状況だ。ロイヤルズもここにきてすっかり復調しており、地区首位まで3.5ゲーム、ワイルドカード圏内まで2ゲームというところまで迫っている。この状況の中で各球団のGMはいかに動くのか。トレード・デッドラインまで残り1ヶ月強。今後の動きから目が離せない。


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